JP5457908B2 - 形状測定方法 - Google Patents
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Description
形状測定機のなかには、被測定物にあけられた斜め孔や横孔などを測定できるように、プローブの姿勢(向き)を変更できるようにした構造のもの(例えば、特許文献1等)や、プローブが極微細などの理由から、プローブの姿勢(向き)を変更できない構造のものも知られている。
しかし、市販されているものは非常に高価で、しかも、微細形状の被測定物に適する大きさのものは見当たらない。また、専用に製作する場合でも、技術的課題や開発工数は小さくなく、結局、高価となってしまう。
次に、姿勢変更機構を動作させてテーブルの姿勢を傾けたのち(姿勢変更工程)、3つの基準球をプローブによって測定して各基準球の中心座標を求め、これら中心座標を含む面を座標面とする第2基準球座標系を作成する(第2基準球座標系作成工程)。また、テーブルの姿勢変更後において、被測定物をプローブによって測定する(測定工程)。
最後に、測定工程で得られた結果を第2基準球座標系上に算出するとともに、この第2基準球座標系上にワーク座標系を再現すると、このワーク座標系において、測定結果を求めることができる(測定結果算出工程)。
従って、第1基準球座標系作成工程と第2基準球座標系作成工程とからテーブルの傾き量を求めることができるから、高精度でなく安価な姿勢変更機構を用いても、被測定物の形状などを高精度に測定することができる。
このような構成によれば、第1回転テーブルと第2回転テーブルとを備えているから、これら第1、第2回転テーブルを回転させることにより、被測定物の測定部位をプローブの向きに合わせることができる。従って、プローブによって測定できる向きに被測定物の姿勢を傾かせることができるから、被測定物をテーブルに載置固定したまま、被測定物の異なる測定部位を高精度に測定することができる。
形状測定機は、図1に示すように、基台1と、XYステージ2と、このXYステージ2を水平面内の互いに直交するXおよびY軸方向へ変位させるX軸駆動機構3XおよびY軸駆動機構3Yと、XYステージ2上に設けられ被測定物を載置するとともに被測定物の姿勢を調整する姿勢変更機構4と、基台1の上面に跨って設けられた門形フレーム5と、この門形フレーム5のクロスレール5Aに設けられたZ軸スライダ6と、このZ軸スライダ6をXおよびY軸方向に対して直交するZ軸方向へ変位させるZ軸駆動機構7と、Z軸スライダ6にプローブホルダ8を介して取り付けられたプローブ9とを含んで構成されている。
Z軸駆動機構7も、X軸駆動機構3XやY軸駆動機構3Yと同様に、例えば、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に螺合されたナット部材とを有する送りねじ機構によって構成されている。
つまり、XYステージ2とプローブ9とは、X軸駆動機構3X、Y軸駆動機構3YおよびZ軸駆動機構7を含む相対移動機構によって、三次元方向へ相対移動可能に構成されている。
なお、第1回転テーブル12および第2回転テーブル14は、共に、内部にステッピングモータが内蔵され、このステッピングモータによって回転駆動される構造である。
ここでは、図3に示すように、略直方体形状の被測定物Wの上面にあけられた斜め穴Hの角度、つまり、被測定物Wの上面W1からの垂直軸線Jwと斜め穴Hの中心軸線Jhとのなす角度θを測定する例について説明する。
この工程では、図4に示す手順に従って、第1基準球座標系(図5参照)を作成する。
ステップ(以下、STと略す)11において、3つの基準球21,22,23をそれぞれ5点球測定し、この測定結果から各基準球21,22,23の中心座標Q11,Q21,Q31を算出する。
ST12において、3つの中心座標Q11,Q21,Q31から、座標面(XY)を算出する。つまり、3つの中心座標Q11,Q21,Q31を含む姿勢変更前基準面(座標面)を算出する。
ST13において、3つの中心座標Q11,Q21,Q31のうち任意の1つ、例えば、中心座標Q11を第1基準球座標系の原点Os1として算出する。
ST14において、原点Os1として算出した中心座標Q11と残るいずれかの中心座標、例えば、中心座標Q21とから第1基準球座標系の座標軸Xs1を算出する。
ST15において、姿勢変更前基準面(座標面)において座標軸Xs1に対して直交する座標軸Ys1と、これら座標軸Xs1,Ys1に対して直交する座標軸Zs1とを算出して、第1基準球座標系(Xs1,Ys1,Zs1)を作成する(図5参照)。
この工程では、図6に示す手順に従って、ワーク座標系(図7参照)を作成する。
ST21において、被測定物Wの上面W1を3点面測定し、これをワーク座標系の座標面(XY面)とする。
ST22において、被測定物Wの上面W1に隣接する2つの側面W2,W3を各々2点線測定する。
ST23において、測定した2線L2,L3を座標面(ワーク上面のXY面)に投影する。
ST24において、2線L2,L3の交点をワーク座標系の原点Owとして算出する。
ST25において、2線L2,L3のうち任意の1線、例えば、線L2をワーク座標系の座標軸Xwとして算出する。
ST26において、XY面および座標軸Xwに対して直交する座標軸Ywと、座標軸Xw,Ywに対して直交する座標軸Zwとを算出して、第1基準球座標系(Xs1,Ys1,Zs1)上にワーク座標系(Xw,Yw,Zw)を作成する(図7参照)。
この工程では、図8に示す手順に従って、被測定物Wの姿勢を傾ける(図9参照)。
ST31において、斜め穴Hが測定できる位置(プローブ9が挿入できる測定機Z軸と平行な位置)に第1回転テーブル12および第2回転テーブル14を回転させる(図9参照)。
この工程では、図10に示す手順に従って、第2基準球座標系(図11参照)を作成する。
ST41において、3つの基準球21,22,23をそれぞれ5点球測定し、この測定結果から各基準球21,22,23の中心座標Q12,Q22,Q32を算出する。
ST42において、3つの中心座標Q12,Q22,Q32から、座標面(XY)を算出する。つまり、3つの中心座標Q12,Q22,Q32を含む姿勢変更後基準面(座標面XY)を算出する。
ST43において、3つの中心座標Q12,Q22,Q32のうち任意の1つ、例えば、中心座標Q12を基準球座標系の原点Os2として算出する。
ST44において、原点Os2として算出した中心座標Q12と残るいずれかの中心座標、例えば、中心座標Q22とから第2基準球座標系の座標軸Xs2を算出する。
ST45において、姿勢変更後基準面(座標面XY)および座標軸Xs2に対して直交する座標軸Ys2、座標軸Xs2,Ys2に対して直交する座標軸Zs2とを算出して、第2基準球座標系(Xs2,Ys2,Zs2)を作成する(図11参照)。
ここでは、図12に示す手順に従って、測定工程および測定結果算出工程を行う。
ST51において、斜め穴Hを1断面3点、2断面(計6点)円測定し、斜め穴Hの中心軸線Jhを算出する(測定工程)。
ST52において、中心軸線Jhを第2基準球座標系(Xs2,Ys2,Zs2)上に算出する(図13参照)。
ST53において、予め算出しておいた第1基準球座標系(Xs1,Ys1,Zs1)上のワク座標系(Xw,Yw,Zw)を、第2基準球座標系(Xs2,Ys2,Zs2)上に再現する(図14参照)。
ST54において、ワーク座標系(Xw,Yw,Zw)のZw軸と中心軸線Jhとの角度θを算出する(図15参照:測定結果演算工程)。
本実施形態によれば、3つの基準球21,22,23をプローブ9によって測定して各基準球21,22,23の中心座標を求め、これら中心座標を含む面を座標面とする第1基準球座標系を作成する(第1基準球座標系作成工程)。また、被測定物Wをプローブ9によって測定して被測定物Wの上面W1を座標面とするワーク座標系を作成する(ワーク座標系作成工程)。
次に、姿勢変更機構4を動作させてテーブル(第2回転テーブル14の被測定物載置面14A)の姿勢を傾けたのち(姿勢変更工程)、3つの基準球21,22,23をプローブ9によって測定して各基準球21,22,23の中心座標を求め、これら中心座標を含む面を座標面とする第2基準球座標系を作成する(第2基準球座標系作成工程)。また、テーブルの姿勢変更後において、被測定物Wをプローブ9によって測定する(測定工程)。
最後に、測定工程で得られた結果を第2基準球座標系上に算出するとともに、この第2基準球座標系上にワーク座標系を再現すると、このワーク座標系において、測定結果を算出することができる(測定結果算出工程)。
従って、第1基準球座標系作成工程と第2基準球座標系作成工程とからテーブルの傾き量を求めることができるから、高精度でなく安価な姿勢変更機構を用いても、被測定物Wの形状などを高精度に測定することができる。
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本考案に含まれる。
前記実施形態において、姿勢変更機構4は、XYステージ2と平行な軸J1を中心に回転可能に設けられた第1回転テーブル12と、軸J1に対して直交する軸J2を中心に転可能に設けられた第2回転テーブル14とを含んで構成されていたが、第2回転テーブル14を省略し、第1回転テーブル12のみでもよい。
また、姿勢を変更する構成としては、回転テーブルに限らず、テーブルの一端を支点として他端が起伏可能に構成された構造であってもよい。
9…プローブ、
12…第1回転テーブル、
14…第2回転テーブル、
14A…被測定物載置面(テーブル)、
21,22,23…基準球、
W…被測定物。
Claims (2)
- 被測定物を載置したテーブルの姿勢を傾ける姿勢変更機構を備え、前記テーブルとプローブとを相対移動させながら、前記被測定物の形状を測定する形状測定方法において、
前記テーブルの被測定物載置面に3つの基準球を互いに離間して配置する工程と、
前記3つの基準球を前記プローブによって測定して各基準球の中心座標を求め、これら中心座標を含む面を座標面とする第1基準球座標系を作成する第1基準球座標系作成工程と、
前記被測定物を前記プローブによって測定して被測定物の特定面を座標面とし、前記被測定物の特定面に隣接する2つの側面を2点線測定し、測定した2線を前記座標面に投影し、前記2線の交点を原点として算出し、前記2線のうちの任意の1線を座標軸とするワーク座標系を作成するワーク座標系作成工程と、
前記姿勢変更機構を動作させて前記テーブルの姿勢を傾ける姿勢変更工程と、
前記テーブルの姿勢変更後において、前記3つの基準球を前記プローブによって測定して各基準球の中心座標を求め、これら中心座標を含む面を座標面とする第2基準球座標系を作成する第2基準球座標系作成工程と、
前記テーブルの姿勢変更後において、前記被測定物を前記プローブによって測定する測定工程と、
この測定工程で得られた結果を前記第2基準球座標系上に算出するとともに、この第2基準球座標系上に前記ワーク座標系を再現し、このワーク座標系において、測定結果を算出する測定結果算出工程と、を備えることを特徴とする形状測定方法。 - 請求項1に記載の形状測定方法において、
前記姿勢変更機構は、前記プローブの軸線に対して直交する軸を中心に前記テーブルを回転させる第1回転テーブルと、この第1回転テーブルに設けられ前記第1回転テーブルの回転軸に対して直交する軸を中心に前記テーブルを回転させる第2回転テーブルとを備えている、ことを特徴とする形状測定方法。
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