JP5456392B2 - リチウムイオン二次電池用の負極材料及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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(負極の概略)
図1及び図2は、第1実施形態のリチウムイオン二次電池用の負極102の模式図である。図1は、シリコン/炭素複合材料粉末104の粒子が収縮した放電状態を示し、図2は、シリコン/炭素複合材料粉末104の粒子が膨張した充電状態を示す。
シリコン/炭素複合材料粉末104は、シリコン粉末114の一次粒子の表面を炭素被膜116で被覆した構造を有する。
カーボンブラック106は、導電性炭素粉末の代表例である。導電性炭素粉末は、製造方法、出発原料等に由来する名称で呼ばれる場合、例えば、「ファーネスブラック」「チャンネルブラック」「アセチレンブラック」「サーマルブラック」等と呼ばれる場合もある。導電性炭素粉末の一次粒子は、内部が中空となっていない中実体であってもよいし、内部が中空となっている中空体であってもよい。導電性炭素粉末の一次粒子の表面が水酸基、カルボキシル基等の官能基で修飾されていてもよい。
カーボンナノファイバ108は、導電性炭素繊維の代表例である。導電性炭素繊維は、繊維の長さ方向に延在する中空部を内部に有さない中実体であってもよいし、繊維の長さ方向に延在する中空部を内部に有する中空体であってもよい。カーボンナノファイバ108は、15層以上の円筒形のグラフェンシート(炭素網層)を直径方向に同軸状に積層した円筒積層体であることが望ましく、当該円筒積層体の円筒面がC軸面となっていることが望ましい。このような構造を有するカーボンナノファイバ108は、十分な機械的強度及び弾性を有するからである。
負極102の製造にあたっては、シリコン/炭素複合材料粉末104、カーボンブラック106、カーボンナノファイバ108及び結着剤が混練機により混練され、負極材料の混練物が製造される。粘度を調整するためにアセトニトリル等の有機溶媒を混練の際に負極材料の混練物に添加してもよい。リチウムイオン導電性の電解質を負極材料の混練物に添加してもよい。
図3は、第1実施形態の負極102を使用した第2実施形態のリチウムイオン二次電池202の主要部の模式図である。
(3.1 負極)
(負極材料の成分)
表1は、リチウムイオン二次電池の試作にあたって調製した6種類の負極材料N1〜N6において使用したシリコン粉末114の平均粒子径、カーボンナノファイバの種類及び結着剤の種類を示している。また、表1は、負極材料N1〜N6における各成分の配合量も示している。
10重量部の表1に示すシリコン粉末と90重量部の塩素化ポリエチレンエラストマーとをカレンダーロールで混練した。
3重量部のCNF−Tを97重量部のアセトニトリルに分散させ、CNF−T分散液を作製した。
負極材料N1〜N6について、その成分を表1の重量比となるように配合した。
表3は、試作した電池C1〜C10における負極材料の種類、負極集電体の種類及び負極材料の塗布の膜厚を示している。
(正極材料の成分)
表2は、リチウムイオン二次電池の試作にあたって調製した2種類の正極材料P1,P2における各成分の配合量を示している。
正極材料P1,P2について、その成分を表2の重量比となるように配合した。
表3は、試作した電池C1〜C10における正極材料の種類及び正極材料の塗布の膜厚も示している。
電池C1〜C8については、作製した正極と負極とを有機電解質及びセパレータを挟んで対向させた積層体をラミネートフィルムからなる容器に収容し、積層体が収容されたラミネートフィルムを真空融着して封止した。
図4は、電池C1〜C4、図5は、電池C5,C7、図6は、電池C9,C10の性能試験の結果を示す図である。図4〜図6は、5サイクル目の放電又は充電を開始してから経過した時間に対する電池C1〜C5,C7,C9,C10の電圧の変化を示すグラフである。充放電は、電池C1〜C5,C7については20℃、電池C9,C10については60℃の環境下で行った。充放電電流は、電池C1〜C5,C7については2mA、電池C9,C10については1mAの定電流とした。充放電の運転電圧は、2.2〜3.6Vの範囲内とした。
表4は、電池C1〜C10の充放電を繰り返した場合の放電容量の変化を示している。充放電は、電池C1〜C8については20℃、電池C9,C10については60℃の環境下で行った。充放電電流は、電池C1〜C4については2mA、電池C5〜C8については6mA、電池C9,C10については1mAの定電流とした。充電のカットオフ電圧は3.6V、放電のカットオフ電圧は2.2Vとした。充電と放電とを切り替えるときの休止時間は0.1分とした。表4における括弧内の数値は、3サイクル目の電池容量を100%としたときの放電容量の相対値を示している。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例がこの発明の範囲から外れることなく想定され得る。
104 シリコン/炭素複合材料粉末
106 カーボンブラック
108 カーボンナノファイバ
112 集電体
Claims (3)
- 粒子の表面が炭素被膜で被覆されたシリコン粉末を含む負極活物質粉末と、
前記負極活物質粉末の粒子の間に存在し前記負極活物質粉末より一次粒子の平均粒子径が小さい導電性炭素粉末と、
前記負極活物質粉末の粒子の間に前記導電性炭素粉末と共存し前記負極活物質粉末及び前記導電性炭素粉末の一次粒子の平均粒子径より繊維の平均直径が細く前記導電性炭素粉末の一次粒子の平均粒子径より繊維の平均長さが長い導電性炭素繊維と、
を含有し、
前記導電性炭素繊維は、15層以上のグラフェンシートが直径方向に同軸状に積層され円筒面がC軸面となっている円筒積層体であり、前記導電性炭素繊維の平均長さが0.1μm以上10μm以下であり、前記導電性炭素繊維の平均直径が10nm以上20nm以下であるリチウムイオン二次電池用の負極材料。 - 前記シリコン粉末の一次粒子の平均粒子径が10μm以下である請求項1のリチウムイオン二次電池用の負極材料。
- 請求項1又は2のリチウムイオン二次電池用の負極材料からなる負極と、
正極と、
前記負極と前記正極との間に存在する電解質と、
を備えるリチウムイオン二次電池。
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