JP5455503B2 - 熱輸送ユニット、電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路、LED素子、パワーデバイス、電子部品などの発熱体から受熱した熱を効率的に輸送する熱輸送ユニットおよび電子機器に関するものである。
電子機器、産業機器および自動車などには、半導体集積回路、LED素子、パワーデバイスなどの電子部品が使用されている。これらの電子部品は、内部を流れる電流によって発熱する発熱体になっている。発熱体の発熱が一定温度以上となると、動作保証ができなくなる問題もあり、他の部品や筐体へ悪影響を及ぼし、結果として電子機器や産業機器そのものの性能劣化を引き起こす可能性がある。
このような発熱体を冷却するために、封入された冷媒の気化と凝縮による冷却効果を有するヒートパイプを用いた冷却装置が提案されている。
ヒートパイプは、内部に封入された冷媒が気化する際に、発熱体から熱を奪って移動する。気化した冷媒は、放熱によって冷却されて凝縮し、凝縮した冷媒は再び還流する。この気化と凝縮の繰り返しによって、ヒートパイプは発熱体を冷却する。
ヒートパイプの冷却メカニズムは、発熱体からの熱を奪い取る受熱部材(冷媒が気化する)、奪い取った熱を輸送する熱輸送部材(気化した冷媒が移動すると共に凝縮した冷媒が還流する)、輸送された熱を放散する放熱部材(気化した冷媒を冷却して凝縮させる)を有する。ここで、特許文献1は、ヒートパイプの一例を提案する。特許文献1は、発熱体からの熱で気化した冷媒を、パイプを通じて別体の部材に移動させ、別体の部材においてはヒートシンクなどの二次冷却部材で冷却する技術を開示する。また、特許文献2は、冷却機能を有する電子基板を開示している。
近年、冷却対象となる電子部品は、CPU(Central Processing Unit)や専用ICのような比較的大型の半導体集積回路のみでなく、高輝度LED(Light Emitting Device)をはじめとする非常に小型の電子部品であることも多い。このような小型の電子部品は、単体でのサイズが小さいだけでなく、複数の電子部品で1セットとなることも多い。このため、ヒートパイプを用いた冷却装置は、複数の小型の電子部品を冷却する必要があることも多い。
特開2004−37001号公報 特開平11−101585号公報
ヒートパイプを用いた冷却装置では、熱輸送効率(気化冷媒の拡散と冷媒の還流の一回あたりの速度と、単位期間でのサイクル数により定まる)を向上させることが、冷却能力向上に重要である。
従来技術におけるヒートパイプが有する熱輸送部材は、ウィックを包含するパイプであって、受熱部材から気化した冷媒がこのパイプに入り込むのが困難であったり、放熱部材で凝縮した冷媒が、パイプに入り込むのが困難であったりする問題を有する。受熱部材や放熱部材とパイプとの物理的な接続構造の影響を受けるからである。このため、熱輸送部材であるウィックを備えるパイプでの熱輸送の速度は低い。
特許文献1のヒートパイプは、平板状の板材の内部空間全体を、熱輸送部材として利用している。このため、内部空間全体が、気化した冷媒の拡散および凝縮した冷媒の還流を行う。冷却対象となる発熱体が、大型の半導体集積回路であれば、このような内部空間全体を熱輸送部材として活用しても、一定の熱輸送効率は得られる。しかしながら、LEDなどの複数かつ小型の発熱体を冷却する場合には、発熱体の発熱面積とヒートパイプの受熱および熱輸送面積とがアンバランスであり、ヒートパイプのサイズや能力に対する熱輸送効率が悪い。発熱体の発熱量に対して、冷媒の量が多くなってしまうので、冷媒の気化の効率が悪くなるからである。還流の効率も同様に悪くなる。
特許文献2は、細孔が整列する板型ヒートパイプを開示する。特許文献2に開示される板型ヒートパイプであれば、各々の細孔毎が、気化した冷媒の拡散と凝縮した冷媒の還流を行う。しかしながら、板型ヒートパイプに接する発熱体の個数や発熱量によって、熱輸送の激しい細孔と熱輸送の乏しい細孔とに分かれる。熱輸送効率は、気化した冷媒の拡散と凝縮した冷媒の還流の速度およびサイクル数で決まるが、このとき、発熱量の高い発熱体の冷却においては、より多くの冷媒を必要とする。特許文献2の板型ヒートパイプでは、細孔毎に冷媒が封入されているので、冷媒の不足する細孔や冷媒が過剰である細孔に分かれてしまい、板型ヒートパイプ全体としての熱輸送効率が悪くなる。
また、特許文献2の板型ヒートパイプは、細孔が空隙となっているだけなので、気化した冷媒の拡散を行えるが、凝縮した冷媒の還流を効率よく行うことはできない。加えて、熱源である発熱体の熱を、発熱体から離れた位置に高速に輸送することが求められるが、特許文献2に開示されるような冷却機能を有する電子基板や、平板形状のヒートパイプは、熱を高い効率で輸送できない。
これは、電子基板や平板形状のヒートパイプの中を拡散する気化した冷媒と、凝縮して還流する冷媒とが衝突することで、気化した冷媒の拡散と凝縮した冷媒の還流とのそれぞれの速度が低下するからである。
あるいは、銅やアルミニウムなどの金属板を熱輸送部材として利用することも広く行われているが、金属板は熱伝導率に従った熱輸送しかできないので、熱輸送効率を向上させることには限界がある。
以上のように、従来技術のヒートパイプを用いた冷却装置では、種々の発熱体にフレキシブルに対応しつつも、高速に熱を輸送することができなかった。
本発明は、冷却対象となる発熱体の種類にフレキシブルに対応できると共に、発熱体から奪い取った熱を高速に輸送できる熱輸送ユニットおよび電子機器を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の熱輸送ユニットは、配置された複数の発熱体の熱を第1端部から他方の第2端部に向けた第1方向に沿って輸送する熱輸送ユニットであって、上部板と、上部板と対向する下部板と、上部板と下部板とによって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、内部空間を第1方向に沿って区分する複数の通路と、内部空間の底面に設けられ、第1方向に沿った複数の溝と、を備え、第1端部は、第1方向に沿った一方の端部であり、第2端部は、第1端部と逆側の端部であり、複数の通路と複数の溝とは、一部の領域において一対の毛細管流路によって接続し、他の領域において隔壁によって分離されており、上部板および下部板は平板形状を有して、内部空間も平板形状を有し、複数の通路は、内部空間における上部板側空間に形成され、複数の溝は、隔壁を介して、複数の通路と対向すると共に内部空間における下部板側に形成され、一対の毛細管流路の一方の第1毛細管流路は、第1端部において、通路と溝とを接続し、一対の毛細管流路の他方の第2毛細管流路は、第2端部において、通路と溝とを接続し、複数の発熱体のそれぞれは、第1端部側に配置され、冷媒は第1端部で複数の発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒は通路を第1端部から第2端部にかけて拡散し、第2端部において気化した冷媒は凝縮し、凝縮した冷媒は第2毛細管流路を介して通路から溝に還流し、溝に還流した凝縮した冷媒は、溝を第2端部から第1端部にかけて移動し、更に第1毛細管流路を介して、溝から通路へ還流する。
本発明の熱輸送ユニットは、発熱体からの熱を、一定方向である第1方向に高速かつ効率よく輸送できる。特に、発熱体が熱輸送ユニットに比して非常に小さい場合であっても、複数の区画に区分された通路毎に熱が輸送されるので、発熱体の発熱量に合わせた熱輸送が行われる。
また、ある通路に封入される冷媒のみでは熱輸送が不十分な場合には、連通路を介して冷媒のやり取りが行われるので、熱輸送の主体となっている通路での、熱輸送効率がフレキシブルに高まる。
また、気化した冷媒は通路を拡散し、凝縮した冷媒は溝を還流することで、気化した冷媒と凝縮した冷媒とが衝突したり干渉したりしない。この結果、気化した冷媒と凝縮した冷媒とのそれぞれの移動速度が高まり、熱輸送ユニットは、高い効率で熱を輸送できる。このとき、熱輸送ユニットの端部に設けられた毛細管流路によって、隔壁で分離された通路と溝とを、凝縮した冷媒が行き来することができる。
通路と溝の少なくとも一部が、面取りや金属めっきなどの表面処理をなされていることで、気化した冷媒および凝縮した冷媒のそれぞれの移動がスムーズになる。
本発明の第1の発明に係る熱輸送ユニットは、配置された複数の発熱体の熱を第1端部から他方の第2端部に向けた第1方向に沿って輸送する熱輸送ユニットであって、上部板と、上部板と対向する下部板と、上部板と下部板とによって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、内部空間を第1方向に沿って区分する複数の通路と、内部空間の底面に設けられ、第1方向に沿った複数の溝と、を備え、第1端部は、第1方向に沿った一方の端部であり、第2端部は、第1端部と逆側の端部であり、複数の通路と複数の溝とは、一部の領域において一対の毛細管流路によって接続し、他の領域において隔壁によって分離されており、上部板および下部板は平板形状を有して、内部空間も平板形状を有し、複数の通路は、内部空間における上部板側空間に形成され、複数の溝は、隔壁を介して、複数の通路と対向すると共に内部空間における下部板側に形成され、一対の毛細管流路の一方の第1毛細管流路は、第1端部において、通路と溝とを接続し、一対の毛細管流路の他方の第2毛細管流路は、第2端部において、通路と溝とを接続し、複数の発熱体のそれぞれは、第1端部側に配置され、冷媒は第1端部で複数の発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒は通路を第1端部から第2端部にかけて拡散し、第2端部において気化した冷媒は凝縮し、凝縮した冷媒は第2毛細管流路を介して通路から溝に還流し、溝に還流した凝縮した冷媒は、溝を第2端部から第1端部にかけて移動し、更に第1毛細管流路を介して、溝から通路へ還流する。
この構成により、気化した冷媒は通路を移動し、凝縮した冷媒は溝を移動する。通路と溝とは隔壁で分離されているので、気化した冷媒と凝縮した冷媒とが、移動において干渉したり衝突したりしなくなる。この構成により、気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動とが異なる通路を介して行われる。また、気化した冷媒を移動させる通路と凝縮した冷媒を移動させる溝とが対向することで、冷媒が往復循環できる。結果として、熱輸送ユニットは、第一方向に沿って熱を輸送できる。この構成により、熱輸送ユニットは、第1方向に沿って凝縮した冷媒を移動させる。この構成により、熱輸送ユニットは一方の端部で熱を受熱して、他方の端部で熱を捨てることができる。この構成により、熱輸送ユニットは、第1方向に沿って、発熱体の熱を効率よく輸送できる。更に、気化した冷媒と凝縮した冷媒とが干渉したり衝突したりすることがないので、熱輸送効率も高い。
本発明の第の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1又は第2の発明に加えて、複数の通路のそれぞれは、複数の溝の内少なくとも一本以上の溝と対向する。
この構成により、熱輸送ユニットは、凝縮した冷媒を、効率的に輸送できる。
本発明の第3の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1又は第2の発明に加えて、隔壁は、複数の内部貫通孔を有し、複数の内部貫通孔は、一対の毛細管流路を形成する。
この構成により、容易に毛細管流路が形成できる。
本発明の第の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第3のいずれかの発明に加えて、通路および溝の少なくとも一方は、角部が面取りを有する。
この構成により、通路および溝は、気化した冷媒や凝縮した冷媒を効率的に移動させる。
本発明の第5の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第のいずれかの発明に加えて、通路および溝の少なくとも一方では、その表面が金属めっきされている。
この構成により、通路および溝は、気化した冷媒や凝縮した冷媒を効率的に移動させる。
本発明の第6の発明に係る熱輸送ユニットでは、第5の発明に加えて、金属めっきは、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれる。
この構成により、通路および溝は、気化した冷媒や凝縮した冷媒を効率的に移動させる。
本発明の第7の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第6のいずれかの発明に加えて、複数の通路同士を冷媒が移動可能な連通路を更に備える。
この構成により、通路同士で冷媒をやり取りできるので、より多くの冷媒を必要とする通路は、そうではない通路より、必要な量の冷媒を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書におけるヒートパイプとは、内部空間に封入された冷媒が、発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒が冷却されて凝縮することを繰り返すことで、発熱体を冷却する機能を実現する部材、部品、装置、デバイスを意味する。また、本明細書における熱輸送ユニットとは、冷媒の移動によって発熱体からの熱を輸送する機能を有する部材、部品、装置、デバイスを意味する。
(実施の形態1)
(ヒートパイプの概念説明)
本発明の熱輸送ユニットは、ヒートパイプの機能や動作を利用しているので、まずヒートパイプの概念について説明する。
ヒートパイプは、内部に冷媒を封入しており、受熱面となる面を、電子部品をはじめとする発熱体に接している。内部の冷媒は、発熱体からの熱を受けて気化し、気化する際に発熱体の熱を奪う。気化した冷媒は、ヒートパイプの中を移動する。この移動によって発熱体の熱が運搬されることになる。移動した気化した冷媒は、放熱面などにおいて(あるいはヒートシンクや冷却ファンなどの二次冷却部材によって)冷却されて凝縮する。凝縮して液体となった冷媒は、ヒートパイプの内部を還流して再び受熱面に移動する。受熱面に移動した冷媒は、再び気化して発熱体の熱を奪う。
このような冷媒の気化と凝縮の繰り返しによって、ヒートパイプは発熱体を冷却する。このため、ヒートパイプは、その内部に気化した冷媒を拡散する蒸気拡散路と、凝縮した冷媒を還流させる毛細管流路を有することが好適である。
ヒートパイプには、筒状の形状を有して垂直方向に気化した冷媒を拡散させると共に垂直方向に凝縮した冷媒を還流させる構造を有するものや、発熱体と接する受熱部と冷媒を冷却する冷却部とが別体であってパイプで接続される構造を有するものなどがある。
これらの構造を有するヒートパイプは、その体積が大きく(特に垂直方向に体積が大きくなりやすい)、実装する空間が狭小である場合には不適である。このため、平板状で薄型のヒートパイプが望まれることも多い。このため、平板状のヒートパイプも提案されている。
(全体概要)
実施の形態1における熱輸送ユニットの全体概要について図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの上面図である。図3は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの側断面図である。
熱輸送ユニット1は、上部板2、上部板2と対向する下部板3、上部板2と下部板3とによって形成される内部空間4を有する。内部空間4は、内部空間4を第1方向に沿って区分する複数の通路5、6、7、8、9を有し、内部空間4の底面に設けられる複数の溝10を有している。複数の通路5〜9と溝10とは、一部の領域において毛細管流路12、13によって接続し、他の領域においては隔壁11によって分離されている。隔壁11は、内部空間4を上下(上部板2が上側、下部板3が下側となる)に分離する。
熱輸送ユニット1は、このような構造を有することで、図1に示されるように、内部空間4の上側に複数の通路5〜9を有する。更に熱輸送ユニット1は、隔壁11を隔てて、内部空間4の下側に、通路5〜9と対向する溝10を有する。なお、図1は、熱輸送ユニット1の端部が切られた状態を示しており、図1では、毛細管流路は表れていない。
図2は、熱輸送ユニット1を上から見た状態を示しており、熱輸送ユニット1の両端部に毛細管流路12、13を示している。なお、図2は、内部空間4に形成される通路5を破線によって表している。
図1と図2をあわせることで、熱輸送ユニット1の全体像が明確になる。熱輸送ユニット1は、上部板2とこれに対向する下部板3とに挟まれる内部空間4を有し、内部空間は、毛細管流路12、13以外において隔壁11によって上下に分離される。また、熱輸送ユニット1は、上部板2と隔壁11との間に、区分された複数の通路5〜9を有する。更に熱輸送ユニット1は、下部板3に溝10を有し、通路5〜9と溝10とは、隔壁を隔てて対向する。また、通路5〜9と溝10とは同じ第1方向(熱輸送ユニット1の長手方向)に沿っている。
ここで、上部板2および下部板3のそれぞれは、平板形状を有していることが好ましい。また、上部板2および下部板3のそれぞれが長手方向と短手方向を有する方形であることが好ましい。上部板2および下部板3のそれぞれが平板形状を有することで、内部空間4も平板形状を有する。加えて、熱輸送ユニット1も平板形状となって、かつ長手方向と短手方向とを有することになる(長手方向が、通路5〜9および溝10の方向となる第1方向である)。この平板形状の内部空間4に、熱輸送ユニット1の長手方向に沿った複数の通路5〜9が形成される。この通路5〜9と溝10によって、熱輸送ユニット1は、気化した冷媒と凝縮した冷媒を、長手方向に沿って往復させる。この気化した冷媒と凝縮した冷媒の長手方向の往復によって、熱輸送ユニット1は、発熱体の熱を長手方向に輸送できる。
内部空間4は、その内部に冷媒を封入可能であり、封入された冷媒は、発熱体からの熱によって気化する。気化した冷媒は冷却されると凝縮する。
熱冷却ユニット1は、気化した冷媒を通路5〜9で拡散し、凝縮した冷媒を溝10で還流させる。
図3を用いて熱輸送ユニット1の熱輸送のメカニズムを説明する。
図3は、熱輸送ユニット1を第1方向に沿って切断した断面を示している。上部板2側の内部空間4は、通路5を有している。通路5は、隔壁11を隔てて溝10と対向している。溝10は、下部板3において第1方向に沿って設けられる。熱輸送ユニット1は、その両端部において毛細管流路12、13を有する。毛細管流路12、13の存在する領域においてのみ、通路5と溝10とが接続される。すなわち、毛細管流路12、13においてのみ、冷媒が移動可能である。
熱輸送ユニット1は、一方の端部の下部板3の底面で、発熱体20と熱的に接触する。発熱体20は、LED素子、LSI、IC、ディスクリート素子などの熱を発する素子である。なお、発熱体20は、上部板2の表面において熱的に接触していても良い。
冷媒は、溝10の第1端部21側において凝縮した状態で溜まっている。この凝縮した冷媒は、毛細管流路12を毛細管現象で移動し、凝縮した冷媒が、溝10から通路5に移動する。この結果、通路5の第1端部21側において、凝縮した冷媒が溜まる。
発熱体20は、第1端部21に熱を与えるので、第1端部21の凝縮した冷媒は気化する。気化した冷媒は、通路5を第1方向に沿って移動する。すなわち、気化した冷媒が、第1端部21から第2端部22にかけて移動する。この気化した冷媒の移動によって、熱輸送ユニット1は、発熱体20から受熱した熱を、第1方向に沿って輸送できる。
気化した冷媒は、第2端部22に到達する。第2端部22に到達した気化した冷媒は、第2端部22において冷却される。冷却されることで、気化した冷媒は再び凝縮する。第2端部22で凝縮した冷媒は、毛細管流路13における毛細管現象で、通路5から溝10に移動する。溝10に移動した凝縮した冷媒は、溝10を第2端部22から第1端部21に向かって移動する。溝10は、非常に細かな溝であって、溝10が、液体となった冷媒を移動させるからである。すなわち、溝10においては、毛細管現象に近い現象で、凝縮した冷媒が第2端部22から第1端部21に向かって移動する。凝縮した冷媒が第1端部21に戻ってくることで、再び凝縮した冷媒が発熱体20から熱を奪って気化する。
このように、気化した冷媒が第1端部21から第2端部22に向けて、通路5を移動し、凝縮した冷媒が、第2端部22から第1端部21に向けて、溝10を移動する。図3に記載した矢印の移動経路の通りである。
以上のように、冷媒が熱輸送ユニット1の長手方向に沿って往復移動を繰り返すことで、熱輸送ユニット1は、発熱体20からの熱を継続的に輸送できる。
ここで、気化した冷媒(気体である)は、通路5を移動し、凝縮した冷媒(液体である)は、溝10を移動する。このため、気体である冷媒と液体である冷媒とが、移動において衝突したり干渉したりすることが無くなる。冷媒が移動する空間は、隔壁11によって区切られていることで干渉せず、両端に設けられた毛細管流路12、13によって、凝縮した冷媒は、毛細管流路12、13を通じて通路5と溝10との間を移動するからである。特に、第1端部21では、気化した冷媒が第1端部21から第2端部22へ通路5を移動することで、通路5の第1端部21付近の気圧が減少する。この気圧の減少に合わせて、毛細管流路12を溝10から凝縮した冷媒が移動してくる。一方、第2端部22では、凝縮した冷媒は、通路5を移動する冷媒の圧力に押されて毛細管流路13を移動する。このように、気化した冷媒の移動圧力によって、凝縮した冷媒は、毛細管流路12、13のそれぞれにおいて還流しやすくなる。このような物理的圧力によって、図2に示される矢印のような移動経路が形成される。
この移動経路によって、気化した冷媒も凝縮した冷媒も、高速に移動できる。すなわち、冷媒は、第1端部21と第2端部22との間を高速に往復移動できる。この気化した冷媒と凝縮した冷媒の往復移動が高速であることで、熱輸送ユニット1は、発熱体20から受熱した熱を、高速に輸送できる。結果として、発熱体20を効率よく冷却できる。
以上のように、熱輸送ユニット1は、発熱体20の熱を高い効率で輸送できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(上部板)
上部板2について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における上部板の正面図である。
上部板2は、平板形状を有し、好ましくは短手方向と長手方向とを有する方形である。勿論、部分的に方形と異なる形状を有していたり、湾曲や屈曲を有していたりしてもよい。
上部板2は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。
上部板2は、下部板3と共に内部空間4を形成する。例えば、上部板2や下部板3は、その周縁に内部空間4を形成するための凸部や壁材を有しており、上部板2と下部板3とが、これら凸部や壁材などを介して接合されることで上部板2と下部板3との間に内部空間4が形成される。下部板3と接合される際に、これらの凸部や壁材が、内部空間4の周囲の側壁となる。勿論、これら凸部や壁材は、上部板2と別部材であっても同一部材であっても良い。
上部板2は、複数の通路を形成するための側壁30を有していても良い。上部板2が下部板3と接合される際に、側壁30が内部空間4を区分して、複数の通路31を形成する。
また、上部板2は、少なくとも内部空間4に接する面(気化した冷媒が通る面)に、金属めっきを有していることも好適である。金属めっきが施されていることで、気化した冷媒の拡散を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
上部板2は、「上部」との呼称を有するが、物理的に上を向いていなければならないわけではなく、便宜上の呼称である。発熱体は上部板2に接してもよいし、下部板3に接しても良い。
また、上部板2は、冷媒を注入する注入口32を備えている。上部板2と下部板3とが接合されて内部空間4が形成されると、この内部空間4に冷媒を封入する必要がある。注入口32は、冷媒を注入した後で封止される。
なお、冷媒は、接合後に注入口から封入されても良く、接合される際に封入されても良い。また、冷媒の封入は、真空下もしくは減圧下にて行われることが好適である。真空または減圧下で行われることで、内部空間4が真空または減圧された状態となって冷媒が封入される。減圧下であると、冷媒の気化・凝縮温度が低くなり、冷媒の気化・凝縮の繰り返しが活発になるメリットがある。
(下部板)
次に下部板3について説明する。図5は、本発明の実施の形態1における下部板の正面図であり、図6は、本発明の実施の形態1における下部板の一部の拡大図である。
下部板3は、平板形状を有し、好ましくは短手方向と長手方向とを有する方形である。特に、下部板3は、上部板2と対向して接合されるので、上部板2と略同一形状や同一面積を有していることも好適である。但し、下部板3は、上部板2と接合されて内部空間4を形成できさえすれば、上部板2とことなる面積や形状を有していても良い。勿論、部分的に方形と異なる形状を有していたり、湾曲や屈曲を有していたりしてもよい。
下部板3は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。
下部板3は、上部板2と接合されて内部空間を形成するので、その周縁に内部空間4を形成するための凸部や壁材を有していても良い。上部板2と接合される際に、これらの凸部や壁材が、内部空間4の周囲の側壁となる。勿論、これら凸部や壁材は、下部板3と別部材であっても同一部材であっても良い。なお、上部板2および下部板3のそれぞれが、凸部や壁材を有していてもよいし、上部板2および下部板3のいずれか一方のみが、凸部や壁材を有していても良い。
下部板3は、複数の通路を形成するための側壁34を有していても良い。下部板3が上部板2と接合される際に、側壁34が内部空間4を区分して、複数の通路5を形成する。この側壁34は、上部板2が備える側壁32と別体でもよいし、一体でもよい。勿論、側壁34は、下部板3と別体でも一体でも良い。
加えて、下部板3は、内部空間4に対向する面に複数の溝10を備えている。複数の溝10は、下部板3に切削などで形成される。溝10は、第1方向(下部板3の長手方向)に沿って形成される。溝10は、複数であって、複数の通路5のそれぞれは、少なくとも一本以上の溝10と、隔壁11を隔てて対向する。
また、下部板3は、少なくとも内部空間4に接する面(気化した冷媒が通る面)に、金属めっきを有していることも好適である。金属めっきが施されていることで、凝縮した冷媒の拡散を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
下部板3は、「下部」との呼称を有するが、物理的に下を向いていなければならないわけではなく、便宜上の呼称である。発熱体は下部板3に接してもよいし、上部板2に接しても良い。
また、下部板3は、冷媒を注入する注入口35を備えている。上部板2と下部板3とが接合されて内部空間4が形成されると、この内部空間4に冷媒を封入する必要がある。注入口35は、冷媒を注入した後で封止される。
なお、冷媒は、接合後に注入口から封入されても良く、接合される際に封入されても良い。また、冷媒の封入は、真空下もしくは減圧下にて行われることが好適である。真空または減圧下で行われることで、内部空間4が真空または減圧された状態となって冷媒が封入される。減圧下であると、冷媒の気化・凝縮温度が低くなり、冷媒の気化・凝縮の繰り返しが活発になるメリットがある。
(中間板)
次に、中間板について説明する。
熱輸送ユニット1は、上部板2と下部板3とに挟まれて積層される単数又は複数の中間板を備えていることも好適である。
上部板2と、上部板2に対向する下部板3とが接合してできる内部空間4は、隔壁11によって上下に分離される。更に、隔壁11の両端部は、毛細管流路12、13を有し、毛細管流路12、13は、通路5と溝10とを接続する。
中間板は、この隔壁11や毛細管流路12、13を形成する。なお、中間板は、単数もしくは複数であってもよい。
中間板が単数である場合には、この単数の中間板は、隔壁11と毛細管流路12、13を形成する。毛細管流路12、13は、中間板の両端部に設けられた微細な内部貫通孔によって形成される。
図7〜図9を用いて、中間板について説明する。なお、ここでは熱輸送ユニット1が複数の中間板を備えることを前提として説明する。また、複数の中間板は、それぞれ異なる構造を有する。
図7は、本発明の実施の形態1における中間板の正面図である。図8は、本発明の実施の形態1における中間板の一部の拡大図である。図7、図8は、隔壁11を形成する構造を有する中間板40を示している。
中間板40は、上部板2および下部板3と、に挟まれて積層される中間板40は、上部板2および下部板3と対向する形状と大きさを有している。すなわち、中間板40は、短手方向と長手方向を有する方形であることが好ましく、上部板2および下部板3と略等しい大きさを有していることが好ましい。
中間板40は、板部41と内部貫通孔42とを備える。
板部41は、上部板2と下部板3とに挟まれて内部空間4が形成される際に、内部空間4を上下に分離する。具体的には、板部41は、内部空間4の上部に形成される通路5と、下部に形成される溝10とを分離する。この板部41は、すなわち隔壁11となる。
また、中間板40は、両端部付近に微細な内部貫通孔42を有する。内部貫通孔42は、隔壁11の一部を貫通することになるので、この内部貫通孔42を介して、通路5と溝10とが接続される。
ここで、内部貫通孔42は、通路5の位置に合わせて設けられる。すなわち、複数の通路同士を区切る側壁上においては、内部貫通孔42が設けられないことが好適である。側壁の上に内部貫通孔が設けられても、この内部貫通孔は、毛細管流路としての役割を果たさないからである。内部貫通孔42は、図8に示されるように、整然と並んでいてもよいし、ランダムに並んでいても良い。
少なくとも1枚の中間板40が、上部板2と下部板3とに挟まれて積層されることで、内部空間4を、通路5側と溝10側の上下に分離でき、毛細管流路12、13においてのみ、通路5と溝10とが連通できる。
内部貫通孔42は、中間板40表面から裏面にかけて貫通しており、その形状は円形でも楕円形でも方形でもよい。あるいはスリット形状でもよい。内部貫通孔42は、掘削、プレス、ウェットエッチング、ドライエッチングなどで形成される。
また、板部41と内部貫通孔42とを備える複数の中間板40が積層されてもよい。上部板2と下部板3との間に、複数の中間板40が積層される場合には、隔壁11の厚みが増して、通路5と溝10とが確実に分離される。加えて、内部貫通孔42が内部空間の上下方向に積層されるので、毛細管力の高い毛細管流路12、13が形成される。
例えば、中間板40が複数の場合には、内部貫通孔42は、複数の中間板40のそれぞれに設けられる。ここで、内部貫通孔42の位置は、隣接する中間板40毎にずれている場合には、複数の中間板40は、その内部貫通孔42の一部同士のみがそれぞれ重なるように積層される。例えば、ある中間板40における内部貫通孔42の位置と、この中間板40と隣接する別の中間板40における内部貫通孔42の位置は、内部貫通孔42の断面の一部ずつが重なるようにずれている。このように、隣接する中間板40毎に内部貫通孔42の位置がずれていることで、複数の中間板40が積層された場合に、内部貫通孔42の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路12、13が形成される。
毛細管流路12、13は、複数の中間板40が積層される際に、内部貫通孔42の一部同士が重なり合って、内部貫通孔42の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する。このような内部貫通孔42の断面積よりも小さな断面積を持つ孔が通路5と溝10とが連通するので、毛細管流路12、13は、高い毛細管力をもって凝縮した冷媒を還流させる。
なお、内部貫通孔42の一部のみが重なるようにして、内部貫通孔42よりも小さな断面積を有する毛細管流路12、13が形成される場合には、毛細管流路12、13を直接加工するよりも、容易に製造できるメリットもある。
なお、毛細管流路12、13は、凝縮した冷媒を還流するが、気化した冷媒を通すこともありえる。
また、毛細管流路12、13の角部は、面取りされていたり、Rが設けられていたりすることも好適である。毛細管流路12、13の断面は、六角形、円形、楕円形、方形、多角形など様々な断面形状を有していて良い。毛細管流路12、13の断面形状は、内部貫通孔42の形状と、内部貫通孔42同士の重ね合わせ方により定まる。また、断面積も同様に定まる。
次に、図9を用いて、中間板40と共に上部板2と下部板3との間に積層されるスリット中間板について説明する。
上部板2と下部板3との間に中間板40が積層されることで、内部空間4は、通路5を形成する領域と、溝10を形成する領域とに分離される。このとき、中間板40は、板部41を有しており、板部41と上部板2との間には空間が生じにくい。板部41と上部板2との間に、通路5が形成されるので、上部板2と中間板40との間には、通路5を形成できる他の部材が積層されることが好ましい。
一方で、中間板40の板部41は、下部板3に切削により形成された溝10に蓋をするように積層されるので、凝縮した冷媒の還流における毛細管力を高めることになる。このため、下部板3と中間板40との間は、他の部材の積層は必要ではない。
なお、ここでは、上部板2と中間板40との間に通路5が形成され、下部板3と中間板40との間に溝10が形成されることを前提としている。
図9は、本発明の実施の形態1におけるスリット中間板の正面図である。
スリット中間板45は、中間板40と共に積層される。スリット中間板45は、中間板40と異なり、板部41を有さず、通路5を形成するスリット46を備えている。スリット46は、通路5の数と同数である。
スリット中間板45が内部空間4の中に積層されると、スリット46は通路5となり、隣接するスリット同士を区分する枠47が通路5の側壁となる。スリット46は、中間板40が有する内部貫通孔42の領域にまで及ぶ。内部貫通孔42は、スリット46と連通して、内部貫通孔42は、毛細管流路12、13として通路5と溝10とを連通する。
単数のスリット中間板45が積層されても良いが、複数のスリット中間板45が積層されることで、通路5の高さを高くできる。
なお、図9のスリット中間板45は、内部貫通孔を有さず、共に積層される中間板40が有する内部貫通孔42は、スリット46と連通するが、スリット中間板45が内部貫通孔42と連通する内部貫通孔を備えていることも好適である(内部貫通孔の断面の全部又は一部が連通する)。中間板40とスリット中間板45とが積層されると、中間板40の板部41とスリット中間板45のスリット46とが重なって、通路5が形成される。更に、中間板40とスリット中間板45とが積層されると、中間板40の内部貫通孔42とスリット中間板45の内部貫通孔同士が全部又は一部で重なって、毛細管流路12、13が形成される。このようにして形成された毛細管流路12、13は、その断面積が小さく、高い毛細管力を有する。
なお、上部板2、下部板3および中間板40、スリット中間板45のそれぞれが積層される際に、これらの部材が接着剤として用いられる突起や凸部を有していることも好適である。
また、上部板2、下部板3および中間板40、スリット中間板45が積層されて熱輸送ユニット1が形成されるので、必要に応じて上部板2、下部板3および中間板40、スリット中間板45は、金属めっきされていたり、表面加工されていたりしても良い。それぞれの部材が金属めっきや表面加工されていることで、形成される通路5や溝10は、より早いスピードで冷媒を移動させる。
以上のように、上部板2、下部板3、中間板40、スリット中間板45と、が積層されることで、熱輸送ユニット1が形成される
(通路)
次に、通路5について説明する。
通路5は、内部空間4の上部板2側に設けられる。なお、上部板2側に設けられるからといって、熱輸送ユニット1が設置された際の物理的な上側に通路5が存在しなければならないわけではない。熱輸送ユニット1は、地表面に対して水平に設置されることもあるし垂直に設置されることもある。
通路5は、上部板2、スリット中間板45および中間板40の順で積層されることで形成される。この順番でこれらの部材が積層されると、上部板2と中間板40の板部41とが溝10の蓋となり、スリット中間板45のスリット46が空隙となって通路5を形成する。スリット46は、枠47で区切られており、この枠47は上部板2と中間板40とに接する。このため、枠47は、そのまま通路5の側壁となる。
また、スリット46は、スリット中間板45の長手方向に形成されることで、通路5も熱輸送ユニット1の長手方向に形成される。通路5の両端部付近は、中間板40に設けられた内部貫通孔42が存在し、内部貫通孔42が形成する毛細管流路12、13が通路5を溝10と連通させる。
ここで、通路5の角部は、面取りされていたり、Rが設けられていたりすることも好適である。面取りやRは、上部板2、下部板3、中間板40、スリット中間板45のそれぞれの部材の角部が面取りされていることで、これらの部材が積層されることで、形成される。
また、通路5の表面が金属めっきを有していることも好適である。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれ、電解めっき、非電解めっきなどが用いられる。
通路5は、熱輸送ユニット1の長手方向に沿って形成され、気化した冷媒を長手方向に沿って拡散する。このとき、凝縮した冷媒(液体である)は、通路5と分離された溝10を還流するので、通路5は凝縮した冷媒の干渉を受けることなく、気化した冷媒を拡散できる。このため、通路5は、非常に高速に気化した冷媒を拡散できる。
(溝)
次に、溝について説明する。
溝10は、下部板3に設けられる。溝10は、凝縮した冷媒を還流させるため、毛細管現象の働く程度の断面積であることが好ましく、通路5のような大きな断面積を有さない。このため、溝10は、中間板の積層ではなく、下部板3が直接切削されて形成される。
下部板3の長手方向に沿って、複数の掘り込みが切削されて、溝10が形成される。溝10は、隔壁11を介して通路5と対向する。また、一つの通路5に対して複数の溝10が対向することが好ましい。一つの通路5と複数の溝10とが対向することで、拡散する冷媒と還流する冷媒との量のバランスが取れるからである。拡散する冷媒と還流する冷媒とのバランスが取れることで、通路5が冷媒を拡散し、溝10が冷媒を還流させる速度が更に向上するからである。
また、溝10は、中間板40が有する内部貫通孔42と連通する。内部貫通孔42は、毛細管流路12、13を形成するので、溝10は毛細管流路12、13を介して通路5と連通する。
溝10も、通路5と同様に角部が面取りされていたり、Rが設けられていたりすることが好適である。面取りやRは、上部板2、下部板3、中間板40、スリット中間板45のそれぞれの部材の角部が面取りされていることで、これらの部材が積層されることで、形成される。
また、溝10の表面が金属めっきを有していることも好適である。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれ、電解めっき、非電解めっきなどが用いられる。
これらの処理によって、溝10は、高速に凝縮した冷媒を還流できる。
なお、溝10は、三角形、方形、半円形など様々な断面形状を有してよい。
(毛細管流路)
毛細管流路12、13は、内部貫通孔42(もしくは複数の中間板40の有する内部貫通孔42の積層)によって、形成される。毛細管流路12、13は、凝縮した冷媒を、毛細管現象によって還流させる。
気化した冷媒は、発熱体と逆側の端部で冷却されて凝縮する。この冷却されて凝縮した冷媒は、通路5の端部に存在する。この通路5の端部には、毛細管流路13が存在する。毛細管流路13は、この凝縮した冷媒を、通路5から溝10へ還流させる。
更に、溝10を通じて端部から他方の端部(発熱体の存在する端部)へ移動した凝縮した冷媒は、毛細管流路12を通じて、溝10から通路5へ還流する。この結果、凝縮した冷媒が、通路5へ供給される。
内部貫通孔42を有する複数の中間板(中間板40でもスリット中間板45でもよい)が積層されて毛細管流路12、13が形成される場合には、内部貫通孔42の一部同士のみがそれぞれ重なるように積層される。この一部同士のみの重複によって、内部貫通孔42の断面積よりも小さな断面積を有する毛細管流路12、13が形成される。
このような内部貫通孔42の断面積よりも小さな断面積を持つ孔が、毛細管流路12、13の垂直方向に積層され、垂直方向の孔同士が接続することで、垂直方向の流路が形成される。また、垂直方向において階段状の孔となるので、垂直方向であると同時に平面方向にも流れうる流路が形成される。この垂直・平面方向に形成される流路は、その断面積が非常に小さく、凝縮した冷媒を、垂直方向もしくは垂直・平面方向に還流させる。
この結果、毛細管流路12、13は、効率よく凝縮した冷媒を還流させる。
(冷媒の循環)
冷媒は、通路5と溝10とを往復して循環する。
図3を用いて説明する。発熱体20は、第1端部21において熱輸送ユニット1に熱的に接触する。熱輸送ユニット1は、発熱体20から受熱した熱によって、第1端部において冷媒を気化させる。気化した冷媒は、通路5を第1端部21から第2端部22に向けて移動する。第1端部21から第2端部22に向けて通路5を移動した気化した冷媒は、第2端部22において冷却されて凝縮する。凝縮した冷媒は、毛細管流路13を還流する。この還流によって、凝縮した冷媒は、通路5から溝10へ移動する。
溝10へ移動した凝縮した冷媒は、溝10を第2端部22から第1端部21へ向けて移動する。移動の結果、凝縮した冷媒は、溝10の第1端部21側に到達する。この凝縮した冷媒は、毛細管流路12を還流して溝10から通路5へ移動する。
通路5へ到達した凝縮した冷媒は、再び発熱体20からの熱によって、気化し、通路5を移動する。
このように、気化した冷媒は通路5を移動し、凝縮した冷媒は溝10を移動することを繰り返すことで、気体である冷媒と液体である冷媒が同じ空間で干渉したり衝突したりすること無く循環できる。この循環によって、熱輸送ユニットは、高い効率で、発熱体の熱をある方向に沿って輸送できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの上面図である。熱輸送ユニット50を、上から見た状態を示しており、内部構造の一部を破線によって透視している。
図10にしめされる熱輸送ユニット50は、複数の通路5同士を冷媒が移動可能な連通路51更に有している。
複数の通路5は、通路5a、5b、5cのように、それぞれ側壁54で分離されている。
このため、通路5は毛細管流路12、13を通じて、対向する溝(図10では図示せず)と連通するだけである。ある通路5aが含む冷媒は、通路5aと対向する溝のみを循環する。この循環によって、熱輸送ユニットは、発熱体の熱を、第1方向に沿って高速に輸送できる。
一方で、図10に示すように、熱輸送ユニット50には、微小な発熱体52が熱的に接触することがある。例えば、LEDなどの発光素子は非常に小さく、熱輸送ユニット50の通路5の幅よりも小さい大きさしか有していないこともある。図10では、発熱体522が、通路5bと通路5dに熱的に接触しているが、他の通路上には、発熱体は熱的に接触していない。
発熱体52が熱的に接触している通路5b、5dにおいては、熱を受けて冷媒が気化し、気化した冷媒が移動する。移動した気化した冷媒は、冷却されて凝縮し、凝縮した冷媒が毛細管流路13を通じて、通路5b、5dから、通路5b、5dに対向する溝に還流する。還流した凝縮した冷媒は、溝を移動して、毛細管流路12から再び通路5b、5dに移動する。
ところで、発熱体52が熱的に接触していない他の通路(例えば通路5a、5cなど)では、受ける熱量が少ないので、少ない冷媒しか気化しない。このため、これらの通路は、多くの冷媒を必要としない。一方で、発熱体52が接触している通路5b、5dでは、発熱体52からの熱を輸送するために、多くの冷媒を必要とする。
連通路51は、複数の通路5同士(例えば通路5bと通路5cとを)連通して、通路同士での気化した冷媒の移動を可能にする。複数の通路同士で気化した冷媒の移動が可能であれば、多くの冷媒を必要とする通路5b、5dに、そうではない通路から冷媒を供給できる。この他の通路から供給された冷媒を用いて、通路5b、5dは、発熱体52から受熱した熱を輸送できる。
このように、熱輸送ユニット50が、連通路51を備えることで、小型の発熱体が、複数の通路5の一部のみに接触した場合でも、内部空間に封止された冷媒を効率的に使用して、熱の輸送を行える。
なお、連通路51は、通路5同士を連通させるが、隣接する溝同士を連通させても良い。
連通路51が、溝同士を連通させる場合には、凝縮した冷媒が、溝同士を移動できる。この場合も、より多くの冷媒を必要とする溝(ひいては通路)は、そうではない溝(ひいては通路)より必要な冷媒を得ることができる。結果として、通路や溝毎に、異なるレベルで、熱の輸送を実現できる。
連通路51は、側壁54に穴が穿たれて形成されてもよいし、予め穴が穿たれている側壁54が積層されることで形成されても良い。また、冷媒が移動しやすいように、連通路51の表面が金属めっきされていたり、表面処理されていたりすることも好適である。また、角部が面取りされていたりRが設けられていたりすることも好適である。
(放熱部)
次に、図11を用いて、放熱部を更に備える熱輸送ユニットについて説明する。
なお、図11では、熱輸送ユニットが、筐体に格納された電子機器として示されている。図11は、本発明の実施の形態2における電子機器の模式図である。
電子機器60は、筐体61と筐体内部に格納された電子基板64を備えている。電子基板64は、発熱体61を実装している。発熱体61は、熱を発する電子部品である。
発熱体61には、熱輸送ユニット70が、接触部71において熱的に接触している。
熱輸送ユニット70は、実施の形態1,2で説明した熱輸送ユニット1、50と同様の機能、構成を有する。
発熱体61は、熱輸送ユニット70の一方の端部において熱的に接触する。熱輸送ユニット70は、この発熱体61から受熱した熱を、他方の端部に輸送する。輸送においては、実施の形態1、2で説明したとおり、気化した冷媒が通路を移動し、凝縮した冷媒が溝を移動して、熱輸送ユニット70の長手方向を、一方の端部から他方の端部に冷媒が循環する。この冷媒の循環によって、発熱体61の熱が輸送される。
熱輸送ユニット70は、発熱体61が熱的に接触する端部と逆側の端部に、気化した冷媒を冷却する放熱部63を有する。図11では、放熱部63の一例として、冷却ファンが示されている。
冷却ファンは、熱輸送ユニット70の端部を冷却する。この端部には、移動した気化した冷媒が溜まっており、冷却ファンは、この気化した冷媒を冷却する。気化した冷媒は冷却されることで、凝縮して液体となる。凝縮した冷媒は、毛細管流路を介して通路から溝に還流する。
このように、熱輸送ユニット70が放熱部63を有することで、熱輸送ユニット70は、気化して輸送された冷媒を、効率的に冷却できる。このため、放熱部63は、熱輸送ユニット70において発熱体61と逆側の端部を冷却することが好適である。逆側の端部を冷却することで、気化した冷媒の凝縮が促進され、熱輸送ユニット70は、より高速に発熱体61から奪った熱を第1方向に沿って輸送できる。
また、熱輸送ユニット70は、発熱体61と熱的に接触する接触部71を有することも好適である。
接触部71は、発熱体61と熱輸送ユニット70との熱的な接触を容易にする。例えば熱的接合材(TIM「Termal Interface Material)を、接触部71は有していることも好適である。
熱的接合材には、サーマルグリースやサーマルグリースにフィラーなどを添加した素材が用いられる。これらの熱的接合材が、接触部71に塗布されていればよい。
接触部71は、熱的接合材を有していることで、発熱体61との熱抵抗を小さくでき、小さくなった熱抵抗のおかげで、熱輸送ユニット70は、発熱体61からの熱を受熱しやすくなる。
なお、発熱体61は、熱輸送ユニット70における上部板側(すなわち通路が存在する側)に熱的に接触してもよいし、下部板側(すなわち溝が存在する側)に熱的に接触しても良い。発熱体61から受熱した熱によって、冷媒が循環すればよい。
以上のように、電子機器60に含まれる発熱体61に、熱輸送ユニット70が熱的に接触することで、発熱体61が発生させる熱が効率的に発熱体61から離れた位置に輸送される。この結果、発熱体61が、効率的に冷却される。すなわち、電子機器60の発熱による誤動作が防止できる。
また、熱輸送ユニット70は、薄い平板状の上部板や下部板の積層によって形成されるので非常に薄型である。このため、電子機器の小型化を阻害しない。特に、電子機器は、電子基板64のように、面積は広いが厚みが小さい要素を多く格納する。このため、平面方向には実装スペースが余っているが、厚み方向には実装スペースはほとんど余っていない。この状況において、熱輸送ユニット70は、薄型であって、平面方向に熱を輸送できるので、発熱体61の冷却に適している。
以上のように、熱輸送ユニット70は、電子機器の小型化・薄型化を阻害せずに、電子機器60内部に格納でき、発熱体61を効率的に冷却できる。
電子機器の例として、図12のような携帯端末が用いられることも好適である。図12は、本発明の実施の形態2における電子機器の斜視図である。
電子機器80は、カーテレビやパーソナルモニターなどの薄型、小型が要求される電子機器である。
電子機器80は、ディスプレイ83、発光素子84、スピーカ85を備えている。この電子機器80の内部に熱輸送ユニット1が格納されており、発熱体の冷却を実現する。
このような熱輸送ユニット70が使用されることにより、電子機器の小型化や薄型化を阻害せずに、発熱体の冷却が実現できる。すなわち熱輸送ユニット70は、発熱体からの熱を高速に輸送して冷却でき、発熱体の発熱を抑えることができる。
熱輸送ユニット70は、ノートブックパソコン、携帯端末、コンピュータ端末などに実装されている放熱フィンや液冷装置などに置き換えられたり、自動車や産業機器のライト、エンジン、制御コンピュータ部に実装されている放熱フレームや冷却装置などに、おき換えられたりすることが可能である。熱輸送ユニット70は、従来用いられている放熱フィンや放熱フレームよりも高い冷却能力を有するので、当然に小型化できる。更には発熱体へのフレキシブルな対応も可能であって、種々の電子部品を冷却対象にできる。結果として、熱輸送ユニット70は、広い適用範囲を有する。
また、図11では、熱輸送ユニット70は、平板状であるが、薄い板部材の積層で形成されているので、折り曲げたり湾曲させたりすることも可能である。この場合でも、通路を気化した冷媒が拡散し、毛細管流路を還流して通路と分離されている溝を凝縮した冷媒が還流するので、熱輸送ユニットは、高い効率で熱を輸送できる。特に気化した冷媒と凝縮した冷媒との干渉が生じないので、熱輸送効率が高い。
例えば、電子機器内部の形状によっては、熱輸送ユニット70が湾曲状態でなければ実装しにくい場合もある。このような場合には、湾曲された熱輸送ユニット70が実装される。
(製造工程)
次に製造工程について説明する。図13は、本発明の実施の形態2における製造工程を示す熱輸送ユニットの分解図である。
上部板2、下部板3、中間板40、スリット中間板45が積層されて接合されることで熱輸送ユニット1が製造される。下部板3は、予め溝10を有している。
ここで上部板2と下部板3との間には複数の中間板40、スリット中間板45が積層される。中間板40は、図7に示したように、板部41と内部貫通孔42とを備える。このため、下部板3が備える溝にとって、中間板40が蓋になる。中間板40の上に単数または複数の(図13では3枚の)スリット中間板45が積層される。スリット中間板45は、図9に示されるように、スリット46と、枠47を有しており、スリット中間板45と上部板2とが積層されると、複数の通路5が形成される。通路5の高さを出すために、複数のスリット中間板45が積層されるのが好ましい。
上部板2、下部板3および複数の中間板40、スリット中間板45のそれぞれが所定の位置関係に合わせられる。加えて、複数の中間板40、スリット中間板45は、複数の中間板40、スリット中間板45のそれぞれに設けられた内部貫通孔42のそれぞれの一部のみが重なるような位置関係にあわせられる。
上部板2、下部板3および複数の中間板40、スリット中間板45の少なくとも一つは、接合突起を有している。
上部板2、下部板3、複数の中間板40、スリット中間板45は、位置あわせされた上で積層され、ヒートプレスによって直接接合されて一体化される。このとき、各部材は、接合突起によって直接接合される。
ここで、直接接合とは、接合しようとする2つの部材の面を密着させた状態で加圧しつつ熱処理を加えることであって、面部の間に働く原子間力によって原子同士を強固に接合させることであり、接着剤を用いることなく、2つの部材の面同士を一体化しうる。このとき、接合突起が強固な接合を実現する。すなわち、接合突起がつぶれて、接触面積が増加することで、熱的接合を実現するので、接合突起の接合における役割は高い。
ヒートプレスにおける直接接合の条件として、プレス圧力は、40kg/cm〜150kg/cmの範囲内であり、温度は250〜400℃の範囲内であることが好ましい。
次に、上部板2や下部板3の一部に空けられた注入口を通じて、冷媒が注入される。その後、注入口が封止されて熱輸送ユニットが完成する。なお、冷媒の封入は真空または減圧下で行われる。真空または減圧下で行われることで、熱拡散部や熱輸送部の内部空間が真空または減圧された状態となって冷媒が封入される。減圧下であると、冷媒の気化・凝縮温度が低くなり、冷媒の気化・凝縮の繰り返しが活発になるメリットがある。
以上の製造工程を経て、熱輸送ユニット1が製造される。なお、ここで示した製造工程は一例であり、他の製造工程によって製造されても良い。
以上、実施の形態1、2で説明した熱輸送ユニットおよび電子機器は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの斜視図である。 本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの上面図である。 本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの側断面図である。 本発明の実施の形態1における上部板の正面図である。 本発明の実施の形態1における下部板の正面図である。 本発明の実施の形態1における下部板の一部の拡大図である。 発明の実施の形態1における中間板の正面図である。 本発明の実施の形態1における中間板の一部の拡大図である。 本発明の実施の形態1における中間板の正面図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの上面図である。 本発明の実施の形態2における電子機器の模式図である。 本発明の実施の形態2における電子機器の斜視図である。 本発明の実施の形態2における製造工程を示す熱輸送ユニットの分解図である。
1、50、70 熱輸送ユニット
2 上部板
3 下部板
4 内部空間
5、6、7、8、9 通路
10 溝
11 隔壁
12、13 毛細管流路
20 発熱体
21 第1端部
22 第2端部
30、34 側壁
32、35 注入口
40 中間板
41 板部
42 内部貫通孔
45 スリット中間板
46 スリット
47 枠
51 連通路
52 発熱体
54 側壁
60、80 電子機器
61 発熱体
62 筐体
63 放熱部
64 電子基板
71 接触部
83 ディスプレイ
84 発光素子
85 スピーカ

Claims (11)

  1. 配置された複数の発熱体の熱を第1端部から他方の第2端部に向けた第1方向に沿って輸送する熱輸送ユニットであって、
    上部板と、
    前記上部板と対向する下部板と、
    前記上部板と前記下部板とによって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、
    前記内部空間を第1方向に沿って区分する複数の通路と、
    前記内部空間の底面に設けられ、前記第1方向に沿った複数の溝と、を備え、
    前記第1端部は、前記第1方向に沿った一方の端部であり、前記第2端部は、前記第1端部と逆側の端部であり、
    前記複数の通路と前記複数の溝とは、一部の領域において一対の毛細管流路によって接続し、他の領域において隔壁によって分離されており、
    前記上部板および前記下部板は平板形状を有して、前記内部空間も平板形状を有し、
    前記複数の通路は、前記内部空間における前記上部板側空間に形成され、
    前記複数の溝は、前記隔壁を介して、前記複数の通路と対向すると共に前記内部空間における前記下部板側に形成され、
    前記一対の毛細管流路の一方の第1毛細管流路は、前記第1端部において、前記通路と前記溝とを接続し、前記一対の毛細管流路の他方の第2毛細管流路は、前記第2端部において、前記通路と前記溝とを接続し、
    前記複数の発熱体のそれぞれは、前記第1端部側に配置され、
    前記冷媒は前記第1端部で前記複数の発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒は前記通路を前記第1端部から前記第2端部にかけて拡散し、
    前記第2端部において気化した冷媒は凝縮し、凝縮した冷媒は前記第2毛細管流路を介して前記通路から前記溝に還流し、
    前記溝に還流した凝縮した冷媒は、前記溝を前記第2端部から前記第1端部にかけて移動し、更に前記第1毛細管流路を介して、前記溝から前記通路へ還流する、熱輸送ユニット。
  2. 前記複数の通路のそれぞれは、前記複数の溝の内少なくとも一本以上の溝と対向する、請求項1記載の熱輸送ユニット。
  3. 前記隔壁は、複数の内部貫通孔を有し、前記複数の内部貫通孔は、前記一対の毛細管流路を形成する、請求項1又は2記載の熱輸送ユニット。
  4. 前記通路および前記溝の少なくとも一方は、角部に面取りを有する、請求項1から3のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  5. 前記通路および前記溝の少なくとも一方では、その表面が金属めっきされている、請求項1からのいずれか記載の熱輸送ユニット。
  6. 前記金属めっきは、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金の少なくとも一つの金属から選ばれる、請求項5記載の熱輸送ユニット。
  7. 前記複数の通路同士を冷媒が移動可能な連通路を更に備える、請求項1から6のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  8. 前記第2端部において気化した冷媒を冷却する放熱部を更に備える、請求項1から7のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  9. 前記第1端部において、発熱体と熱的に接触する接触部を更に備える、請求項1から8のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  10. 前記接触部は、前記下部板の表面に配置され、前記放熱部は、前記上部板側に配置される、請求項9記載の熱輸送ユニット。
  11. 請求項1から10のいずれか記載の熱輸送ユニットと、
    前記接触部において熱的に接触する発熱体と、
    前記発熱体を実装する電子基板と、
    前記電子基板を格納する筐体と、を備える電子機器。
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