JP5714836B2 - 熱輸送ユニット、電子基板、電子機器 - Google Patents

熱輸送ユニット、電子基板、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路、LED素子、パワーデバイス、電子部品などの発熱体から受熱した熱を効率的に輸送する熱輸送ユニットおよび電子機器に関するものである。
電子機器、産業機器および自動車などには、半導体集積回路、LED素子、パワーデバイスなどの電子部品が使用されている。これらの電子部品は、内部を流れる電流によって発熱する発熱体になっている。発熱体の発熱が一定温度以上となると、動作保証ができなくなる問題もあり、他の部品や筐体へ悪影響を及ぼし、結果として電子機器や産業機器そのものの性能劣化を引き起こす可能性がある。
このような発熱体を冷却するために、封入された冷媒の気化と凝縮による冷却効果を有するヒートパイプを用いた冷却装置が提案されている。
ヒートパイプは、内部に封入された冷媒が気化する際に、発熱体から熱を奪う。気化した冷媒は、放熱によって冷却されて凝縮し、凝縮した冷媒は再び移動する。この気化と凝縮の繰り返しによって、ヒートパイプは発熱体を冷却する。すなわち、ヒートパイプは、熱を拡散したり輸送したりする。更に、放熱部材などと組み合わされることで、ヒートパイプは拡散や輸送された熱を冷却する。金属で形成された熱拡散部材に比較すると、ヒートパイプは冷媒を用いることでより効率的に熱を拡散したり輸送したりできる。
近年、冷却対象となる電子部品は、CPU(Central Processing Unit)や専用ICのような比較的大型の半導体集積回路のみでなく、高輝度LED(Light Emitting Device)をはじめとする非常に小型の電子部品であることも多い。このような小型の電子部品は、単体でのサイズが小さいだけでなく、複数の電子部品で1セットとなることも多い。このため、ヒートパイプを用いた冷却装置は、複数の小型の電子部品を冷却する必要があることも多い。
このような小型の電子部品は電子基板の一部に集中的に実装されることが多く、実装されている場所においては空間的余裕度がなく、その場所で熱を放散や排出できないことが多い。このため、電子部品からの熱を奪った上で所定方向に熱を高速に輸送し、輸送された先で冷却される必要がある。すなわち、冷媒の気化と凝縮とを用いる熱輸送部材であって、所定方向に熱を高速に輸送する熱輸送部材が求められている。
このような状況において、発熱体から奪った熱を、所定方向に輸送するヒートパイプが提案されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
特開平11−101585号公報 特開2002−39693号公報 特開2010−7905号公報 特開2007−113864号公報
発熱体から奪った熱を所定方向に輸送できるヒートパイプは、接合された上部板と下部板とが形成する内部空間に冷媒を封入し、この封入された冷媒の移動サイクルによって、発熱体の熱を輸送する。ヒートパイプを用いた冷却装置では、熱輸送効率(気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動の一回あたりの速度と、単位期間でのサイクル数により定まる)を向上させることが、冷却能力向上に重要である。
このとき、内部空間に封入された冷媒は、発熱体からの熱によって気化して内部空間を移動し、やがて冷却されて凝縮して内部空間を移動する。このため、気化した冷媒と凝縮した冷媒とは、内部空間で相互に逆方向に移動する中で干渉しあう。このような干渉の影響が強くなると、気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動とのサイクル速度に悪影響が生じ、熱輸送の輸送速度や輸送効率を下げる問題がある。
このような気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動との干渉を防止するには、内部空間が広くて障害物が無い状態であることが好ましい。
一方で、内部空間に何らの障害物も無い構成は、上部板と下部板以外ががらんどうの状態であって、ヒートパイプの強度が極めて弱くなる。ヒートパイプは、内部に封入した冷媒の気化と凝縮を繰り返すことで発熱体を冷却するため、非常に高い内圧を繰り返し受けることになる。このような過酷な動作環境においては、ヒートパイプの強度が弱いと、冷媒の気化によって生じるポップコーン現象によって、ヒートパイプが破損してしまい、冷媒が電子部品や電子基板に漏れ出す問題がある。冷媒が漏れ出せば、電子部品や電子基板を損傷させ、電子機器の誤動作や故障を引き起こす問題もある。
例えば、強度を強くする必要があるが、上部板や下部板そのものの強度を上げると、コストが上がったり、厚みが増加したりして、実用上も不適であるし、実装にも困難が伴う。発光素子などの実装空間は、空間余裕度を有しないので、厚みの大きいヒートパイプは適さないからである。
このため、ヒートパイプの強度を向上させるためには、ヒートパイプの内部空間に柱や仕切り板などの補強材を設ける必要がある。しかし、この補強材を設けると、内部空間における気化した冷媒の移動や凝縮した冷媒の移動の自由度が妨げられる。特許文献1や特許文献2は、ヒートパイプの強度を向上させつつ、発熱体からの熱を所定方向に輸送することを企図している。
特許文献1に開示されるヒートパイプは、細孔(細孔というよりは通路)が整列する板型ヒートパイプを開示する。特許文献1に開示されるヒートパイプでは、各々の通路が、気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動を行う。この細孔によって、特許文献1に開示されるヒートパイプは、所定方向に向けて熱を輸送できる。すなわち、細孔の第1端部から第2端部にかけて気化した冷媒が移動し、第2端部から第1端部にかけて凝縮した冷媒が移動する。特許文献1に開示される技術は、通路を幅方向に積層することで、ヒートパイプ全体での強度を確保している。
しかしながら、特許文献1に開示されるヒートパイプは、隣接する通路同士は、完全に分離されており、冷媒の移動は、ヒートパイプの長手方向(通路に沿った方向)のみでしか生じない。このため、小型の発熱体に対して幅方向は、冷却効果を生じさせない問題がある。また、特許文献1に開示されるヒートパイプが小型の発熱体を冷却する場合には、発熱体が直接的に接触する通路のみに、冷却の負担が生じる。すなわち、発熱体が直接的に接触する通路のみの冷媒が、気化して移動し、凝縮して移動することになる。このため、特許文献1に開示されるヒートパイプは、それが有する最大性能を発揮できない問題がある。
特許文献2に開示されるヒートパイプは、積層される部材に設けられるスリットを相互にずらすことによって、気化した冷媒の移動路と凝縮した冷媒の移動路とを形成する。このスリットが所定方向に形成されていることで、冷媒の移動と移動とも所定方向に行なわれる。結果として、特許文献2に開示されるヒートパイプは、所定方向に熱を輸送できる。
特許文献2も、特許文献1と同様に、スリットによって形成される通路同士は、それぞれ独立しており、特許文献1の場合と同じ問題を有する。
特許文献3は、複数の板部材を積層し、溝を備える板部材と孔を備える板部材との積層によって、毛細管力を生じさせて熱を輸送するヒートパイプを開示する。
しかしながら、特許文献3に開示されるヒートパイプは、長手方向に熱を輸送できるが、短手方向への熱の拡散は困難である。このため、発熱体が小型の場合には、発熱体に接触する近辺においてのみ、発熱体の熱を長手方向に輸送できるだけである。加えて、全面に渡って設けられた孔によって発熱体から無指向的に熱が拡散する可能性があり、所定方向に熱を輸送することは困難である。
また、特許文献1〜特許文献3のいずれの技術も、端部から端部に熱を輸送する場合に、ヒートパイプの最大性能を発揮できないだけでなく、中央部から端部に向けて熱を輸送する場合においてもヒートパイプの最大性能を発揮できない。特定の通路のみで輸送された熱を冷却する場合に、熱の輸送に関係ない通路までをも冷却することになって、ヒートパイプが輸送する熱を冷却する冷却部材が、最大性能を発揮できないからである。
また、熱を輸送するヒートパイプの端部は、発熱体からの熱を受熱する機能、逆の端部から輸送された熱を冷却する機能の少なくとも一方を果たす必要がある。このため、発熱体の大きさや冷却部材の大きさに係らず、ヒートパイプの端部では、発熱体から受熱した熱および輸送された熱を幅方向に拡散することが求められる。
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示されるヒートパイプは、このような機能を有さず、所定の部位のみで熱を受熱し熱を冷却させる。このため、特許文献1および特許文献2のヒートパイプは、小型の発熱体に適した冷却をできない問題を有する。
特許文献4は、端部において短手方向に溝を設けた板部材を、全体に渡っては長手方向に通路を設けた板部材を積層したヒートパイプを開示する。このヒートパイプは、端部においては、短手方向に熱を拡散しその他では熱を長手方向に移動させる。
しかしながら、特許文献4に開示されるヒートパイプは、長手方向においては、非常に幅の狭い範囲でしか冷媒が移動できず、熱輸送効率を下げている。加えて、短手方向に設けられた通路と長手方向に設けられた通路とは一部のみでしか重複しておらず、相互の通路間での熱の伝達が悪い問題もある。加えて、特許文献4は、ヒートパイプの中で、通路がアンバランスに形成されているので、強度が弱くなる問題も有している。結果として、特許文献4の技術も、発熱体の熱を所定方向に効率よく輸送できない問題を有している。加えて、特許文献4に開示されるヒートパイプは、その構造上発熱体との接触位置が限定されてしまうので、高密度実装の行なわれる電子機器や産業機器には適合しにくい問題も有する。
以上のように、従来技術における発熱体の熱を所定方向に輸送するヒートパイプは、その最大性能を活用できない問題を有している。特に小型の発熱体の熱を輸送して冷却することが不十分である問題を有している。加えて、ヒートパイプの強度を確保することと、発熱体の大きさや接触位置にフレキシブルに対応しながら熱を効率的に輸送することを両立できない。
本発明は、上記課題に鑑み、(1)柱部や補強部によって強度を確保すること、(2)柱部や補強部による封入空間における冷媒の移動の障害を最小限にすること、(3)冷媒移動の障害を最小限にしつつ、X軸、Y軸、Z軸の必要な方向に冷媒の移動を実現すること、(4)発熱体の大きさや接触位置にフレキシブルに対応すること、によって小型の発熱体の熱を、その最大性能を発揮しながら効率的に輸送できる熱輸送ユニットを提供することを目的とする。加えて、高密度実装の電子機器や産業機器に対しても、実装しやすいヒートパイプを提供する。
なお、熱輸送ユニットは、封入した冷媒の気化と凝縮を用いるヒートパイプの構造を有する。
上記課題に鑑み、本発明の熱輸送ユニットは、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸により空間が定義され、
上部板と、
上部板と対向する下部板と、
上部板および下部板によって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、
内部空間の一部の領域であって、X軸方向に沿った複数の第1通路を形成する第1柱部を備える第1領域と、
内部空間における第1領域以外の領域であって、X軸方向およびY軸方向に沿った複数の第2通路を形成する第2柱部を備える第2領域と、を備え、
上部板、下部板および内部空間は短手方向と長手方向を有し、X軸は長手方向に沿っており、Y軸は短手方向に沿っており、
第1領域と第2領域との境界において、第1通路と第2通路とが連通し、
第1領域のY軸方向の幅は、第2領域のY軸の幅と略同一であり、
第1領域に含まれる第1通路は、X軸方向に沿って、気化した冷媒を移動させると共に凝縮した冷媒を移動させることで、第1領域は、第2領域から運搬される熱を、1次元方向に輸送し、
第2領域に含まれる第2通路は、X軸およびY軸の両方に沿って、気化した冷媒を移動させると共に凝縮した冷媒を移動させることで、第2領域は、発熱体からの熱を2次元方向に拡散して拡散した熱を第1領域に運搬し、
第2柱部は、大型柱部材と、大型柱部材よりも小型の小型柱部材とを有し、
上部板および前記下部板の少なくとも一方は、発熱体と熱的に接触する受熱部を更に有し、
受熱部は、第1領域および第2領域の境界にまたがって設けられる
本発明の熱輸送ユニットは、冷媒を封入する封入空間において、第1領域と第2領域で異なる柱部を備えることで、強度を確保すると共に、X軸、Y軸およびZ軸のそれぞれに最適な熱の拡散と輸送を実現できる。
また、熱輸送ユニットは、発熱体が熱的に接触する部位において、受熱した熱を長手方向及び短手方向に拡散しつつ、拡散された熱を長手方向へ輸送することによって、ヒートパイプとしての最大性能を活用しながら、発熱体の熱を効率的に輸送できる。
これらの結果、本発明の熱輸送ユニットは、小型の発熱体からの熱を効率的に輸送できる。
また、発熱体の配置位置の変更に対しても対応しながら、発熱体の熱を高速に輸送できる。
本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの斜視図である。 本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの内部斜視図である。 本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの動作説明図である。 本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの動作概念図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの内部斜視図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの端部の断面図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニット1の内部模式図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの第2領域付近の拡大図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの正面図である。 本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの斜視図である。 本発明の実施の形態3における熱輸送ユニットの分解斜視図である。 実施例および比較例を並べた説明図である。 実施例、比較例の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態4における熱輸送ユニットの側面図である。 本発明の実施の形態5における電子機器の模式図である。
本発明の第1の発明に係る熱輸送ユニットは、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸により空間が定義され、上部板と、上部板と対向する下部板と、上部板および下部板によって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、内部空間の一部の領域であって、X軸方向に沿った複数の第1通路を形成する第1柱部を備える第1領域と、内部空間における第1領域以外の領域であって、X軸方向およびY軸方向に沿った複数の第2通路を形成する第2柱部を備える第2領域と、を備え、第1領域と第2領域との境界において、第1通路と第2通路とが連通する。
この構成により、熱輸送ユニットは、その強度を向上できると共に、小型の発熱体であっても、発熱体から奪った熱を、熱輸送ユニットの短手方向を満遍なく活用しながら長手方向に輸送できる。
本発明の第2の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1の発明に加えて、第1通路では、X軸方向に沿って、気化した冷媒が移動すると共に凝縮した冷媒が移動し、第2通路では、X軸方向およびY軸方向に沿って、気化した冷媒が移動すると共に凝縮した冷媒が移動する。
この構成により、熱輸送ユニットは、短手方向を最大限に活用しつつ、長手方向に、発熱体から奪った熱を輸送できる。
本発明の第3の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1又は第2の発明に加えて、第1通路および第2通路では、気化した冷媒が相互に移動する共に凝縮した冷媒が相互に移動する。
この構成により、熱輸送ユニットは、機能の異なる第1領域と第2領域とを、有効活用して熱を輸送できる。
本発明の第4の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第3のいずれかの発明に加えて、第2領域は、内部空間の両端部の少なくとも一方の端部に設けられ、第1領域は、内部空間において第2領域以外の領域に設けられる。
この構成により、熱輸送ユニットは、その端部に配置される発熱体の熱を、他方の端部に輸送できる。
本発明の第5の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2領域は、内部空間の中央部に設けられ、第1領域は、内部空間において第2領域以外の領域に設けられる。
この構成により、熱輸送ユニットは、その中央に配置される発熱体の熱を、両端に向けて輸送できる。
本発明の第6の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第5のいずれかの発明に加えて、第2領域は、発熱体から受熱した熱を、X軸方向およびY軸方向に拡散すると共に第1領域に移動し、第1領域は、第2領域から移動された熱を、X軸方向に輸送する。
この構成により、熱輸送ユニットは、発熱体から奪った熱を、Y軸方向に拡散した上で、Y軸方向を満遍なく活用して、X軸方向に輸送できる。
本発明の第7の発明に係る熱輸送ユニットでは、第6の発明に加えて、第2領域が、内部空間の第1端部および第1端部と逆側の第2端部に設けられる場合には、第1端部側の第2領域は、発熱体から受熱した熱をX軸方向およびY軸方向に拡散すると共に第1領域に移動させ、第1領域は、第1端部側の第2領域から移動された熱を、X軸方向に輸送し、第2端部側の第2領域は、第1領域が輸送した熱を、X軸方向およびY軸方向に拡散する。
この構成により、熱輸送ユニットは、発熱体から奪った熱を、第2領域を活用してX軸方向およびY軸方向に拡散し、その上で、第1領域を用いて、X軸方向に輸送する。更には、熱輸送ユニットは、発熱体の配置されていない第2領域を用いて熱を放出する。これらの結果、熱輸送ユニットは、発熱体を冷却できる。
本発明の第8の発明に係る熱輸送ユニットでは、第6の発明に加えて、第2領域が、内部空間の中央に設けられ、第1領域が、内部空間の第1端部および第1端部と逆側の第2端部に設けられる場合には、第2領域は、発熱体から受熱した熱をX軸方向およびY軸方向に拡散すると共に第1領域に移動させ、第1領域は、第2領域から移動された熱を、X軸方向に輸送する。
この構成により、熱輸送ユニットは、中央に位置する第2領域を用いて、発熱体の熱をX軸方向およびY軸方向に拡散し、両端に位置する第1領域を用いて、X軸方向に沿って、熱輸送ユニットの両端に輸送する。発熱体の熱を、多方面に輸送したい場合に適している。
本発明の第9の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第8のいずれかの発明に加えて、上部板および下部板の少なくとも一方は、発熱体と熱的に接触する受熱部を更に有し、受熱部は、第1領域および第2領域の境界にまたがって設けられる。
この構成により、熱輸送ユニットは、発熱体からの熱を効率的に受け取り、所定方向に輸送できる。また、熱輸送ユニットの熱輸送効率が向上する。
本発明の第10の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第9のいずれかの発明に加えて、第1柱部は、複数の第1通路の内、隣接する第1通路同士を連通させる切り欠きを有する。
この構成により、第1通路同士は、冷媒をやり取りできる。
本発明の第11の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第10のいずれかの発明に加えて、第2領域は、Z軸方向に積層される単数又は複数の中間板を有し、中間板は、Z軸方向に積層される第2柱部を形成し、第2柱部は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に沿って、第2通路を形成する。
この構成により、第2領域は、3次元的に、熱を拡散できる。
本発明の第12の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第11のいずれかの発明に加えて、第2柱部は、大型柱部材と、大型柱部材よりも小型の小型柱部材とを有する。
この構成により、第2通路は、より複雑な構成を有し、高い毛細管力を生じさせる。結果として、第2通路は、気化した冷媒の拡散および凝縮した冷媒の移動を、効率的に行える。
本発明の第13の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第12のいずれかの発明に加えて、第1通路および第2通路の少なくとも一部は、凝縮した冷媒を移動させる毛細管力を有する。
この構成により、熱輸送ユニットは、凝縮した冷媒を移動でき、気化した冷媒の輸送と凝縮した冷媒の移動のサイクルによって、発熱体の熱を輸送できる。
本発明の第14の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第13のいずれかの発明に加えて、上部板、下部板、第1柱部および第2柱部の少なくとも一部は、内部空間に露出する面に溝を有する。
この構成により、第1通路および第2通路の毛細管力が向上する。
本発明の第15の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第14の発明に加えて、上部板および下部板の少なくとも一方は、第1領域および第2領域の少なくとも一部に対向する領域において、輸送された熱を放出する放熱部を更に備える。
この構成により、熱輸送ユニットは、輸送した熱を早期に冷却できる。結果として、気化した冷媒の輸送と凝縮した冷媒の移動とのサイクル効率を上げることができ、熱輸送ユニットは、高い効率で熱を輸送できる。
本発明の第16の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第15のいずれかの発明に加えて、上部板、下部板、第1柱部および第2柱部の少なくとも一部は、内部空間に対して露出する面において、金属めっきを有する。
本発明の第17の発明に係る熱輸送ユニットでは、第1から第16のいずれかの発明に加えて、第1領域のY軸方向の幅と第2領域のY軸方向の幅とは略同一である。
この構成により、熱輸送ユニットは、短手方向も最大限に活用して、熱を輸送できる。このため、熱輸送ユニットは、無駄な実装体積を必要としない。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書におけるヒートパイプとは、内部空間に封入された冷媒が、発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒が冷却されて凝縮することを繰り返すことで、発熱体を冷却する機能を実現する部材、部品、装置、デバイスを意味する。また、本明細書における熱輸送ユニットとは、冷媒の移動によって発熱体からの熱を輸送する機能を有する部材、部品、装置、デバイスを意味する。
(実施の形態1)
(ヒートパイプの概念説明)
本発明の熱輸送ユニットは、ヒートパイプの機能や動作を利用しているので、まずヒートパイプの概念について説明する。
ヒートパイプは、内部に冷媒を封入しており、受熱面となる面を、電子部品をはじめとする発熱体に接している。内部の冷媒は、発熱体からの熱を受けて気化し、気化する際に発熱体の熱を奪う。気化した冷媒は、ヒートパイプの中を移動する。移動した気化した冷媒は、放熱面などにおいて(あるいはヒートシンクや冷却ファンなどの二次冷却部材によって)冷却されて凝縮する。凝縮して液体となった冷媒は、ヒートパイプの内部を移動して再び受熱面に移動する。受熱面に移動した冷媒は、再び気化して発熱体の熱を奪う。
このような冷媒の気化と凝縮の繰り返しによって、ヒートパイプは発熱体からの熱を輸送して発熱体を冷却する。特にヒートパイプが、冷媒を封入する内部空間において、気化した冷媒を移動させることと凝縮した冷媒を移動させることを、所定方向に沿って行うことで、ヒートパイプは、発熱体から奪った熱を所定方向に輸送できる。
(全体概要)
実施の形態1における熱輸送ユニットの全体概要について図1、図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの内部斜視図であって、熱輸送中ニットの内部を可視状態にした断面斜視図で示している。
まず、図1、図2に示されるように、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸によって、3次元空間が定義される。熱輸送ユニット1は、このX軸、Y軸、Z軸を用いて、その構成が説明される。また、熱輸送ユニット1は、内部に種々の構成を有しているが、図1に示される例のように平板形状の直方体の外観を有している。もちろん、表面に種々の加工がなされていても良い。
熱輸送ユニット1は、上部板2と上部板2に対向する下部板3と、上部板2および下部板3によって形成される冷媒を封入可能な内部空間4と、を備える。内部空間4は、その一部の領域に第1領域5と、第1領域5の残部となる領域に第2領域6、7を有する。図2においては、第1領域は、熱輸送ユニット1の長手方向(X軸方向)における中央付近に設けられ、第2領域6、7は、熱輸送ユニット1の長手方向(X軸方向)における両端に設けられる。第1領域5は、X軸方向に沿った複数の第1通路9を形成する第1柱部8を備える。第1柱部8は、第1領域5においてX軸方向に沿って長手方向を有する立体部材であり、複数の第1柱部8同士が挟む領域が第1通路9となる。このように、長手方向を有する立体部材である複数の第1柱部8のそれぞれが、X軸方向に沿って並んで配置されることで、X軸方向に沿った複数の第1通路9が形成される。
一方、第2領域6,7は、X軸方向およびY軸方向に沿った複数の第2通路11を形成する第2柱部10を備える。第2柱部8は、第2領域6,7においてX軸方向およびY軸方向に並べられる複数の立体部材である。X軸方向に並ぶ複数の第2柱部10同士が挟む領域は、Y軸方向に沿った通路を形成し、Y軸方向に並ぶ複数の第2柱部10同士が挟む領域は、X軸方向に沿った通路を形成し、このX軸方向に沿った通路とY軸方向に沿った通路とが、格子状に組み上げられる。この格子状の通路が第2通路11を形成する。
内部空間4は、冷媒を封入し、封入された冷媒の気化と凝縮の繰り返しによって、発熱体からの熱を所定方向に輸送する。しかし、内部空間4が、がらんどうの空間であると、内部空間4は、冷媒の気化や凝縮によって生じる圧力増減の負担を受けて膨張したり収縮したりするため、熱輸送ユニット1を損傷したり破裂したりする可能性がある。第1柱部8および第2柱部10は、この熱輸送ユニット1の強度を確保すると共にX軸方向およびY軸方向への熱の拡散ないし輸送をうまく制御できる第1通路9と第2通路11を形成できる。
第1領域5と第2領域6との境界12および第1領域5と第2領域7との境界13で、第1通路9と第2通路11とが連通する。この連通によって、第2通路11から移動する冷媒(気化した冷媒および凝縮した冷媒の少なくとも一方)が、第1通路9に移動して、第1通路9を移動できる。また、内部空間4における第1領域5のY軸方向の幅と第2領域6、7のY軸方向の幅とは(すなわち短手方向の幅)、略同一である。略同一であることで、内部空間4において、X軸方向に熱を輸送する第1領域5と、X軸方向およびY軸方向に熱を拡散する第2領域6,7とのそれぞれの幅が同一となって、熱輸送ユニット1の外形が形成可能な内部空間4全体が、熱の輸送に用いられることになる。
なお、図2においては、第1柱部8、第2柱部10、第1通路9および第2通路11は、図の明瞭性の確保のために、一部の要素のみに符号を付与しているが、符号が付与されていない要素も、それぞれ第1柱部8、第2柱部10、第1通路9および第2通路11のそれぞれに対応する。例えば、図2における第1柱部8と同一形状の立体部材は、特段の断りが無い限り、いずれも第1柱部8である。これは、図3以降についても同様である。
(熱輸送ユニットの動作)
次に、図3を用いて熱輸送ユニット1の動作を説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの動作説明図である。図3は、熱輸送ユニット1の内部の概略構造を示しつつ内部空間4に封入された冷媒の移動(すなわち熱の拡散と輸送)を矢印によって説明する。
上部板2および下部板3は、長手方向と短手方向とを有する平板形状を有し、X軸方向は長手方向に沿っており、Y軸方向は短手方向に沿っている。このような上部板2および下部板3の形状によって、熱輸送ユニット1は、長手方向と短手方向を有する平板形状を有する。
熱輸送ユニット1の底面(下部板3の底面)に、発熱体20が配置される。また、発熱体20は、底面において第2領域6に対向する位置に配置される。なお、発熱体20は、電子部品、電子素子、半導体集積回路、発光素子、電子基板、機械部品、機械素子などの熱を生じさせる要素である。また、発熱体20は、底面において第2領域6に対向する位置に配置される。第1領域5は、上述の通りX軸方向に沿った第1通路9を有し、第2領域6,7は、X軸方向およびY軸方向に沿った第2通路11を有する。
熱輸送ユニット1は、第2領域6において、発熱体20から熱を奪う。内部空間4は冷媒を封入しているので、発熱体20からの熱は、冷媒を気化させる。気化した冷媒は、第2領域6の第2通路11においてX軸方向およびY軸方向に移動する。すなわち、第2領域6は、第2通路11を用いて、発熱体20から奪った熱を、矢印A(X軸方向)および矢印B(Y軸方向)に沿って拡散する。もちろん、熱輸送ユニット1は、X軸、Y軸、Z軸で構成される三次元の内部空間4を形成しているため、Z軸方向へも、気化した冷媒の移動および熱の拡散は行われるが、本発明の実施の形態1では、主に冷媒が移動するX軸方向およびY軸方向を用いて説明する。
次に、第2領域6と第1領域5との境界12において、第2通路11は、第1通路9と連通する。このため、気化した冷媒は、第2通路11から第1通路9に移動する。
第1通路9は、第1領域5においてX軸に沿って形成されており、第1通路9において矢印Cに示される方向に、気化した冷媒が移動する。ここで図3においては、一つの第1通路9のみにおいて、矢印Cを描いているが、他の第1通路9も矢印Cと同様に、気化した冷媒が移動する。この移動の結果、発熱体20の熱は、熱輸送ユニット1の一方の端部である第2領域6から、他方の端部である第2領域7に輸送される。
第1領域5と第2領域7との境界13において、第1通路9と第2通路11とは連通する。このため、矢印Cに示されるように、第1通路9に沿って移動した気化した冷媒は、第2領域7の第2通路11に移動する。
第2通路11は、X軸方向およびY軸方向に沿っているので、第1通路9から移動した気化した冷媒は、矢印D(X軸方向)および矢印E(Y軸方向)に沿って移動する。すなわち、第2領域7の第2通路11において、短手方向および長手方向に幅広く、気化した冷媒が移動する。
第2領域7は、第2通路11を用いて、気化した冷媒をX軸方向およびY軸方向に幅広く移動させることで、気化した冷媒を冷却できる。気化した冷媒は、発熱体20が配置されていない第2領域7を広く移動することで、含んでいる熱を排出するからである。
このように第2領域7を移動する気化した冷媒は冷却されることで凝縮し、液体である冷媒に変わる。この結果、凝縮した冷媒は、第2領域7における第2通路11に沿って、X軸方向およびY軸方向に移動する。これは、矢印D、矢印Eで示される流れである。
ここで、第2領域7の第2通路11は、非常に微細な通路となっているので、毛細管現象によって液体を移動させる毛細管力を発揮できる。
凝縮した冷媒は、複数の第2通路11を通じて、第2領域7内部をX軸方向およびY軸方向に移動した後、第1領域5と第2領域7との境界13に到達する。第2領域7の第2通路11と第1領域5の第1通路9とは連通しているので、凝縮した冷媒は、矢印F示されるように第2通路11から第1通路9に移動する。このとき、凝縮した冷媒は、第2通路11においてX軸方向のみならずY軸方向にも移動しているので、凝縮した冷媒が内部空間4の短手方向にも広がっている。このため、凝縮した冷媒は境界13において、内部空間4の短手方向に並ぶ複数の第1通路9のそれぞれに移動できる。
第1通路9に移動した凝縮した冷媒は、矢印Gに示されるように、第1通路9に沿ってX軸方向に沿って移動する。すなわち、第2領域7の位置する端部から第2領域6の位置する端部に向けて、凝縮した冷媒が第1通路9を移動する。第1通路9は、周囲が閉鎖された細い通路となっており、第1通路9は、毛細管力を発揮できる。第1通路9は、この毛細管力によって、凝縮した冷媒をX軸方向に移動させる。
第1通路9をX軸方向に移動した凝縮した冷媒は、非常に微細な通路となっている第2領域6に到達し、第2領域6で発熱体20の熱を受けて再び気化する。気化した冷媒は、再び第2通路11をX軸方向およびY軸方向に移動する。このように、気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動とのサイクルによって、熱輸送ユニット1は、発熱体20の熱を、第2領域6の位置する端部から第2領域7の位置する端部へ輸送できる。このとき、発熱体20の熱は、第2領域6において、熱輸送ユニット1の長手方向と短手方向に拡散し、第1領域5が熱輸送ユニット1の長手方向に熱を輸送する。このため、熱輸送ユニット1は、第1柱部8および第2柱部10によって熱輸送ユニット1の強度を確保しつつ、内部空間4の全体を活用しつつ発熱体20の熱を輸送できる。
ここで、熱輸送ユニット1の熱輸送のメリットおよび特性を更に詳述する。
発熱体20の形状や大きさによっては、熱輸送ユニット1が、その長手方向に熱を輸送する場合でも、内部空間4(すなわち熱輸送ユニット1)の長手方向および短手方向のそれぞれを最大活用して、冷媒を移動させる必要がある。
第2領域6に配置された発熱体20からの熱によって気化した冷媒は、第2領域6の第2通路11によってX軸方向に加えてY軸方向にも移動する。複数の第1通路9は、内部空間4の短手方向に沿って並んでいる。第2領域6において、第2通路11をY軸方向にも気化した冷媒が移動することで、気化した冷媒は、境界12において、複数の第1通路9のそれぞれ(全てであったり、一部であったりするが、発熱体20の幅よりも広い幅に対応する複数の第1通路9)に移動できる。移動された気化した冷媒は、複数の第1通路9のそれぞれを満遍なく移動する。
結果として、第1領域5は、複数の第1通路9を満遍なく使用して、熱をX軸方向(すなわち、第2領域6の位置する端部から第2領域7の位置する端部にかけて)に輸送できる。
また、第2領域7においては、第2通路11が、第1通路9から移動された気化した冷媒をX軸およびY軸に立体的に移動できる。このため、第2領域7において、気化した冷媒は広い範囲にわたって短時間で移動できる。結果として、第2領域7は、気化した冷媒を短時間で冷却して凝縮させることができる。
第2領域7で凝縮した冷媒は、第2通路11によって、X軸方向およびY軸方向に沿って移動する。このため、第2領域7と第1領域5との境界13において、複数の第2通路11から複数の第1通路9に凝縮した冷媒が移動できる。すなわち、境界13において、内部空間4の短手方向に並ぶ複数の第1通路9のそれぞれに(全てであったり、一部であったりする)、凝縮した冷媒が移動できる。また、複数の第1通路9のうち、主として気化した冷媒が多く存在している第1通路9には凝縮した冷媒は少しだけ入り込み、気化した冷媒が多くは存在していない他の第1通路9には、凝縮した冷媒が多く入り込む。
このようにして、第1領域5は、複数の第1通路9を満遍なく使用して、凝縮した冷媒をX軸方向(すなわち、第2領域7の位置する端部から第2領域6の位置する端部にかけて)に移動できる。
この、気化した冷媒の移動と凝縮した冷媒の移動とのサイクルが、熱輸送ユニット1が発揮する熱輸送の機能である。すなわち、熱輸送ユニット1は、発熱体20のサイズや形状に依存せず、熱輸送ユニット1の全体を効率的に利用して、所定方向(ここではX軸方向)に、発熱体の熱を輸送できる。
なお、ここでいう満遍なくとは、複数の第1通路9の全てを用いるということではなく、複数の第1通路9のそれぞれの中で、気化した冷媒の移動もしくは凝縮した冷媒が移動しやすい条件(温度、流速、流量、圧力等)に見合う第1通路を用いるということである。
熱輸送ユニット1の熱の輸送を、図4に概念的に示す。図4は、本発明の実施の形態1における熱輸送ユニットの動作概念図である。
発熱体20は、下部板3の底面であって第2領域6の底面に配置される。発熱体20と底面とは熱的に接触し、第2領域6は、発熱体20から熱を奪う。この熱によって、第2領域6は、液体である冷媒を気化し、気化した冷媒は、矢印Hに従って第1領域5をX軸方向に移動する。
第1領域5から第2領域7に到達した気化した冷媒は、第2領域7において冷却されて凝縮する。この冷却された冷媒は、第1通路9、第2通路11が生じさせる毛細管力によって、第2領域7から第2領域6に向けて移動する。矢印Iに示されるとおりである。このように、熱輸送ユニット1を側面から見てもわかる通り、熱輸送ユニット1は、X軸方向に沿って、発熱体20の熱を効率的に輸送できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(上部板)
上部板2について説明する。上部板2は、図2によってその斜視状態が示される。上部板2は、平板形状を有し、好ましくは短手方向と長手方向とを有する方形である。勿論、部分的に方形と異なる形状を有していたり、湾曲や屈曲を有していたりしてもよい。但し、上部板2が短手方向と長手方向とを有する方形であることで、熱輸送ユニット1は、短手方向と長手方向とを有する方形となるので、熱輸送ユニット1は、端部に配置された発熱体からの熱を所定方向に輸送できるようになる。上部板2は、熱輸送ユニット1の外形形状に合わせた構造を有していればよい。
上部板2は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。
上部板2は、下部板3と共に内部空間4を形成する。例えば、上部板2や下部板3は、その周縁に内部空間4を形成するための凸部や壁材を有しており、上部板2と下部板3とが、これら凸部や壁材などを介して接合されることで上部板2と下部板3との間に内部空間4が形成される。下部板3と接合される際に、これらの凸部や壁材が、内部空間4の周囲の側壁となる。勿論、これら凸部や壁材は、上部板2と別部材であっても同一部材であっても良い。
また、上部板2は、少なくとも内部空間4に接する面(気化した冷媒や凝縮した冷媒と接する面)に、金属めっきを有していることも好適である。金属めっきが施されていることで、表面状態が改質され、気化した冷媒の移動を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金などの金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
上部板2は、「上部」との呼称を有するが、物理的に上方に配置されなければならないわけではなく、便宜上の呼称である。発熱体は上部板2に接してもよいし、下部板3に接しても良い。
また、上部板2は、冷媒を注入する図示されない注入口を備えていることも好適である。上部板2と下部板3とが接合されて内部空間4が形成されると、この内部空間4に冷媒を封入する必要があるからである。注入口は、冷媒を注入した後で封入される。
なお、冷媒は、上部板2と下部板3との接合後に注入口から注入されても良く、接合される際に注入されても良い。また、冷媒の封入は、真空下もしくは減圧下にて行われることが好適である。真空または減圧下で行われることで、内部空間4が真空または減圧された状態となって冷媒が封入される。減圧下であると、冷媒の気化・凝縮温度が低くなり、冷媒の気化・凝縮の繰り返しが活発になるメリットがある。
また、上部板2および下部板3の少なくとも一方が、第1柱部8および第2柱部10を備える。上部板2および下部板3によって、内部空間4が形成されるので、上部板2および下部板3の少なくとも一方が、第1柱部8および第2柱部10を備えておれば、上部板2および下部板3の接合によって、内部空間4が第1柱部8および第2柱部10(すなわち第1通路9と第2通路11)を備えることができる。これは、後述する下部板3についても同様である。
(下部板)
次に下部板3について説明する。下部板3は、上部板2と対照となる部材であり上部板2と同じ構造や形状を有するので、図2によってその斜視状態が示される。
下部板3は、平板形状を有し、好ましくは短手方向と長手方向とを有する方形である。特に、下部板3は、上部板2と対向して接合されるので、上部板2と略同一形状や同一面積を有していることも好適である。但し、下部板3は、上部板2と内部空間4を形成できるのであれば上部板2と異なる面積や形状を有していても良い。勿論、部分的に方形と異なる形状を有していたり、湾曲や屈曲を有していたりしてもよい。なお、上部板2と同様に下部板3が短手方向と長手方向とを有する方形であることで、熱輸送ユニット1は、短手方向と長手方向とを有する方形となるので、熱輸送ユニット1は、端部に配置された発熱体からの熱を所定方向に輸送できるようになる。
下部板3は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。
下部板3は、上部板2と接合されて内部空間を形成するので、その周縁に内部空間4を形成するための凸部や壁材を有していても良い。上部板2と接合される際に、これらの凸部や壁材が、内部空間4の周囲の側壁となる。勿論、これら凸部や壁材は、下部板3と別部材であっても同一部材であっても良い。なお、上部板2および下部板3のそれぞれが、凸部や壁材を有していてもよいし、上部板2および下部板3のいずれか一方のみが、凸部や壁材を有していても良い。
また、下部板3が上部板2と同様に冷媒の注入口を備えていても良い。
下部板3は、上部板2と対向して接合されることで、内部空間4が形成される。
また、下部板3は、少なくとも内部空間4に接する面(気化した冷媒が通る面)に、金属めっきを有していることも好適である。金属めっきが施されていることで、表面状態が改質され、気化した冷媒の移動凝縮した冷媒の移動を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金などの金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
下部板3は、「下部」との呼称を有するが、物理的に下を向いていなければならないわけではなく、便宜上の呼称である。発熱体は下部板3に接してもよいし、上部板2に接しても良い。
また、第1柱部8および第2柱部10を備えておくことについては、上部板2の場合と同様である。
(内部空間)
内部空間4は、上部板2および下部板3によって形成される。
上部板2および下部板3は、周縁に突起や柱を有し、上部板2および下部板3が対向して接合されることで、内部空間4が形成される。また、上部板2および下部板3が接合する際に、上部板2および下部板3の少なくとも一方に設けられている第1柱部8および第2柱部10が対向する上部板2および下部板3のいずれかに接する。この結果、第1柱部8および第2柱部10は、上部板2と下部板3をつなぐ。第1柱部8および第2柱部10は、内部空間4において、上部板2から下部板3に至る柱となる。
内部空間4には、冷媒が封入される。冷媒には、不凍液、アルコール、純水などが用いられる。
また、内部空間4は、第1領域5と第2領域6,7を有する。言い換えると、内部空間4は、第1領域5と第2領域6,7とに分割される。第1領域5および第2領域6,7とのY軸方向の幅は、略同一であるので、第1領域5および第2領域6,7とは、境界12、13においてY軸方向の幅全体で接続する。すなわち、第1通路9と第2通路11とは、Y軸方向の幅全体で連通する。
内部空間4は、封入した冷媒を気化させたり凝縮させたりすることで、発熱体の熱を所定方向に輸送する。このとき、内部空間4は、熱の輸送方向(冷媒の移動方向)に基づく機能の異なる第1領域5と第2領域6,7を備えることで、発熱体の熱を効率的に輸送できる。
(第1領域)
第1領域5は、X軸方向に沿う複数の第1通路9を形成する複数の第1柱部8を備える。複数の第1柱部8は、X軸方向に沿って備えられる。第1柱部8は、上部板2および下部板3の少なくとも一方に設けられる突起状の立体部材であり、上部板2および下部板3が熱接合する際に、対向する部材(上部板2もしくは下部板3)と接合されて、内部空間4内部において、上部板2から下部板3に到達する立体部材となる。この結果、内部空間4を補強する補強部となる。
なお、他の構成として、第1柱部8は、上部板2および下部板3のいずれか一方に設けられ、上部板2と下部板3の接合によって、内部空間4において上部板2から下部板3に到達する立体部材となってもよい。あるいは、上部板2および下部板3のそれぞれに、必要な第1柱部8の一部のみが設けられ、上部板2と下部板3とが接合されることで、必要となる全ての第1柱部8が、内部空間4に設けられることでもよい。あるいは、上部板2および下部板3のそれぞれに、対向する同じ位置に第1柱部8の一部が設けられ、上部板2に設けられた第1柱部8の一部と下部板3に設けられた第1柱部8の一部とが接合されて一体化し、必要な第1柱部8が形成されてもよい。
複数の第1柱部8は、図2、図3に示されるように、X軸方向に沿って設けられるので、隣接する第1柱部8によって、X軸方向に沿った複数の第1通路9が形成される。複数の第1通路9は、第1柱部8によって形成される空隙である。
また、第1通路9は、第1領域5においてX軸方向に沿っているので、第1領域5のX軸方向の長さに略等しい程度の長さを持っていることが好ましい。これにより、複数の第1通路5は、第1領域5においてX軸方向に沿って冷媒を移動させることができるようになる。
また、上部板2および下部板3と同様に、第1柱部8は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。また、第1柱部8の表面の少なくとも一部(特に、内部空間4に対して露出している面の一部もしくは全部)は、金属めっきが施されていることも好適である。金属めっきが施されていることで、表面が改質されて冷媒の移動を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金等の金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
第1領域5は、このような複数の第1通路9を備えることで、境界12と境界13との間で、複数の通り道に冷媒(気化した冷媒及び凝縮した冷媒)を振り分けながら、冷媒を移動させる。すなわち、第1領域5は、境界12と境界13との間で、発熱体20の熱を輸送できる。第1領域5は、発熱体20からの熱を、Y軸方向での幅方向を効率的に利用して、X軸方向に輸送する機能を担う。
(第2領域)
次に、第2領域について説明する。
第2領域6,7は、内部空間4において第1領域5の残部に設けられる。このため、内部空間4は、第1領域5と第2領域6,7とを有する。なお、第1領域5および第2領域6,7は、それぞれ異なる機能を有する空間であり、内部空間4が、第1領域5および第2領域6,7のいずれにも関係しないその他の領域を含むことを除外しない。第1領域や第2領域は、内部空間4におけるそれぞれの機能を発揮させる領域であることを示す要素であって、内部空間4を物理的に分離することを示す用語ではない。
第2領域6,7は、X軸方向およびY軸方向に沿う複数の第2通路11を形成する複数の第2柱部10を備える。複数の第2柱部10は、X軸方向にそって備えられる。このとき、第2領域6,7においては、X軸方向のある列において、複数の第2柱部10が備えられる。例えば、図2においては、第2領域6においては、X軸方向に沿ったある列には2つの第2柱部10が備えられる。また、第2領域7においては、X軸方向に沿ったある列には4つの第2柱部10が備えられる。また、このようなX軸方向のある列に備えられる複数の第2柱部10は、Y軸方向に沿って複数列並んでいる。
このように、X軸方向およびY軸方向のそれぞれに、複数の第2柱部10が設けられることで、複数の第2柱部10は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれに隙間を形成できる。このX軸方向およびY軸方向のそれぞれの隙間が、X軸方向およびY軸方向に沿った複数の第2通路11を形成する。第2通路11では、気化した冷媒や凝縮した冷媒が、この第2柱部10の隙間に合わせてX軸方向およびY軸方向に沿って移動する。
第2柱部10は、上部板2および下部板3の少なくとも一方に設けられる突起状の立体部材であり、上部板2および下部板3が熱接合する際に、対向する部材(上部板2もしくは下部板3)と接合されて、内部空間4内部において、上部板2から下部板3に到達する立体部材となる。この結果、内部空間4を補強する補強部となる。
なお、他の構成として、第2柱部10は、上部板2および下部板3のいずれか一方に設けられ、上部板2と下部板3の接合によって、内部空間4において上部板2から下部板3に到達する立体部材となってもよい。あるいは、上部板2および下部板3のそれぞれに、必要な第2柱部10の一部のみが設けられ、上部板2と下部板3とが接合されることで、必要となる全ての第2柱部10が、内部空間4に設けられることでもよい。あるいは、上部板2および下部板3のそれぞれに、対向する同じ位置に第2柱部10の一部が設けられ、上部板2に設けられた第2柱部10の一部と下部板3に設けられた第2柱部10の一部とが接合されて一体化し、必要な第2柱部10が形成されてもよい。
上部板2および下部板3と同様に、第2柱部10は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高いあるいは防錆性(あるいは耐久性)の高い金属で形成されることが好ましい。また、第2柱部10の表面の少なくとも一部(特に、内部空間4に対して露出している面の一部もしくは全部)は、金属めっきが施されていることも好適である。金属めっきが施されていることで、表面が改質されて、冷媒の移動を促進させるからである。金属めっきとしては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトおよびこれらの合金等の金属から選ばれれば良い。勿論、単層めっき、多層めっき、電解めっき、非電解めっきのいずれでもよい。
第2領域6,7は、このような複数の第2通路11を備えることで、境界12と境界13において、Y軸方向に並ぶ複数の第1通路9に満遍なく、気化した冷媒や凝縮した冷媒を振り分けながら、移動させる。
このように、第2領域6,7は、第2領域6,7内部において、気化した冷媒や凝縮した冷媒をX軸方向およびY軸方向に移動させる機能を発揮しつつ、Y軸方向に並ぶ複数の第1通路9のそれぞれと満遍なく冷媒をやり取りする機能を発揮する。もちろん、第2領域6,7に設けられる第2柱部10は、内部空間4を補強する機能も発揮する。
以上のように、実施の形態1における熱輸送ユニット1は、発熱体20からの熱を、X軸方向およびY軸方向に拡散した上で、X軸方向に沿って輸送できる。熱輸送ユニット1は、発熱体20の熱をX軸方向に沿って輸送することを目的とするが(発熱体20を受熱する部位から遠端に向けて、X軸方向に沿って熱を輸送する)、熱輸送ユニット1のY軸方向の幅全体を活用しながらX軸方向に輸送することが求められる。このため、発熱体20と熱的に接触する第2領域6は、発熱体20からの熱をX軸方向およびY軸方向に拡散し、Y軸方向の幅全面を使って、第1領域5に熱を移動させる。第1領域5は、X軸方向に沿って熱を輸送できるので、結果的に、熱輸送ユニット1は、Y軸方向の幅全体を活用しながら、発熱体20の熱をX軸方向に沿って輸送できる。
このとき、第1柱部8および第2柱部10が、内部空間4(すなわち熱輸送ユニット1)の強度を確保できる。
このように、内部空間4を補強するための柱部の構成を、内部空間4の領域において工夫することで、実施の形態1における熱輸送ユニット1は、強度と熱輸送効率向上の両立を確保できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、熱輸送ユニット1の種々の変形例を説明する。
(第2柱部の変形例)
図5は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの内部斜視図である。図5は、熱輸送ユニット1の内部の一部を可視状態にして示している。第2領域6は、第2柱部10を備えて、第2柱部10によって、X軸方向およびY軸方向に沿った間隙が生じ、この間隙は第2通路11を形成する。第2通路11では、気化した冷媒をX軸方向およびY軸方向に移動させると共に、凝縮した冷媒をX軸方向およびY軸方向に移動させる。
ここで、図5に示されるように、第2柱部10は、大型柱部材30と、大型柱部材30よりも小型の小型柱部材31と、を備えることも好適である。第2領域6においては、図5の通り、大型柱部材30が配置され、この大型柱部材30以外の部分に小型柱部材31が配置される。大型柱部材30は、小型柱部材31より大きいサイズを有していればよいが、大型柱部材30と小型柱部材31とが整列して並んでも良いし、ランダムに並んでもよい。
第2柱部10が、このように、大型柱部材30と小型柱部材31との混在で構成されることで、第2通路11の形状がより複雑になる。特に、複数の第2通路11は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれで間隙同士が隣接する。大型柱部材30と小型柱部材31とが混在して複数の間隙が形成されることで、間隙同士の隣接距離が小さくなり、間隙同士の交差も多くなる。このような複雑な間隙同士の組み合わせによって形成される第2通路11は、高い毛細管力を有する。
この高い毛細管力によって、第2通路11は、凝縮した冷媒を、効率的かつ高速に移動させることができる。
また、複雑な間隙同士の組み合わせによって形成される第2通路11は、第2領域6において液体である冷媒を広い範囲に渡って滞留させることができる。このため、発熱体20の熱を受けて、第2領域6は、冷媒を短時間で気化させやすくなる。当然ながら、第2通路11では、気化した冷媒が高速かつ広範囲に移動できる。
また、第2柱部10が、大型柱部材30と小型柱部材31とで構成されることで、第2領域6の強度が更に向上する。第2領域6は、発熱体20と熱的に接触するので、温度変化による膨張と収縮が大きくなる。そのため、より高い強度を要するので、強度が向上することは好適である。
なお、大型柱部材30と小型柱部材31とは、立設方向に対する垂直方向の断面積の大きさの相違によって、そのサイズの差異を定義する。このため、形状が異なることで断面積が異なる場合や、形状が同じで断面積が異なる場合のいずれも、大型柱部材30および小型柱部材31の「大型」および「小型」の用語を定義できる。
(第1通路および第2通路が溝を備える変形例)
第1柱部8、第2柱部10、上部板2および下部板3の少なくとも一部は、内部空間4に露出する面に溝を備えることも好適である。
図6は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの端部の断面図である。図6は、熱輸送ユニット1の内部空間4への露出面が、溝40〜42を備える状態を示している。なお、図6では、断面で示す都合上、第2領域6のみが表されているが、第1領域5および第1柱部8においても溝が設けられることは同様である。
上部板2は、内部空間4の露出面において溝40を備えている。溝40は、上部板2の面を切削したり研削したりすることで形成されても良いし、上部板2が成型される際に予め溝40が形成されても良い。下部板3は、内部空間4の露出面において溝42を備えている。上部板2における溝40と同様に、溝42は形成されれば良い。
第2柱部10は、内部空間4への露出面において溝41を備えている。溝41は、第2柱部10の面を切削したり研削したりすることで形成されても良いし、第2柱部10が成型される際に予め溝41が形成されてもよい。なお、図6には図示されていないが、第1柱部8の内部空間4への露出面においても、同様に溝が形成されている。
このように上部板2、下部板3、第1柱部8および第2柱部10の少なくとも一部において溝が形成されることで、第1通路9および第2通路11は、溝を備えることになる。第1通路9および第2通路11は、溝を備えることで、毛細管力を向上させることができ、溝に沿って凝縮した冷媒を移動させやすくなる。第1通路9および第2通路11は、凝縮した冷媒および気化した冷媒のそれぞれを移動させることになるので、溝に沿って凝縮した冷媒を移動させることができるようになると、第1通路9および第2通路11は、溝以外の空間を使って、気化した冷媒を移動させやすくなる。
この結果、第1通路9および第2通路11は、気化した冷媒と凝縮した冷媒との干渉を抑えつつ、それぞれの冷媒を移動・移動させることができる。すなわち、第1通路9は、気化した冷媒をX軸方向に沿って、第2領域6から第2領域7にする。一方、第1通路9は、凝縮した冷媒をX軸方向に沿って、第2領域7から第2領域6に移動する。この際に、溝によって、第1通路9は、気化した冷媒と凝縮した冷媒との干渉を低減できる。
以上のように、上部板2、下部板3、第1柱部8および第2柱部10の少なくとも一部が溝を備えることで、熱輸送ユニット1は、気化した冷媒と凝縮した冷媒の移動サイクルを早めることができ、より高速に熱を輸送できる。
(切り欠きによる第1柱部の変形例)
次に、第1柱部8が、切り欠きを備える変形例について説明する。
複数の第1柱部8は、隣接する第1柱部8同士が形成する間隙によって、複数の第1通路9を形成する。複数の第1通路9のそれぞれでは、X軸方向に冷媒が移動するので、第1領域5の範囲ではX軸方向に沿って通路を形成する。図7を用いて説明する。図7において、第1柱部8の途中に、隣接する第1通路9同士を連通させる切り欠き35が設けられている。図7は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニット1の内部模式図である。
切り欠き35は、隣接する第1通路9同士を連通するので、ある第1通路9を通る気化した冷媒や凝縮した冷媒は、切り欠き35を通じて、他の第1通路9に移動できる。
例えば、発熱体20が非常に小型である場合(一例として、発光ダイオード素子(以下、「LED」という)が発熱体20である場合)には、第2領域6において、第2通路11によって発熱体20からの熱が拡散される場合でも、拡散が足りない場合がある。この場合には、複数の第1通路9の内、発熱体20の配置された位置に近い位置の第1通路9は、多くの熱を輸送する必要があり、他の第1通路9は、多くの熱を輸送する必要がない。この場合には、この発熱体20に近い位置の第1通路9は、より多くの冷媒を必要としたり、能力を超えた冷媒の移動を必要としたりする。
切り欠き35によって、ある第1通路9が、他の第1通路9と連通している場合には、この第1通路9は、この切り欠き35を介して、他の第1通路9と、必要となる冷媒や不要となる冷媒をやり取りできる。
図7は、ある第1通路9Aが、他の第1通路9と冷媒をやり取りする状態を更に示している。図7においては、非常に小型の発熱体20が、第2領域6の底面であってY軸方向のほぼ中央に配置されている。第2領域6は、発熱体20からの熱を奪い、冷媒が気化して、気化した冷媒は第2通路11をX軸方向およびY軸方向に移動する。ここで、発熱体20が非常に小型であるために、第2通路11におけるY軸方向への気化した冷媒の拡散力は、X軸方向への拡散力よりも小さくなりやすい。このため、気化した冷媒は、第2領域6から第1領域5に移動する際に、発熱体20の配置位置に近い、第1通路9Aに移動しやすくなる。
一方で、より多くの熱を輸送するには多くの冷媒を必要とする。図7の状態では、熱の輸送においては、第1通路9Aがその主体となるので(但し、他の第1通路9が熱を輸送しないということではなく、第2通路11によって、Y軸方向に拡散された熱は、複数の第1通路9のほとんどを介してX軸方向に輸送される。第1通路9Aが主体となるということは、あくまでも比較のレベルでの状況である)、第1通路9Aは、他の第1通路9よりも多くの冷媒を必要とする。第2通路11からは、複数の第1通路9のそれぞれに気化した冷媒が移動しているので、第1通路9Aは、他の第1通路9より気化した冷媒を得ることができれば、第1通路9Aはより多くの熱を輸送できる。第1通路9Aは、矢印Nに示されるように、X軸方向に気化した冷媒を(熱を)輸送する。ここで、矢印K、矢印Mのように、他の第1通路9から切り欠き35を介して冷媒を受け取ることができる。冷媒を受け取ることで、第1通路9Aは、より多くの冷媒を用いて熱を輸送できるようになる。また、第1通路9Aは、多くの熱を輸送するために、多くの気化した冷媒を輸送する必要がある。しかしながら、第1通路9Aの体積は限界があり、第1通路9Aの気化した冷媒の輸送能力も限界がある。この場合には、矢印J、矢印Lに示されるように、切り欠き35を介して、第1通路9Aは、他の第1通路9に気化した冷媒を移動させることができる。この結果、熱を輸送している気化した冷媒は、複数の第1通路9を通じて、効率的にX軸に移動される。
また、より多くの凝縮された冷媒を発熱体20の近傍に滞留させるためには、効率よく、凝縮された冷媒が発熱体20の近傍に移動する必要がある。発熱体20の熱によって冷媒が気化されるため、発熱体20の近傍の凝縮された冷媒が絶えず少ない状態になる。そのため、他の第1通路9と比較してより多くの凝縮された冷媒が、毛細管力によって、第1通路9Aに沿って発熱体20の近傍へ移動する。その際、他の領域に比べより高い熱が発生する発熱体20近傍付近の冷媒は気化しやすく、凝縮された冷媒の量が不足となる可能性が高くなる。ここで、切り欠き35を備えることで、凝縮された冷媒の不足分を他の第1通路9から切り欠き35を介して第1通路9Aが受け取ることができる。冷媒を受け取ることで、第1通路9Aは、より多くの冷媒を発熱体20近傍に移動させることができ、結果的に多くの熱を輸送できるようになる。
以上のように、切り欠き35を備えることで、熱輸送ユニット1は、発熱体20の熱の輸送効率を更に向上させることができる。
(第2通路の変形例)
次に、第2通路の変形例について説明する。
熱輸送ユニット1は、上部板2および下部板3の間に積層される中間板を更に備え、第2領域6,7が、Z軸方向に位置を異ならせながら積層されることで、第2通路がZ軸方向にも沿う構造を備えることも好適である。
図8は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの第2領域付近の拡大図である。図8では、熱輸送ユニット1は、上部板2および下部板3の間に中間板50を積層している。
下部板3は、第2柱部10を構成する大型柱部材30と小型柱部材31を備えている。また、上部板2は、第2柱部54を構成する大型柱部材51と小型柱部材52を備えている。また、中間板50は、下部板3に形成される第2柱部10と上部板2に形成される第2柱部54とのそれぞれが形成する間隙同士を連通させるための開口部53を備える。
下部板3は、第2柱部10によって、第2通路11を形成する。また、上部板2は、第2柱部54によって、第2通路55を形成する。第2柱部10と第2柱部54とは(すなわち、大型柱部材30と大型柱部材51、および小型柱部材31と小型柱部材52)、Z軸方向を基準に、異なる位置で対向するように設けられている。このため上部板2、中間板50および下部板3と、が積層されると、第2通路11と第2通路55とは、少しずつずれた状態で連通する。開口部53は、この少しずつずれた状態で連通する第2通路11と第2通路55とを接続する。
この結果、第2通路全体(第2通路11と第2通路55とをあわせた通路)は、X軸方向およびY軸方向に加えて、Z軸方向にも沿った構造となる。このため、第2通路全体において、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に、気化した冷媒は移動し、凝縮した冷媒は移動できる。
第2通路全体が、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に熱を拡散できることで、第2領域6は、発熱体20から奪った熱を3次元的に拡散できる。第2領域6が発熱体20の熱を3次元的に拡散できると、第2領域6は、より広範囲にわたって熱を第1領域5に移動できる。結果として、第1領域5は、複数の第1通路9を満遍なく用いて、気化した冷媒を移動できる(熱を輸送できる)。
また、第2領域7は、第1通路5から受け取った気化した冷媒を凝縮させるが、第2通路全体が、3次元的に冷媒を拡散できるので、第2領域7は、気化した冷媒を3次元的に拡散させる内に冷却し、気化した冷媒を効率的に凝縮できる。加えて、第2領域7では、凝縮した冷媒は、3次元的に移動できるので、凝縮した冷媒は高速に第1領域5へ移動できる。また、第2領域7の第2通路全体では、より広範囲にわたって凝縮した冷媒が第1領域5に移動できるので、第1領域5は、複数の第1通路9を満遍なく用いて凝縮した冷媒を移動できる。
また、中間板50は、上部板2と下部板3との間に積層されるが、中間板50が設けられることで、熱輸送ユニット1の強度が更に向上し、第1通路9、第2通路11、55の通路間の区分がより明瞭となり、第1通路9、第2通路11、55は、より確実に熱を輸送できるようになる。
(第1領域と第2領域の位置関係の変形例)
次に、第1領域5と第2領域6,7の変形例について説明する。
内部空間4は、熱輸送において異なる機能を有する第1領域と第2領域を備える。第1領域は、内部空間4のいずれかの領域に設けられ、第2領域は、第1領域の残部に設けられる。第1領域と第2領域の配置は、種々に定められれば良い。
実施の形態1で用いた図2は、内部空間4の両端のそれぞれに第2領域6と第2領域7とが設けられ、これら第2領域6と第2領域7とに挟まれて第1領域5が設けられている熱輸送ユニット1を示している。
このような構成を有する熱輸送ユニット1では、第2領域6に対向して配置された発熱体の熱を、第2領域6が受熱してX軸方向およびY軸方向(さらにはZ軸方向)に拡散する。さらに、第2領域6は、第1領域5に熱を移動させる。
次いで、第2領域6からの熱を受け取った第1領域5がX軸方向に輸送する。第1領域5は、X軸方向に輸送した熱を、第2領域7に移動させる。更に、第1領域5から熱を受け取った第2領域7は、熱をX軸方向およびY軸方向(さらにはZ軸方向)に拡散する中で冷却する。冷却されることで冷媒は凝縮し、第2領域7は、第1領域5を介して、第2領域6に冷媒を移動する。
このように、両端部に第2領域6,7が設けられ、第2領域6,7に挟まれて第1領域5が設けられる構成を有する熱輸送ユニット1は、熱の拡散、熱の輸送、熱の冷却の3つの役割をそれぞれの領域に分担できる。結果として、このような構成を有する熱輸送ユニット1は、効率的に熱を輸送できる。
また、第2領域6が内部空間4の一方の端部に設けられ、第2領域6以外の領域に第1領域5が設けられても良い。すなわち、熱輸送ユニット1は、図9に示されるように、内部空間4の一方の端部のみに第2領域6を備え、残部を第1領域5として備える構成を有してもよい。
図9は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの正面図である。図9は、熱輸送ユニット1の内部を可視状態として示している。図9に示される熱輸送ユニット1は、内部空間4の一方の端部のみに第2領域6を有し、第2領域6以外の領域で第1領域5を有している。発熱体20は、第2領域6に対向して配置される。第2領域6は、実施の形態1,2で説明した通り、第2柱部10および第2通路11を備える。
第2領域6は、発熱体20から奪った熱を、第2通路11を用いて、X軸方向およびY軸方向(更にはZ軸方向)に拡散する。加えて、第2領域6は、拡散した熱を第1領域5に移動させる。具体的には、気化した冷媒を、第1領域5に移動させる。
第1領域5は、第1通路9を用いてX軸方向に、熱を輸送する。第1領域5は、長手方向(X軸方向)に沿って第1通路9を備えているので、第1領域5は、この長い第1通路9を用いて熱を輸送する中で、熱を冷却できる。第1通路9において熱が冷却されることで、気化した冷媒は凝縮する。第1通路9は毛細管力を有するので、凝縮した冷媒はX軸方向に沿って第2領域6に向けて移動する。第2領域6付近では、発熱体20の熱により冷媒が気化して凝縮した冷媒が少ない状態であるので、凝縮した冷媒が毛細管力によって、第2領域6に移動しやすくなるからである。
このように、内部空間4の一方だけに第2領域6が設けられる熱輸送ユニット1は、構成が簡易であって、製造コストを低減できる。また、発熱体20のY軸方向の幅と熱輸送ユニット1のY軸方向の幅(短手方向の長さ)との差が小さい場合には、第2領域6はY軸方向に十分に気化した冷媒を拡散して全ての第1通路9へ、気化した冷媒を移動できる。このため、第1通路9内では、気化した冷媒が移動中に冷却されやすくなるので、第2領域7を必要としない。この点からも、図9のような構成を熱輸送ユニット1が備えることも好適である。
次に、さらに第1領域と第2領域の変形例について説明する。第2領域が、内部空間4の中央部に設けられ、第1領域が、内部空間4の両端に設けられる構成について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2における熱輸送ユニットの斜視図である。図10は、内部構造を可視状態にして示している。図10に示される熱輸送ユニット1は、内部空間4の中央部に第2領域60が設けられ、第2領域60の両端(すなわち、内部空間4の両端)に、第1領域61、62が設けられる構成を有している。なお、第2領域60は、実施の形態1、2で説明した第2領域6,7と同様の構成・機能を有する。すなわち、第2柱部10を備え、第2柱部10によって形成される第2通路11を備える。第1領域61、62は、実施の形態1、2で説明した第1領域5と同様の構成・機能を有する。すなわち、第1柱部8を備え、第1柱部8によって形成される第1通路9を備える。
発熱体20(図示せず、図10において以下同じ)は、第2領域60の底面に対向して配置される。第2領域60は、発熱体20から熱を奪う。第2領域60は、X軸方向およびY軸方向(更にはZ軸方向)に沿った第2通路11を有するので、発熱体20の熱によって気化した冷媒を、X軸方向およびY軸方向(更にZ軸方向)に移動できる。さらに、第2領域60は、気化した冷媒を、第1領域61、62に移動させる。第1領域61、62は、第2領域60の両側に設けられ、第2領域60は、X軸方向にも気化した冷媒を移動させるので、第2領域60は、第1領域61と第1領域62との両方に、気化した冷媒を移動させる。また、第2領域60は、Y軸方向にも気化した冷媒を移動させるので、第2領域60から第1領域61、62のY軸方向の幅方向に満遍なく、気化した冷媒を移動させる。すなわち、第1領域61、62のそれぞれは、備える複数の第1通路9を満遍なく用いて、気化した冷媒をX軸方向に移動できるようになる。
第1領域61と第1領域62との両方に移動した気化した冷媒は、第1領域61と第1領域62とのそれぞれにおいて、複数の第1通路9によって、X軸方向に移動する。
このとき、第1領域61と第1領域62のそれぞれは、第2領域60から遠ざかるように、それぞれの端部に向けて、気化した冷媒を移動させる。第1領域61、62のそれぞれは、端部に向けて気化した冷媒を移動させる中で冷媒を冷却する。冷却されることで、冷媒は凝縮する。第1領域61、62のそれぞれは、第1通路9の有する毛細管力によって、凝縮した冷媒をX軸方向に沿って移動する。このとき、第1領域61、62のそれぞれは、第2領域60に向けて、凝縮した冷媒を移動させる。
以上のように、図10に示される熱輸送ユニット1は、中央部に配置された発熱体20の熱を、両端に向けて輸送する。例えば、ある電子部品や機械部品が発する熱を、周囲に排出したい場合には、図10に示される構成を有する熱輸送ユニット1は、好適に用いられる。
実施の形態2における熱輸送ユニット1は、対象とする発熱体の構造、形状、大きさ、実装位置などに種々に対応しながら、発熱体の熱を輸送して排出できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
実施の形態3では、発熱体の配置位置と熱輸送ユニットとの様々な関係について説明する。
図11は、本発明の実施の形態3における熱輸送ユニットの分解斜視図である。図11は、上部板2を下にして下部板3を上にした状態を示しており、内部を可視状態とするために、下部板3から外表面を取り除いた状態を示している。
熱輸送ユニット1は、上部板2および下部板3の少なくとも一方に発熱体と熱的に接触する受熱部70を備える。図11の熱輸送ユニット1は、下部板3に受熱部70を備えている。
受熱部70は、発熱体を配置する位置であり、受熱部70を介して熱輸送ユニット1は、発熱体からの熱を奪う。その後、第2領域6から第1領域5を介して、熱輸送ユニット1は、発熱体の熱をX軸方向に輸送する。
受熱部70は、図11に示されるように発熱体を配置するための部材として設けられても良い。この場合には、受熱部70は、金属や合金などの熱伝導性の高い素材による平板形状や枠形状を有すればよい。あるいは、熱輸送ユニット1は、受熱部70として個別の素材や部材を備える必要はなく、発熱体を配置する目標位置としての受熱部70を備えておけば良い。すなわち、受熱部70は、明示的に部材が、下部板3の表面に設けられる必要はなく、発熱体20を配置する位置、領域、部位として、捉えられれば良い。熱輸送ユニット1を用いるユーザーが、熱輸送ユニット1の性能を活かすために、発熱体20を配置する位置として選択する位置の領域や部位が、受熱部70として把握されれば良いものである。この点では、熱輸送ユニット1の提供者が、発熱体20の配置位置を推奨することは、受熱部70を推奨していることと同義である。
熱輸送ユニット1が、受熱部70を備えることで、発熱体の配置位置の目標が付けやすく、後述の実験結果の通り、より効果的な発熱体の冷却を実現しやすくなるからである。
(実験結果)
ここで、受熱部70は、第1領域5と第2領域6の境界12にまたがって設けられることが、熱輸送ユニット1の熱輸送効率の点から好ましい。
この点について、発明者は実験を行ったので実験結果について説明する。図12は、実施例および比較例を並べた説明図である。
(実施例)
実施例では、発熱体20(すなわち受熱部70)は、第2領域6と第1領域5の境界12にまたがって設けられる。
(比較例1)
比較例1では、発熱体20(すなわち受熱部70)は、第2領域6の底面に設けられ、発熱体20は、第2領域6の底面にほぼ含まれる状態となる。
(比較例2)
比較例2では、発熱体20(すなわち受熱部70)は、第2領域6の底面に設けられ、比較例1よりも更に発熱体20が第2領域6の底面に含まれ、比較例2の場合よりも発熱体20は、第2領域6に広く覆われる。
このような3つの構成に基づいて、実際に発熱体20に熱を与えて、発熱体20の表面温度を測定した。
図13は、実施例、比較例の測定結果を示すグラフである。図13のグラフから明らかな通り、実施例においては、発熱体20の表面温度は、73.4℃である。比較例1では、発熱体20の表面温度は、73.8℃である。比較例2では、発熱体20の表面温度は、76.0℃である。
これらの結果からわかる通り、実施例の構成がもっとも発熱体の熱を冷却できる(すなわち輸送できる)。すなわち、受熱部70は、第1領域5と第2領域6との境界12にまたがって設けられることが好適である。
なお、受熱部70の配置位置は、このような発熱体の冷却効果のみに依存するものではないので、例えば発熱体20の大きさ、形状、実装位置などのパラメータに応じて決定されればよく、実施の形態3は、受熱部70の配置位置を特段に限定するものではない。さらに、測定結果より得られた表面温度は、一例であって、発熱体の大きさ、形状、実装位置、測定環境条件、冷媒の種類などのあらゆるパラメータによって変化することは言うまでもない。
以上のように、実施の形態3の熱輸送ユニット1は、発熱体の配置位置を特定することにより、より効率的に発熱体の熱を輸送できる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。
実施の形態4では、熱輸送ユニットが、輸送された熱を放出する放熱部を更に備える場合について説明する。
図14は、本発明の実施の形態4における熱輸送ユニットの側面図である。熱輸送ユニット1は、図2で説明したのと同様に、内部空間4内部に第1領域5、第2領域6、第2領域7を備える。発熱体20は、第2領域6と第1領域5との境界付近に配置され、第2領域6は、発熱体20から奪った熱を拡散する。
第2領域6が拡散した熱は、第1領域5に移動し、第1領域5は、熱を第2領域7に向けて輸送する。第2領域7に到達した熱は、第2領域7内部で拡散する。
放熱部の一例として、冷却ファン80が、図14に示されている。冷却ファン80は、第2領域7を冷却する。第2領域7では、発熱体20から輸送された熱が到達しており、冷却されることで気化した冷媒が凝縮する。冷却ファン80は、この冷媒の凝縮を促進する。凝縮した冷媒は、第2領域7から第2領域6に移動する。この移動が生じることによって、熱輸送ユニット1は、熱の循環サイクルを実現し、発熱体20の熱を効率的に輸送して冷却できる。
熱輸送ユニット1の熱輸送効率は、発熱体20の熱を輸送する(すなわち、気化した冷媒を移動する)ことに加えて、冷却された熱を逆方向に輸送する(すなわち、凝縮した冷媒を移動する)ことが相まって向上する。このため、放熱部によって、凝縮した冷媒の移動速度や効率が向上し、熱輸送ユニット1の熱輸送効率が向上する。
このように、放熱部を更に備えることで、熱輸送ユニット1は、高い効率で熱を輸送できる。
また、放熱部の例として、図14では冷却ファンが示されているが、冷却ファン以外にも、液冷ジャケット、ペルチェ素子、ヒートシンクなどの熱を放散できる種々の部材も放熱部として適用される。
熱輸送ユニット1は、ノートブックパソコン、携帯端末、コンピュータ端末などに実装されている放熱フィンや液冷装置などに置き換えられたり、産業機器に実装される冷却装置や、制御コンピュータ部に実装されている放熱フレームや冷却装置などに、おき換えられたりすることが可能である。熱輸送ユニット1は、従来用いられているヒートパイプよりも高速に熱を輸送できるので、冷却能力が高くなる。更には発熱体へのフレキシブルな対応も可能であって、種々の電子部品を冷却対象にできる。結果として、熱輸送ユニット1は、広い適用範囲を有する。
実施の形態4の熱輸送ユニット1は、発熱体の熱の輸送をより効率的に行える。
(実施の形態5)
実施の形態1〜4で説明された熱輸送ユニット1と、熱輸送ユニット1の表面の少なくとも一部と熱的に接触する発熱体20(実施の形態3で説明した受熱部と接触しても良い)と、発熱体20を実装する電子基板と、電子基板を格納する筐体と、を備える電子機器に、熱輸送ユニット1が適用されることも好適である。
図15は、本発明の実施の形態5における電子機器の模式図である。電子機器90は、筐体91内部に電子基板92とこれに実装される発熱体20を冷却する熱輸送ユニット1を格納している。電子基板92は、種々の電子部品を実装しているので、熱輸送ユニット1は、これらの電子部品の中で熱を輸送する必要のある電子部品を、発熱体20として熱を輸送する。
また、熱輸送ユニット1は、必要に応じて冷却ファン80に代表される放熱部を備えても良い。
このような電子機器90は、発熱体の熱を所定方向に輸送した上で冷却できるので、電子機器の誤動作や故障を防止でき、高い性能を発揮できる。
電子機器は、カーテレビやパーソナルモニターなどの薄型、小型が要求される携帯端末である。あるいは、電子機器は、携帯電話機、携帯型音楽再生機、携帯型メール端末、PDA、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯型レコーダー、スマートフォンおよび携帯型動画撮影機器を含む。
実施の形態5の電子機器90は、発熱の高い電子部品や機械部品の熱を、効率よく周辺に輸送できるので、電子機器90の誤動作や故障を未然に防止できる。
なお、本発明の実施の形態において、発熱体は、上部板または下部板の一方に熱的に接続されているが、上部板と下部板の両方に熱的に接続されてもよい。さらに、発熱体は、上部板または/および下部板に別部材であって熱伝導率が高い受熱部材を介して熱的に接続されてもよい。受熱部材を備えることによって、発熱体の熱的に接続する際の位置決めや固定部材として用いることができる。
以上の実施の形態1〜5で説明した熱輸送ユニットおよび電子機器は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 熱輸送ユニット
2 上部板
3 下部板
4 内部空間
5、60 第1領域
6、7、61、62 第2領域
8 第1柱部
9、9A 第1通路
10、54 第2柱部
11、55 第2通路
12、13 境界
20 発熱体
30、51 大型柱部材
31、52 小型柱部材
35 切り欠き
40、41、42 溝
50 中間板
70 受熱部
80 冷却ファン
90 電子機器
91 筐体
92 電子基板

Claims (14)

  1. 相互に直交するX軸、Y軸、Z軸により空間が定義され、
    上部板と、
    前記上部板と対向する下部板と、
    前記上部板および前記下部板によって形成され、冷媒を封入可能な内部空間と、
    前記内部空間の一部の領域であって、前記X軸方向に沿った複数の第1通路を形成する第1柱部を備える第1領域と、
    前記内部空間における前記第1領域以外の領域であって、前記X軸方向および前記Y軸方向に沿った複数の第2通路を形成する第2柱部を備える第2領域と、を備え、
    前記上部板、前記下部板および前記内部空間は短手方向と長手方向を有し、前記X軸は前記長手方向に沿っており、前記Y軸は前記短手方向に沿っており、
    前記第1領域と前記第2領域との境界において、前記第1通路と前記第2通路とが連通し、
    前記第1領域の前記Y軸方向の幅は、前記第2領域の前記Y軸の幅と略同一であり、
    前記第1領域に含まれる前記第1通路は、前記X軸方向に沿って、気化した冷媒を移動させると共に凝縮した冷媒を移動させることで、前記第1領域は、前記第2領域から運搬される熱を、1次元方向に輸送し、
    前記第2領域に含まれる前記第2通路は、前記X軸および前記Y軸の両方に沿って、気化した冷媒を移動させると共に凝縮した冷媒を移動させることで、前記第2領域は、発熱体からの熱を2次元方向に拡散して拡散した熱を前記第1領域に運搬し、
    前記第2柱部は、大型柱部材と、前記大型柱部材よりも小型の小型柱部材とを有し、
    前記上部板および前記下部板の少なくとも一方は、発熱体と熱的に接触する受熱部を更に有し、
    前記受熱部は、前記第1領域および前記第2領域の境界にまたがって設けられる熱輸送ユニット。
  2. 前記第1通路および前記第2通路の境界では、気化した冷媒が相互に移動する共に凝縮した冷媒が相互に移動する、請求項1記載の熱輸送ユニット。
  3. 前記第2領域は、前記内部空間の両端部の少なくとも一方の端部に設けられ、前記第1領域は、前記内部空間において前記第2領域以外の領域に設けられる、請求項1または2記載の熱輸送ユニット。
  4. 前記第2領域は、前記内部空間の中央部に設けられ、前記第1領域は、前記内部空間において前記第2領域以外の領域に設けられる、請求項1から3のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  5. 前記第2領域は、発熱体から受熱した熱を、前記X軸方向および前記Y軸方向に拡散すると共に前記第1領域に移動し、
    前記第1領域は、前記第2領域から移動された熱を、前記X軸方向に輸送する、請求項1から4のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  6. 前記第2領域が、前記内部空間の第1端部および前記第1端部と逆側の第2端部に設けられる場合には、
    前記第1端部側の前記第2領域は、発熱体から受熱した熱を前記X軸方向および前記Y軸方向に拡散すると共に前記第1領域に移動させ、
    前記第1領域は、前記第1端部側の前記第2領域から移動された熱を、前記X軸方向に輸送し、
    前記第2端部側の前記第2領域は、前記第1領域が輸送した熱を、前記X軸方向および前記Y軸方向に拡散する、請求項5記載の熱輸送ユニット。
  7. 前記第2領域が、前記内部空間の中央に設けられ、前記第1領域が、前記内部空間の第1端部および前記第1端部と逆側の第2端部に設けられる場合には、
    前記第2領域は、発熱体から受熱した熱を前記X軸方向および前記Y軸方向に拡散すると共に前記第1領域に移動させ、
    前記第1領域は、前記第2領域から移動された熱を、前記X軸方向に輸送する、請求項5記載の熱輸送ユニット。
  8. 前記第2柱部は、前記複数の第2通路の内、隣接する第2通路同士を連通させる切り欠きを有し、
    前記第1柱部は、前記複数の第1通路の内、隣接する第1通路同士を連通させない、請求項1からのいずれか記載の熱輸送ユニット。
  9. 前記第2領域は、前記Z軸方向に積層される単数又は複数の中間板を有し、
    前記中間板は、前記Z軸方向に積層される前記第2柱部を形成し、
    前記第2柱部は、前記X軸方向、前記Y軸方向および前記Z軸方向に沿って、前記第2通路を形成する、請求項1からのいずれか記載の熱輸送ユニット。
  10. 前記第1通路および前記第2通路の少なくとも一部は、凝縮した冷媒を移動させる毛細管力を有する、請求項1からのいずれか記載の熱輸送ユニット。
  11. 前記上部板、前記下部板、前記第1柱部および前記第2柱部の少なくとも一部は、前記内部空間に露出する面に溝を有する、請求項1から10のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  12. 前記上部板および前記下部板の少なくとも一方は、前記第1領域および前記第2領域の少なくとも一部に対向する領域において、輸送された熱を放出する放熱部を更に備える、請求項1から11のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  13. 前記上部板、前記下部板、前記第1柱部および前記第2柱部の少なくとも一部は、前記内部空間に対して露出する面において、金属めっきを有する、請求項1から12のいずれか記載の熱輸送ユニット。
  14. 請求項1から13のいずれか記載の熱輸送ユニットと、
    前記熱輸送ユニットの表面の少なくとも一部と熱的に接触する発熱体と、
    前記発熱体を実装する電子基板と、
    前記電子基板を格納する筐体と、を備える電子機器。
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