JP4112602B2 - ヒートパイプ - Google Patents

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Description

本発明はヒートパイプ及びその製造方法に関し、特に薄型で、かつ平板状でなるヒートパイプに適用して好適なものである。
ヒートパイプとして、特開2002−039693号公報や特開2004-077120号公報等により紹介されたものがある。
このようなヒートパイプにおいては、スリット(ウィック)を有する薄板からなる仕切板等を複数重ね合わせ、その重ね合わせたものの上下に外壁部材を重ねてコンテナを構成し、前記スリットからなるコンテナ内空間に冷媒を封入することとしたものである。特に特開2002−039693号公報に記載された技術においては、前記複数の仕切板の重ね合わせが各スリットの幅方向にずれるようにされている。
そして、コンテナの形成は、そのコンテナを構成する各部材をコンテナ周辺部にて接合一体化することにより行われていた。
また、一般にコンテナ内空間への冷媒の封入は、例えばヒートパイプの側面又は上面若しくは下面に孔を設け、この孔を通じて冷媒を内部に注入した後、当該孔をカシメ等により閉塞するという方法で行われている。
このようなヒートパイプは、薄い板状の部材でヒートパイプを構成しているので、平坦で薄型のフラット型ヒートパイプを提供できるという利点がある。また、このようなヒートパイプは、各スリットの互いに重ね合った部分が冷媒の通る流路になるとともに、スリットのずれた部分が毛細管現象で冷媒を移動させる移動路となり、熱伝導性を高くできるという利点がある。
特開2002−039693号公報 特開2004−077120号公報
ところで、このようなヒートパイプでは、薄型で平板状でありながら熱伝導性を高くできるという利点を有するものの、常に高速で動作し続けて熱量が大きいCPU(Central Processing Unit)等を効率良く冷却するためには薄型を維持しつつ、更に熱伝導性を向上させることが好ましい。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、液帰還特性を向上させることで、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供することを目的とする。
また、放熱効果を向上させることで、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供することを目的とする。
更には被冷却装置からの熱を直接ヒートパイプに取り込むことで、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供することを目的とする。
更にはアウトガス濃度を減少させ、内部腐食による寿命低下を防止し得るヒートパイプを提供することを目的とする。
更には冷媒の熱膨張によってヒートパイプが変形破損することを防止し、ヒートパイプの耐熱性、信頼性を高めることができるヒートパイプを提供することを目的とする。
更にはヒートパイプの生産性を高めてよりいっそうのヒートパイプの低価格化を図り、また封止部材によりヒートパイプの外面の平坦性が損なわれる虞を防止することができるヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明のヒートパイプは、下面に凹部を有する平板状の上部材と、上面に凹部を有する平板状の下部材との間に、前記上部材及び前記下部材の凹部と連通した平面方向の蒸気拡散流路を複数形成する平板状の中間板を一又は複数介在させて、前記上部材及び前記下部材間の封止空間内に前記蒸気拡散流路及び前記凹部を備え、かつ前記封止空間内に冷媒を封入したヒートパイプであって、前記中間板には、前記蒸気拡散流路を形成した部分以外の部分に、前記上部材及び前記下部材の凹部に連通する垂直方向又は垂直・平面両方向の毛細管流路が形成されていることを特徴とする。
上記構成のヒートパイプにおいて、前記中間板は複数介在し、前記中間板の各々には貫通孔が穿設されており、前記中間板を重ね合わせることにより、前記貫通孔が各々一部のみが重なって、前記貫通孔の前記平面方向の断面積よりも狭い毛細管流路を形成するのが好ましい。
また、前記上部材及び前記下部材のうち少なくとも一方の外面に、被冷却装置が装着される複数の突起を一体に形成するのが好ましい。
これらの上記構成のヒートパイプにおいて、前記上部材及び前記下部材の平面形状が矩形状であって、中央部が被冷却装置配置部とされ、前記蒸気拡散流路の各々が、辺に対して斜めの向きにされているのが好ましい。
さらに、前記上部材及び前記下部材の平面形状が矩形状であって、中央部が被冷却装置配置部とされ、前記蒸気拡散流路の各々が、前記中央部の被冷却装置配置部から放射状に形成されているのが好ましい。
さらに、前記下部材、前記中間板及び前記上部材の周辺部及び被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍に接合用突起が形成されており、前記下部材、前記中間板及び前記上部材が、ヒートプレスによって前記接合用突起を介して直接接合されることが好ましい。
本発明におけるヒートパイプの製造方法は、上面に凹部を有する平板状の下部材と、下面に凹部を有する平板状の上部材と、前記上部材及び前記下部材間に設けられ、前記上部材及び前記下部材の凹部と連通した平面方向の蒸気拡散流路を複数形成する一又は複数の平板状の中間板とを積層し、前記下部材、前記中間板及び前記上部材が互いに直接接合されるべき周辺部、又は該周辺部及び被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍に形成された接合用突起に、ヒートプレスし、前記接合用突起の形成位置にて前記下部材、前記中間板及び前記上部材を直接接合することにより一体化することを特徴とする。
上記方法では、下面に凹部を有する平板状の上部材と、上面に凹部を有する平板状の下部材との間に、前記上部材及び前記下部材の凹部と連通した複数の蒸気拡散流路を形成する一又は複数の平板状の中間板が介在し、前記上部材及び前記下部材の封止空間に、前記蒸気拡散流路及び前記凹部が構成されるように積層し、前記上部材又は前記下部材の一方に、前記封止空間と外部とが連通する一又は複数の冷媒注入孔が形成され、前記封止空間内に冷媒が封入され、前記冷媒注入孔が可塑性金属からなる封止栓で閉塞されてなることが好ましい。
また、前記冷媒注入孔の各々の内周面に、前記封止栓で前記冷媒注入孔の各々を完全に閉塞する状態になるまでは外部と内部空間とを連通させる状態を保ち、その完全に閉塞する状態になるとその封止栓で閉塞される一又は複数のガス抜き溝を形成するのが好ましい。
また、前記冷媒注入孔の各々は上部が下部より大径にされ、前記冷媒注入孔の各々を閉塞する前記封止栓の表面がその冷媒注入孔が形成された部材の外面から突出しないようにするのが好ましい。
また、前記封止空間内が減圧下にあることが好ましい。
本発明におけるヒートパイプの製造方法は、上面に凹部を有する平板状の下部材、下面に凹部を有する平板状の上部材、及び前記上部材及び前記下部材の凹部と連通した平面方向の蒸気拡散流路を複数形成する一又は複数の平板状の中間板を積層し、前記下部材、前記中間板及び前記上部材が互いに直接接合されるべき周辺部、又は該周辺部及び被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍に形成された接合用突起に、ヒートプレスし、前記接合用突起の形成位置にて前記下部材、前記中間板及び前記上部材を直接接合することにより一体化する工程と、減圧下において前記下部材及び前記上部材のうち少なくとも一方に形成された冷媒注入孔を通じて前記上部材及び前記下部材の封止空間内に冷媒を注入する工程と、前記冷媒注入孔上の各々に封止栓となる可塑性金属体を配置し、加圧により前記可塑性金属体を圧接して前記冷媒注入孔の各々を閉塞する封止栓とせしめる工程とを有することを特徴とする。
本発明のヒートパイプによれば、一又は複数の中間板によって、上部材及び下部材の凹部と連通する平面方向の蒸気拡散流路が形成されると共に、上部材及び下部材の凹部と連通する垂直方向又は垂直・平面両方向の毛細管流路が形成されるので、蒸気拡散流路による蒸気拡散と、毛細管流路による冷媒帰還とによって当該冷媒が循環し易くなり、液循環特性が向上し、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供できる。
特に、中間板の蒸気拡散流路が形成される部分以外の部分に、垂直・平面両方向に冷媒を帰還させる微細な毛細管流路をより多く設けることにより、ヒートパイプの略全面を熱伝導に寄与する面積とし、以て、顕著に熱伝導効果を高めることができる。
また上記構成のヒートパイプにおいて、複数の中間板の各貫通孔を各々一部重ねて毛細管流路を形成すれば、各毛細管流路の平面方向の断面積を、各中間板の貫通孔の平面方向の断面積よりも狭くすることが可能となり、蒸気拡散作用と毛細管現象とによる液循環作用のバランスが取れ、延いては熱伝導効果を最大最適にできる。
これは、中間板の貫通孔の加工技術として微細化の限界よりもさらに微細な毛細管流路でも形成することができることに他ならない。
さらに、上部材及び下部材のうち少なくとも一方の外面に、被冷却装置を装着させる複数の突起を一体に形成し、その突起に被冷却装置を直接接触させることで、当該被冷却装置の冷却効果をより強めることができる。従って、被冷却装置からの熱を直接ヒートパイプに取り込むことで、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供できる。よって、例えば発熱量が大きい5GHzレベルの高速CPU(Central Processing Unit)であっても、確実に冷却できる放熱効果の高い最適なヒートパイプを提供することができる。
というのは、一般のヒートパイプのように平坦面に被冷却装置の底面を接着すると、そこに、熱抵抗の極めて大きな接着剤が介在し、この場合熱伝導率を高くすることが難しい。従って、CPUのように発熱量が大きく、より放熱効果の強いことが要求される被冷却装置に必要とされる放熱性を充分に得るこができない場合が多い。
それに対して、本発明のヒートパイプにおいては、被冷却装置を配置すべき部分に微細な突起を複数設け、これら複数の突起間の隙間に設けた接着剤を介して被冷却装置をヒートパイプに固定できるので、その各突起部分と被冷却装置が直接接触し、接着剤を最小化させて被冷却装置からの熱をヒートパイプに伝えることができる。
また、上部材及び下部材の平面形状が矩形状であって、中央部に被冷却装置を設け、辺に対して斜めの向きに各蒸気拡散流路を形成したり、或いは当該中央部から放射状に各蒸気拡散流路を形成したりすれば、中央部から隅角部への有効な放熱が可能となり、ヒートパイプの隅角部を含む面積の略全体を放熱に寄与させることができ、熱伝導効果をより高めることができる。
本発明におけるヒートパイプによれば、下部材、中間板及び上部材の周辺部においてのみならず、被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍においてもヒートプレスによって接合用突起を介して直接接合するようにしたことにより、冷媒の熱膨張によってヒートパイプが変形破損することを防止し、ヒートパイプの耐熱性、信頼性を高めることができる。また、変形破損し難いことからヒートパイプの長寿命化を図ることができる。
本発明におけるヒートパイプの製造方法によれば、下部材、中間板及び上部材が互いに直接接合されるべき周辺部、又は該周辺部及び被冷却装置配置部周辺部乃至その近傍に形成された接合用突起にヒートプレスするので、接合用突起の形成位置に熱、圧力が集中してこれ等接合用突起の形成位置にて直接接合することができ、溶接剤や接着剤等を必要とすることなく、ヒートパイプの一体化に不可欠な接合ができる。
従って、溶接剤や接着剤等により不純物がヒートパイプ内に混入することがないので、内部腐食による寿命低下を防止し得るヒートパイプを提供できる。更に、ヒートパイプをより簡単且つ迅速に製造することができ、また銀ロウ等の高価な接着部材を用いることがないので、ヒートパイプの低価格化を図ることができる。
本発明のヒートパイプ及びヒートパイプの製造方法によれば、各ヒートパイプの冷媒注入用孔上に、可塑性金属を載置し、これら複数のヒートパイプに対して一度に可塑性金属の加圧及び加熱をし、全ての可塑性金属を塑性流動させて一斉に冷媒封入することができる。かくして従来の冷媒注入孔毎に個別にカシメ作業を行なう封止方法に比較してヒートパイプの量産性を高めることができ、また量産性を高めることでヒートパイプの低価格化を図ることもできる。
また、この場合、可塑性金属で冷媒注入孔を封止する際に、ガス抜き溝を介して真空脱気を行なうようにしたことにより、仮にヒートパイプ内を腐食させる有害成分が当該内部空間内に存在していても、内部空間内の空気がガス抜き溝を通じて抜かれることから、当該空気と共に内部空間内から有害成分を確実に除去させることができ、かくしてアウトガス濃度を減少させ、内部腐食による寿命低下を防止し得るヒートパイプを提供できる。
さらに、冷媒注入孔の各々について、その上部を下部より大径にすれば、小径の下部を完全に埋めた状態の可塑性金属の残余の部分が大径の上部内に納まり、ヒートパイプ外面から突出しないようにすることができる。
従って、封止によりヒートパイプの外面の平坦性を損なう突起ができることを防止することができる。
また、封止後の前記封止空間が減圧下にあれば、冷媒の沸点が下がることから、被冷却装置からの熱を奪う冷媒が常温より少し高い温度で、蒸気拡散流路による蒸気拡散と、毛細管流路による冷媒帰還とによって当該冷媒が循環可能となり、放熱効果を向上させることで、従来よりも一段と熱伝導性を向上し得る小型薄型のヒートパイプを提供できる。
本発明のヒートパイプは、構成として、凹部を有する上部材と、凹部を有する下部材との間に、蒸気拡散流路及び垂直方向(或いは垂直・平面両方向)の毛細管流路を形成する一又は複数の中間板を介在させたものであり、その上部材、下部材及び中間板の材料としては熱伝導性の高い銅が最適である。
斯かるヒートパイプの被冷却装置、例えばIC(半導体集積装置)、LSI(大規模集積回路装置)又はCPU等を配置する被冷却装置配置部は、上部材と下部材のいずれか一方、例えば下部材の外側(下側)の面の中央に設けられるが、CPU等のように放熱量の多い被冷却装置の場合には、その被冷却装置配置部に突起を一体に配設するようにすると良い。
すなわち、突起のない空隙部分に接着剤を介在させる一方で、突起を被冷却装置に直接接触させることで、被冷却装置を被冷却装置配置部の所望位置に取付け固定しつつ、接着剤を経由することなく被冷却装置からの熱を速やかにヒートパイプ側に伝えることが可能になる。
ヒートパイプの外郭をなす上部材と下部材の平面形状が矩形状である場合、蒸気拡散流路の向きは、ヒートパイプの長辺或いは短辺と平行であっても良いが、それよりも斜めにする方が良い。というのは、長辺或いは短辺と平行にした場合には、ヒートパイプの中央部から外側への放熱が有効に為し得ないのに対して、斜めにした場合には、隅角部への有効な放熱が為し得るからである。
特に、ヒートパイプ中央部の被冷却装置から放射状に蒸気拡散流路を形成した場合には、被冷却装置が配置されるヒートパイプ中央部から4隅の全隅角部を含む周りにおいて全体的に万遍なく効率的に放熱できる。従って、熱伝導効果を高くすることができ、ヒートパイプとして最適であるといえる。
ここで、中間板が複数の場合において、各中間板の蒸気拡散流路用孔が重なり合った領域で、上部材及び下部材の凹部と連通した広領域となり、蒸気となった冷媒が平面方向に流れる流路(以下、これを蒸気拡散流路と呼ぶ)が形成される。なお、中間板が1枚のときには、蒸気拡散流路用孔自体が蒸気拡散流路となる。
蒸気拡散流路の形状は、帯状や台形状、或いは中央部から周辺部に向けて幅寸法が次第に広くなったり、狭くなってもよく、この他種々の形状であってもよい。
中間板が複数の場合において、重なり合った蒸気拡散流路用孔が完全に重なるようにしても良いし、蒸気拡散流路用孔が幅方向にずれるようにしても良い。尚、以後の実施例の項に記載された実施例においては、中間板は蒸気拡散流路用孔が幅方向にずれないように重ねられている。
また、中間板が複数の場合において、これら複数の中間板を重ね合わせることにより、重なり合った貫通孔で形成され、上部材及び下部材の凹部と連通し、冷媒が垂直方向又は垂直・平面両方向に流れる流路(以下、これを毛細管流路と呼ぶ)が形成される。なお、各中間板の貫通孔が異なるパターンで形成されている場合もあり、各中間板の貫通孔が同一パターンで形成されている場合もある。また、中間板が1枚のときには、貫通孔自体が毛細管流路となる。
すなわち、各中間板の各貫通孔の位置、形状、大きさが完全に一致し、各中間板の貫通孔の対応するもの同士でそれと同位置、同形状、同大の毛細管流路が構成するように中間板を上部材・下部材間に設けるようにする態様があり得る。
この場合の貫通孔延いては毛細管流路の形状は、例えば矩形(例えば正方形或いは長方形)で、角にアールRがついていてもよい。また、基本的には矩形ではあるが、その一部乃至全部の辺の面(毛細管流路の内周面)が波状、皺状等、表面積が広くなるようにしてもよい。というのは、毛細管流路の内周面の表面積が広いと冷却効果が強くなるからである。また、毛細管流路の形状は、六角形でもよいし、円形でもよいし、楕円でもよい。
しかし、平板状でなる上部材及び下部材の平面部と平行となる方向(以下、これを平面方向と呼ぶ)から見た毛細管流路の断面積を、より小さく形成するには、複数の中間板を、その貫通孔同士が完全に整合する位置よりも適宜にずれ、一部のみが重なるようにすると、毛細管流路の実質的な断面積を、各中間板の貫通孔の平面方向の断面積に比して小さくすることができる。
具体的には、例えば中間板が2枚の場合にあっては、当該2枚の中間板の貫通孔の大きさ、形状、配置ピッチを同じにしつつ、その配置位置をその配置ピッチの2分の1だけ所定方向(例えば、横方向(後述する図1(A)のX1方向)にずらすと、毛細管流路の実質的な断面積を、各中間板の貫通孔の断面積の約2分の1に小さくすることができることができる。
更に、2枚の中間板の貫通孔の配置位置を上記一方向と交差する方向(例えば縦方向(後述する図1(A)のY1方向)にもずらすと、毛細管流路の実質的な断面積を、各中間板の貫通孔の断面積の約4分の1に小さくすることができる。
なお、各中間板において貫通孔をずらして配置した場合には、冷媒が垂直方向のみならず或いは垂直・平面両方向にも流れるような毛細管流路が形成されることになる。
また、前記上部材および下部材の凹部は、下記の実施例中では突起柱により区切られて格子状に形成されるが、それ以外の例えば網目などの形状パターンに形成してもよい。それに対応して突起柱は、その横断面が正方形、円形、楕円形、多角形、星形の柱状に形成される。上部材や下部材単体の板厚は、500〜2000μmの範囲内であり、凹部の深さ(すなわち、突起柱の高さ)は、100〜1000μmの範囲内である。更に、中間板の板厚は、50〜500μmの範囲内である。
また、ヒートパイプの製造は、下部材、中間板及び上部材として、互いに直接接合すべき部材の接合すべき部分同士の一方に接合用突起を設けたものを、各々互いに別々に製造し、位置合わせした上で積層し、ヒートプレスで直接接合して一体化することによって、ヒートパイプの製造上の冷媒封入以外の総てを済ませることができる。
ここで直接接合とは、接合しようとする第1及び第2の面部を密着させた状態で加圧しつつ、熱処理を加えることで、第1及び第2の面部間に働く原子間力により原子同士を強固に接合させることであり、これにより接着剤等を用いることなく第1及び第2の面部を一体化し得るものである。
この場合の接合用突起は、例えば上部材や中間板の周囲に額縁状に形成される。その後、減圧下(例えば真空中)において、ヒートパイプの一部(例えば上部材或いは下部材)につくった二つの冷媒注入孔(一つが冷媒注入用の孔、他が空気排出用の孔となる)を通じて冷媒を所定量注入する。そして、冷媒注入孔(一方が冷媒注入用の孔、他方が空気排出用の孔)を可塑性金属で封止することによりヒートパイプができあがる。
なお、上記ヒートプレスによる直接接合の条件として、そのプレス圧力は、40〜150kg/cm2の範囲内であり、温度は250〜400℃の範囲内であることが好ましい。冷媒の注入量は、例えば水の場合、貫通孔の総体積と同等相当とするのが好ましい。
上記ヒートパイプでは、下部材、中間板及び上部材の周辺部及び被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍に接合用突起が形成されており、これら下部材、中間板及び上部材が、ヒートプレスによって接合用突起を介して直接接合がされている。これより被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍においても直接接合して一体化が図られ、冷媒の熱膨張によってヒートパイプが変形破損することを防止し、ヒートパイプの耐熱性、信頼性を高めることができる。また、変形破損し難いことからヒートパイプの長寿命化を図ることができる。
すなわち、上記ヒートパイプでは、被冷却装置から発生する熱で冷媒の温度が上昇し、当該冷媒の熱膨張により略中央部が外方へ膨らもうとする現象(以下、これをポップコーン現象と呼ぶ)の発生を防止できる。被冷却装置配置部の周辺部乃至その近傍に形成される接合用突起は、例えば少なくとも一つ以上あればよく、またその形状は角柱(正方柱または直方柱などを含む)、円柱、楕円柱でもよい。
ところで、封止は次のような量産性の高い方法でも行なうことができる。
この場合、下部材、中間板及び上部材をヒートプレスで直接接合して一体化したヒートパイプ(この段階では未完成の状態)には、下部材と上部材のいずれか一方に、例えば2つの冷媒注入孔(一方が冷媒注入用の孔、他方が空気排出用の孔となる)が設けられており(冷媒注入孔は必ずしも複数である必要はなく、1個でもよい)、大気圧下で内部封止空間(この段階では封止されていない)内へ所定量の冷媒が注入される。そして、その後各冷媒注入孔上に半田等の可塑性金属(封止栓)を置く。
この状態のまま、低温(0℃〜常温(例えば25℃程度))下でガス抜き溝を通じて減圧による真空脱気(例えば気圧0.5KPa)を、例えば10分程度行ない、その後低温状態のまま、数分間プレスによって封止部材を上から加圧(10〜80kg/cm2)して低温加圧変形させる。このようにして低温真空加圧処理することにより冷媒注入孔を仮封止する。このとき冷媒注入孔が可塑性金属で閉塞される。
次に、低温真空加熱処理が終わると、例えば10分間程度、高温(常温(例えば25℃程度)〜180℃)下で真空度を例えば0.5KPaとし、さらにプレスによって可塑性金属としての可塑性金属を上から加圧(30〜150kg/cm2)する。これにより可塑性金属が塑性流動して高温加圧変形し、冷媒注入孔が可塑性金属でさらに強固に閉塞した状態になる。
このようなヒートパイプの製造方法によれば、各ヒートパイプの冷媒注入孔上に可塑性金属を載置し、これら複数のヒートパイプに対して一度に可塑性金属の加圧及び加熱をし、全ての可塑性金属を塑性流動させて一斉に冷媒封入することができる。かくして従来の冷媒注入孔毎に個別にカシメ作業を行なう封止方法に比較して、一括して、かつ平面上で行える分簡単にヒートパイプの封止を行なえるので、ヒートパイプの量産性を高めることができる。また量産性を高めることでヒートパイプの低価格化を図ることもできる。
また、冷媒注入孔の配置は、一方(例えば冷媒注入孔)が矩形状のヒートパイプの一方の隅角部に、他方(例えば空気排出用孔)がその隅角部の対角に位置するようにすると、ヒートパイプ内部全体への冷媒の供給を円滑に行ないやすい。
また、封止後の封止空間が大気圧よりも低い減圧下にできるので、冷媒の沸点が下がることから、被冷却装置からの熱を奪う冷媒が常温よりも少し高い温度で蒸気化して蒸気拡散流路に拡散し、ヒートパイプ全体で熱均一化を達成できる。この場合の封止空間の圧力は、0.3〜0.8KPaの範囲内であることが好ましい。
また、冷媒注入孔を、上部が下部より大径の形状にしてもよい。そうすると、小径の下部を完全に埋めた状態の可塑性金属の残余の部分が大径の上部内に納まり、ヒートパイプ外面から突出しないようにすることができる。
従って、封止によりヒートパイプの外面の平坦性を損なう突起ができることを防止することができる。
尚、ヒートパイプの本体を成す上部材、中間板及び下部材は熱伝導性の良好な銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等が好適であり、また、冷媒は水(純水、蒸留水等)、エタノール、メタノール、アセトン等が好適である。
以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説明する。
図1(A)及び(B)は実施例1によるヒートパイプ1の上外面及び下外面の外観構成を示すものである。このヒートパイプ1は、熱伝導性の高い銅等の高熱伝導材料で成形された上部材2及び下部材3を備え、下部材3の下外面3aの中央部に設けられた被冷却装置配置部4に、例えばIC(半導体集積装置)やLSI(大規模集積回路装置)、CPU等の被冷却装置13が装着され得る。
上部材2及び下部材3は、平板状で平面部が例えば矩形状(正方形状)からなり、上外面2aに凹凸がない分、携帯機器や小型機器内への実装の自由度を向上し得るように構成されている。また、上部材2及び下部材3には、4つの隅角部にそれぞれ位置決め孔5が穿設されており、これら位置決め孔5に基づいて上部材2及び下部材3が位置決めされ、この状態で重ね合わせられて直接接合されている。
ここで図2は図1のA−A’断面部分の上部材2、上側中間板7、下側中間板8及び下部材3の外観構成を示すもので、このヒートパイプ1の上部材2及び下部材3間には、上側中間板7及び下側中間板8が位置決め孔5に基づいて位置決めされて順に積層されている。また、図3(A)は上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材が一体化しているときの一部正面断面構成を示し、図3(B)は図3(A)のB−B’断面を示しており、図3(A)及び(B)に示すように、これら下側中間板8及び上側中間板7によって蒸気拡散流路10及び毛細管流路11が形成されている。
ここでヒートパイプ1の封止空間12内には水でなる冷媒(図示せず)が減圧化で所定量封入されており、この冷媒が被冷却装置13からの熱により蒸気拡散流路10及び毛細管流路11を循環し得るようになされている。
実際上、このヒートパイプ1では、被冷却装置13からの熱により冷媒が温められて蒸発し、対角線上の隅角部間の方向と平行な平面方向(平板状でなる上部材2及び下部材3の平面部と平行となる図1中のX1方向と、当該平面部と平行でX1方向と直交するY1方向とからなる方向)に延びる複数の蒸気拡散流路10を通じて蒸気が周辺部側に拡散するとともに、周辺部側において放熱凝縮して液化した冷媒が毛細管現象により垂直方向(X1方向及びY1方向に直交する方向)の毛細管流路11と、下部材3の上内面3bに形成された所定の深さでなる格子状の凹部(以下、これを下部材側格子状凹部と呼ぶ)17とを通って中央部側に再び戻り、このような冷媒の循環現象が連続的に繰り返し行なわれ得る。これによりヒートパイプ1では、冷媒が蒸発する際の潜熱によって被冷却装置13から熱を奪い、上部材2全面と、被冷却装置配置部4以外の下部材3と、蒸気拡散流路10で放熱することで当該被冷却装置13を効率良く冷却し得るようになされている。
因みに、下部材3の下外面3aの中央部に設けた被冷却装置配置部4(図1(B))は、被冷却装置13の形状(この場合、略正方形状)に合わせて形成され、図1(B)のA−A’断面部分における下部材3の構成を示す図4に示すように、被冷却装置13の外郭に合わせて小面積でなる突起14を複数有する。
この実施の形態の場合、突起14は、角柱状からなり、四辺形でなる先端面が50〜300μm角で、15000μm角の被冷却装置配置部4において等間隔(この場合、500〜1000μmピッチ)を空けて規則的に配置されている。
被冷却装置配置部4には、突起14のない空隙部分に、例えばエポキシ系樹脂やシリコン系接着樹脂等の接着樹脂14aが設けられており、当該接着樹脂14aに被冷却装置13が接着されている。これにより、被冷却装置13は、これら複数の突起14の先端面に対して、接着剤等を介在させることなく直接密着させて設けることができるようになされている。
図5(A)は、図1のA−A’断面部分の上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材の上面構成を示すものであり、図5(B)は上側中間板、下側中間板及び下部材を積層させたときの様子を示すものある。この図5(A)に示すように、下部材3には、隅角部に穿設された位置決め孔5の周囲と、外郭となる周辺部16とを除いて下部材側格子状凹部17が形成され、当該下部材側格子状凹部17によって区切られた各領域に、先端部を平面状とした突起柱18がそれぞれ設けられている。なお、この実施の形態においては、下部材3の厚さが例えば800μm程度からなり、当該下部材3の上内面3bに深さが例えば200μm程度の下部材側格子状凹部17が形成されている。
また、上部材2には、隅角部に穿設された位置決め孔5の周囲と、外郭となる周辺部20とを除いて、下内面2b全面に所定の深さでなる格子状の凹部(以下、これを上部材側格子状凹部と呼ぶ)21が形成され、当該上部材側格子状凹部21によって区切られた各領域に、先端部を平面状とした突起柱22がそれぞれ設けられている。
なお、この実施の形態の場合においては、上部材2は下部材3と同一形状及び同一寸法からなり、厚さが例えば800μm程度に選定されているとともに、当該上部材2の下面に深さが例えば200μm程度の上部材側格子状凹部21が形成され、当該下内面2bに先端部が平面状でなる四角柱状の突起柱22が規則的に形成された構成を有する。
上側中間板7及び下側中間板8は、厚さが例えば100μm程度の平板状であって、銅等の高熱伝導材料からなり、外郭の形状が上部材2及び下部材3と同一形状に形成され、これにより周辺部23,24が上部材2及び下部材3の周辺部16,20と一致するように構成されている。
図5(A)に示すように、上側中間板7には、下側中間板8と共に蒸気拡散流路10を形成する第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cが厚みを貫通するように穿設されているとともに、これら第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cと順次交互に毛細管形成領域26が設けられ、図5(B)に示すように、下側中間板8と共に毛細管流路11を形成する複数の貫通孔27が当該毛細管形成領域26に第1のパターン(後述する)で穿設されている。
ここで第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cは、帯状に形成されており、第1の蒸気拡散流路用孔25aが対角線上にある一対の隅角部間に延びるように形成され、この第1の蒸気拡散流路用孔25aの両側にそれぞれ所定間隔を空け、かつ平行に第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cが形成されている。
毛細管形成領域26では、格子状の仕切り壁30を有し、この仕切り壁30によって区切られた各領域が貫通孔27となっている。この貫通孔27は、四辺状からなり、第1のパターンとして、所定間隔で規則的に配置されているとともに、各四辺が上側中間板7の外郭たる周辺部の四辺とそれぞれ平行となるように配置されている。因みに、この実施の形態の場合、貫通孔27の幅は例えば280μm程度に選定されているとともに、仕切り壁30の幅は例えば70μm程度に選定されている。
一方、下側中間板8は上側中間板7と同様に形成されているが、毛細管形成領域31に貫通孔32が第2のパターン(後述する)で形成されている点で異なるものである。すなわち、下側中間板8には、上側中間板7と共に蒸気拡散流路10を形成する第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cが厚みを貫通するように穿設されており、これら第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cと順次交互に設けた各毛細管形成領域31に、上側中間板7と共に毛細管流路11を形成する複数の貫通孔32が第2のパターンで穿設されている。
ここで第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cは、図3(A)及び(B)に示したように、上側中間板7の第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cと同一形状及び同一位置に形成され、当該上側中間板7の第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cとずれることなく重なり合うようになされている。
これにより上側中間板7の第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cと、下側中間板8の第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cとが重なり合った領域では、上部材2の上部材側格子状凹部21から下部材3の下部材側格子状凹部17までが連通し広く連続した広領域となる蒸気拡散流路10が形成され得る。
図5(B)に示すように、これら蒸気拡散流路10は、第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cと同一形状の帯状からなり、対角線上にある一対の隅角部間の方向と平行に配置され得る。
一方、毛細管形成領域31には、格子状の仕切り壁35が形成され、この仕切り壁35によって区切られた各領域が貫通孔32(図5(A))となっている。この貫通孔32は、四辺状からなり、第2のパターンとして、第1のパターンと同様に所定間隔で規則的に配置され、かつ各四辺が下側中間板8の外郭たる周辺部24の四辺とそれぞれ平行となるように配置されているものの、上側中間板7の貫通孔27と所定距離だけずらして配置されている。
図6は、上側中間板7の貫通孔27と、下側中間板8の貫通孔32との配置の様子を示すものである。この実施の形態の場合、第2のパターンとしては、下側中間板8の貫通孔32の中心部O1が、上側中間板7における貫通孔27の一方の辺方向(X2方向)に辺の2分の1だけずれるとともに、上側中間板7における貫通孔27のX2方向と直交する他方の辺方向(Y2方向)に辺の2分の1だけずれるように配置されている。
すなわち、下側中間板8では、下側中間板8の互いに隣接する4つの貫通孔32の中央部分に当たる仕切り壁35の交差部分O2を、上側中間板7の貫通孔27の中心部O3と一致するように配置し、これにより上側中間板7における1つの貫通孔27の領域内に、下側中間板8の4つの貫通孔32を重なり合わせ、4つの毛細管流路11を形成し得るようになされている。
ここで図7は上側中間板7、下側中間板8及び下部材3を積層させたときの詳細構成を示すものである。この図7に示すように、上側中間板7及び下側中間板8では、上側中間板7の各貫通孔27毎にそれぞれ当該貫通孔27の面積の略4分の1程度でなる毛細管流路11を形成し得るようになされている。これにより、上側中間板7及び下側中間板8では、上側中間板7の貫通孔27よりもはるかに小さく、かつ細かく区切られ表面積の大きい毛細管流路11をより多く形成し得るようになされている。
次にヒートパイプ1の製造方法について以下説明する。図8(A)〜(C)はヒートパイプ1の製造方法の一例を示すもので、図8(A)に示したように、先ず下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2を用意した後、下から順に積層してゆく。
ここで図9は上部材2における冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38の構成を示す平面断面図であり、この図9に示すように、上部材2には、下内面2bの周辺部20の一部に冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38が開口されている。また、上部材2には、下内面2bから突出した額縁状の接合用突起40aが冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38を除いて周辺部20に形成されている。これにより上部材2は接合用突起40aを介して上側中間板7と直接接合し得るようになされている。
また、上側中間板7には、下面から突出した額縁状の接合用突起40bが周辺部23に沿って形成され、接合用突起40bを介して下側中間板8が直接接合され得る。さらに、下側中間板8には、下面から突出した額縁状の接合用突起40cが周辺部24に沿って形成され、接合用突起40cを介して下部材3が直接接合され得る。
因みに、この実施の形態の場合、接合用突起40a,40b,40cは高さが例えば35μm程度に選定されているとともに、幅が例えば50μm程度に選定されている。
また、下部材3にも、上部材2と同様に冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38が開口されている。そして下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2は、位置決め孔5に基づいて位置決めされ、これにより外郭たる周辺部16,20,23,24を全て一致させた最適な位置で重ね合わせられ積層され得る。
これにより、上部材2及び下部材3間では、上側中間板7の第1の蒸気拡散流路用孔25a、第2の蒸気拡散流路用孔25b及び第3の蒸気拡散流路用孔25cと、下側中間板8の第1の蒸気拡散流路用孔33a、第2の蒸気拡散流路用孔33b及び第3の蒸気拡散流路用孔33cとが重なり合うことにより、一対の隅角部間の方向と平行にして周辺部16,20に向けて延びる蒸気拡散流路10が複数形成され得る(図3(A))。
これと同時に上部材2及び下部材3間では、上側中間板7の毛細管形成領域26と、下側中間板8の毛細管形成領域31とが重なり合うことにより、蒸気拡散流路10を形成した部分以外の部分に微細な毛細管流路11が複数形成され得る。
次いで、下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2を最適な位置で重ね合わせられ積層させた状態のまま、これら下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2を、融点以下の温度で加熱しつつ、さらに加圧(即ちヒートプレス(温度は例えば300℃、圧力は例えば100kg/cm2))し、直接接合させる。
このようにして下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2は、図8(B)に示すように、接合用突起40a,40b,40cによって周辺部16,20,23,24が直接接合されることにより一体化し、冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38を介してのみヒートパイプ1の内部空間45と外部とが連通した状態になる。
次いで、冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38が上方に配置されるように、載置台(図示せず)上にヒートパイプ1を立てた後、大気圧下で当該冷媒注入用孔37からヒートパイプ1の内部空間45内に液状の冷媒を所定量注入する。この際、ヒートパイプ1の内部空間45内の空気は、空気排出用孔38から排気される。なお、冷媒の封入量は、例えば水の場合、毛細管流路の総体積と同等相当とするのが好ましい。
その後、ヒートパイプ1の内部空間45内への冷媒の注入が済むと、図8(C)及び(D)に示すように、冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38部分に球状体でなる封止部材39を載置する。この状態のまま、冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38と、封止部材39との隙間を通じて、低温(0℃〜常温(例えば25℃))下で減圧による真空脱気(例えば気圧0.5KPa)を、例えば10分程度行ない、その後低温状態のまま、数分間プレス(図示せず)によって封止部材39を上から加圧(10〜80kg/cm2)して低温加圧変形させる。このようにして低温真空加圧処理することにより冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38を仮封止する。このとき冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38が封止部材39で閉塞される。
因みに、真空脱気が行なわれる温度としては、20℃程度の低温が好ましく、また、封止部材39を低温加圧変形させる圧力としては、60kg/cm2程度が好ましい。
ここで、冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38は、図8(C)に示したように、長手方向が600μm、短手方向が400μmで形成された矩形状からなり、封止部材39の断面円形でなる載置部分39aと角部付近との間に隙間が形成され得るようになされている。これにより冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38では、封止部材39で封止される際に隙間を介して内部空間45のガス抜きを行なえ得るようになされている。
次に、低温真空加熱処理が終わると、例えば10分間程度、高温(常温(例えば25℃)〜180℃)下で真空度を例えば0.5KPaとし、さらにプレスによって封止部材39を上から加圧(30〜150kg/cm2)する。これにより封止部材39が塑性流動して高温加圧変形し、図8(E)に示すように、封止部材39が封止栓となって冷媒注入用孔37及び空気排出用孔38をさらに強固に閉塞した状態になる。これにより内部空間45が封止空間12となり冷媒が封入されたヒートパイプ1が製造され得る。
因みに、さらにプレスを行なう際の温度としては、120℃程度の高温が好ましく、また、封止部材39を高温加圧変形させる圧力としては、100kg/cm2程度が好ましい。
ここで図10(A)は、ヒートパイプ1における蒸気拡散流路10の箇所での側断面構成を示すものであって、被冷却装置13からの熱の伝わりを示した概略図であり、図10(B)は、図10(A)と同様にヒートパイプ1における蒸気拡散流路10の箇所での側断面構成を示すものであって、蒸気が拡散する様子を示した概略図である。
また、図10(C)は、ヒートパイプ1における毛細管流路11の箇所での側断面構成を示すものであって、冷媒が毛細管流路11を通って下部材側格子状凹部17まで導かれる様子を示した概略図であり、図10(D)は、図10(C)と同様にヒートパイプ1における毛細管流路11の箇所での側断面構成を示すものであって、冷媒が下部材側格子状凹部17を通って中央部まで導かれる様子を示した概略図である。
以上の構成において、このヒートパイプ1では、対角線上にある一対の隅角部間の方向と平行にして周辺部16,20に延びる蒸気拡散流路10を封止空間12内に設けたことにより、図10(A)に示すように、例えばプリント配線板42に搭載された被冷却装置13からの熱を冷媒が吸熱し、これにより冷媒が温められて蒸発すると、抵抗のない空間である蒸気拡散流路10に蒸気が導かれ、図10(B)に示すように、蒸気が蒸気拡散流路10を通じて周辺部16,20側に拡散し、ヒートパイプ1の周辺部16,20にて蒸気が放熱して凝縮する。
また、このヒートパイプ1では、蒸気拡散流路10を形成した部分以外の部分に微細な毛細管流路11を複数形成したことにより、図10(C)に示すように、周辺部16,20側や上部材2、毛細管流路11において放熱凝縮して液化した冷媒が毛細管現象により毛細管流路11を通って下部材側格子状凹部17まで導かれ、図10(D)に示すように、この下部材側格子状凹部17を介して中央部側(すなわち被冷却装置配置部4側)に再び戻ることができる。このようにしてヒートパイプ1では、図10(A)〜(D)に示す冷媒の循環現象が連続的に繰り返し行なわれることによって、冷媒が蒸発する際の潜熱により被冷却装置13から熱を奪い、放熱して被冷却装置13を効率良く冷却できる。
また、このヒートパイプ1では、単に位置決め孔5に基づいて上側中間板7及び下側中間板8の周辺部を一致させるようにして重ね合わせるだけで、当該上側中間板7に穿設した貫通孔27が、下側中間板8に穿設した貫通孔32と所定距離だけずれ一部だけが重なり合うようにした。
これにより、このヒートパイプ1では、上側中間板7の貫通孔27が下側中間板8の仕切り壁35により複数に分割され、上側中間板7や下側中間板8への貫通孔27,32の加工技術として微細化の限界よりもさらに微細な毛細管流路11を容易に形成できる。
そして、このようなヒートパイプ1では、毛細管流路11を微細にできた分だけ、毛細管現象による毛細管力を大きくできるので、当該毛細管力によって冷媒を下部材側格子状凹部17まで一段と確実に導くことができ、かくして一段と確実に冷媒の循環現象を連続的に繰り返すことができる。また、ヒートパイプ1では、上側中間板7の貫通孔27及び下側中間板8の貫通孔32が細かく区切られた毛細管流路11を形成することにより、当該毛細管流路11の表面積も大きくでき、その結果毛細管流路11に蒸気が付着する量が増え、当該蒸気を放熱し易くできる。
ここで図11はヒートパイプ1における蒸気拡散流路10及び毛細管流路11が順次交互に形成された箇所での側断面詳細構成を示すものである。この図11に示すように、このヒートパイプ1では、上側中間板7の貫通孔27を下側中間板8の貫通孔32よりも周辺部16,20側(すなわち被冷却装置配置部4から遠ざかる方向)にずらすように配置したことによって、垂直方向へ延びる毛細管流路11だけでなく、上部材2から下部材3に向かう際に斜め周辺部16,20側へ傾いた毛細管流路11をも形成できる。
これにより熱量が大きく、蒸気が比較的多く発生する被冷却装置13近傍付近では、当該蒸気が蒸気拡散流路10(図中の矢印a1の方向)に導かれるだけでなく、各毛細管流路11をも通じて中央部側から周辺部16,20側へ向けて斜め上方に上昇するので、毛細管流路11を上昇する過程で周辺にも広がり、周辺部16,20側や上部材2、毛細管流路11への熱拡散を一段と促進させることができ、かくして効率的に熱放熱を行なわせることができる。
また、ヒートパイプ1では、周辺部16,20や上部材2、毛細管流路11で放熱凝縮して液化した冷媒が、毛細管力によって毛細管流路11を通り下部材側格子状凹部17へ向けて垂直方向(図中の矢印a2の方向)に下降し、さらに当該下部材側格子状凹部17を介して効率良く冷媒を中央部側に戻すことができる。
さらに、ヒートパイプ1では、周辺部16,20や上部材2、毛細管流路11で放熱凝縮して液化した冷媒が、毛細管力によって周縁部16,20側や上部材2、毛細管流路11から中央部側へ向けて斜めに傾斜した方向(図中の矢印a3の方向)の毛細管流路11を通り中央部側の下部材側格子状凹部17へ向けて直接下降することもあり、これにより冷媒を効率良く中央部側に戻すこともできる。
因みに、周辺部16,20や上部材2、毛細管流路11で放熱凝縮して液化した冷媒は、主として毛細管流路11を経由して下部材側格子状凹部17へ導かれるが、蒸気拡散流路10においても一部が蒸気拡散流路10を経由して下部材側格子状凹部17へ導かれこともある。かくしてヒートパイプ1では、このような冷媒の循環現象が連続的に繰り返し行われることにより、一段と有効に被冷却装置13の放熱を行なうことができる。
これに加えて、このヒートパイプ1では、蒸気拡散流路10と毛細管流路11とが直接連通しておらず、下部材側格子状凹部17及び上部材側格子状凹部21を介して間接的に連通させるようにしたことにより、毛細管流路11における毛細管力によって蒸気拡散流路10での蒸気の拡散が妨げられず、蒸気となった冷媒を周辺部16,20まで確実に導くことができ、また蒸気拡散流路10における蒸気の拡散によって毛細管流路11での毛細管力が弱められることがないので、液体となった冷媒を毛細管流路11により確実に下部材側格子状凹部17に導くことができる。
これに加えてヒートパイプ1では、被冷却装置配置部4の突起14間に形成された空隙部分に接着剤としての接着樹脂14aを介在させる一方で、突起を被冷却装置13に直接接触させることで、被冷却装置13を被冷却装置配置部4の所望位置に取付け固定しつつ、接着樹脂14aを経由することなく、突起14を介して被冷却装置13からの熱を速やかにヒートパイプ側に伝えることが可能になる。
また、広い面積を持った面同士を密着させると、その密着部分内部に微小とはいえ空気が閉じこめられるという現象が生じ易い。従ってヒートパイプ1の平面状でなる下外面3aに直接被冷却装置13を装着すると、下外面3aと被冷却装置13との間に熱抵抗の極めて大きな空気層が介在してしまう虞があり、この場合、熱効率が低下するという問題が生じる。
この実施の形態の場合、突起14は、先端面が50〜300m角で、15000μm角の被冷却装置配置部4において500〜1000μmピッチを空けて規則的に配置するようにしたことにより、広い面同士で被冷却装置13を下部材3に密着させることを回避し、これにより密着する面同士間に熱抵抗が極めて大きい空気層が形成し難くなり、確実に被冷却装置13の熱を下部材3に伝え続けることができる。
なお、突起14を形成する銅の熱伝導率は、390W/m・Kであり、これに対して接着樹脂14aの熱伝導率は、4〜6W/m・Kであり、また空気の熱伝導率は0W/m・Kに近い。
また、このヒートパイプ1では、対角線上にある一対の隅角部間の方向と平行に蒸気拡散流路10が複数形成され、これら蒸気拡散流路10を通って蒸気が拡散することから、当該周辺部16,20や上部材2、毛細管流路11、当該一対の隅角部付近も万遍なく放熱に寄与させることができ、かくして効率的に放熱が行われ熱伝導効果を高くすることができる。
さらに、このヒートパイプ1では、接合用突起40a,40b,40cによって下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2を直接接合して一体化するようにしたことにより、下部材3、下側中間板8、上側中間板7及び上部材2を一体化する際に、溶接剤や接着剤等を必要とすることないので、溶接剤や接着剤により不純物がヒートパイプ1内に混入することとを回避できる。
図12は本発明に係る実施例2のヒートパイプ60を示し、被冷却装置配置部4の中心点から全ての蒸気拡散流路61を放射状に形成した点以外は、上述した実施例1と異なることはない。
このようなヒートパイプ60によれば、中央部から隅角部への有効な放熱が一段と可能となり、ヒートパイプ60の隅角部を含む面積の略全体を放熱に万遍なく効率的に放熱に寄与させることができ、蒸気拡散流路によって蒸気拡散と、毛細管流路による冷媒帰還とによって、中央部から隅角部へ当該冷媒の有効な循環が可能となり、かくして熱伝導効果を一段と高めることができる。
ここで、このようなヒートパイプ60と、銅製ヒートスプレッダとについて熱拡散性に関するシミュレーションを行なったところ、以下の結果が得られた。具体的には、図13(A)に示すような、40mm角の正方形でなり、かつ厚さが1mmの銅板46と、図13(B)に示すような、当該銅板46と同じ大きさ及び厚さでなる本願発明のヒートパイプ60とを用い、これら銅板46及びヒートパイプ60の下外面中央15mm平方の領域(図示せず)を444kW/m2で加熱したときの熱拡散性についてシミュレーションを行なった。
図13(A)に示したように、銅板46ではその中央部が67℃程度の高い温度になった。また、そのリング状の周りはそれより稍低い52℃程度の温度になり、さらに、そのリング状の周りは47〜27℃程度の温度になった。さらに、その最外周部は約22℃程度の温度になった。このように、銅板46では、中央部と最外周部の温度差が非常に大きくなる。
これに対して、図13(B)に示すようなヒートパイプ60では、全領域に渡って47〜27℃程度の温度になった。このように、このヒートパイプ60では、温度分布が略均一であり、67℃というような高い温度になる箇所が生じない。
すなわち、図13(A)及び(B)に示す温度分布から、ヒートパイプ60の方が単なる銅板46の場合よりも放熱効果が極めて優れている。また、表面温度で比較した場合、本発明に係るヒートパイプ60の方が単なる銅板46の場合よりも約20倍の放熱効果が得られる。
次に、厚みが1mmの銅製ヒートスプレッダ(比較例1)と、上部材2の上面から下部材3の下面までの厚みが1.2mmに形成したヒートパイプ60との熱拡散性について実験を行なった。なお、いずれのサンプルも、大きさが40mm角のものを用い、被冷却装置13が設けられる中央部を50℃、45℃、40℃及び35℃になるまでそれぞれ加熱した。
すなわち、本実験では、中央部が同じ温度になるまで加熱したので、熱伝導性のよい本願発明のヒートパイプ60に与える熱量のほうが、比較例1に比して大きいことになる。
この実験の温度分布(温度のばらつき)をグラフ化したものを図14(a)及び(b)に示す。図14(a)が比較例1を示し、図14(b)が本願発明によるヒートパイプ60を示す。ここで図14(a)及び(b)は、図13(A)に示すサンプルの横方向(平面方向のうち一つの方向となるX1方向)についての温度分布である。また、図14(a)及び(b)に示すグラフの横軸は、中央が被冷却装置13を設けた位置を示し、サンプルのX1方向の長さを1に規格化して示している。
この場合、比較例1のサンプルの中央部を50℃としたときには、図14(a)に示すように、中央部から離れた周辺部にまで熱が伝わり難く、当該中央部とその周辺部とでは大きな温度差があることが確認できた。
これに対してヒートパイプ60では、図14(b)に示すように、中央部とその周辺部とでは温度差が小さいことが確認できた。すなわち、本願発明のヒートパイプ60は、内部で冷媒が循環することによって、隅角部を含んだ全領域を放熱に万遍なく寄与させ、熱拡散効果が比較例1に比して極めて高いことが分かる。
次いで、比較例1のサンプル及び本願発明のヒートパイプ60の中央部をそれぞれ45℃及び40℃としたときにも、上述と同様に比較例1では、当該中央部とその周辺部とでは大きな温度差があることが確認でき、ヒートパイプ60では、中央部とその周辺部とでは温度差が小さいことが確認できた。
さらに、比較例1のサンプルの中央部を35℃としたときは、図14(a)に示すように、中央部から離れた周辺部にまで熱が伝わり難く、当該中央部とその周辺部とでは大きな温度差があることが確認できたが、本願発明のヒートパイプ60では、図14(b)に示すように、中央部を35℃としたときであっても、当該中央部とその周辺部とでは温度差が比較例1よりも小さいことが確認できた。すなわち、本願発明のヒートパイプ60では、中央部が50℃以下でも熱拡散効果が極めて高いことが分かり、また中央部が常温よりも少し高い35℃でも熱拡散効果が極めて高いことが分かる。
上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材の側断面構成を示す図15において、70は実施例3によるヒートパイプを示し、下部材71、下側中間板72、上側中間板73及び上部材74が積層され、ヒートプレスによって周辺部16,20,23,24が直接接合されるとともに、被冷却装置配置部4の領域部分でも直接接合され得る点で上述した実施例2と異なるものである。
実際上、下部材71には、被冷却装置配置部4の角部付近と対向する位置に、受け部75が形成されている。この受け部75は、下側中間板72の下面から僅かに突出した接合用の突起(以下、これを中間板中央突起と呼ぶ)76を受け、ヒートプレスによって中間板中央突起76が直接接合し得るようになされている。
下側中間板72には、図16(A)に示すように、被冷却装置配置部4の領域に合わせて正方形状の毛細管中央形成領域77が設けられており、図16(A)のC−C’部分の断面構成を示す図16(B)及び下側中間板72の要部平面図である図16(C)のように、この毛細管中央形成領域77の4隅の角部に中間板中央突起76が設けられている。
この実施の形態の場合、中間板中央突起76は、幅W1が50μm程度に選定されているとともに、高さH1が35μm程度に選定された微小な角柱状からなり、その長手方向が中央部に向けて配置されている。
因みに、この実施の形態の場合、下側中間板72は、8つの蒸気拡散流路用孔78が毛細管中央形成領域77から放射状に延びるように穿設され、これら蒸気拡散流路用孔78間に貫通孔79が第2のパターンで穿設された毛細管形成領域80を有する。なお毛細管中央形成領域77にも貫通孔32が第2のパターンで穿設されている。
また、下側中間板72と一体化する上側中間板73は、下側中間板72と同様に形成されているが、毛細管形成領域82及び毛細管中央形成領域83に貫通孔27が第1のパターンで形成されている点で異なるものである。また、これに加えて上側中間板73は、受け部75と対向する位置に下面から僅かに突出した中間板中央突起85を備えており、ヒートプレスにより当該中間板中央突起85を介して下側中間板72と直接接合する。これにより上側中間板73及び下側中間板72は一体化し得るようになされている。
さらに、上部材74は、下部材71の受け部75と対向する位置に下内面から僅かに突出した接合用の突起(以下、これを上側中央突起と呼ぶ)86を備えており、ヒートプレスにより当該上側中央突起86を介して上側中間板73と直接接合する。これにより上部材74及び上側中間板73は一体化し得るようになされている。
このようにして冷媒封入前のヒートパイプ70を製造し得、上述した実施例2と同様にして内部空間に冷媒が封入され得る。
以上の構成において、このヒートパイプ70では、上述した実施例2と同様の効果が得られる他、被冷却装置配置部4と対向する位置に中間板中央突起76,85及び上側中央突起86を設けたことにより、周辺部16,20,23,24のみならず、被冷却装置配置部4と対向する中央部分においても直接接合して一体化が図られ、被冷却装置配置部4と対向する中央部分に支柱構造を備えることで機械的強度を向上させることができる。
ところで、従来のヒートパイプ(図示せず)では、被冷却装置から発生する熱で冷媒の温度が上昇すると、当該冷媒の熱膨張により略中央部が外方へ膨らもうとする現象(ポップコーン現象)が生じ、場合によっては上部材と下部材との接合が破壊され、ヒートパイプが故障してしまう虞があるという問題があった。
これに対して本願発明のヒートパイプ70では、被冷却装置配置部4に対向する中央部分に支柱構造を設けて機械的強度を向上させたことにより、ポップコーン現象の発生を防止できる。かくしてポップコーン現象によってヒートパイプ70自身が破壊されることを防止し、ヒートパイプ70の信頼性を向上できるとともに、長寿命化を図ることができる。
以上の構成によれば、下部材71、下側中間板72、上側中間板73及び上部材74が互いに直接接合されるべき周辺部16,20,23,24のみならず、被冷却装置配置部4の周辺部に対応する部分に中間板中央突起76,85及び上側中央突起86を設け、これら中間板中央突起76,85及び上側中央突起86の形成位置でもヒートプレスによる直接接合して一体化されているので、被冷却装置13の発生する熱による膨張を防止できるとともに、更には、その膨張によってヒートパイプ70自身が破壊されることを防止し、ヒートパイプ70の信頼性の向上を図り、長寿命化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、被冷却装置配置部4の周辺部にあたる毛細管中央形成領域77の4隅角部に中間板中央突起76を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の実施の形態による中間板88の外観構成をあらわした図17に示すように、被冷却装置配置部4の周辺部にあたる毛細管中央形成領域77の4隅角部に加えて、被冷却装置配置部4の周辺部乃至その近傍に中間板中央近傍突起87,89を設けても良い。
具体的には、中間板88において、毛細管中央形成領域77の4隅角部だけでなく、毛細管中央形成領域77の中心部に中間板中央近傍突起89を設けるとともに、放射状に延びる毛細管形成領域80のうち任意に選択した毛細管形成領域80にも中間板中央近傍突起87を設けても良く、要はポップコーン現象による破損を防止できれば、被冷却装置配置部4の周辺部乃至その近傍箇所のうち任意の箇所に中間板中央突起を設けても良い。
ヒートパイプの上外面の外観構成を示す図18(A)において、90は本発明に係るヒートパイプを示し、このヒートパイプ90は、冷媒の封入方法に特徴を有するものである。ヒートパイプ90は、上部材91の上外面91aに冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93が穿接されており、例えば半田等の可塑性金属からなる封止栓としての封止部材94を塑性流動させ当該冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を封止した構成を有する。
この実施の形態の場合、冷媒注入用孔92は、対向する1対の隅角部のうち一方の隅角部近傍に設けられているとともに、空気排出用孔93は、当該一方の隅角部と対向する他方の隅角部近傍に設けられている。そしてこのヒートパイプ90では、冷媒注入用孔92を介して封止空間に封入された冷媒により、ヒートパイプ90の下外面の外観構成を示す図18(B)に示すように、下部材95の下外面95aに設けた被冷却装置13を効率良く冷却し得るように構成されている。
このヒートパイプ90は、当該ヒートパイプ90の製造方法を順にあらわした図19(A)に示すように、上部材91及び下部材95間に第1の中間板96、第2の中間板97、第3の中間板98及び第4の中間板99が設けられおり、これら上部材91、第1の中間板96、第2の中間板97、第3の中間板98、第4の中間板99及び下部材95が積層され、ヒートプレスによって互いに直接接合させて一体化され得る。
実際上、第1の中間板96、第2の中間板97、第3の中間板98及び第4の中間板99は、周辺部100の上面にそれぞれ接合用突起101を有するとともに、被冷却装置配置部4に対応する位置に上面から僅かに突出した複数の中間板中央突起102を有し、ヒートプレスすることによってこれら接合用突起101及び中間板中央突起102を介して直接接合して一体化し得る。
また、下部材95には、その上内面の全体構成を示す図20に示すように、下部材側格子状凹部17が形成されているとともに、上内面95bにおける被冷却装置配置部4に対応した領域に正方形状でなる下側当接部105が形成され、この下側当接部105の各角部に僅かに突出した長方形状の下側中央突起106が設けられている。
下側中央突起106は、周辺部16に沿って設けた接合用突起107をとともに、ヒートプレスによって第4の中間板99と直接接合して一体化し得るようになされている。
そして、下側当接部105は、上部材91、第1の中間板96、第2の中間板97、第3の中間板98、第4の中間板99及び下部材95を一体化させた際に、第4の中間板99と一体化することにより、中間板中央突起102及び上側当接部110と共に中央部分で支柱構造を形成し得るようになされている。
上部材91には、その下内面の全体構成を示す図21に示すように、上部材側格子状凹部21が形成されているとともに、下内面91bにおける被冷却装置配置部4に対応した領域に上側当接部110が形成されている。この上側当接部110は、上部材91、第1の中間板96、第2の中間板97、第3の中間板98、第4の中間板99及び下部材95を一体化させた際に、第4の中間板99と一体化することにより中央部分での支柱構造を形成し得るようになされている。
かくして、下部材95、第4の中間板99、第3の中間板98、第2の中間板97、第1の中間板96及び上部材91は、下から順次積層して位置決め孔5を基に位置決めした後、ヒートプレスされることにより、図19(B)に示すように、直接接合して一体化し得る。
その後、図19(C)に示すように、冷媒注入用孔92から冷媒ディスペンサ111を用いてヒートパイプ90内部空間111に冷媒M(例えば水)が大気圧下で所定量注入される。この際、空気排出用孔93は、冷媒供給時における空気の排出口となり、内部空間111への冷媒Mの注入をスムーズに行なわせ得るようになされている。なお、冷媒Mの封入量は、例えば水の場合、貫通孔の総体積と同等相当とするのが好ましい。
次に、例えば球状体でなる封止部材94を予め所定数用意しておき、ヒートパイプ90の別な製造方法を順にあらわした図22(A)に示すように、冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93上に封止部材94を載置する。
ここで、冷媒注入孔としてのこれら冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93は、同一形状からなり、冷媒注入用孔92の正面構成をあらわした図23(A)と、冷媒注入用孔92の側断面構成をあらわした図23(B)とに示すように、中央部が最も大きく開口された円柱状の開口部113を備え、この開口部113の内周面に複数のガス抜き溝114が設けられている。
因みに、この実施の形態の場合、ガス抜き溝114は、開口部113の直径よりも小さい直径でなる半円状からなり、開口部113の内周面に等間隔で4つ配置された構成を有する。
そしてこの状態のまま、低温(0℃〜常温(例えば25℃))下でガス抜き溝114を通じて減圧による真空脱気(例えば気圧0.5KPa)を、例えば10分程度行ない、その後低温状態のまま、数分間プレス116によって封止部材94を上から加圧(10〜80kg/cm2)して低温加圧変形させる。このようにして低温真空加圧処理することにより封止部材94で冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を仮封止する。このとき冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93が封止部材94で閉塞される。
因みに、真空脱気が行なわれる温度としては、20℃程度の低温が好ましく、また、封止部材94を低温加圧変形させる圧力としては、60kg/cm2程度が好ましい。
ここで、ガス抜き溝114は、図23(B)に示したように、冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93上に球状体の封止部材94を載置した状態でも、ヒートパイプ90の内部空間111と外部とを連通した状態を維持し得、これによりヒートパイプ90の内部空間111内のガス抜きを行なえ得るようになされている。なお、図22(B)中の矢印は脱気(ガス抜き)の方向を示すものである。
また、このガス抜き溝114は、冷媒注入用孔92上に封止部材94が置かれた状態のときだけでなく、当該冷媒注入用孔92の封止がある程度進んだ状態のときであっても、ヒートパイプ90の内部空間111と外部とを連通する状態を保ち、低温真空加熱処理後の加圧及び加熱によって、封止部材94により閉塞され得るように形成されている。
次に、低温真空加熱処理が終わると、例えば10分間程度、高温(常温(例えば25℃)〜180℃)下で真空度を例えば0.5KPaとし、さらにプレス116によって封止部材94を上から加圧(30〜150kg/cm2)する。これにより封止部材94が塑性流動して高温加圧変形し、図22(C)に示すように、冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93が封止部材94でさらに強固に閉塞した状態になる。
因みに、さらにプレスを行なう際の温度としては、120℃程度の高温が好ましく、また、封止部材94を高温加圧変形させる圧力としては、100kg/cm2程度が好ましい。
すなわち、封止部材94は、主として加圧により塑性流動するとともに、補助的に(従として)加熱により塑性流動し、ガス抜き溝114を含め冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を閉塞し得る。最後に冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を封止部材94で閉塞し終えると、加温停止、真空引き停止及びプレス116による加圧解除を行い、当該加圧、加熱、真空引き処理を終え、図22(C)に示すように、球状体であった封止部材94は塑性流動により冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93の形となって実質的に封止栓となり、ヒートパイプ90の内部空間111を封止して封止空間112にする。
以上の構成において、このヒートパイプ90では、ガス抜き溝114を備えた冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を上部材91の上外面91aに設け、冷媒注入用孔92から冷媒Mを注入した後、当該冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93上に球状体の封止部材94を載置し、内部空間111を減圧させながらプレス116によって封止部材94を加熱圧接させるようにした。これにより、このヒートパイプ90では、封止部材94が塑性流動して冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93の形状に合わせて変形して実質的に封止栓となり、内部空間111を減圧させた状態で確実に封止することができる。
本願発明のヒートパイプ90の製造方法(冷媒封入方法)によれば、真空下に複数のヒートパイプ90を並べ、各ヒートパイプ90の冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93上に封止部材94を載置し、これら複数のヒートパイプ90に対して一度にガス抜きや、封止部材94の加圧及び加熱をし、全ての封止部材94を塑性流動させて一斉に冷媒封入することができる。かくして従来の冷媒注入孔毎に個別にカシメ作業を行なう封止方法に比較してヒートパイプ90の量産性を高めることができ、また量産性を高めることでヒートパイプ90の低価格化を図ることもできる。
また、このヒートパイプ90では、球状体の封止部材94が塑性流動して冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93の形状に合わせて変形して封止栓となることから、ヒートパイプ90の上外面91aから封止部材94が突出し難くなり、封止によりヒートパイプ90の外面の平坦性を損なうことを防止でき、かくして携帯機器や小型機器への実装の自由度を向上させることができる。
さらに、このヒートパイプ90では、冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93として開口部113の内周面を切り欠いたガス抜き溝114を別途設けるようにした。これにより封止栓となる封止部材94が冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93上に載置された状態のときや、封止部材94が溶融し始めて封止を僅かに進行させた状態のときでも、ガス抜き溝114を通じてヒートパイプ90の内部空間111と外部とを連通させておくことができ、かくして冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93が封止部材94によって閉塞されず、ヒートパイプ90の内部空間111内からガス抜きを確実に行なうことができる。
また、ヒートパイプ90では、封止部材94で冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を封止する際に、ガス抜き溝114を介して真空脱気を行なうようにしたことにより、仮にヒートパイプ90内を腐食させる有害成分が当該内部空間111内に存在していても、内部空間111内の空気がガス抜き溝114を通じて抜かれることから、当該空気と共に内部空間111内から有害成分を確実に除去させることができる。従って、アウトガス濃度を減少させ、内部腐食による寿命低下を防止し得るヒートパイプ90を提供できる。
そして、このヒートパイプ90では、可塑性金属からなる封止部材94が塑性流動して変形して封止栓となるので、封止部材94によりガス抜き溝114も確実に閉塞させることができ、これにより冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を完全に遮断した状態とし、冷媒Mが完全にヒートパイプ90の内部空間111に封入され、冷媒Mの漏れがない状態にすることができる。
このように、このヒートパイプ90では、封止空間112を減圧状態(冷媒が水の場合、例えば0.5KPa程度)としたことで、冷媒の沸点が下がり、例えば50℃以下の常温よりも少し高い温度(例えば30℃〜35℃程度)でも冷媒が蒸気になり易くなる。
これによりこのヒートパイプ90では、被冷却装置13からの僅かな熱でも冷媒Mが蒸発し、その蒸気が蒸気拡散流路10を通じて周辺部16,20側に拡散するとともに、周辺部16,20側において凝縮して液化した冷媒Mが毛細管現象により毛細管流路11を通って中央部側に再び戻るような、冷媒Mの循環現象を連続的に、かつ容易に繰り返すことができる。
また、このヒートパイプ90では、冷媒Mが常温よりも少し高い温度で蒸気となり、冷媒Mの循環現象を連続的に繰り返し、熱の均一化を図ることによって、被冷却装置13を効率良く冷却することができる。
さらに、本願発明のヒートシンク90では、ヒートシンクを用いることなく従来のヒートパイプと同様の冷却効果を得ることができ、かくしてヒートシンクを用いない分、ヒートパイプ90自体の部品点数を低減できる。
因みに、このヒートパイプ90では、上部材91の上外面91aにおいて、冷媒注入用孔92を対向する1対の隅角部のうち一方の隅角部近傍に設けるとともに、空気排出用孔93を当該一方の隅角部と対向する他方の隅角部近傍に設けるようにしたことにより、ヒートパイプ90の内部空間111全体への冷媒Mの供給を円滑に行い易くできる。
なお、上述した実施例4においては、円柱状の開口部113の内周面に半円状のガス抜き溝114を4つ設けた形状でなる冷媒注入用孔92及び空気排出用孔93を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、冷媒注入用孔92又は空気排出用孔93の正面構成をあらわした図24(A)と、側断面構成をあらわした図24(B)とに示すように、上端の径が大きく、下に行くほど徐々に小さくなり、下端において径が最小になる逆台形円錐状でなる冷媒注入用孔120及び空気排出用孔121を適用しても良く、この場合であっても、封止部材94による封止の様子をあらわした図24(C)に示すように球状体の封止部材94が塑性流動して冷媒注入用孔120及び空気排出用孔121の形状に合わせて変形して実質的に封止栓となり、内部空間111を確実に封止することができる。
また、他の実施の形態による冷媒注入用孔及び空気排出用孔としては、別な冷媒注入用孔133又は空気排出用孔134の正面構成をあらわした図25(A)と、側断面構成をあらわした図25(B)とに示すように、大径の短円柱形状からなる上部130と、小径の短円柱形状からなる下部131とを有し、上部130及び下部131が段部132を介して一体形成された冷媒注入用孔133及び空気排出用孔134を適用するようにしても良い。
この場合においては、別な封止部材94による封止の様子をあらわした図25(C)に示すように、封止部材94が塑性流動して下部131を完全に埋めたとき、封止部材94の残余部分が大径の上部130内に納まり、これにより封止部材94がヒートパイプ90の上外面91aから突出することを防止できる。従って、封止部材94により封止してもヒートパイプ90の上外面91aを平坦状に形成できる。
尚、図24(A)及び(B)及び図25(A)及び(B)に示すいずれの例においても、図23(A)及び(B)に示す例におけると同様、ガス抜き溝114を別途設けるても良く、この場合、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施例4においては、一又は複数の冷媒注入孔として、冷媒注入用孔37,92及び空気排出用孔38,93を適用したが、本発明はこれに限らず、例えば冷媒注入用孔92と空気排出用孔93とが一体成形された冷媒注入孔や、冷媒注入用孔92を2つ設け、一方が冷媒注入用の孔として用い、他方を空気排出用の孔として用いるようにしても良い。
実施例1によるヒートパイプの上外面及び下外面の外観構成を示す斜視図である。 A−A’断面における上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材の外観構成を示す斜視図である。 A−A’断面において上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材が一体化しているときの一部正面断面構成及びB−B’断面構成を示す概略図である。 A−A’断面における下部材の下外面の外観構成を示す斜視図である。 (A)は上部材の下内面と、上側中間板及び下側中間板の上面構成と、下部材の上内面との構成を示す概略図であり、(B)は上側中間板、下側中間板及び下部材を積層させたときの様子を示す概略図である。 上側中間板の貫通孔と、下側中間板の貫通孔との配置の様子を示す概略図である。 上側中間板、下側中間板及び下部材を積層させたときの詳細構成を示す概略図である。 実施例1によるヒートパイプの製造方法の一例を、工程順に(A)〜(E)に沿って示しており、(A),(B),(D),(E)は断面図を、また(C)は開口部分を上から見た図で示している。 上部材における冷媒注入用孔及び空気排出用孔の構成を示す平面断面図である。 ヒートパイプの封止空間内における冷媒の循環現象の原理を簡単に示す断面図である。 蒸気拡散流路及び毛細管流路を通る冷媒の循環現象の様子を示す詳細側断面図である。 実施例2によるヒートパイプ内の蒸気拡散流路の様子を示す外観図である。 ヒートパイプと、単なる銅板とについて行なった熱拡散性に関するシミュレーション結果を示す概略図である。 厚さが異なる銅板と、本願発明のヒートパイプとの熱拡散性に関する実験結果の温度分布を示すグラフである。 実施例3によるヒートパイプの上部材、上側中間板、下側中間板及び下部材の側断面構成を示す断面図である。 下側中間板の外観構成と、側断面構成と、毛細管中央形成領域に形成された中間板中央突起の外観構成とを示す概略図である。 実施例3の他の実施の形態による中間板の外観構成を示す概略図である。 実施例4によるヒートパイプの上外面及び下外面の外観構成を示す斜視図である。 実施例4によるヒートパイプの製造方法の一例(1)を示すもので、(A)〜(C)は製造方法を工程順に示す断面図である。 下部材における上内面の全体構成を示す概略図である。 上部材における下内面の全体構成を示す概略図である。 実施例4によるヒートパイプの製造方法の一例(2)を示すもので、(A)〜(C)は製造方法を工程順に示す断面図である。 上部材に形成した冷媒注入用孔の正面構成及び側断面構成を示すもので、(A)は平面図、(B)は断面図である。 他の実施の形態による冷媒注入用孔又は空気排出用孔の正面構成、側断面構成及び封止部材による封止の様子(1)を示すもので、(A)は平面図、(B)及び(C)は断面図である。 他の実施の形態による冷媒注入用孔又は空気排出用孔の正面構成、側断面構成及び封止部材による封止の様子(2)を示すもので、(A)は平面図、(B)及び(C)は断面図である。
符号の説明
1,50,60,70,90 ヒートパイプ
2,74,91 上部材
3,71,95 下部材
4 被冷却装置配置部
7,73 上側中間板(中間板)
8,72 下側中間板(中間板)
10,61 蒸気拡散流路
11 毛細管流路
13 被冷却装置
14 突起
17 下部材側格子状凹部(凹部)
21 上部材側格子状凹部(凹部)
37,92 冷媒注入用孔(冷媒注入孔)
38,93 空気排出用孔(冷媒注入孔)
39,94 封止部材(可塑性金属体、封止栓)
40a,40b,40c 接合用突起(接合用突起)
51,96 第1の中間板(中間板)
52,97 第2の中間板(中間板)
53,98 第3の中間板(中間板)
75 下側中央突起(接合用突起)
76,85 中間板中央突起(接合用突起)
86 上側中央突起(接合用突起)
99 第4の中間板(中間板)

Claims (2)

  1. 平板状の上部材及び平板状の下部材間に一枚の平板状の中間板を介在させ、前記上部材及び前記下部材間の封止空間内に封入した冷媒によって、前記上部材及び前記下部材のうち少なくとも一方の外面に設けた被冷却装置を冷却するヒートパイプであって、
    前記上部材には、下内面に格子状の凹部が形成されていると共に、前記下部材には、上内面に格子状の凹部が形成され、
    前記中間板には、周辺部に向けて延びる複数の蒸気拡散流路用孔が所定間隔を空けて穿設されていると共に、前記周辺部及び前記蒸気拡散流路用孔以外の部分に毛細管形成領域が形成されており、
    前記毛細管形成領域は、仕切り壁によって細かく区切られて前記蒸気拡散流路用孔よりも小さい複数の微細な貫通孔が所定間隔で形成された構成を有し、
    前記封止空間内には、
    前記蒸気拡散流路用孔の領域が前記上部材及び前記下部材の各前記凹部に連通して平面方向へ前記冷媒の蒸気を拡散させる蒸気拡散流路が形成されると共に、前記貫通孔が前記上部材及び前記下部材の各前記凹部に連通し前記平面方向と直交する垂直方向冷媒を帰還させる微細な毛細管流路が形成され
    ことを特徴とするヒートパイプ。
  2. 前記上部材及び前記下部材のうち少なくとも一方の外面に、被冷却装置が装着される複数の突起を一体に形成した
    ことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
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