JP2021092388A - ベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器 - Google Patents

ベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】性能低下を抑制できるベーパーチャンバ用のウイックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器を提供する。【解決手段】本発明によるベーパーチャンバ用のウィックシート30は、作動流体が封入されるベーパーチャンバの第1シート10と第2シート20との間に介在される。このベーパーチャンバ用のウィックシート30は、第1本体面31aと第2本体面31bとを有するシート本体31と、シート本体31を貫通する貫通空間50と、第2本体面31bに設けられ、貫通空間50と連通した第1溝集合体60と、第1本体面31aに設けられ、貫通空間50と連通した第2溝集合体70と、を備えている。第2溝集合体70の第2主流溝の流路断面積は、第1溝集合体60の第1主流溝の流路断面積よりも大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、ベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器に関する。
モバイル端末等の電子機器には、発熱を伴う電子デバイスが用いられている。この電子デバイスの例としては、中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)またはパワー半導体等が挙げられる。モバイル端末の例としては、携帯端末またはタブレット端末等が挙げられる。
このような電子デバイスは、ヒートパイプ等の放熱装置によって冷却されている(例えば、特許文献1参照)。近年では、電子機器の薄型化のために、放熱装置の薄型化が求められている。放熱装置として、ヒートパイプより薄型化できるベーパーチャンバの開発が進められている。ベーパーチャンバは、封入された作動流体が電子デバイスの熱を吸収して拡散することにより、電子デバイスを冷却する。
より具体的には、ベーパーチャンバ内の作動液は、電子デバイスに近接した部分(蒸発部)で電子デバイスから熱を受ける。このことにより、作動液が蒸発して作動蒸気に変化する。その作動蒸気は、ベーパーチャンバ内に形成された蒸気流路部内で、蒸発部から離れる方向に拡散して冷却される。そして、作動蒸気は、凝縮して作動液に変化する。ベーパーチャンバ内には、毛細管構造(ウィックとも称する)としての液流路部が設けられている。このことにより、作動液は、蒸気流路部から液流路部に入り込む。その後、作動液は、液流路部を流れて、蒸発部に向かって輸送される。そして、蒸発部に輸送された作動液は、再び蒸発部で熱を受けて蒸発する。このことにより、作動流体が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベーパーチャンバ内を還流する。このようにして、電子デバイスの熱を拡散している。この結果、ベーパーチャンバの放熱効率が高められている。
特開2008−82698号公報
本発明は、性能低下を抑制できるベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、
作動流体が封入されるベーパーチャンバの第1シートと第2シートとの間に介在されるベーパーチャンバ用のウィックシートであって、
第1本体面と、前記第1本体面とは反対側に設けられた第2本体面と、を有するシート本体と、
前記シート本体を貫通する貫通空間と、
前記第2本体面に設けられ、前記貫通空間と連通した第1溝集合体と、
前記第1本体面に設けられ、前記貫通空間と連通した第2溝集合体と、を備え、
前記第1溝集合体は、第1方向に延びる複数の第1主流溝を含み、
前記第2溝集合体は、前記第1方向に延びる複数の第2主流溝を含み、
前記第2主流溝の流路断面積は、前記第1主流溝の流路断面積よりも大きい、ベーパーチャンバ用のウィックシート、
を提供する。
なお、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記第2主流溝の幅は、前記第1主流溝の幅よりも大きい、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記第2主流溝の深さは、前記第1主流溝の深さよりも大きい、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する複数のランド部を有し、
複数の前記ランド部は、前記第1方向に直交する第2方向において互いに離間し、
前記第2主流溝の幅は、互いに隣り合う一対の前記ランド部の間のギャップよりも小さい、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する複数のランド部を有し、
複数の前記ランド部のうちの少なくとも一つに、前記第1溝集合体および前記第2溝集合体が設けられ、
前記ランド部に設けられた前記第2主流溝の本数は、当該ランド部に設けられた第1主流溝の本数よりも少ない、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記第1方向に延びる、前記貫通空間を複数の通路に区画する複数のランド部を有し、
前記第2溝集合体は、前記第1方向において、前記ランド部の一側に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する複数のランド部を有し、
前記第1方向に直交する第2方向において互いに隣り合う一対の前記ランド部に、前記第2方向において互いに隣り合う前記第2溝集合体が設けられ、
一方の前記ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第2主流溝の前記第1方向における長さは、他方の前記ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第2主流溝の前記第1方向における長さよりも長い、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する複数のランド部を有し、
複数の前記ランド部のうちの少なくも一つに、複数の前記第2溝集合体が設けられている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体に設けられ、前記第1溝集合体と前記第2溝集合体とに連通する連通部を備える、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記連通部は、前記貫通空間の壁面に設けられた、前記第1溝集合体から前記第2溝集合体に延びる連通凹部を含む、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記第1溝集合体は、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記第1主流溝に連通する第1連絡溝を含み、
前記第2溝集合体は、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記第2主流溝に連通する第2連絡溝、を含み、
前記連通凹部は、前記第1連絡溝および前記第2連絡溝の少なくとも一方に延びている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記連通部は、前記シート本体を貫通する、前記第1溝集合体から前記第2溝集合体に延びる貫通孔を含む、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記第1溝集合体は、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記第1主流溝に連通する第1連絡溝を含み、
前記第1主流溝は、前記第1連絡溝と連通する第1交差部を含み、
前記第2溝集合体は、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記第1主流溝に連通する第2連絡溝を含み、
前記第2主流溝は、前記第2連絡溝と連通する第2交差部を含み、
前記貫通孔は、前記第1交差部および前記第2交差部の少なくとも一方に延びているようにしてもよい。
本発明は、第2の解決手段として、
第1シートと、
第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとの間に介在された、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートと、を備えた、ベーパーチャンバ、
を提供する。
本発明は、第3の解決手段として、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容された電子デバイスと、
前記電子デバイスに熱的に接触した、上述した第2の解決手段によるベーパーチャンバと、を備えた、電子機器、
を提供する。
なお、上述した第3の解決手段による電子機器において、
前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で前記電子デバイスと重なる領域とは異なる領域に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第2の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記作動流体は、凍結膨張性を有している、
ようにしてもよい。
本発明は、第4の解決手段として、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容された電子デバイスと、
前記電子デバイスに熱的に接触した、上述した第2の解決手段によるベーパーチャンバと、を備えた、電子機器。
なお、上述した第4の解決手段による電子機器において、
前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で前記電子デバイスと重なる領域に配置されている、ようにしてもよい。
また、上述した第4の解決手段による電子機器において、
前記第2溝集合体は、前記第1方向において前記電子デバイスよりも外側にはみ出している、
ようにしてもよい。
また、上述した第4の解決手段による電子機器において、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する第1重合ランド部および第2重合ランド部を有し、
前記第1重合ランド部および前記第2重合ランド部は、前記第1方向に直交する第2方向において互いに離間し、
前記第1重合ランド部および前記第2重合ランド部に、前記第2溝集合体が設けられ、
前記第1重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体と、前記第2重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で前記電子デバイスと重なる領域に配置され、
前記第1重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体は、前記第2重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体よりも、前記ベーパーチャンバの平面視で、前記第1方向に直交する第2方向における前記電子デバイスの中心側に位置し、
前記第1重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第1方向における長さは、前記第2重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第1方向における長さよりも長い、
ようにしてもよい。
また、上述した第4の解決手段による電子機器において、
前記シート本体は、前記貫通空間を複数の通路に区画する重合ランド部および非重合ランド部を有し、
前記重合ランド部および前記非重合ランド部は、前記第1方向に直交する第2方向において離間するとともに互いに隣り合い、
前記重合ランド部および前記非重合ランド部に、前記第2溝集合体が設けられ、
前記重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で、前記電子デバイスと重なる領域に配置され、
前記非重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で、前記電子デバイスと重なる領域とは異なる領域に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第4の解決手段による電子機器において、
前記重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第1方向における長さは、前記非重合ランド部に設けられた前記第2溝集合体の前記第1方向における長さよりも長い、
ようにしてもよい。
本発明は、第5の解決手段として、
第1シートと、
第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとの間に介在された、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートと、を備え、
前記作動流体は、凍結膨張性を有している、ベーパーチャンバ、
を提供する。
本発明は、第6の解決手段として、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容された複数の電子デバイスと、
複数の前記電子デバイスに熱的に接触した、上述した第5の解決手段によるベーパーチャンバと、を備え、
複数の前記電子デバイスは、前記第1方向において互いに異なる領域に配置され、
前記第1本体面に、前記電子デバイスの各々に対応する複数の前記第2溝集合体が設けられ、
前記第2溝集合体は、前記ベーパーチャンバの平面視で、対応する前記電子デバイスと重なる領域に配置されている、電子機器、
を提供する。
本発明は、第7の解決手段として、
作動流体が封入されるベーパーチャンバの第1シートと第2シートとの間に介在されるベーパーチャンバ用のウィックシートであって、
第1本体面と、前記第1本体面とは反対側に設けられた第2本体面と、を有するシート本体と、
前記シート本体の前記第1本体面から前記第2本体面に貫通し、前記作動流体の気体が通る蒸気流路部と、
前記第2本体面に設けられ、前記蒸気流路部と連通して前記作動流体の液体が通る液流路部と、
前記第1本体面に設けられ、前記蒸気流路部と連通して前記作動流体の液体を貯蔵する液貯蔵部と、を備えた、ベーパーチャンバ用のウィックシート、
を提供する。
なお、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記液流路部は、前記作動流体の液体が通る複数の液流路主流溝を有し、
前記液貯蔵部内に、前記シート本体から突出して前記第1シートに当接する複数の液貯蔵突出部が設けられ、
互いに隣り合う一対の前記液貯蔵突出部の間のギャップは、前記液流路主流溝の幅よりも大きい、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記液流路部は、第1方向に延びる、前記作動流体の液体が通る複数の液流路主流溝を有し、
前記液貯蔵部は、前記第1方向に直交する第2方向において互いに隣り合う前記液貯蔵突出部の間に設けられた、前記第1方向に延びる複数の液貯蔵主流溝を有している、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記蒸気流路部を複数の蒸気通路に区画する複数のランド部を有し、
互いに隣り合う一対の前記液貯蔵突出部の間のギャップは、互いに隣り合う一対の前記ランド部の間のギャップよりも小さい、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、前記蒸気流路部を複数の蒸気通路に区画する複数のランド部を有し、
前記液貯蔵部は、前記ランド部の各々に設けられている、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体は、第1方向に延びる、前記蒸気流路部を複数の蒸気通路に区画する複数のランド部を有し、
前記液貯蔵部は、前記第1方向において、前記ランド部の一側に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記シート本体に設けられ、前記液流路部と前記液貯蔵部とに連通する連通部を更に備える、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記連通部は、前記蒸気流路部の壁面に設けられた、前記液流路部から前記液貯蔵部に延びる連通凹部を含む、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記液流路部は、第1方向に延びる、前記作動流体の液体が通る複数の液流路主流溝と、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記液流路主流溝に連通する液流路連絡溝と、を有し、
前記液貯蔵部は、前記第1方向に延びる複数の液貯蔵主流溝と、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記液貯蔵主流溝に連通する液貯蔵連絡溝と、を有し、
前記連通凹部は、前記液流路連絡溝および前記液貯蔵連絡溝の少なくとも一方に延びている、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記連通部は、前記シート本体を貫通して、前記液流路部から前記液貯蔵部に延びる貫通孔を含む、
ようにしてもよい。
また、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートにおいて、
前記液流路部は、第1方向に延びる、前記作動流体の液体が通る複数の液流路主流溝と、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記液流路主流溝に連通する液流路連絡溝と、を有し、
前記液流路主流溝は、前記液流路連絡溝と連通する液流路交差部を更に含み、
前記液貯蔵部は、前記第1方向に延びる複数の液貯蔵主流溝と、前記第1方向とは異なる方向に延びる、前記液貯蔵主流溝に連通する液貯蔵連絡溝と、を有し、
前記液貯蔵主流溝は、前記液貯蔵連絡溝と連通する液貯蔵交差部を更に含み、
前記貫通孔は、前記液流路交差部および前記液貯蔵交差部の少なくとも一方に延びている、
ようにしてもよい。
また、本発明は、第8の解決手段として、
第1シートと、
第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとの間に介在された、上述した第7の解決手段によるベーパーチャンバ用のウィックシートと、を備えた、ベーパーチャンバ、
を提供する。
なお、上述した第8の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記作動流体が蒸発する蒸発領域を備え、
前記液貯蔵部は、前記蒸発領域とは異なる領域に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第8の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
作動流体は、凍結膨張性を有している、
ようにしてもよい。
また、上述した第8の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記作動流体が蒸発する蒸発領域を備え、
前記液貯蔵部は、前記蒸発領域に配置されている、
ようにしてもよい。
また、本発明は、第9の解決手段として、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容された電子デバイスと、
前記電子デバイスに熱的に接触した上述した第8の解決手段によるベーパーチャンバと、を備えた、電子機器、
を提供する。
本発明によれば、性能低下を抑制できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子機器を説明する模式斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態によるベーパーチャンバを示す上面図である。 図3は、図2のベーパーチャンバを示すA−A線断面図である。 図4は、図3の下側シートの上面図である。 図5は、図3の上側シートの下面図である。 図6は、図3のウィックシートの上面図である。 図7は、図3のウィックシートの下面図である。 図8Aは、図3の部分拡大断面図である。 図8Bは、図8Aの他の一例を示す部分拡大断面図である。 図8Cは、図8Aの他の一例を示す部分拡大断面図である。 図9は、図6に示す液流路部の部分拡大上面図である。 図10は、図7に示す液貯蔵部の部分拡大下面図である。 図11は、図7のB−B線に沿った部分断面図である。 図12は、第1の実施の形態によるベーパーチャンバの製造方法において、ウィックシートの準備工程を説明するための図である。 図13は、第1の実施の形態によるベーパーチャンバの製造方法において、エッチング工程を説明するための図である。 図14は、第1の実施の形態によるベーパーチャンバの製造方法において、接合工程を説明するための図である。 図15は、第1変形例として、液流路部を示す部分拡大上面図である。 図16は、第1変形例として、液貯蔵部を示す部分拡大下面図である。 図17は、第2変形例として、液流路部を示す部分拡大上面図である。 図18は、第2変形例として、液貯蔵部を示す部分拡大下面図である。 図19は、第3変形例として、液貯蔵部を示す部分拡大下面図である。 図20は、第3変形例として、液貯蔵部を示す部分拡大下面図である。 図21は、第3変形例として、液貯蔵部を示す部分拡大下面図である。 図22は、第5変形例として、図3のウィックシートの下面図である。 図23は、第6変形例として、図3のウィックシートの下面図である。 図24は、本発明の第2の実施の形態によるベーパーチャンバにおいて、ウィックシートを示す下面図である。 図25は、図24のC−C線に沿った部分断面図である。 図26は、一般的なベーパーチャンバにおいて、電子デバイスの発熱量が多い場合の作動流体の還流の様子を説明するための模式図である。 図27は、一般的なベーパーチャンバにおいて、電子デバイスの発熱量が少ない場合の作動流体の還流の様子を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、幾何学的条件と、物理的特性と、幾何学的条件または物理的特性の程度を特定する用語と、幾何学的条件または物理的特性を示す数値等については、厳密な意味に縛られることなく解釈することとする。そして、これらの幾何学的条件、物理的特性、用語、および数値などについては、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。幾何学的条件を特定する用語の例としては、「長さ」、「角度」、「形状」または「配置」等が挙げられる。幾何学的条件を特定する用語の例としては、「平行」、「直交」または「同一」等が挙げられる。さらに、図面を明瞭にするために、同様の機能を期待し得る複数の部分の形状を、規則的に記載している。しかしながら、厳密な意味に縛られることなく、当該機能を期待できる範囲内で、当該部分の形状は互いに異なっていてもよい。また、図面においては、部材同士の接合面などを示す境界線を、便宜上、単なる直線で示しているが、厳密な直線であることに縛られることはなく、所望の接合性能を期待できる範囲内で、当該境界線の形状は任意である。
(第1の実施の形態)
図1〜図21を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器について説明する。本実施の形態におけるベーパーチャンバ1は、発熱を伴う電子デバイスDとともに電子機器EのハウジングHに収容されており、電子デバイスDを冷却するための装置である。電子機器Eの例としては、携帯端末またはタブレット端末等のモバイル端末等が挙げられる。電子デバイスDの例としては、中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)またはパワー半導体等が挙げられる。電子デバイスDは、被冷却装置と称する場合もある。
ここではまず、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が搭載される電子機器Eについて、タブレット端末を例にとって説明する。図1に示すように、電子機器Eは、ハウジングHと、ハウジングH内に収容された電子デバイスDと、ベーパーチャンバ1と、を備えている。図1に示す電子機器Eでは、ハウジングHの前面にタッチパネルディスプレイTDが設けられている。ベーパーチャンバ1は、ハウジングH内に収容されて、電子デバイスDに熱的に接触するように配置される。このことにより、電子機器Eの使用時に電子デバイスDで発生する熱をベーパーチャンバ1が受けることができる。ベーパーチャンバ1が受けた熱は、後述する作動流体2a、2bを介してベーパーチャンバ1の外部に放出される。このようにして、電子デバイスDは効果的に冷却される。電子機器Eがタブレット端末である場合には、電子デバイスDは、中央演算処理装置等に相当する。
次に、本実施の形態によるベーパーチャンバ1について説明する。図2および図3に示すように、ベーパーチャンバ1は、作動流体2a、2bが封入された密封空間3を有しており、密封空間3内の作動流体2a、2bが相変化を繰り返すことにより、上述した電子デバイスDが冷却される。作動流体2a、2bの例としては、純水、エタノール、メタノールまたはアセトン等、およびそれらの混合液が挙げられる。なお、作動流体2a、2bは、凍結膨張性を有していてもよい。すなわち、作動流体2a、2bは、凍結時に膨張する流体であってもよい。凍結膨張性を有する作動流体2a、2bの例としては、純水、または純水にアルコールなどの添加物を加えた水溶液等が挙げられる。
図2および図3に示すように、ベーパーチャンバ1は、下側シート10と、上側シート20と、ベーパーチャンバ用のウィックシート30と、を備えている。下側シート10は、第1シートの一例である。上側シート20は、第2シートの一例である。ベーパーチャンバ用のウィックシート30は、下側シート10と上側シート20との間に介在されている。ベーパーチャンバ用のウィックシートを、以下、単にウィックシート30と記す。本実施の形態では、下側シート10、ウィックシート30および上側シート20が、この順番で積層されている。
ベーパーチャンバ1は、概略的に薄い平板状に形成されている。ベーパーチャンバ1の平面形状は任意であるが、図2に示すような矩形状であってもよい。ベーパーチャンバ1の平面形状は、例えば、1辺が1cmで他の辺が3cmの長方形であってもよく、1辺が15cmの正方形であってもよく、ベーパーチャンバ1の平面寸法は任意である。本実施の形態では、一例として、ベーパーチャンバ1の平面形状が、後述するX方向を長手方向とする矩形状である例について説明する。この場合、図4〜図7に示すように、下側シート10、上側シート20およびウィックシート30は、ベーパーチャンバ1と同様の平面形状を有していてもよい。また、ベーパーチャンバ1の平面形状は、矩形状に限られることはなく、円形状、楕円形状、L字形状またはT字形状等、任意の形状であってもよい。
図2に示すように、ベーパーチャンバ1は、作動流体2a、2bが蒸発する蒸発領域SRと、作動流体2a、2bが凝縮する凝縮領域CRと、を有している。
蒸発領域SRは、平面視で電子デバイスDと重なる領域であり、電子デバイスDが取り付けられる領域である。蒸発領域SRは、ベーパーチャンバ1の任意の場所に配置できる。本実施の形態においては、ベーパーチャンバ1のX方向における一側(図2における左側)に、蒸発領域SRが形成されている。蒸発領域SRに電子デバイスDからの熱が伝わり、この熱によって作動流体の液体が蒸発領域SRにおいて蒸発する。電子デバイスDからの熱は、平面視で電子デバイスDに重なる領域だけではなく、電子デバイスDが重なる領域の周辺にも伝わり得る。このため、蒸発領域SRは、平面視で、電子デバイスDに重なっている領域とその周辺の領域とを含む。ここで平面視とは、ベーパーチャンバ1が電子デバイスDから熱を受ける面および受けた熱を放出する面に直交する方向から見た状態である。熱を受ける面とは、上側シート20の後述する第2上側シート面20bに相当する。熱を放出する面とは、下側シート10の後述する第1下側シート面10aに相当する。例えば、図2に示すように、ベーパーチャンバ1を上方から見た状態、または下方から見た状態が、平面視に相当している。なお、作動流体の気体を作動蒸気2aと記し、作動流体の液体を、作動液2bと記す。
凝縮領域CRは、平面視で電子デバイスDと重ならない領域であって、主として作動蒸気2aが熱を放出して凝縮する領域である。凝縮領域CRは、蒸発領域SRの周囲の領域と言うこともできる。凝縮領域CRにおいて作動蒸気2aからの熱が下側シート10に放出され、作動蒸気2aが凝縮領域CRにおいて冷却されて凝縮する。
なお、ベーパーチャンバ1がタブレット端末内に設置される場合、タブレット端末の姿勢によっては、上下関係が崩れる場合もある。しかしながら、本実施の形態では、便宜上、電子デバイスDから熱を受けるシートを上述の上側シート20と称し、受けた熱を放出するシートを上述の下側シート10と称する。このため、下側シート10が下側に配置され、上側シート20が上側に配置された状態で、ベーパーチャンバ1の構成を説明する。
図3に示すように、下側シート10は、ウィックシート30とは反対側に設けられた第1下側シート面10aと、第1下側シート面10aとは反対側に設けられた第2下側シート面10bと、を有している。第2下側シート面10bは、ウィックシート30の側に設けられている。下側シート10は、全体的に平坦状に形成されていてもよい。下側シート10は、全体的に一定の厚さを有していてもよい。この第1下側シート面10aに、上述のハウジングHの一部を構成するハウジング部材Haが取り付けられる。第1下側シート面10aの全体が、ハウジング部材Haで覆われてもよい。図4に示すように、下側シート10の四隅に、アライメント孔12が設けられていてもよい。
図3に示すように、上側シート20は、ウィックシート30の側に設けられた第1上側シート面20aと、第1上側シート面20aとは反対側に設けられた第2上側シート面20bと、を有している。第1上側シート面20aは、ウィックシート30の側に設けられている。上側シート20は、全体的に平坦状に形成されていてもよい。上側シート20は、全体的に一定の厚さを有していてもよい。この第2上側シート面20bに、上述の電子デバイスDが取り付けられる。図5に示すように、上側シート20の四隅に、アライメント孔22が設けられていてもよい。
図3に示すように、ウィックシート30は、シート本体31と、シート本体31に設けられた蒸気流路部50と、液流路部60と、液貯蔵部70と、を備えている。シート本体31は、第1本体面31aと、第1本体面31aとは反対側に設けられた第2本体面31bと、を有している。第1本体面31aは、下側シート10の側に配置されている。第2本体面31bは、上側シート20の側に配置されている。蒸気流路部50と液流路部60と液貯蔵部70とにより、上述した密封空間3が構成されている。
下側シート10の第2下側シート面10bとシート本体31の第1本体面31aとは、拡散接合されていてもよい。第2下側シート面10bと第1本体面31aとは、互いに恒久的に接合されていてもよい。同様に、上側シート20の第1上側シート面20aとシート本体31の第2本体面31bとは、拡散接合されていてもよい。第1上側シート面20aと第2本体面31bとは、互いに恒久的に接合されていてもよい。なお、下側シート10、上側シート20およびウィックシート30は、拡散接合ではなく、恒久的に接合できれば、ろう付け等の他の方式で接合されていてもよい。なお、「恒久的に接合」という用語は、厳密な意味に縛られることはなく、ベーパーチャンバ1の動作時に、密封空間3の密封性を維持可能な程度に、接合されていることを意味する用語として用いている。下側シート10とウィックシート30とが恒久的に接合されることにより、ベーパーチャンバ1の動作時に、下側シート10とウィックシート30との接合が維持できていればよい。上側シート20とウィックシート30とが恒久的に接合されることにより、ベーパーチャンバ1の動作時に、上側シート20とウィックシート30との接合が維持できていればよい。
本実施の形態によるウィックシート30のシート本体31は、枠体部32と、複数のランド部33と、を含んでいる。枠体部32は、図3、図6および図7に示すように、平面視で矩形枠状に形成されている。ランド部33は、枠体部32内に設けられている。枠体部32およびランド部33は、後述するエッチング工程においてエッチングされることなく、ウィックシート30の材料が残る部分である。枠体部32の内側に、蒸気流路部50が画定されている。すなわち、枠体部32の内側であって、ランド部33の周囲を作動蒸気2aが流れる。
本実施の形態では、ランド部33は、平面視で、X方向を長手方向として細長状に延びていてもよい。ランド部33の平面形状は、細長の矩形状になっていてもよい。X方向は、第1方向の一例である。X方向は、図6における左右方向に相当する。また、各ランド部33は、Y方向において等間隔に離間している。Y方向は、第2方向の一例である。Y方向は、図6における上下方向に相当する。各ランド部33は、互いに平行に配置されていてもよい。各ランド部33の周囲を作動蒸気2aが流れて、凝縮領域CRに向かって輸送される。これにより、作動蒸気2aの流れが妨げられることを抑制している。ランド部33の幅w1(図8A参照)は、例えば、100μm〜1500μmであってもよい。ここで、ランド部33の幅w1は、Y方向におけるランド部33の寸法である。幅w1は、ウィックシート30の厚さ方向において後述する貫通部34が存在する位置における寸法を意味している。
枠体部32および各ランド部33は、下側シート10に拡散接合されるとともに、上側シート20に拡散接合される。このことにより、ベーパーチャンバ1の機械的強度を向上できる。後述する下側蒸気流路凹部53の壁面53aおよび上側蒸気流路凹部54の壁面54aは、ランド部33の側壁を構成している。シート本体31の第1本体面31aおよび第2本体面31bは、枠体部32および各ランド部33にわたって、平坦状に形成されていてもよい。
蒸気流路部50は、シート本体31を貫通する貫通空間の一例である。蒸気流路部50は、主として、作動蒸気2aが通る流路である。蒸気流路部50は、第1本体面31aから第2本体面31bに貫通している。
図6および図7に示すように、本実施の形態における蒸気流路部50は、第1蒸気通路51と複数の第2蒸気通路52とを有している。第1蒸気通路51は、枠体部32とランド部33との間に形成されている。この第1蒸気通路51は、枠体部32の内側であってランド部33の外側に連続状に形成されている。第1蒸気通路51の平面形状は、矩形枠状になっている。第2蒸気通路52は、互いに隣り合うランド部33の間に形成されている。第2蒸気通路52の平面形状は、細長の矩形状になっている。複数のランド部33によって、蒸気流路部50は、第1蒸気通路51と複数の第2蒸気通路52とに区画されている。
図3に示すように、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52は、シート本体31の第1本体面31aから第2本体面31bに延びている。第1蒸気通路51および第2蒸気通路52は、第1下側シート面10aに設けられた下側蒸気流路凹部53と、上側シート20面20bに設けられた上側蒸気流路凹部54とによってそれぞれ構成されている。下側蒸気流路凹部53と上側蒸気流路凹部54とが連通して、蒸気流路部50の第1蒸気通路51および第2蒸気通路52が、第1本体面31aから第2本体面31bにわたって延びている。
下側蒸気流路凹部53は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第1本体面31aからエッチングされることによって形成されている。下側蒸気流路凹部53は、第1本体面31aに凹状に形成されている。このことにより、下側蒸気流路凹部53は、図8Aに示すように、湾曲状に形成された壁面53aを有している。この壁面53aは、下側蒸気流路凹部53を画定し、第2本体面31bに向かって膨らむような形状で湾曲している。このような下側蒸気流路凹部53は、第1蒸気通路51の一部(下半分)および第2蒸気通路52の一部(下半分)を構成している。
上側蒸気流路凹部54は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第2本体面31bからエッチングされることによって形成されている。上側蒸気流路凹部54は、第2本体面31bに凹状に形成されている。このことにより、上側蒸気流路凹部54は、図8Aに示すように、湾曲状に形成された壁面54aを有している。この壁面54aは、上側蒸気流路凹部54を画定し、第1本体面31aに向かって膨らむような形状で湾曲している。このような上側蒸気流路凹部54は、第1蒸気通路51の一部(上半分)および第2蒸気通路52の一部(上半分)を構成している。
図8Aに示すように、下側蒸気流路凹部53の壁面53aと、上側蒸気流路凹部54の壁面54aとが連接して貫通部34が形成されている。壁面53aと壁面54aはそれぞれ貫通部34に向かって湾曲している。このことにより、下側蒸気流路凹部53と上側蒸気流路凹部54とが互いに連通している。本実施の形態では、第1蒸気通路51における貫通部34の平面形状は、第1蒸気通路51と同様に矩形枠状になっている。第2蒸気通路52における貫通部34の平面形状は、第2蒸気通路52と同様に細長の矩形状になっている。下側蒸気流路凹部53の壁面53aと上側蒸気流路凹部54の壁面54aとが合流し、稜線によって画定されていてもよい。当該稜線は、図8Aに示すように、蒸気通路51、52の内側に張り出すように形成されていてもよい。この貫通部34において第1蒸気通路51の平面面積が最小になっているとともに、第2蒸気通路52の平面面積が最小になっている。このような貫通部34の幅w2(図8A参照)は、例えば、400μm〜1600μmであってもよい。ここで、貫通部34の幅w2は、Y方向において互いに隣り合うランド部33の間のギャップに相当する。
Z方向における貫通部34の位置は、第1下側シート面10aと上側シート20面20bとの中間位置でもよい。あるいは、貫通部34の位置は、中間位置から下側にずれた位置でもよく、または上側にずれた位置でもよい。下側蒸気流路凹部53と上側蒸気流路凹部54とが連通すれば、Z方向における貫通部34の位置は任意である。
また、本実施の形態では、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52の断面形状が、内側に張り出すように形成された稜線によって画定された貫通部34を含むように形成されているが、これに限られることはない。例えば、第1蒸気通路51の断面形状および第2蒸気通路52の断面形状は、台形状や矩形状であってもよく、あるいは樽形の形状になっていてもよい。
このように構成された第1蒸気通路51および第2蒸気通路52を含む蒸気流路部50は、上述した密封空間3の一部を構成している。図3に示すように、本実施の形態による蒸気流路部50は、主として、下側シート10と、上側シート20と、上述したシート本体31の枠体部32およびランド部33によって画定されている。各蒸気通路51、52は、作動蒸気2aが通るように比較的大きな流路断面積を有している。
ここで、図3は、図面を明瞭にするために、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52などを拡大して示している。これらの蒸気通路51、52の個数や配置は、図2、図6および図7とは異なっている。
ところで、図示しないが、蒸気流路部50内に、ランド部33を枠体部32に支持する支持部が複数設けられていてもよい。また、互いに隣り合うランド部33同士を支持する支持部が設けられていてもよい。これらの支持部は、X方向においてランド部33の両側に設けられていてもよく、Y方向におけるランド部33の両側に設けられていてもよい。支持部は、蒸気流路部50を拡散する作動蒸気2aの流れを妨げないように形成されていることが好ましい。例えば、ウィックシート30のシート本体31の第1本体面31aおよび第2本体面31bのうちの一方の側に配置されて、他方の側には、蒸気流路凹部をなす空間が形成されるようにしてもよい。このことにより、支持部の厚さをシート本体31の厚さよりも薄くでき、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52が、X方向およびY方向において分断されることを防止できる。
図6および図7に示すように、ウィックシート30のシート本体31の四隅に、アライメント孔35が設けられていてもよい。
また、図2に示すように、ベーパーチャンバ1は、X方向における一側の端縁に、密封空間3に作動液2bを注入する注入部4を更に備えていてもよい。図2に示す形態では、注入部4は、蒸発領域SRの側に配置されている。注入部4は、蒸発領域SRの側の端縁から外側に突出している。
より具体的には、注入部4は、下側注入突出部11と、上側注入突出部21と、ウィックシート注入突出部36と、を含んでいてもよい。下側注入突出部11は、図4に示すように、下側シート10を構成する部分である。上側注入突出部21は、図5に示すように、上側シート20を構成する部分である。ウィックシート注入突出部36は、図6および図7に示すように、シート本体31を構成する部分である。ウィックシート注入突出部36に注入流路37が形成されている。この注入流路37は、シート本体31の第1本体面31aから第2本体面31bに延びており、Z方向においてシート本体31(より詳細には、ウィックシート注入突出部36)を貫通している。また、注入流路37は、蒸気流路部50に連通している。この注入流路37を通過して、作動液2bが密封空間3に注入される。なお、液流路部60の配置によっては、注入流路37は液流路部60に連通するようにしてもよい。ウィックシート注入突出部36の上面および下面は、平坦状に形成されている。下側注入突出部11の上面および上側注入突出部21の下面も、平坦状に形成されている。各注入突出部11、21、38の平面形状は等しくてもよい。
なお、本実施の形態では、注入部4は、ベーパーチャンバ1のX方向における一対の端縁のうちの一側の端縁に設けられている例が示されている。しかしながら、このことに限られることはなく、注入部4は、任意の位置に設けることができる。また、ウィックシート注入突出部36に設けられた注入流路37は、作動液2bを注入できれば、シート本体31を貫通していなくてもよい。この場合、シート本体31の第1本体面31aおよび第2本体面31bのうちの一方からのみのエッチングで、蒸気流路部50に連通する注入流路37を形成できる。
液流路部60は、図3、図6および図8Aに示すように、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bに設けられている。液流路部60は、主として作動液2bが通る流路であってもよい。この液流路部60は、上述した密封空間3の一部を構成している。液流路部60は、蒸気流路部50に連通している。液流路部60は、作動液2bを蒸発領域SRに輸送するための毛細管構造として構成されている。液流路部60は、ウィックと称する場合もある。本実施の形態においては、液流路部60は、ウィックシート30の各ランド部33の第2本体面31bに設けられている。液流路部60は、各ランド部33の第2本体面31bの全体にわたって形成されていてもよい。各ランド部33の第1本体面31aには、液流路部60は設けられていなくてもよい。
図9に示すように、液流路部60は、第1溝集合体の一例である。より具体的には、液流路部60は、複数の液流路主流溝61と、複数の液流路連絡溝65と、を含んでいる。液流路主流溝61は、第1主流溝の一例である。液流路連絡溝65は、第1連絡溝の一例である。液流路主流溝61および液流路連絡溝65は、作動液2bが通る溝である。液流路連絡溝65は、液流路主流溝61に連通している。
各液流路主流溝61は、図9に示すように、X方向に延びている。液流路主流溝61は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるような流路断面積を有している。液流路主流溝61の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。このことにより、液流路主流溝61は、作動蒸気2aから凝縮した作動液2bを蒸発領域SRに輸送するように構成されている。各液流路主流溝61は、X方向に直交するY方向に、等間隔に離間して配置されていてもよい。
液流路主流溝61は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bからエッチングされることによって形成されている。このことにより、液流路主流溝61は、図8Aに示すように、湾曲状に形成された壁面62を有している。この壁面62は、液流路主流溝61を画定し、第1本体面31aに向かって膨らむような形状で湾曲している。
図8Aおよび図9に示すように、液流路主流溝61の幅w3は、例えば、5μm〜150μmであってもよい。液流路主流溝61の幅w3は、第2本体面31bにおける寸法を意味している。幅w3は、Y方向における寸法に相当している。また、図8Aに示すように、液流路主流溝61の深さh1は、例えば、3μm〜150μmであってもよい。深さh1は、Z方向における寸法に相当している。
図9に示すように、各液流路連絡溝65は、X方向とは異なる方向に延びている。本実施の形態においては、各液流路連絡溝65は、Y方向に延びている。液流路連絡溝65は、液流路主流溝61に垂直に形成されている。いくつかの液流路連絡溝65は、互いに隣り合う液流路主流溝61同士を連通している。他の液流路連絡溝65は、第1蒸気通路51または第2蒸気通路52と、液流路主流溝61とを連通している。すなわち、当該液流路連絡溝65は、Y方向におけるランド部33の端縁から、当該端縁に隣り合う液流路主流溝61に延びている。このようにして、第1蒸気通路51と液流路主流溝61とが連通されているとともに、第2蒸気通路52と液流路主流溝61とが連通されている。
液流路連絡溝65は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるような流路断面積を有している。液流路連絡溝65の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。各液流路連絡溝65は、X方向に、等間隔に離間して配置されていてもよい。
液流路連絡溝65は、液流路主流溝61と同様に、エッチングによって形成されている。液流路連絡溝65は、液流路主流溝61と同様の湾曲状に形成された壁面(図示せず)を有している。図9に示すように、液流路連絡溝65の幅w4は、液流路主流溝61の幅w3と等しくてもよい。しかしながら、幅w4は、幅w3よりも大きくてもよく、または小さくてもよい。幅w4は、X方向における寸法に相当している。液流路連絡溝65の深さは、液流路主流溝61の深さh1と等しくてもよい。しかしながら、液流路連絡溝65の深さは、深さh1よりも深くてもよく、または浅くてもよい。
図9に示すように、互いに隣り合う液流路主流溝61の間に、凸部列63が設けられている。各凸部列63は、X方向に配列された複数の凸部64を含んでいる。凸部64は、液流路突出部の一例である。凸部64は、液流路部60内に設けられている。凸部64は、シート本体31から突出して上側シート20に当接している。各凸部64は、平面視で、X方向が長手方向となるように矩形状に形成されている。Y方向において互いに隣り合う凸部64の間に、液流路主流溝61が介在されている。X方向において互いに隣り合う凸部64の間に、液流路連絡溝65が介在されている。液流路連絡溝65は、Y方向に延びており、Y方向において互いに隣り合う液流路主流溝61同士を連通している。このことにより、これらの液流路主流溝61の間で作動液2bが往来可能になっている。
凸部64は、後述するエッチング工程においてエッチングされることなく、ウィックシート30の材料が残る部分である。本実施の形態では、図9に示すように、凸部64の平面形状が、矩形状になっている。凸部64の平面形状とは、シート本体31の第2本体面31bの位置における平面形状に相当している。
本実施の形態においては、凸部64は、千鳥状に配置されている。より具体的には、Y方向において互いに隣り合う凸部列63の凸部64が、X方向において互いにずれて配置されている。このずれ量は、X方向における凸部64の配列ピッチの半分であってもよい。凸部64の幅w5は、例えば、5μm〜500μmであってもよい。凸部64の幅w5は、第2本体面31bにおける寸法を意味している。幅w5は、Y方向における寸法に相当している。なお、凸部64の配置は、千鳥状であることに限られることはなく、並列配列されていてもよい。この場合、Y方向において互いに隣り合う凸部列63の凸部64が、X方向においても整列される(図19参照)。
液流路主流溝61は、液流路交差部66を含んでいる。液流路交差部66は、第1交差部の一例である。液流路交差部66は、液流路主流溝61のうち液流路連絡溝65と連通する部分である。液流路交差部66において、液流路主流溝61と液流路連絡溝65とがT字状に連通している。このことにより、一の液流路主流溝61と、一方の側の液流路連絡溝65とが連通している液流路交差部66において、他方の側の液流路連絡溝65が当該液流路主流溝61に連通することを回避できる。このことにより、当該液流路交差部66において、液流路主流溝61の壁面62が両側で切り欠かれることを防止でき、壁面62の一方の側を残存できる。例えば、一の液流路交差部66において、図9における上側の液流路連絡溝65と下側の液流路連絡溝65とが液流路主流溝61に連通することを回避できる。この場合、当該液流路交差部66において、図9における上側の壁面62と下側の壁面62との両方が切り欠かれることを防止できる。このことにより、液流路交差部66においても、液流路主流溝61内の作動液に毛細管作用を付与できる。このため、蒸発領域SRに向かう作動液2bの推進力が液流路交差部66で低下することを抑制できる。
液貯蔵部70は、図3、図7および図8Aに示すように、ウィックシート30のシート本体31の第1本体面31aに設けられている。液貯蔵部70は、主として作動液2bを貯蔵する部分であってもよい。この液貯蔵部70は、上述した密封空間3の一部を構成している。液貯蔵部70は、蒸気流路部50に連通しているとともに、蒸気流路部50を介して液流路部60に連通している。本実施の形態においては、液貯蔵部70は、ウィックシート30の各ランド部33の第1本体面31aに設けられている。
図7および図11に示すように、本実施の形態による液貯蔵部70は、X方向においてランド部33の一側に配置されていてもよい。液貯蔵部70は、X方向においてランド部33の中心よりも当該一側に形成されていてもよい。液貯蔵部70は、蒸発領域SRの側に配置されていてもよく、図7に示すようにランド部33の左側に配置されていてもよい。より具体的には、液貯蔵部70は、X方向におけるランド部33の一対の端縁のうち蒸発領域SRの側の端縁から他方の端縁に向かって所定の位置まで連続状に形成されている。図7においては、液貯蔵部70は、左側の端縁から右側の端縁に向かって所定の位置まで形成されている。本実施の形態による液貯蔵部70は、蒸発領域SRに配置されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、液貯蔵部70の一部が、蒸発領域SRの外側にはみ出していてもよい。液貯蔵部70の少なくとも一部が蒸発領域SRに配置されている場合、電子デバイスDの熱を受けて、液貯蔵部70に貯蔵されている作動液2bが蒸発しやすくなる。また、液貯蔵部70は、電子デバイスDと重なる領域に配置されていてもよい。
図10に示すように、液貯蔵部70は、第2溝集合体の一例である。より具体的には、液貯蔵部70は、複数の液貯蔵主流溝71と、複数の液貯蔵連絡溝75と、を含んでいる。液貯蔵主流溝71は、第2主流溝の一例である。液貯蔵連絡溝75は、第2連絡溝の一例である。液貯蔵主流溝71および液貯蔵連絡溝75は、作動液2bが通る溝である。液貯蔵連絡溝75は、液貯蔵主流溝71に連通している。
各液貯蔵主流溝71は、図10に示すように、X方向に延びている。液貯蔵主流溝71は、図7および図11に示すように、X方向におけるランド部33の蒸発領域SRの側の端縁から他側の端縁に向かって所定の位置まで連続状に形成されている。液貯蔵主流溝71は、液貯蔵部70のX方向範囲を画定している。液貯蔵主流溝71は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるような流路断面積を有している。液貯蔵主流溝71の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。しかしながら、液貯蔵主流溝71の流路断面積は、上述した液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくてもよい。液貯蔵主流溝71内の作動液2bに作用する毛細管力は、液流路主流溝61内の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくなっていてもよい。このようにして、液貯蔵主流溝71は、作動液2bを液貯蔵部70内に引き込むことができるとともに、作動液2bの貯蔵量を確保できる。各液貯蔵主流溝71は、X方向に直交するY方向に、等間隔に離間して配置されていてもよい。
液貯蔵主流溝71は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30のシート本体31の第1本体面31aからエッチングされることによって形成されている。このことにより、液貯蔵主流溝71は、図8Aに示すように、湾曲状に形成された壁面72を有している。この壁面72は、液貯蔵主流溝71を画定し、第2本体面31bに向かって膨らむような形状で湾曲している。
図8Aおよび図10に示すように、液貯蔵主流溝71の幅w6は、上述した液流路主流溝61の幅w3よりも大きくてもよい。幅w6は、例えば、10μm〜250μmであってもよい。なお、液貯蔵主流溝71の幅w6は、第1本体面31aにおける寸法を意味している。幅w6は、Y方向における寸法に相当している。また、図8Aに示すように、液貯蔵主流溝71の深さh2は、上述した液流路主流溝61の深さh1よりも大きくてもよい。深さh2は、例えば、5μm〜200μmであってもよい。深さh2は、Z方向における寸法に相当している。
図10に示すように、各液貯蔵連絡溝75は、X方向とは異なる方向に延びている。本実施の形態においては、各液貯蔵連絡溝75は、Y方向に延びている。液貯蔵連絡溝75は、液貯蔵主流溝71に垂直に形成されている。いくつかの液貯蔵連絡溝75は、互いに隣り合う液貯蔵主流溝71同士を連通している。他の液貯蔵連絡溝75は、第1蒸気通路51または第2蒸気通路52と、液貯蔵主流溝71とを連通している。すなわち、当該液貯蔵連絡溝75は、Y方向におけるランド部33の端縁から、当該端縁に隣り合う液貯蔵主流溝71に延びている。このようにして、第1蒸気通路51と液貯蔵主流溝71とが連通されているとともに、第2蒸気通路52と液貯蔵主流溝71とが連通されている。
液貯蔵連絡溝75は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるような流路断面積を有している。液貯蔵連絡溝75の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。しかしながら、液貯蔵連絡溝75の流路断面積は、上述した液流路連絡溝65の流路断面積よりも大きくてもよい。液貯蔵連絡溝75内の作動液2bに作用する毛細管力は、液流路連絡溝65内の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくなっていてもよい。このようにして、液貯蔵連絡溝75は、作動液2bを液貯蔵部70内に引き込むことができるとともに、作動液2bの貯蔵量を確保できる。各液貯蔵連絡溝75は、X方向に、等間隔に離間して配置されていてもよい。
液貯蔵連絡溝75は、液貯蔵主流溝71と同様に、エッチングによって形成されている。液貯蔵連絡溝75は、液貯蔵主流溝71と同様の湾曲状に形成された壁面(図示せず)を有している。図10に示すように、液貯蔵連絡溝75の幅w7は、液貯蔵主流溝71の幅w6と等しくてもよい。しかしながら、幅w7は、幅w6よりも大きくてもよく、または小さくてもよい。幅w7は、X方向における寸法に相当している。液貯蔵連絡溝75の深さは、液貯蔵主流溝71の深さh2と等しくてもよい。しかしながら、液貯蔵連絡溝75の深さは、深さh2よりも深くてもよく、または浅くてもよい。
図10に示すように、互いに隣り合う液貯蔵主流溝71の間に、凸部列73が設けられている。各凸部列73は、X方向に配列された複数の凸部74を含んでいる。凸部74は、液貯蔵突出部の一例である。凸部74は、液貯蔵部70内に設けられている。凸部74は、シート本体31から突出して下側シート10に当接している。各凸部74は、平面視で、X方向が長手方向となるように矩形状に形成されている。Y方向において互いに隣り合う凸部74の間に、液貯蔵主流溝71が介在されている。X方向において互いに隣り合う凸部74の間に、液貯蔵連絡溝75が介在されている。液貯蔵連絡溝75は、Y方向に延びており、Y方向において互いに隣り合う液貯蔵主流溝71同士を連通している。このことにより、これらの液貯蔵主流溝71の間で作動液2bが往来可能になっている。
凸部74は、後述するエッチング工程においてエッチングされることなく、ウィックシート30の材料が残る部分である。本実施の形態では、図10に示すように、凸部74の平面形状が、矩形状になっている。凸部74の平面形状とは、シート本体31の第1本体面31aの位置における平面形状に相当している。
本実施の形態においては、凸部74は、千鳥状に配置されている。より具体的には、互いに隣り合う凸部列73の凸部74が、X方向において互いにずれて配置されている。このずれ量は、X方向における凸部74の配列ピッチの半分であってもよい。凸部74の幅w8は、例えば、10μm〜100μmであってもよい。凸部74の幅w8は、第1本体面31aにおける寸法を意味している。幅w8は、Y方向における寸法に相当している。なお、凸部74の配置は、千鳥状であることに限られることはなく、並列配列されていてもよい。この場合、Y方向において互いに隣り合う凸部列73の凸部74が、X方向においても整列される(図19参照)。
このようにして、液貯蔵主流溝71の幅w6は、液流路主流溝61のw3よりも大きくてもよい。幅w6は、Y方向において互いに隣り合う一対の凸部74のギャップに相当している。また、液貯蔵主流溝71の幅w6は、貫通部34の幅w2よりも小さくてもよい。幅w2は、Y方向において互いに隣り合う一対のランド部33の間のギャップに相当している。
本実施の形態においては、上述したように、液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71の流路断面積が、液流路部60の液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくなっている。この流路断面積の関係を満たすために、図8Aに示す例では、液貯蔵主流溝71の幅w6が、液流路主流溝61の幅w3よりも大きくなっており、液貯蔵主流溝71の深さh2が、液流路主流溝61の深さh1よりも大きくなっている。しかしながら、このことに限られることはなく、液貯蔵主流溝71の流路断面積が液流路主流溝61の流路断面積よりも大きければ、幅および深さの関係は任意である。例えば、図8Bに示すように、幅w6が幅w3よりも大きければ、深さh2は深さh1と等しくてもよい。この場合においても、液貯蔵主流溝71の流路断面積を液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。また、図8Cに示すように、深さh2が深さh1よりも大きければ、幅w6は幅w3と等しくてもよい。この場合においても、液貯蔵主流溝71の流路断面積を液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。なお、本明細書における溝の流路断面積とは、溝が延びる方向に直交する方向に沿う断面における溝の占める面積に相当する。例えば、液流路主流溝61の流路断面積は、液流路主流溝61のY方向に沿う断面における溝61(または溝61の壁面62によって画定される空間)が占める面積に相当する。
また、ランド部33に設けられた液貯蔵主流溝71の本数は、当該ランド部33に設けられた液流路主流溝61の本数よりも少なくてもよい。本実施の形態においては、ランド部33は、X方向に延びており、細長の矩形状になっている。そして、第1本体面31aにおけるランド部33の幅と、第2本体面31bにおけるランド部33の幅が等しくなっている。この場合、液貯蔵主流溝71の流路断面積を、液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。
液貯蔵主流溝71は、液貯蔵交差部76を含んでいる。液貯蔵交差部76は、第2交差部の一例である。液貯蔵交差部76は、液貯蔵主流溝71のうち液貯蔵連絡溝75と連通する部分である。液貯蔵交差部76において、液貯蔵主流溝71と液貯蔵連絡溝75とがT字状に連通している。このことにより、一の液貯蔵主流溝71と、一方の側の液貯蔵連絡溝75とが連通している液貯蔵交差部76において、他方の側の液貯蔵連絡溝75が当該液貯蔵主流溝71に連通することを回避できる。このことにより、当該液貯蔵交差部76において、液貯蔵主流溝71の壁面72が両側で切り欠かれることを防止でき、壁面72の一方の側を残存できる。例えば、一の液貯蔵交差部76において、図10における上側の液貯蔵連絡溝75と下側の液貯蔵連絡溝75とが液貯蔵主流溝71に連通することを回避できる。この場合、当該液貯蔵交差部76において、図10における上側の壁面72と下側の壁面72との両方が切り欠かれることを防止できる。このことにより、液貯蔵交差部76においても、液貯蔵主流溝71内の作動液に毛細管作用を付与できる。
ところで、下側シート10、上側シート20およびウィックシート30を構成する材料は、熱伝導率が良好な材料であれば特に限られることはないが、下側シート10、上側シート20およびウィックシート30は、例えば、銅または銅合金を含んでいてもよい。この場合、各シート10、20、30の熱伝導率を高めることができ、ベーパーチャンバ1の放熱効率を高めることができる。また、作動流体2a、2bとして純水を使用する場合には、腐食することを防止できる。なお、所望の放熱効率を得るとともに腐食を防止できれば、これらのシート10、20、30には、アルミニウムやチタン等の他の金属材料や、ステンレスなどの他の金属合金材料を用いることもできる。
また、図3に示すベーパーチャンバ1の厚さt1は、例えば、100μm〜1000μmであってもよい。ベーパーチャンバ1の厚さt1を100μm以上にすることにより、蒸気流路部50を適切に確保できる。このため、ベーパーチャンバ1の機能を適切に発揮できる。一方、厚さt1を1000μm以下にすることにより、ベーパーチャンバ1の厚さt1が厚くなることを抑制できる。
下側シート10の厚さt2は、例えば、6μm〜100μmであってもよい。下側シート10の厚さt2を6μm以上にすることにより、下側シート10の機械的強度を確保できる。一方、下側シート10の厚さt2を100μm以下にすることにより、ベーパーチャンバ1の厚さt1が厚くなることを抑制できる。同様に、上側シート20の厚さt3は、下側シート10の厚さt2と同様に設定されていてもよい。上側シート20の厚さt3と、下側シート10の厚さt2は、異なっていてもよい。
ウィックシート30の厚さt4は、例えば、50μm〜400μmであってもよい。ウィックシート30の厚さt4を50μm以上にすることにより、蒸気流路部50を適切に確保できる。このため、ベーパーチャンバ1の機能を適切に発揮できる。一方、400μm以下にすることにより、ベーパーチャンバ1の厚さt1が厚くなることを抑制できる。
次に、このような構成からなる本実施の形態のベーパーチャンバ1の製造方法について、図12〜図14を用いて説明する。なお、図12〜図14では、図3の断面図と同様の断面を示している。
ここでは、初めに、ウィックシート30の作製工程について説明する。
まず、図12に示すように、準備工程として平板状の金属材料シートMを準備する。金属材料シートMは、第1材料面Maと、第2材料面Mbと、を含んでいる。金属材料シートMは、所望の厚さを有する圧延材で形成されていてもよい。
準備工程の後、エッチング工程として、図13に示すように、金属材料シートMを、第1材料面Maおよび第2材料面Mbからエッチングする。このことにより、金属材料シートMに、蒸気流路部50、液流路部60および液貯蔵部70を形成する。
より具体的には、金属材料シートMの第1材料面Maおよび第2材料面Mbに、フォトリソフィー技術によって、パターン状のレジスト膜(図示せず)が形成される。続いて、パターン状のレジスト膜の開口を介して、金属材料シートMの第1材料面Maおよび第2材料面Mbがエッチングされる。このことにより、金属材料シートMの第1材料面Maおよび第2材料面Mbがパターン状にエッチングされて、図13に示すような蒸気流路部50、液流路部60および液貯蔵部70が形成される。なお、エッチング液には、例えば、塩化第二鉄水溶液等の塩化鉄系エッチング液、または塩化銅水溶液等の塩化銅系エッチング液を用いることができる。
エッチングは、金属材料シートMの第1材料面Maおよび第2材料面Mbを同時にエッチングしてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第1材料面Maと第2材料面Mbのエッチングは別々の工程として行われてもよい。また、蒸気流路部50、液流路部60および液貯蔵部70が同時にエッチングで形成されてもよく、別々の工程で形成されてもよい。
また、エッチング工程においては、金属材料シートMの第1材料面Maおよび第2材料面Mbをエッチングすることにより、図6および図7に示すような所定の外形輪郭形状が得られる。すなわち、ウィックシート30の端縁が形成される。
このようにして、本実施の形態によるウィックシート30が得られる。
ウィックシート30の作製工程の後、接合工程として、図14に示すように、下側シート10、上側シート20およびウィックシート30が接合される。なお、下側シート10および上側シート20は、所望の平面形状および所望の厚さを有する圧延材で形成されていてもよい。
より具体的には、まず、下側シート10、ウィックシート30および上側シート20をこの順番で積層する。この場合、下側シート10の第2下側シート面10bにウィックシート30の第1本体面31aが重ね合わされ、ウィックシート30の第2本体面31bに、上側シート20の第1上側シート面20aが重ね合わされる。この際、下側シート10のアライメント孔12と、ウィックシート30のアライメント孔35と、上側シート20のアライメント孔22とを利用して、各シート10、20、30が位置合わせされる。
続いて、下側シート10、ウィックシート30および上側シート20が仮止めされる。例えば、スポット的に抵抗溶接を行って、これらのシート10、20、30が仮止めされてもよく、レーザ溶接でこれらのシート10、20、30が仮止めされてもよい。
次に、下側シート10と、ウィックシート30と、上側シート20とが、拡散接合によって恒久的に接合される。拡散接合とは、真空や不活性ガス中などの制御された雰囲気中で、下側シート10とウィックシート30と上側シート20とを積層方向に加圧するとともに加熱して、接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。加圧する際には、下側シート10とウィックシート30とが密着するとともにウィックシート30と上側シート20とが密着する。拡散接合は、各シート10、20、30の材料を融点に近い温度まで加熱するが、融点よりは低いため、各シート10、20、30が溶融して変形することを回避できる。より具体的には、ウィックシート30の枠体部32および各ランド部33における第1本体面31aが、下側シート10の第2下側シート面10bに拡散接合される。また、ウィックシート30の枠体部32および各ランド部33における第2本体面31bが、上側シート20面の第1上側シート面20aに拡散接合される。このようにして、各シート10、20、30が拡散接合されて、下側シート10と上側シート20との間に、蒸気流路部50と液流路部60と液貯蔵部70とを有する密封空間3が形成される。この段階では、密封空間3は、上述した注入流路37は封止されていない。上述した注入部4においては、下側シート10の下側注入突出部11とウィックシート30のウィックシート注入突出部36とが拡散接合される。また、このウィックシート注入突出部36と上側シート20の上側注入突出部21とが拡散接合される。
接合工程の後、注入部4から密封空間3に作動液2bが注入される。この際、作動液2bは、液流路部60の各液流路主流溝61と各液流路連絡溝65で構成される空間の合計体積よりも多い注入量で注入されてもよい。
その後、上述した注入流路37が封止される。例えば、注入部4にレーザ光を照射し、注入部4が部分的に溶融して注入流路37を封止するようにしてもよい。このことにより、密封空間3と外部との連通が遮断されて、作動液2bが封入された密封空間3が得られる。このため、密封空間3内の作動液2bが外部に漏洩することが防止される。なお、注入流路37の封止のためには、注入部4をかしめてもよく(または押圧して塑性変形してもよく)、またはろう付けしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が得られる。
次に、ベーパーチャンバ1の作動方法、すなわち、電子デバイスDの冷却方法について説明する。
上述のようにして得られたベーパーチャンバ1は、モバイル端末等のハウジングH内に設置される。上側シート20の第2上側シート面20bに、被冷却装置であるCPU等の電子デバイスDが取り付けられる。密封空間3内の作動液2bは、その表面張力によって、密封空間3の壁面に付着する。より具体的には、作動液2bは、下側蒸気流路凹部53の壁面53a、上側蒸気流路凹部54の壁面54a、液流路部60の液流路主流溝61の壁面62および液流路連絡溝65の壁面に付着する。また、作動液2bは、下側シート10の第2下側シート面10bのうち下側蒸気流路凹部53に露出した部分にも付着し得る。さらに、作動液2bは、上側シート20の第1上側シート面20aのうち上側蒸気流路凹部54、液流路主流溝61および液流路連絡溝65に露出した部分にも付着し得る。
この状態で電子デバイスDが発熱すると、蒸発領域SR(図6および図7参照)に存在する作動液2bが、電子デバイスDから熱を受ける。受けた熱は潜熱として吸収されて作動液2bが蒸発し、作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aの多くは、密封空間3を構成する下側蒸気流路凹部53および上側蒸気流路凹部54内で拡散する(図6の実線矢印参照)。各蒸気流路凹部53、54内の作動蒸気2aは、蒸発領域SRから離れる。作動蒸気2aの多くは、比較的温度の低い凝縮領域CRに輸送される。図6および図7においては、作動蒸気2aの多くは、蒸気流路部50における右側の部分に輸送される。凝縮領域CRにおいて、作動蒸気2aは、主として下側シート10に放熱して冷却される。下側シート10が作動蒸気2aから受けた熱は、ハウジング部材Ha(図3参照)を介して外気に伝達される。
作動蒸気2aは、凝縮領域CRにおいて下側シート10に放熱する。このことにより、作動蒸気2aは、蒸発領域SRにおいて吸収した潜熱を失って凝縮し、作動液2bが生成される。生成された作動液2bは、各蒸気流路凹部53、54の壁面53a、54aおよび下側シート10の第2下側シート面10bおよび上側シート20の第1上側シート面20aに付着する。ここで、蒸発領域SRでは作動液2bが蒸発し続けている。このため、液流路部60のうち蒸発領域SR以外の領域(すなわち、凝縮領域CR)における作動液2bは、各液流路主流溝61の毛細管作用により、蒸発領域SRに向かって輸送される(図6の破線矢印参照)。このことにより、各壁面53a、54a、第2下側シート面10bおよび第1上側シート面20aに付着した作動液2bは、液流路部60に移動する。この際、作動液2bは、液流路連絡溝65を通過して液流路主流溝61に入り込む。このようにして、各液流路主流溝61および各液流路連絡溝65に、作動液2bが充填される。このため、充填された作動液2bは、各液流路主流溝61の毛細管作用により、蒸発領域SRに向かう推進力を得る。このようにして、作動液2bは、蒸発領域SRに向かってスムースに輸送される。
液流路部60においては、各液流路主流溝61が、対応する液流路連絡溝65を介して、隣り合う他の液流路主流溝61と連通している。このことにより、互いに隣り合う液流路主流溝61同士で、作動液2bが往来し、液流路主流溝61でドライアウトが発生することが抑制されている。このため、各液流路主流溝61内の作動液2bに毛細管作用が付与されて、作動液2bは、蒸発領域SRに向かってスムースに輸送される。
なお、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bの一部は、液流路部60ではなく、ウィックシート30の第1本体面31aに設けられた液貯蔵部70に輸送される。より具体的には、各壁面53a、54a、および第2下側シート面10bおよび第1上側シート面20aに付着した作動液2bの一部は、液貯蔵連絡溝75を通過して液貯蔵主流溝71に入り込む。このようにして、各液貯蔵主流溝71および各液貯蔵連絡溝75に、作動液2bが充填される。このため、作動液2bは、各液貯蔵主流溝71の毛細管作用および各液貯蔵連絡溝75の毛細管作用により推進力を得て、液貯蔵部70の内部に向かってスムースに移動する。
液流路部60によって蒸発領域SRに達した作動液2bは、電子デバイスDから再び熱を受けて蒸発する。作動液2bから蒸発した作動蒸気2aは、蒸発領域SR内の液流路連絡溝65を通って、流路断面積が大きい下側蒸気流路凹部53および上側蒸気流路凹部54に移動する。そして、作動蒸気2aは、各蒸気流路凹部53、54内で拡散する。一方、液貯蔵部70が蒸発領域SRに配置されている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bも同様にして蒸発し、各蒸気流路凹部53、54内で拡散する。このようにして、作動流体2a、2bが、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながら密封空間3内を還流する。このことにより、電子デバイスDの熱が輸送されて放出される。この結果、電子デバイスDが冷却される。
電子デバイスDが発熱を停止している間、蒸発領域SR内の作動液2bは蒸発することなく、液流路部60の液流路主流溝61および液流路連絡溝65に充填されて留まる。このため、凝縮領域CR内の作動液2bは、蒸発領域SRに向けて輸送されずに留まる。液流路部60内の作動液2bの一部は、下側蒸気流路凹部53の壁面53aまたは上側蒸気流路凹部54の壁面54aを流れて、液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71および液貯蔵連絡溝75に移動する。このことにより、これらの溝71、75に作動液2bが充填されて留まる。密封空間3に封入される作動液2bの量が、液流路主流溝61と液流路連絡溝65とで構成される空間の合計体積よりも多い場合には、作動液2bの一部は、液貯蔵主流溝71および液貯蔵連絡溝75に充填されやすい。このため、作動液2bは、液流路部60だけでなく、液貯蔵部70にも分散されて留まることができる。
この状態で、ベーパーチャンバ1を搭載した電子機器Eが、作動流体2a、2bの凝固点より低い温度環境下に置かれて、液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、作動流体2a、2bの膨張力が弱められる。このことにより、膨張による力を受けて上側シート20が変形することが抑制される。このため、電子デバイスDが取り付けられる上側シート20の第2上側シート面20bの平坦度が低下することを抑制でき、第2上側シート面20bと電子デバイスDとの間に隙間が形成されることを抑制できる。この場合、電子デバイスDからの熱伝導が阻害されることを抑制でき、ベーパーチャンバ1の性能低下を抑制できる。同様に、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力が弱められる。このことにより、膨張による力を受けて下側シート10が変形することが抑制される。このため、下側シート10の第1下側シート面10aの平坦度が低下することを抑制できる。
このように本実施の形態によれば、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bに液流路部60が設けられ、第2本体面31bとは反対側に位置する第1本体面31aに液貯蔵部70が設けられている。液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71の流路断面積は、液流路部60の液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくなっている。このことにより、電子デバイスDが発熱を停止している間、作動液2bを、液流路部60だけでなく、液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。このため、作動液2bの凝固点より低い温度環境下において、液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、上側シート20に作用する膨張力を低減できる。この場合、上側シート20が変形することを抑制できる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、下側シート10に作用する膨張力を低減できる。この場合、下側シート10が変形することを抑制できる。この結果、ベーパーチャンバ1の変形を抑制でき、ベーパーチャンバ1の性能低下を抑制できる。また、電子デバイスDが発熱している間では、電子デバイスDからの熱を受けて、液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。このため、電子デバイスDの熱をより一層拡散でき、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。
また、本実施の形態によれば、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bに液流路部60が設けられ、第2本体面31bとは反対側に位置する第1本体面31aに液貯蔵部70が設けられている。液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71の流路断面積は、液流路部60の液流路主流溝61の流路断面積よりも大きい。このことにより、液貯蔵主流溝71内の作動液2bに作用する毛細管力を、液流路主流溝61内の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくできる。電子デバイスDが発熱している間に、液貯蔵部70への作動液2bの移動量を低減できる。このため、作動液2bの蒸発領域SRへの輸送機能の低下を抑制でき、熱輸送効率の低下を抑制できる。また、上述したように、液貯蔵主流溝71の流路断面積を、液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくすることにより、各液貯蔵主流溝71で構成される空間の合計体積を増大できる。このため、電子デバイスDが発熱を停止している間、液貯蔵部70による作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵主流溝71の幅が、液流路主流溝61の幅よりも大きい。このことにより、液貯蔵主流溝71の流路断面積を、液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。このため、熱輸送効率の低下を抑制できるとともに、作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵主流溝71の深さが、液流路主流溝61の深さよりも大きい。このことにより、液貯蔵主流溝71の流路断面積を、液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。このため、熱輸送効率の低下を抑制できるとともに、作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、本実施の形態によれば、各ランド部33に、液流路部60および液貯蔵部70が設けられ、ランド部33に設けられた液貯蔵主流溝71の本数が、当該ランド部33に設けられた液流路主流溝61の本数よりも少ない。このことにより、液貯蔵主流溝71の流路断面積を、液流路主流溝61の流路断面積よりも大きくできる。このため、熱輸送効率の低下を抑制できるとともに、作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、本実施の形態によれば、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bに、作動液2bが通る液流路部60が設けられ、第2本体面31bとは反対側に位置する第1本体面31aに、液貯蔵部70が設けられている。液貯蔵部70は、平面視で蒸発領域SRに配置されている。このことにより、電子デバイスDが発熱を停止している間、作動液2bを、液流路部60だけでなく、液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。このため、作動液2bの凝固点より低い温度環境下において、液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、上側シート20に作用する膨張力を低減できる。この場合、上側シート20が変形することを抑制できる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、下側シート10に作用する膨張力を低減できる。この場合、下側シート10が変形することを抑制できる。この結果、ベーパーチャンバ1の変形を抑制でき、ベーパーチャンバ1の性能低下を抑制できる。また、電子デバイスDが発熱している間では、電子デバイスDからの熱を受けて、液貯蔵部70内の作動液2bを蒸発できる。このため、電子デバイスDの熱をより一層拡散でき、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70内に、ウィックシート30のシート本体31から突出して下側シート10に当接する複数の凸部74が設けられている。互いに隣り合う一対の凸部74の間のギャップ(液貯蔵主流溝71の幅w6に相当)が、液流路部60の液流路主流溝61の幅よりも大きくなっている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bに作用する毛細管力を、液流路部60内(液流路主流溝61内)の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくできる。電子デバイスDが発熱している間に、液貯蔵部70への作動液2bの移動量を低減できる。このため、作動液2bの蒸発領域SRへの輸送機能の低下を抑制でき、熱輸送効率の低下を抑制できる。また、上述したように、凸部74の間のギャップを液流路主流溝61の幅よりも大きくすることにより、液貯蔵部70の各液貯蔵主流溝71と各液貯蔵連絡溝75で構成される空間の合計体積を増大できる。このため、電子デバイスDが発熱を停止している間、液貯蔵部70による作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、液流路部60の液流路主流溝61が延びる方向であるX方向に直交するY方向において互いに隣り合う凸部74の間に設けられた液貯蔵主流溝71を有しており、液貯蔵主流溝71が、X方向に延びている。電子デバイスDが発熱を停止した後、作動液2bは、凝縮領域CRから蒸発領域SRに向かって概略的にはX方向に流れるが、液貯蔵部70に達した作動液2bは、液貯蔵主流溝71内に容易に入り込むことができる。そして、液貯蔵主流溝71内をX方向にスムースに流れることができ、液貯蔵部70の蒸発領域SRの側の端縁に容易に達することができる。このため、液貯蔵部70に作動液2bを速やかに引き込むことができ、作動液2bの貯蔵量を速やかに増大できる。ベーパーチャンバ1の周囲温度が急激に低下した場合には、液貯蔵部70に作動液2bを速やかに引き込むことができる。このことにより、作動液2bの凍結時に上側シート20および下側シート10に作用する膨張力を効果的に低減できる。このため、ベーパーチャンバ1の変形を効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、互いに隣り合う一対の凸部74の間のギャップが、互いに隣り合う一対のランド部33の間のギャップ(貫通部34の幅w2に相当)よりも小さくなっている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bに、毛細管力が作用できる。このため、液貯蔵部70内に、作動液2bを引き込むことができ、電子デバイスDが発熱を停止している間、作動液2bを貯蔵できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、各ランド部33の第1本体面31aに設けられている。このことにより、作動液2bを、各液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。このため、作動液2bの凝固点より低い温度環境下において、液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、上側シート20が変形することをより一層抑制できる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、下側シート10が変形することをより一層抑制できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、X方向において、ランド部33の一側に配置されている。このことにより、蒸発領域SRが、X方向においてベーパーチャンバ1の一側に形成される場合には、液貯蔵部70を、蒸発領域SRに配置できる。このため、電子デバイスDが発熱している間、液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発でき、電子デバイスDの熱をより一層拡散できる。この結果、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。
(第1変形例)
なお、上述した本実施の形態においては、電子デバイスDが発熱を停止している間、液流路部60内の作動液2bの一部が、液貯蔵部70に移動して貯蔵される例について説明した。この例では、作動液2bは、下側蒸気流路凹部53の壁面53aまたは上側蒸気流路凹部54の壁面54aを流れる。しかしながら、このことに限られることはなく、シート本体31に、液流路部60と液貯蔵部70とを連通した複数の連通部80が設けられていてもよい。連通部80は、蒸発領域SR内に位置していてもよい。また、連通部80は、平面視で電子デバイスDと重なる領域内に位置していてもよい。
例えば、図15および図16に示す第1変形例のように、連通部80は、蒸気流路部50の壁面に設けられた連通凹部81を含んでいてもよい。連通凹部81は、液流路部60から液貯蔵部70に延びていてもよい。図15および図16に示す第1変形例では、下側蒸気流路凹部53の壁面53aおよび上側蒸気流路凹部54の壁面54aに沿って、Z方向に延びる連通凹部81が設けられている。
連通凹部81は、液流路部60の液流路連絡溝65および液貯蔵部70の液貯蔵連絡溝75の少なくとも一方に延びていてもよい。図15および図16に示す第1変形例では、連通凹部81の一端は、液流路連絡溝65に延びており、連通凹部81の他端は、液貯蔵連絡溝75に延びている。なお、連通凹部81は、液流路連絡溝65に連通されていなくてもよく、あるいは、液貯蔵連絡溝75に連通されていなくてもよい。更には、連通凹部81は、液流路連絡溝65および液貯蔵連絡溝75のいずれにも連通されていなくてもよい。連通凹部81の流路断面形状は、図15および図16に示すように矩形状でもよく、あるいは、半円形状または半楕円形状等の湾曲形状に形成されていてもよい。連通凹部81の流路断面形状は、平面視での形状に相当する。
図15に示すように、連通凹部81の幅w9は、液流路連絡溝65の幅w4(図9参照)よりも大きくてもよい。幅w9は、X方向における寸法に相当している。このことにより、連通凹部81内の作動液2bに作用する毛細管力を、液流路連絡溝65内の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくできる。この場合、連通凹部81内に作動液2bが滞留することを抑制できる。また、この場合、連通凹部81は、凸部64を切り欠くように形成される。また、連通凹部81の幅w9は、液貯蔵連絡溝75の幅w7(図10参照)よりも小さくてもよい。このことにより、連通凹部81内の作動液2bに、毛細管力が作用でき、作動液2bが液貯蔵部70に移動できる。連通凹部81の幅w9は、例えば、20μm〜300μmであってもよい。なお、連通凹部81の幅w9は、ウィックシート30の第2本体面31bにおける寸法を意味している。
このように第1変形例によれば、電子デバイスDが発熱を停止している間、液流路部60内の作動液2bの一部が、連通部80を通って液貯蔵部70に移動できる。このことにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの移動量が増大し、液貯蔵部70における作動液2bの貯蔵量を増大できる。
また、第1変形例によれば、連通部80は、蒸気流路部50の壁面に設けられた、液流路部60から液貯蔵部70に延びる連通凹部81を含んでいる。このことにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの流路抵抗を減らすことができる。このため、液流路部60内での作動液2bの滞留量を減らすことができる。液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力を弱めることができる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力を弱めることができる。この結果、膨張による力を受けて上側シート20および下側シート10が変形することを抑制できる。さらに第1変形例によれば、連通凹部81が、液流路連絡溝65および液貯蔵連絡溝75に延びていることにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの流路抵抗をより一層減らすことができる。
(第2変形例)
また、図15および図16に示す第1変形例とは異なり、図17および図18に示す第2変形例のように、連通部80は、シート本体31を貫通して、液流路部60から液貯蔵部70に延びる貫通孔82を含んでいてもよい。図17および図18に示す第2変形例では、貫通孔82は、下側蒸気流路凹部53の壁面53aまたは上側蒸気流路凹部54の壁面54aではなく、平面視でランド部33の内部に位置している。貫通孔82は、下側蒸気流路凹部53の壁面53aおよび上側蒸気流路凹部54の壁面54aで切り欠かれないような位置に形成されている。すなわち、貫通孔82は、平面視で、閉じた輪郭形状を有している。図17および図18では、貫通孔82が矩形状に形成されている例が示されている。しかしながら、貫通孔82の平面形状は、円形状等の任意の形状であってもよい。
貫通孔82は、液流路部60の液流路交差部66および液貯蔵部70の液貯蔵交差部76の少なくとも一方に延びていてもよい。図17および図18に示す第2変形例では、貫通孔82の一端は、液流路交差部66に延びており、上述した液流路交差部66に位置している。貫通孔82の他端は、液貯蔵交差部76に延びている。なお、貫通孔82は、液流路主流溝61または液流路連絡溝65に連通されていれば、液流路交差部66に連通されていなくてもよい。あるいは、貫通孔82は、液貯蔵主流溝71または液貯蔵連絡溝75に連通されていれば、液貯蔵交差部76に連通されていなくてもよい。貫通孔82の流路断面形状は、図17および図18に示すように矩形状でもよく、あるいは、円形状または楕円形状等の湾曲状に形成されていてもよい。貫通孔82の流路断面形状は、平面視での形状に相当する。
図17に示すように、貫通孔82の幅w10は、液流路連絡溝65の幅w4(図9参照)よりも大きくてもよい。幅w10は、X方向における寸法に相当している。このことにより、貫通孔82内の作動液2bに作用する毛細管力を、液流路連絡溝65内の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくできる。この場合、貫通孔82内に作動液2bが滞留することを抑制できる。また、この場合、貫通孔82は、凸部64を切り欠くように形成される。また、貫通孔82の幅w10は、液貯蔵連絡溝75の幅w7(図10参照)よりも小さくてもよい。このことにより、貫通孔82内の作動液2bに、毛細管力が作用でき、作動液2bが液貯蔵部70に移動できる。貫通孔82の幅w10は、例えば、10μm〜100μmであってもよい。なお、貫通孔82の幅w10は、ウィックシート30の第2本体面31bにおける寸法を意味している。また、図18に示すように、液流路主流溝61のY方向における配列ピッチと液貯蔵主流溝71のY方向における配列ピッチとの関係により、貫通孔82が、液貯蔵交差部76からはみ出すように形成されている例が示されている。しかしながら、このことに限られることはなく、これらの溝61、71の配列ピッチにもよるが、貫通孔82は、液貯蔵交差部76からはみ出さないようにしてもよい。
このように第2変形例によれば、電子デバイスDが発熱を停止している間、液流路部60内の作動液2bの一部が、貫通孔82を通って液貯蔵部70に移動できる。このことにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの移動量が増大し、液貯蔵部70における作動液2bの貯蔵量を増大できる。とりわけ、貫通孔82は、平面視でランド部33の内部に位置しているため、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの流路抵抗を減らすことができる。このため、液流路部60内での作動液2bの滞留量を低減できる。液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力を弱めることができる。この結果、膨張による力を受けて上側シート20が変形することを抑制できる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力を弱めることができる。この結果、膨張による力を受けて下側シート10が変形することを抑制できる。
また、第2変形例によれば、連通部80は、シート本体31を貫通して、液流路部60から液貯蔵部70に延びる貫通孔82を含んでいる。このことにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの流路抵抗をより一層減らすことができる。このため、液流路部60内での作動液2bの滞留量をより一層減らすことができる。液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、膨張力をより一層弱めることができる。さらに、第2変形例によれば、貫通孔82が、液流路交差部66および液貯蔵交差部76に延びていることにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの流路抵抗をより一層減らすことができる。
(第3変形例)
また、上述した本実施の形態においては、液貯蔵部70内に設けられた凸部74が、平面視で、X方向が長手方向となるように矩形状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、凸部74の平面形状は任意である。
例えば、図19に示すように、凸部74が、平面視で円形状に形成されていてもよく、あるいは、図示しないが楕円形状に形成されていてもよい。また、図19に示す例では、凸部74は、並列配列されている例が示されている。より具体的には、Y方向において互いに隣り合う凸部列73の凸部74が、X方向においても整列されている。
また、例えば、図20に示すように、凸部74が、平面視で正方形状に形成されていてもよい。図20に示す例では、凸部74は、千鳥状に配置されている例が示されているが、並列配列されていてもよい。
また、例えば、図21に示すように、凸部74が、平面視で十字形状に形成されていてもよい。図21に示す例では、凸部74の平面形状が、丸みを帯びた十字形状に形成されている。また、図21に示す例では、凸部74は、千鳥状に配置されている例が示されているが、並列配列されていてもよい。また、凸部74は、平面視で星形多角形状で形成されていてもよい。
(第4変形例)
また、上述した本実施の形態においては、液貯蔵部70が、ウィックシート30の各ランド部33の第1本体面31aに設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、液貯蔵部70は、全てのランド部33に設けられていなくてもよい。例えば、任意の一のランド部33のみに液貯蔵部70が設けられていてもよく、いくつかのランド部33に液貯蔵部70が設けられていてもよい。例えば、電子デバイスDの平面形状が小さい場合には、電子デバイスDで覆われる領域に応じて、任意のランド部33に選択的に液貯蔵部70を設けてもよい。また、ベーパーチャンバ1が単純な矩形状ではない場合も、同様である。
(第5変形例)
また、図22に示すように、液貯蔵部70は、ベーパーチャンバ1の平面視で電子デバイスDと重なる領域に配置されていてもよい。
図22に示す例では、複数のランド部33のうちの一部のランド部33に液貯蔵部70が設けられている。電子デバイスDが、複数のランド部33に重なっている。電子デバイスDは、複数のランド部33に跨がって配置されている。図22においては、7つのランド部33が示されており、電子デバイスDは、3つのランド部33に重なっている。残りの4つのランド部33には、電子デバイスDは重なっていない。電子デバイスDと重なっている3つのランド部33を、重合ランド部91、92と称し、電子デバイスDと重なっていない4つのランド部33のうち、重合ランド部91、92と隣り合っているランド部33を、第1非重合ランド部93と称する。電子デバイスDと重なっていない4つのランド部33のうち、重合ランド部91、92と隣り合っていないランド部33を、第2非重合ランド部94と称する。
第1非重合ランド部93は、3つの重合ランド部91、92のY方向における両側に配置されている。第1非重合ランド部93に対して重合ランド部91、92とは反対側に、第2非重合ランド部94が配置されている。図22における最も下側と最も上側に、第2非重合ランド部94が配置され、これら2つの第2非重合ランド部94の間に、2つの第1非重合ランド部93が配置されている。そして、2つの第1非重合ランド部93の間に、3つの重合ランド部91、92が配置されている。図22において3つの重合ランド部91、92のうち最も下側の重合ランド部(後述する第2重合ランド部92)と、下側の第1非重合ランド部93とが、Y方向において互いに隣り合っている。同様に、図22において3つの重合ランド部91、92のうち最も上側の重合ランド部(後述する第2重合ランド部92)と、上側の第1非重合ランド部93とが、Y方向において互いに隣り合っている。
重合ランド部91、92の各々に液貯蔵部70が設けられている。重合ランド部91、92に設けられた液貯蔵部70は、平面視で電子デバイスDと重なる領域に配置されている。これらの液貯蔵部70は、X方向において電子デバイスDよりも外側にはみ出していてもよい。重合ランド部91、92に設けられた液貯蔵部70は、X方向における両側で、電子デバイスDよりも外側にはみ出している。図22に示す例においては、重合ランド部91、92に設けられた液貯蔵部70は、電子デバイスDよりも左側にはみ出すとともに右側にはみ出している。
3つの重合ランド部91、92は、1つの第1重合ランド部91と、2つの第2重合ランド部92と、を含んでいる。第1重合ランド部91のY方向における両側に、第2重合ランド部92が配置されている。各第2重合ランド部92は、第1重合ランド部91にY方向において互いに隣り合っている。第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70と、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70とは、Y方向において互いに隣り合っている。第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70は、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70よりも、平面視で、Y方向における電子デバイスDの中心側に位置している。すなわち、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70は、第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70よりも電子デバイスDの中心から遠ざかっている。図22においては、第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70が、電子デバイスDの中心に重なっている。第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL1は、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL2よりも長くなっている。第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70は、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70よりも電子デバイスDから外側へのはみ出し量が大きい。長さL1、L2は、液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71のX方向における長さであってもよい。液貯蔵部70が複数の液貯蔵主流溝71を含んでいる場合には、液貯蔵主流溝71の長さの最大値であってもよい。
第1非重合ランド部93の各々に液貯蔵部70が設けられている。第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70は、平面視で電子デバイスDと重なる領域とは異なる領域に配置されている。すなわち、当該液貯蔵部70は、電子デバイスDと重なっていない。第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70と、第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70とは、Y方向において互いに隣り合っている。第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL2は、第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL3よりも長くなっている。なお、図22には、長さL3が、電子デバイスDと等しい例が示されている。しかしながら、このことに限られることはなく、当該液貯蔵部70は、X方向において電子デバイスDよりも外側にはみ出していてもよい。あるいは、当該液貯蔵部70のX方向における長さは、電子デバイスDのX方向における長さよりも短くてもよい。長さL3は、長さL1、L2と同様に、液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71のX方向における長さであってもよい。
第2非重合ランド部94には、図22に示すように、液貯蔵部70は設けられていなくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第2非重合ランド部94に、液貯蔵部70が設けられていてもよい。
このように第5変形例によれば、液貯蔵部70は、ベーパーチャンバ1の平面視で電子デバイスDと重なる領域に配置されている。このことにより、液貯蔵部70を、電子デバイスDから熱を受けやすい領域に配置できる。このため、電子デバイスDが発熱をしている間では、電子デバイスDからの熱を受けて、液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。このため、電子デバイスDの熱をより一層拡散でき、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。
また、第5変形例によれば、液貯蔵部70は、X方向において電子デバイスDよりも外側にはみ出している。このことにより、電子デバイスDと重なる領域の周辺において、電子デバイスDから伝わる熱を利用して液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。より具体的には、電子デバイスDと重なる領域にX方向で隣接する領域において、電子デバイスDの熱を利用して液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。このため、作動液2bの蒸発量を増大できる。この結果、電子デバイスDの熱をより一層拡散でき、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。
また、第5変形例によれば、第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70は、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70よりも、平面視で、Y方向における電子デバイスDの中心側に位置している。そして、第1重合ランド部91に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL1は、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL2よりも長くなっている。このことにより、電子デバイスDの中心側に位置する液貯蔵部70のX方向における長さを長くできる。このため、電子デバイスDの中心付近と重なる液貯蔵主流溝71内の作動液2bの充填量を増大できる。この結果、電子デバイスDの中心付近において作動液2bの蒸発量を増大でき、電子デバイスDの中心付近を効率良く冷却できる。
また、第5変形例によれば、互いに隣り合う一対の第2重合ランド部92および第1非重合ランド部93の各々に、液貯蔵部70が設けられている。第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70が、電子デバイスDと重なる領域に配置され、第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70が、電子デバイスDと重なる領域とは異なる領域に配置されている。このことにより、電子デバイスDと重なる領域の周辺において、電子デバイスDから伝わる熱を利用して、液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。より具体的には、電子デバイスDと重なる領域にY方向で隣接する領域において、電子デバイスDの熱を利用して液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。このため、作動液2bの蒸発量を増大できる。この結果、電子デバイスDの熱をより一層拡散でき、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。
また、第5変形例によれば、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL2は、第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL3よりも長い。このことにより、電子デバイスDと重なる液貯蔵部70のX方向における長さを長くできる。このため、電子デバイスDと重なる液貯蔵主流溝71内の作動液2bの充填量を増大できる。この結果、電子デバイスDと重なる領域において作動液2bの蒸発量を増大でき、電子デバイスDを効率良く冷却できる。
なお、上述した第5変形例においては、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70が、Y方向において全体的に電子デバイスDと重なっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70は、Y方向の一部の範囲において電子デバイスDと重なっていてもよい(図23参照)。この場合、当該液貯蔵部70は、Y方向の残りの範囲において電子デバイスDと重ならない。また、図22においては、電子デバイスDが、第2重合ランド部92に設けられた液貯蔵部70よりもY方向において外側にはみ出している例が示されている。しかしながら、このことに限られることはなく、電子デバイスDは、第2重合ランド部92の縁に一致するようにしてもよい。この場合、第2本体面31bにおける上側蒸気流路凹部54の壁面54aの縁に、電子デバイスDの縁が重なる。
また、上述した第5変形例においては、電子デバイスDが、3つの重合ランド部91、92に設けられた液貯蔵部70に重なっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、電子デバイスDが重なる液貯蔵部70が設けられる重合ランド部91、92の個数は、任意である。また、3つの重合ランド部91、92のY方向における両側に非重合ランド部93、94が2つずつ設けられる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、3つの重合ランド部91、92のY方向における両側にそれぞれ設けられる非重合ランド部93、94の個数は、1つであってもよく、または3つ以上であってもよい。
(第6変形例)
また、図23に示すように、ベーパーチャンバ1は、複数の電子デバイスDに熱的に接触していてもよい。
より具体的には、図23に示すように、第2本体面31bに、複数の電子デバイスDが取り付けられている。ここでは、一例として、2つの電子デバイスD1、D2が第2本体面31bに取り付けられている例が示されているが、電子デバイスDの個数は、3つ以上であってもよい。2つの電子デバイスDは、X方向において互いに異なる領域に配置されている。図23における左側の電子デバイスDを第1電子デバイスD1と称し、右側の電子デバイスDを第2電子デバイスD2と称する。
第1本体面31aに、電子デバイスD1、D2の各々に対応する複数の液貯蔵部70が設けられていてもよい。この場合、液貯蔵部70は、平面視で、対応する電子デバイスD1、D2と重なる領域に配置されていてもよい。
複数のランド部33のうちの一部のランド部33に、液貯蔵部70が設けられている。各電子デバイスD1、D2は、図22に示す例と同様に、複数のランド部33に重なっている。複数のランド部33は、図22に示す例と同様に、3つの重合ランド部91、92と、2つの第1非重合ランド部93と、2つの第2非重合ランド部94と、を含んでいる。3つの重合ランド部91、92の各々に、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70と、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70とが設けられている。第1非重合ランド部93には、図22に示す例と同様に、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70が設けられている。しかしながら、第1非重合ランド部93には、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70は設けられていない。第2非重合ランド部94には、液貯蔵部70は設けられていない。
2つの電子デバイスD1、D2のX方向における寸法は、互いに異なっていてもよい。この場合、2つの液貯蔵部70のX方向における長さは、互いに異なっていてもよい。なお、図23においては、液貯蔵部70のX方向における長さが、電子デバイスD毎に、等しくなっている例を示している。第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70についてより具体的に説明する。重合ランド部91、92に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL1、L2は、互いに等しくなっている。長さL1、L2と、第1非重合ランド部93に設けられた液貯蔵部70のX方向における長さL3も等しくなっている。しかしながら、このことに限られることはなく、液貯蔵部70のX方向における長さL1、L2、L3は、図22に示すように、ランド部毎に異なっていてもよい。第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70についても同様である。
このように第6変形例によれば、ベーパーチャンバ1が複数の電子デバイスD1、D2に熱的に接触し、第1本体面31aに、電子デバイスD1、D2の各々に対応する複数の液貯蔵部70が設けられている。そして、液貯蔵部70は、ベーパーチャンバ1の平面視で、対応する電子デバイスD1、D2と重なる領域に配置されている。このことにより、各液貯蔵部70を、対応する電子デバイスD1、D2から熱を受けやすい領域に配置できる。このため、各電子デバイスD1、D2が発熱をしている間では、各電子デバイスD1、D2からの熱を受けて、各液貯蔵部70内の作動液2bが蒸発できる。このため、各電子デバイスD1、D2の熱をより一層拡散でき、各電子デバイスD1、D2の冷却効率を向上できる。
また、第6変形例によれば、複数のランド部33のうちの少なくとも一つに、対応する電子デバイスD1、D2に重なる複数の液貯蔵部70が設けられている。このことにより、ランド部33のうち、対応する電子デバイスD1、D2と重なる領域に液貯蔵部70をそれぞれ設けることができる。このため、各液貯蔵部70を、対応する電子デバイスD1、D2から熱を受けやすい領域に配置できる。
ここで、第6変形例において、2つの電子デバイスD1、D2は、同時に発熱していなくてもよい。例えば、第1電子デバイスD1が発熱し、第2電子デバイスD2が発熱を停止している場合には、第1電子デバイスD1に重なる液貯蔵部70内の作動液2bが、第1電子デバイスD1からの熱を受けて蒸発できる。第2電子デバイスD2に重なる液貯蔵部70内の作動液2bは、貯蔵され続けることができる。
なお、上述した第6変形例においては、3つの重合ランド部91、92に、2つの液貯蔵部70がそれぞれ設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、2つの液貯蔵部70が設けられる重合ランド部91、92の個数は、3つに限られることはなく、任意である。例えば、そのような重合ランド部91、92の個数は、1つであってもよい。例えば、第1重合ランド部91に、2つの液貯蔵部70が設けられて、第2重合ランド部92には、1つの液貯蔵部70が設けられるようにしてもよい。この場合、第1重合ランド部91に、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70と、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70とが設けられていてもよい。第2重合ランド部92の一方に、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70が設けられて、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70は設けられていなくてもよい。第2重合ランド部92の他方に、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70が設けられて、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70は設けられていなくてもよい。すなわち、重合ランド部91、92には、第1電子デバイスD1と重なる液貯蔵部70と、第2電子デバイスD2と重なる液貯蔵部70とのうちの少なくとも一方が設けられていてもよい。
また、上述した第6変形例においては、第1本体面31aに、対応する電子デバイスD1、D2に平面視で重なるように複数の液貯蔵部70が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、第1本体面31aに、2つの電子デバイスD1、D2の一方に重なる液貯蔵部70が設けられている場合には、他方に重なる液貯蔵部70は設けられていなくてもよい。電子デバイスDの個数が3つ以上である場合も同様である。すなわち、全ての電子デバイスDに重なるように複数の液貯蔵部70が第1本体面31aに設けられていてもよい。しかしながら、第1本体面31aに、一部の電子デバイスDに重なる液貯蔵部70が設けられ、他の一部の電子デバイスDに重なる液貯蔵部70は設けられていなくてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図24〜図27を用いて、本発明の第2の実施の形態におけるベーパーチャンバ用のウィックシート、ベーパーチャンバおよび電子機器について説明する。
図24〜図27に示す第2の実施の形態においては、液貯蔵部が、平面視で蒸発領域とは異なる領域に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1〜図23に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図24〜図27において、図1〜図23に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図24に示すように、本実施の形態による液貯蔵部70は、X方向においてランド部33の一側に配置されていてもよい。液貯蔵部70は、X方向においてランド部33の中心よりも当該一側に形成されていてもよい。液貯蔵部70は、蒸発領域SRとは反対側に配置されていてもよく、図24に示すように、ランド部33の右側に配置されていてもよい。液貯蔵部70は、平面視で蒸発領域SRとは異なる領域に配置されている。液貯蔵部70は、凝縮領域CRに配置されている。この場合、液貯蔵部70は、電子デバイスDと重なる領域とは異なる領域に配置されている。より具体的には、液貯蔵部70は、図24および図25に示すように、X方向においてランド部33の蒸発領域SRとは反対側の部分に配置されている。液貯蔵部70の液貯蔵主流溝71は、X方向においてランド部33の蒸発領域SRとは反対側の端縁から、蒸発領域SRの側の端縁に向かって所定の位置まで連続状に形成されている。図24においては、液貯蔵部70は、右側の端縁から左側の端縁に向かって所定の位置まで形成されている。このようにして、液貯蔵部70のX方向範囲が画定されている。液貯蔵部70のその他の構成は、第1の実施の形態における液貯蔵部70と同様の構成を有しているため、ここでは詳細な説明は省略する。
一般的なベーパーチャンバ1においては、上述したように、作動流体2a、2bが、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながら密封空間3内を環流して電子デバイスDの熱を輸送して放出する。作動流体2a、2bの環流は、ベーパーチャンバ1の全範囲で形成できる。このことにより、ベーパーチャンバ1の全範囲で作動蒸気2aが熱を放出でき、熱を放出する領域を広くできる。このため、ベーパーチャンバ1の放熱効率が向上でき、電子デバイスDを効率良く冷却できる。この場合、ベーパーチャンバ1の温度差を小さくでき、温度を均等化できる。
しかしながら、電子デバイスDの発熱量が多い場合、図26に示すように、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bは、蒸発領域SRの中心まで輸送され難くなる。すなわち、電子デバイスDの発熱量が多いため、蒸発領域SRの中心に到達する前に作動液2bが蒸発しやすくなる。このことにより、作動流体2a、2bの環流は、蒸発領域SRの中心付近を除いた範囲で形成され、蒸発領域SRの中心の温度が上昇し得る。このため、電子デバイスDの冷却効率が低下し得る。その結果として、ベーパーチャンバ1において、温度が高い領域THと温度が低い領域TLとが形成され、温度差が大きくなり得る。
一方、電子デバイスDの発熱量が少ない場合、図27に示すように、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bの一部が、蒸発領域SRの液流路部60内に滞留されやすくなる。すなわち、電子デバイスDの発熱量が少ないため、蒸発領域SRにおける作動液2bの蒸発量が少なくなる。そして、蒸発領域SRに向かう作動液2bの輸送量が低減し、作動液2bが、凝縮領域CRの液流路部60内に滞留しやすくなる。このことにより、作動流体2a、2bの環流は、蒸発領域SRの側の端部付近(図27における右側の端部付近)を除いた範囲で形成され、当該端部付近の作動液2bが液流路部60内に滞留し得る。このため、作動蒸気2aが熱を放出する領域が狭くなるため、ベーパーチャンバ1の放熱効率が低下し得る。その結果として、ベーパーチャンバ1において、温度が高い領域THと温度が低い領域TLとが形成され、温度差が大きくなり得る。
これに対して本実施の形態によるベーパーチャンバ1において、電子デバイスDが発熱している間、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bの一部は、蒸発領域SRではなく、ウィックシート30の第1本体面31aに設けられた液貯蔵部70に輸送される。そして、作動液2bは、液貯蔵部70に貯蔵される。本実施の形態による液貯蔵部70は、凝縮領域CRに配置されているため、液貯蔵部70内の作動液2bは、蒸発し難く、液貯蔵部70内に貯留される。
電子デバイスDの発熱量が多い場合には、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bを、蒸発領域SRの中心まで輸送できる。すなわち、電子デバイスDの発熱量が多い場合であっても、液流路部60内の作動液2bだけではなく、液貯蔵部70に貯蔵された作動液2bをも蒸発領域SRの中心に向かって輸送でき、蒸発領域SRへの作動液2bの輸送量を増大できる。このことにより、蒸発領域SRの中心にも作動液2bが到達でき、作動流体2a、2bの環流を、ベーパーチャンバ1の全範囲で形成できる。このため、蒸発領域SRの中心の温度を低下でき、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。その結果として、ベーパーチャンバ1の温度差を小さくでき、温度を均等化できる。
一方、電子デバイスDの発熱量が少ない場合、凝縮領域CRにおいて凝縮した作動液2bの一部を、液貯蔵部70に貯蔵でき、蒸発領域SRのうち液流路部60に作動液2bが滞留することを抑制できる。このことにより、作動流体2a、2bの環流を、ベーパーチャンバ1の全範囲で形成できる。このため、作動蒸気2aが熱を放出する領域を広くできるため、ベーパーチャンバ1の放熱効率を向上できる。その結果として、ベーパーチャンバ1の温度差を小さくできる。
このように本実施の形態によれば、ウィックシート30のシート本体31の第2本体面31bに、作動液2bが通る液流路部60が設けられ、第2本体面31bとは反対側に位置する第1本体面31aに、液貯蔵部70が設けられている。液貯蔵部70は、平面視で蒸発領域SRとは異なる領域に配置されている。このことにより、作動液2bを、液流路部60だけでなく、液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。電子デバイスDの発熱量が多い場合には、液貯蔵部70に貯蔵されている作動液2bを蒸発領域SRに送り込むことができ、作動流体2a、2bの環流の範囲を増大できる。このため、電子デバイスDの冷却効率を向上できる。また、電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、蒸発領域SRのうち液流路部60に作動液2bが滞留することを抑制でき、作動流体2a、2bの環流の範囲を増大できる。このため、作動蒸気2aが熱を放出する領域を広くでき、ベーパーチャンバ1の放熱効率を向上できる。この結果、電子デバイスDの発熱量によらずに、ベーパーチャンバ1の性能低下を抑制できる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、液貯蔵部70に作動液2bを貯蔵できる。このことにより、電子デバイスDが発熱を停止している間、作動液2bを、液流路部60だけでなく、液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。このため、作動液2bの凝固点より低い温度環境下において、液流路部60内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、上側シート20に作用する膨張力を低減でき、上側シート20が変形することを抑制できる。また、液貯蔵部70内の作動液2bが凍結して膨張した場合であっても、下側シート10に作用する膨張力を低減でき、下側シート10が変形することを抑制できる。この結果、ベーパーチャンバ1の変形を抑制できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70内に、ウィックシート30のシート本体31から突出して下側シート10に当接する複数の凸部74が設けられている。互いに隣り合う一対の凸部74の間のギャップ(液貯蔵主流溝71の幅w6に相当)が、液流路部60の液流路主流溝61の幅w3よりも大きくなっている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bに作用する毛細管力を、液流路部60内(液流路主流溝61内)の作動液2bに作用する毛細管力よりも小さくできる。電子デバイスDが発熱している間に、液貯蔵部70への作動液2bの移動量を低減できる。このため、作動液2bの蒸発領域SRへの輸送機能の低下を抑制でき、熱輸送効率の低下を抑制できる。また、上述したように、凸部74の間のギャップを液流路主流溝61の幅w3よりも大きくすることにより、液貯蔵部70の各液貯蔵主流溝71と各液貯蔵連絡溝75で構成される空間の合計体積を増大できる。このため、液貯蔵部70による作動液2bの貯蔵量を増大でき、電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、作動液2bが凝縮領域CRの液流路部60に滞留することをより一層抑制できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、液流路部60の液流路主流溝61が延びる方向であるX方向に直交するY方向において互いに隣り合う凸部74の間に設けられた液貯蔵主流溝71を有しており、液貯蔵主流溝71が、X方向に延びている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bはX方向に流れることができ、液貯蔵部70から流出する作動液2bは、X方向の推進力を有することができる。このため、液貯蔵部70から流出する作動液2bを、蒸発領域SRにスムースに輸送できる。
また、本実施の形態によれば、互いに隣り合う一対の凸部74の間のギャップが、互いに隣り合う一対のランド部33の間のギャップ(貫通部34の幅w2に相当)よりも小さくなっている。このことにより、液貯蔵部70内の作動液2bに、毛細管力が作用できる。このため、液貯蔵部70内に、作動液2bを引き込むことができ、作動液2bを貯蔵できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、各ランド部33の第1本体面31aに設けられている。このことにより、作動液2bを、各液貯蔵部70に分散して貯蔵できる。このため、電子デバイスDの発熱量が多い場合には、蒸発領域SRに送り込む作動液2bの量を増大でき、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、液流路部60に作動液2bが滞留することをより一層抑制でき、ベーパーチャンバ1の放熱効率をより一層向上できる。
また、本実施の形態によれば、液貯蔵部70は、X方向において、ランド部33の一側に配置されている。このことにより、蒸発領域SRが、X方向においてベーパーチャンバ1の一側に形成される場合には、液貯蔵部70を、蒸発領域SRとは異なる領域に配置できる。このため、電子デバイスDの発熱量が多い場合には、蒸発領域SRに送り込む作動液2bの量を増大でき、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、液流路部60に作動液2bが滞留することをより一層抑制でき、ベーパーチャンバ1の放熱効率をより一層向上できる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、第1の実施の形態の変形例として述べた第1変形例、第2変形例、第3変形例および第4変形例を適用できる。
例えば、第2の実施の形態において、第1変形例のように、連通部80を設けることにより、液流路部60と液貯蔵部70との間で、作動液2bがスムースに移動できる。このことにより、液流路部60から液貯蔵部70への作動液2bの移動量が増大し、液貯蔵部70における作動液2bの貯蔵量を増大できる。また、電子デバイスDの発熱量が多い場合には、液貯蔵部70に貯蔵されている作動液2bを蒸発領域SRにスムースに送り込むことができる。作動流体2a、2bの環流の範囲を効果的に増大できる。このため、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。また、電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、蒸発領域SRのうち液流路部60に作動液2bが滞留することをより一層抑制でき、作動流体2a、2bの環流の範囲を増大できる。このため、ベーパーチャンバ1の放熱効率をより一層向上できる。
また、第1変形例のように、連通部80が連通凹部81を含むことにより、液流路部60と液貯蔵部70との間の作動液2bの流路抵抗を減らすことができる。このことにより、電子デバイスDの発熱量が多い場合には、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上できる。電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、ベーパーチャンバ1の放熱効率をより一層向上できる。さらに第1変形例によれば、連通凹部81が、液流路連絡溝65および液貯蔵連絡溝75に延びていることにより、液流路部60と液貯蔵部70との間の作動液2bの流路抵抗をより一層減らすことができる。
例えば、第2の実施の形態において、第2変形例のように連通部80が貫通孔82を含むことにより、液流路部60と液貯蔵部70との間の作動液2bの流路抵抗を減らすことができる。このことにより、電子デバイスDの発熱量が多い場合には、電子デバイスDの冷却効率をより一層向上でき、電子デバイスDの発熱量が少ない場合には、ベーパーチャンバ1の放熱効率をより一層向上できる。さらに第2変形例によれば、貫通孔82が、液流路交差部66および液貯蔵交差部76に延びていることにより、液流路部60と液貯蔵部70との間の作動液2bの流路抵抗をより一層減らすことができる。
また、上述した本実施の形態による液貯蔵部70と、第1の実施の形態による液貯蔵部70とを組み合わせてもよい。この場合、ウィックシート30の各ランド部33に、2つの液貯蔵部70が設けられる。一方の液貯蔵部70は、平面視で蒸発領域SRに配置され、他方の液貯蔵部70は、平面視で凝縮領域CRに配置されている。蒸発領域SR内の液貯蔵部70と、凝縮領域CR内の液貯蔵部70とは、X方向において互いに離間していてもよい。この場合には、第1の実施の形態の液貯蔵部70により得られる効果と、第2の実施の形態の液貯蔵部70により得られる効果の両方を得ることができる。
本発明は上記各実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

Claims (1)

  1. 作動流体が封入されるベーパーチャンバの第1シートと第2シートとの間に介在されるベーパーチャンバ用のウィックシートであって、
    第1本体面と、前記第1本体面とは反対側に設けられた第2本体面と、を有するシート本体と、
    前記シート本体を貫通する貫通空間と、
    前記第2本体面に設けられ、前記貫通空間と連通した第1溝集合体と、
    前記第1本体面に設けられ、前記貫通空間と連通した第2溝集合体と、を備え、
    前記第1溝集合体は、第1方向に延びる複数の第1主流溝を含み、
    前記第2溝集合体は、前記第1方向に延びる複数の第2主流溝を含み、
    前記第2主流溝の流路断面積は、前記第1主流溝の流路断面積よりも大きい、ベーパーチャンバ用のウィックシート。
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