JP5453957B2 - 光学装置およびプロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、光変調装置を有する光学装置、およびこの光学装置を備えたプロジェクターに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置で変調された光束を拡大投写する投写光学装置とを備えるプロジェクターが知られている。光変調装置は、例えば、1対の基板間に液晶が密封封入されたアクティブマトリックス駆動方式の液晶パネルで構成され、フレームによって保持され光学装置として構成されている。
液晶パネルは、液晶層、各種配線、およびブラックマトリックス等に光源からの光束が吸収されることによって発熱し、劣化する恐れがある。このため、光学装置に空気を吹き付けて液晶パネルを冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、透過型の液晶パネルとフレームとを有する光学装置(液晶表示素子)、および光学装置に空気を送風するファンを備えている。フレームは、液晶パネルの外周を保持するように構成され、端部には、傾斜部が形成されている。そして、液晶パネルは、ファンから供給され、傾斜部に沿って流れた空気がスムーズに表面に導かれることによって冷却されるように構成されている。
特開2002−107698号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、フレームに傾斜部を設けることによって、空気を液晶パネルの表面に導くとはいうものの、液晶パネルの表面は、外周がフレームに覆われていると共に、フレームの表面と段差があるため、表面全体に空気が導かれず、液晶パネルは、充分冷却されない恐れがある。また、液晶パネルを充分冷却するために、ファンの回転数を上げると騒音が増し、プロジェクターから投写された画像光を観察する観察者に不快感を与える恐れがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る光学装置は、画素電極および前記画素電極に接続されるスイッチング素子を有する素子基板、および前記素子基板に対向して配設された対向基板を有し、光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置を保持するフレームと、前記対向基板の光束が入射する入射側端面に密着して配置された入射側防塵ガラスと、を備え、前記入射側防塵ガラスは、平面サイズが前記対向基板の平面サイズより大きく形成され、前記フレームの光路前段側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、入射側防塵ガラスは、対向基板の入射側端面に密着して配置されているので、入射側端面に塵埃が付着することを防止することができる。また、入射側防塵ガラスは、平面サイズが対向基板の平面サイズより大きく形成され、フレームの光路前段側に配置されている。つまり、入射側防塵ガラスは、外周端部が対向基板の外周端部から突出し、光束が入射する側の全面が露出して配置される。これによって、入射側防塵ガラスは、平面サイズが対向基板の平面サイズと略同等に形成され、フレームの光路後段側、つまりフレームの内部に配置されている場合に比べて、外気に露出する表面積が大きく構成される。よって、入射側防塵ガラスの効率的な放熱が可能となり、入射する光束に伴って発熱する光変調装置の効率的な冷却が可能となる。したがって、光変調装置は、温度上昇が抑制され、入射した光束を安定して変調することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に係る光学装置において、前記フレームは、前記入射側防塵ガラスの端面に隣接し、前記入射側防塵ガラスの前記光束が入射する第1面に沿う方向から当該光学装置に向けて供給された空気を前記第1面に導く整流部を備えていることが好ましい。
この構成によれば、第1面に沿う方向から光学装置に向けて供給された空気は、整流部によって第1面に導かれるので、対向基板から突出している入射側防塵ガラスの外周端部によって遮られることが抑制され、効率良く第1面に流通する。これによって、入射側防塵ガラスの放熱性が向上し、光変調装置のさらに効率的な冷却が可能となる。
[適用例3]上記適用例に係る光学装置において、前記フレームと前記入射側防塵ガラスとの間には、前記入射側防塵ガラスの前記光束が入射する第1面に沿う方向の空気が流通する間隙が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、フレームと入射側防塵ガラスとの間には、第1面に沿う方向の空気が流通する間隙が設けられているので、この間隙を形成する第1面と反対側の第2面、および第2面に対向するフレームの部位に空気を流通させることができる。よって、入射側防塵ガラスを両面から放熱することができると共に、フレームの放熱性が向上し、光変調装置のさらに効率的な冷却が可能となる。
[適用例4]上記適用例に係る光学装置において、前記フレームは、前記入射側防塵ガラスの第1端面に隣接し、前記入射側防塵ガラスの前記光束が入射する第1面に沿う方向から当該光学装置に向けて供給された空気を前記第1面に導く整流部を有し、前記第1端面に交差する前記入射側防塵ガラスの第2端面を含む端部と、前記フレームとの間には、前記第1面に沿う方向の空気が流通する間隙が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、フレームは、第1端面に隣接する整流部を有し、第1端面に交差する第2端面を含む入射側防塵ガラスの端部と、フレームとの間には、間隙が設けられている。これによって、第1面に沿う方向から供給された空気を、整流部によって損失が少なく第1面に流通させることができると共に、間隙を形成する第1面と反対側の第2面、および第2面に対向するフレームの部位に空気を流通させることができる。よって、入射側防塵ガラスの第1面側の効率的な放熱が可能になると共に、第2面、および第2面に対向するフレームの部位からの放熱が可能となる。したがって、入射側防塵ガラスおよびフレームの放熱性がより向上し、光変調装置のさらに効率的な冷却が可能となる。
[適用例5]上記適用例に係る光学装置において、前記素子基板は、前記フレームに接着剤を介して固定されていることが好ましい。
この構成によれば、素子基板は、フレームに接着剤を介して固定されているので、入射する光束に伴って発熱する光変調装置の熱を効率良くフレームに伝導させることが可能となる。よって、フレームを放熱することで、光変調装置の効率的な冷却が可能となる。
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光束を変調する上記記載の光学装置と、前記光学装置で変調された光束を投写する投写光学装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクターは、上述した光学装置を備えているので、光変調装置の効率的な冷却が可能となり、品質の良好な画像光を長期に亘って投写することが可能となる。よって、プロジェクターの長寿命化が図れる。
第1実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図。 第1実施形態の光学装置を分解した斜視図。 第1実施形態の光学装置を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図。 第2実施形態の光学装置を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図。 第3実施形態の光学装置を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図。 変形例の光学装置を模式的に示す斜視図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、その画像光をスクリーン等に拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、光源211を有し、略L字状に形成された光学ユニット2、光学ユニット2を冷却する冷却ファン3、外装を構成する外装筐体4、図示しない制御部、および光源211や制御部等に電力を供給する電源装置等を備えている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
光学ユニット2は、制御部による制御の下、光源211から射出された光束を光学的に処理し、画像情報に応じた画像光を形成して投写する。
図1に示すように、光学ユニット2は、光源装置21、照明光学装置22、色分離光学装置23、リレー光学装置24、電気光学装置25、投写光学装置としての投写レンズ26、およびこれらの光学部品を所定位置に配置する光学部品用筐体27を備える。
光源装置21は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源211およびリフレクター212等を備える。そして、光源装置21は、光源211から射出された光束をリフレクター212によって射出方向を揃え、照明光学装置22に向けて射出する。
照明光学装置22は、第1レンズアレイ221、第2レンズアレイ222、偏光変換素子223、および重畳レンズ224を備える。
第1レンズアレイ221は、光源211から射出された光束の光軸L方向から見て略矩形の輪郭を有する小レンズがマトリックス状に配列された構成を有しており、光源装置21から射出された光束を複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ222は、第1レンズアレイ221と略同様の構成を有しており、重畳レンズ224とともに、部分光束を後述する液晶パネル51の表面に略重畳させる。偏光変換素子223は、第2レンズアレイ222から射出されたランダム偏光光を液晶パネル51で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
色分離光学装置23は、2枚のダイクロイックミラー231,232、および反射ミラー233を備え、照明光学装置22から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学装置24は、入射側レンズ241、リレーレンズ243、および反射ミラー242,244を備え、色分離光学装置23で分離されたB光をB光用の液晶パネル51Bまで導く機能を有する。なお、光学ユニット2は、リレー光学装置24がB光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、R光を導く構成としてもよい。
電気光学装置25は、入射側偏光板251、光学装置5、射出側偏光板254、色合成光学装置としてクロスダイクロイックプリズム255を備え、色分離光学装置23で分離された各色光を画像情報に応じて変調し、画像光を形成する。
入射側偏光板251は、3色の色光毎に備えられており、色分離光学装置23で分離された各色光のうち、偏光変換素子223で揃えられた偏光光を透過し、その偏光光と異なる偏光光を吸収して光学装置5に射出する。
光学装置5は、3色の色光毎に備えられており、光変調素子としての液晶パネル51(R光用の液晶パネルを51R、G光用の液晶パネルを51G、B光用の液晶パネルを51Bとする)を備え、入射側偏光板251から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。光学装置5については、後で詳細に説明する。
射出側偏光板254は、入射側偏光板251と略同様の機能を有し、液晶パネル51から射出された光束のうち一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。
クロスダイクロイックプリズム255は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。誘電体多層膜は、液晶パネル51R,51Bから射出され、射出側偏光板254を介して射出された色光を反射し、液晶パネル51Gから射出され、射出側偏光板254を介して射出された色光を透過する。このようにして、クロスダイクロイックプリズム255は、各液晶パネル51R,51G,51Bにて変調された各色光を合成して画像光を形成する。
投写レンズ26は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、電気光学装置25にて形成された画像光をスクリーン上に拡大投写する。
冷却ファン3は、シロッコファンで構成されており、吐出した空気を図示しないダクトを介して光学装置5に吹き付けて光学装置5を冷却する。
ここで、光学装置5について詳細に説明する。
図2は、光学装置5を分解した斜視図である。図3は、光学装置5を示す図であり、(a)は断面図、(b)は光束が入射する側から見た正面図である。なお、図2、図3は、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものと適宜異ならせた図である。
光学装置5は、図2、図3に示すように、液晶パネル51に加えて入射側防塵ガラス52、射出側防塵ガラス53、フレキシブルプリント基板54、およびフレーム6を備えている。
液晶パネル51は、図2、図3に示すように、ガラスなどからなる矩形状の素子基板511および対向基板512に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。
素子基板511は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリックス状に配列形成される画素電極と、データ線、走査線、および画素電極と電気的に接続されるTFT(Thin Film Transistor)あるいはMIM(Metal Insulator Metal)等のスイッチング素子とを有している。また、素子基板511の一方の端部には、制御部との電気的接続のための接続端子が形成されている。
対向基板512は、素子基板511に対して所定間隔を有し、対向して配設される基板であり、所定の電圧が印加される共通電極、ブラックマトリックス等を有している。対向基板512は、平面サイズが素子基板511の平面サイズより小さく形成されており、素子基板511の接続端子が露出し、接続端子部と対向する側が対向基板512より突出するように形成されている。なお、以下においては、説明の便宜上、接続端子が形成されている側を上側、図3(b)の図面視における右側を右側として記載する。また、対向基板512から突出し、対向基板512と対向する側の素子基板511の面を突出面という。
フレキシブルプリント基板54は、一端が素子基板511の接続端子部に電気的に接続固定されており、他端が制御部に着脱可能に接続される。
液晶パネル51は、このフレキシブルプリント基板54を介して制御部から駆動信号が入力され、所定の画素電極と共通電極との間に電圧が印加される。そして、液晶パネル51は、画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板251から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
入射側防塵ガラス52は、石英ガラス等の光束を透過する板材で、平面サイズが対向基板512の平面サイズより大きい矩形状に形成されている。入射側防塵ガラス52は、図3に示すように、4辺がそれぞれ対向基板512より突出し、対向基板512の光束が入射する入射側端面512Nにシリコン系等の接着剤を介し、密着して固定されている。
入射側防塵ガラス52は、入射側端面512Nに塵埃が付着することを防止すると共に、光源からの光束が吸収されることによって発熱する液晶パネル51の熱を放熱する機能を有している。また、入射側防塵ガラス52には、光束が入射する第1面52Nの反対側の第2面52Sに、蒸着等によって形成された反射膜52Aが設けられている。反射膜52Aは、図3(b)に示すように、液晶パネル51の画像形成領域51Aの外側の領域に形成されており、光学装置5に射出され画像光の形成に寄与しない光束を反射する。
射出側防塵ガラス53は、入射側防塵ガラス52と同様に、石英ガラス等の光束を透過する板材で形成されている。射出側防塵ガラス53は、図3(a)に示すように、平面サイズが素子基板511の平面サイズと略同一サイズに形成され、素子基板511の光束が射出する射出側端面511Sにシリコン系等の接着剤を介し、密着して固定されている。射出側防塵ガラス53は、射出側端面511Sに塵埃が付着することを防止すると共に、発熱する液晶パネル51の熱を放熱する機能を有している。
入射側防塵ガラス52および射出側防塵ガラス53によって、液晶パネル51は、入射側端面512Nおよび射出側端面511Sに塵埃が付着することが防止される。そして、入射側防塵ガラス52の第1面52N、および射出側防塵ガラス53の光束が射出される側の面に塵埃が付着しても焦点からずれた位置なので、投写される画像は、表示陰等の画像の劣化が抑制される。なお、入射側防塵ガラス52および射出側防塵ガラス53は、石英ガラスに限らず、例えば、サファイア、水晶等で構成してもよい。
フレーム6は、液晶パネル51を保持するように形成され、設置用のピンを介してクロスダイクロイックプリズム255に取り付けられる。
フレーム6は、マグネシウム合金製で外形が略直方体状に形成され、収納部61、開口部62、整流部63、補助整流部64、切り欠き部65、および設置用孔66を有している。また、フレーム6は、図3(a)に示すように、下端部および上端部の光束が入射する側の角部がそれぞれ面取りされた斜面6Aおよび斜面6Bを有している。
収納部61は、素子基板511および射出側防塵ガラス53が収納される凹部であり、平面視矩形状に形成され、底面61Aを有している。
開口部62は、底面61Aに設けられており、入射側偏光板251から射出された色光が通過する。開口部62は、対向基板512の外形寸法より大きな寸法に形成されており、縁部67の厚み、具体的に、光束が入射する側の外面6Cと底面61Aとの寸法は、対向基板512の板厚より薄く形成されている。
液晶パネル51は、図3(a)に示すように、対向基板512が開口部62に挿通され、素子基板511の突出面のうち接続端子を除く部位が底面61Aに接着されてフレーム6に保持される。また、液晶パネル51は、対向基板512の入射側端面512Nが外面6Cより突出してフレーム6に配置される。そして、入射側防塵ガラス52は、フレーム6の外面6Cから突出した対向基板512の入射側端面512Nに接着されてフレーム6の光路前段側に配置される。
なお、液晶パネル51とフレーム6とを組み合わせる際の位置決めの基準を、底面61Aに接着される素子基板511の突出面のうちの少なくとも一つの面と、その面に隣接する対向基板512の側面と、としている。また、入射側防塵ガラス52を対向基板512の入射側端面512Nに接着する際に、フレーム6を位置決めの基準としている。このように基準を決めることにより、対向基板512と入射側防塵ガラス52との位置、特に、対向基板512のブラックマトリックスと入射側防塵ガラス52の反射膜52Aとの位置、を精度よく合わせることができる。
整流部63は、外面6Cから突出しており、冷却ファン3から吐出された空気が、効率良く入射側防塵ガラス52の第1面52Nに流通するように形成されている。具体的に、整流部63は、図3(a)に示すように、入射側防塵ガラス52の下側の端面(第1端面52B)に隣接して設けられており、先端が入射側防塵ガラス52の第1面52Nより僅かに低い高さを有し、下側の面が斜面6Aに倣うように形成されている。
補助整流部64は、整流部63と略対称形状に形成され、入射側防塵ガラス52の上側の端面に隣接して設けられている。具体的に、補助整流部64は、図3(a)に示すように、先端が入射側防塵ガラス52の第1面52Nより僅かに低い高さを有し、上側の面が斜面6Bに倣うように形成されている。
このように、フレーム6は、斜面6Aと第1面52Nとの間、および第1面52Nと斜面6Bとの間に、空気の流れを遮る遮蔽部が殆どないように形成されている。
切り欠き部65は、フレキシブルプリント基板54が配置される部位であり、収納部61から上方に向かって切り欠かれている。設置用孔66は、設置用のピンが挿入される貫通孔であり、図3(b)に示すように、フレーム6の四隅に形成されている。なお、フレーム6は、マグネシウム合金製に限らず他の金属材料や合成樹脂で形成してもよい。
ここで、光学装置5に吹き付けられた空気の流れについて説明する。
冷却ファン3は、前述したように、吐出した空気をダクトを介して光学装置5に吹き付けて光学装置5を冷却する。具体的に、冷却ファン3およびダクトは、冷却ファン3から吐出された空気が光学装置5の下方、つまりフレキシブルプリント基板54が接続されている側の反対側から光学装置5に吹き付けられるように構成されている。より具体的に、冷却ファン3およびダクトは、入射側防塵ガラス52の第1面52Nに沿う方向から光学装置5に向けて空気を供給するようになっている。
図3(a)に示すように、冷却ファン3から吐出され、ダクトに導かれて光学装置5に吹き付けられた空気(流れF1)は、第1面52Nに直接吹き付けられると共に、フレーム6に吹き付けられる。フレーム6に吹き付けられた空気は、斜面6Aから整流部63に沿って流れた後、第1面52Nに沿って滑らかに流れる(流れF2)。第1面52Nに直接吹き付けられた空気、および流れF2の空気は、第1面52Nの略全面に亘って流通し、液晶パネル51の発熱に伴って温度上昇した入射側防塵ガラス52の熱を奪って上方に流れる(流れF3)。入射側防塵ガラス52の上方に流れた空気の一部は、補助整流部64および斜面6Bに沿って流れる(流れF4)。
このように、冷却ファン3から光学装置5に吐出された空気、つまり第1面52Nに沿う方向から光学装置5に向けて供給された空気は、整流部63によって風量や風速の損失が少なく滑らかに第1面52Nに流通して入射側防塵ガラス52を放熱する。そして、液晶パネル51は、入射側防塵ガラス52が放熱されることによって冷却される。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)入射側防塵ガラス52は、平面サイズが対向基板512の平面サイズより大きく形成され、第1面52Nが露出して配置される。これによって、入射側防塵ガラス52は、平面サイズが対向基板512の平面サイズと略同等に形成され、フレーム6の内部に配置されている場合に比べて、外気に露出する表面積が大きく構成される。よって、入射側防塵ガラス52の効率的な放熱が可能となり、入射する光束に伴って発熱する液晶パネル51の効率的な冷却が可能となる。したがって、液晶パネル51は、温度上昇が抑制され、入射した光束を安定して変調することが可能となる。
(2)冷却ファン3から吐出された空気は、整流部63によって第1面52Nに導かれるので、対向基板512から突出している入射側防塵ガラス52の外周端部によって遮られることが抑制され、効率良く第1面52Nに流通する。これによって、入射側防塵ガラス52の放熱性が向上し、液晶パネル51は、温度上昇がさらに抑制される。また、冷却ファン3から吐出された空気は、効率良く第1面52Nに導かれるので、冷却ファン3の回転数を下げることが可能となり、低騒音化が図れる。
(3)フレーム6には、補助整流部64が設けられているので、光学装置5から上方に滑らかに空気が流れ、乱流による風切り音等の抑制が可能となり、低騒音化が図れる。
(4)素子基板511は、フレーム6に接着剤を介して固定されているので、発熱する液晶パネル51の熱を効率良くフレーム6に伝導させることが可能となる。よって、冷却ファン3から吐出された空気によるフレーム6の放熱によって、液晶パネル51の効率的な冷却が可能となる。
(5)入射側防塵ガラス52は、平面サイズが大きく形成され、反射膜52Aを広く形成できるので、フレーム6に照射される光量を減少させることができる。よって、フレーム6の発熱の低減が可能となり、液晶パネル51の温度上昇の抑制が図れる。
(6)プロジェクター1は、上述した光学装置5を備えているので、液晶パネル51の効率的な冷却が可能となり、品質の良好な画像光を長期に亘って投写することが可能となる。よって、プロジェクター1の長寿命化が図れる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1実施形態のフレーム6と形状の異なるフレーム60を有する光学装置50を備えている。
図4は、光学装置50を示す図であり、(a)は断面図、(b)は、光束が入射する側から見た正面図である。なお、図4は、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものと適宜異ならせた図である。
図4に示すように、フレーム60は、第1実施形態のフレーム6と同様に、液晶パネル51を収納する収納部161、光束が通過する開口部162、フレキシブルプリント基板54が配置される切り欠き部165、および設置用のピンが挿入される設置用孔166を有している。
図4(a)に示すように、開口部162の縁部167の厚みは、第1実施形態のフレーム6の縁部67より薄く形成されており、フレーム60の光束が入射する側の外面60Aと、入射側防塵ガラス52の第2面52Sとの間には、空気が流通可能な間隙60Gが設けられている。より具体的に、間隙60Gは、外面60Aと、対向基板512から突出している第2面52Sの左右両端部との間にそれぞれ設けられており、第1面52Nに沿う方向から供給された空気が流通可能になっている。つまり、間隙60Gは、冷却ファン3から吐出された空気が流通するように形成されている。また、フレーム60は、図4(a)に示すように、下端部および上端部の光束が入射する側の角部がそれぞれ面取りされた斜面60Bおよび斜面60Cを有している。
ここで、光学装置50に吹き付けられた空気の流れについて説明する。
図4(a)に示すように、冷却ファン3から吐出され、ダクトに導かれて光学装置50に吹き付けられた空気(流れF1)は、第1面52Nに直接吹き付けられると共に、フレーム60に吹き付けられる。フレーム60に吹き付けられた空気は、一部(両端側)が斜面60Bに沿って流れた後、間隙60Gに流入し(流れF11)、他の多くの空気は、第1面52Nに流れる(流れF12)。
第1面52Nに直接吹き付けられた空気、および流れF12の空気は、第1面52Nの略全面に亘って流通し、入射側防塵ガラス52の第1面52Nから熱を奪って上方に流れる(流れF13)。一方、間隙60Gに流入した空気は、間隙60Gを形成する入射側防塵ガラス52の第2面52S、およびフレーム60の外面60Aから熱を奪って上方に流れる(流れF14)。流れF14の空気の一部は、斜面60Cに沿って流れる(流れF15)。
このように、冷却ファン3から光学装置50に吐出された空気は、入射側防塵ガラス52を両面から放熱して液晶パネル51を冷却する。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、第1実施形態の効果(1)、(4)〜(6)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)フレーム60と入射側防塵ガラス52との間には、冷却ファン3から吐出された空気が流通する間隙60Gが設けられているので、入射側防塵ガラス52を両面から放熱することができると共に、フレーム60の放熱性が向上する。よって、液晶パネル51のさらに効率的な冷却が可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1実施形態のフレーム6と形状の異なるフレーム600を有する光学装置500を備えている。
図5は、光学装置500を示す図であり、(a)は、断面図、(b)は、光束が入射する側から見た正面図である。なお、図5は、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものと適宜異ならせた図である。
図5に示すように、フレーム600は、第1実施形態のフレーム6に対して、光束が入射する側の外面の左右端部が切り欠かれた形状を有している。
具体的に、フレーム600は、図5に示すように、左右端部の外面600Aを有し、この外面600Aと、第1端面52Bに交差する入射側防塵ガラス52の第2端面52Cを含む左右両側の端部521との間に間隙600Gがそれぞれ設けられている。間隙600Gは、第2実施形態の間隙60Gと同様に、第1面52Nに沿う方向の空気、つまり冷却ファン3から吐出された空気が流通するように形成されている。左右の外面600Aの下方および上方には、図5(a)に示すように、先端の厚み寸法が小さくなるように傾斜する斜面600B,600Cがそれぞれ形成されている。
また、フレーム600は、図5に示すように、入射側防塵ガラス52の第1端面52Bに隣接して形成された整流部601、入射側防塵ガラス52の上側の端面に隣接して形成された補助整流部602、下側の斜面600D、および上側の斜面600Eを有している。整流部601は、対向基板512の左側の縁端に沿う部位から右側の縁端に沿う部位の間に設けられており、断面形状は、第1実施形態のフレーム6の整流部63と同寸法に形成されている。同様に、補助整流部602は、対向基板512の左側の縁端に沿う部位から右側の縁端に沿う部位の間に設けられており、断面形状は、第1実施形態のフレーム6の補助整流部64と同寸法に形成されている。
ここで、光学装置500に吹き付けられた空気の流れについて説明する。
図5(a)に示すように、冷却ファン3から吐出され、ダクトに導かれて光学装置500に吹き付けられた空気(流れF1)は、第1面52Nに直接吹き付けられると共に、フレーム600に吹き付けられる。フレーム600に吹き付けられた空気は、一部が左右の斜面600Bに沿って流れた後、間隙600Gに流入し(流れF21)、他の多くの空気は、斜面600Dから整流部601に沿って滑らかに第1面52Nに流れる(流れF22)。
第1面52Nに直接吹き付けられた空気、および流れF22の空気は、第1面52Nの略全面に亘って流通し、入射側防塵ガラス52の第1面52Nから熱を奪って上方に流れる(流れF23)。また、流れF23の空気の一部は、斜面600Eに沿って流れる(流れF24)。一方、間隙600Gに流入した空気は、間隙600Gを形成する入射側防塵ガラス52の第2面52S、およびフレーム600の外面600Aから熱を奪って上方に流れ(流れF25)、流れF25の空気の一部は、斜面600Cに沿って流れる(流れF26)。
このように、冷却ファン3から光学装置500に吐出された空気は、整流部601によって、風量や風速の損失が少なく滑らかに第1面52Nに流れると共に、間隙600Gによって、入射側防塵ガラス52の第2面52S側およびフレーム600を放熱して液晶パネル51を冷却する。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)フレーム600には、冷却ファン3から吐出された空気を第1面52Nに導く整流部601が形成され、フレーム600と入射側防塵ガラス52との間には、冷却ファン3から吐出された空気が流通する間隙600Gが設けられている。これによって、入射側防塵ガラス52の第1面52Nから効率的に放熱することが可能になると共に、間隙600Gを形成する第2面52S、およびフレーム600の外面600Aからの放熱が可能となる。したがって、入射側防塵ガラス52およびフレーム600の放熱性がより向上し、液晶パネル51のさらに効率的な冷却が可能となる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、フロントタイプのプロジェクター1として適用しているが、投写対象面としてのスクリーンを一体で有するリアタイプのプロジェクターにも適用できる。
光源211は放電型のランプに限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード等の固体光源で構成してもよい。
前記実施形態は、冷却ファン3から吐出された空気が光学装置5,50,500の下方から吹き付けられるように構成されているが、空気を他の方向、例えば光学装置の左方あるいは右方から吹き付けるように構成し、その方向からの空気に対応するように光学装置を構成してもよい。図6は、変形例の光学装置510を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、光学装置510は、左方から吹き付けられた空気に対応するように構成されており、フレーム610の左右の端部には、整流部611、補助整流部612がそれぞれ形成されている。そして、光学装置510の左方から吹き付けられた空気は、整流部611に沿って流れた後、第1面52Nの略全面に亘って流通し、補助整流部612に沿って右方に流れる。また、図示は省略するが、前記実施形態の光学装置50,500と同様に、フレーム610と入射側防塵ガラス52との間に、左右方向の空気が流通する間隙を設けるように構成してもよい。
1…プロジェクター、2…光学ユニット、3…冷却ファン、5,50,500,510…光学装置、6,60,600,610…フレーム、25…電気光学装置、26…投写レンズ、51…液晶パネル、52…入射側防塵ガラス、52B…第1端面、52C…第2端面、52N…第1面、52S…第2面、53…射出側防塵ガラス、60G,600G…間隙、63,601,611…整流部、211…光源、511…素子基板、511S…射出側端面、512…対向基板、512N…入射側端面、521…端部。

Claims (3)

  1. 画素電極および前記画素電極に接続されるスイッチング素子を有する素子基板、および前記素子基板に対向して配設された対向基板を有し、光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置を保持するフレームと、
    前記対向基板の光束が入射する入射側端面に密着して配置された入射側防塵ガラスと、を備え、
    前記入射側防塵ガラスは、平面サイズが前記対向基板の平面サイズより大きく
    前記入射側防塵ガラスの前記光束が入射する側の第1面は、前記フレームの外周面よりも前記光束が入射する側に突出して配置され
    前記入射側防塵ガラスと前記フレームの外周面との間に間隙が設けられ、
    前記フレームは、
    前記入射側防塵ガラスの端面に隣接され、前記入射側防塵ガラスの前記第1面に沿う方向から供給された空気を前記第1面に導く整流部と、
    前記間隙に向けて前記空気を整流し、前記間隙に前記空気を流通させる斜面と、を有することを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置であって、
    前記素子基板は、前記フレームに接着剤を介して固定されていることを特徴とする光学装置。
  3. 光源と、
    前記光源から射出された光束を変調する請求項1または請求項2に記載の光学装置と、
    前記光学装置で変調された光束を投写する投写光学装置と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
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