JP4428243B2 - リアプロジェクタ - Google Patents
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Description
すなわち、一方の吸気口から底面部の下方に導入された空気は、光源装置冷却用の開口から光源装置に向かって流通し、当該光源装置を冷却した後、光源装置に近接する側の筐体の側面に形成された第1排気口から排出される。また、他方の吸気口から底面部の下方に導入された空気は、電源系冷却用の開口から電源系に向かって流通し、当該電源系を冷却した後、電源系に近接する側の筐体の側面に形成された第2排気口から排出される。これによれば、光源装置の冷却流路と、電源系の冷却流路の独立性を高めることができ、互いの熱干渉を一層抑えることができる。従って、光源装置および電源系の冷却効率を向上することができる。
また、光源装置の冷却流路と電源系の冷却流路とを分離したことにより、空気の流通を良好にすることができるので、筐体内部の温度を一層低くすることができる。従って、リアプロジェクタの構成部品を、一層効果的に冷却することができる。
また、それぞれの流路を独立させたことにより、光源装置および電源系の一方に空気の流通が集中することを防ぐことができる。従って、光源装置および電源系を均等に冷却することができる。
本発明によれば、光源装置を冷却した空気は、光源装置と第1排気口とを接続するダクト内を流通して、第1排気口から排出される。これによれば、光源装置の冷却に供され、熱せられた空気の排出を効率よく行うことができるので、熱せられた空気が筐体内に拡散・滞留することを防ぐことができ、筐体内部の高温化を防ぐことができる。従って、筐体内を低温化することができ、光源装置および電源系を含むリアプロジェクタの構成部品の温度上昇を一層防ぐことができる。
ここで、冷却ファンは、ファン回転軸方向から吸気した空気を回転接線方向に排気する遠心力ファン(シロッコファン)であってもよく、回転軸を中心としてファンを回転させ
ることにより、回転軸方向に沿って空気を取り込み、排出する軸流ファンであってもよい。
また、冷却ファンの吸気面が光源装置に対向配置されているので、冷却ファンの駆動により、光源装置の周囲の空気が滞留することを防ぐことができる。従って、より一層光源装置の冷却効率を向上することができる。
さらに、冷却ファンが、光源装置の上方に位置する場合には、当該光源装置の冷却に供され、熱を帯びた空気を効率よく吸引して排出することができるので、光源装置の冷却効果を一層高めることができる。
図1は、本実施形態のリアプロジェクタ1を正面側から見た斜視図である。また、図2は、リアプロジェクタ1を背面側から見た図であり、図3は、当該リアプロジェクタ1を左側面から見た図である。なお、図3でいう左側とは、リアプロジェクタ1を正面から見た場合の左側を指す。
リアプロジェクタ1は、光源から射出された光束を、入力する画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像を、当該リアプロジェクタ1に設けられた透光性のスクリーン2Bに拡大投射するものである。
リアプロジェクタ1は、図1から図3に示すように、正面側から見て略長方形状を有し、縦断面略三角形状を有する上部キャビネット2と、この上部キャビネット2を下方から支える下部キャビネット3とを備えて構成されている。これら上部キャビネット2および下部キャビネット3は、互いにねじ等により固定されている。
このうち、上部キャビネット2は、図1に示すように、内部に後述する反射ミラー2A(図4)を収納するミラーケース21と、スクリーン2Bを保持するフレーム枠22とを備えて構成される。
また、下部キャビネット3は、上部キャビネット2を支持するとともに、リアプロジェクタ1の主要な構成部品を内部に収納する平面視略台形状の箱型筐体である。
リアプロジェクタ1の正面側、すなわち、上部キャビネット2の正面側には、図1に示すように、フレーム枠22が配置されている。
フレーム枠22は、後述するミラーケース21(図2)の正面側の寸法と略同じ大きさで正面視略長方形状に形成され、当該ミラーケース21の正面側に、ねじ等により固定される。
このフレーム枠22は、前述のように、光学像が投射されるスクリーン2Bを保持する。このため、フレーム枠22の略中央には、スクリーン2Bの光学像投射領域と略同じ大きさの略長方形状の開口部221が形成され、当該開口部221からスクリーン2Bが露出する。また、この開口部221の左右両側には、背面側にそれぞれ2個のスピーカ(図示省略)が配置されたスピーカ設置部222,223が形成されている。
この開口部31の内部には、詳しい図示を省略するが、正面側操作パネルとしてのフロントパネルが設けられている。このフロントパネルの左側部分には、音量調節や画質調整等を行う各種操作スイッチ、PC(Personal Computer)接続端子としてのD−Sub端子、ステレオ音声入力端子、ビデオ入力端子、S端子等が配設されている。また、フロントパネルの右側部分には、各種半導体メモリカードが挿入可能な開口が形成され、内部に当該カードからデータを読み取るカードリーダが配設されている。このような開口部31の右側には、電源スイッチ32が設けられている。これらフロントパネルおよび電源スイッチ32は、後述する制御基板5(図5)に電気的に接続されている。
また、下部キャビネット3の正面側左右両端には、脚部33が形成されている。
リアプロジェクタ1の背面側は、図2および図3に示すように、上部キャビネット2のミラーケース21および下部キャビネット3により構成される。
このうち、ミラーケース21は、縦断面略三角形状を有する合成樹脂製の箱型筐体である。このミラーケース21は、リアプロジェクタ1の背面を構成する背面壁211と、この背面壁211の下方端部と接続される底面壁212と、これら背面壁211および底面壁212の左右両側に位置する一対の側壁213,214とから構成されている。また、このミラーケース21の正面側には、側壁213,214に略直交し、互いに離間する方向、すなわち、リアプロジェクタ1の左右方向に延出する延出部215,216が形成されている。
一対の側壁213,214は、背面壁211および底面壁212の左右両端を接続するように形成されており、後方に向かうにしたがって内側に傾斜するように形成されている。
延出部215,216は、側壁213,214の縦寸法より大きく形成され、略中央部分に、背面方向に向かって膨出した膨出部215A,216Aが形成されている。この膨出部215A,216Aは、フレーム枠22のスピーカ設置部222,223(図1)と合わさって、スピーカエンクロージャを形成する。
この下部キャビネット3の背面側には、図2における左側に、第1凹部34が形成され、右側に、第2凹部35が形成されている。
このうち、第1凹部34には、略正方形状のランプ交換口34Aが形成され、当該ランプ交換口34Aは、ランプカバー34Bによって覆われている。このランプ交換口34Aは、ランプカバー34Bを取り外すことによって開放され、当該ランプ交換口34Aを介して、後述する光学ユニット4の光源装置41(図5および図8)を交換できるように構成されている。
第2凹部35には、電源ケーブル35A、および、背面側操作パネルとしてのリアパネル35Bが設けられている。このうち、リアパネル35Bには、具体的に、PC接続端子としてのDVI(Digital Visual Interface)端子、アンテナ入力端子、および、複数系統のビデオ・音声入出力端子等が配設されている。
さらに、下部キャビネット3の背面を挟む両側面、詳述すると、下部キャビネット3を背面側から見て、第1凹部34の左側および第2凹部35の右側には、排気口37(37A,37B,37C)が形成されている。これら排気口37A〜37Cは、下部キャビネット3内の各種装置を冷却した空気が排出される開口であり、スリット状に形成されている。
このうち、第1凹部34の左側に形成された排気口37Aは、本発明の第1排気口に相当し、後述する光源装置41(図5)および光源駆動ブロック62(図6)を冷却した空気を排出する。また、第2凹部35の右側に形成された排気口37B,37Cは、本発明の第2排気口に相当し、後述する制御基板5(図5)および電源ブロック61(図6)を冷却した空気を排出する。
(2-1)上部キャビネット2の内部構成
図4は、上部キャビネット2の内部構成を示す図である。具体的に、図4は、図1の状態からスクリーン2Bを取り外したリアプロジェクタ1の正面側斜視図である。
上部キャビネット2の内部には、図4に示すように、下部キャビネット3内部に設けられた後述する光学ユニット4(図5および図8)の投射レンズ46(図8)から射出された光学像としての光束を反射する反射ミラー2Aが収納される。この反射ミラー2Aは、背面壁211(図2)の形状と略同じ平面視略台形状に形成された一般的なミラーであり、上部キャビネット2の背面壁211(図2)の内側に、台形状の長辺が上側となるように傾斜して取り付けられる。この反射ミラー2Aの傾斜角は、正面側に取り付けられるスクリーン2B(図1)と後述する光学ユニット4(図5および図8)の投射レンズ46(図8)による映像の反射との設定された位置関係に基づいて設定されている。
この底面壁212には、図4に示すように、正面側の略中央部分に略矩形状の切欠212Aが形成されており、後述する光学ユニット4(図5および図8)の投射レンズ46が露出する。また、当該切欠212Aの左側には、上方に向かって膨出した膨出部212Bが形成されている。この膨出部212Bは、後述する電源ユニット6(図5)の電源ブロック61(図5)に対応する位置に形成されている。
図5は、下部キャビネット3の内部構成を示す図である。詳述すると、図5は、図2の状態から下部キャビネット3の背面側の外装ケースを取り外したリアプロジェクタ1の背面側斜視図である。また、図6は、下部キャビネット3の内部構成を模式的に示した平面図である。
下部キャビネット3の内部には、画像を形成する光学ユニット4、リアプロジェクタ1全体の駆動制御を行う制御基板5、および、リアプロジェクタ1を構成する各電子部品に駆動電力を供給する電源ユニット6等を収納する。具体的には、これら光学ユニット4、制御基板5および電源ユニット6は、上部キャビネット2に保持されるスクリーン2Bに沿って、下部キャビネット3の底面部39に設置されている。すなわち、画像形成等のリアプロジェクタ1における主要な処理は、下部キャビネット3内に収納された構成部品によって実行される。
このうち、光学ユニット4は、図5および図6に示すように、下部キャビネット3の略中央から右側、すなわち、背面側から見て左側に配置されている。また、制御基板5および電源ユニット6は、下部キャビネット3の略中央から左側、すなわち、背面側から見て略中央から右側に配置されている。
図7は、光学ユニット4を示す斜視図である。また、図8は、光学ユニット4の光学系を示す模式図である。
光学ユニット4は、光源装置41から射出された光束を、液晶パネル451により、入力する画像情報に応じて変調して光学像を形成し、当該形成した光学像を投射レンズ46により反射ミラー2A(図4)を介して、スクリーン2B(図1)に拡大投射するものである。この光学ユニット4は、図7に示すように、下部キャビネットの底面部39(図5)の上面に設けられた光学ユニット載置台38上に載置される。
なお、この光学ユニット載置台38は、複数の板状部材から構成され、光学ユニット4を所定の位置に固定するための板状部材である。
この光源装置41は、放射光源としての光源ランプ411と、リフレクタ412と、防爆ガラス413と、これらを内部に収納する合成樹脂製の筐体である光源ランプボックス414とを備えて構成されている。そして、この光源装置41は、光源ランプ411から射出された放射状の光線をリフレクタ412で反射して平行光線とし、この平行光線を、防爆ガラス413を介して外部へと射出する。
防爆ガラス413は、リフレクタ412の開口部分を閉塞する透光性のガラス部材であり、光源ランプ411が破裂した場合に、当該光源ランプ411の破片が、光源ランプボックス414から外部に飛散しないように構成されている。
光源ランプボックス414には、図7に示すように、光源装置41をリアプロジェクタ1内に収納した際の背面方向に向かって延出した一対の把手414Aが形成されており、光源装置41を交換する際に、光源ランプボックス414を把持しやすいように構成されている。そして、光源ランプ411の寿命および破損等により光源装置41を交換する必要が生じた場合には、前述のランプカバー34B(図2)を開放して、ランプ交換口34A(図2)から光源装置41ごと交換できるように構成されている。
第1レンズアレイ421は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有し、各小レンズは、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ422は、第1レンズアレイ421と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ422は、重畳レンズ424とともに、第1レンズアレイ421の各小レンズの像を後述する液晶パネル451上に結像させる機能を有する。
具体的に、偏光変換素子423によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ424によって最終的に電気光学装置45の後述する液晶パネル451上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル451を用いたリアプロジェクタ1では、1種類の直線偏光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分が利用されない。そこで、偏光変換素子423を用いることにより、光源ランプ411から射出された光束を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置45での光の利用効率を高めている。
なお、このような偏光変換素子423は、例えば特開平8−304739号公報に紹介されている。
この際、色分離光学系43のダイクロイックミラー431では、インテグレータ照明光学系42から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー431によって反射した青色光は、反射ミラー433で反射し、フィールドレンズ455を通って、電気光学装置45の後述する青色光用の液晶パネル451Bに到達する。このフィールドレンズ455は、第2レンズアレイ422から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の光変調装置の光束入射側に設けられたフィールドレンズ455も同様である。
なお、赤色光にリレー光学系44が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色
光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ441に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ455に伝えるためである。なお、リレー光学系44には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光や緑色光を通す構成としてもよい。
この光源装置収納部材471は、部品収納部材472に接続されており、当該部品収納部材472との接続部分には、光源装置41の光源ランプ411から射出される光束が通過するように開口471Aが形成されている。
この部品収納部材472の内部には、複数の溝が形成され、当該溝に、前述の光学部品421〜424、431〜433、441〜444、455を、上方から嵌め込むようにして位置決め固定する。
また、この部品収納部材472には、図7に示すように、外面に複数の脚部472Cが形成されている。これら脚部472Cは、光学ユニット載置台38に、当該部品収納部材472を固定するためのものである。そして、部品収納部材472は、脚部472Cに形成された孔472C1を介して、光学ユニット載置台38にねじ固定される。
この蓋状部材473の偏光変換素子423に対応する位置には、開口(図示省略)が形成されており、当該開口の上方には、偏光変換素子423を冷却するための冷却ファン91が設けられている。
ヘッド体48は、例えばアルミニウム合金またはマグネシウム合金等の金属材料から構成され、電気光学装置45および投射レンズ46を一体化するとともに、一体化したユニットを光学部品用筐体47に対して取り付けるものである。
このヘッド体48は、詳しい図示を省略するが、側面視略逆T字状を有し、光束入射側の水平部481と、光束射出側の水平部482と、これら水平部481,482に挟まれ、当該水平部481,482から垂直に起立する垂直部483とから構成されている。
このうち、光束入射側の水平部481には、電気光学装置45が固定され、光束射出側の水平部482には、投射レンズ46が固定される。また、垂直部483には、電気光学装置45から射出された光束を投射レンズ46に導く開口483Aが形成されている。
制御基板5は、リアプロジェクタ1を正面側から見て投射レンズ46の左側、すなわち、図5および図6における中央右寄りに縦置きに配置されており、投射レンズ46を挟んで光源装置41の反対側に配置されている。
制御基板5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を実装した回路基板として構成され、前述のフロントパネルおよびリアパネル35B(図2)に設けられた各接続端子から入力した画像情報、および、フロントパネルに配設された操作ボタンからの操作信号を処理して、光学ユニット4(図5および図8)の液晶パネル451(図8)を含むリアプロジェクタ1(図1)全体の駆動制御を行う。この制御基板5は、図5に示すように、EMI(Electromagnetic Interference,電磁障害)を防止するため、複数の孔が形成された金属製のシールド部材で全体が覆われている。
電源ユニット6は、外部から入力する交流電流を直流変換して、リアプロジェクタ1(図1)を構成する各電子部品に、駆動電力を供給する。
この電源ユニット6は、図5および図6に示すように、下部キャビネット3の背面側に設けられた電源ケーブル35A(図2)と接続される電源ブロック61と、光源装置収納部材471の正面側に配置され、光源装置41を構成する光源ランプ411(図8)に駆動電力を供給する光源駆動ブロック62とから構成されている。
このうち、電源ブロック61は、本発明の電源系に相当し、図5および図6に示すように、背面側から見て下部キャビネット3の右側に配置されており、光源装置41とは投射レンズ46を挟んで反対側に配置されている。この電源ブロック61は、電源ケーブル35A(図2)を介して入力する商用交流電流を直流変換し、各電子部品に応じた電圧に昇圧および減圧した後に、光源駆動ブロック62および制御基板5等の電子部品に供給する。
光源駆動ブロック62は、電源ブロック61から供給される直流電流を整流、変圧して、交流矩形波電流を発生させ、この交流矩形波電流を光源装置41の光源ランプ411(図8)に供給して、当該光源ランプ411(図8)を点灯させる回路基板である。この光源駆動ブロック62は、前述の制御基板5に電気的に接続され、当該制御基板5により、光源駆動ブロック62を介して、光源ランプ411(図8)の点灯制御がなされている。
(6-1)冷却系の構成
図9は、リアプロジェクタ1を下方から見た図である。すなわち、図9は、下部キャビネット3の底面部39を下方から見た図である。また、図10は、底面部39に形成された開口部39C,39Dの位置を模式的に示す図である。すなわち、図10は、底面部39を上方から見た模式図である。
リアプロジェクタ1の下部キャビネット3には、前述のように、図9における左右端部に、脚部33が設けられている。また、この脚部33が設けられる底面部39の下面における背面側には、平面視略円形状の脚部39A,39Bが、左右方向の中心に対して対称位置に設けられている。
さらに、底面部39には、当該底面部39の外縁から略垂下する枠状脚部391が形成されている。この枠状脚部391は、底面部39と設置台等の設置面との間に所定の間隔を形成する。この枠状脚部391の背面側には、前述の吸気口36A,36B(図2)が形成されており、これにより、底面部39の下方、すなわち、底面部39と設置面との間には、空気層が形成される。従って、吸気口36A,36Bから導入されるリアプロジェクタ1外部の空気は、当該吸気口36A,36Bを介して底面部39の下方を流通することとなる。
このうち、開口部39Cは、底面部39における光源装置41の下方に位置しており、当該光源装置41に合わせた形状とされている。
開口部39Dは、図10に示すように、制御基板5の下方に位置し、制御基板5と、当該制御基板5および電源ブロック61の間に設けられた冷却ファン81とに跨るように、略長方形状に形成されている。なお、この冷却ファン81は、回転軸を中心としてファンを回転させることにより、回転軸方向に沿って空気を取り込み、排出する軸流ファンで構成され、吸気面が制御基板5に対向し、排気面が電源ブロック61に対向するように配置されている。
下部キャビネット3内には、図11に示すように、光源装置41上方に、当該光源装置41および光源駆動ブロック62を冷却する冷却ファン82と、この冷却ファン82から排出される空気を排気口37Aに導くダクト83とが設けられている。
ダクト83は、上部キャビネット2の底面壁212の背面212Eに、断面略L字状の板状部材831を取り付けることによって形成され、これらにより、断面視略三角形状に形成されている。このダクト83は、冷却ファン82を覆うように形成されており、冷却ファン82の吸気面に対応する部分が切り欠かれ、冷却ファン82による空気の吸引を妨げないようにされている。また、このダクト83内には、排気口37Aから空気が逆流しないようにする仕切部材832が、冷却ファン82の位置から投射レンズ46寄りの位置に設けられている。
ここで、光源装置41および光源駆動ブロック62を冷却する冷却流路Bと、制御基板5および電源ブロック61を冷却する冷却流路Cについて説明する。
冷却流路Bは、吸気口36Aから導入したリアプロジェクタ1外部の空気が、光源装置41および光源駆動ブロック62(図10)を冷却した後、排気口37Aを介してリアプロジェクタ1外部に排出される流路であり、背面側から見て下部キャビネット3内部の左側(図11における左側)を流通する空気の流路である。
このように、冷却流路Bがダクト83内を流通することにより、光源装置41および光源駆動ブロック62を冷却し熱せられた空気が、下部キャビネット3内に拡散し、滞留することを防ぐことができる。また、これにより、冷却後の空気の排出を効率よく行うことができるので、下部キャビネット3内部の温度上昇を防止することができる。
詳述すると、図11に示すように、吸気口36Bを介して、底面部39の下方に導入されたリアプロジェクタ1外部の空気は、冷却流路Bと同様に、リブ39F(図9)で仕切られた空間内を流通して、開口部39D(図9)に至る。この空気は、制御基板5および電源ブロック61の間に配置された冷却ファン81の駆動により、開口部39Dから制御基板5に沿って流通した後、冷却ファン81の吸気面に到達し、この過程で制御基板5を冷却する。この後、冷却ファン81により吸気された空気は、当該冷却ファン81により、電源ブロック61の方向に排出され、電源ブロック61に沿って流通して、当該電源ブロック61を冷却する。この電源ブロック61を冷却した空気は、一部が排気口37Bを介して、また、残りの一部が排気口37Cを介して、リアプロジェクタ1外部に排出される。すなわち、制御基板5および電源ブロック61の冷却に供された空気は、リアプロジェクタ1の駆動開始当初のように当該空気の温度が低い場合には、下方に形成された排気口37Cから主に排出され、内部温度が上昇し、当該空気の温度が高い場合には、上方に形成された排気口37Bから主に排出される。
すなわち、下部キャビネット3の内部には、光学ユニット4、制御基板5および電源ユニット6が、上部キャビネット2に保持されるスクリーン2Bに沿って収納されている。このうち、光源装置41、および、電源ユニット6を構成する光源駆動ブロック62は、制御基板5および電源系(電源ユニット6を構成する電源ブロック61)に対して、投射レンズ46を挟んで反対側に配置されている。そして、これら光源装置41および光源駆動ブロック62と、電源ブロック61および制御基板5とは、下部キャビネット3の底面部39において、離間した位置に配置されている。
このような構成によれば、リアプロジェクタ1の駆動時に、光源装置41および光源駆動ブロック62と、電源ブロック61および制御基板5とのうち、一方で発生した熱が他方に伝わることを防ぐことができ、リアプロジェクタ1を安定して駆動することができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
なお、光源駆動ブロック62を電源ブロック61から離れた位置に配置することにより、当該電源ブロック61から発生するノイズが、光源駆動ブロック62に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。また、光源駆動ブロック62を光源装置41の近傍に配置することにより、配線の取り回しを簡素化することができるとともに、光源装置41に送風される空気を利用して光源駆動ブロック62を冷却することができる。従って、光源駆動ブロック62を光源装置41近傍に配置することにより、リアプロジェクタ1を安定して駆動することができるとともに、これら光源駆動ブロック62および光源装置41の冷却効率を向上することができる。
加えて、前記実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
Claims (3)
- 光源装置と、この光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像を形成する光変調装置、および、この光変調装置で形成された画像を拡大投射する投射光学装置を有する光学系と、この投射光学装置からの投射画像が投影されるスクリーンと、装置全体に駆動電力を供給する電源系と、前記光源装置、前記光学系、前記電源系および前記スクリーンが収納される箱状の筐体とを備えたリアプロジェクタであって、
前記筐体は、前記スクリーンが設けられる筐体面の端部から、当該筐体の背面側に延び、それぞれが互いに対向する一対の側面と、
当該筐体内に少なくとも前記光源装置および前記電源系が載置される底面部と、
前記底面部の外縁から略垂下して、当該筐体が設置される設置面に当接し、前記底面部を前記設置面から所定の間隔を隔てて配置させる枠状脚部とを備え、
前記光源装置および前記電源系は、前記光学系を挟んで互いに反対側に配置されるとともに、前記光源装置、前記光学系および前記電源系は、前記スクリーンの投射面に沿って配列され、
前記枠状脚部には、前記筐体を設置した際に、前記底面部の下方に空気を導入する少なくとも2つの吸気口が形成され、
前記底面部には、前記光源装置および前記電源系の近傍に、前記2つの吸気口のうち、一方の吸気口から導入した空気を前記光源装置に流通させる光源装置冷却用の開口と、他方の吸気口から導入した空気を前記電源系に流通させる電源系冷却用の開口とが形成され、
前記底面部の下面には、前記一方の吸気口から導入され、前記光源装置冷却用の開口に流通する空気と、前記他方の吸気口から導入され、前記電源系冷却用の開口に流通する空気とを隔てる隔壁が形成され、
前記筐体の側面のうち、前記光源装置に近接する側の側面には、前記光源装置を冷却した空気を排出する第1排気口が形成され、前記電源系に近接する側の側面には、前記電源系を冷却した空気を排出する第2排気口が形成されていることを特徴とするリアプロジェクタ。 - 請求項1に記載のリアプロジェクタにおいて、
前記第1排気口と、前記光源装置とを接続し、当該光源装置を冷却した空気を、前記第1排気口を介して外部に導くダクトを備えることを特徴とするリアプロジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のリアプロジェクタにおいて、
前記第1排気口と、前記光源装置との間には、当該光源装置を冷却する冷却ファンを備え、
前記冷却ファンの吸気面は、前記光源装置に対向していることを特徴とするリアプロジェクタ。
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