JP5453627B2 - 内部応力を緩和した酸化物超電導体膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力輸送、電力機器、情報機器分野で用いる超電導物質の製造方法、より詳しくは超電導物質をコーティングした内部応力を緩和した超電導材料膜(限流器、マイクロ波フィルタ、テープ材料、線材)の製造方法に関するものである。
従来、希土類系酸化物超電導材料を成膜する基板に関しては、酸化アルミニウム(Al2O3)、イットリア安定化ジルコニア((Zr,Y)O2,YSZ)、酸化マグネシウム(MgO)、ランタンアルミネート(LaAlO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ネオジムガレート(NdGaO3)あるいはイットリウムアルミネート(YALO3)などが候補として選ばれる。この中でも酸化アルミニウム(サファイア)基板は、機械的強度や誘電率の関係から、またさらには安価であるためマイクロ波デバイス向けに適しているとされている。
ここで希土類系酸化物超電導材料を代表的なYBCOとして、実際の成膜について流れを説明する。この材料は結晶成長としてa軸とc軸方向に成長するが、デバイスして必要な高い臨界電流を示すためには材料全体を基板に対してエピタキシャル成長したc軸配向結晶とする必要がある。
しかしながら安価なサファイア基板上へYBCOをエピタキシャルに成膜しようとすると、サファイア基板とYBCOの熱膨張の差によって、YBCOに引っ張り歪みが生じマイクロクラックが生じてしまう。このクラックが入る最小の膜厚を臨界膜厚と呼ぶが、サファイア基板の場合は臨界膜厚が約250〜280nmである。ここでマイクロ波デバイス向けの超電導材料は、超電導体の磁場侵入長の2倍である500nm以上の膜厚が望ましいとされており、サファイア基板上に通常に成膜しただけではマイクロ波デバイス用途としては必要な膜厚を満たさない。このためマイクロ波デバイス用途では500nm以上の厚膜化が可能なMgO基板が使用されており、安価でも厚膜化に不向きなサファイア基板はこれまでマイクロ波デバイス向けに使われてこなかった。
そのため、サファイア基板への300nm以上の成膜を目的とした開発が進められており、特許も出願されている。以下に例を挙げると、特許文献1に示すものは、サファイアのオフカット基板を使用するというものである。図1〜2に示すものは、特許文献1により提案されている方法を示したものであり、サファイア基板を通常成膜に使用するR面ではなく、R面から僅かにずらしてカットしたオフカット基板と呼ばれるものを使用している。この面の上に、超電導材料とサファイア基板とが反応しないように中間層CeO2を成膜するが、この際にサファイアとCeO2との格子定数のミスマッチから格子歪みが発生する。この歪みが発生したCeO2の上に超電導材料を成膜すると、サファイア−CeO2間の歪みを反映したまま超電導材料が成長し、材料内部に欠陥が生じて、焼成時の引っ張り応力を緩和するというものである。
また特許文献2に示すものは、YBCOと、Yを他の希土類元素(Re;Dy、Eu、Gd…その他)で置換した(Re)BCOとを積層した超電導材料である。図3はその模式図を示したものである。それぞれの材料の格子定数が異なるため、界面で格子歪みが発生し、材料内部に欠陥が生じて、焼成時の引っ張り応力を緩和するというものである。
特許文献1、2ともに手法は違えども超電導材料の内部に生じる引っ張り歪みを緩和して、マイクロクラックの発生を抑制するという考えに沿った方法である。
また、特許文献3には、超電導材料の成膜時にレーザ照射を組み合わせた手法が提案されている。その具体的な工程としては、(1)金属の有機化合物の溶液を基板に塗布する工程、(2)塗布した有機化合物を乾燥する工程、(3)レーザ照射工程、(4)有機成分を除去する工程(仮焼成工程)、(5)無機化合物を結晶化させる工程(本焼成工程)から成る超電導材料の製造方法が既に知られている。
:特開2005-290528号公報 :特開2008-140789号公報 :特開2007-70216号公報
しかしながら特許文献1の方法では、意図的に数度ずらしたカットや研磨が難しく、再現性に課題がある。そのため安定した品質の基板の入手が困難となり、基板調達のコストが高くなるという問題がある。
また特許文献2の方法では、蒸着やPLDといった気相法においては成膜と熱処理を積層する各層ごとに順番に行えるので、それぞれの材料に適した熱処理を適用できるため実施可能であるが、真空装置が必要となるために大量生産が難しいという問題がある。一方溶液法では特許文献3を発展させた形で組成の異なる超電導前駆体を塗布乾燥した多層膜を作ることは可能であるが、熱処理を同時に行うこととなるため、それぞれの組成に対応した熱処理を施すことができずにエピタキシャル成長が困難であった。加えて相互拡散が生じやすく、所望の効果が得られがたい等の問題があった。
気相法と溶液法を比較したときに、真空装置が必要となる気相法では、製造コストが高く、さらにバッチ処理となるため製造枚数に限界があるので、製造コストを下げるためには、溶液法においてサファイア基板上への300nm以上となる超電導材料の成膜技術が必要となる。
本発明は、上記の特許文献とは異なる方法で、溶液法においてサファイア基板上への厚膜化を解決するためになされたもので、マイクロクラックの発生を抑制して300nm以上の膜厚を持つサファイア基板上に超電導材料の成膜を可能にすることを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、成膜時において材料内部に結晶方位が異なる部分を意図的に成長させ、それによって材料内部に生じる応力を緩和してクラックの発生を抑制して、安価でも熱膨張の差が大きく厚膜化に不向きなサファイア基板への超電導材料の300nm以上の成膜を可能としたものである。
次に作用について、基板をサファイア、希土類系酸化物超電導材料をYBCOとして例に挙げ説明する。サファイア基板上に完全なエピタキシャル膜となるc軸配向膜を成膜した場合、材料内部に発生する引っ張り応力によってクラックが発生する。そこで、あらかじめ超電導材料を結晶化する本焼成工程を行う前に、超電導物質内にa軸成長する前駆体とc軸成長する前駆体を混在させておき、その後に本焼成を行うと、材料内部がa軸結晶粒とc軸結晶粒が混在した膜ができる。材料内部に二つの結晶粒が混在することで、格子の歪みが発生して引っ張り応力が緩和されるので、臨界膜厚とされる300nmを越える超電導材料でもマイクロクラックが発生せずに、サファイア基板に成膜することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、酸化物が超電導物質を形成する金属の有機化合物溶液を基板上に塗布し乾燥させる工程(1)、紫外光であるエキシマレーザによって金属の有機化合物の有機成分を光分解するレーザ照射工程(2)、金属の有機化合物中の有機成分を熱分解させる仮焼成工程(3)、超電導物質への変換を行う本焼成工程(4)を経て基板上にエピタキシャル成長させた超電導薄膜材料を製造するに際し、本焼成工程を行う前に所定の箇所のみにレーザ照射を行うことにより、超電導物質内にa軸成長する前駆体箇所とc軸成長する前駆体箇所を混在させたのちに本焼成工程を行い、所定の箇所のみc軸成長させる超電導材料の製造方法において、酸化物が超電導物質を形成する金属の有機化合物溶液を基板上に塗布し乾燥させる工程(1)と紫外光であるエキシマレーザによって金属の有機化合物の有機成分を光分解するレーザ照射工程(2)と金属の有機化合物中の有機成分を熱分解させる仮焼成工程(3)とを所定回数繰り返したのち、超電導物質への変換を行う本焼成工程(4)を行う、所望の厚さになるまで所定の箇所のみc軸成長させることを特徴とする内部応力を緩和する酸化物超電導材料の製造方法である。
また、本発明の酸化物超電導材料の製造方法においては、基板をサファイアの単結晶基板とすることができる。
さらに、本発明の酸化物超電導材料の製造方法においては、c軸成長部分(C)の形状が電子回路であり、a軸成長部分(A)の形状がc軸成長部分(C)の形状を取り囲んだ形状とすることができる。
また、本発明の酸化物超電導材料の製造方法においては、基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が300nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0とすることができる。
さらにまた、本発明は、基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が500nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0〜1である請求項2又は請求項3に記載した酸化物超電導材料の製造方法により得られる酸化物超電導膜である。
以上のように本発明によれば、溶液法による超電導材料の成膜において故意にa軸とc軸を混在させて結晶化したので、それによって材料内部に発生する応力を緩和することができ、サファイア基板上への希土類系酸化物超電導材料の臨界膜厚とされる300nmの膜厚を越えてもマイクロクラックの発生なしに厚膜化することが可能となる。
特許文献1で示される厚膜化の手法における基板の模式図 特許文献1で示される厚膜化の手法における基板の模式図 特許文献2で示される厚膜化の手法における基板の模式図 マイクロ波フィルタの最終形態 レーザを全面照射した場合と一部照射した場合のYBCO表面電子顕微鏡写真の比較(実施例1) サファイア基板上のYBCO300nm表面の電子顕微鏡写真(実施例2) サファイア基板上のYBCO500nm表面の電子顕微鏡写真(実施例3)
以下、この発明実施形態を図に基づいて説明する。
ここで材料内にc軸とa軸を混在させる手段としては、レーザ照射とマスクを使ったパターン形成法などが考えられる。また、マスクに代えて市販のレーザ描画を用いて、照射したいエリアだけレーザをマスクなしでうつ方法を用いても良い。装置特許文献3には、超電導材料の成膜時にレーザ照射を組み合わせた手法が提案されている。その具体的な工程としては、(1)金属の有機化合物の溶液を基板に塗布する工程、(2)塗布した有機化合物を乾燥する工程、(3)レーザ照射工程、(4)有機成分を除去する工程(仮焼成工程)、(5)無機化合物を結晶化させる工程(本焼成工程)から成る超電導材料の製造方法が知られている。
この製造方法により得られた超電導材料を調査研究すると、レーザ照射した箇所としていない箇所では、同一の焼成条件で焼成した場合に、レーザ照射した箇所のみ高い超電導特性を示すことが判明した。またこの際の焼成条件は、従来のレーザ照射を行わない焼成条件に比べて熱処理時間が大きく短縮されることも解った。
この差が現れる要因としては、前駆体の段階で材料にレーザ照射することにより、レーザの光化学反応によって材料内部の分子の結合が切断され、非常に微細な前駆体となることが推測され、そのためある程度の分解が進んだ状態から熱処理を開始するため従来の熱処理時間よりも短くすむ。また、熱のみで分解するより微細な前駆体が生成するので、結晶化の際に組成ずれや偏析が起こりにくく、エピタキシャル成長、つまりc軸配向しやすいことが判明した。
この現象を利用して超電導材料内にa軸とc軸を混在させる。まずサファイア基板上に100nm程度の薄い超電導薄膜を成膜する。このときに、例えば、最終用途であるマイクロ波デバイスを想定すると、共振回路となる箇所は図4で示される細い幅の超電導線でよいので、この箇所だけ高い超電導特性を示すようにレーザ照射を行う。それにより照射部と非照射部で異なる構造が異なる前駆体が生成する。厚膜化する場合はこの上にさらに数回積層して塗ることとなるが、最終的な本焼成工程において膜全体を結晶化すると、照射部と非照射部ではそれぞれの前駆体を反映した結晶成長が起きることが解った。
具体的には、照射部においては高い臨界電流を示すc軸成長となり、非照射部では高い臨界電流を示さないa軸成長となる。これらが基板面内に混在することで、マイクロクラックの発生原因となる熱処理時に発生する引っ張り応力を緩和することが可能となる。
これは従来技術における図1、図2、図3で示される効果を、溶液法において、かつ比較的簡単に別の手法で実現することができるようになった例である。
本件発明で用いる基板としては、周知の基板であるランタンアルミネート(LaAlO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ネオジムガレート(NdGaO3)あるいはイットリウムアルミネート(YAlO3)から選ばれる1種の単結晶基板、酸化アルミニウム(Al2O3)、イットリア安定化ジルコニア((Zr,Y)O2, YSZ)、酸化マグネシウム(MgO)、ランタンアルミネート(LaAlO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ネオジムガレート(NdGaO3)あるいはイットリウムアルミネート(YAlO3)から選ばれる1種の単結晶基板上に、酸化セリウム(CeO2)中間層を形成した基板いずれであっても良いが、安価なサファイアの単結晶基板がとくに好ましく用いられる。本発明を適用すれば、図4に示すように、安価なサファイア基板上に、クラックの非常に少ない超電導薄膜による共振回路などの電子回路を作成することができる。
下記に本発明の具体例を示し、さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が500nmであり、一部照射した場合と全面照射した場合の酸化物超電導膜の製造例)
(原料用液)
モル比1:2:3のY,Ba,Cuのアセチルアセトナトをピリジンとプロピオン酸の混合液に溶解し、真空エバポレータを用いて約80℃で溶媒の大部分を除去した後メタノールに再溶解した溶液を用いた。
(基板)
サファイアのR面単結晶基板 25mm×25mm×0.5mmを用いた。
(塗布乾燥)
上記原料溶液をサファイアの単結晶基板に4000rpm、10秒間でスピンコートし、恒温槽中130℃で乾燥させた。
(レーザ照射)
c軸成長させるべき個所(25mm×25mm基板上に、半径1mmの円を約10箇所設けた)を定め、他の部分をマスクで覆い、その個所のみKrFエキシマレーザを照射する。
室温でKrFエキシマレーザを縦方向に照射した。照射条件は下記のとおりであった。
室温、大気中125kPa
フルエンス :20 mJ/cm2
周波数 :100Hz
オーバーラップ率:99%
パルス数 :30000
(仮焼成)
次に、このレーザ照射した試料を、あらかじめ500℃に保ったマッフル炉中に挿入し、30分間この温度に保って取り出した。

以上の塗布乾燥〜仮焼成までを所定回数繰り返して厚膜化した。

(本焼成)
ついで石英製管状炉中で以下の条件で本焼成を行った。まず、酸素分圧を100ppmに調整したアルゴンと酸素の混合ガス流中で昇温速度毎分約16℃で770℃まで昇温し、この温度に45分間保ち、ガスを純酸素に切り替えてさらに30分間保った後、徐冷する。
(酸化物超電導膜の検査)
本焼成後に出来た膜厚500nm半径1mmの円形のYBCO膜について、レーザ照射部分の表面の電子顕微鏡写真を図5に示す。全面にわたり、30個所の任意の単位面積(3μm×3μm)を検査したところ、クラックの数は、平均で0.6であった。表面の電子顕微鏡写真を図5に示す。
(比較例)
c軸成長させるべき個所を全体(25mm×25mm基板全面)に定めたのち、その個所をKrFエキシマレーザを照射する以外は、実施例1と同様に行った。
本焼成後に出来た膜厚500nmのYBCO膜について、その表面の電子顕微鏡写真を図5に示す。全面にわたり、30個所の任意の単位面積(3μm×3μm)を検査したところ、クラックの数は、平均で4.5であった。表面の電子顕微鏡写真を図5に示す。
クラックを実践で囲んで示す。実施例1に比して、亀裂が格段に多くなる傾向がみられた。
(基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が300nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0である酸化物超電導膜の製造例)
(原料用液)
モル比1:2:3のY,Ba,Cuのアセチルアセトナトをピリジンとプロピオン酸の混合液に溶解し、真空エバポレータを用いて約80℃で溶媒の大部分を除去した後メタノールに再溶解した溶液を用いた。
(基板)
サファイアのR面単結晶基板 25mm×25mm×0.5mmを用いた。
(塗布乾燥)
上記原料溶液を基板KC1に4000rpm、10秒間でスピンコートし、恒温槽中130℃で乾燥させた。
(レーザ照射)
c軸成長させるべき個所(25mm×25mm基板上に、半径1mmの円を約10箇所設けた)を定めたのち、他の部分をマスクで覆い、その個所のみKrFエキシマレーザを照射する。
室温でKrFエキシマレーザを縦方向に照射した。照射条件は下記のとおりであった。
室温、大気中125kPa
フルエンス :20 mJ/cm2
周波数 :100Hz
オーバーラップ率:99%
パルス数 :30000
(仮焼成)
次に、このレーザ照射した試料を、あらかじめ500℃に保ったマッフル炉中に挿入し、30分間この温度に保って取り出した。

以上の塗布乾燥〜仮焼成までを所定回数繰り返して厚膜化した。


(本焼成)
ついで石英製管状炉中で以下の条件で本焼成を行った。まず、酸素分圧を100ppmに調整したアルゴンと酸素の混合ガス流中で昇温速度毎分約16℃で770℃まで昇温し、この温度に45分間保ち、ガスを純酸素に切り替えてさらに30分間保った後、徐冷する。
(酸化物超電導膜の検査)
本焼成後に出来た膜厚約300nm半径1mmの円形のYBCO膜について、レーザ照射部の全面にわたり、30個所の任意の単位面積(3μm×3μm)を検査したところ、
すべてクラックの数が0であった。表面の電子顕微鏡写真を図6に示す。
(レーザ非照射部の検査)
レーザ非照射部の表面の電子顕微鏡写真を図6に示す。
(基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が500nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0〜1である酸化物超電導膜の製造例)
(原料用液)
モル比1:2:3のY,Ba,Cuのアセチルアセトナトをピリジンとプロピオン酸の混合液に溶解し、真空エバポレータを用いて約80℃で溶媒の大部分を除去した後メタノールに再溶解した溶液を用いた。
(基板)
サファイアのR面単結晶基板25mm×25mm×0.5mmを用いた。
(塗布乾燥)
上記原料溶液をサファイアのR面単結晶基板に4000rpm、10秒間でスピンコートし、恒温槽中130℃で乾燥させた。
(レーザ照射)
c軸成長させるべき個所(25mm×25mm基板上に、半径1mmの円を約10箇所設けた)を定めたのち、その部分を市販のレーザ描画装置の記憶装置に記憶させ、その個所のみKrFエキシマレーザを照射する。
室温でKrFエキシマレーザを縦方向に照射した。照射条件は下記のとおりであった。
室温、大気中125kPa
フルエンス :20 mJ/cm2
周波数 :100Hz
オーバーラップ率:99%
パルス数 :30000
(仮焼成)
次に、このレーザ照射した試料を、あらかじめ500℃に保ったマッフル炉中に挿入し、30分間この温度に保って取り出した。

以上の塗布乾燥〜仮焼成までを所定回数繰り返して厚膜化した。
(本焼成)
ついで石英製管状炉中で以下の条件で本焼成を行った。まず、酸素分圧を100ppmに調整したアルゴンと酸素の混合ガス流中で昇温速度毎分約16℃で770℃まで昇温し、この温度に45分間保ち、ガスを純酸素に切り替えてさらに30分間保った後、徐冷する。
(酸化物超電導膜の検査)
本焼成後に出来た膜厚500nm半径1mmの円形のYBCO膜について、全面にわたり、30個所の任意の単位面積(3μm×3μm)を検査したところ、
クラックの数は、平均で0.6であった。表面の電子顕微鏡写真を図7に示す。
(レーザ非照射部の検査)
レーザ非照射部の表面の電子顕微鏡写真を図7に示す。
本発明の製造方法によれば、安価なサファイア基板上に性能が良い超電導回路を形成させることが出来るため、安価な超電導回路素子を生産することができるので、産業上きわめて利用可能性が高いものである。
1 共振回路
2 基板
3 レーザ
4 c軸成長部分
5 a軸成長部分

Claims (5)

  1. 酸化物が超電導物質を形成する金属の有機化合物溶液を基板上に塗布し乾燥させる工程(1)、紫外光であるエキシマレーザによって金属の有機化合物の有機成分を光分解するレーザ照射工程(2)、金属の有機化合物中の有機成分を熱分解させる仮焼成工程(3)、超電導物質への変換を行う本焼成工程(4)を経て基板上にエピタキシャル成長させた超電導薄膜材料を製造するに際し、本焼成工程を行う前に所定の箇所のみにレーザ照射を行うことにより、超電導物質内にa軸成長する前駆体箇所とc軸成長する前駆体箇所を混在させたのちに本焼成工程を行い、所定の箇所のみc軸成長させる超電導材料の製造方法において、酸化物が超電導物質を形成する金属の有機化合物溶液を基板上に塗布し乾燥させる工程(1)と紫外光であるエキシマレーザによって金属の有機化合物の有機成分を光分解するレーザ照射工程(2)と金属の有機化合物中の有機成分を熱分解させる仮焼成工程(3)とを所定回数繰り返したのち、超電導物質への変換を行う本焼成工程(4)を行う、所望の厚さになるまで所定の箇所のみc軸成長させることを特徴とする内部応力を緩和する酸化物超電導材料の製造方法。
  2. 基板がサファイアの単結晶基板であることを特徴とする請求項1に記載した酸化物超電導材料の製造方法。
  3. c軸成長部分(C)の形状が電子回路であり、a軸成長部分(A)の形状がc軸成長部分(C)の形状を取り囲んだ形状である請求項2に記載した酸化物超電導材料の製造方法。
  4. 基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が300nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0である請求項2又は請求項3に記載した酸化物超電導材料の製造方法により得られる酸化物超電導膜。
  5. 基板がサファイアの単結晶基板であり、c軸成長した酸化物超電導が500nmであり、単位面積(3μm×3μm)当りクラックの数が0〜1である請求項2又は請求項3に記載した酸化物超電導材料の製造方法により得られる酸化物超電導膜。
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