JP5450164B2 - 燃料電池用脱硫器及びそれを備えた燃料電池システム - Google Patents
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Description
本発明は、高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器及び該脱硫器を備えた燃料電池システムに関し、特には、高温ガスを利用して脱硫器の加熱を行っても、石油系液体炭化水素燃料の突沸及び炭化トラブルが発生し難く、更に脱硫器を均一に加熱することが可能な高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器に関するものである。
従来、石油系液体炭化水素燃料中の硫黄分をppmレベルまで効果的に脱硫する方法としては、200〜400℃程度の温度で水素化脱硫する方法が知られている。しかしながら、この方法では、水素化するための水素源が必要となることから、小型の燃料電池システム、特に電池本体から700〜1000℃の高温の燃料オフガスが排出される固体酸化物形燃料電池システムには不向きの脱硫方法であった。
そこで、水素を使用しない脱硫方法として、100℃以上の温度で硫黄分を吸着可能な脱硫剤を用いて燃料を脱硫する方法が提案されている(特許文献1〜10(ニッケル系吸着剤)及び特許文献11(ニッケル−銅系吸着剤)参照)。
また、脱硫剤が充填された脱硫器を加熱する方法についても、様々な方法が提案されており、例えば、電気ヒーター等の加熱装置を利用して脱硫器を加熱する方法や、燃料電池排ガスを利用して脱硫器自体を直接的に熱交換する方法又は燃料電池排ガスを脱硫器内に導入して熱交換する方法が知られている。しかしながら、特許文献12には、燃料電池排ガスを利用して脱硫器を加熱する場合、熱交換させる排ガスが高温であると、熱交換する場所で灯油が突沸したり、熱分解により生じた炭化物によって流路が閉塞される等の炭化トラブルが発生したり、或いは所望の脱硫性能が得られなくなる可能性があるため、排ガス温度は350℃以下にしておくことが好ましいと記載されている。
上述のように、従来の脱硫器の加熱方法によれば、燃料電池排ガスを利用することで、石油系液体炭化水素燃料の脱硫反応を効率よく行うこともできるが、燃料電池排ガスの温度が高過ぎると、突沸や炭化トラブル等の問題があり、脱硫器の構造や加熱方法に関し、依然として改良の余地がある。
そこで、本発明の目的は、従来と全く異なる構造を有し、高温ガスとの熱交換を利用する脱硫器であって、350℃以上の高温ガスを利用して加熱しても、石油系液体炭化水素燃料の突沸及び該石油系液体炭化水素燃料の炭化トラブルが発生し難く、更には脱硫容器内を均一に加熱することが可能な脱硫器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該脱硫器を備えた燃料電池システムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、内部に触媒(脱硫剤)が充填された脱硫容器を備える脱硫器に、更に、加熱源となる高温ガスが第一に通過し且つ該脱硫容器壁面と直接的に接することのない外層と、該高温ガスが第二に通過し且つ該脱硫容器壁面と直接的に接する内層とを設置することによって、脱硫容器内を流れる石油系液体炭化水素燃料が高温にさらされず、また、脱硫剤の性能が発揮される均一温度域で脱硫反応が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器は、石油系液体炭化水素燃料を触媒存在下で加熱して脱硫する脱硫器において、
内部に触媒が充填されている脱硫容器と、該脱硫容器壁面と直接的に接して設置された内層と、該内層の外側に設置された、該脱硫容器壁面と直接的に接することのない一層以上の外層とを備えており、
加熱源となる高温ガスが、前記外層を通過してから前記内層を通過することを特徴とする。
内部に触媒が充填されている脱硫容器と、該脱硫容器壁面と直接的に接して設置された内層と、該内層の外側に設置された、該脱硫容器壁面と直接的に接することのない一層以上の外層とを備えており、
加熱源となる高温ガスが、前記外層を通過してから前記内層を通過することを特徴とする。
本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器の好適例においては、前記外層に熱伝導用のフィンが設置されている。
本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器においては、前記外層(但し、該外層が複数層からなる場合は外層の最外層)を流れる高温ガスと前記脱硫容器内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とが平行流となることが好ましい。
本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器は、前記脱硫容器内に無触媒部分を備え、該無触媒部分では前記高温ガスにより前記石油系液体炭化水素燃料を直接的に加熱しない構造とすることが好ましい。
本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器においては、前記外層に供給される高温ガスの温度が280℃以上であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池システムは、上記の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器と、改質器と、燃料電池とを少なくとも備え、前記燃料電池が固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする。
本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器によれば、350℃以上の高温ガスを用いて脱硫器の加熱を行っても、石油系液体炭化水素燃料が高温にさらされず、また、脱硫剤の性能が発揮される均一温度域にて脱硫反応を行うことが可能となり、その結果として、石油系液体炭化水素燃料の突沸や炭化トラブルを防止することができる。また、均一な温度域での脱硫が可能であることから、脱硫剤の耐久性を向上させることもできる。
以下に、図1〜2を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器の一例の概略図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、本発明の脱硫器は、高温ガスを利用した熱交換により石油系液体炭化水素燃料を加熱するタイプの脱硫器、即ち高温ガス熱交換型の脱硫器であって、燃料電池に好適に使用される。
図1に示す脱硫器1は、石油系液体炭化水素燃料を触媒の存在下で加熱して脱硫する脱硫器であって、脱硫容器2と、内層3と、外層4とを備えており、外層4が内層3よりも上流側に位置している。なお、本発明の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器において、脱硫容器、内層及び外層の形状は、特に限定されず、任意の形とすることができるが、脱硫器を均一に加熱し、均一の温度域にて脱硫反応を行う観点から円筒形状とすることが好ましく、図1においても、脱硫容器2、内層3及び外層4は、いずれも円筒形状を有している。
図示例の脱硫器1において、脱硫容器2は、内部に触媒5が充填されている。ここで、触媒5としては、従来脱硫用に用いられている触媒を用いることができ、例えば、ニッケル系脱硫剤、アルミナ系脱硫剤等の吸着脱硫剤を用いることが好ましい。なお、触媒5の形状は、特に限定されるものではないが、ペレット状であることが好ましく、この場合、粒径は1〜3mmが好ましい。また、触媒5は、脱硫容器2の少なくとも一部に充填されていればよく、この場合、例えば、触媒5を支持するため、脱硫容器2内にメッシュ6が配設されることになる。該メッシュ6は、触媒を通過させないが、石油系液体炭化水素燃料を通過させるように構成されている。更に、メッシュ6を脱硫容器2内に配設することで、石油系液体炭化水素燃料を均一に流すことも可能となる。
上記石油系液体炭化水素燃料としては、例えば、軽油、ガソリン、ナフサ、灯油等の液体燃料を用いることができる。図1に示すように、石油系液体炭化水素燃料を脱硫容器2に供給し、内層3及び外層4によって均一に加熱し、均一の温度域にて触媒と接触させることにより、脱硫した石油系液体炭化水素燃料を効率よく精製することができる。また、触媒5内に導入される石油系炭化水素燃料及び触媒5内から排出される脱硫石油系炭化水素燃料の流量分布を均一にするため、脱硫容器2の下部及び上部を、脱硫容器2の端部に向かって細くなるテーパー状に形成させることが好ましい。なお、石油系液体炭化水素燃料は、燃料供給手段としての燃料供給ライン7を介して脱硫容器2へと供給され、脱硫石油系液体炭化水素燃料は、後述する改質器やミキサー等へ供給するために脱硫燃料ライン12へ排出される。
図示例の脱硫器1において、内層3及び外層4は、二重のジャケット構造をなし、該ジジャケット構造の一端において内層3と外層4とが連通している。即ち、内層3及び外層4からなるジャケットは、折り返しによる多層構造(二層構造)を形成している。ここで、内層3は、脱硫容器2の外側に設置され、脱硫容器2の壁面と直接的に接するものであるが、外層4は、内層3の外側に設置されるため、脱硫容器2の壁面と直接的に接することがない。また、脱硫温度に石油系液体炭化水素燃料を加熱するための加熱源となる高温ガスは、高温ガス供給手段としての高温ガス供給ライン8を介して外層4へと供給される。脱硫器1が上記の構造を形成するため、外層4に供給された高温ガスは、第一に外層4を通過し、該外層4を通過してから外層4の下流側に配置された内層3を通過することになる。なお、内層3を通過した高温ガスは、内層3と外層4の連通部の反対側に設けられた高温ガス排出手段としての高温ガス排出ライン9を介して排出される。
本発明の脱硫器においては、内層及び外層からなるジャケットが折り返しによる多層構造を形成しており、外層に供給される高温ガスは、脱硫容器に直接的に接することのない外層を通過してから、リターンして脱硫容器に直接的に接する内層を通過することになる。従って、高温ガスは外層を通過する間に内層を通過するガスと熱交換を行うことでその温度が低下し、内層を通過する際には、高温ガスの温度を脱硫反応に好適な温度、例えば100〜300℃の範囲にまで低下させることができる。これにより、高温ガスを利用して脱硫器の加熱を行っても、石油系液体炭化水素燃料の突沸及び炭化トラブルが発生し難くなる。
また、図1に示す脱硫器1は、外層4を一層のみ有するが、本発明の脱硫器は、これに制限されず、外層を二層以上有していてもよい。なお、本発明の脱硫器が二層以上の外層を有する場合、それら外層は端部において連通し、上述の内層及び外層と同様に、折り返しによる多層構造を形成している。例えば、高温ガスの温度が高過ぎ、内層を通過する高温ガスの温度を十分に低下させることができない場合、外層を多層構造とすることで、高温ガスの温度を調整することができる。
上記外層4には、図2に示すように熱伝導用のフィン10が設置されている。上記外層4に熱伝導用のフィン10を設けることによって、外層から内層への伝熱効率を高めることができ、内層の上流側と下流側との温度差を容易に低減することができる。なお、熱伝導用のフィンとしては、熱交換器に使用される既知のフィン等を用いることができ、フィンの形状としては、例えば、平板状、波状、オフセット型等が挙げられる。図1及び2においては、外層4に平板状のフィン10が一層設置されているが、本発明の脱硫器において、フィンの設置は任意であり、例えば、外層にフィンを二層以上設置してもよい。なお、本発明の脱硫器は、内層に熱伝導用のフィンを設置することもできる。
本発明の脱硫器において、外層に供給される高温ガスの流れの方向は、任意であり、脱硫容器内に供給される石油系液体炭化水素燃料の流れと同じ方向であっても(平行流)、該石油系液体炭化水素燃料の流れと反対方向であってもよいが(対向流)、本発明の脱硫器は、図1に示すように、外層4を流れる高温ガスと脱硫容器2内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とが平行流となるように構成されることが好ましい(この場合、内層3を流れる高温ガスと脱硫容器2内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とは対向流を形成する)。この場合、脱硫容器に供給される石油系液体炭化水素燃料の温度と脱硫反応温度に大きな温度差がある場合でも、石油系液体炭化水素燃料と接する脱硫容器壁面の温度を低く(例えば300℃以下)抑えることができ、かつ脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度変化を少なくすることができる。これにより石油系液体炭化水素燃料の突沸や炭化トラブルを防止することができ、脱硫容器内を均一に加熱することができる。なお、外層が複数層からなる場合、外層を流れる高温ガスの流れの方向とは、外層の最外層を流れる高温ガスの流れの方向を意味する。
上記外層4(但し、該外層が複数層からなる場合は外層の最外層)を流れる高温ガスと上記脱硫容器2内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とを平行流とすることで奏される効果は、図3〜5に示されるように、脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度変化の比較から明らかとなる。ここで、図3は、外層を流れる高温ガスと脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料とが平行流である場合における本発明の燃料電池用脱硫器において、脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の位置と温度との関係をシミュレートした図であり、図4は、外層を流れる高温ガスと脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料とが対向流である場合における本発明の燃料電池用脱硫器において、脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の位置と温度との関係をシミュレートした図であり、図5は、外層のみからなる(内層が無い)従来の燃料電池用脱硫器において、外層を流れる高温ガスと脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料とが平行流である場合の脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の位置と温度との関係をシミュレートした図である。なお、図3〜5の横軸は、触媒層の全長を1とした場合の燃料入口側端面からの距離を示し、また、触媒層に供給される燃料の温度は150℃である。図3〜4に示す結果から、上記外層4を流れる高温ガスと上記脱硫容器2内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とを平行流とすることで、石油系液体炭化水素燃料と接する脱硫容器壁面の温度を低く抑えることができ、かつ脱硫に望ましい180℃以上の温度迄加熱に必要な距離が短く、脱硫容器内を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度変化を少なくすることができ、石油系液体炭化水素燃料の温度を脱硫性能上望ましい180℃〜240℃の区間を少なくとも全長の80%以上の範囲で満足させることができる。
本発明の脱硫器は、上述の通り、脱硫容器の少なくとも一部に触媒が充填されていればよいため、図1に示すように脱硫容器2内に無触媒部分11を備えることができる。そして、該無触媒部分11では、上記高温ガスにより石油系液体炭化水素燃料を直接的に加熱しない構造とすることが好ましい。具体的には、脱硫容器2の触媒5が充填された領域に対応する壁面のみに内層3が設置されており、無触媒部分11に対応する脱硫容器2の壁面には内層3が設置されていない構造を指す。無触媒部分11では、当然、脱硫反応は起こらず、石油系液体炭化水素燃料を脱硫温度まで加熱する必要が無いため、無触媒部分11において高温ガスにより石油系液体炭化水素燃料を直接的に加熱しない構造とすることは好ましく、これにより、石油系液体炭化水素燃料の突沸や炭化トラブルの発生をより効果的に抑制することができる。
上記外層4に供給される高温ガスは、脱硫反応の加熱源となるため、石油系液体炭化水素燃料を脱硫温度まで昇温させる高温ガスであればよく、例えば、燃料電池からの排ガスや空気等を用いることができるが、特に固体酸化物形燃料電池からの排ガスは温度が高過ぎる傾向があり(例えば、600℃程度)、その流量の制御も困難であるため、空気を用いることが好ましい。また、外層4に供給される高温ガスの温度は、250℃以上であることが必要であり、必要加熱容量の点より350℃以上、且つ石油系液体炭化水素燃料の突沸や炭化トラブルが起きない450℃以下の範囲であることが好ましい。また、高温ガスの流量は、その高温ガスの温度と脱硫器内で加熱して脱硫する石油系液体炭化水素燃料の流量に依存するが、例えば、脱硫容器に供給される石油系液体炭化水素燃料の流量が10mL/分である場合、5〜50L/分の範囲が好ましい。
本発明の脱硫器においては、石油系液体炭化水素燃料を予熱してから脱硫容器内に供給することもできる。予熱された石油系液体炭化水素燃料の温度は、脱硫温度又は脱硫温度近傍であることが好ましく、具体的には、50〜200℃の範囲である。なお、石油系液体炭化水素燃料の予熱は、脱硫容器の上流側に熱交換器等を設置することにより行われる。
本発明の脱硫器は、脱硫反応を行う際に生成される副生ガス(水素、メタン、硫化水素等)を、脱硫した石油系液体炭化水素燃料から分離するため、脱硫容器の下流側に気液分離装置を備えることもできる。該気液分離装置としては、燃料電池システムに用いられる既知の気液分離装置を用いることができ、例えば、脱硫燃料と副生ガスとの混合物を槽内で滞留させて自然分離させる気液分離槽を用いることができる。
なお、本発明の脱硫器が、予熱用の熱交換器や気液分離装置を備える場合、各要素は、配管等の連結部材を適宜利用して配設される。
本発明の脱硫器を用いた脱硫反応において、脱硫条件は、例えば、原料供給量(LHSV):0.1〜5.0hr−1、反応圧力:0.1MPa以上1.0MPa未満、反応温度100℃以上300℃以下である。そして、脱硫器1の脱硫容器2内では、石油系液体炭化水素燃料と触媒とが接触することにより該石油系液体炭化水素燃料中の硫黄分が触媒に吸着され、脱硫石油系液体炭化水素燃料が生成する。ここで、反応圧力については、液体燃料が脱硫容器内で気化すると、燃料の触媒への接触効率が低下することから脱硫性能が十分に発揮されない可能性があるため、脱硫反応温度において石油系液体炭化水素燃料が気化しない圧力にする必要がある。
また、本発明の燃料電池システムは、上述の脱硫器と、脱硫石油系液体炭化水素燃料を改質して改質ガスを製造する改質器と、燃料電池とを少なくとも備え、該燃料電池が固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする。ここで、改質器は脱硫器の下流側に配置され、燃料電池は該改質器の下流側に配置されている。
上記改質器の少なくとも一部には、改質触媒が充填され、通常、該改質触媒に脱硫石油系液体炭化水素燃料と水蒸気との混合物を接触させることで、水蒸気改質反応によって水素を主成分とする改質ガスが製造される。ここで、改質触媒としては、通常使用される水蒸気改質触媒を用いることができ、例えば、Ru、Ni、W、Co、Rh、Pt等をアルミナ、シリカ、ジルコニア等の担体に担持した触媒を用いることができる。また、改質方式は特に限定されるものではなく、水蒸気改質、部分酸化改質、自己熱改質およびそれらの組み合わせとして使用することができる。
一方、上記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である限り、特に限定されるものではなく、公知の構造を持った固体酸化物形燃料電池を採用することができる。なお、通常、固体酸化物形燃料電池は、複数のセルを積層及び/又は連結して構成されるものが一般的である。
また、本発明の燃料電池システムは、脱硫器から排出される脱硫石油系液体炭化水素燃料と水蒸気との混合物を改質器に供給するための手段として脱硫燃料供給ラインを備えることに加えて、脱硫燃料と水蒸気とを混合するためのミキサーを備えることもできる。更に、本発明の燃料電池システムは、改質ガスを燃料電池に供給するための手段として改質ガス供給ラインを備えており、また、燃料電池から排出される排ガスを脱硫反応の加熱源として利用する場合においては、燃料電池排ガスを高温ガスとして脱硫器の外層に供給するための手段として燃料電池排ガス供給ライン(ここで、燃料電池排ガス供給ラインは上記高温ガス供給ラインと同義である)を備えることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3)
図6に示す脱硫試験装置を用いて、脱硫容器内の触媒層を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度を測定した。なお、図6に示す脱硫試験装置は、図1に示す脱硫器1と、石油系液体炭化水素燃料として市販灯油(JIS 1号,硫黄分6.2質量ppm)を含む燃料タンク13と、該燃料タンク13から脱硫器1へ燃料を定量的に供給するための燃料ポンプ14と、燃料供給ライン7を通過する燃料を加熱するための燃料加熱ヒーター15と、脱硫器1の加熱源となる空気を脱硫器1の外層に定量的に供給するための空気ブロワ16と、高温ガス供給ライン8を通過する空気を加熱するための空気加熱ヒーター17と、脱硫燃料ライン12を通過する脱硫器1内で加熱された燃料を貯蔵するための脱硫燃料タンク18とを備える。また、図6に示す脱硫試験装置によれば、燃料加熱ヒーター15を設置することで、燃料を任意の温度に予熱することが可能であり、また、空気加熱ヒーター17を設置することで、空気を加熱して任意の温度の高温ガスを脱硫器1の外層へ供給することができる。
図6に示す脱硫試験装置を用いて、脱硫容器内の触媒層を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度を測定した。なお、図6に示す脱硫試験装置は、図1に示す脱硫器1と、石油系液体炭化水素燃料として市販灯油(JIS 1号,硫黄分6.2質量ppm)を含む燃料タンク13と、該燃料タンク13から脱硫器1へ燃料を定量的に供給するための燃料ポンプ14と、燃料供給ライン7を通過する燃料を加熱するための燃料加熱ヒーター15と、脱硫器1の加熱源となる空気を脱硫器1の外層に定量的に供給するための空気ブロワ16と、高温ガス供給ライン8を通過する空気を加熱するための空気加熱ヒーター17と、脱硫燃料ライン12を通過する脱硫器1内で加熱された燃料を貯蔵するための脱硫燃料タンク18とを備える。また、図6に示す脱硫試験装置によれば、燃料加熱ヒーター15を設置することで、燃料を任意の温度に予熱することが可能であり、また、空気加熱ヒーター17を設置することで、空気を加熱して任意の温度の高温ガスを脱硫器1の外層へ供給することができる。
脱硫容器内の触媒層を通過する石油系液体炭化水素燃料の温度については、図7及び図8に示されるように、脱硫器1内の触媒5中に設置された温度検出手段a〜iを用いて、表1に示す条件下で脱硫試験装置を作動させ、各温度検出手段の設置位置における燃料の温度を測定することにより評価した。なお、図7は、脱硫試験装置に用いた脱硫器1内の触媒5の概略寸法図であり、温度検出手段a〜iの設置位置を示し、また、図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。また、触媒5には、市販のNi系触媒を用い、その容量は1.2Lであった。結果を表1に示す。
表1から、実施例1〜3は、350℃以上の高温ガスを利用して加熱しても、脱硫容器内を均一に加熱することができることが分かる。また、実施例1〜3では、石油系液体炭化水素燃料の突沸や、該石油系液体炭化水素燃料の炭化トラブルが観察されなかった。
1 脱硫器
2 脱硫容器
3 内層
4 外層
5 触媒
6 メッシュ
7 燃料供給ライン
8 高温ガス供給ライン
9 高温ガス排出ライン
10 フィン
11 無触媒部分
12 脱硫燃料ライン
13 燃料タンク
14 燃料ポンプ
15 燃料加熱ヒーター
16 空気ブロワ
17 空気加熱ヒーター
18 脱硫燃料タンク
2 脱硫容器
3 内層
4 外層
5 触媒
6 メッシュ
7 燃料供給ライン
8 高温ガス供給ライン
9 高温ガス排出ライン
10 フィン
11 無触媒部分
12 脱硫燃料ライン
13 燃料タンク
14 燃料ポンプ
15 燃料加熱ヒーター
16 空気ブロワ
17 空気加熱ヒーター
18 脱硫燃料タンク
Claims (6)
- 石油系液体炭化水素燃料を触媒存在下で加熱して脱硫する脱硫器において、
内部に触媒が充填されている脱硫容器と、該脱硫容器壁面と直接的に接して設置された内層と、該内層の外側に設置された、該脱硫容器壁面と直接的に接することのない一層以上の外層とを備えており、
加熱源となる高温ガスが、前記外層を通過してから前記内層を通過することを特徴とする高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器。 - 前記外層に熱伝導用のフィンが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器。
- 前記外層(但し、該外層が複数層からなる場合は外層の最外層)を流れる高温ガスと前記脱硫容器内の触媒層を流れる石油系液体炭化水素燃料とが平行流となることを特徴とする請求項1に記載の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器。
- 前記脱硫容器内に無触媒部分を備え、該無触媒部分では前記高温ガスにより前記石油系液体炭化水素燃料を直接的に加熱しない構造としたことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器。
- 前記外層に供給される高温ガスの温度が280℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の高温ガス熱交換型の燃料電池用脱硫器と、改質器と、燃料電池とを少なくとも備え、前記燃料電池が固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池システム。
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