JP4891594B2 - 改質器 - Google Patents

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本発明は、原料ガスを改質触媒により水蒸気改質する改質器に関し、特に、脱硫機能を備えた改質器に関する。
従来から、原料ガスと水蒸気の混合物(以下、原料−水蒸気混合物という。)を改質触媒の存在下に水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを生成する改質器が知られている。改質器で得られる水素リッチな改質ガスは、更に低減手段で含まれている僅かなCO(一酸化炭素)を触媒の存在下に酸素含有ガスと反応させてCOへ変換して高純度の改質ガスとして負荷設備に供給され、特に低温で作動する固体高分子電解質型の燃料電池には、改質ガス中のCOを数ppmレベルまで低減して供給される。
原料ガスには、メタン等の炭化水素、メタノール等の脂肪族アルコール類、或いはジメチルエーテル等のエーテル類、都市ガスなどが用いられる。かかる改質器における水蒸気改質の反応式は、例えばメタンを原料ガスとして使用した場合はCH+2HO→CO+4Hで示すことができ、好ましい改質反応温度は、650〜750℃の範囲である。
改質器の反応に必要な熱を供給する方式として外部加熱型と、内部加熱型がある。外部加熱型の改質器は、外部に加熱部を設け、その熱源で原料ガスと水蒸気を反応させて改質ガスを生成するようになっている。内部加熱型の改質器はその供給側(上流側)に部分酸化反応層を設け、該部分酸化反応層で発生した熱を用いて下流側に配備した改質触媒層を改質反応温度まで加熱し、該加熱された改質触媒層で水蒸気改質反応をさせて水素リッチな改質ガスを生成するようになっている。この部分酸化反応は、CH+1/2・O→CO+2Hで示すことができ、好ましい部分酸化反応の温度は250℃以上の範囲である。
内部加熱型の改質器を改良したものとして自己酸化内部加熱型の改質器が例えば特許文献1、2に記載されている.特許文献1、2の改質装置は予備改質室と主改質室を備え、予備改質室には原料−水蒸気混合物の供給部、改質触媒層および排出部が設けられ、主改質室には前記排出部に連通する供給部、酸素含有ガスの供給部、改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層、シフト触媒層および排出部が設けられる。
従来から、自己酸化内部加熱型の改質器(以下、特に断らずに改質器と記載されている場合は、自己酸化内部加熱型の改質器を意味する。)における実用寿命を伸ばすためには、燃料中に含有されている硫黄成分を1ppb以下の低濃度まで脱硫してから改質器に供給する必要性のあることが知られている。そこで従来から改質器の原料供給側に脱硫装置を設置しており、そのための脱硫触媒も開発されている。(特許文献3参照)。
特開2001−192201号公報 特開2005−149860号公報 特開平l−259088号公報
改質器の寿命(改質触媒の寿命)が硫黄成分により損なわれることを防止するには、改質システムの起動時、運転時および停止時のすべてに亘って、硫黄成分を確実に要求レベルまで脱硫しておく必要がある。しかし従来の脱硫装置はシステム起動時における脱硫が不十分(いわゆる硫黄スリップ)になりやすく、また、定常運転時においても脱硫装置から流出する原料ガス中の硫黄濃度がスパイク状に上昇する現象も見られる。これらの現象は、特に家庭用や車載用の燃料電池に改質ガスを供給する改質器のように、運転−停止を繰り返す改質器ではその寿命を大幅に短縮させる主な原因となる。
従って、例え改質器の原料供給側に通常用いられる脱硫装置を設置したとしても、上記の理由から改質器の触媒を硫黄から十分に保護することは困難である。そこで本発明は、従来の改質システムにおける問題を解決することを課題とし、そのための新しい改質器を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明者らは改質器内に脱硫触媒を有する脱硫部を設けて脱硫するという発想を得たが、改質器の内部温度は高温であるため、脱硫触媒中に捕捉された成分に起因する炭素析出が生じ、短期間でその脱硫機能が低下して改質性能を急速に低下させる恐れがあることが分かった。しかし本発明者らは種々研究の結果、脱硫触媒を特別な温度領域に維持して運転することにより、上記発想の実現が可能であるという知見を得て本発明を完成した。
上記課題を解決する本発明の改質器は、外側筒61とその内部に所定間隔で配置された内側筒62を備え、外側筒61と内側筒62との間の空間部に予備改質室61aが形成され、内側筒61の内部に主改質室62aが形成され、
予備改質室61aには、その一方の端部に原料供給部68が設けられると共に、他方の端部に排出部68aが設けられ、主改質室62aにはその一方の端部に前記予備改質室61aの排出部68aと連通する原料の供給部69aが設けられると共に、他方の端部に改質ガスの排出部69が設けられ、
予備改質室61a内には、その原料供給部68側に脱硫部71bが設けられると共に、その排出部68a側に改質触媒層71aが設けられ、
主改質室62a内にはその原料の供給部69a側から改質ガスの排出部69側に向けて改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層72a、高温シフト触媒層72cおよび低温シフト触媒層72dが順に設けられ、
前記脱硫部71bは伝熱性の隔壁62bを介して前記低温シフト触媒層72dと対向配置されていることを特徴とする(請求項1)。
上記改質器において、前記脱硫部71bがNi系の改質触媒または卑金属系のシフト触媒と同じものを用いることができる(請求項2)。
本発明は、請求項1に記載のように、二重構造の改質器において、主改質器内の低温シフト触媒層と予備改質室内の脱硫部を対向配置し、両者を伝熱性の隔壁で仕切るように構成したので、脱硫部の温度を炭素析出反応が進行しない範囲に容易に設定できるという利点がある。すなわち、通常、主反応室内では700℃の改質反応温度で運転されるが、その際、低温シフト触媒層は400℃〜180℃の範囲の温度に維持される。その低温シフト触媒層に対し伝熱性の隔壁を介して脱硫部を対向配置することにより、脱硫部の温度は、低温シフト触媒層より少し低い350℃〜170℃の範囲に自動的に落ち着く。
結果として、改質器内部の空間を有効利用して装置システムをコンパクト化できる上に、改質器内の改質反応により生成する熱エネルギーの一部を脱硫部の運転に利用でき、脱硫部における炭素析出も防止できる、という3つの効果を同時に発揮できる。
そして、改質器自体に脱硫部を設け、且つ、その脱流触媒に捕捉した成分に起因した炭素析出反応が進行しない温度領域に維持して脱硫している。そのため、例え改質器の原料供給側に設置した脱硫装置がシステム起動時に硫黄スリップ等を起こしたとしても、改質器自体に脱硫機能を備えているので二重保護方式により改質器が硫黄で損傷し寿命が短くなる問題を確実に解消できる。また、場合によっては専用の脱硫装置を省略して改質システムの重量および寸法を軽減することも可能になる。
しかも脱硫部が予備改質室内における改質触媒層への原料−水蒸気混合物の流入側であって、且つ炭素析出反応が進行しない温度に設定した領域に設けているので、脱硫部を構成する脱硫触媒に捕捉された硫黄成分による炭素析出現象を回避でき、脱硫部の機能を高いレベルに長期間維持することができる。
上記改質器において、請求項2に記載のように、前記脱硫触媒としてNi系の改質触媒または卑金属系のシフト触媒と同じものを用いることができ、それによって改質器に用いる触媒の種類を低減でき、メンテナンスおよびコストを低下させることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の改質器を備えた改質システムのプロセスフロー図である。図1において、水蒸気発生手段2は燃焼部2aと第1の吸引混合手段6を備えており、燃焼部2aには第1の吸引混合手段6から供給される空気−燃料混合物を燃焼するバーナー(図示せず)が設けられる。吸引混合手段6は例えばエジェクターにより構成されるが、その詳細は後述する。
水蒸気発生手投2には水蒸気を発生するもので、その水貯留部(水ドラム)に水タンク10から水または純水を供給する配管108が接続され、さらに水貯留部で発生した水蒸気を第2の吸引混合手段4へ供給する配管109aが接続される。配管108には遠隔操作可能な流量調整弁32が設けられ、配管109には遠隔操作可能な流量調整弁31が設けられ、配管109aは分岐した配管104が連結されており、配管109a、配管104にはそれぞれ遠隔操作可能な開閉弁83及び39が設けられる。なお、流量調整弁31,32は、例えば空気圧式、油圧式または電動式などで駆動される調整弁を使用でき、或いはそれを回転数制御されるブロワー又はポンプで置き換えることもできる。また、必要により、オリフイスと回転数制御される加圧装置の組合せでもよい。(以下、他の流量調整弁も同様である。)
さらに水蒸気発生手段2には水貯留部の水位を検出する水位検出手段40と発生した水蒸気の圧力を検出する圧力検出手段41が設けられ、それらの検出値に比例する電気信号(検出信号)が制御手段14に入力される。なお温度と圧力が相関関係にあることを利用して、圧力検出手段41の代わりに、温度検出手段に置き換えることもできる。すなわち水蒸気発生手段の圧力をその内側の水温から算出する方式であってもよい。
制御手段14は、水位検出手段40や圧力検出手投41の検出値、または他の操作盤等からの操作指令を受けて各流量調整弁などを制御し、更に自己酸化内部加熱型の改質器の運転制御を行う。この制御手投14は例えばコンピュータ装置により構成される。コンピュータ装置は、種々の制御動作を行うCPU(中央演算装置)、オペレーションシステム(OS)や制御プログラムを格納したROMやRAM等の記憶部、キーボードやマウス、もしくは操作盤などの入力部などにより構成され、さらに必要に応じてディスプレーやプリンタ等が附加される。なお制御手段14を本システムから離れた場所に設置し、通信回線を利用して流量調整弁等の制御を行うこともできる。
燃焼部2aには燃焼排ガスを排出する配管113が接続され、その配管113は第1の熱交換手段13を経て配管114に連通し、その配管114の先端部は外部に開口する。
第1の熱交換手段13には燃料電池のアノード排ガス等のガス燃料や液体燃料を供給する配管101aが接続され、配管101aは第1の熱交換手投13を経て配管101bに連通し、その配管101bの先端部は第1の吸引混合手段6に接続される。
燃焼部2aにはさらに配管112が接続され、その配管112は流量調整弁34を介して空気圧縮機等の加圧空気供給系7から延長する配管102に連通する。配管112から供給される空気は燃焼部2aの燃焼温度を調節したり、運転開始などにおけるパージ用空気として利用される。例えば、運転開始信号により、制御手段14から流量調整弁34を開ける制御信号が設定された時間だけ出力され、それによって燃焼部2aの内部がパージされる。
貯留タンクを有する原料供給系8から延長する原料ガス供給用の配管111は従来の脱硫手段9の入口側に接続され、脱硫手段9の出口側には脱硫された原料ガスが流出する配管103が接続される。配管103には流量調整弁31が設けられ、流量調整弁31の下流側は前記第1の熱交換手投13を経て配管109に連通し、配管109の先端部は第2の吸引混合手段4に接続される。
さらに前記第1の吸引混合手段6に燃焼用の空気を供給する配管102bが接続され、その配管102bは後述する第2の熱交換手投12を経て配管102aに連通する。配管102aには流量調整弁37が設けられ、配管102aの先端部は加圧空気供給系7に連通する。また配管101aには原料ガス供給用の配管111から分岐した配管111aが接続され、その配管111aには流量調整弁33aが設けられる。
改質器1には第2の吸引混合手投4からの原料−水蒸気混合物を供給する配管104と、加圧空気などの加圧された酸素含有気体を供給する配管102dが接続される。配管102dは第2の熱交換手投12を経て流量調整弁36を設けた配管102cに連通し、配管102cの先端部は加圧空気供給系7に接続される。そして改質器1の上部に温度検出手段42が設けられ、その温度検出信号は制御装置14に入力される。
さらに改質器1にはプレヒーター80が連結される。プレヒーター80はシステム起動時に改質器1の混合触媒層を酸化反応温度まで昇温し、改質器1を迅速に改質運転に移行させるものである。プレヒーター80の内部に電気ヒーターが配置されるとともに、白金(Pt)やバラジウム(Pd)等の酸化触媒が充填される。さらにプレヒーター80には原料−水蒸気混合物(または原料ガス)を供給する配管81と酸素含有ガスを供給する配管82が接続され、それら配管81,82にはそれぞれ遠隔操作可能な開閉弁または流量調整弁83、84が設けられる。プレヒーター80内では供給される原料ガスの一部が酸化触媒の存在下で酸化反応し、その酸化熱で残りの原料−水蒸気混合物が加熱される。そして高温のガス混合物が配管85から改質装置1に供給される。
一方、改質器1には改質ガス排出用の配管105が接続され、配管105は第2の熱交換手段12を経て配管106に接続され、配管106の先端部はCO選択酸化用の空気を混合する混合手段5に接続される。混合手段5の出口側は,CO低減手段3に連結され、その出口側の配管107は、燃料電池300への配管301と吸引混合手段6への配管302に分岐され、配管301,302にはそれぞれ遠隔操作可能な開閉弁303,304が設けられる。
前記CO低減手段3用の混合手段5には流量調整弁38を設けた加圧空気供給用の配管110が接続され、配管110の先端部は加圧空気供給系7に接続される。また前記CO低減手段3の酸化触媒としては、例えばPt、Pd等の貴金属触媒をセラミックス粒子に担持したぺレットタイプのものや、金属ハニカム構造体あるいはセラミックハニカム構造体に貴金属触媒を担持したものを使用できる。
後述するように、改質器1には予備改質室61aと主改質室62aが配置され(図3参照)、主改質室62aには混合触媒層72aの温度を検出する温度検出手段42が設けられ、その温度検出信号は制御手段14に入力される。また必要により、改質器1における最も温度の低い部分、例えば、排出部69に温度検出手段を設けてシステム停止時の結露監視等を行うこともできる。
図2に前記燃焼部2aに燃料−空気混合物を供給する吸引混合手段6の構造を示す。吸引混合手段6はエジェクター20で構成される。エジェクター20は固定部21と、固定部21から延長する内部ノズル構造体22および外部ノズル構造体23を備え、外部ノズル構造体23に開口部24,25および絞り部26が設けられる。
次に吸引混合部6の作用を説明すると、内部ノズル構造体22に主流体である空気流を矢印のように供給したとき、空気流のベンチュリー効果により絞り部26部分が減圧状態になる。そこで開口部24から副流体である燃料ガスを矢印のように供給すると、燃料は吸引され空気流と均一に混合されて開口部25から噴出する。従って、燃料ガスは加圧ポンプ等の動力手段を用いなくても空気と均一に混合され、均質な燃料−空気混合ガスが得られる。
第2の吸引混合手段4も第1の吸引混合手段6と同様な構造および作用を有する。ただし第2の吸引混合手段4の場合は、主流体として水蒸気を内部ノズル構造体22に供給し、副流体として原料ガスを開口部24に供給する。
図3は図1における改質器1の具体的構成を示す図である。改質器1は横断面が方形もしくは矩形な縦長の外側筒61と、その内部に所定間隔で配置された横断面が長円形または方形もしくは矩形な縦長の2つの内側筒62を備えている。外側筒61と内側筒62との間の空間部に予備改質61aが形成され、内側筒62の内部に主改質室62aが形成される。内側筒62の側壁は耐食性を有し且つ伝熱性の良いステンレス等の金属で作られており、それによって予備改質室61aと主改質室62aは良好な伝熱性の隔壁62bで仕切られた状態になっている。
予備改質室61aの一方の端部(図3(a)の下側)に原料−水蒸気混合物を供給する原料供給部68が設けられ、他方の端部(図3の(a)上側)に排出部68aが設けられる。また予備改質室61aの内部には排出部68a側から順に多数の微小な貫通部を有する支持板73a、73c、73eが設けられ、支持板73eと73cの下半分の領域(もしくは支持板73eと73cの間)に脱硫部71bが設けられ、支持板73eと73cの上半分の領域(もしくは支持板73eと73cの間)にアルミナまたは炭化珪素等のセラミック又は金属はハニカム構造体で構成した伝熱部71eが設けられ、支持板73cと排出部68aの間に水蒸気改質を行う改質触媒層71aが設けられる。この伝熱部71eに改質触媒を充填してもよいことはいうまでもない。なお脱硫部71bの詳細は後述する。
主改質室62aの一方の端部(図3(a)の上側)に予備改質室61aの排出部68aと連通する原料の供給部69aが設けられると共に、その供給部69aに空気などの酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入部63のマニホールド64,65が連通される。また主改質室62aの他方の端部(図3(a)の下側)にマニホールド66を有する改質ガスの排出部69が設けられる。さらに主改質室62aの内部には供給部69a側から順に多数の微小な貫通部を有する支持板73a,73b,73c,73d,73eが設けられる。
主改質室62aの支持板73aと73bの間に改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層72aが設けられ、支持板73bと73cの間に伝熱部72bが設けられる。なお伝熱部72bを省略し該部分を単なる空間としてもよい。さらに支持板73cと73dの間に高温シフト触媒層72cが設けられ、支持板73dと73eの間に低温シフト触媒層72dが設けられる。そして高温シフト触媒層72cと低温シフト触媒層72dの両層でシフト触媒層72eが構成される。なお主改質室62aに配置した支持板73aと73bの間に存在する周囲壁は断熱壁70とされ、酸化触媒による酸化反応熱が予備改質室61aに逃げることを防止している。
予備改質室61aに設ける改質触媒層71aは、原料ガスを水蒸気改質する触媒層であり、特開2001−192201号公報に開示されている改質反応触媒と同様なもので構成できるが、その中でもNiO−A1OあるいはNiO−SiO・A1などのNi系改質触媒などが望ましい。またWO−SiO・A1やNiO−W0・SiO・A1などの改質触媒も使用できる。
混合触媒層72aを構成する主要成分である改質触媒は、前記予備改質室61aの改質触媒と同様なものを使用できる。この改質触媒の使用量は、原料−水蒸気混合物が混合触媒層72aを通過する間に水蒸気改質反応が完了するに十分な値とされるが、その値は使用する原料ガスの種類により変化するので、最適な範囲を実験等により決定する。
混合触媒層72aに均一に分散される酸化触媒は、原料−水蒸気混合物中の原料ガスを酸化反応させて、その酸化熱により水蒸気改質温度を維持するものであり、例えば白金(Pt)やロジウム(Rh)あるいはルテニウム(Ru)あるいはパラジウム(Pd)を使用することができる。改質触媒に対する酸化触媒の混合割合は、水蒸気改質すべき原料ガスの種類に応じて1〜15%程度の範囲で選択する。例えば原料ガスとしてメタンを使用する場合は5%±2%程度、メタノールの場合は2%±1%程度の混合割合とすることが望ましい。
高温シフト触媒層72cと低温シフト触媒層72dの両層により構成されるシフト触媒層72eは、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を酸化して水素を生成するものである。すなわち、改質ガスに残存する水蒸気と一酸化炭素の混合物をシフト触媒の存在下に水素と炭酸ガスにシフト変換して水素を発生させ、改質ガス中の水素濃度をより高くし、一酸化炭素濃度をそれに応じて低くする。
高温シフト触媒層72cや低温シフト触媒層72dを形成するシフト触媒としては、CuO−ZnO、Fe、Feまたは酸化銅の混合物などの銅系または鉄系の卑金属系の触媒を使用できる。しかし500℃以上で反応を行う場合にはCrを使用することが望ましい。
前記隔壁62bは、原料供給部68および排出部69側の端部がa部分で互いに連結されて固定端となっており、それと反対側の端部は連結されずに自由端となっている。そのため改質反応によって高温状態となる予備改質室61aと主改質室62a間の熱膨張差が生じたいとき、特に主改質室62aの熱膨張が多い場合、その熱膨張による主改質室62aの伸張を前記自由端により吸収して歪みが発生することを防止できる。
次に、本発明の特徴部分である脱硫部71bについて説明する。予備改質室61aに設けられる脱硫部71bは、流入する原料−水蒸気混合物に微量存在する硫黄成分を除去するもので、特に起動時に一時的に増加する硫黄成分を確実に捕捉し、下流側に設けた改質触媒層71a及び混合触媒層72aへの硫黄成分の流入を防止する機能を有する。この脱硫部71bには脱硫機能を有する触媒、すなわち脱硫触媒が充填される。
好ましい脱硫触媒としては、前述したNiO−A1OあるいはNiO−SiO・A1などのNi系改質触媒、またはCuO−ZnO、Fe、Feまたは酸化銅の混合物等の卑金属系のシフト触媒を使用することができる。脱硫部71bはこれら触媒成分をアルミナまたは炭化珪素等のセラミック粒子又は金属ハニカム構造体で構成される担体もしくは伝熱部と混合して形成することができる。単体もしくは伝熱部に含む触媒成分が多いほど単位容積あたりの脱硫容量が大きくなるので望ましいが、経済性を考慮して必要最小限に設定することが望ましい。
脱硫部71bは、図3(a)に示すように予備改質室61aにおける改質触媒層71aの上流側(供給部68側)、本実施形態では予備改質室62aの供給部68と伝熱部71eの間の領域に設けられている。このような領域は脱硫触媒に捕捉された成分の炭素析出反応が進行しない温度領域、例えば350℃程度以下に容易にできる領域であることが確かめられている。
すなわち、脱硫部71bは良好な伝熱性の隔壁62bを介して主改質室62aに設けた低温シフト触媒層72dと向かい合わせで配置されるが、正常運転時における低温シフト触媒層72dの温度は入口部から出口部にかけて400℃から180℃程度に設定されるので、低温シフト触媒層72dからの伝熱で加熱される脱硫部71bの温度勾配はそれより幾分低い温度レベルで供給部68側から伝熱粒子層71eに向かって高くなる。
そのため脱硫部71bは伝熱粒子層71e側が最高温度になるので、該部分の温度を
炭素析出反応が進行しない温度領域になるように脱硫触媒の充填領域の上限を設定すればよい。実験によれば、低温シフト触媒層72dが前記のような温度範囲で運転される場合、アルミナまたは炭化珪素等のセラミック粒子、又は金属はハニカム構造体で構成した担体や伝熱部に脱硫触媒を混合した脱硫部71b部分を図示のように、おおよそ支持板73eと73cの下半分程度まで設けることにより、脱硫部71bの温度分布は(340℃〜110℃)程度の範囲に納まることが確かめられている。
なお、主改質室62aの伝熱部72bの熱はそれに隣接する予備改質室61aの改質触媒層71aに隔壁62bを介して伝熱される。また主改質室62aの高温シフト触媒層72cの熱は、それに隣接する予備改質室61aの予備改質層71dおよび/または伝熱部71eに隔壁62bを介して伝熱され、流入する原料−水蒸気混合物を加熱すると共に間接的に改質触媒層71aを昇温させる。
本実施形態では、改質器1の外側筒61の外周面に図示しない電気ヒータが配置されると共に、脱硫部71bにはその温度を検出するサーミスタ等の温度検出部(図示せず)が設けられる。電気ヒータは改質器1を周囲から加熱し、前記のように例えば脱流触媒としてNi系触媒を用いた場合に、改質器1の停止中において脱硫触媒の温度を100℃〜350℃に保温して結露及びニッケルカルボニルの生成を防止する。具体的には改質器1の停止中は温度検出部で検出した脱硫部71bの温度が上記の温度領域になるように制御手段14が電気ヒータを制御する。次に、図1の自己酸化加熱型の改質器1を用いた水蒸気改質システムにより原料ガスの水蒸気改質を行う方法について説明する。
(水蒸気発生操作)
蒸気発生手段2の水貯留部(水ドラム)の水位は水位検出手段40で検出され、その検出値が予め設定された値より少ないときには、制御手段14から流量調整弁32を開ける制御信号が出力され、水貯留部の水位を常に所定値に維持する。制御装置14は水蒸気発生手段2の燃焼部2aにおけるバーナーを起動する制御信号を出力すると共に、流量調整弁37,33aを制御して燃焼部2aへ所定流量の燃料−空気混合物を供給する。
すなわち、制御手段14は圧力検出器41からの水蒸気圧力検出値が予め設定された値になるように、第1の吸引混合手段6へ加圧空気を流す配管102bの流量調整弁37を制御する。なお制御装置14には燃焼用燃料と燃焼用空気の比率が一定になるように予めプログラムされている。しかし蒸気発生量は要求される負荷量に比例すべきであり、且つ水蒸気発生量は燃焼部2aに供給する燃焼量に比例するので、負荷指令に対応して空気流量及び燃料流量を制御してもよい。
上記のように制御された空気流は第1の吸引混合手段6に流入するとともに、その流量に対して所定割合で燃料が吸引されて両者が均一に混合される。そのため燃料供給系統に特別なポンプ等の動力手段を設ける必要がない上に、均一混合により燃焼部2a内部では局部的に高温になる領域がなくなり、良好な燃焼進行によってNOxの発生は低く抑えられ、環境にやさしい燃焼排ガスを排出することができる。
第1の吸引混合手段6を使用する場合、制御装置14により燃料の最大許容流量を設定できるように流量調整弁33bの弁開度を一定に制御し、流量調整弁37の弁開度を変化する制御、すなわち空気量を変化する制御を行うことにより、燃焼用燃料の流量を空気流量にほぼ比例するように制御することができる。また第1の吸引混合手段6に供給される加圧空気の圧力は常圧より僅かに高い値、例えば0.02MPa程度で燃料ガスを吸引可能なレベルの負圧を発生することができる。
一方、燃料電池に改質ガスが供給されて発電運転の状態になった後、流量調整弁33bを開けることにより、配管101aから燃料電池のアノード排ガスが第1の吸引混合手投6に燃料の一部としてリサイクルされる。また流量調整弁33aを開けることにより配管111からメタン、エタン、プロパン等の炭化水素、メタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類又は残水素を含む燃料電池のアノード排ガスなどの原料ガスを燃料として第1の吸引混合手段6に供給することもできる。
上記流量調整弁33bと33aの選択は、例えば制御手段14への燃料選択指令により行うことができる。そして燃焼部2aからの燃焼排ガスは配管113から第1の熱交換手段13に供給され、そこで熱交換により冷却されてから配管114で外部に排出される。一方、配管101aまたは配管111からの燃料は第1の熱交換手段13で加熱されて第1の吸引混合手投6に供給される。
(原料−水蒸気混合操作)
水蒸気発生手投2で発生した水蒸気は第2の吸引混合手段4に供給されるが、その流量調整は制御手段14からの制御信号で行われる。すなわち制御手段14に設けた入力手段で改質手投1への原料供給流量の設定値を入力すると、制御手段14から燃焼用燃料調整弁33a及び燃焼用空気流量調整弁37が調整され必要な蒸気が発生する。その蒸気発生量の時間遅れについては予め実験等で求められ、例えば、2分の時間遅れで目標の定常量の蒸気が発生する。
上記の蒸気発生量に対応させて予め水蒸気発生量と改質用の原燃料流量の比率が適正範囲になるようにプログラムしておくと、蒸気発生量に対応した所定の弁開度を維持する制御信号が出力される。好適な原料ガスと水蒸気の混合割合は、原料ガスに含まれている炭素Cを基準に表示すると、例えば炭化水素の場合はHO/C=2.5〜3.5の範囲が好ましく、脂肪族アルコールの場合はHO/C=2〜3の範囲が好ましい。
第2の吸引混合手段4には前記のように水蒸気流量に対して所定割合のメタン、エタン、プロパン等の炭化水素、メタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類または残水素を含む燃料電池のアノード排ガス、さらには都市ガス、プロパンガス、天然ガスなどの原料ガスが配管109から混合する。そして、第2の吸引混合手段4から均一な原料−水蒸気混合物が流出して改質手段1に供給される
なお、原料供給系8から供給される原料ガスは、配管111、脱硫手段9、流量調整弁31および第1の熱交換手段13を経て配管109に流入する。原料ガスは制御手段14からの制御信号により流量調整弁31を所定開度に制御され、第1の熱交換手段13で所定温度に加熱されてから第2の吸引混合手段4に供給される。あるいは原料ガスは制御手段14からの制御信号により所定開度に維持された流量調整弁31でその最大許容流量を制限され、第1の熱交換手段13で所定温度に加熱されてから第2の吸引混合手段4に流入し、その時の混合手段を通過する水蒸気流量に自立的に比例した原料ガスが供給される。
すなわち、エジェクターの駆動ガス流量に比例して吸引ガスの吸引力が変化して、その結果として吸引される原燃料ガス流量は間接的に制御制御可能となる。原燃料側の調整弁は、エジェクターの駆動ガス流量に対して、吸引側の原燃料ガス流量とその圧損がバランスするように選定したオリフイスで代用することも可能である。
(改質反応操作)
前記のように第2の吸引混合手段4から配管104に流出した原料−水蒸気混合物は、改質器1の供給部68(図3(a))を経て予備改質室61a内に流入する。なお平常運転時においては主改質室62aから隔壁62bを通して伝熱する熱エネルギーによって、予備改質室61aに設けられた脱硫部71b、伝熱部71eおよび改質触媒層71aが所定温度範囲に昇温される。
予備改質室61aの供給部68に流入した原料−水蒸気混合物は先ず脱硫部71bを通過する間に含有する硫黄成分が脱硫触媒によって捕捉・除去され、次いで伝熱部71eを通過する間にさらに昇温し、改質反応温度に維持された改質触媒層71aに流入する。その間、脱硫部71bにおける脱硫触媒は制御手段14により
原料−水蒸気混合物は改質触媒層71aを通過する間に、原料ガスの一部が水蒸気改質反応して水素リッチな改質ガスに変換される。そして水素を含む改質ガスと反応しなかった残りの原料−水蒸気混合物が排出部68aから排出する。なお改質反応は吸熱反応であるので、排出部68aから流出する混合物の温度は改質触媒層71aの平均温度より低下する。
予備改質室61aの排出部68aから排出した前記改質ガスと原料−水蒸気混合物は、主改質室62aの供給部69aから混合触媒層72aに流入する。その際、供給部69aには酸素含有ガス導入部63からの酸素含有ガスとしての空気が供給され、その空気は、混合触媒層72aに流入する原料−水蒸気混合物等に混入する。
酸素含有ガス導入部63から供給される空気流量は制御手段14で制御される流量調整弁36によって調整される。すなわち、原料ガスの流量調整弁31の信号に対応して、原燃料流量と酸化空気の流量は一定になるように予めプログラムされた制御ロジックに従い、供給される改質用の原料ガスと酸化空気の流量比が所定の範囲に入るように流量調整弁36に制御信号を出力する。あるいは、制御手投14には原料ガス流量を調整する流量調整弁31の制御情報が記憶されており、水蒸気流量および原燃料流量比率が所定値になるように、該制御情報から必要とする空気流量を算出して流量調整弁36に制御信号を出力することもできる。
上記のように原料−水蒸気混合物は混合触媒層72aに流入するが、その原料−水蒸気混合物を構成する原料ガスの一部は流入した空気中の酸素と酸化反応し、その酸化熱により原料−水蒸気混合物を改質反応に必要なレベルまで昇温、すなわち自己酸化内部加熱に必要な改質反応温度まで昇温する。なお混合触媒層72aにおける改質反応温度(平均温度)は例えば650℃〜750℃程度、標準的には700℃前後の温度に維持することが望ましい。
一方、混合触媒層72aにおける温度管理は、水蒸気改質反応に適した温度に加えて、その下流側の伝熱部72bとの境界における温度が所定レベルに維持できるように管理することも重要になる。例えば伝熱部72bとの境界における温度が650℃以上、好ましくは700℃以上になるように、混合触媒層72aにおける平均温度を管理すると、前記予備改質室61aにおける改質触媒71aの温度を少なくとも500℃以上に維持することが可能になり、それによって予備改質室61aの改質反応が促進してスムーズに行われる。
生成した水素リッチな改質ガスは混合触媒層72aからその下流側の伝熱部72bに流出するが、その流出する改質ガスの温度が650℃以上、好ましくは700℃以上の温度になるように運転することが望ましい。改質ガスが伝熱部72bを通過する間に、その顕熱の一部が隔壁62bを通して予備改質室61aの伝熱部71eに移動し、好適な温度設定を行うことにより、伝熱部72bから下流側の高温シフト触媒層72cに流入する際の改質ガスの温度は、シフト反応に適する500℃以下に下降させることができる。
高温シフト触媒層72cに流入した改質ガスはそこでシフト反応し、含まれている一酸化炭素の殆どが水素に変換される。すなわち前記のように、改質ガスに残存する水蒸気と一酸化炭素がシフト触媒の存在下に水素と炭酸ガスにシフト変換されて水素を生成する。
次いで、改質ガスは高温シフト触媒層72cから下流側の低温シフト触媒層72dに流入し、そこで残存する一酸化炭素から更に水素が生成される。このように2段階のシフト反応を行うことにより改質ガスに残存する一酸化炭素をより一層低減できるとともに、水素をそれに応じて生成できる。そして高温シフト触媒層72cおよび低温シフト触媒層72dにおけるシフト反応は発熱反応であり、その反応熱の一部は前記のように隔壁62bを通して予備改質室61aの伝熱部71eと脱硫部71bに移動する。
図3に示すように、本実施形態では脱硫部71bが低温シフト触媒層72dに対向して配置されている。平常運転時において脱硫触媒の温度領域を炭素析出反応が進行しない温度、すなわち170℃〜350℃の温度に設定するには、例えば低温シフト触媒層72dの温度を約400℃〜170℃の範囲になるように改質器1を運転すればよいことが分かっている。低温シフト触媒層72dの温度をそのような温度範囲になるように運転するには、例えば混合触媒層72aから流出する改質ガス温度の調整、伝熱部72bにおける伝熱粒子量変化によるその熱交換量の調整、高温シフト触媒層72cに充填するシフト触媒量の調整等による発熱量調整、等の手段があり、これらは実験等により決めることができる。
低温シフト触媒層72dを通過した改質ガスは排出部69から配管105(図1)に流出するが、通常、その時点での改質ガス温度は180℃程度の高温であるので、第2の熱交換手段12で冷却してから混合手段5に流入させる。混合手段5に流入した改質ガスは配管110から供給される空気と混合し、次いでCO低減手段3に流入する。CO低減手投3では改質ガスに残存する一酸化炭素が極めて微量なレベル(例えば10ppm以下)まで低減され、配管107、303を経て燃料電池300に供給される。
前記配管110から混合手投5に供給される空気の流量は、制御手段14からの制御信号により流量調整弁38の開度を変化させ調整される。すなわち制御手段14には前記のように原料ガス流量を調整する制御情報が記憶されており、原料ガスの流量調整弁31と空気の流量調整弁38に対して酸化空気と原燃料の体積比が所定値になるように適正な制御信号を出力するように構成されている。
あるいは、制御手段14には水蒸気流量を調整する制御情報が記憶されており、水蒸気流量は改質ガス流量と相関関係にあるので、該制御情報から必要とする空気流量を算出して流量調整弁38に適正な制御信号を出力するように構成することもできる。
(実施例1)
脱流部71bを構成する脱硫触媒として、アルミナ粒子からなる担体の表面に10重量%のニッケルを担持した触媒(嵩密度1.0)、300ccを用意し、図3に示す予備改質室61aの脱硫部71bの領域に充填した。ここに4.2リットル/分の2ppm〈体積)の硫黄成分を含んだ都市ガスを水蒸気/炭素比:2.9となる条件で水蒸気とともに予備改質室61aの供給部68に供給し、低温シフト触媒層72dの入り口部における温度が350℃になるように500時間運転した結果、脱硫部71bの最も高温となる部分の温度は300℃に維持された。運転500時間の運転中、改質手段1の出口のメタン濃度の正常値からの変化は認められなかった。(なお改質器1が正常運転しているときのメタン濃度の正常値は0.2〜0.5%の範囲である。)500時間運転後に前記脱硫触媒を予備改質室61aから取り出し、脱硫触媒中の硫黄を分析した結果、供給部68に最も近い部分における硫黄分は0.02g−S/g−触媒であり,供給部68から最も離れた部分における硫黄分は0.001g−S/g触媒であった。一方、脱硫触媒中に炭素の析出はまったく認められなかった。
(比較例1)
実施例1の脱硫触媒の代わりにアルミナ粒子だけを図3の脱硫部71bの領域に充填した以外は、実施例1と同じ条件で500時間運転した。400時間経過したころから改質手段1の出口のメタン濃度が正常値の2〜3倍になったことが認められた。500時間運転後、脱硫触媒を予備改質室61aから取り出し、脱硫触媒中の硫黄を分析した結果、硫黄の吸着と共にかなりの量の炭素の析出が確認された。
(実施例2)
脱流部71bを構成する脱硫触媒として、アルミナ粒子からなる担体の表面に45重量%のニッケルを担持した触媒〈嵩密度1.0〉、300ccを実施例1と同じ領域に充填した。ここに4.2リットル/分の10PPm〈体積〉の硫黄成分を含んだ都市ガスを水蒸気/炭素比:2.9となる条件で水蒸気とともに予備改質室61aの供給部68に供給し、低温シフト触媒層72dの入り口部における温度が350℃になるように500時間運転した結果、脱硫部71bの最も高温となる部分の温度は300℃に維持された。500時間の運転中、改質手段1の出口のメタン濃度の正常値からの変化は認められなかった。500時間後に脱硫触媒を予備改質室61aから取り出し、脱硫触媒中の硫黄を分析した結果、供給部68に最も近い部分における硫黄分は0.08g−S/g−触媒であり,供給部68から最も離れた部分における硫黄分は0.001g−S/g−触媒であった。
(実施例3)
脱流部71bを構成する脱硫触媒として、アルミナ粒子の担体表面に銅系のシフト触媒例えばCuO−ZnOを300ccを実施例1と同じ領域に充填し、実施例1と同じ条件で実験した。その結果、実施例1と同様の効果を得た。
本発明の自己酸化内部加熱型の改質器は、特に改質システムの起動時において許容値以上の硫黄が一時的に改質器に流入した場合にも、硫黄被毒による改質システムの実用寿命を阻害することなく安定に運転を行うために利用できる。
本発明の改質器を備えた改質システムのプロセスフロー図。 図1における燃料−空気混合物を供給する吸引混合手段6の構造を示す断面図。 図1における改質器1の具体的構成を示す図。
符号の説明
1 改質器
2 水蒸気発生手段
2a 燃焼部
3 CO低減手段
4 第2の吸引混合手段
5 混合手段
6 第1の吸引混合手段
7 加圧空気供給系
8 原料ガス供給系
9 脱硫装置
10 水タンク
12 第2の熱交換手段
13 第1の熱交換手投
14 制御手段
20 エジェクター
21 固定部
22 内部ノズル構造体
23 外部ノズル構造体
24,25 開口部
26 絞り部
31〜38 及び84 流量調整弁
39,83,303,304 開閉弁
40 水位検出手段
41 圧力検出手段
42 温度検出手段
61 外側筒
62 内側筒
61a 予備改質室
62a 主改質室
62b 隔壁
63 酸素含有ガス導入部
64〜66 マニホールド
68 供給部
68a 排出部
69 排出部
69a 供給部
70 断熱壁
71a 水蒸気改質触媒層
71b 脱硫部
71e 伝熱部
72a 混合触媒層
72b 伝熱部
72c 高温シフト触媒層
72d 低温シフト触媒層
72e シフト触媒層
73a〜73e 支持板
81〜82,101〜114,301〜302 配管

Claims (2)

  1. 外側筒61とその内部に所定間隔で配置された内側筒62を備え、外側筒61と内側筒62との間の空間部に予備改質室61aが形成され、内側筒61の内部に主改質室62aが形成され、
    予備改質室61aには、その一方の端部に原料供給部68が設けられると共に、他方の端部に排出部68aが設けられ、
    主改質室62aには、その一方の端部に前記予備改質室61aの排出部68aと連通する原料の供給部69aが設けられると共に、他方の端部に改質ガスの排出部69が設けられ、
    予備改質室61a内には、その原料供給部68側に脱硫部71bが設けられると共に、その排出部68a側に改質触媒層71aが設けられ、
    主改質室62a内には、その原料の供給部69a側から改質ガスの排出部69側に向けて改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層72a、高温シフト触媒層72cおよび低温シフト触媒層72dが順に設けられ、
    前記脱硫部71bは伝熱性の隔壁62bを介して前記低温シフト触媒層72dと対向配置されていることを特徴とする改質器。
  2. 請求項1において、前記脱硫部71bがNi系の改質触媒または卑金属系のシフト触媒と同じものを用いることを特徴とする改質器。
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