JP4189731B2 - 自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムとその起動方法 - Google Patents

自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムとその起動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料ガスを水蒸気と酸素の存在下に自己酸化および改質を行って水素リッチな改質ガスを生成するように構成した自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム、および該システムの起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタン等の炭化水素、メタノール等の脂肪族アルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類、天然ガスや都市ガス等の原料ガスと水蒸気の混合物(以下、原料−水蒸気混合物という)を水蒸気改質触媒の存在下に水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを生成するシステムが知られている。
改質システムの主要な構成要素である改質反応装置としては、水蒸気改質反応に必要な熱量を外部から供給する外熱式と、内熱式がある。
【0003】
前者の外熱式は、バーナー等で発生した燃焼ガスで改質反応装置の壁面を外部から加熱し、その壁を通して内部の反応室に改質反応に必要な熱を供給するものである。この外部加熱型を採用した水蒸気改質装置において、原料ガスとしてメタンを使用した場合の反応式は、
CH4 + 2H2 → CO2 + 4H2 (1)
で示すことができ、水蒸気改質反応に必要な温度は700〜750℃の範囲とされる。
【0004】
前記内熱式は、改質反応装置における原料−水蒸気混合物の供給側(上流側)に部分酸化反応層を装備し、該部分酸化反応層で発生した熱を用いて下流側に配備した水蒸気改質反応層を水蒸気改質反応温度まで加熱し、該加熱された水蒸気改質触媒層で水蒸気改質反応させて水素リッチな改質ガスを生成するように構成している。この場合において、原料ガスとしてメタンを使用したときの部分酸化反応は、
CH4 + 1/2 ・O 2 → CO + 2H2 (2)
で示すことができ、部分酸化反応に必要な温度は250℃以上の範囲とされる。
【0005】
しかし、従来の外熱式および内熱式における改質反応装置は、加熱部の温度が700℃程度の改質反応温度レベルよりも高温、たとえば1000℃にもなるため、放熱によるエネルギー損失が大きく、装置を構成する部材に高温劣化を生じ、寿命が短いという問題があった。
前記内熱式を改良する「自己酸化内部加熱型改質装置および方法」が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来から、酸素存在下では水蒸気改質触媒の機能が阻害されるとされていたが、特許文献1に提案された技術では、酸化触媒を共存させることにより前記問題を解決し、酸素の存在下でも水蒸気改質触媒の本来の機能を有効に維持させることを可能としている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−192201号公報
【0007】
上記特許文献1に提案された改良技術では、酸化反応による発熱と水蒸気改質反応をそれぞれ酸化触媒と水蒸気改質触媒からなる混合触媒層で同時に行っている。すなわち、酸化発熱層と水蒸気改質反応(吸熱反応)層が共存することにより、加熱部の温度と吸熱部の温度を同等に維持することが可能となり、触媒等の構成部材の温度を所定の改質反応温度以下、例えば700℃近傍に抑制でき、それによって構成部材の寿命短縮も防止でき得るとしている。また、改質装置内部の熱を有効に回収する機能を併せ持っているので高い改質効率が得られるとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載された自己酸化内部加熱型の改質装置では、その図2に示されているように、水供給ポンプEから供給される水を冷却器Cで改質ガスと熱交換し昇温して、さらに改質反応装置Aで熱交換して水蒸気を発生させ、その水蒸気を混合器Fで原料ガスと混合している。
【0009】
しかし水を改質ガスなどと熱交換して水蒸気を発生させる方式では、水蒸気の発生量が改質ガスの流量や温度により左右され、必要な量を正確に制御することが困難である。さらに、改質反応装置の本体部分に熱交換部を設けるにはスペース的な困難性が伴い、装置構成が複雑化するという問題もある。
【0010】
さらに、生成した水素リッチな改質ガスは燃料電池用の燃料として利用できるが、上記公報の構成では水素が残留する燃料電池のアノード排ガスを水蒸気発生用の燃料として再利用できない。
一方、燃料電池のアノード排ガスを燃焼して水蒸気を発生させる場合には、その燃料を例えば加圧ポンプ等で加圧して燃焼器に供給する必要があるが、そのように構成するとシステムが複雑になり重量も大きくなる。このような重量増加は特に車両搭載型の燃料電池に改質ガスを供給する改質装置において不利な要素になる。
【0011】
そこで本発明は、上記公報に開示された自己酸化内部加熱型の改質装置の問題を解決することを課題とし、そのための新しい水蒸気改質システムの提供を目的とする。また本発明は該システムを効率よく起動する方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、原料ガスを酸素の存在下に自己酸化し水蒸気改質して水素リッチな改質ガスを生成するように構成した自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムである。そして本システムは、
燃焼用の空気流中に燃料を吸入し空気−燃料混合物を得る第1の吸引混合手段と、空気−燃料混合物を燃焼する燃焼部とを含み、該燃焼部で発生した燃焼ガスで水を加熱し水素を発生させるように構成した水蒸気発生手段2と、
水蒸気発生手段で得られた水蒸気流中に原料ガスを吸引して原料−水蒸気混合物を得る第2の吸引混合手段と、
前記原料−水蒸気混合物を導入し、それに含まれる原料ガスを外部から供給する酸素含有ガスで酸化し、酸化による反応熱で原料ガスの水蒸気改質を行って水素リッチな改質ガスを生成する改質手段と、
改質手段に供給する酸素含有ガスを外部から供給する熱源で加熱する第1の加熱手段と、前記改質手段1に導入される原料−水蒸気混合物を外部から供給する熱源で加熱する第2の加熱手段11bを備えていることを特徴とする(請求項1)。
【0013】
上記システムにおいて、改質手段1で生成した改質ガスに含まれる一酸化炭素ガスを酸化して低減するCO低減手段を設けることができる(請求項2)。
【0015】
さらに上記いずれかのシステムにおいて、改質手段に供給する酸化用の酸素含有ガスおよび/又は水蒸気発生手段に供給する燃焼用の空気を、改質手段で生成した改質ガスで予熱する熱交換手段を設けることができる(請求項)。
【0016】
さらに上記いずれかのシステムにおいて、前記改質手段は、伝熱性の隔壁で仕切られた第1反応室と第2反応室を有し、第1反応室にはその一方の端部に原料−水蒸気混合物を供給する原料供給部、他方の端部に排出部をそれぞれ設けると共に、その内部に水蒸気改質触媒層を充填し、第2反応室にはその一方の端部に第1反応室の排出部に連通する原料供給部および酸素含有ガス導入部、他方の端部に排出部をそれぞれ設けると共に、その内部の原料供給部側に水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層、中間部に伝熱部、排出部側にシフト触媒層を順に設けることができる(請求項)。
【0017】
上記システムにおいて、前記第1反応室はその原料供給部側に伝熱部を設けると共に、排出部側に水蒸気改質触媒層を設け、前記隔壁を介して、第1反応室の伝熱部と第2反応室のシフト触媒層とが対向することができる(請求項)。
【0018】
上記システムにおいて、第2の吸引混合手段に酸素含有ガスの吸引部を設けて、改質手段に導入される原料−水蒸気混合物に酸素含有ガスを混合するように構成し、改質手段の第1反応室に設けた伝熱部に伝熱粒子と酸化触媒を混合した酸化触媒含有伝熱体層を配置することができる(請求項)。
【0019】
前記システムにおいて、第1の加熱手段から流出する酸素含有ガスで原料−水蒸気混合物を酸化反応して前記第2反応室の上部に供給する酸化手段と、第2の吸引混合手段から原料−水蒸気混合物を酸化手段に供給する配管を有することができる(請求項)。
【0020】
また前記課題を解決する本発明に係る他の発明は、原料−水蒸気混合物に含まれる原料ガスの一部を酸素含有ガスと反応させて自己酸化加熱し、原料−水蒸気混合物を改質反応温度に昇温して水蒸気改質反応させるように構成した自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムの起動方法である。
そして本停止方法は、システム起動に際して前記酸素含有ガスを外部から供給する熱源で加熱し、原料−水蒸気混合物の自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することを特徴とする(請求項)。
【0021】
上記停止方法において、システム起動に際して前記原料−水蒸気混合物を外部から供給する熱源で加熱し、自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することができる(請求項)。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に図面により本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムの実施の形態を説明するプロセスフロー説明図である。図1において、80は自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムのパッケージを示し、周辺機器との取り合いインターフェース条件が要求仕様となって設計される。すなわち、各システムを構成する機器をユニットとして、共通の架台、ラック、容器またはケースにボルト等の締結具を利用して着脱自在に取り付け、さらに、機器相互をコンパクトに配置して相互間の配管を短くし、放熱損失を極力減少するように構成される。
【0023】
水蒸気発生手段2は燃焼部2aと第1の吸引混合手段6を備えており、燃焼部2aには第1の吸引混合手段6から供給される空気−燃料混合物を燃焼するバーナー(図示せず)が設けられる。また水蒸気発生手段2には水タンク(または純水タンク)10からの水供給用の配管108と、第2の吸引混合手段4への水蒸気供給用の配管2bが接続され、配管108には遠隔操作可能な流量調整弁32(例えば空気圧式、油圧式または電動式などで駆動される調整弁、以下他の流量調整弁も同じ)が設けられ、配管2bには同様な流量調整弁39が設けられる。
【0024】
さらに水蒸気発生手段2には水貯留部(水ドラム)の水位を検出する水位検出手段40と、発生した水蒸気の圧力を検出する圧力検出手段41が設けられ、それらの検出値に比例する電気信号(検出信号)が制御手段14にそれぞれ伝送される。
制御手段14は後述するように、水位検出手段40や圧力検出手段41の検出値、または他の操作指令を受けて各流量調整弁などを制御する。この制御手段14は例えばコンピュータ装置により構成される。
【0025】
制御手段14を構成するコンピュータ装置は、種々の制御動作を行うCPU(中央演算装置)、オペレーションシステム(OS)や制御プログラムを格納したROMやRAM等の記憶部、キーボードやマウス、もしくは操作盤などの入力部などにより構成され、さらに必要に応じてディスプレーやプリンタ等が附加される。なお制御手段14を本システムに収容したパッケージ80から離れた場所に設置し、通信回線を利用して流量調整弁等を制御することもできる。
【0026】
燃焼部2aには燃焼排ガスを排出する配管113が接続され、その配管113は第1の熱交換手段13における熱交換配管を経て配管114に接続され、配管114の先端部は外部に開口する。第1の熱交換手段13には燃料電池のアノード排ガスを供給する配管101aが接続され、配管101aは第1の熱交換手段13における熱交換配管を経て配管101bに連通し、その配管101bの先端部は第1の吸引混合手段6に接続される。配管101aには原料供給系8に接続した別の配管111aが合流し、配管111aに遠隔制御可能な流量調整弁33aが設けられる。
【0027】
燃焼部2aにはさらに配管112が接続され、その配管112は流量調整弁34を介して加圧空気供給系7からの配管102に接続される。配管112からの空気は燃焼部2aの燃焼温度調整用空気として利用される。
【0028】
貯留タンクなどを備えた原料供給系8からの原料ガス供給用の配管111が脱硫手段9の入口側に接続され、脱硫手段9の出口側には脱硫された原料ガスが流出する配管103が接続される。配管103には遠隔操作可能な流量調整弁31が設けられ、流量調整弁31の下流側は前記第1の熱交換手段13を経て配管109に接続され、配管109の先端部は第2の吸引混合手段4に接続される。
なお第1の熱交換手段13は3流体熱交換器を使用しているが、燃焼排ガスの熱交換配管を共通して有する2流体熱交換器を2基使用することもできる。
【0029】
一方、前記第1の吸引混合手段6には、さらに燃焼用の空気を供給する配管102bが接続され、その配管102bは第2の熱交換手段12を経て遠隔操作可能な流量調整弁37を設けた配管102aに接続される。そして配管102aの先端部は空気圧縮機などを備えた加圧空気供給系7に接続される。
【0030】
改質手段1には第2の吸引混合手段4からの原料−水蒸気混合物を供給する配管104と、加圧空気などの加圧された酸素含有気体を供給する配管102dが接続される。配管102dには第1の加熱手段11aが設けられ、その流入側は第2の熱交換手段12を経て遠隔操作可能な流量調整弁36を設けた配管102cに接続され、その配管102cの先端部は加圧空気供給系7に接続される。
第1の加熱手段11aは、改質手段1の中に一体化した構造としてもよい。
【0031】
さらに改質手段1には改質ガス排出用の配管105が接続され、配管105は第2の熱交換手段12を経て配管106に接続され、さらに配管106の先端部が酸化用の空気を混合する混合手段5に接続される。なお本実施の形態では第2の熱交換手段12として3流体熱交換器を使用しているが、改質ガスの熱交換配管を共通して有する2流体熱交換器を2基使用することもできる。
【0032】
改質手段1には第1の反応室61aと第2の反応室62a(後述する図3を参照)が配置され、第2の反応室62aに収容された混合触媒層72aの温度を検出する温度検出手段42が設けられる。この温度検出手段42の検出信号は前記制御手段14に伝送される。
【0033】
混合手段5には遠隔操作可能な流量調整弁38を設けた加圧空気供給用の配管110が接続され、配管110の先端部は前記加圧空気供給系7に接続される。混合手段5の出口側はCO低減手段3に接続され、CO低減手段3の出口側の配管107は図示しない燃料電池などの負荷設備に接続される。
【0034】
図2は図1における第1の吸引混合手段4または第2の吸引混合手段4の具体的構造を示す横断面図である。第1の吸引混合手段4と第2の吸引混合手段4は容量などが異なるだけでいずれも同じ原理のエジェクター20で構成される。エジェクター20はシステム基板に固定するための固定部21と、固定部21から延長する内部ノズル構造体22と外部ノズル構造体23を備え、外部ノズル構造体23に開口部24、25および絞り部26が設けられる。なお図2には点線で示す吸引部4aが示されているが、この吸引部4aは後述する他の実施の形態で使われるので、ここではその説明を省略する。
【0035】
第1の吸引混合手段4の場合を例に作用を説明すると、内部ノズル構造体22に主流体である空気流を矢印のように供給したとき、空気流のベンチュリー効果により空間部26部分が減圧状態になる。そして開口部24から副流体である燃料(気体燃料または液体燃料)を矢印のように供給すると、燃料は吸引され空気流と均一に混合されて開口部25から噴出する。従って、燃料は特に加圧しなくても燃焼用の空気と均一に混合する。
なお第2の吸引混合手段4の場合は、主流体である水蒸気を内部ノズル構造体22に供給し、副流体である原料ガスを開口部24から供給することにより、原料ガスは特に加圧しなくても水蒸気と均一に混合する。
【0036】
図3(a)は図1における改質手段1の具体的構成を示す縦断面図であり、図3(b)はそのA−A断面図である。改質手段1は外側壁61の内部に所定間隔で配置された3つの第1反応室61aと、それら第1反応室61aの間に配置した2つの第2反応室62aを備えている。そして第1反応室61aと第2反応室62aは耐食性を有し且つ伝熱性の良いステンレス等の金属からなる隔壁62bで仕切られた状態になっている。
【0037】
第1反応室61aの一方の端部(図3の下側)に原料−水蒸気混合物を供給する原料供給部68が設けられ、他方の端部(図3の上側)に排出部68aが設けられる。また第1反応室61aの内部には排出部68a側から順に多数の微小な貫通部を有する支持板73a、73c、73eが設けられ、支持板73aと73cの間に水蒸気改質触媒層71aが充填され、支持板73cと73eの間に伝熱粒子を充填した伝熱部71bが設けられる。なお伝熱部71bは伝熱粒子を充填する代りに上下にガス流路を形成した耐熱性のセラミック構造体や伝熱フィンで構成することもできる。
【0038】
第2反応室62aの一方の端部(図3の上側)に第1反応室61aの排出部68aと連通する原料供給部69aが設けられると共に、その原料供給部69aに空気などの酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入部63のマニホールド64、ノズル部65などが配置される。また第2反応室62aの他方の端部(図3の下側)にマニホールド66を介して排出部69が接続される。さらに第2反応室62aの内部には原料供給部69a側から順に多数の微小な貫通部を有する支持板73a、73b、73c、73d、73eが設けられる。
【0039】
そして支持板73aと73bの間に水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層72aが充填され、支持板73bと73cの間に伝熱粒子を充填した伝熱部72bが設けられ、支持板73cと73dの間に高温シフト触媒層72cが充填され、支持板73dと73eの間に低温シフト触媒層72dが充填される。なお伝熱部71bは伝熱粒子を充填する代りに上下にガス流路を形成した耐熱性のセラミック構造体や伝熱フィンで構成することもできる。
上記伝熱部71bに伝熱粒子を使用する場合は、それら伝熱粒子として、アルミナあるいは炭化珪素等のセラミック粒子などを使用することができる。
【0040】
高温シフト触媒層72cと低温シフト触媒層72dの両層でシフト触媒層72fが構成される。なお第2の反応室62aに配置した支持板73aと73bの間に存在する周囲壁は断熱壁70とされ、酸化触媒による酸化反応熱が第1の反応室61aに逃げることを防止している。
【0041】
第1の反応室61aに充填する水蒸気改質触媒層71aは、原料ガスを水蒸気改質する触媒層であり、特開2001−192201号公報に開示されている改質反応触媒と同様なもので構成できるが、その中でもNiS−SiO2 ・Al2 3 などのNi系改質反応触媒が望ましい。またWS2 −SiO2 ・Al2 3 やNiS−WS2 ・SiO2 ・Al2 3 などの改質反応触媒も使用できる。
【0042】
混合触媒層72aを構成する主要成分である水蒸気改質触媒は、前記第1の反応室61aに充填する水蒸気改質触媒と同様なものを使用できる。この水蒸気改質触媒の使用量は、原料−水蒸気混合物が混合触媒層72aを通過する間に水蒸気改質反応が完了するに十分な値とされるが、その値は使用する原料ガスの種類により変化するので、最適な範囲を実験等により決定する。
【0043】
混合触媒層72aに均一に分散される酸化触媒は、原料−水蒸気混合物中の原料ガスを酸化発熱させて、水蒸気改質反応に必要な温度を得るものであり、例えば白金(Pt)やパラジウム(Pd)を使用することができる。水蒸気改質触媒に対する酸化触媒の混合割合は、水蒸気改質すべき原料ガスの種類に応じて1〜5%程度の範囲で選択する。例えば原料ガスとしてメタンを使用する場合は3%±2%程度、メタノールの場合は2%±1%程度の混合割合とすることが望ましい。なお前記各触媒はペレットタイプまたはモノリスタイプのいずれであってもよい。
【0044】
第1の反応室61aの伝熱部71bと第2の反応室62aの伝熱部72bは、隔壁62bを介して第2の反応室62aの熱エネルギーを効率よく第1の反応室61aに伝達するために設けられる。すなわち第2の反応室62aに設けた伝熱部72bは、混合触媒層72aからの高温流出物の熱エネルギーを蓄積し、その熱エネルギーで第1の反応室61aに充填する水蒸気改質触媒層71a部分を加熱し、第1の反応室61aに充填する伝熱部71bは、発熱反応部であるシフト触媒層72fからの熱エネルギーで原料供給部68から流入する原料−水蒸気混合物を加熱し、それら両方の熱エネルギー伝達により第1反応室61aの水蒸気改質触媒層71a部分における温度を水蒸気改質反応温度まで昇温する。
【0045】
高温シフト触媒層72cと低温シフト触媒層72dの両層により構成されるシフト触媒層72fは、改質ガス中に僅かに残留する一酸化炭素を酸化して水素に転換するものである。すなわち、改質ガスに残存する水蒸気と一酸化炭素の混合物をシフト触媒の存在下に水素と炭酸ガスにシフト変換して水素を発生させ、改質ガス中の水素濃度をより高くし、改質ガスに残存する一酸化炭素濃度をそれに応じて低くする。
【0046】
高温シフト触媒層72cや低温シフト触媒層72dを形成するシフト触媒としては、CuO−ZnO2 、Fe2 3 、Fe3 4 または酸化銅の混合物等を使用することができる。しかし700℃以上で反応を行う場合にはCr2 3 を使用することが望ましい。
【0047】
次に図1の自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムで原料ガスの水蒸気改質を行う方法について説明する。
最初に加圧空気供給系7を起動してシステムへの加圧空気供給体制を整え、制御手段14を起動状態としておく。次に水蒸気発生手段2を運転して必要な水蒸気を発生する。水蒸気発生手段2の水貯留部(水ドラム)の水位は水位検出手段40で検出され、その検出値が予め設定された値より少ないときには、制御手段14から流量調整弁32を開ける制御信号が出力され、水貯留部の水位を常に所定値に維持する。
【0048】
制御装置14は水蒸気発生手段2の燃焼部2aにおけるバーナーを起動する制御信号を出力すると共に、流量調整弁37を制御し流量調整弁33(または33a)を開けて燃焼部2aへ所定流量の燃料−空気混合物を供給する。すなわち、制御手段14は圧力検出器41からの水蒸気圧力検出値が予め設定された値になるように、先ず第1の吸引混合手段6へ加圧空気を流す配管102bの流量調整弁37を制御する。
【0049】
制御された空気流が第1の吸引混合手段6に流入すると、その流量に対して所定割合で燃料が吸引して両者が均一に混合される。そのため燃料供給系統に特別な昇圧手段を設ける必要がない上に、均一混合により燃焼部2a内部では局部的に高温になる領域がなくなり、良好な燃焼進行によってNOxの発生は低く抑えられ、環境にやさしい燃焼排ガスを排出することができる。
【0050】
第1の吸引混合手段6を使用することにより、流量調整弁33は燃料の最大許容流量を設定するように一定の弁開度に制御すれば十分である。なお第1の吸引混合手段6に供給される加圧空気の圧力は常圧より僅かに高い値、例えば0.02MPa程度とすることが望ましい。
【0051】
配管101aからの燃料電池のアノード排ガスは、流量調整弁33で流量調整されて第1の吸引混合手段6に供給される。また配管111からのメタン、エタン、プロパン等の炭化水素、メタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類または灯油などの原料ガスをガス燃料として流量調整弁33aで流量調整して第1の吸引混合手段6に供給することもできる。
【0052】
これら流量調整弁33と33aの選択は、例えば制御手段14への燃料選択指令により行うことができる。燃焼部2aで発生する燃焼排ガスは配管113を経て第1の熱交換手段13に供給され、そこで熱交換により冷やされて配管114を経て外部に排出される。一方、配管101aまたは111aからの燃料は熱交換手段13で燃焼排ガスと熱交換して加熱され、第1の吸引混合手段6に供給される。
【0053】
(原料−水蒸気混合物操作)
水蒸気発生手段2で発生した水蒸気は、流量調整弁39で流量調整されて第2の吸引混合手段4に供給されるが、その流量調整は制御手段14からの制御信号で行われる。すなわち制御手段14に設けた入力手段で改質手段1への原料供給流量の設定値を入力すると、制御手段14から流量調整弁39に所定の弁開度を維持する制御信号が出力される。原料ガスと水蒸気の混合割合は、原料ガスに含まれている炭素Cを基準に表示すると、例えば炭化水素の場合はH2 O/C=2.5〜3.5の範囲が好ましく、脂肪族アルコールの場合はH2 O/C=2〜3の範囲が好ましい。
【0054】
第2の吸引混合手段4には配管109からメタン、エタン、プロパン等の炭化水素、メタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類または残水素を含む燃料電池のアノード排ガス、さらには都市ガス、プロパンガス、天然ガスなどの原料ガスが水蒸気流量に対して所定割合で吸引される。このように原料ガスは水蒸気流により第2の吸入混合手段4に自動的に吸引されるので、原料ガス系統に特別な昇圧手段を設ける必要はない。このように第2の吸引混合手段4に所定割合で原料ガスと水蒸気を混合することにより、その出口側から均一な原料−水蒸気混合物が流出して改質手段1に供給される。
【0055】
なお、原料供給系8からの原料ガスは配管111、脱硫手段9、流量調整弁31および第1の熱交換手段13を経て配管109に供給される。そして原料ガスは制御手段14からの制御信号により所定開度に維持された流量調整弁31でその最大許容流量を制限され、第1の熱交換手段113で所定温度に加熱されてから第2の吸引混合手段4に流入する。第2の吸引混合手段4を使用することにより、流量調整弁31は燃料の最大許容流量を設定値になるように一定の開弁度に制御すれば充分である。例えば、第2の吸引混合手段4の蒸気流量に対応する固定オリフィスを設計したものでもよい。
【0056】
(改質反応操作)
前記のように第2の吸引混合手段4から配管104に流出した原料−水蒸気混合物は、改質手段1の原料供給部68(図3)を経て第1の反応室61a内に流入する。平常運転時においては、第2の反応室62aから隔壁62bを通して伝熱する熱エネルギーによって第1反応室61aの伝熱部71bが昇温され、第1反応室61aに流入した原料−水蒸気混合物はその伝熱部71bを通過する間に改質反応温度付近まで昇温する。
なお、図3の例では、伝熱部71bと水蒸気改質触媒層71aの境界部が伝熱部72bと高温シフト触媒部72cの境界に対応しているが、この位置は設計仕様により任意に設定することができる。例えば、低温シフト触媒層72dの位置をそれを対応させてもよい。
【0057】
改質反応温度付近に達した原料−水蒸気混合物は、次いで水蒸気改質触媒層71aを通過し、その間に原料−水蒸気混合物の一部が水蒸気改質反応して水素リッチな改質ガスに変換され、その水素を含む改質ガスと反応しなかった残りの原料−水蒸気混合物が排出部68aから一体となって排出する。
【0058】
但し、運転開始から僅かな間は原料−水蒸気混合物が改質反応温度まで昇温できないので、その時点の温度に応じて水蒸気改質反応は低下もしくは殆ど進行せずに、原料−水蒸気混合物はほぼ流入時に近い組成で排出部68aから排出する。なお水蒸気改質反応は吸熱反応であるから、排出部68aから流出する混合物の温度は水蒸気改質触媒層71aの平均温度より低下している。
【0059】
第1の反応室61aの排出部68aから排出した前記改質ガスと原料−水蒸気混合物は、そのまま第2の反応室62aの原料供給部69aから混合触媒層72aに流入する。その際、原料供給部69aには酸素含有ガス導入部63からの酸素含有ガスとしての空気が供給され、混合触媒層72aに流入する原料−水蒸気混合物等に混入する。
【0060】
酸素含有ガス導入部63から供給される酸素含有ガスは制御手段14で制御される流量調整弁36によって流量調整される。すなわち、制御手段14には水蒸気流量を調整する流量調整弁39の制御情報が記憶されており、水蒸気流量は原料−水蒸気混合物の流量と相関関係にあるので、該制御情報から必要とする酸素含有ガス流量を算出して流量調整弁36に制御信号を出力する。
【0061】
流量調整弁36で調整された酸素含有ガスは、第2の熱交換手段12および第1の加熱手段11aを順に通過して前記混合触媒層72aに流入する。起動時には改質手段1から高温の改質ガスが流出しないので、酸素含有ガスは第2の熱交換手段12では加熱できない。そこで起動時には第1の加熱手段11aにより酸素含有ガスを所定温度に加熱する。この第1の加熱手段11aはシステムの外部から熱源を供給して酸素含有ガスを加熱するもので、電気ヒータ加熱式または蒸気加熱式のいずれも採用できる。
【0062】
原料−水蒸気混合物は混合触媒層72aに流入し、そこで原料ガスの一部が混合触媒中の酸化触媒により酸素含有ガス中と反応し、その自己酸化加熱により原料−水蒸気混合物を改質反応に必要なレベルまで昇温する。その際、酸素含有ガスは前記のように第1の加熱手段11aで加熱されているので、起動時における初期の自己酸化加熱を促進して混合触媒層72aの昇温速度を速める。
【0063】
自己酸化加熱が進行して、改質触媒層72aの温度が原燃料の触媒燃焼の進む温度、例えば200℃程度になったとき、初期の不安定時期が終了したものとして、前記第1の加熱手段11aによる加熱操作を停止する。しかし加熱操作を停止しても一度立ち上がった自己酸化加熱はその後も継続して進行する。なお改質触媒層72aの温度は温度検出手段42で検出され、その検出信号が制御手段14に伝送される。
制御手段14は図示しない操作部からの起動信号により前記第1の加熱手段11aに運転指令の制御信号を出力し、上記検出温度が200℃に達したときに第1の加熱手段11aへ運転停止の制御信号を出力する。
【0064】
平常運転時における混合触媒層72aの平均温度は水蒸気改質反応に適した温度、すなわち650℃〜750℃程度、標準的には700℃前後の温度に維持することが望ましい。
一方、混合触媒層72aにおける温度管理は、水蒸気改質反応に適した温度に加えて、その下流側の伝熱部72bとの境界における温度を所定レベルに維持できる温度に管理することも重要になる。例えば伝熱部72bとの境界における温度が650℃以上、好ましくは700℃以上になるように、混合触媒層72aにおける平均温度を管理すると、前記第1の反応室61aにおける伝熱部71bの温度を少なくとも500℃以上に維持することが可能になり、それによって第1の反応室61aの水蒸気改質反応を促進できる。
【0065】
混合触媒層72aの平均温度を上記のような範囲に維持することは、例えば混合触層層72aを通過する改質ガスのSV値(Space Velocity)を、使用する触媒機能の要求仕様に合わせることによって実現できる。本実施の形態では混合触媒層72aの平均温度を水蒸気改質反応を進行させる温度に維持するが、それには水蒸気改質反応に必要な熱量を供給できる量の酸素含有ガス量を供給すると共に、その酸素を完全に消費するために必要な酸化触媒量を充填し、水蒸気改質反応のための改質触媒に対して、SV=5000,部分酸化反応のための酸化触媒に対しては,SV=100,000とすることが好ましい。
【0066】
混合触媒層72aからは水素リッチな改質ガスがその下流側の伝熱部72bに流出する。650℃以上、好ましくは700℃以上の温度で流入した改質ガスは、前記のように伝熱部72bを通過する間にその顕熱の一部が隔壁62bを通して第1の反応室61aの水蒸気改質触媒層71aおよび伝熱部71bに移動し、伝熱部72bから下流側の高温シフト触媒層72cに流入する際には、シフト反応に適する500℃程度の温度まで下降する。
【0067】
高温シフト触媒層72cに流入した改質ガスはシフト反応し、残留する一酸化炭素が水素に変換される。すなわち前記のように改質ガスに残存する水蒸気と一酸化炭素がシフト触媒の存在下に水素と炭酸ガスにシフト変換されて水素に転換する。改質ガスは次いで高温シフト触媒層72cからその下流側の低温シフト触媒層72dに流入し、そこで残存する一酸化炭素がさらに反応して水素に転換する。
【0068】
このように2段階のシフト反応を行うことにより、水素をより多く生成することが出来ると共に、一酸化炭素もそれに応じて低減される。
高温シフト触媒層72cおよび低温シフト触媒層72dにおけるシフト反応は発熱反応であり、その反応熱の一部は前記のように隔壁62bを通して第1の反応室61aの伝熱部71bに移動する。
【0069】
低温シフト触媒層72dを通過した改質ガスは、第2反応室62aの排出部69から配管105(図1)に180℃程度の高温で第2の熱交換手段12に流出し、そこで冷却されて配管106から混合手段5に流入する。混合手段5では流入した改質ガスが配管110から供給される空気と混合し、その混合物がCO低減手段3に流入する。CO低減手段3では改質ガスに残存する一酸化炭素を極めて微量なレベル(例えば10ppm)まで低減して良質な改質ガスを生成し、その改質ガスが配管107を経て燃料電池等の負荷設備(図示せず)に供給される。
【0070】
前記配管110から混合手段5に供給される空気の流量調整は、制御手段14で制御される流量調整弁38により行われる。すなわち制御手段14には水蒸気流量を調整する流量調整弁35の制御情報が記憶されており、水蒸気流量は改質ガス流量と相関関係にあるので、該制御情報から必要とする空気流量を算出して流量調整弁38に適正な制御信号を出力するように構成できる。
【0071】
しかし上記水蒸気制御情報を使用する代わりに、CO低減手段3の出口側に一酸化炭素濃度検出手段を設け、その検出信号を制御手段14に伝送して制御することもできる。すなわちCO低減手段3の出口側から流出する改質ガス中の微量に含まれる一酸化炭素の濃度が予め設定された範囲を越えないように、制御手段14から流量調整弁38に制御信号を出力する。
【0072】
前記CO低減手段3は、例えば円筒状の反応槽内に酸化触媒を担持したハニカム状の多孔性のシートを多重に巻回して収容することにより構成できる。反応槽の入口部から流入した改質ガスが巻回したシートの間隙を通過して出口部から流出する間に、含まれる一酸化炭素は酸化触媒により酸化されて無害な二酸化炭素に変換する。そのためCO低減手段3から流出する改質ガスには極めて微量な一酸化炭素しか含まないので、例えば燃料電池に供給しても悪影響を及ぼすことがない。
なおCO低減手段の酸化触媒としては、例えば白金触媒のようなものを使用できる。
【0073】
図4は本発明に係る水蒸気改質システムの他の実施の形態を示すプロセスフロー図である。本実施の形態は図1の例と異なり、第2の吸引混合手段4から改質手段1への配管104に第2の加熱手段11bを設けたことに特徴があり、そのほかの部分は同様に構成される。そこで図1と同じ部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0074】
第2の加熱手段11bはシステムの外部から熱源を供給して原料−水蒸気混合物を加熱するものであり、電気ヒータ加熱式または蒸気加熱式のいずれの方式も採用できる。この第2の加熱手段11bは第1の加熱手段11aと同様に、システム起動時に混合触媒層72aの自己酸化加熱を一層促進させるために設けられる。すなわち起動時に第1の加熱手段11aに加えて第2の加熱手段11bを運転開始し、第1の加熱手段11aで酸素含有ガスを所定温度に加熱して改質手段1の混合触媒層72aに供給すると共に、第2の加熱手段11bで原料−水蒸気混合物を所定温度に加熱して改質手段1に供給する。すると原料−水蒸気混合物が第1反応室61aから第2反応室62aに流入して混合触媒層72a(図3参照)に達したとき、第1の加熱手段11aで加熱された酸素含有ガスと接触して自己酸化を一層促進する。
【0075】
このように酸素含有ガスの温度を昇温すると共に原料−水蒸気混合物の温度を高くすることにより、図1の例の場合より起動初期の自己酸化加熱が大きく促進されるので、混合触媒層の温度をより迅速に昇温させることができる。
第1の加熱手段11aおよび第2の加熱手段11bには、起動時に制御手段14から運転開始の制御信号が出力され、混合触媒層72aの温度が200℃程度になったとき、制御手段14からの運転停止信号でそれら第1の加熱手段11aおよび第2の加熱手段11bの運転が停止する。
【0076】
さらに本実施の形態では、起動時には第2の吸引混合手段4に酸素含有ガスを供給して改質手段1に酸素含有ガスを含んだ原料−水蒸気混合物を供給出来るようにしている。すなわち第2の吸引混合手段4に図2に点線で示す吸引部4aを設け、その吸引部4aに図4に示す配管109bを接続する。配管109bは遠隔制御可能な流量調整弁35を介して加圧空気供給手段7からの配管102に接続される。
【0077】
さらに本実施の形態では、第1反応室61aの伝熱部71bに伝熱粒子と酸化触媒を混合した酸化触媒含有伝熱体層71cを配置している。なお、この酸化触媒は前記混合触媒72aに混合される酸化触媒と同種のものである。
起動時において、酸化触媒含有伝熱体層71cに供給した原料−水蒸気混合物に含まれる原料ガスの一部は、酸化触媒の存在下に酸素と反応して自己酸化加熱される。そのため下流側に配置した水蒸気改質触媒層71aには高温の原料−水蒸気混合物が流入して改質反応がより効率よく行われる。
【0078】
原料−水蒸気混合物に混合する酸素含有ガスの割合は、混合した酸化触媒により十分な自己酸化加熱ができる範囲に設定されるが、その範囲は実験により決めることができる。制御手段14には流量調整弁39への制御信号に基づく原料−水蒸気混合物の流量情報が記憶されており、それによって制御手段14は原料−水蒸気混合物の流量に対して所定の割合の酸素含有ガス流量になるように、流量調整弁35に制御信号を出力する。
【0079】
上記のように原料−水蒸気混合物に酸素含有ガスを混合し、酸化触媒含有伝熱体層71cで酸化加熱を行うことにより、第2反応室62aの温度が低い起動時における第1反応室61aの水蒸気改質反効率を高めることができる。そして前記混合触媒層72aの温度が200℃程度まで昇温したとき、制御手段14から第2の吸引混合手段4への酸素含有ガス供給用の流量調整弁35を閉じる制御信号が出力される。
【0080】
図5は本発明に係る水蒸気改質システムのさらに他の実施の形態を示すプロセスフロー図である。本実施の形態は図1の例と異なり、第1の加熱手段11aから流出する加熱された酸素含有ガスと第2の吸引混合手段4から流出する原料−水蒸気混合物を混合して酸化反応する酸化手段16を設けたことに特徴があり、そのほかの部分は同様に構成される。そこで図1と同じ部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。ここで、第1の加熱手段11aおよび/または酸化手段16は、一体とされたものでもよい。例えば、ヒータ付き触媒燃焼器でよく、さらには改質手段1の内部に一体構造にそれを設けてもよい。
【0081】
第2の吸引混合手段4から改質手段1に原料−水蒸気混合物を供給する配管104の途中より配管115を分岐し、酸化手段16の前段に設けた混合器15に接続する。そして前記分岐部分から下流側の配管104に遠隔制御可能な流量調整弁39bを設け、同じく下流側の配管115に遠隔制御可能な流量調整弁39cを設ける。
【0082】
酸化手段16は前記第1の加熱手段11aと同様にシステム起動時に使用される。起動時において、先ず制御手段14は流量調整弁39bを閉じ、流量調整弁39cを流量設定に応じた開度状態にする制御信号を出力する。それによって第2の吸引混合手段4から流出する原料−水蒸気混合物は配管115を経て混合器15に流入する。一方、第1の加熱手段11aで加熱された酸素含有ガスが配管102dから混合器15に流入し、酸化手段16でその混合物に含まれる原料ガスが酸素と反応して自己酸化加熱する。なお酸化手段16に供給する原料−水蒸気混合物の流量は、含まれる原料ガスが酸素含有ガスと反応して全て消費できることが望ましく、制御手段14はその目的を達成するように流量調整弁39cを制御する。なお、ここで流量調整弁39b,39cに代えて、配管104と配管115の分岐部に一つの三方弁を設け、ガスの流れ方向を切り換える機能を持たせることもできる。
【0083】
上記のように原料−水蒸気混合物が自己酸化加熱した後の高温のガス成分は、酸化手段16から改質手段1の混合触媒層72a(図3参照)に流入する。混合触媒層72aは高温のガス成分の流入により次第に温度上昇し、温度検出手段42による温度検出値が所定温度、例えば200℃程度に達したとき、制御手段14は流量調整弁39cを閉じて流量調整弁39bを開ける制御信号を出力し、さらに第1の加熱手段11aの加熱を停止する制御信号、すなわち起動時から運転時への切り替え制御信号を出力する。
【0084】
流量調整弁39cが閉じると酸化手段16による酸化作用が終了して起動初期操作が完了する。それと同時に流量調整弁39bが開き、第2の吸引混合手段4からの原料−水蒸気混合物が配管104を経て改質手段1に供給開始する。原料−水蒸気混合物は第1反応室61aで原料ガスの一部が水蒸気改質されて第2反応室62aに流入し、前記操作により昇温した状態にある混合触媒層72aで酸素含有ガスにより原料ガスの一部が酸化反応し、それによって混合触媒層72aの温度が急速に上昇して速やかに平常運転に入ることができる。
【0085】
次に前記各実施の形態におけるシステム起動方法をまとめて説明しておく。
図6は図1または図4のプロセスフロー図による起動方法を説明するフローチャートである。なお図6において括弧内は図4のプロセスフロー図による場合である。
【0086】
先ず、図1のプロセスフロー図による起動方法を説明すると、停止状態90では、原料ガスの流量調整弁31、水蒸気発生手段2への水供給用の流量調整弁32、燃料供給用の流量調整弁33および燃焼部2aへの空気供給用の流量調整弁34、改質手段1への酸素含有ガス供給用の流量調整弁36、第1の吸引混合手段6への燃焼用空気の供給用の調整弁37、混合手段5への酸素含有ガス供給用の流量調整弁38および第2の吸引混合手段4への水蒸気供給用の流量調整弁39は閉じた状態になっており、第1の加熱手段11aは停止(OFF)状態になっている。
【0087】
次に制御指令91が出されると、制御手段14は第1の加熱手段11aを運転(ON)状態にして加熱工程92を開始する。それと共に制御手段14は原料ガスの流量調整弁31、水蒸気発生手段2への水供給用の流量調整弁32、燃料供給用の流量調整弁33および燃焼部2aへの空気供給用の流量調整弁34、改質手段1への酸素含有ガス供給用の流量調整弁36、第1の吸引混合手段6への燃焼用空気供給用の調整弁37、改質手段1への酸素含有ガス供給用の流量調整弁36、および第2の吸引混合手段4への水蒸気供給用の流量調整弁39に制御信号を出力し、それぞれを運転状態として原料−水蒸気混合物供給工程93を開始する。
【0088】
上記加熱工程92の開始により改質手段1の混合触媒層72aは温度上昇する自己加熱工程94に入る。混合触媒層72aの温度が昇温して200℃程度に達したとき、制御手段14からの前記制御信号により、第1の加熱手段11aの運転を停止する平常運転への切り替え工程95に移行する。
【0089】
次に図4のプロセスフロー図による起動方法を説明すると、停止状態90では前記図1の場合と同じ調整弁が閉じた状態になっていると共に、図1の場合には存在しない第2の吸引混合手段4への酸素混合ガス供給用の流量調整弁35が閉じた状態になっている。また図1の場合と同様に第1の加熱手段11aに加え、第2の加熱手段11bも停止(OFF)状態になっている。
【0090】
次に制御指令91が出されると、制御手段14は第1の加熱手段11aおよび第2の加熱手段11bを運転(ON)状態にして加熱工程92を開始する。それと共に制御手段14は図1の場合と同じ各流量調整弁に制御信号を出力してそれぞれ運転状態すると共に、図1の場合に存在しない第2の吸引混合手段4への酸素混合ガス供給用に制御信号を出力して運転状態とし、原料−水蒸気混合物供給工程93を開始する。
【0091】
上記加熱工程92の開始により改質手段1の混合触媒層72aは温度上昇する自己加熱工程94に入る。混合触媒層72aの温度が昇温して所定温度、例えば200℃程度に達したとき、制御手段14からの前記制御信号により、第1の加熱手段11aの運転を停止する平常運転への切り替え工程95に移行する。
【0092】
図7は図5のプロセスフロー図による起動方法を説明するフローチャートである。停止状態90では、原料ガスの流量調整弁31、水蒸気発生手段2への水供給用の流量調整弁32、燃料供給用の流量調整弁33および燃焼部2aへの空気供給用の流量調整弁34、改質手段1への酸素含有ガス供給用の流量調整弁36、第1の吸引混合手段6への燃焼用空気供給用の調整弁37、混合手段5への酸素含有ガス供給用の流量調整弁38および第2の吸引混合手段4への水蒸気供給用の流量調整弁39は閉じた状態になっている。また第1の加熱手段11aは停止(OFF)状態になっており、配管104の流量調整弁39bおよび配管115の流量調整弁39cは閉じた状態になっている。
【0093】
次に制御指令91が出されると、制御手段14は第1の加熱手段11aを運転(ON)状態にして加熱工程92を開始する。それと共に制御手段14は原料ガスの流量調整弁31、水蒸気発生手段2への水供給用の流量調整弁32、燃料供給用の流量調整弁33および燃焼部2aへの空気供給用の流量調整弁34、改質手段1への酸素含有ガス供給用の流量調整弁36、第1の吸引混合手段6への燃焼用空気供給用の調整弁37、および第2の吸引混合手段4への水蒸気供給用の流量調整弁39に制御信号を出力してそれぞれを運転状態とし、さらに流量調整弁39cを所定の開状態として原料−水蒸気混合物供給工程93を開始する。
【0094】
上記加熱工程92の開始により改質手段1の混合触媒層72aは温度上昇する自己加熱工程94に入る。混合触媒層72aの温度が昇温して所定温度、例えば200℃程度に達したとき、制御手段14からの前記制御信号により、第1の加熱手段11aの運転を停止する平常運転への切り替え工程95に移行する。
【0095】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムによれば、水蒸気発生手段に供給する空気−燃料混合物をエジェクター等による第1の吸引混合手段で得るように構成したのでポンプなどの燃料加圧手段が不要になる。また、燃料を燃焼することによって水蒸気を発生させる方式であるため、例えば本システムの負荷設備として燃料電池を対象とする場合、その燃料電池のアノード排ガスを燃料としてリサイクルすることが可能になる。
【0096】
さらに、改質手段に供給する原料−水蒸気混合物をエジェクター等による第2の吸引混合手段で得るように構成したので、ポンプなどの原料ガス加圧手段が不要になる。このように第1の吸引混合手段および第2の吸引混合手段を使用することによって、改質に必要なエネルギーコストを大幅に低減できると共に、システム構成が簡単になり全体の寸法および重量を小さくできるので、例えば本システムを車両搭載用などとして好適に利用できる。
さらに前記改質手段に導入する原料−水蒸気混合物を、外部から供給する熱源で加熱する第2の加熱手段を設けることができる。第2の加熱手段を設けることにより、システム起動時に酸素含有ガスを外部から供給する熱源で加熱することにより自己酸化加熱を促進することができる。
【0097】
上記システムには改質手段で生成した改質ガスに残留する一酸化炭素ガスを酸化して低減するCO低減手段を設けることができる。CO低減手段を設けることにより改質手段で生成した改質ガスに残留する一酸化炭素ガスを著しく低減し、例えば燃料電池などに供給する場合、燃料電池の電極等への悪影響を著しく抑制することができる。しかも公害物質の一つであるNOX の発生を限りなくゼロに近づけることが可能な自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムとすることができる。
【0099】
さらに上記いずれかのシステムにおいて、改質手段に供給する酸化用の酸素含有ガスおよび/又は水蒸気発生手段に供給する燃焼用の空気を、改質手段で生成した改質ガスで予熱する熱交換手段を設けることができ、それによってシステム全体の効率をより向上することができる。
【0100】
さらに上記いずれかのシステムにおいて、前記改質手段は、伝熱性の隔壁で仕切られた第1反応室と第2反応室を有し、第1反応室にはその一方の端部に原料−水蒸気混合物を供給する原料供給部、他方の端部に排出部をそれぞれ設けると共に、その内部に水蒸気改質触媒層を充填し、第2反応室にはその一方の端部に第1反応室の排出部に連通する原料供給部および酸素含有ガス導入部、他方の端部に排出部をそれぞれ設けると共に、その内部の原料供給部側に水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層、中間部に伝熱部、排出部側にシフト触媒層を順に設けることができる。
【0101】
改質手段をこのように構成すると、第2の反応室の発生熱で第1の反応室における改質反応を高い効率で行うことができる。さらにこの改質手段と水蒸気発生手段および第2の吸引混合手段を一体的なパッケージ構造とすることにより、システムがコンパクトになり、放熱損失も大幅に低減し、さらにメンテナンスが容易になる。
【0102】
上記システムにおいて、前記第1反応室はその原料供給部側に伝熱部を設けると共に、排出部側に水蒸気改質触媒層を設け、前記隔壁を介して、第1反応室の伝熱部と第2反応室の伝熱部及びシフト触媒層とを対向することができる。このように構成すると、第2の反応室からの発生熱をより効率よく第1の反応室に伝達することができる。
【0103】
上記システムにおいて、第2の吸引混合手段に酸素含有ガスの吸引部を設けて、改質手段に導入される原料−水蒸気混合物に酸素含有ガスを混合するように構成し、改質手段の第1反応室に設けた伝熱部に伝熱粒子と酸化触媒を混合した酸化触媒含有伝熱体層を配置することができる。
このように原料−水蒸気混合物に酸素含有ガスを混合し、酸化触媒含有伝熱体層で酸化加熱を行うことにより、起動時において第2反応室の温度が低いために第1反応室での水蒸気改質反応率が低下することを回避できる。
【0104】
前記システムにおいて、第1の加熱手段から流出する酸素含有ガスで原料−水蒸気混合物を酸化反応して前記第2反応室の上部に供給する酸化手段と、第2の吸引混合手段から原料−水蒸気混合物を酸化手段に供給する配管を設けることができる。このように酸化手段を設けて起動時に原料−水蒸気混合物を自己酸化加熱することにより混合触媒層を改質反応温度に迅速に昇温して、速やかに平常運転に移行することができる。
【0105】
また前記課題を解決する本発明に係る起動方法は、システム起動に際して前記酸素含有ガスを外部から供給する熱源で加熱し、原料−水蒸気混合物の自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することを特徴とする。本起動方法によれば、改質手段を冷却状態から改質反応可能な状態に迅速に立ち上げることができる。
【0106】
上記起動方法において、システム起動に際してさらに前記原料−水蒸気混合物を外部から供給する熱源で加熱し、自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することができる。このようにすると自己酸化加熱をより迅速に行うことができ、それによって改質手段を冷却状態から改質反応可能な状態により迅速に立ち上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムのプロセスフロー説明図。
【図2】図1における第1の吸引混合手段6または第2の吸引混合手段4の具体的構造を示す横断面図。
【図3】図1における改質手段1の具体的構成を示す縦断面図とそのA−A断面図。
【図4】本発明に係る水蒸気改質システムの他の実施の形態を示すプロセスフロー図。
【図5】本発明に係る水蒸気改質システムの更に他の実施の形態を示すプロセスフロー図。
【図6】図1または図4のプロセスフロー図における起動方法を説明するフローチャート図。
【図7】図5のプロセスフロー図における起動方法を説明するフローチャート図。
【符号の説明】
1 改質手段
2 水蒸気発生手段
2a 燃焼部
2b 配管
3 CO低減手段
4 第2の吸引混合手段
4a 吸引部
5 混合器
6 第1の吸引混合手段
7 加圧空気供給系
8 原料ガス供給系
9 脱硫手段
10 水タンク
11a 第1の加熱手段
11b 第2の加熱手段
12 第2の熱交換手段
13 第1の熱交換手段
14 制御手段
15 混合器
16 酸化手段
20 エジェクター
21 固定部
22 内部ノズル構造体
23 外部ノズル構造体
24,25 開口部
26 絞り部
31〜39c 流量調整弁
40 水位検出手段
41 圧力検出手段
42 温度検出手段
61 外側壁
61a 第1反応室
62a 第2反応室
62b 隔壁
63 酸素含有ガス導入部
64〜66 マニホールド
68 原料供給部
68a 排出部
69 排出部
69a 原料供給部
70 断熱壁
71a 水蒸気改質触媒層
71b 伝熱部
71c 酸化触媒含有伝熱体層
72a 混合触媒層
72b 伝熱部
72c 高温シフト触媒層
72d 低温シフト触媒層
72f シフト触媒層
73a〜73e 支持板
80 パッケージ
90 停止状態
91 起動指令
92 加熱工程
93 原料−水蒸気混合物供給工程
94 起動時における自己酸化加熱工程
95 切り替え工程
101〜115 配管

Claims (9)

  1. 原料ガスを酸素の存在下に自己酸化し水蒸気改質して水素リッチな改質ガスを生成するように構成した自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムにおいて、
    燃焼用の空気流中に燃料を吸入し空気−燃料混合物を得る第1の吸引混合手段6と、空気−燃料混合物を燃焼する燃焼部2aとを含み、該燃焼部2aで発生した燃焼ガスで水を加熱し水蒸気を発生させるように構成した水蒸気発生手段2と、
    水蒸気発生手段2で得られた水蒸気流中に原料ガスを吸引して原料−水蒸気混合物を得る第2の吸引混合手段4と、
    前記原料−水蒸気混合物を導入し、それに含まれる原料ガスを外部から供給する酸素含有ガスで酸化し、酸化による反応熱で原料ガスの水蒸気改質を行って水素リッチな改質ガスを生成する改質手段1と、
    改質手段1に供給する酸素含有ガスを、外部から供給する熱源で加熱する第1の加熱手段11aと、前記改質手段1に導入される原料−水蒸気混合物を外部から供給する熱源で加熱する第2の加熱手段11bを備えていることを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  2. 請求項1において、
    改質手段1で生成した改質ガスに含まれる一酸化炭素ガスを酸化して、それを低減するCO低減手段3を設けたことを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    改質手段1に供給する酸化用の酸素含有ガスおよび/又は水蒸気発生手段2に供給する燃焼用の空気を、改質手段1で生成した改質ガスで予熱する第2の熱交換手段12を設けたことを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかにおいて、
    前記改質手段1は、伝熱性の隔壁62bで仕切られた第1反応室61aと第2反応室62aを有し、第1反応室61aにはその一方の端部に原料−水蒸気混合物を供給する原料供給部68、他方の端部に排出部68aをそれぞれ設けると共に、その内部に水蒸気改質触媒層71aを充填し、第2反応室62aにはその一方の端部に第1反応室61aの排出部68aに連通する原料供給部69aおよび酸素含有ガス導入部63、他方の端部に排出部69をそれぞれ設けると共に、その内部の原料供給部69a側に水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層72a、中間部に伝熱部72b、排出部側にシフト触媒層72fを順に設けたことを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  5. 請求項において、
    前記第1反応室61aはその原料供給部68側に伝熱部71bを設けると共に、排出部68a側に水蒸気改質触媒層71aを設け、前記隔壁62bを介して、第1反応室61aの伝熱部71bと第2反応室62aのシフト触媒層72fとが対向していることを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  6. 請求項において、第2の吸引混合手段4に酸素含有ガスの吸引部4aを設けて、改質手段1に導入される原料−水蒸気混合物に酸素含有ガスを混合するように構成し、改質手段1の第1反応室61aに設けた伝熱部71bに伝熱粒子と酸化触媒を混合した酸化触媒含有伝熱体層71cを配置したことを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  7. 請求項1において、第1の加熱手段11aから流出する酸素含有ガスで原料−水蒸気混合物を酸化反応して前記第2反応室61bの上部に供給する酸化手段16と、第2の吸引混合手段4から原料−水蒸気混合物を酸化手段16に供給する配管115を有することを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システム。
  8. 原料−水蒸気混合物に含まれる原料ガスの一部を酸素含有ガスと反応させて自己酸化加熱し、原料−水蒸気混合物を改質反応温度に昇温して水蒸気改質反応させるように構成した自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムの起動方法において、システム起動に際して前記酸素含有ガスを外部から供給する熱源で加熱し、原料−水蒸気混合物の自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムの起動方法。
  9. 請求項において、システム起動に際してさらに、前記原料−水蒸気混合物を外部から供給する熱源で加熱し、自己酸化加熱を促進し、原料−水蒸気混合物が改質反応温度に達したときに前記加熱を停止することを特徴とする自己酸化内部加熱型水蒸気改質システムの起動方法。
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