JP5448537B2 - 車両駆動用モータ - Google Patents
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Description
この構成によると、モータケースの給油路に供給された潤滑油は、ステータコアの外径面に軸方向に延びて設けられた複数のステータコア溝の一端に導入され、それらのステータコア溝の他端へと流れ、排油路を経て外部に排出される。複数のステータコア溝を、例えばステータコアの外径面の周方向に等配して設けることにより、全体の構成を大型化することなく、ステータコイルでの短時間の発熱を、他の構成部材や外部の冷却部材全体に速やかに伝達して、ステータの冷却効率を向上させることができる。また、冷却のためにステータを複雑な構成とするものではないので、外部冷却に寄与する面積を確保でき、外部空冷あるいは外部水冷の効率も向上させることができる。
この構成の場合、給油路に供給された潤滑油は、給油周溝部を経て周方向に流れるので、例えばステータコアの外径面の周方向に等配して設けられる複数のステータコア溝に分配して潤滑油を流すことができる。また、各ステータコア溝を流れた潤滑油は排油周溝部を周方向に流れて軸方向排油路部に集められる。これにより、簡単な構成で、ステータコアの全外径面に均等に潤滑油を流すことができ、冷却効率をより向上させることができる。
この構成の場合、ステータコアをモータケースの内周に固定するために、モータケースやステータコアに複雑な構造を採用することなく、ステータコア溝をボルトの挿通孔として代用することにより、ステータコアをモータケースの内周に簡単に固定することができる。
この構成の場合、給油路に供給された潤滑油は、給油路の径方向給油路部から、ステータコア溝の一端を閉じる蓋部材のリング状となった内部空間を経て、各ステータコア溝の一端側に導入される。各ステータコア溝の他端に流れた潤滑油は、ステータコア溝の他端を閉じる蓋部材のリング状となった内部空間を経て、排油路の径方向排油路部から外部に排出される。つまり、ステータコア溝の一端を閉じる蓋部材のリング状の内部空間が給油路から導入される潤滑油を周方向に配置される各ステータコア溝に分配供給する経路となり、ステータコア溝の他端を閉じる蓋部材のリング状の内部空間が各ステータコア溝を流れた潤滑油を排油路の径方向排油路部に集める経路となる。このため、給油路や排油路の一部として、周方向に延びる給油周溝部や排油周溝部をモータケースの内径面に設ける必要がなく、潤滑油の経路を簡単に構成できる。
このように各個別コア部間を、高熱伝導率を有する充填材でモールドした場合、ステータにおける潤滑油で冷却できない部分のコイル発熱を、熱容量の大きなステータコアに放熱することができ、放熱効率をより向上させることができる。
前記ステータは、前記ステータコアの各ティース部にステータコイルを巻回した個別コア部を環状に配列してなり、前記各ティース部を除く前記ステータの内周面および両側の端面を覆い外周縁が前記モータケースの内周面に密接するリング状のステータカバーを設け、前記モータケースに給油路および排油路を設け、これら給油路および排油路を、このモータケースの内径面の軸方向に互いに離れた位置で、かつ前記モータケースとステータカバーの内部にできる空洞に対して開口させ、前記給油路から供給される冷却油兼用の潤滑油により、前記ステータおよびステータコイルを前記空洞に満たされる油浴に浸漬状態とする。
このように、各個別コア部の内周を除くステータ全体をステータカバーで覆い、ステータコイルの全体およびステータコアの殆どの部分を油浴に浸漬状態とする油冷構造とした場合、ステータの冷却をより一層効率良く行うことができる。
ロータ3は、環状のロータコア6に、永久磁石7を環状に配列して構成される。この車両駆動用モータは、前記ロータコア6と前記ステータコア4の間にラジアル方向のギャップ部10を設けたラジアルギャップ型のモータとされている。
また、排油路9は、モータケース1の他端面から軸方向に延びて設けられた軸方向排油路部9aと、モータケース1の内径面に周方向に延びて設けられ前記軸方向排油路部9aに連通する排油周溝部9bとでなるので、各ステータコア溝11を流れた潤滑油が排油周溝部9bを周方向に流れて軸方向排油路部9aに集められる。これにより、簡単な構成で、ステータコアの全外径面に均等に潤滑油を流すことができ、冷却効率をより向上させることができる。
給油路8からステータコア溝11に供給される潤滑油の一部が、蓋部材12の孔14ステータコイル5に噴射されて、ステータコイル5が直冷されることは図3の実施形態の場合と同様である。
高熱伝導率を有する充填材18の材質としては、モールド樹脂の中で、平均的な高熱伝導率のものよりも高熱伝導率が低い材質であれば良いが、例えば、樹脂材料に熱伝導率を高めるカーボンやセラミックス等の材料を充填したものが使用できる。
なお、給油路8は、モータケース1の一端面から軸方向に延びて設けられた軸方向給油路部8aと、モータケース1の内径面に周方向に延びて設けられ、前記軸方向給油路部8aに連通する給油周溝部8bとでなる。排油路9は、モータケース1の他端面から軸方向に延びて設けられた軸方向排油路部9aと、モータケース1の内径面に周方向に延びて設けられ、前記軸方向排油路部9aに連通する排油周溝部9bとでなる。
モータケース1の給油路8は、モータケース1の一端面から軸方向に延びて設けられた軸方向給油路部8aと、この軸方向給油路部8aに連通し径方向に延びてステータカバー16の内側位置におけるモータケース1の内径面に開口する径方向給油路部8cとでなる。モータケース1の排油路9は、モータケース1の他端面から軸方向に延びて設けられた軸方向排油路部9aと、この軸方向排油路部9aに連通し径方向に延びてステータカバー16の内側位置におけるモータケース1の内径面に開口する径方向排油路部9cとでなる。その他の構成は、図1の実施形態の場合と同様である。
1a…モータケースの小径部
2…ステータ
3…ロータ
4…ステータコア
5…ステータコイル
8…給油路
8a…軸方向給油路部
8b…給油周溝部
8c…径方向給油路部
9…排油路
9a…軸方向排油路部
9b…排油周溝部
9c…径方向排油路部
11…ステータコア溝
12…蓋部材
12a…横片部
12b…立片部
13…ボルト
14…冷却用孔
16…ステータカバー
18…充填材
Claims (8)
- 筒状のモータケースの内周に設けられた環状のステータコア、およびこのステータコアに設けられたステータコイルを有するステータと、前記ステータコアの内周側に位置して前記ステータに対して回転自在なロータとでなり、前記ステータは、前記ステータコイルを巻回した個別コア部を環状に配列してある車両駆動用モータにおいて、
前記モータケースに設けられモータケースの内径面の軸方向に互いに離れた位置にそれぞれに開口する給油路および排油路と、前記ステータコアの外径面に、前記各個別コア部毎に軸方向に延びて設けられ前記給油路および排油路に連通する複数のステータコア溝とを備え、前記給油路は、流出側が前記ステータコアに近づくように前記モータケースに軸方向に延びて設けられた軸方向給油路部と、前記モータケースの内径面に周方向に延びて設けられ前記軸方向給油路部に連通する給油周溝部とでなり、前記排油路は、流入側が前記ステータコアに近づくように前記モータケースに軸方向に延びて設けられた軸方向排油路部と、前記モータケースの内径面に周方向に延びて設けられ前記軸方向排油路部に連通する排油周溝部とでなり、前記給油路から前記ステータコア溝を経て前記排油路へと潤滑油を流すようにしたことを特徴とする車両駆動用モータ。 - 請求項1において、前記給油路の前記軸方向給油路部は、前記モータケースの一端面から軸方向に延びて設けられ、前記排油路は前記モータケースの他端面から軸方向に延びて設けられた車両駆動用モータ。
- 請求項1または請求項2において、前記ステータコア溝は前記ステータコアの一端から他端にわたって設けられ、そのステータコア溝の両端は、ステータコアの両端に設けられたリング状の蓋部材で閉じられている車両駆動用モータ。
- 請求項1または請求項2において、前記ステータコア溝は前記ステータコアの一端から他端にわたって設けられ、そのステータコア溝の一端が、ステータコアの一端に設けられたリング状の蓋部材で閉じられると共に、ステータコア溝の他端が、前記モータケースにおける内径面がステータコア配置部よりも小径に形成された小径部の段面で閉じられ、前記蓋部材から前記ステータコア溝にわたって軸方向に貫通し前記モータケース小径部に螺合させたボルトにより前記ステータコアがモータケースに固定されている車両駆動用モータ。
- 請求項3において、前記ステータコア溝の両端を閉じる蓋部材には、ステータコア溝に連通し前記ステータコイルに向けて開口するコイル冷却用の孔または溝が設けられている車両駆動用モータ。
- 請求項3において、前記ステータコア溝の両端を閉じる蓋部材は、軸方向に延びて前記ステータコアの端面に当接する横片部と、径方向に延びて前記モータケースの内径面に当接する立片部とでなる断面L字状とされ、前記給油路は、モータケースの一端面から軸方向に延びて設けられた軸方向給油路部と、この軸方向給油路部に連通し径方向に延びて前記蓋部材の内側位置におけるモータケースの内径面に開口する径方向給油路部とでなり、前記排油路は、モータケースの他端面から軸方向に延びて設けられた軸方向排油路部と、この軸方向排油路部に連通し径方向に延びて前記蓋部材の内側位置におけるモータケースの内径面に開口する径方向排油路部とでなる車両駆動用モータ。
- 請求項6において、前記ステータコア溝の両端を閉じる蓋部材には、前記ステータコイルに向けて開口するコイル冷却用の孔が設けられている車両駆動用モータ。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記ステータは、前記ステータコイルを巻回した個別コア部を環状に配列してあり、隣接する前記個別コア部間を高熱伝導率を有する充填材でモールドした車両駆動用モータ。
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