JP4184871B2 - 液冷式回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子を回転させて発電する液冷式回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用の回転電機は、励磁した回転子を回転させることにより、固定子に交流電力を発生させるようになっており、電力が発生する固定子や、この固定子に発生した交流電力を直流電力に変換する整流器、或いは回転子の界磁コイルに供給する励磁電流を制御する電圧調整器等といった発熱体を有する。したがって、信頼性や出力を向上させるためには、こうした発熱体を効果的に冷却する必要がある。
【0003】
この種の回転電機の冷却構造としては、従来から種々提案がなされているが、例えば、固定子周辺に設けた第1の冷却通路と、整流器や電圧調整器の周辺に設けた第2の冷却通路とを直列に接続したもの(例えば、特許文献1等参照)や、固定子の外周を包囲するハウジングに軸方向冷却通路を周方向に列設し、これらを周方向流路で接続したもの(例えば、特許文献2等参照)等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−225060号公報
【特許文献2】
特開2000−270518号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、冷却液の流路構造が複雑なため、冷却液が流路を通過する際の圧力損失が増大してしまう。また、管状の冷却通路を固定子等の発熱体の周囲に複雑に配置した構成であるため、エンジンから導かれる冷却水の給排水口の設置位置の自由度が低く、車両側の設計を大きく制約してしまう。
【0006】
本発明の目的は、冷却通路の流路構造を簡素化し、なおかつ発熱体を効果的に冷却することができる液冷式回転電機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、内部に固定子及び回転子を収納すると共に、軸方向一方側が開放された環状流路を有するハウジングを備え、該ハウジングの開放端をブラケットで塞ぎ、冷却液が流れる冷却通路を構成した液冷式回転電機において、前記冷却通路は帯状のものであって、仕切りによって周方向に分断されており、該分断された一方側と連通する前記冷却液の導入口と、前記分断された他方側と連通する前記冷却液の排出口とは近接して設けられており、前記ブラケットには少なくとも1つの発熱体が取り付けられており、前記冷却通路の開放端側では、前記冷却通路の前記発熱体の近傍部分が前記発熱体に近接するように径方向内側に流路厚みが拡大しており、かつ、前記冷却通路の開放端側と反対側では、前記冷却通路の断面積が周方向各所においてほぼ一定となるように前記流路厚み拡大した部分に周方向位置が対応する箇所が前記開放端側に隆起している。
【0008】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記導入口と前記排出口は、前記ハウジングの周壁に設けられている。
【0009】
(3)上記(1)において、また好ましくは、前記導入口と前記排出口は、前記ブラケット壁に設けられている。
【0010】
(4)上記(2)において、好ましくは、前記導入口と前記排出口は、前記回転子の軸にほぼ沿って配列されている。
【0011】
(5)上記(2)において、また好ましくは、前記導入口と前記排出口は、前記回転子の軸に対してほぼ直交する方向に配列されている。
【0014】
)上記()において、前記発熱体は、整流器又は電圧調整器である。
【0015】
)上記(1)において、好ましくは、前記冷却通路内に、周方向に流れる冷却液を整流する整流手段を配置する。
【0016】
)上記(7)において、好ましくは、前記整流手段は、独立した部材である。
【0017】
)上記()において、また好ましくは、前記整流手段の後端は、前記ブラケットに接触又は近接している。
【0018】
10)上記(1)において、また好ましくは、前記固定子を覆い、前記ハウジングの内壁に接触する良熱伝導樹脂を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液冷式回転電機の実施の形態を図面を用いて説明する。
本実施の形態の液冷式回転電機は、界磁コイルに励磁電流を受けながら、車両(自動車)の内燃機関であるエンジンから伝達された回転駆動力によって回転子を回転させ、これにより固定子コイルに発生した交流電力を整流器で整流し、車両に搭載された電気機器の駆動用電力及び蓄電用電力として直流電力を得るものである。また、本実施の形態の液冷式回転電機は、例えば固定子や整流器等といった発熱体を冷却液を機内循環させて冷却する液冷式発電機である。冷却液は、自動車のエンジンを冷却するとともに、エンジンに付属の外部冷却装置(ラジエータ等)によって冷却されるものの一部を分岐させて用いる。
【0020】
図1は、本発明の液冷式回転電機の第1実施形態の全体構造を表す断面図である。なお、以下において、この図1中の左右方向に対応する方向を「軸方向」、図1中の右・左に対応する位置関係を「後・前」又は「一方・他方」と適宜記載する。
【0021】
図1において、本実施の形態の車両用の液冷式回転電機1は、基本的な構成要素として、本体を為す略円筒形状のハウジング2と、このハウジング2内に収納された固定子(ステータ)3及び回転子(ロータ)4と、固定子3に発生した交流電力を直流電力に整流する整流器5と、回転子4に供給する励磁電流を制御する電圧調整器6とを備えている。
【0022】
固定子3は、固定子鉄心7に固定子コイル8を巻装してなり、ハウジング2の内周に、焼き嵌め或いは圧入等によって嵌合されている。固定子コイル8は、その一部または全体が良熱伝導性の樹脂9に覆われている。良熱伝導性樹脂9は、ハウジング2の内周面に密着(接触)している。
【0023】
回転子4は、回転軸10と、この回転軸10に嵌合した複数の磁極鉄心11と、この磁極鉄心11の内周側に巻装した界磁コイル(図示せず)とで構成されている。ハウジング2の後側端面と、ハウジング2の前側に取り付けられたフロントブラケット12とには、それぞれ軸受13,14が固定されており、これら軸受13,14によって回転軸10が支持され、回転子4は、固定子3の内側に回転可能に支持されている。回転子4の後側端面には、液冷式回転電機1内に冷却空気を導入する冷却ファン15が設けてある。
【0024】
回転軸10の前側先端部は、フロントブラケット12を介し外部に突出しており、この先端部にはプーリ16が嵌合され締結されている。このプーリ16には、自動車の内燃機関であるエンジンの出力軸に取り付けたプーリとの間にベルト(図示せず)が掛け回される。また、ハウジング2にはフランジ17が一体的に設けられており、このフランジ17によって、液冷式回転電機1は、自動車の所定の機関(図示せず)に対し、取付けられ固定されるようになっている。
【0025】
ハウジング2の後側端面には、締結部材18によりブラケット(リアブラケット)19が取り付けられている。このリアブラケット19には、整流器5や電圧調整器6、また回転軸10に嵌合したスリップリング20に摺接することにより、電圧調整器6により制御された励磁電流を回転子4の界磁コイル(図示せず)に供給するためのブラシ21等が固定され、リアカバー22により覆われている。リアブラケット19やハウジング2は、ダイカスト鋳造に適した、例えばアルミニウム合金等で形成されている。
【0026】
ハウジング2には、固定子3の外周側を取り巻くよう、その円筒状の側壁内に形成した環状流路が設けられており、この環状流路が冷却通路23を構成している。冷却通路23は帯状に形成されており、断面の長手方向が回転軸10とほぼ平行な関係にある。また、その軸方向前側端部は閉塞しているのに対し、軸方向後側端部はハウジング2の後側端面に露出して開放されている。ハウジング2とリアブラケット19との間には、この冷却通路23の開放端部を内外から覆うようにシール24が設けられており、シール24とリアブラケット19とで、冷却通路23の密閉性が保たれている。また、冷却通路23は、整流器5や電圧調整器6の近傍において、整流器5や電圧調整器6等といった発熱体のうちの少なくとも1つに近接するよう、その開放端部の流路厚みがハウジング2の後側端面に沿って径方向内側に拡大しており、リアブラケット19における対応の位置に取り付けた整流器5や電圧調整器6付近にも冷却液が流れるようになっている。
【0027】
図2は、図1中の上側から見た上記ハウジング2の外観図であり、この図2に示すように、環状の冷却通路23は、軸方向に直線的に設けた仕切り25(図2中斜線部参照)により区切られている(周方向に分断されている)。仕切り25は、例えばダイカスト製法等によってハウジング2と一体成型されている。また、ハウジング2の周壁(外周側壁面)には、外部冷却液循環装置(図示せず)に接続する冷却液の導入口26及び排出口27が、径方向外側に向かって設けられている。これら導入口26及び排出口27は、冷却通路23の周方向における一方側及び他方側に連通しており、仕切り25を挟んで周方向、すなわち回転子4の軸方向とほぼ直交する方向に配列され互いに近接している。導入口26及び排出口27の位置関係は、逆であっても構わない。
【0028】
次に、上記構成の本実施の形態の液冷式回転電機の動作を説明する。
本実施の形態の液冷式回転電機1は、電圧調整器6で調整された励磁電流が界磁コイル(図示せず)に流れると各磁極鉄心11が励磁される。この状態でプーリ16を介して自動車のエンジン(図示せず)からの回転駆動力が回転軸10に伝達されて回転子4が回転すると、固定子3の固定子コイル8に交流電力が発生する。この固定子コイル8に発生した交流電力は、整流器5で整流され、図示しない出力端子を介して車両に搭載された電気機器の駆動用及び蓄電用の直流電力として出力される。
【0029】
一方、エンジンや外部冷却装置(ラジエータ等)からの冷却液は、導入口26を介して冷却通路23に流入して、冷却通路23中に一様な帯状の流れを形成しつつ、固定子3の周囲をほぼ1周して排出口27を介し再びエンジンや外部冷却装置等に循環される。これにより、発電の際、固定子コイル8には発電電流による熱が、固定子鉄心7には渦電流による熱がそれぞれ発生するが、これら固定子コイル8及び固定子鉄心7に発生した熱は、良熱伝導体4を介してハウジング2に伝わり、さらにそれぞれ冷却通路23中を環流する冷却液に伝わり吸熱される。また、交流電力を直流電力に変換する整流器5や、励磁電流を制御する電圧調整器6も稼働中に発熱を伴うが、これら整流器5や電圧調整器6で発生した熱は、冷却フィンの役割を果たすリアブラケット19を介し、冷却水流路23後端部の径方向内側に流路厚みが拡大した部分に流通する冷却液に伝わり吸熱される。
【0030】
本実施の形態によれば、冷却通路23を固定子3の全周を環状に覆うように帯状に形成したので、極簡素な構成でありながら、固定子3の近傍を流れる冷却通路23中の冷却液によって効果的に冷却することができる。また、整流器5や電圧調整器6等といった固定子3以外の発熱体の近傍においては、冷却通路23の後端部(開放端側)をそれら発熱体に近接するように流路厚みを径方向内側に拡大することにより、冷却通路23の流路構成を複雑化することなく、整流器5や電圧調整器6も積極的に冷却することができる。しかも、流路が分岐することなく、固定子3の周囲を単に1周するだけの簡素な流路構成であるため、冷却液の圧力損失を大幅に低減させることができ、なおかつ導入口26及び排出口27の設置自由度も極めて高い。そのため、冷却液の流量及び流速を十分に確保することができるので、冷却能力を向上させることができ、液冷式回転電機1の出力及び信頼性を向上させることができるとともに、車両側の設計自由度を向上させることができる。また、圧力損失を抑制することができるので、冷却通路23に対し冷却液を給排する冷却液循環装置の負担を軽減することができ、冷却液の循環系のエネルギー効率向上にも寄与する。
【0031】
従来、ハウジングの壁内に冷却通路を形成する場合、冷却通路を、ハウジング壁内を軸方向に貫通させるように設けることが多く、この冷却通路を密閉するためには、冷却通路の軸方向両側の開放端をブラケットやカバー等で覆わなければならない。そのため、こうした構成が冷却通路を形成するための工数を増加させコストを押し上げる一因となっていた。それに対し、本実施の形態においては、冷却通路23の前端部は閉塞しており、開放した後端部のみをリアブラケット19で塞げば足りるので、その分工数が減少し、また組立も容易化され、製作コスト低減に寄与する。
【0032】
また、本実施の形態においては、良熱伝導樹脂9を設けたことにより、固定子コイル8から冷却通路23への伝熱効率を向上させることができる。仮に、良熱伝導樹脂9を省略した場合、固定子コイル8に生じた熱は、固定子コイル8→固定子鉄心7→ハウジング2→冷却液という経路でのみ放熱され、固定子コイル8端部の熱を十分に冷却することは難しい。それに対し、良熱伝導樹脂9を設けた場合、先の伝熱経路に加え、固定子コイル8→良熱伝導樹脂9→ハウジング2→冷却液という経路を確保することができ、固定子コイル8の端部で生じた熱も、効率的に冷却液中に放熱することができる。また、固定子コイル8と固定子鉄心7との間の伝熱効率も向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、冷却液の導入口26及び排出口27を軸方向とほぼ直交する方向に配列したため、仕切り25はその間を仕切るように軸方向に直線的に形成することができるので、ダイカスト成型により仕切り25をハウジング2と簡単に一体成型することができる。これにより、ハウジング2の生産性が向上し、更に部品点数も減少するので、液冷式回転電機1の製造コストを低減させることができる。また、一体成型であるために、仕切りをハウジング2に組み付け忘れる等といったことも生じ得ない。また、仕切り25を軸方向に直線的に設けたので、冷却通路23の流路面積を最大限に拡大することができ、冷却性能をより向上させることができる。
【0034】
図3及び図4は、本発明の液冷式回転電機の第2実施形態の構成を表す図で、それぞれ先の図1及び図2に対応してある。したがって、これら図3及び図4において、図1及び図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図3及び図4に示すように、本実施形態において、斜線部で示した仕切り25’は、略「S」字状に形成されており、回転子4の軸方向にほぼ沿う形で配列された導入口26’及び排出口27’を隔てている。この仕切り壁25’は、ダイカスト製法によりハウジング2の壁内に環状に形成した冷却通路23’に対し、組立時に挿入される。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0035】
本実施形態の場合、導入口26’及び排出口27’が軸方向に並設されているため、これらを隔てて冷却通路23’を分断する仕切り25’は、自ずと「S」字状となる。そのため、本実施形態においては、金型を引き抜く際の設計的事情からダイカスト製法等によってハウジング2と一体成型することが困難であるため、仕切り25’をハウジング2とは別部品としている。また、仕切り25’が「S」字状であるため、図2に示した仕切り25に比べると、中央の縦寸法a及び横寸法bで示唆した面積分だけ、冷却通路23の流路面積は僅かに減少している。しかしながら本実施形態においても、従来の複雑な流路構成の冷却通路を備えた液冷式回転電機に比べ、図1及び図2で説明した第1実施形態の液冷式回転電機1と同様の効果を得ることができる。
【0036】
図5は本発明の液冷式回転電機の第3実施形態の全体構造を表す側断面図、図6は第3実施形態における冷却通路を構成する各部の分解図、図7はその冷却通路の展開図で、これら図5〜図7において、図1及び図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0037】
本実施の形態の液冷式回転電機1Aが、前述した本発明の第1実施形態の液冷式回転電機1と主に相違する点は、第1に導入口26A及び排出口27Aを、ブラケット壁、すなわちリアブラケット19に軸方向後方に向かって設けた点、第2に冷却通路23A内に整流手段28を設けた点である。
【0038】
上記整流手段28は、ハウジング2等とは独立した部材であって、冷却通路23Aの内周側壁面にほぼ当接する略「C」字状のリング部材29と、このリング部材29の外周部に、軸方向に所定の間隔をもって突設した複数のガイド部材30とで構成されている。また、この整流手段28は、ハウジング2やリアブラケット19等と同様に、ダイカスト鋳造に適したアルミニウム合金等で形成されている。
【0039】
冷却通路23Aは、図1の冷却通路23と同様、ダイカスト製法等によりハウジング2に一体成型したものである。ダイカスト製法においては、溶融金属を金型に流し込み、冷却・凝固させ、金型を取外すことにより製品が成型されるが、本実施の形態においては、図5に示すように、更なる生産性向上を狙って冷却通路23Aに抜き勾配αを付け、金型を引き抜き易くしてある。
【0040】
しかしながら、抜き勾配αを設けたことに伴い、冷却通路23Aは、開口端側(軸方向後方側、図7中上側)から離れる程、流路断面(流路厚み)が小さくなり冷却液が流れ難くなる。本実施の形態においては、導入口26A及び排出口27Aが開放端側に接続しているため、導入口26Aから流入した直後においては、図7に矢印で示したように、冷却液がほぼ軸方向に沿って軸方向前方側(図7中下側)に流れるが、その後、流路の広い軸方向後方側に戻り、そのまま排出口27Aから流出しようとする。その結果、冷却通路23Aにおける軸方向前方側については、軸方向後方側に比し、冷却液の流速及び流量が低下し、これにより固定子3の冷却状態が不均一になる可能性がある。
【0041】
それに対し、図8は整流手段28を配備した状態の冷却通路23Aの展開図であり、図8に矢印で示したように、本実施の形態においては、冷却通路23A中に整流手段28を配備したことにより、導入口26Aから軸方向に流入した冷却水を、各ガイド部材30により画定された複数の流路を流通させ、排出口27A側まで周方向に一様な流れを形成するようにガイド(整流)する。これにより、冷却通路23Aの全周に亘り軸方向位置に関わらず冷却液を一様に流通させることができ、固定子3を均一に冷却することができる。したがって、本実施の形態においても、前述した本発明の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態においては、整流手段28を、リング部材29が冷却通路23Aの内周側壁面にほぼ当接するように構成したので、リング部材29が放熱板の役割を果たすことにより、ハウジング2から伝熱される熱の冷却液中への放熱効率向上も期待できる。なお、整流手段28は、ハウジング2やリアブラケット19と同様にアルミニウム合金で形成してあるので、異種金属間で発生する電位差による腐食を防止することもできる。
【0043】
図9は、本発明の液冷式回転電機の第4実施形態における冷却通路を構成する各部の分解図で、先の図6に対応する図である。但し、図9において、図6と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0044】
本実施の形態が、前述した本発明の液冷式回転電機の第3実施形態と相違する点は、整流手段28Aの構成にあり、その他の構成については第3実施形態と同様である。整流手段28Aは、冷却通路23Aの外周側壁面にほぼ当接する略「C」字状のリング部材29Aと、このリング部材29Aの内周部に、軸方向に所定の間隔をもって突設した複数のガイド部材30Aと、リング部材29Aの軸方向後側に設けた複数(本例では3つ)のストッパ31とで構成されている。整流手段28Aは、冷却通路23Aに配備された状態で、その軸方向後端、すなわちストッパ31の先端部が、リアブラケット19に接触又は近接するようになっている。
【0045】
本実施の形態によっても、整流手段28Aによって冷却通路23A内の冷却液の流れが周方向に整流されるので、前述した第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、リアブラケット19に接触又は近接するストッパ31を設けたことによって、整流手段28Aの軸方向への動きを拘束することができるので、車両に搭載された際に振動が加わっても、整流手段28Aの軸方向位置を所定の位置に固定することができ、冷却液の整流機能を安定的に発揮させることができる。また、本実施の形態においては、整流手段28Aのリング部材29Aが、冷却通路23Aの外周側壁面にほぼ当接する構成であるため、冷却通路23Aの内周側壁面に冷却水が直接接触するので、固定子3(図5参照)からの熱はリング部材29Aを介さず直接的に冷却液中に放熱され、これによる冷却効率向上が期待できる。
【0046】
なお、本実施の形態において、ストッパ31をリング部材29Aの後部に間欠的に設け、整流手段28Aの後端が部分的にリアブラケット19に接触又は近接する構成としたが、例えば、ストッパを、リング部材29Aを軸方向後方側に延長したような「C」字状に形成し、整流手段28Aの後端が全面的にリアブラケット19に接触又は近接する構成としても良い。この場合も同様の効果を得る。
【0047】
図10(a)は本発明の液冷式回転電機の第5実施形態に備えられたハウジングを後部端面側から見た図、図10(b)は図10(a)を図中の下側から見た冷却通路の投影図で、図10(a)においては、冷却通路の形状との位置関係を表すため、整流器5等といったリアブラケット19に取り付けたものを仮想線で図示するとともに、図の簡略化のために冷却流路の仕切りや導入口、排出口、またフランジ等については図示省略してある。また、これら図10(a)及び図10(b)において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0048】
図10(a)において、先に図1等を用いて第1実施形態でも説明したように、斜線部で図示した冷却通路23Bの後端部(開放端部)の流路の厚みは、整流器5等の近傍において、径方向内側に拡大されている。これにより、固定子3(図1参照)のみならず整流器5等も積極的に冷却する構造となっているが、この拡大部23Baにおいては、冷却通路28Bの軸方向断面の面積が大きくなることから、そのままでは流速及び流量が低下してしまう。
【0049】
そこで、本実施の形態においては、冷却通路23B中の上記拡大部23Baに周方向位置が対応する箇所においては、冷却通路23Baの開放端の他端、すなわち軸方向前端(図10(b)中の下端)の壁面位置を後退させ(軸方向後方側に前端壁面を隆起させ)、隆起部23Bbを設けることにより、冷却通路23Baの断面積を周方向各所においてほぼ一定にしている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0050】
本実施形態によれば、上記のように冷却流路23Bの断面積をほぼ一定としたことにより、冷却通路28Ba中を流れる冷却液の流量及び流速を、冷却通路28Baの周方向各所において均一化することができるので、固定子3や整流器5等といった各発熱体から伝達される熱を均一に冷却液中に放熱させることができ、冷却効率を更に向上させることができる。特に、熱に弱い半導体部品で構成される整流器5の冷却を重要視する場合には、隆起部23Bbの隆起量や隆起幅を拡大することにより、整流器5付近を流れる冷却液の流速及び流量を増大させ、整流器5を効果的に冷却することができ、半導体部品の寿命延長を図ることも可能である。勿論、本実施の形態の構成は、前述した第1〜第4の各実施の形態に対し組み合わせ可能であり、それぞれ上記同様の効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、冷却通路の流路構造を簡素化することができ、なおかつ発熱体を効果的に冷却することができるとともに、生産性を向上させることができる。よって、車両用の回転電機の出力向上、製作コストの低減、車両の設計自由度向上等といった様々な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液冷式回転電機の第1実施形態の全体構造を表す断面図である。
【図2】図1中の上側から見たハウジングの外観図である。
【図3】本発明の液冷式回転電機の第2実施形態の全体構造を表す断面図である。
【図4】図3中の上側から見たハウジングの外観図である。
【図5】本発明の液冷式回転電機の第3実施形態の全体構造を表す断面図である。
【図6】本発明の液冷式回転電機の第3実施形態における冷却通路を構成する各部の分解図である。
【図7】本発明の液冷式回転電機の第3実施形態における冷却通路の展開図である。
【図8】本発明の液冷式回転電機の第3実施形態における整流手段を配備した状態の冷却通路の展開図である。
【図9】本発明の液冷式回転電機の第4実施形態における冷却通路を構成する各部の分解図である。
【図10】本発明の液冷式回転電機の第5実施形態に備えられたハウジングを後部端面側から見た図、及びこの図を図中下側から見た冷却通路の投影図である。
【符号の説明】
1 液冷式回転電機
1A 液冷式回転電機
2 ハウジング
3 固定子
4 回転子
5 整流器(発熱体)
6 電圧調整器(発熱体)
9 良熱伝導樹脂
19 リアブラケット(ブラケット)
23 冷却通路
23A 冷却通路
23B 冷却通路
25 仕切り
25’ 仕切り
26 導入口
26’ 導入口
26A 導入口
27 排出口
27’ 排出口
27A 排出口
28 整流手段

Claims (10)

  1. 内部に固定子及び回転子を収納すると共に、軸方向一方側が開放された環状流路を有するハウジングを備え、該ハウジングの開放端をブラケットで塞ぎ、冷却液が流れる冷却通路を構成した液冷式回転電機において、
    前記冷却通路は帯状のものであって、仕切りによって周方向に分断されており、該分断された一方側と連通する前記冷却液の導入口と、前記分断された他方側と連通する前記冷却液の排出口とは近接して設けられており、
    前記ブラケットには少なくとも1つの発熱体が取り付けられており、
    前記冷却通路の開放端側では、前記冷却通路の前記発熱体の近傍部分が前記発熱体に近接するように径方向内側に流路厚みが拡大しており、かつ、
    前記冷却通路の開放端側と反対側では、前記冷却通路の断面積が周方向各所においてほぼ一定となるように前記流路厚み拡大した部分に周方向位置が対応する箇所が前記開放端側に隆起している
    ことを特徴とする液冷式回転電機。
  2. 請求項1記載の液冷式回転電機において、前記導入口と前記排出口は、前記ハウジングの周壁に設けられていることを特徴とする液冷式回転電機。
  3. 請求項1記載の液冷式回転電機において、前記導入口と前記排出口は、前記ブラケット壁に設けられていることを特徴とする液冷式回転電機。
  4. 請求項2記載の液冷式回転電機において、前記導入口と前記排出口は、前記回転子の軸にほぼ沿って配列されていることを特徴とする液冷式回転電機。
  5. 請求項2記載の液冷式回転電機において、前記導入口と前記排出口は、前記回転子の軸に対してほぼ直交する方向に配列されていることを特徴とする液冷式回転電機。
  6. 請求項記載の液冷式回転電機において、前記発熱体は、整流器又は電圧調整器であることを特徴とする液冷式回転電機。
  7. 請求項1記載の液冷式回転電機において、前記冷却通路内に、周方向に流れる冷却液を整流する整流手段を配置したことを特徴とする液冷式回転電機。
  8. 請求項記載の液冷式回転電機において、前記整流手段は、独立した部材であることを特徴とする液冷式回転電機。
  9. 請求項記載の液冷式回転電機において、前記整流手段の後端は、前記ブラケットに接触又は近接していることを特徴とする液冷式回転電機。
  10. 請求項1記載の液冷式回転電機において、前記固定子を覆い、前記ハウジングの内壁に接触する良熱伝導樹脂を備えたことを特徴とする液冷式回転電機。
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