JP5445815B2 - メチロールフェノール化合物、それを用いた樹脂組成物、及び硬化物 - Google Patents
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Description
(式中、R1及びR2は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、シリル基、アシル基又はメトキシ基を示す。
R 3 及びR 4 は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。
Xは炭素数1から20までのアルキレン鎖であり、mおよびnはそれぞれ独立に1から4までの正数であり、pは0から4−mの整数であり、qは0から4−nの整数である。)
[メチロールフェノール化合物]
まず、本発明によるメチロールフェノール化合物について説明する。
本発明によるメチロールフェノール化合物は、下記一般式(I)で示される。
なお、生成物は、メチロール基の置換位置や置換基数が単一の化合物であってもよく、メチロール基の置換位置や置換基数の異なる化合物の混合物であってもよい。
次に、本発明による樹脂組成物について説明する。
本発明による樹脂組成物は、(a)フェノール性水酸基を有する樹脂と、(b)下記一般式(I)に示すメチロールフェノール化合物とを含む樹脂組成物である。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(a)成分は分子中にフェノール性水酸基を有する樹脂である。その具体例は、フェノール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリ(ヒドロキシアミド))、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、ポリナフトール、ポリ(ヒドロキシスチレン)などである。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノール誘導体とアルデヒド類とを酸又は塩基等の触媒存在下で、縮合(反応)させることにより得られるものを用いることができる。この中で、酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂を特にノボラック型フェノール樹脂という。
上述のフェノール誘導体及びフェノール化合物以外の化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体はフェノール性水酸基を有するポリアミド(ポリ(ヒドロキシアミド))であり、具体的には、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有する化合物である。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロ化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ここで、一般式(II)において、Uで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成するジヒドロキシジアミン由来の残基であり、4価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の4価の芳香族基がより好ましい。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在し、2個のヒドロキシ基がそれぞれアミンのオルト位に位置した構造を有するジアミンの残基が好ましい。
また一般式(II)において、Vで表される2価の有機基とは、ジアミンと反応してポリアミド構造を形成する、ジカルボン酸由来の残基であり、2価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の2価の芳香族基がより好ましい。2価の芳香族基としては、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。
(b)成分はメチロールフェノール化合物であり、硬化剤として作用し、硬化時にフェノール性水酸基を有する樹脂と反応、すなわち橋架けする。本発明で用いるメチロールフェノール化合物は一般式(I)で示される。
上記式(I)において、mは1から4までの正数であるが、化合物の安定性、合成の容易さ、及び樹脂硬化物の機械特性と耐熱性のバランスから1から2が好ましい。また、nは1から4までの正数であるが、化合物の安定性、合成の容易さ、及び樹脂硬化物の機械特性と耐熱性のバランスから1又は2が好ましい。
本発明の樹脂組成物において、(a),(b)成分に加えて、(c)o−キノンジアジド化合物を配合してもよい。このo−キノンジアジド化合物は、感光剤であり、光の照射によりカルボン酸を発生し、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。本発明の(a),(b)両成分は分子中にフェノール性水酸基を有するため、アルカリ水溶液への溶解性が期待できる。したがって、(a),(b)成分に加えて、(c)を組み合わせることによって、アルカリ水溶液現像ポジ型感光性樹脂となる。
本発明において、上述した(a)〜(c)成分の他に溶剤を配合してもよい。溶剤は各成分の相溶性を向上させたり、加工性を付与させるために使用する。溶剤としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また溶剤の配合量は特に制限はないが、一般に感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90重量%となるように調整するのが好ましい。
次に、本発明による硬化物について説明する。
前述した本発明の樹脂組成物を加熱処理することにより、硬化物を得ることができる。加熱処理工程における加熱温度に制限はないが、望ましくは300℃以下、より望ましくは、250℃以下であり、さらに望ましくは、140〜200℃の範囲である。
また、加熱処理は、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、赤外線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉を用いて行ない、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することができる。
なお、本発明の硬化物の形状は、薄膜状、板状、又は塊状等、制限はない。また、本発明の硬化物は単独で、又は機材の表面や内部に形成されていてもかまわない。
以上のようにして、本発明の硬化物が得られる。本発明の硬化物は、本発明のメチロールフェノール化合物を使用しているため、機械特性(靭性や柔軟性)と耐熱性に優れる。
(合成例1)
N,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドプロパン(2)の合成
100ml二口フラスコにp−Aminophenolを12.0g入れ,50mlのNMPで溶かした。次にEt3Nを16.7ml加え、最後に6.40mlのGlutaryl dichloride(1)を滴下した。室温(25℃)で74時間撹拌した。
NMPを減圧留去し、残留物に水を加え、メンブランフィルターで吸引ろ過した。ろ物をメタノールに溶かし、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。その後、エタノール/ヘキサンにより再沈殿した。吸引ろ過により、薄紫色粉末のN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドプロパン(2)、12.3g(収率 78%)を得た。融点 231〜234℃(文献値 232〜235℃)。下記式(IX)、下記表1参照。
1H−NMR(CD3OD,500MHz);δ(ppm)=6.72(4H,d,J=9.0Hz,Ar−H),7.32(4H,d,J=9.0Hz,Ar−H),2.05(2H,quintet,−CH2−),2.41(4H,t,−CH2−).
N,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドプロパン(3)[メチロールフェノール化合物]の合成
氷冷下で10%HClaqを用いて中和した。溶媒を留去した。メタノールに溶かし、溶け残った沈殿物を濾別した。さらに溶媒を留去した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 AcOEt:MeOH=9:1)により、2置換体から4置換体、3置換体から4置換体の2種類に分離した。赤色油状物質のN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドプロパン(3)、それぞれ1.78g,1.42g (粗収率 37%)を得た。下記式(X)、下記表2参照。
図1にN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドプロパン(3)の1H−NMR(CD3OD)スペクトルを示す。
スベリン酸塩化物(9)の合成
200ml三口フラスコにSuberic acid(8)を17.4g入れた。Thionyl chlorideを72.6ml加え、2時間還流した。
過剰に加えたThionyl chlorideを減圧留去した。茶色液体、17.2g(粗収率 81%)を得た。下記式(XI)、下記表3参照。
N,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドヘキサン(10)の合成
300ml三口フラスコにp−Aminophenolを16.4g入れ、120mlのNMPで溶かした。次にEt3Nを20.9ml加え、最後に17.2gのスベリン酸塩化物(9)を滴下した。室温(25℃)で18時間撹拌した。
NMPを減圧留去し、残留物に水を加え、吸引ろ過した。その後、エタノール/ヘキサンにより再沈殿した。吸引ろ過により、桃色粉末のN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドヘキサン(10),23.5g(収率 88%)を得た。融点218〜222℃。下記式(XII)、下記表4参照。
1H−NMR(DMSO,500MHz);δ(ppm)=6.64(4H,d,J=9.0Hz,Ar−H),7.32(4H,d,J=9.0Hz,Ar−H),1.29(4H,quintet,−CH2−),1.56(4H,quintet,−CH2−),2.22(4H,t,−CH2−).
N,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドヘキサン(11)[メチロールフェノール化合物]の合成
1000ml二口フラスコにN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドヘキサン(10)を14.3g入れ、10%KOHaqを44.8g加えた。150mlのMeOHで溶かした。氷冷下で37%HCHOaqを29.8ml加えた。反応の進行は、シリカゲルTLC(AcOEt:MeOH=14:1)で確認した。37%HCHOaq 29.8ml(400mmol)を1回加えた。50℃で233時間撹拌した。
氷冷下で10%HClaqを用いて中和した。溶媒を留去した。メタノールに溶かし、溶け残った沈殿物を濾別した。さらに溶媒を留去した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより(展開溶媒 AcOEt:MeOH=14:1)、3置換体から4置換体を分離した。茶色油状物質のN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドヘキサン(11)、2.89g(粗収率 15%)を得た。下記式(XIII)、下記表5参照。
図2にN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドヘキサン(11)の1H−NMR(CD3OD)スペクトルを示す。
ドデカン二酸塩化物(5)の合成
200ml三口フラスコにDodecanedioic acid(4)を12.5g入れた。Thionyl chlorideを39.4ml加え、3時間還流した。
過剰に加えたThionyl chlorideを減圧留去した。黄色液体、13.5g(粗収率 92%)を得た。下記式(XIV)、下記表6参照。
N,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドデカン(6)の合成
300mlナス型フラスコにp−Aminophenol 12.0gを入れ、100mlのNMPで溶かした。次にEt3Nを16.7ml加え、最後にDodecanedioyl dichloride(5)を12.7ml滴下した。室温(25℃)で118時間撹拌した。
NMPを減圧留去し、残留物に水を加え、吸引ろ過した。エタノール/ヘキサンにより再沈殿した。吸引ろ過により、茶色粉末、14.2g(収率 69%)を得た。融点 189〜191℃。下記式(XV)、下記表7参照。
1H−NMR(CD3OD,500MHz);δ(ppm)=6.72(4H,d,J=8.5Hz,Ar−H),7.30(4H,d,J=8.5Hz,Ar−H),1.32〜1.35(12H,m,−CH2−),1.67(4H,quintet,−CH2−),2.29〜2.37(4H、dt,−CH2−).
N,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドデカン(7)の合成
500mlナス型フラスコにN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジアミドデカン(6)を8.25g入れ、10%KOHaqを22.4g加えた。340mlのMeOHで溶かした。氷冷下で37%HCHOaqを14.9ml加えた。反応の進行は、シリカゲルTLC(AcOEt:MeOH=19:1)で確認した。37%HCHOaqを4.9ml(200mmol)を8回加えた。50℃で548時間撹拌した。
氷冷下で10%HClaqを用いて中和した。溶媒を留去した。メタノールに溶かし、溶け残った沈殿物を濾別した。さらに溶媒を留去した。
3回のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより(展開溶媒 それぞれAcOEt:MeOH=19:1,AcOEt:MeOH=24:1,AcOEt:MeOH=29:1)、2置換体から4置換体を分離した。黄色油状物質のN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドデカン(7)、0.559g(粗収率 5.2%)を得た。下記式(XVI)、下記表8参照。
図3にN,N’−ビス{4―ヒドロキシ−3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル}−1,3−ジアミドデカン(7)の1H−NMR(CD3OD)スペクトルを示す。
フェノール樹脂の合成
フェノール誘導体として、m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比50:50の割合で混合した。この混合液216質量部にホルマリン(アルデヒド)54質量部を加え、シュウ酸(触媒)2.2質量部を更に加え、90℃で3時間かく拌した。その後、反応液を120℃に昇温して減圧下で3時間かく拌し、重量平均分子量10000のノボラック型フェノール樹脂を得た。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸(30mol%)15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン18.30gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。このポリマーのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14580、分散度は1.6であった。
樹脂組成物の調製(配合)、硬化物の作成、及び特性評価
フェノール性水酸基を有する樹脂[(a)成分]100重量部に対し、(b)メチロールフェノール化合物、(c)o−キノンジアジト化合物、(s)溶剤を、表9に示した所定量にて配合した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルター(登録商標)を用いて加圧ろ過して、樹脂組成物の溶液(M1〜M6)を得た。
上記樹脂組成物の溶液(M1〜M6)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。
硬化は以下の各方法で行い、膜厚約10μmの硬化物を得た。
(i)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度250℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した。
(ii)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度180℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した。
上記の方法で硬化した膜厚約10μmの硬化物をシリコン基板から剥離し、剥離硬化物のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製TMA/SS600で測定した。なお、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとする。また、荷重は10gで、昇温速度は5℃/分である。また、剥離硬化物の平均破断伸度(El)を島津製作所製オートグラフAGS−H100Nによって測定した。なお、試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとする。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とする。ここでは、同一条件で得た硬化物について5本以上の測定値の平均を「平均破断伸度(El)」とする。硬化条件、Tg、及び、Elを表10に示す。
上記樹脂組成物の溶液(M4〜M6)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。その後、i線ステッパー(キャノン製FPA−3000iW)を用いマスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液にて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の70〜90%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスしパターン形成に必要な最小露光量と解像度を求めた。結果を表11に示す。
上記合成例のフェノール性水酸基を有する樹脂[(a)成分]100重量部に対し、メチロールフェノール化合物(b)、o−キノンジアジト化合物(c)、溶剤(s)を表9に示した所定量にて配合した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルター(登録商標)を用いて加圧ろ過して、樹脂組成物の溶液(M7〜M10)を得た。配合量を表9に併記した。
Claims (8)
- 一般式(I)に示すメチロールフェノール化合物。
(式中、R1及びR2は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、シリル基、アシル基又はメトキシ基を示す。
R3及びR4は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。
Xは炭素数1から20までのアルキレン鎖であり、mおよびnはそれぞれ独立に1から4までの正数であり、pは0から4−mの整数であり、qは0から4−nの整数である。) - (a)フェノール性水酸基を有する樹脂と、(b)一般式(I)に示すメチロールフェノール化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
(式中、R1及びR2は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、シリル基、アシル基又はメトキシ基を示す。
R3及びR4は各々独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオルアルキル基、アリル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。
Xは炭素数1から20までのアルキレン鎖であり、mおよびnはそれぞれ独立に1から4までの正数であり、pは0から4−mの整数であり、qは0から4−nの整数である。) - (a)フェノール性水酸基を有する樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
- (a)成分100重量部に対して、(b)成分1〜50重量部を配合してなることを特徴とする請求項2から請求項4のうち、いずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (c)o−キノンジアジド化合物をさらに含むことを特徴とする請求項2から請求項5のうち、いずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (a)成分100重量部に対して、前記(b)成分1〜50重量部、及び前記(c)成分5〜100重量部を配合してなることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
- 請求項2から請求項7のうち、いずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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