以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカラー画像形成装置について説明をする。図1に示すタンデム方式のカラープリンタ100は、カラー画像形成装置の一例を構成し、画像情報(以下画像データDINという)を入力し、当該画像データDINに基づいて中間転写ベルト6(像担持体)上で色を重ね合わせて色画像を形成するものである。カラープリンタ100は、画像形成部60及び二次転写部70を有して構成され、画像形成部60は、無終端状の像担持体の一例を構成する中間転写ベルト6を有している。
このカラープリンタ100は、通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定を入力し、ここに入力された通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して二次転写部70の動作電流の設定を所定の動作電流又は色ずれ補正時の動作電流のいずれかに切り替える機能を備えている。この機能によれば、色ずれ補正モードの実行中に、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する構成において、二次転写部70にレジストマークが到達する際の二次転写部70における二次転写電流の設定を切り替えるようになされる。
ここに通常動作モードとは、画像データDINに基づいて中間転写ベルト6に色画像を形成し、中間転写ベルト6に二次転写部70を圧着すると共に当該二次転写部70に所定の動作電流を設定し、二次転写部70と中間転写ベルト6との間のニップ領域に用紙Pを搬送し、動作電流に基づいて中間転写ベルト6上のトナー画像に基づく色画像を用紙Pに転写する動作をいう。
また、色ずれ補正モードとは、色ずれ補正用の印画データDPに基づいて中間転写ベルト6に印画像を形成し、中間転写ベルト6に二次転写部70を圧着した状態で印画像を検出し、当該二次転写部70に色ずれ補正時の動作電流を設定し、色ずれ補正時の動作電流に基づいて中間転写ベルト6上の印画像に基づくトナー剤の一部を二次転写部70に転写すると共に印画像の検出結果に基づいて色ずれ補正する動作をいう。
画像データDINは、パーソナルコンピュータ等の外部装置から当該カラープリンタ100へ供給され、画像形成部60へ転送される。画像形成部60は、中間転写ベルト6に画像データDINに基づくトナー画像を形成するために、例えば、イエロー(Y)色用の感光体ドラム1Yを有する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色用の感光体ドラム1Mを有する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色用の感光体ドラム1Cを有する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色用の感光体ドラム1Kを有する画像形成ユニット10Kと、無終端状の中間転写ベルト6とを備えて構成される。
画像形成部60では、当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎に作像処理するようになされ、各色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー像が中間転写ベルト6上で重ね合わされ、色画像を形成する。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kや中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成する。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電器2Y、画像書込みユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成する。感光体ドラム1Yは、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成する。この例で、感光体ドラム1Yは反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電する。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、画像書込みユニット3Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したレーザー光を走査露光する。画像書込みユニット3Yには、ポリゴンミラー方式のレーザー露光走査装置が使用される。感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
画像書込みユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像する。以下で静電潜像をトナー剤により現像した画像をトナー像という。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、画像書込みユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成する。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、画像書込みユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成する。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、画像書込みユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成する。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM、C、Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6は、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラーのトナー像(カラー画像)を形成する。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、二次転写部70に向けて搬送される。
中間転写ベルト6の下方には二次転写部70が配置されている。二次転写部70は、中間転写ベルト6に圧着されると共に、所定の動作電流が設定され、当該動作電流に基づいて中間転写ベルト6上のトナー画像に基づく色画像を被転写材(以下用紙Pという)に転写する。二次転写部70は、無終端状の二次転写ベルト7A、帯電器7B及びクリーニングブレード7Dを備えている。
通常動作モードでは、中間転写ベルト6に形成されたカラーのトナー像を用紙Pに一括して転写する(2次転写)。二次転写部70では、中間転写ベルト6の平面と二次転写ベルト7Aの平面で用紙Pを挟み込む形態で転写するので、中間転写ベルト6の平面と二次転写ローラの円周面で用紙Pを挟み込む形態で転写する場合に比べて、トナー像の二次転写性能を向上できるようになる。
この例では、色ずれ補正モードを実行する時にも、中間転写ベルト6を二次転写部70に圧着させる形態が採られる。クリーニングブレード7Dは、二次転写ベルト7A上に転写されたトナー剤を清掃する。例えば、色ずれ補正モードの実行時、中間転写ベルト6から二次転写部70へ転写されたレジストマークCRに基づくトナー剤や、清掃用に形成されたパッチマークを清掃できるようになる。
クリーニングブレード7Dは、清掃用として供給を受けたトナー剤の他に、前回の二次転写時に残留したトナー剤を二次転写ベルト7A上から除去(クリーニング)し、次回の二次転写の準備がなされる。帯電器7Bは、所定の電圧が印加され、二次転写電流を受けて二次転写ベルト7Aを所定の電位に帯電するように動作する。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、二次転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aはクリーニングブレードを有している。クリーニングブレードは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー剤等を除去するパッドから構成される。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
カラープリンタ100には画像形成部60の他に、用紙供給部20及び、定着装置17を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙供給部20が設けられ、図4に示すような複数の給紙トレイ20A,20B,20Cを有して構成される。各々の給紙トレイ内には所定のサイズの用紙Pが収容される。
用紙供給部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A〜22C、レジストローラ23等が設けられる。例えば、レジストローラ23は、用紙供給部20から搬送ローラ22A〜22Cを介して繰り出された所定の用紙Pを二次転写部70の手前で保持し、画像タイミングに合わせて二次転写部70へ送り出すようになされる。二次転写部70は、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写する。
上述の二次転写部70の下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理する。定着装置17は、定着部17Aや定着クリニーグ部17B等を有して構成される。定着部17Aは、例えば、定着ローラ、加圧ローラ及び加熱(IH)ヒータを有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。定着クリニーグ部17Bは、前回の定着で定着ローラ等に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。
この例で、BK色用の感光体ドラム1Kの下方(下流側)であって、二次転写部70の右上部(上流側)には、3個の色ずれ検知センサ11,12及び13が一列に配置される(図2参照)。色ずれ検知センサ11,12及び13は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6に形成されたレジストマークCRを検知するように動作する。
続いて、図2を参照して、色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例及び3つの色ずれ検知センサ11,12,13による検知例(その1,2)について説明する。図2に示す色ずれ補正用の色ずれ検知マーク(以下レジストマークCRという)の形成例によれば、中間転写ベルト6上に、所定の間隔を置いて配置された3個の色ずれ検知センサ11,12,13によって検知可能なレジストマークCRが、中間転写ベルト6の副走査方向に、例えば、20列×主走査方向に3行並べて形成される。レジストマークCRは、色ずれ補正用の印画データDPに基づいて形成される。ここに、主走査方向とは図2に示す中間転写ベルト6の幅方向であって、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。
中間転写ベルト6や、感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副主走査方向とは、主走査方向と直交する方向であって、中間転写ベルト6の長さ方向をいう。上述の中間転写ベルト6は一定の線速度で副走査方向に移動される。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、図1に示した画像書込みユニット3Yによる主走査方向へのレーザー光の走査露光によって感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。他のM色、C色、BK色の各々の画像書込みユニット3M,3C,3Kについても同様になされる。
図2において、レジストマークCRは印画像の一例を構成し、紙面の上から順番に、BK色のフ状の5列×3行のレジストマークPk、C色のフ状の5列×3行のレジストマークPc、M色のフ状の5列×3行のレジストマークPm、Y色のフ状の5列×3行のレジストマークPyが中間転写ベルト6に各々形成されて得られる。
色ずれ検知センサ11,12及び13は検出部の一例を構成し、色ずれ補正モードの実行時、画像形成部60によって中間転写ベルト6に形成された色ずれ補正用のレジストマークCRを検出し、各々の色ずれ検知センサ11,12及び13に対応して画像検知信号S11,S12,S13を出力する。画像検知信号S11,S12,S13には、レジストマークCRの前端エッジ検知信号成分や後端エッジ検知信号成分が含まれる。
色ずれ検知センサ11,12及び13は、中間転写ベルト6面を見通せる領域であって、中間転写ベルト6上の所定の位置に、所定の間隔を有して配置される。色ずれ検知センサ11,12及び13には、光学式センサやラインイメージセンサが使用される。これらの光学式センサには、発光素子及び受光素子が備えられ、光が発光素子からレジストマークCRへ照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。
上述の画像検知信号S11,S12,S13は、色ずれ検知センサ11〜13からタイミング発生部45へ出力される。タイミング発生部45は色ずれ検知センサ11,12,13から得られた画像検知信号S11,S12,S13をアナログ・ディジタル変換した後の画像検知データDp1〜Dp3をCPU55に出力する。CPU55は、色ずれ検知センサ11〜13からタイミング発生部45を介して取得した画像検知データDp1,Dp2,Dp3に基づいて色ずれ補正制御を実行する。これにより、画像検知データDp1〜Dp3に基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kの露光タイミングを制御できるようになる(特開2008−203833号公報参照)。
続いて、図3を参照して、色ずれ補正用のレジストマークCRの他の形成例について説明する。この例で、清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が色ずれ検知用のレジストマークCR以外の領域に形成される。パッチマークMp1〜Mp4は、二次転写部70へトナー剤を供給するためのパターンである。パッチマークMp1〜Mp4は、例えば、縦状の帯パターンを成し、副走査方向に沿って形成される。
図3に示すパッチマークMp1は、中間転写ベルト6の左側端に形成される。パッチマークMp2は、中間転写ベルト6の第1行目と第2行目のレジストマークCRの間に形成される。パッチマークMp3は、中間転写ベルト6の第2行目と第3行目のレジストマークCRの間に形成される。パッチマークMp4は、中間転写ベルト6の右側端に形成される。パッチマークMp1〜Mp4は縦状の帯パターンを成している。パッチマークMp1〜Mp4は、例えば、BK色のトナー剤によって形成される。
この例では、色ずれ補正モードを実行するとき、レジストマークCRを形成する色ずれ補正用の印画データDPに、パッチマークMp1〜Mp4を形成するパターンデータが含まれる。もちろん、帯パターンが二次転写ベルト7A側に移動するような二次転写電流Ipが設定される。
このようにカラープリンタ100によれば、色ずれ補正用の印画データDPにパッチマーク形成用のパターンデータが含まれ、レジストマークCR以外の領域にパッチマークMp1〜Mp4するようにした。上述した例では、パッチマークMp1〜Mp4を構成する縦状の帯パターンが副走査方向に沿って形成されるので、中間転写ベルト6に二次転写部70を当接した状態で色ずれ補正モードを実行する場合において、当該パッチマークMp1〜Mp4により、二次転写部70のクリーニングブレード7D(清掃用の部材)にトナー剤を供給できるようになる。この結果、色ずれ補正モード時に、二次転写部70のクリーニングブレード7Dに与える摩擦等の負担を軽減できるようになる。
続いて、図4を参照して、カラープリンタ100の制御系の構成例について説明する。図4に示すカラープリンタ100は、制御部15、定着装置17、用紙供給部20、操作表示部48、画像メモリ53、画像形成部60及び転写制御部73を有して構成される。
制御部15は、画像処理部16、タイミング発生部45、メモリ部54、中央処理ユニット(Central Processing Unit;以下CPU55という)、I/Oポート56及び、クロック発生部58(CLK)を有して構成される。CPU55にはメモリ部54が接続される。メモリ部54は、プログラム格納用の読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)や、ワークメモリ用の随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:RAM)、EEPROMや、ハードディスク装置(HDD)等の不揮発メモリを含んでいる。
RAMにはプリンタ本体を制御するためのシステムプログラムの他に、画像書込みユニット3Y等の書き込み制御や、転写制御部73等の出力制御を実行する際の制御情報が一時格納される。例えば、電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU55は、メモリ部54のROM等からシステムプログラムを読み出してRAMに展開し、システムを起動して、当該プリンタ全体を制御するようになされる。
CPU55にはI/Oポート56を介して操作表示部48が接続される。操作表示部48は、操作部14及び表示部18を有して構成される。操作部14は通常動作モードや、色ずれ補正モードを設定するように操作される。操作表示部48は、タッチパネルと液晶表示パネルから構成される。操作表示部48にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。
もちろん、操作表示部48は画像形成条件や給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作される。例えば、用紙Pの種類(紙種)や紙サイズを選択したり、当該用紙Pが収納されている給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に、操作表示部48が操作され、画像形成条件が設定される。操作表示部48で設定された画像形成条件や給紙トレイ選択情報等は、操作データD14となってCPU55に出力される。画像形成条件等は表示データD18に基づいて表示部18に表示される。表示データD18はCPU55から操作表示部48に出力される。
上述のCPU55にはクロック発生部58が接続され、所定の動作周波数のクロック信号(以下CLK信号という)を発生し、当該CLK信号をCPU55や、タイミング発生部45、メモリ部54等に出力する。もちろん、画像処理部16、操作表示部48、画像メモリ53及び画像形成部60にも出力される。クロック発生部58にはタイミング発生部45が接続される。タイミング発生部45には、用紙供給部20や、画像形成部60、転写制御部73等の駆動系が接続される。
画像処理部16は、例えば、パーソナルコンピュータ等の外部装置に接続される。外部装置は、カラー用のディジタルの画像データDIN(R,G,Bの各色成分データ)を出力する。画像処理部16は、外部装置から受信した画像データDINをY色作像用の画像データDy,M色作像用の画像データDm,C色の画像データDc,BK色作像用の画像データDkに色変換処理をする。色変換処理後のY,M,C,BK色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、画像メモリ53や、メモリ部54等に記憶される。画像メモリ53にはハードディスク装置が使用される。画像メモリ53は、レジストマークCR以外の領域にパッチマークMp1〜Mp4を形成するための色ずれ補正用の印画データDPを格納する。
用紙供給部20は、3つの給紙トレイ20A〜20C及び、給紙駆動部20Dを有している。給紙駆動部20Dは、通常動作モード時、タイミング発生部45から用紙搬送信号S20を入力し、用紙搬送信号S20に基づいてモータ回転制御を実行し、当該給紙トレイ20A,20B又は20Cから繰り出した用紙Pを画像形成部60に搬送するように動作する。
画像形成部60は中間転写ベルト6や像形成ユニット61等を有している。像形成ユニット61は図1に示した画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kから構成される。像形成ユニット61は、タイミング発生部45から画像形成信号S60を入力し、画像メモリ53から画像データDy,Dm,Dc,Dkを入力し、当該画像形成信号S60及び画像データDy,Dm,Dc,Dkに基づいてカラー画像形成処理を実行する(図1参照)。
転写制御部73は通常動作モード又は色ずれ補正モードの実行時、二次転写制御信号S73に基づいて二次転写部70を制御する。二次転写部70は二次転写ベルト7Aや転写制御部73等を有して構成される。転写制御部73はタイミング発生部45に接続される。タイミング発生部45は転写制御部73に二次転写制御信号S73を出力する。例えば、転写制御部73は二次転写制御信号S73に基づいて中間転写ベルト6に二次転写部70を圧着し又は中間転写ベルト6から二次転写部70を離間するように制御する(図5参照)。
タイミング発生部45には上述した駆動系の他に、色ずれ検知センサ11,12,13が接続される。色ずれ検知センサ11,12,13は、画像形成部60によって中間転写ベルト6に形成される色ずれ補正用のレジストマークCRを検出して画像検知信号S11,S12,S13をタイミング発生部45に出力する。
上述のタイミング発生部45にはCPU55が接続される。CPU55は、操作部14によって設定された通常動作モード又は色ずれ補正モードに対応して、画像処理部16、画像形成部60及び転写制御部73を制御する。
CPU55は、色ずれ補正モードの実行中に、二次転写部70と中間転写ベルト6を圧着するように転写制御部73を制御するが、色ずれ補正モードの開始時刻からレジストマークCRの形成開始時刻に至るまでの間は、二次転写部70と中間転写ベルト6との離間状態を維持するように転写制御部73を制御する。更に、CPU55は、色ずれ補正モードの実行時、レジストマークCRの形成開始時刻に至ると、二次転写部70と中間転写ベルト6との圧着するように転写制御部73を制御する。
また、CPU55は、通常動作モードを実行する時、画像データDINに基づく色画像を構成するトナー剤が中間転写ベルト6から二次転写部70側へ移動するように二次転写部70の動作電流を設定する。二次転写部70の動作電流を二次転写電流Ipとしたとき、二次転写電流Ipは、印加電圧にもよるが、Ip=100[μA]程度である。
色ずれ補正モードを実行する時は、転写制御部73へタイミング発生部45を介して二次転写制御信号S73を出力し、色ずれ補正用のレジストマークCRを構成するトナー剤の一部が中間転写ベルト6から二次転写部70側へ移動し、当該中間転写ベルト6にレジストマークCRのトナー剤の一部が残留するように二次転写部70の動作電流を設定する。例えば、CPU55は、通常動作モードの二次転写電流Ipを100%としたとき、色ずれ補正モードの二次転写電流Ixを二次転写電流IPの50%に設定する。
このように動作電流を設定すると、通常動作モード時の中間転写ベルト6に実際の負荷として加わる二次転写部70を当接した状態で、しかも、クリーニングブレード7Dに摩擦等の負担による支障を来すことなく、色ずれ補正モードを実行できるようになる。これにより、転写制御部73によって、通常動作モードの実行中の二次転写電流Ipから色ずれ補正中の二次転写電流Ixへ動作電流を切り替えることができる。色ずれ補正モードの実行中、二次転写電流Ipの設定が変更され、二次転写部70に到達した色ずれ補正用のレジストマークが中間転写ベルト6と二次転写ベルト7Aの両方に供給するように制御される。
上述のタイミング発生部45にはCPU55の他に定着装置17が接続される。定着装置17は、用紙Pに二次転写されたカラー画像をタイミング発生部45から出力される定着制御信号S17に基づいて定着処理する。
ここで、色ずれ補正制御の内容について説明する。この例では、色ずれ検知センサ11,12,13から得られた画像検知データDp1,Dp2,Dp3に基づいてCPU55が色ずれ補正制御を実行する。CPU55は、例えば、補正量演算機能、主走査開始タイミング制御機能、副走査開始タイミング制御機能及び画素クロック周期制御機能を有している。
色ずれ検知センサ11,12はタイミング発生部45に接続される。CPU55は、例えば、タイミング発生部45内のアナログ・ディジタル変換機能を利用して、色ずれ補正モード時に、色ずれ検知センサ11,12,13から各々出力された、3列のレジストマークCRに基づく画像検知信号S11,S12,S13をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1,Dp2,Dp3を取得する。画像検知データDp1,Dp2,Dp3は、画像メモリ53に記憶される。
CPU55は、色ずれ検知センサ11,12、13から得られた画像検知データDp1,Dp2,Dp3に基づいて色ずれ補正制御を実行する。CPU55は、色ずれ補正モードの実行時に、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、補正量演算機能を利用して、この画像検知データDp1,Dp2,Dp3から各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量を算出し、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量を求める。例えば、
i.CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、主走査補正量算出機能を利用して、主走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データを生成する。このタイミング制御データにより、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
ii.CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、副走査補正量算出機能を利用して、副走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データを生成する。このタイミング制御データにより、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
iii.CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、全体横倍補正量算出機能を利用して、全体横倍ずれ量を算出し、この全体横倍ずれ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データを生成する。このクロック制御データにより、全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
iv.CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、部分横倍補正量算出機能を利用して、部分横倍ずれ量を算出し、この部分横倍ずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するためのユニット制御データを生成する。このユニット制御データにより、部分横倍ずれ量を補正するようになされる。
v.CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、スキュー補正量算出機能を利用して、スキューずれ量を算出し、このスキューずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の垂直方向の傾きを調整するためのスキュー制御データを生成する。このスキュー制御データにより、スキューずれ量を補正するようになされる(特開2008−203833号公報参照)。これらにより、カラープリンタ100を構成する。
続いて、図5A〜Cを参照して、カラープリンタ100の二次転写部70の動作例について説明する。この例では、通常動作モードの実行中(印刷中)の動作電流を二次転写電流Ipとしたとき、色ずれ補正モードの実行中の動作電流を二次転写電流Ixに切り替えるようにした。図5Aに示す二次転写部70は、駆動部71、電流調整部72及び転写制御部73を有している。
転写制御部73は、図4に示したタイミング発生部45に接続される。タイミング発生部45は転写制御部73に二次転写制御信号S73を出力する。転写制御部73は二次転写制御信号S73からベルト制御信号S71及び電流制御信号S72(電流調整信号)を生成する。ベルト制御信号S71は中間転写ベルト6に二次転写部70を圧着し又は中間転写ベルト6から二次転写部70を離間するための信号である。電流制御信号S72は、通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して帯電器7Bの動作電流を設定するための信号である。
駆動部71は転写制御部73に接続されると共に、図示しない二次転写ベルト駆動機構に取り付けられる。駆動部71は、ベルト制御信号S71に基づいて二次転写ベルト駆動機構を動作させることで、中間転写ベルト6に二次転写部70を圧着し又は中間転写ベルト6から二次転写部70を離間する。ベルト制御信号S71は、転写制御部73から駆動部71に出力される。駆動部71にはモータやソレノイド等が使用される。
電流調整部72は転写制御部73に接続されると共に、帯電器7Bに接続される。電流調整部72は、電流制御信号S72に基づいて通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して帯電器7Bの動作電流の設定を所定の二次転写電流Ip又は色ずれ補正モードの実行時の二次転写電流Ixのいずれかに切り替えるように動作する。帯電器7Bは図示しないワイヤー等を備え、電流調整部72によって調整された動作電流に基づいて当該ワイヤーを所定の電位に維持し、二次転写に必要な静電力(クーロン力)を発生する。
上述の転写制御部73は、図5Aにおいて、色ずれ補正モードの実行時、色ずれ補正モードの開始時刻からレジストマークCRの形成開始時刻に至るまでの間は、二次転写部70と中間転写ベルト6との離間状態を維持するように駆動部71を制御する。転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成したベルト制御信号S71を駆動部71に出力して、二次転写ベルト駆動機構を動作させ、中間転写ベルト6から二次転写部70を離間させる。
このように駆動部71を制御すると、中間転写ベルト6に二次転写部70を当接した状態で色ずれ補正モードを実行する場合において、レジストマークCRの形成開始時刻に至るまでの間、二次転写部70が中間転写ベルト6に圧着されることがないので、クリーニングブレード7Dに与える摩擦等の負担をより軽減できるようになる。
転写制御部73は、図5Bにおいて、色ずれ補正モードの実行時、レジストマークCRの形成開始時刻に至ると、二次転写部70と中間転写ベルト6との圧着するように駆動部71を制御する。転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成したベルト制御信号S71を駆動部71に出力して、二次転写ベルト駆動機構を動作させ、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する。
このとき、電流調整部72は、電流制御信号S72に基づいて色ずれ補正モードの設定に対応して帯電器7Bの動作電流をIP=0%に設定し、二次転写に必要な静電力を発生しないようになされる。もちろん、この時点で、帯電器7Bの動作電流を通常動作モードの実行時と同様な条件、すなわち、帯電器7Bに実負荷を掛ける目的で、Ip=100%の動作電流に基づいて二次転写に必要な静電力を発生させてもよい。
その後、転写制御部73は、図5Cにおいて、色ずれ補正モードの実行時、レジストマークCRの検知時刻に至ると、二次転写部70と中間転写ベルト6との圧着を維持した状態で、電流調整部72を制御する。転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成した電流制御信号S72を電流調整部72に出力して、帯電器7Bの動作電流を二次転写電流Ipの50%に設定する。
ここで、帯電器7Bの二次転写電流をIxとすると、帯電器7BはIx=0.5×Ipの動作電流に基づいてトナー剤の供給に必要な静電力(クーロン力)を発生させる。このように帯電器7Bの動作電流を設定すると、通常動作モード時の中間転写ベルト6に実際の負荷として加わる二次転写部70を当接した状態で、しかも、クリーニングブレード7Dに摩擦等の負担による支障を来すことなく、色ずれ補正モードを実行できるようになる。
続いて、図6及び図7を参照して、第1の実施例としてのカラープリンタ100の動作例(その1,2)について説明する。この例では、色ずれ補正モードの実行中に、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する構成において、色ずれ補正モードの実行開始から、ベースライン補正処理が終了するまでの時間、二次転写部70を圧着しないように制御する場合を例に挙げる。
また、CPU55は、通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定を入力し、ここに入力された通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して二次転写部70の動作電流の設定を所定の二次転写電流Ip(動作電流)又は色ずれ補正モードの実行時の二次転写電流Ix(動作電流)のいずれかに切り替える。
これらを動作条件にして、色ずれ補正モードの設定を入力すると、図6に示すフローチャートのステップST1で、CPU55は色ずれ補正モードの実行スタートをしてカラーレジスト補正を開始する。このとき、CPU55は、色ずれ補正モードの実行時、色ずれ補正モードの開始時刻からベースライン補正処理が終了するまでの間は、二次転写部70と中間転写ベルト6との離間状態を維持するように転写制御部73を制御する。転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成したベルト制御信号S71を駆動部71に出力して、二次転写ベルト駆動機構を動作させ、中間転写ベルト6から二次転写部70を離間させる(図5A参照)。
次に、ステップST2でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13を校正するためにベースライン補正処理を実行する。ベースライン補正処理では、色ずれ検知センサ11,12,13が中間転写ベルト6のトナー像の未形成面に光を照射し、反射光を受光して、輝度ムラ等のオフセットを取り除き、受光感度を最適に設定する処理がなされる。
その後、ステップST3でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13のベースライン補正処理を終了したか否かを判別する。この際の判別基準は、例えば、上限・下限の閾値レベルと画像検知信号S11,S12,S13等の出力レベル等とを順次比較し、画像検知信号S11,S12,S13等の出力レベルが、上限の閾値レベルと下限の閾値レベルとの間に包含された場合に、ベースライン補正処理を終了したと判断する。
上述のベースライン補正処理を終了していない場合は、ステップST2に戻ってCPU55はベースライン補正処理を継続する。ベースライン補正処理を終了した場合は、ステップST4に移行する。
ステップST4でCPU55は二次転写ベルト7Aを中間転写ベルト6に圧着するように二次転写部70を制御する。このとき、CPU55は、ベースライン補正処理を終了すると、二次転写部70と中間転写ベルト6との圧着するように転写制御部73を制御する。転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成したベルト制御信号S71を駆動部71に出力して、二次転写ベルト駆動機構を動作させ、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する。
この圧着により、二次転写ベルト7Aと中間転写ベルト6との間のニップ領域に用紙Pを搬送することなく、中間転写ベルト6に二次転写ベルト7Aを当接する。これにより、二次転写ベルト7Aが中間転写ベルト6に従動されて連れ回りする(図5B参照)。
そして、ステップST5でCPU55は、中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了したか否かを判別する。この際の判別基準は、例えば、中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの当接を判別するための判別閾値レベルと、ベルト制御信号S71の出力レベルとを比較し、ベルト制御信号S71の出力レベルが判別閾値レベルを越えた場合に、中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了したと判断する。中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了していない場合は、ステップST4に戻ってCPU55は中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着制御を継続する。
中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了した場合は、ステップST6に移行する。ステップST6でCPU55は二次転写部70に二次転写電流Ipを設定する(補正用)。このとき、CPU55は転写制御部73に二次転写制御信号S73を出力して、帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%に設定する。従って、現時点では、帯電器7Bの二次転写電流Ixはゼロであり、二次転写ベルト7Aは静電力無し状態で中間転写ベルト6に圧着されている。
次に、ステップST7でCPU55はレジストマークCRの形成開始を画像形成部60に指示する。画像形成部60では、画像形成ユニット10Kの感光体ドラム1Kに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPkに係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Kに形成された静電潜像は、BK色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図2に示したようなフ状のレジストマークPkを中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
同様にして、画像形成ユニット10Cでは、感光体ドラム1Cに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPcに係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Cに形成された静電潜像は、C色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図2に示したようなフ状のレジストマークPcを中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Mでは、感光体ドラム1Mに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPmに係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Mに形成された静電潜像は、M色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図2に示したようなフ状のレジストマークPmを中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Yでは、感光体ドラム1Yに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPyに係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Yに形成された静電潜像は、Y色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図2に示したようなフ状のレジストマークPyを中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
なお、図3に示したような中間転写ベルト6の左側端に清掃用のパッチマークMp1を形成し、中間転写ベルト6の第1行目と第2行目のレジストマークCRの間に、清掃用のパッチマークMp2を形成し、更に、中間転写ベルト6の第2行目と第3行目のレジストマークCRの間に清掃用のパッチマークMp3を形成し、中間転写ベルト6の右側端に清掃用のパッチマークMp4を形成してもよい。
次に、図8に示すステップST8でCPU55はレジストマークCRが二次転写部70に到達したか否かを判別する。この際の判別基準は、例えば、レジストマークCRが二次転写部70に到達したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを越えた場合に、レジストマークCRが二次転写部70に到達したと判断する。レジストマークCRが二次転写部70に到達していない場合は、レジストマークCRの到達検出を継続する。
このとき、CPU55は、色ずれ検知センサ11,12,13から各々出力された、3列のレジストマークCRに基づく画像検知信号S11,S12,S13をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1,Dp2,Dp3を取得する。画像検知データDp1,Dp2,Dp3は、画像メモリ53に記憶される。
レジストマークCRが二次転写部70に到達した場合は、ステップST9に移行してCPU55は二次転写部70をオンするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、先の設定に対応して帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、帯電器7Bの動作電流ゼロの設定から二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)に切り替える。
その後、ステップST10でCPU55はレジストマークCRが全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別する。その際の判断基準は、例えば、全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを下回った場合に、レジストマークCRが全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したと判断する。レジストマークCRが全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過していない場合は、レジストマークCRの検出を継続する。
レジストマークCRが全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過した場合は、ステップST11に移行してCPU55は二次転写部70をオフするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、帯電器7Bの二次転写電流Ixが通常動作モード時の二次転写電流Ip=50%からIx=0%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)から、帯電器7Bの動作電流をゼロの設定に切り替える。
その後、ステップST12でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13から得られた画像検知データDp1,Dp2,Dp3に基づいて色ずれ補正制御を実行する。このとき、CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、補正量演算機能を利用して、この画像検知データDp1,Dp2,Dp3から各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量を算出し、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量を求める。
そして、CPU55は、主走査補正量算出機能を利用して、主走査方向の位置ずれを補正したり、副走査補正量算出機能を利用して、副走査方向の位置ずれを補正する。また、CPU55は、全体横倍補正量算出機能を利用して、全体横倍ずれ量を補正したり、部分横倍補正量算出機能を利用して、部分横倍ずれ量を補正したり、スキュー補正量算出機能を利用して、スキューずれ量を補正する(特開2008−203833号公報参照)。
その後、ステップST13でCPU55は色ずれ補正モードを完了したか否かを判別する。その際の判別基準は、例えば、色ずれ補正モードの実行を完了したか否かを判別するための判別閾値数と、色ずれ補正モードの実行に伴う主走査補正量算出機能、副走査補正量算出機能、全体横倍補正量算出機能、部分横倍補正量算出機能及びスキュー補正量算出機能を利用した補正数とを比較し、色ずれ補正モードの実行に伴う補正数と判別閾値数とが一致した場合に、色ずれ補正モードを完了したと判断する。
色ずれ補正モードの実行が完了していない場合は、ステップST7に戻って上述の処理内容を繰り返すようになされる。色ずれ補正モードの実行を完了した場合は、ステップST14でCPU55は中間転写ベルト6から二次転写ベルト7Aを解除するように二次転写部70を制御する。このとき、CPU55は、色ずれ補正制御を終了すると、中間転写ベルト6から二次転写ベルト7Aを離間するように転写制御部73を制御する。
転写制御部73は、二次転写制御信号S73から生成したベルト制御信号S71を駆動部71に出力して、二次転写ベルト駆動機構を動作させ、中間転写ベルト6から二次転写ベルト7Aを離間する。この離間により、二次転写ベルト7Aが中間転写ベルト6に従動されて連れ回りする状態から開放される(図5A参照)。
このように第1の実施例としてのカラープリンタ100によれば、通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して画像を形成する場合に、CPU55は、通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定を入力し、ここに入力された通常動作モード又は色ずれ補正モードの設定に対応して二次転写部70の帯電器7Bの動作電流の設定を二次転写電流IP又は色ずれ補正モードの実行時の二次転写電流Ixのいずれかに切り替えるようになる。
従って、色ずれ補正モードが設定された場合は、二次転写部70の帯電器7Bの動作電流の設定を二次転写電流Ip=100%から色ずれ補正モードの実行時の二次転写電流Ix=Ipの50%へ切り替えることができ、二次転写部70の二次転写ベルト7AにレジストマークCRに基づくトナー剤の一部を供給できるようになると共に、中間転写ベルト6にも当該レジストマークCRに基づくトナー剤を残留させることができる。
この結果、レジストマークCRに係るトナー剤が二次転写ベルト7A及び中間転写ベルト6の両方に供給される形態となる。このトナー剤によって、中間転写ベルト6のクリーニング部8A及び、二次転写ベルト7Aのクリーニングブレード7Dの摩擦負荷が軽減され、クリーニングブレード7D等のめくれを防止できるようになる。
これにより、色ずれ補正用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成する際、及び、そのレジストマークCRを中間転写ベルト6から検出する際にも、二次転写部70が中間転写ベルト6に圧着され接触した状態、すなわち、通常動作モード時の中間転写ベルト6に実際の負荷として加わる二次転写部70を当接した状態で、しかも、二次転写部70のクリーニングブレード7Dに摩擦等の負担による支障を来すことなく、色ずれ補正モードを実行できるようになった。
続いて、図8を参照して、第2の実施例としての色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例について説明する。この例では、図5に示したように色ずれ補正モードの実行中に、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する構成において、クリーニングブレード7D等に与える摩擦等の負担をより軽減するために、レジストマークCRの間に形成した縦長の矩形状(縦状)の帯パターンを成す清掃用のパッチマークMp1〜Mp4に加えて、主走査方向に平行して形成される横長の矩形状(横状)の帯パターンを成す清掃用のパッチマークMp5,Mp6を形成するようにした。
図8に示す清掃用のパッチマークMp1は、中間転写ベルト6の左側端に形成される。パッチマークMp2は、中間転写ベルト6の第1行目と第2行目のレジストマークCRの間に形成される。パッチマークMp3は、中間転写ベルト6の第2行目と第3行目のレジストマークCRの間に形成される。パッチマークMp4は、中間転写ベルト6の右側端に形成される。パッチマークMp1〜Mp4は縦状の帯パターンを成している。
清掃用のパッチマークMp5,Mp6は、主走査方向に平行して形成される。パッチマークMp5,Mp6は横状の帯パターンを成している。パッチマークMp5,Mp6の各々な、第1行目のパッチマークMp1の一端から第4行目のパッチマークMp4の他端に至る長さを有している。この長さは、中間転写ベルト6や、二次転写ベルト7A等の幅方向をカバーし、そのベルト全面清掃可能とするためである。パッチマークMp1〜Mp6は、例えば、BK色のトナー剤で形成される。
この例では、色ずれ補正モードを実行するとき、レジストマークCRを形成する色ずれ補正用の印画データDPに、パッチマークMp1〜Mp6を形成するパターンデータが含まれる。もちろん、帯パターンが二次転写ベルト7A側に移動するような二次転写電流Ixが設定される。なお、通常動作モードの実行中にも、定期的に、横状の帯パターンを成すパッチマークMp5,Mp6を形成し、二次転写ベルト7A及び中間転写ベルト6にトナー剤を供給し、クリーニングブレード7D等の摩擦負荷を軽減するようにしてよい。
続いて、図9〜図11を参照して、第2の実施例としての色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例及び、カラープリンタ100の動作例(その1〜3)について説明する。この例では、第1の実施例で説明した動作条件に加えて、図8に示したように中間転写ベルト6の左側端に清掃用のパッチマークMp1を形成し、中間転写ベルト6の第1行目と第2行目のレジストマークCRの間に、清掃用のパッチマークMp2を形成し、更に、中間転写ベルト6の第2行目と第3行目のレジストマークCRの間に清掃用のパッチマークMp3を形成し、中間転写ベルト6の右側端に清掃用のパッチマークMp4を形成する。更に、清掃用のパッチマークMp5,Mp6を形成する場合を例に挙げる。
これらを動作条件にして、色ずれ補正モードの設定を入力すると、図9に示すフローチャートのステップST21で、CPU55は色ずれ補正モードの実行をスタートしてカラーレジスト補正を開始する。このとき、CPU55は第1の実施例で説明したように二次転写ベルト駆動機構を動作させ、中間転写ベルト6から二次転写部70を離間させる(図5A参照)。
次に、ステップST22でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13を校正するためにベースライン補正処理を実行する。このベースライン補正処理については、第1の実施例で説明したステップST2を参照されたい。その後、ステップST23でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13のベースライン補正処理を終了したか否かを判別する。この際の判別基準については、第1の実施例で説明したステップST3を参照されたい。
上述のベースライン補正処理を終了していない場合は、ステップST22に戻ってCPU55はベースライン補正処理を継続する。ベースライン補正処理を終了した場合は、ステップST24に移行する。ステップST24でCPU55は二次転写ベルト7Aを中間転写ベルト6に圧着するように二次転写部70を制御する。このとき、CPU55は、第1の実施例で説明したように二次転写ベルト駆動機構を動作させ、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する。この圧着により、二次転写ベルト7Aが中間転写ベルト6に従動されて連れ回りする(図5B参照)。
そして、ステップST25でCPU55は、中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了したか否かを判別する。この際の判別基準は、第1の実施例で説明したステップST5を参照されたい。中間転写ベルト6への二次転写ベルト7Aの圧着を完了した場合は、ステップST26に移行する。
ステップST26でCPU55は二次転写部70に二次転写電流Ipを設定する(補正用)。このとき、CPU55は第1の実施例で説明したように、転写制御部73に二次転写制御信号S73を出力して、帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%に設定する。
次に、ステップST27でCPU55はレジストマークCRの形成開始を画像形成部60に指示する。画像形成部60では、画像形成ユニット10Kの感光体ドラム1Kに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPk及び清掃用の4行の縦長の矩形状のパッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Kに形成された静電潜像は、BK色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図8に示したようなフ状のレジストマークPk及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4(途中まで)を中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
同様にして、画像形成ユニット10Cでは、感光体ドラム1Cに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPc及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Cに形成されたレジストマークPcに係る静電潜像は、C色のトナー剤で現像され、パッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像は、BC色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図8に示したようなフ状のレジストマークPc及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4(更に途中まで)を中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Mでは、感光体ドラム1Mに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPm及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Mに形成されたレジストマークPmに係る静電潜像は、M色のトナー剤で現像され、パッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像は、BC色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図8に示したようなフ状のレジストマークPm及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4(更に途中まで)を中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Yでは、感光体ドラム1Yに印画データDPに基づく色ずれ補正用のフ状のレジストマークPy及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Yに形成されたレジストマークPyに係る静電潜像は、Y色のトナー剤で現像され、パッチマークMp1〜Mp4に係る静電潜像は、BC色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図8に示したようなフ状のレジストマークPy及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4(これで全部)を中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
次に、ステップST28でCPU55はレジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が二次転写部70に到達したか否かを判別する。この際の判別基準は、例えば、レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が二次転写部70に到達したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを越えた場合に、レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が二次転写部70に到達したと判断する。レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が二次転写部70に到達していない場合は、レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4の到達検出を継続する。
このとき、CPU55は、色ずれ検知センサ11,12,13から各々出力された、3列のレジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4に基づく画像検知信号S11,S12,S13をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1,Dp2,Dp3を取得する。画像検知データDp1,Dp2,Dp3は、画像メモリ53に記憶される。
レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が二次転写部70に到達した場合は、ステップST29に移行してCPU55は二次転写部70をオンするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、先の設定に対応して帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、帯電器7Bの動作電流ゼロの設定から二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)に切り替える。
その後、ステップST30でCPU55はレジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別する。その際の判断基準は、例えば、全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを下回った場合に、レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したと判断する。レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過していない場合は、レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4の検出を継続する。
レジストマークCR及び清掃用のパッチマークMp1〜Mp4が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過した場合は、ステップST31に移行してCPU55は二次転写部70をオフするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、帯電器7Bの二次転写電流Ixが通常動作モード時の二次転写電流Ip=50%からIx=0%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)から、帯電器7Bの動作電流をゼロの設定に切り替える。
その後、ステップST32に移行して、CPU55は二次転写部70に二次転写電流Ipを設定する(帯パターン用)。このとき、CPU55は転写制御部73に二次転写制御信号S73を出力して、帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%に設定する。従って、現時点では、帯電器7Bの二次転写電流Ixはゼロであり、二次転写ベルト7Aは静電力無し状態で中間転写ベルト6に圧着されている。
次に、ステップST33でCPU55は清掃用の2列の横長の矩形状のパッチマークMp5,Mp6の形成開始を画像形成部60に指示する。画像形成部60では、画像形成ユニット10Kの感光体ドラム1Kに印画データDPに基づく矩形状のパッチマークMp5,Mp6に係る静電潜像が形成される。感光体ドラム1Kに形成された静電潜像は、BK色のトナー剤で現像され、中間転写ベルト6に一次転写される。これにより、図8に示したような矩形状のパッチマークMp5,Mp6を中間転写ベルト6上に形成できるようになる。
次に、ステップST34でCPU55はパッチマークMp5,Mp6が二次転写部70に到達したか否かを判別する。この際の判別基準は、例えば、パッチマークMp5,Mp6が二次転写部70に到達したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを越えた場合に、パッチマークMp5,Mp6が二次転写部70に到達したと判断する。パッチマークMp5,Mp6が二次転写部70に到達していない場合は、パッチマークMp5,Mp6の到達検出を継続する。
このとき、CPU55は、色ずれ検知センサ11,12,13から各々出力された、2列のパッチマークMp5,Mp6に基づく画像検知信号S11,S12,S13をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1’,Dp2’,Dp3’を取得する。なお、画像検知データDp1’,Dp2’,Dp3’は、清掃用のパッチマークMp5,Mp6なので画像メモリ53に記憶しなくてもよい。
パッチマークMp5,Mp6が二次転写部70に到達した場合は、ステップST35に移行してCPU55は二次転写部70をオンするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、先の設定に対応して帯電器7Bの二次転写電流Ixを通常動作モード時の二次転写電流Ipの50%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、帯電器7Bの動作電流ゼロの設定から二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)に切り替える。
その後、ステップST36でCPU55はパッチマークMp5,Mp6が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別する。その際の判断基準は、例えば、全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したか否かを判別するための判別閾値レベルと、色ずれ検知センサ11,12,13から出力される画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルとを比較し、画像検知信号S11,S12,S13の出力レベルが判別閾値レベルを下回った場合に、パッチマークMp5,Mp6が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過したと判断する。パッチマークMp5,Mp6が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過していない場合は、パッチマークMp5,Mp6を継続する。
パッチマークMp5,Mp6が全て色ずれ検知センサ11,12,13を通過した場合は、ステップST37に移行してCPU55は二次転写部70をオフするように転写制御部73を制御する。このとき、転写制御部73は、帯電器7Bの二次転写電流Ixが通常動作モード時の二次転写電流Ip=50%からIx=0%になるように電流制御信号S72を電流調整部72に出力する。電流調整部72は、二次転写電流Ix=IP×0.5(動作電流)から、帯電器7Bの動作電流をゼロの設定に切り替える。
その後、ステップST38でCPU55は色ずれ検知センサ11,12,13から得られた画像検知データDp1,Dp2,Dp3に基づいて色ずれ補正制御を実行する。このとき、CPU55は、画像メモリ53から画像検知データDp1,Dp2,Dp3を読み出し、補正量演算機能を利用して、この画像検知データDp1,Dp2,Dp3から各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量を算出し、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量を求める。
そして、CPU55は、主走査補正量算出機能を利用して、主走査方向の位置ずれを補正したり、副走査補正量算出機能を利用して、副走査方向の位置ずれを補正する。また、CPU55は、全体横倍補正量算出機能を利用して、全体横倍ずれ量を補正したり、部分横倍補正量算出機能を利用して、部分横倍ずれ量を補正したり、スキュー補正量算出機能を利用して、スキューずれ量を補正する(特開2008−203833号公報参照)。
そして、ステップST39でCPU55は色ずれ補正モードを完了したか否かを判別する。その際の判別基準は、例えば、色ずれ補正モードの実行を完了したか否かを判別するための判別閾値数と、色ずれ補正モードの実行に伴う主走査補正量算出機能、副走査補正量算出機能、全体横倍補正量算出機能、部分横倍補正量算出機能及びスキュー補正量算出機能を利用した補正数とを比較し、色ずれ補正モードの実行に伴う補正数と判別閾値数とが一致した場合に、色ずれ補正モード(カラーレジスト補正)を完了したと判断する。
色ずれ補正モードの実行が完了していない場合は、ステップST27に戻って上述の処理内容を繰り返すようになされる。色ずれ補正モードの実行を完了した場合は、ステップST40でCPU55は中間転写ベルト6から二次転写ベルト7Aを解除するように二次転写部70を制御する。このとき、CPU55は、第1の実施例で説明したように二次転写ベルト駆動機構を動作させ、中間転写ベルト6から二次転写ベルト7Aを離間する。この離間により、二次転写ベルト7Aが中間転写ベルト6に従動されて連れ回りする状態から開放される(図5A参照)。
このように第2の実施例としてのカラープリンタ100によれば、図5に示したように色ずれ補正モードの実行中に、二次転写部70を中間転写ベルト6に圧着する構成において、副走査方向に沿って形成されたる縦状の帯パターンを成すパッチマークMp1〜Mp4がレジストマークCRに含まれ、主走査方向に平行して形成された横状の帯パターンを成すパッチマークMp1〜Mp4がレジストマークCRに追加して形成される。
従って、中間転写ベルト6に二次転写部70を当接した状態で色ずれ補正モードを実行する場合に、二次転写ベルト7Aの主走査方向及び副走査方向や、クリーニングブレード7D等の主走査方向に十分なトナー剤を供給できるようになる。この結果、色ずれ補正モード時に、中間転写ベルト6のクリーニング部8Aや、二次転写部70のクリーニングブレード7D等に与える摩擦等の負担をより軽減できるようになる。
なお、第1及び第2の実施例では、画像形成装置に関してカラープリンタ100の場合について説明したが、これに限られることはなく、カラー複写機にも適用できる。その際に、画像読取装置を画像処理部16に接続し、当該画像読取装置で原稿から画像を読み取って得たカラー用のディジタルの画像データ(R,G,Bの各色成分データ)を画像処理部16に出力するようにすればよい。