JP5445153B2 - 揺変性湿気硬化型ウレタン組成物、それを用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法 - Google Patents

揺変性湿気硬化型ウレタン組成物、それを用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、垂直面塗布後におけるレベリング性と貯蔵後垂直面でのタレ抵抗性に優れた揺変性湿気硬化型ウレタン組成物、それを用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法に関するものである。
従来のオキサゾリジン系揺変性湿気硬化型ウレタン組成物としては、ベット比表面積8m2/g以上の炭酸カルシウム10〜40重量%とベット比表面積20m2/g以上の微粉末シリカを0.5〜5重量%含むものが知られている。(特許文献1)さらには、ベット比表面積5m2/g以上の表面を有機物により処理されていない炭酸カルシウムを含有するものが知られている。(特許文献2)
しかしながら、これらのものでは、垂直面塗布後に波模様やローラー跡やタレが生じてしまい、垂直面での塗膜のレベリング性と貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性に問題があり、塗布後の外観が著しく不良のものとなる問題があった。
特開2001−294750 特開2002−020450
本発明の目的は、貯蔵後に揺変度に変化が無く垂直面塗布後に波模様やローラー跡やタレが生じない外観性に優れ、垂直面でのレベリング性と貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性に優れた揺変性湿気硬化型ウレタン組成物、それを用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法にある。
本発明者らは、こうした課題、垂直面でのレベリング性と貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性とについて鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(b1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られる末端にオキサゾリジン基を有するウレタンオキサゾリジン化合物(B)、充填剤(C)、可塑剤(D)、溶剤(E)、及び微粉末シリカ(F)を含有してなるウレタン組成物であり、前記充填剤(C)が、ベット比表面積5m2/g未満の炭酸カルシウム(c1)70〜100重量%とベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)0〜30重量%からなり、前記微粉末シリカ(F)がベット比表面積20m2/g以上のものであり、前記組成物中の前記(C)成分の含有量が10〜60重量%、前記(F)成分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記組成物のBM型粘度計の粘度比(6rpmにおける測定粘度/60rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であるか、又はBH型粘度計の粘度比(2rpmにおける測定粘度/20rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であり、前記組成物の粘度が3000〜50000mPa/25℃であることを特徴とする揺変性湿気硬化性ウレタン組成物、それを用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法を提供するものである。
本発明では、ウレタン組成物の前記充填剤(C)が、ベット比表面積5m2/g未満の炭酸カルシウム(c1)70〜100重量%とベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)0〜30重量%からなり、前記微粉末シリカ(F)がベット比表面積20m2/g以上のものであり、前記組成物中の前記(C)成分の含有量が10〜60重量%、前記(F)成分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記組成物のBM型粘度計の粘度比(6rpmにおける測定粘度/60rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であるか、又はBH型粘度計の粘度比(2rpmにおける測定粘度/20rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であり、前記組成物の粘度が3000〜50000mPa/25℃であることにより、貯蔵後に揺変度に変化が無く垂直面塗布後に波模様やローラー跡やタレが生じない外観性に優れた、垂直面でのレベリング性と貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性に優れた揺変性湿気硬化型ウレタン組成物を得られる。また、その組成物を用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法を提供することができる。
本発明に使用される末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)及び末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(b1)は、いずれも末端イソシアネート基を2個以上、好ましくは2〜3個有するウレタンプレポリマーであり、有機ポリイソシアネートとポリオールとを有機ポリイソシアネートの過剰のもとで常法により調製されるウレタンプレポリマーである。
前記有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
前記ポリオールとは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール及びこれらの混合ポリオールである。例えば、複合金属シアン化合物錯体を触媒として製造されたポリオールも含まれる。好ましくはポリエーテルポリオールである。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリオール及びポリオキシテトラメチレンポリオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
前記その他のポリオールとしては、例えばポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。又、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールグリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の低分子ポリオールも挙げられる。
前記(A)で使用するポリオールは、好ましくは数平均分子量500〜16000で、好ましくはオキシエチレン鎖を含まないポリエーテルポリオールである。さらに好ましくは、ポリエーテルジオール及び/又はポリエーテルトリオールである。(A)成分にオキシエチレン鎖を含むポリオールを使用する場合、(B)成分のオキシエチレン鎖量を計算して、組成物のオキシエチレン鎖の含有量が(A)成分と(B)成分の合計量に対して6重量%未満であることが好ましい。数平均分子量は、NMRによる分析値である。
前記ウレタンプレポリマー(A)の末端イソシアネート基数は、2個以上、好ましくは2〜3個である。更に有機ポリイソシアネートとポリオールとのNCO/OH比は、好ましくは1.4以上、更に好ましくは1.4〜5.0である。残存NCO%は、好ましくは1〜20重量%である。
前記ウレタンオキサゾリジン化合物(B)におけるウレタンプレポリマー(b1)で使用するポリオールは、オキシエチレン鎖を有するものが好ましい。但し、オキシエチレン鎖を有さないポリオールとオキシエチレン鎖を有するポリオールとを混合したポリオールであっても(b1)成分として使用することが出来る。また、好ましくはオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン鎖の平均含有量が1〜30重量%のものである。オキシエチレン鎖の含有量が1重量%未満では硬化速度が低下するし、30重量%を越えても更なる硬化性の向上が期待できないうえ、耐水性が低下する傾向がある。ただし、前記(A)成分と(B)成分のオキシエチレン鎖量を計算して合計したオキシエチレン鎖の量が、(A)成分と(B)成分の合計重量に対して6重量%未満であることが好ましい。これを越えると耐水性が劣るものとなる。
前記ウレタンプレポリマー(b1)は、好ましくは数平均分子量が500〜8000のものである。分子量が、500未満の場合、下地追従性に問題があるし、分子量が8000を越える場合、硬化速度が低下するという問題がある。また、ウレタンプレポリマー(b1)の末端の平均NCO基数は2.0〜2.6が好ましい。2.0未満であれば硬化性が低下する傾向があるし、2.6を越えると下地追従性が低下する傾向がある。更にイソシアネートとポリオールとのNCO/OH比は、好ましくは1.6以上、更に好ましくは1.8〜4.0である。残存NCO%は、好ましくは1〜15重量%である。
前記ウレタンプレポリマー(b1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)との反応比は、NCO/0H=0.95〜3.0であるのが好ましい。NCO/0H=0.95未満ではN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)が未反応のまま残存する傾向があり、貯蔵安定性に悪影響を与える。NCO/0H=3.0を越えると硬化速度の低下と粘度の上昇の問題がある。
前記N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類と例えばジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルアミン類との公知の縮合反応により得られる化合物である。
前記ウレタンオキサゾリジンプレポリマー(B)の末端オキサゾリジン基の数は、好ましくは1〜3である。3を越えると硬化後の伸張性が低下し、好ましくない。尚、ウレタンオキサゾリジンプレポリマー(B)の末端にオキサゾリジン基は1個以上あれば、その他の末端がイソシアネート基であってもよいことは言うまでもない。
前記ウレタンプレポリマー(A)とウレタンオキサゾリジン化合物(B)の配合比は、前記(A)のNCO基と前記(B)が水で開環して発生する活性水素基との比が、0.4〜4.0の範囲が好ましい。4.0より大きいと炭酸ガスの発生により塗膜に膨れが発生し易くなるし、0.4未満であれば貯蔵安定性が低下する。この様な点を考慮すると前記(A)と(B)の混合比は、重量比で(A):(B)=60:1〜1:30の範囲が好ましい。
前記充填剤(C)のベット比表面積5m2/g未満の炭酸カルシウム(c1)は、BET法で測定した比表面積であるベット比表面積0.1〜5m2/gのものが好ましく、平均粒径は0.5〜2.5μmのものであることが好ましく、(C)成分中に70〜100重量%、好ましくは90〜100重量%含有される。この(c1)としては、例えば、NS-200(日東粉化株式会社)、P−30(白石工業株式会社)、等が挙げられる。さらに、ベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)は、好ましくはベット比表面積5〜40m2/gで、一次粒子径0.05〜0.2μmである炭酸カルシウムであり、例えば白石工業製の白艶化シリーズ、ホモカルシリーズ、ヴィスコライトシリーズ、EDSシリーズ等が挙げられる。ベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)の(C)成分中の含有量は、0〜30重量%、好ましくは0〜10重量%の範囲であり、(c1)が70重量%未満で(c2)が30重量%を越えるものであれば揺変性付与と貯蔵後の垂直面のタレ抵抗性の効果が十分にバランスしないし、30重量%を越えると粘度が高く作業性が不十分である。充填剤(C)は表面処理されていても、されていなくても良いが、できれば有機物等により表面処理されていないものの方がよい。充填剤(C)は、組成物中に10〜60重量%、好ましくは20〜55重量%含有されるものである。
前記ベット比表面積20m2/g以上の微粉末シリカ(F)としては、好ましくはベット比表面積(BET法で測定した比表面積)20〜450m2/g、一次粒子径3〜100nmのもので、例えば火炎加水分解法、アーク法、プラズマ法、湿式法等の公知の技術で製造することができるシリカで、親水性あるいは疎水性のものである。親水性シリカとは、例えば、日本アエロジル製のアエロジル90G(ベット比表面積 約90m2/g、一次粒子径 約20nm)、アエロジル200(ベット比表面積 約200m2/g、一次粒子径 約12nm)、アエロジル300(ベット比表面積 約300m2/g、一次粒子径 約7nm)、QS-20(株式会社トクヤマ、ベット比表面積220m/g)等が挙げられる。さらに、好ましくは、表面をジメチルジクロロシラン化合物、トリメチルシモノクロロシラン化合物等で処理した疎水性シリカを用いる。疎水性シリカとしては、例えば日本アエロジル製のR−202(ベット比表面積 約100m2/g、一次粒子径 約12nm)、RY−200(ベット比表面積 約100m2/g、一次粒子径 約12nm)、RY−50(ベット比表面積 約30m2/g、一次粒子径 約40nm)等が挙げられ、疎水性シリカの方が親水性シリカに比べて貯蔵後の粘度変化が少ないのでより好ましく用いることができる。ベット比表面積20m2/g以上の微粉末シリカ(F)の前記組成物中の含有量は、0.5〜5重量%であり、0.5重量%未満では揺変性付与の効果が不十分であるし、5重量%を越えると粘度が高く塗布作業性が不十分である。
炭酸カルシウムである充填剤(C)と微粉末シリカ(F)との組成物中での比率は、重量比で好ましくは(C)/(F)=50/1〜5/1である。この範囲を外れると、垂直面でのレベリング性、或いはタレ抵抗性に劣る場合がある。
前記可塑剤(D)としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤やトリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系可塑剤が挙げられる。
前記溶剤(E)としては、例えば、トルエン、キシレン、ターペン、酢酸エチル、石油系溶剤等の通常のウレタン用溶剤が使用できる。
本発明の組成物は、前記(A)(B)(C)(D)(E)及び(F)を含有するもので、その際この組成物はBM型粘度計の粘度比(6rpmにおける測定粘度/60rpmにおける測定粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であるか、又はBH型粘度計の粘度比(2rpmにおける測定粘度/20rpmにおける測定粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であり、前記組成物の粘度が3000〜50000mPa/25℃、好ましくは3000〜30000mPa/25℃のものである。これらの範囲を外れると、垂直面でのレベリング性とタレ抵抗性に劣るものとなる。なお、揺変度と粘度は、実施例に記載した方法によるものである。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、前記充填剤(C)以外の充填剤、プロセスオイル、触媒、その他の揺変剤、体質顔料、耐侯性維持向上のための紫外線防止剤、安定剤等各種添加剤などを含んでいてもよい。これら混合物が均一に混合でき、且つ保存性が確保できるのに十分なる混合、混練装置により製造する事ができる。
前記触媒としては、例えば、オクチル酸やプロピオン酸、テレフタル酸、サルチル酸、鉛、DBTDL等の触媒を用いることが出来る。前記その他の揺変剤とは、ポリ塩化ビニルパウダー、ベントナイト等があげられる。このほか本発明の組成物には石油系高沸点芳香族系留分、石油樹脂等を混合しても良い。
前記安定剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。前記充填剤としては、例えば、酸化カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸アルミニウム、カオリン、ゼオライト、硅そう土、ガラスバルーン等の無機化合物の粉粒体が挙げられる。その添加量は、組成物中に好ましくは1〜20重量%である。
本発明の組成物を用いたコーティング材とは、代表される用途として揺変性を必要とする斜面、垂直面、凹凸面用コーティング材として使用するのに適している。特に塗膜厚が、通常塗料の塗膜厚より厚い100μm〜5mmで使用する用途に適している。
前記コーティング材とは、塗料、防水材、舗装材、床材であり、建築物の凹凸面或いは斜面、垂直面で使用され、屋根防水材、壁面防水材、駐車場防水材、競技場等の表面舗装材等に利用できるものである。又、コンクリート、サイジングボード、金属等土木用建築用シーリング材等にも利用できるものである。更に、プラスチック床材等建築物内装材の接着剤、屋上防水シートの接着剤、タイル、シートの接着剤、;自然石、セラミック、ゴム、木等の粒状物、繊維状物の接着剤(バインダー)としても利用できるものである。
本発明の施工方法は、基体、基材へ前記コーティング材をハケ、コテ、ロール等塗布器具で行う塗布方法や、エアスプレー、エアレススプレー等の塗布機械装置で行う塗布方法が挙げられる。大面積を施工するには、スプレー塗布装置での塗布が好ましい。前記基体とは、凹凸屋根、建築物壁面や床面、屋上、斜面等である。基材・基体とは、金属、プラスチック、木材、コンクリート等の材質のものである。施工に際しては、基体・基材へプライマー樹脂を塗布してプライマー層を設けて、本発明のコーティング材を塗布するのが好ましい。
次に、本発明を、実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
<(A)成分の合成>
(ウレタンプレポリマーの作製例1)
数平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール700g、数平均分子量3000のポリプロピレンエーテルトリオール300gに2,4−トリレンジイソシアネート 191.4g、すなわちNCO/OHの当量比2.2にて窒素気流下で80℃にて15時間フラスコ中で撹拌しながら反応させNCO%が4.25%のウレタンプレポリマー(A−1)を得た。
<オキサゾリジン基含有ウレタン化合物(B)成分の合成>
(ウレタンオキサゾリジンプレポリマーの作製例1)
数平均分子量4800、オキシエチレン鎖の含有量15%のポリエチレンプロピレンエーテルトリオール500g(0.104モル)と数平均分子量2000のポリプロピレンエーテルジオール500g(0.25モル)を混合してオキシエチレン鎖の平均含有量7.5%、平均官能基数2.29、のポリオールを得た。さらに2,4−トリレンジイソシアネート148.4g(0.853モル)、すなわちNCO/OHの当量比2.1にて窒素気流下で80℃にて48時間フラスコ中で撹拌しながら反応させNCO%が3.27%、1分子当たりの末端NCO基数2.29のウレタンプレポリマー(b1−1)を得た。
ウレタンプレポリマー(b1−1)125.9gと2−イソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3オキサゾリジン15.9g、すなわちNCO/OHの当量比1.1にて窒素気流下で60℃にて48時間フラスコ中で撹拌しながら反応させ、ウレタンオキサゾリジンプレポリマー(OXZ−1)を得た。本組成物のGPCを測定した結果、残存している2−イソプロピル−3−(2ヒドロキシエチル)−1,3オキサゾリジンの含有率は1%以下であることを確認した。
<コンパウンドの配合>
次に密閉型プラネタリーミキサー中に表1で記載した原料を仕込み、均一に混合した後に、50トールで5分間脱泡し、実施例、比較例の試料を得た。
尚、炭酸カルシウム粉体(NS-200、日東粉化製)は予め120℃で乾燥して水分が500ppm以下であることを確認したものを用いた。
<初期粘度の測定>
予め25℃に調整した試料をジフィミキサー回転速度1400rpm/minで60秒間攪拌した後、下記の測定を試料に対して行う。
(1)粘度が1万mPa・S未満の場合
BM型粘度計の60rpm×25℃における測定値を初期粘度とする。
(2)粘度が1万mPa・S以上の場合
BH型粘度計の20rpm×25℃における測定値を初期粘度とする。
<初期揺変度の測定>
予め25℃に調整した試料をジフィミキサー回転速度1400rpm/minで60秒間攪拌した後、下記の測定を試料に行う。
(1)試料粘度が1万mPa・S未満の場合
BM型粘度計で6rpmにおける測定粘度の値を、60rpmにおける測定粘度の値で割った値(6rpmにおける粘度/60rpmにおける粘度=粘度比)を初期揺変度の値とする。
(2)試料粘度が1万mPa・S以上の場合
BH型粘度計で2rpmにおける測定粘度の値を、20rpmにおける測定粘度の値で割った値(2rpmにおける粘度/20rpmにおける粘度=粘度比)を初期揺変度の値とする。
<貯蔵安定性試験>
初期揺変度を測定した試料と同一ロットの試料を別途500cc容器に充填、密閉し、50℃乾燥機中に7日間放置後、25℃雰囲気下で15時間以上放置する。試料を取り出し、初期揺変度の測定方法と同一の手法で50℃×7日後の粘度を測定し、50℃×7日後の揺変度(粘度比)の値を算出した。
<タレ抵抗性試験>
試料を別途500cc容器に充填、密閉し、50℃乾燥機中に7日間放置後、25℃雰囲気下で15時間以上放置する。試料をジフィミキサー回転速度1400rpm/minで60秒間攪拌した後、予め1mm厚の枠で囲ったスレート板(15cmX15cm)に試料を流し込み、1mm厚の塗膜を作製した後、直ちに垂直に立てかけ下端の枠を取り外す。24時間放置し、試料のタレ長さ(mm)を測定する。
<レベリング性試験>
(平場面でのレベリング性試験)
水準器で水準をとったスレート板(30cmX30cm)の上に厚さが約1.0mmになるように試料を塗布し、室温25℃×湿度50%の条件下でコテ及びローラーを用いて全面に塗布する。その後24時間放置し、コテ及びローラーで泡が全部破泡し平滑に仕上がるかを確認する。
(垂直面でのレベリング性試験)
スレート板を地面と垂直に立てる以外は平場面と同様に試験を行った。
(防水性試験)
試料を用いて1mm厚のシートを作成する(30cm×30cm)。ピンホールテスターを用いてシートに電圧をかけ、ピンホール(貫通穴)による電流の流れの有無を確認し、電流の流れがない場合を防水性:良好「○」とし
電流の流れがある場合を防水性:悪い「×」と判断した。
Figure 0005445153
NS−200:日東粉化製、炭酸カルシウム
(ベット比表面積1.2m/g)
白艶化−CCR:白石工業製、表面処理炭酸カルシウム
(ベット比表面積 18m/g)
表面処理品:RY−200 日本アエロジル製、疎水化処理微粉末シリカ
(ベット比表面積100m/g)
表面未処理品:QS−20 株式会社トクヤマ製
(ベット比表面積220m/g)
触媒 : テレフタル酸
Figure 0005445153
比較例1〜3は、微粉末シリカ(F)を含まないで、ベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)40〜68重量%含む組成物であるために、貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性が大変悪かった。また、垂直面でのレベリング性試験でもコテ仕上げ外観とローラー仕上げ外観で塗膜に跡が残り波模様となり外観の悪いものであった。比較例4は、さらに微粉末シリカ(F)を入れた組成物であるが、前記(c2)成分を56重量%含有するため、垂直面のタレ抵抗性は良いが、垂直面のレベリング性試験でのコテ仕上げ外観とローラー仕上げ外観で跡が残り波模様となり外観の悪いものであった。
本発明のウレタン組成物は、前記充填剤(C)が、ベット比表面積5m2/g未満の炭酸カルシウム(c1)70〜100重量%とベット比表面積5m2/g以上の炭酸カルシウム(c2)0〜30重量%からなり、前記微粉末シリカ(F)がベット比表面積20m2/g以上のものであり、前記組成物中の前記(C)成分の含有量が10〜60重量%、前記(F)成分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記組成物のBM型粘度計の粘度比(6rpmにおける測定粘度/60rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であるか、又はBH型粘度計の粘度比(2rpmにおける測定粘度/20rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であり、前記組成物の粘度が3000〜50000mPa/25℃であることにより、貯蔵後に揺変度に変化が無く垂直面塗布後に波模様やローラー跡やタレが生じない外観性に優れ、レベリング性と貯蔵後の垂直面でのタレ抵抗性に優れた揺変性湿気硬化型ウレタン組成物が得られる。また、その組成物を用いたコーティング材及びそれを用いた施工方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(b1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られる末端にオキサゾリジン基を有するウレタンオキサゾリジン化合物(B)、充填剤(C)、可塑剤(D)、溶剤(E)、及び微粉末シリカ(F)を含有してなるウレタン組成物であり、前記充填剤(C)が、ベット比表面積5m/g未満の炭酸カルシウム(c1)70〜100重量%とベット比表面積5m/g以上の炭酸カルシウム(c2)0〜30重量%からなり、前記微粉末シリカ(F)がベット比表面積20m/g以上のものであり、前記組成物中の前記(C)成分の含有量が10〜60重量%、前記(F)成分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記組成物のBM型粘度計の粘度比(6rpmにおける粘度/60rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であるか、又はBH型粘度計の粘度比(2rpm/20rpmにおける粘度)で表される揺変度が2.5〜5.5であり、前記組成物の粘度が3000〜50000mPa/25℃であることを特徴とする揺変性湿気硬化性ウレタン組成物。
  2. 前記充填剤(C)と前記微粉末シリカ(F)との組成物中での比率が、重量比で(C)/(F)=50/1〜5/1である請求項1に記載の揺変性湿気硬化性ウレタン組成物。
  3. 前記充填剤(C)が、ベット比表面積5m /g未満の炭酸カルシウム(c1)のみである請求項1又は2に記載の揺変性湿気硬化性ウレタン組成物。
  4. 微粉末シリカ(F)が、表面を疎水処理された微粉末シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の揺変性湿気硬化性ウレタン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の揺変性湿気硬化性ウレタン組成物を用いたコーティング材。
  6. 請求項記載のコーティング材を斜面、垂直面、及び凹凸面のいずれか1つ以上に塗布することを特徴とする施工方法。
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