JP5442747B2 - 容器および容器を充填するための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シールを有する接続具を備えた、あらゆる種類の液体を収容するため、特に飲料を収容するための容器、特に例えばケグのような例えば合成樹脂から成る大容量のワンウェイ容器に関する。
このような容器は、実際に公知であり、例えば特許文献1に記載されている。比較可能な実施形態は、特許文献2と特許文献3の対象である。
典型的に10リットル以上の、特に30リットルまたは50リットルの容量の大容量の容器は、一般的に、液体、特に例えばビールのような飲料を貯蔵し、圧力下で分与するために使用される。特殊な大容量の容器、いわゆるケグが知られているが、このケグは、飲料を工業的に充填しかつ無菌貯蔵するために開発されたリターナブル樽である。用語「ケグ」は英語に由来し、「小型の樽」を表している。ケグは、飲食業界で十分に行き渡り、そして個人的な分野でもディスペンサと関連して益々使用されてきている。
通常、ケグは、その上面に弁、いわゆるケグヘッドを有する。この弁もしくはケグヘッドには、嵌め込み式の栓ヘッドを取付けることができる。この栓ヘッドは、ドライブガス、例えば二酸化炭素または窒素を、外部の容器から供給し、容器の内部に正圧を発生させる。この正圧により、容器内に貯蔵された液体が、スタンドパイプとディスペンサを介して排出可能である。栓ヘッドは、容器を封止閉鎖するので、その中に貯蔵された液体は、無菌のままである。
ドライブガスによって発生させたケグ内の正圧により、飲料内容物は、栓コックの開放時にケグの内部のスタンドパイプを通って押し出される。栓ヘッドが取り外されると、弁がケグを気密に閉鎖するので、内容物の更なる貯蔵が可能である。場合によって存在する残余物の乾燥も防止される。樽内部の正圧は、維持されたままである。
ケグヘッドもしくはここに形成された弁は、根本的に、上位概念に記載された接続具とシールの特別な形成を示している。いずれにしても、このシールにより、容器もしくはケグは、栓ヘッドを取り外したときに、その前に発生した容器の内部の正圧を維持する。通常は、ここには約3バール以上の正圧が働く。
一般的なケグの場合および特別な合成樹脂から成るワンウェイケグの場合、実際には例外なく2つの問題が見られる。先ず最初に、接続具が容器首部内に既に取り付けられているときに、容器またはケグの充填が規則的に行われる。大抵は、接続具は、接続具本体とシール用のストッパとから成っているかこのようなストッパを備えている。接続具の接続具本体、従って接続具が容器首部内に取付けられていることにより、充填のために容器首部内で使用可能な穴が必然的に小さくなる。その結果、容器内への所望の液体あるいは充填物質の流入時に、事情によっては渦が生じる。このような渦は、充填物質の量しだいで、泡を生じることになる。これは最終的に、充填速度を低下させる。この従来技術に相応するケグは、特許文献4に記載されている。
別の欠点は、公知の接続具が閉鎖状態で納入され、容器、いわゆる容器袋部と一体化されることにある。これにより、接続具が特に閉じたシール面の領域に汚れを備えるという危険がある。これは、除去できるとしても、除去はきわめて面倒である。そこで、本発明が用いられる。
国際公開第2008/083782A2号パンフレット 独国特許出願公開第10138365A1号明細書 独国特許出願公開第102006034638A1号明細書 国際公開第2007/064277A1号パンフレット
本発明の根底をなす技術的な課題は、充填が容易であり、かつ接続具の汚れが排除されるように、このような容器をさらに発展形成することにある。加えて、このような容器を充填するための関連する方法を提供すべきである。
この技術的課題を解決するために、冒頭に述べた種類の容器、特に当該種類の例えば合成樹脂から成る大容量のワンウェイ容器において、接続具および/またはシールは、出荷状態で閉鎖される貫通穴を納入状態で備える。
すなわち、本発明によれば、接続具あるいはシールの納入状態と出荷状態が異なっている。これは、今まではおよび従来技術ではそうではなかった。なぜなら、接続具はシールを含めて常に閉鎖された状態で納入され、容器袋部と結合されていたからである。
しかしながら、本発明の範囲内で、接続具および/またはシールは、納入状態で貫通穴を有しているか、このような貫通穴を形成している。このようにして、接続具が納入状態でいつでも問題なくクリーニング可能であることが保証されている。なぜなら、貫通穴が簡単な殺菌消毒またはクリーニングをたやすくし、それによってシールを含めて接続具が、上記納入状態できわめて簡単に良好に洗浄されるからである。
さらに、他の利点が生じる。容器は、本発明によれば、接続具を取り付けずに充填可能である。すなわち、容器首部を介して直接的に充填工程を行うことができるので、この容器首部の横断面全体が使用可能である。これは、充填横断面の拡大により、充填速度の上昇を生じさせ、従来見られた渦が発生しないか、もはやそれほどはっきりと発生しない。
容器が完全に充填されたときに初めて、接続具は、シールと共に容器首部内に挿入される。この場合、依然として納入状態にある接続具は、シールを含めて、この工程で容器内に生じるかまたは存在する正圧を貫通穴を経て問題なく逃がすために寄与する。接続具がシールを含めて、充填された容器もしくは容器首部内に挿入されたときに初めて、容器全体が出荷状態に移行する。この出荷状態では、貫通穴が閉鎖されているので、容器に入れられた液体あるいは充填物質は排出不能である。
この目的のために、本発明では、接続具が充填工程の終了時に初めてまたは充填工程の終わった後で初めて容器首部に結合され、これにより、接続具および/またはシールが出荷状態に移行させられる。これは、少なくとも1つの貫通穴または複数の貫通穴を同時に閉鎖することによって行われる。この工程の際、接続具は、その中にあるシールと共に、容器首部に結合するために、一般的に力の作用を受ける。この力は、例えば、模範的に特許文献1においていろいろな実施形態について記載されているような、半径方向に作用する力である。
いずれにしても、納入状態から出荷状態への変更は、シールを含めた接続具に対する、特に半径方向の前記力の作用よって行われる。なぜなら、この工程では、接続具に対して開放した位置を前もって少なくとも部分的に占めるシールが閉鎖されるからである。この場合、シールは、一般的に、納入状態で、接続具に対して、相対的に変位した位置に係止される。
換言すると、シールは、納入状態で、接続具のシール面に対して変位した位置または離隔された位置を有する。納入状態での上記シール面に対するシールの離隔された位置または変位したこの位置が、出荷状態への移行時に維持されなくなるので、シールがシール面に当接し、接続具が出荷状態の所望で必要な閉鎖状態となる。
このため、本発明は、シールの係止保持を詳細に提案する。この係止保持は、シールが納入状態で接続具もしくはスタンドパイプの凹部に係合するように行われる。一般的に、この凹部は、スタンドパイプに存在するので、一般的にスタンドパイプをリング状に包囲するシールはその内側環状面の全体または一部が、スタンドパイプの同様にリング状の凹部に係合する。シールは、ばねによって作用を受けている。このばねはいわゆる閉鎖ばねである。しかしながらまた、基本的には、シールは、スタンドパイプ上のまたは一般的に接続具の内部の突出する突起によって、変位した位置に保持することもできる。
例えばシールの内側環状面がスタンドパイプのリング状凹部あるいは環状溝に係合することにより、シールは、納入状態で、閉鎖ばねの力に抗して、シール面に対して変位した上記位置に保持される。このようにして、少なくとも1つの環状隙間の形をした上記の貫通穴が形成される。この環状隙間は、シールの内側環状面および/またはその外側環状面と、所属のスタンドパイプあるいは接続具本体との間に形成される。容器を充填し、納入状態でシールを含めて接続具を挿入した後で、この貫通穴もしくは環状隙間を通って正圧が逃げることができる。そして、接続具はシールを含めて出荷状態に移行させられる。
このため、接続具は、規定的に、半径方向の力の作用を受け、例えば、接続具もしくはその接続具本体がその直径を少しだけ縮小または拡大されるように形成されている。この両者の場合、この半径方向力の作用は、シールの内側環状面が例えばスタンドパイプの環状溝内にもはや保持されず、閉鎖ばねの力によってシール面に当接させられるために、寄与する。基本的に、スタンドパイプも軸方向の作用を受けてもよいので、シールの内側環状面が環状溝から外れ、これに続いて、シールがその閉鎖位置を占める。これは、接続具全体に当てはまる。
当然、納入状態から出荷状態への変更は、他の方法で行うことができる。接続具および/またはシールが納入状態で、貫通穴を形成する係止位置または別の同様の一時的な位置を占めることだけが重要である。この一時的な位置または係止位置は、納入状態が出荷状態に移行するときに、機械的に終了させられる。これは、大抵、容器の首部における、シールを含めた接続具の固定と同時に行われる。これも、時間的に順々に行われることは明らかである。すなわち、先ず最初に出荷状態に調整され、次に容器首部とシールを含めた接続具との間の結合が行われるか、その逆の順序で行われる。
その結果、充填速度を明らかに高め、さらに永続的に接続具を汚す危険を著しく低減する、容器と、このような容器を充填するための方法が得られる。このことに、重要な利点が見られる。
以下で、1つの実施例を図示した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明による容器の首部の領域を示す。
図1には、本実施例では合成樹脂、特にPET(ポリエチレンテレフタラート)から成るケグ1である容器が図示されている。このようなケグ1は、飲料、例えばビールを収容するためのワンウェイ容器もしくはディスポーザブル容器として使用される。ケグ1を空にした後で、このケグは、一般的にその容量を縮小されるかもしくは圧縮され、続いて再利用に供給される。
ケグ1もしくは一般的に、例えば合成樹脂から成る大容量のワンウェイ容器は、シール3を有する接続具2を備えている。シール3を含めたこの接続具2は、弁もしくはケグヘッド2、3とも呼ばれる。基本的な構造に、図示したスタンドパイプ4が含まれ、このスタンドパイプを経て、容器1の内部に存在する、そこに満たされた液体が、圧力下で押し出される。
接続具2は、詳しくは、接続具本体2aと、図示しただけの選択的なストッパ2bとから成る。この接続具本体2aは、ケグ1の首部5に挿入されるリング状で横断面がL字形のフランジである。挿入した後で、接続具2全体もしくは接続具本体あるいはフランジ2aは、既に説明した特許文献1に詳細に説明されているように、ケグ1の首部5に摩擦係合および/またはかみ合い係合により結合される。さらに、接続具本体もしくはフランジ2aは、ばねあるいは閉鎖ばね6のための支持兼ストッパ要素として使用される。このばねまたは閉鎖ばねの基部は、接続具本体2aに支持され、頭部は、シール3に作用し、このシールは、スタンドパイプ4の頭部側のストッパ7とそこに形成されたシール面に当接する。スタンドパイプ4は、この例ではケグ1内に不動に配置されているが、基本的に、冒頭で既に説明したように、軸方向に移動可能であってもよい。
実際には、本発明では、図1に実線で図示したような、接続具2あるいはシール3の納入状態と、点線で図示した出荷状態との間に違いがある。納入状態では、接続具2あるいはシール3が、1つまたは複数の環状隙間の形をした少なくとも1つの貫通穴8を形成し、この貫通穴を通って、例えばケグ1内の正圧は、逃げることができる。これに対して、接続具2あるいはシール3がその出荷状態(点線で図示した)を占めると、貫通穴8が閉鎖される。
前者の場合、シール3は、接続具2に対して、少なくとも部分的に開放した位置を備える。実際には、シール3は、納入状態で、接続具2に対して、相対的に変位した位置に係止されている。このため、詳細には、シール3が係止保持部9を有する。
この係止保持部9は、例えば、シール3の内側環状面3aが係合する凹部または環状溝9である。それに対して、シール3の外側環状面3bは、接続具本体2aに当接する。接続具2とシール3とスタンドパイプ4とケグ1と容器首部5は、全体として、共通の軸Aに対して回転対称に形成されている。この理由から、シール3は、既に述べた内側環状面3aと外側環状面3bを有する円環面状の形状を有する。
既に説明したように、シール3の内側環状面3aは、接続具2あるいはシール3の納入状態で、スタンドパイプ4の環状溝9に係合する。これにより、シール3は、スタンドパイプ4のストッパ7に対して、従ってここに形成されたシール面に対して、距離Bを備える。この納入状態では、ケグ1もしくは一般的に容器に液体を充填した後で、接続具2は、その中にあるシール3と共に容器首部5に挿入される。このようにして、充填された液体または充填物質の上に生じた圧力は、問題なく低下させることができる。なぜなら、この圧力は、納入状態で形成された貫通穴8を通って容器あるいはケグ1から逃げるからである。
納入状態で接続具2がシール3と共に充填された容器1の容器首部5に挿入され、生じることのある正圧が容器内部から逃げることができた後で、充填工程を終了するために、接続具2がシール3を含めて出荷状態に移行させられる。同時に、接続具2は、シール3を含めて容器首部5に結合される。大抵は、接続具2と容器首部5の結合は、同時に、もしくは実質的に同時に、接続具2あるいは貫通穴3をシール8の閉鎖によって出荷状態に移行させるために寄与する。
詳細には、これを達成するために、本実施例では、接続具本体2aが半径方向Rに作用する力Fの作用を受けるので、シール3は、少しだけ変形させられ、その内側環状面3aが環状溝9もしくはこにようにして形成された係止保持部9から出る。これにより、シール3は、納入状態の接続具2に対する少なくとも部分的に開放したその位置を占めなくなる。なぜなら、閉鎖ばね6は、スタンドパイプ4から解放されたシール3をストッパ7に押し付けるために寄与するからである。これにより、ケグ1が閉鎖され、その内部にある液体は、(もはや)流出することができない。従って、容器は、出荷状態にあり、例えば冒頭で説明した栓ヘッドを備えることができ、これにより内部にある液体または充填物質を押し出すことができる。
1 ケグ
2 接続具
2a 接続具本体
2b ストッパ
3 シール
3a 内側環状面
3b 外側環状面
4 スタンドパイプ
5 首部
6 閉鎖ばね
7 ストッパ
8 貫通穴
9 係止保持部(環状溝)
A 軸

Claims (10)

  1. シール(3)を有する接続具(2)を備えた、液体を収容するため、特に飲料を収容するための容器、特に例えばケグ(1)のような大容量のワンウェイ容器において、
    前記接続具(2)および/または前記シール(3)が、出荷状態で閉鎖される貫通穴(8)を納入状態で形成しており、前記シール(3)が、前記接続具(2)に対して、納入状態で少なくとも部分的に開放した位置を占めることを特徴とする容器。
  2. 前記シール(3)が、前記接続具(2)に対して、相対的に変位した位置に係止されていることを特徴とする請求項に記載の容器。
  3. 前記接続具(2)が、その中にある前記シール(3)と共に納入状態で充填後容器首部(5)内に挿入されることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
  4. 前記接続具(2)が、その中にある前記シール(3)と共に納入状態で前記容器首部(5)を押圧することにより出荷状態に移行させられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の容器。
  5. 納入状態から出荷状態への変更が、前記接続具(2)および/または前記シール(3)への力の作用によって行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記力の作用が、半径方向に行われることを特徴とする請求項に記載の容器。
  7. 前記シール(3)が、納入状態でスタンドパイプ(4)の凹部(9)に係合していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の容器。
  8. 前記シール(3)が、合成樹脂から製造されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の容器。
  9. 液体を収容するため、特に飲料を収容するための容器、特に例えばケグ(1)のような大容量のワンウェイ容器を充填するための方法において、
    10.1)先ず最初に、容器首部(5)を介して所望の液体が前記容器に充填され、
    10.2)それに続いて、接続具(2)がシール(3)と共に前記容器首部(5)に挿入され、この場合、前記接続具(2)および/または前記シール(3)が、納入状態で貫通穴(8)を備え
    10.3)閉鎖のために、前記接続具(2)が、前記容器首部(5)に結合され、これにより、前記接続具(2)および/または前記シール(3)が、前記貫通穴(8)の閉鎖によって出荷状態に移行することを特徴とする方法。
  10. 前記接続具(2)が、その中にあるシール(3)と共に、前記容器首部(5)との結合のために、半径方向の力(F)を作用されることを特徴とする請求項に記載の方法。
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