JP4620651B2 - 飲料容器検査用ヘッド - Google Patents
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Description
そして、飲料を充填する飲料容器として樽等の繰り返し使用される飲料容器を用いる場合、出荷先から飲料容器を回収後、飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査が行われる。
しかしながら、上記飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査方法においては、飲料容器の口金からフィッティングを取り外す際に、種類の異なる口金ごとに専用の分解工具が必要となるため、作業効率が低下するという問題がある。
従来、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内における微生物及び細菌による汚染の検査を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドの発明として、例えば、図6に記載の飲料容器検査用ヘッド50が知られている(特許文献1参照)。
図6に示す飲料容器検査用ヘッド50は、樽51の口金52に装着されたフィッティング53に取り付けられる。
飲料容器検査用ヘッド50は、樽51の口部に殺菌用薬液及び炭酸ガスを供給するための注入口54と、樽51から排出されるビールを抽出するための排出チューブ55とを備えてなる。また、飲料容器検査用ヘッド50は、口部を密閉空間とするためのカバー部材56と、ビールの抽出時にガスバルブ57に押し付けられてダウンチューブ58内に炭酸ガスが入らないようにする密閉部材59と、ビールの抽出時に排出チューブ55を押し下げることによりビールバルブ60及び密閉部材59を押し下げるためのハンドル61とを備えてなる。
また、飲料容器検査用ヘッド50においては、ハンドル61を押し下げ、密閉部材59によりガスバルブ57を下方に移動させることで、ガスバルブ57が開く。この状態で注入口54から炭酸ガスを口部に供給することで炭酸ガスが樽51内に注入され、炭酸ガスの圧力によりダウンチューブ58内を上昇したビールは、排出チューブ55内を通して外部に排出される。そして、飲料容器検査用ヘッド50によれば、排出されたビールを検査することにより、樽51内のビール中の微生物及び細菌による汚染を検査することが可能となる。
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内に検査液の注入及び排出を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドを提供することにある。
前記本体に対して昇降可能となるように、該本体の内側に組み込まれ、前記飲料容器内に検査液を注入可能な注入管と、
前記本体の内周面と前記注入管の外周面との間に形成され、前記飲料容器内に注入された検査液を排出可能な排出路と、
前記排出路を開閉する排出弁とを備えてなる飲料容器検査用ヘッドであって、
前記排出弁は、前記本体の内周面に配設されたシール部材と、前記注入管の外周面に形成された凹部と、を有してなり、前記注入管が上昇状態及び降下状態のうち一方の状態にある場合には、前記シール部材が前記注入管の外周面に接触することによって閉鎖状態となり、前記注入管が前記上昇状態及び前記降下状態のうち他方の状態にある場合には、前記凹部が前記シール部材の前記注入管の外周面への接触を解除することによって開放状態となり、
前記注入管を前記他方の状態とすることにより、前記飲料バルブが開放状態となり、前記注入管と前記飲料排出路とが連通して、前記注入管から前記飲料排出路を介して前記飲料容器内に前記検査液を注入可能となるとともに、前記排出弁及び前記ガスバルブのそれぞれが開放状態となり、前記排出路と前記ガス注入路とが連通して、前記飲料容器内に注入された検査液を前記ガス注入路を介して前記排出路から前記飲料容器外に排出可能となることを特徴とする。
図1は本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドが取り付けられる、フィッティングが装着された飲料容器の断面図である。図2は本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドの断面図である。図3は飲料容器検査用ヘッドを飲料容器に取り付けた状態を示す断面図である。図4は飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内に検査液を注入する状態を示す断面図である。図5は飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内から検査液を排出する状態を示す断面図である。
ここで、飲料容器Bとしては、ビール等の酒類、ジュース等の清涼飲料、その他の飲料が充填される缶、壜、樽等を適用することが可能である。
そして、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査は、図4に示すように回収した飲料容器B内に薬液、水等の検査液Wの注入を行い、図5に示すように飲料容器Bから排出された検査液Wを検査することにより行われる。
ここで、フィッティング31は、飲料容器B内に飲料を充填した後、飲料容器Bの口金30を塞ぐとともに、ディスペンスヘッド(図示せず)を取り付けることにより飲料容器B内に充填された飲料の排出を行うものである。
ブッシュ32は、ダウンチューブ33を挿通可能に円筒状に形成されている。ブッシュ32の上端部内周面には、飲料容器B内に充填された飲料の排出時にディスペンスヘッドが取り付けられる環状の嵌合凹部41が設けられている。ブッシュ32の下端部周面には、飲料容器B内の上端部に連通するガス孔40が複数設けられている。そして、ブッシュ32の内側とダウンチューブ33の外側との間には、ガス孔40を介して飲料容器B内の上端部に連通するガス注入路Gが形成される。
飲料バルブ35は、ダウンチューブ33内の上端部に配設されている。そして、飲料バルブ35は、飲料バルブ35の下面とダウンチューブ33のテーパー面44との間に介装された圧縮ばねである飲料バルブスプリング38により上方に付勢され、ガスバルブ34の下面に形成された弁座39に押し付けられている。そして、飲料容器B内の下端部に連通する飲料排出路Dは、飲料バルブ35により閉じた状態となっているとともに、飲料バルブ35を押し下げることにより開かれることとなる。
飲料容器検査用ヘッド1は、図2から図4に示すように、飲料容器Bの口金30に装着されたフィッティング31に取り付けられる本体2と、本体2に昇降可能に組み込まれる注入管3と、本体2の内側と注入管3の外側との間に形成される排出路4と、排出路4を開閉する排出弁5と、注入管3を昇降するハンドル6とを備えてなる。
挿入部15の外周面上端部には、フィッティング31のガスバルブ34の上面に当接し、注入管3とガスバルブ34との間をシールするガスバルブシール16が配設されている。
排出弁5は、本体2の下側の口部シール部材13と注入管3の弁体凹部14及び注入管3の外周面下端部とから構成される。
ハンドル6は、棒状に形成され、ハンドル6の一端部は本体2に回動可能に接続されている。また、ハンドル6の中間部は、注入管3の外周面に取り付けられている。
そして、ハンドル6を上方に回動し本体2に対して注入管3が上昇した状態では、図2に示すように、本体2の下側の口部シール部材13と注入管3の外周面下端部とが当接して排出弁5が閉じ、排出路4は閉じた状態となる。
次に、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査を行う際に、飲料容器検査用ヘッド1を用いて飲料容器B内への検査液Wの注入及び排出を行う場合の作用について説明する。
ここで、回収された飲料容器Bには、口金30の内側にフィッティング31が装着された状態となっている。
また、フィッティング31が装着された飲料容器Bでは、図1に示すように、ガスバルブスプリング36の付勢によりガスバルブ34が閉じるとともに、飲料バルブスプリング38の付勢により飲料バルブ35が閉じ、飲料容器Bの口金30が塞がれた状態となっている。
飲料容器Bに飲料容器検査用ヘッド1が取り付けられた状態では、図3に示すように、注入管3の挿入部15がフィッティング31のガスバルブ34の開口42に挿入され、挿入部15の下端面が飲料バルブ35の上面に当接した状態となる。また、飲料容器検査用ヘッド1の注入管3は、挿入部15の下端面が飲料バルブ35の上面に当接することで本体2に対して上昇した状態となり、排出弁5は閉じた状態となっている。
注入管3を本体2に対して下降していくと、注入管3の挿入部15の下端面が飲料バルブ35を下方に押し込み、フィッティング31の飲料バルブ35が開かれる。また、注入管3を本体2に対してさらに下降すると、注入管3の挿入部15のガスバルブシール16の下面とフィッティング31のガスバルブ34の上面とが当接し、ガスバルブシール16がガスバルブ34を下方に押し込み、ガスバルブ34が開かれる。
また、注入管3の本体2に対する下降を完了した状態では、フィッティング31のガスバルブ34が開かれることにより、飲料容器検査用ヘッド1の排出路4とフィッティング31のガス注入路Gとが連通する。また、飲料容器検査用ヘッド1の排出弁5が開かれることにより、排出路4と本体2の排出口10とが連通する。よって、飲料容器B内に注入された検査液Wを、飲料容器検査用ヘッド1の排出口10から排出することが可能となる。
この場合、注入管3の上端部から注入された検査液Wは、注入管3及びフィッティング31の飲料排出路Dを介して、自重により飲料容器Bの底部へと注入される。
このように、飲料容器検査用ヘッド1によれば、飲料容器Bの口金30にフィッティング31を装着した状態で、飲料容器B内への検査液Wの注入を行うことが可能となる。
ハンドル6を上方に回動した状態では、図3に示すように、フィッティング31のガスバルブ34及び飲料バルブ35が閉じ、飲料容器Bの口金30が塞がれた状態となる。
飲料容器B内の全体に検査液Wを行き渡らせた後、再び飲料容器検査用ヘッド1のハンドル6を下方に回動し、飲料容器検査用ヘッド1の排出弁5並びにフィッティング31のガスバルブ34及び飲料バルブ35を開く。
この場合、飲料容器Bを転回することにより、飲料容器B内の検査液Wは、飲料容器B内の上端部から、フィッティング31のブッシュ32に設けられたガス孔40を介してガス注入路Gに流入し、ガス注入路Gと連通する排出路4を介して排出口10から排出される。
そして、飲料容器B内から排出された検査液Wを検査することにより、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査が行われる。
このように、飲料容器検査用ヘッド1によれば、飲料容器Bの口金30に装着されているフィッティング31を取り外すことなく飲料容器B内に検査液Wの注入及び排出を行うことが可能となる。
B 飲料容器
W 検査液
2 本体
3 注入管
4 排出路
5 排出弁
6 ハンドル
10 排出口
11 嵌合凸部
12 口部シール部材
13 排出路シール部材
14 弁体凹部
15 挿入部
16 ガスバルブシール
17 固定凹部
18 固定凸部
19 排出路凹部
30 口金
31 フィッティング
32 ブッシュ
33 ダウンチューブ
34 ガスバルブ
35 飲料バルブ
36 ガスバルブスプリング
37 弁座
38 飲料バルブスプリング
39 弁座
40 ガス孔
41 嵌合凹部
G ガス注入路
D 飲料排出路
42 開口
43 フランジ部
44 テーパー面
50 飲料容器検査用ヘッド
51 樽
52 口金
53 フィッティング
54 注入口
55 排出チューブ
56 カバー部材
57 ガスバルブ
58 ダウンチューブ
59 密閉部材
60 ビールバルブ
61 ハンドル
Claims (1)
- 飲料容器の口金に装着され、前記飲料容器内にガスを注入するガス注入路と、前記飲料容器内の飲料を排出する飲料排出路と、前記ガス注入路を開閉するガスバルブと、前記飲料排出路を開閉する飲料バルブとを備えてなるフィッティングに取り付けられる本体と、
前記本体に対して昇降可能となるように、該本体の内側に組み込まれ、前記飲料容器内に検査液を注入可能な注入管と、
前記本体の内周面と前記注入管の外周面との間に形成され、前記飲料容器内に注入された検査液を排出可能な排出路と、
前記排出路を開閉する排出弁とを備えてなる飲料容器検査用ヘッドであって、
前記排出弁は、前記本体の内周面に配設されたシール部材と、前記注入管の外周面に形成された凹部と、を有してなり、前記注入管が上昇状態及び降下状態のうち一方の状態にある場合には、前記シール部材が前記注入管の外周面に接触することによって閉鎖状態となり、前記注入管が前記上昇状態及び前記降下状態のうち他方の状態にある場合には、前記凹部が前記シール部材の前記注入管の外周面への接触を解除することによって開放状態となり、
前記注入管を前記他方の状態とすることにより、前記飲料バルブが開放状態となり、前記注入管と前記飲料排出路とが連通して、前記注入管から前記飲料排出路を介して前記飲料容器内に前記検査液を注入可能となるとともに、前記排出弁及び前記ガスバルブのそれぞれが開放状態となり、前記排出路と前記ガス注入路とが連通して、前記飲料容器内に注入された検査液を前記ガス注入路を介して前記排出路から前記飲料容器外に排出可能となることを特徴とする飲料容器検査用ヘッド。
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