JP5440825B2 - 車両用開閉体の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
前記開口部を覆う前記開閉体の外面部材に設けられ、該外面部材に作用する外力により発生する振動に応じて変形する長尺状の圧電体を用いた振動センサと、
前記振動センサの検出結果に基づいて前記開閉体の外面部材に発生すると共に、前記開閉体の開指令と閉指令と停止指令とによって夫々異なる振動の特性を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記駆動手段を作動させて前記開閉体の開閉及び停止を制御する制御手段とを備える点にある。
更に、乗員などによる特定の部材の操作が不要であり、開閉体の外面部材の端の部分などに外力を加えても、それが開閉体への動作指令と認識される。従って、従来のように、乗員が開閉体のほぼ中央に設けられているドアハンドルを操作した後、動き出した開閉体をよけるように横に移動する必要などもなくなる。
また、予め、開閉体の外面部材に加える外力が、どのような振動特性であれば、開閉体への開指令、閉指令、停止指令等のどのような駆動指令に相当するのかを定めておけば、制御手段は、判定手段の判定結果に基づいて、開閉体への開指令、閉指令、停止指令等の複数の駆動指令を切り換えて駆動手段に与えることができる。
従って、予め、開閉体の外面部材に加える外力がどのような方向、回数及びリズムパターンであれば、開閉体への開指令、閉指令、停止指令等のどのような駆動指令に相当するのかを定めておけば、制御手段は、判定手段の判定結果に基づいて、開閉体への開指令、閉指令、停止指令等の複数の駆動指令を切り換えて駆動手段に与えることができる。
図1は、駆動制御装置が備える振動センサ及び駆動手段の配置を車両の横方向から概略的に示した図であり、図2は、駆動制御装置が備える振動センサの配置を車両の後方から概略的に示した図である。図3は、駆動制御装置の機能ブロック図である。
図3に示すように、駆動制御装置10は、車両1の後部の開口部1aを上下方向に開閉可能に支持された開閉体としてのバックドア2を開閉駆動する駆動手段14と、開口部1aを覆うバックドア2の外面部材3の車両内部側に設けられ、バックドア2の外面部材3に作用する外力により発生する振動に応じて変形する長尺状の圧電体Pを用いた振動センサ11と、振動センサ11の検出結果に基づいてバックドア2の外面部材3に発生する振動の特性を判定する判定手段12と、判定手段12の判定結果に基づいて駆動手段14の作動を制御する制御手段13とを備える。
つまり、本発明に係る車両用開閉体の駆動制御装置10は、従来の車両のようにドアハンドルを操作することでバックドア2の開閉を行うように構成されているのではなく、車両の乗員がバックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により振動を発生させ、その振動を駆動制御装置10に検出させることで、バックドア2の開閉などが行われるように構成されている。
また、バックドア2の下端部2bに設けられたラッチ部16がストライカSと係合状態にあると、バックドア2の閉状態がロックされ、ラッチ部16がストライカSとの係合状態を解除すると、バックドア2が開くことができる。ラッチ部16の作動は、制御手段13によって制御される。
また、本実施形態において、制御手段13は、車両情報検出手段15としての車速センサの出力結果が、車両1の走行中を示すものであるとき、判定手段12の検出結果に拘わらすバックドア2の開制御を行わないように構成されている。
制御手段13は、バックドア2が全閉位置で停止しているとき、判定手段12が、車両1の乗員などによるバックドア2の外面部材3へのノック操作など、バックドア2を叩いたり押したりする外力により発生する振動が外面部材3に加わったと判定すると、駆動手段14に対してバックドア2を開方向に作動させる。
また、制御手段13は、バックドア2が全開位置で停止しているとき、判定手段12が、車両1の乗員などがバックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により発生する振動があったと判定すると、駆動手段14に対してバックドア2を閉方向に作動させる。
制御手段13は、バックドア2が動作中、判定手段12が、車両1の乗員などがバックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により発生する振動があったと判定すると、バックドア2の動作速度を減速させて駆動手段14を一旦停止させ、その一旦停止箇所から数cm〜数十cmバックドア2の動作を反転させた後に駆動手段14を停止させる。
また、判定手段12は、動作中のバックドア2が障害物に衝突した場合でも、その衝突(外力)により発生する振動があったと判定し、制御手段13は、バックドア2の動作速度を減速させて駆動手段14を一旦停止させ、その一旦停止箇所から数cm〜数十cmバックドア2の動作を反転させた後に駆動手段14を停止させる。
なお、制御手段13は、このようなバックドア2の反転動作を行わせることなく、駆動手段14を停止させるようになっていてもよい。
以下に説明するように、判定手段12は、振動の特性として、外面部材3に作用する外力の方向、外面部材3に作用する外力の回数、及び、外面部材3に複数回の外力が連続して作用するときの当該複数回の外力のリズムパターンの少なくとも一つを判定する。そして、制御手段13は、判定手段12の判定結果に基づいて駆動手段14の作動を制御する。
制御手段13は、バックドア2が中間位置で停止中、判定手段12が、バックドア2の外面部材3に与えられる振動の特性が、バックドア2の開方向への動作指令であると判定すると、駆動手段14に対してバックドア2を開方向に作動させる。例えば、判定手段12は、バックドア2の外面部材3が2回叩かれる又は押されるなどによる2回の振動があったと判定すると、その振動特性は、バックドア2の開方向への動作指令であると判定するように構成できる。
判定手段12は、中間位置(停止中)からの駆動手段14の動作制御において、振動の特性として外面部材に作用する外力の方向を判定することもできる。
図4(a)は、バックドア2の下端部2bに対して、バックドア2を閉じるような力が乗員などから加えられた状態の模式図であり、図4(b)は、バックドア2の下端部2bに対して、バックドア2を開くような力が乗員などから加えられた状態の模式図である。
図4(a)に示すように、長尺状の圧電体Pは、バックドア2の外面部材3に対して縦長に設けられている。この状態で、バックドア2の下端部2bに対して、バックドア2を閉じるような外力が乗員などから加えられると、図中に矢印で示すように、圧電体Pの外面部材3に面した側が伸び、逆側が縮むような形態で変形する。そして、圧電センサにおいて、その変形に応じた(即ち、振動の特性に応じた)分極現象が現れる。図5(a)は、図4(a)のような外力が加えられた場合の振動センサ11の出力信号の波形例であり、最初の信号ピークは正の方向に現れる。
判定手段12は、中間位置(停止中)からの駆動手段14の動作制御において、振動の特性として外面部材3に作用する複数回の外力のリズムパターンを判定することもできる。
例えば、判定手段12は、乗員などによってバックドア2の外面部材3に対して3回の連続した外力が加えられる場合、1回目の外力と2回目の外力との間隔が長いリズムパターンと、2回目の外力と3回目の外力との間隔が長いリズムパターンを異なるものとする判定結果を下す。そして、制御手段13が、1回目の外力と2回目の外力との間隔が長いリズムパターンは開指令と判定し、2回目の外力と3回目の外力との間隔が長いリズムパターンは閉指令と判定するように構成できる。
<1>
上記実施形態では、長尺状の圧電体Pが、バックドア2の外面部材3に対して縦長に設けられている例を示したが、圧電体Pを他の形態で設けてもよい。例えば、図6に示すように、長尺状の圧電体Pを、バックドア2の外面部材3に対して横長に設けてもよい。このように構成することで、バックドア2の外面部材3の横の端部に外力が加えられても、横長に設けられた圧電体Pでその外力により発生する振動を良好に検出できる。加えて、バックドア2の外面部材3の横端の部分などに外力を加えても、それがバックドア2への動作指令と認識されるので、従来のように、乗員がバックドア2のほぼ中央に設けられているドアハンドルを操作した後、動き出したバックドア2をよけるように横に移動する必要などもなくなる。
なお、圧電体Pは、必ずしも長尺状に構成されている必要はない。
上記実施形態において、制御手段13が、車両1の乗員などがバックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により振動が発生したと判定されたときにはラッチ部16に対してストライカSとの係合状態を解除させると共に、バックドア2の開閉制御、即ち、駆動手段14の作動制御を行う形態について説明したが、他の形態の制御を行ってもよい。例えば、制御手段13が、最初に車両1の乗員などがバックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により振動が発生したと判定されたときにはラッチ部16に対してストライカSとの係合状態を解除させるだけでもよい。そして、更に追加で、バックドア2の外面部材3を叩いたり押したりする外力により振動が発生したときに、制御手段13が、バックドア2の開制御を行うように構成してもよい。
2 バックドア(開閉体)
3 外面部材
10 駆動制御装置
11 振動センサ
12 判定手段
13 制御手段
14 駆動手段
P 圧電体
Claims (4)
- 車両に設けられた開口部を開閉可能に支持された開閉体を開閉駆動する駆動手段と、
前記開口部を覆う前記開閉体の外面部材に設けられ、該外面部材に作用する外力により発生する振動に応じて変形する長尺状の圧電体を用いた振動センサと、
前記振動センサの検出結果に基づいて前記開閉体の外面部材に発生すると共に、前記開閉体の開指令と閉指令と停止指令とによって夫々異なる振動の特性を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記駆動手段を作動させて前記開閉体の開閉及び停止を制御する制御手段とを備える車両用開閉体の駆動制御装置。 - 前記判定手段は、前記振動の特性として、前記外面部材に作用する外力の方向、前記外面部材に作用する外力の回数、及び、前記外面部材に複数回の外力が連続して作用するときの当該複数回の外力のリズムパターンの少なくとも一つを判定するように構成されている請求項1記載の車両用開閉体の駆動制御装置。
- 前記圧電体は、前記開閉体の外面部材に対して縦長に設けられている請求項1又は2記載の車両用開閉体の駆動制御装置。
- 前記圧電体は、前記開閉体の外面部材に対して横長に設けられている請求項1又は2記載の車両用開閉体の駆動制御装置。
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