JP5440493B2 - 強誘電体メモリとその製造方法、及び強誘電体キャパシタの製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリとその製造方法、及び強誘電体キャパシタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強誘電体メモリとその製造方法、及び強誘電体キャパシタの製造方法に関する。
近年、強誘電体の分極反転を利用して情報を強誘電体キャパシタに保持する強誘電体メモリ(FeRAM: Ferroelectric Random Access Memory)の開発が進められている。強誘電体メモリは、電源を切っても保持された情報が消失しない不揮発メモリであり、高集積度、高速駆動、高耐久性、及び低消費電力を実現できることから特に注目されている。
強誘電体キャパシタは、下部電極、強誘電体材料よりなるキャパシタ誘電体膜、及び上部電極をこの順に形成してなる。
このうち、上部電極は、キャパシタ誘電体膜の強誘電体特性に影響を与えるものであり、その構造として様々なタイプのものが報告されている。
例えば、特許文献1、2では、二層の酸化イリジウム(IrO2)膜を積層してなる上部電極が開示されている。特許文献2における酸化イリジウム層は、反応性スパッタ法により形成される。
また、特許文献3では、反応性スパッタ法ではなく、酸化イリジウムをターゲットに用い、スパッタガスとしてアルゴンガスをすることで、酸化イリジウム膜を形成している。
一方、特許文献4においては、イリジウムよりなる上部電極の上に、基板張り合わせ法を用いて錫膜と酸化イリジウム膜とをこの順に転写している。
その他に、本願に関連する技術が特許文献5、6にも開示されている。
特開2007−273899号公報 特開2007−103875号公報 特開2003−133531号公報 特開2002−299576号公報 特開平11−40748号公報 国際公開第98/06131号パンフレット
上記のように、強誘電体キャパシタの上部電極は、半導体基板の全面に酸化イリジウム膜等の導電膜を形成し、その導電膜をパターニングして形成される。その導電膜の電気的特性や膜厚等が基板面内で変動すると、キャパシタ誘電体膜の強誘電体特性が基板面内でばらついてしまい、一枚の半導体基板から均一な強誘電体特性を持った強誘電体キャパシタを得ることができない。
本発明の目的は、基板面内での強誘電体特性のばらつきを抑えることが可能な強誘電体メモリとその製造方法、及び強誘電体キャパシタの製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、半導体基板と、前記半導体基板に形成されたトランジスタと、前記トランジスタの上方に形成された強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタ上に形成された絶縁膜と、を有する強誘電体メモリにおいて、前記強誘電体キャパシタは、下部電極と、前記下部電極上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された上部電極と、前記上部電極上に形成され、開口を有する金属膜とを有し、前記絶縁膜は、前記金属膜の前記開口上に第1のホールと、前記下部電極のコンタクト領域上に第2のホールとを有し、前記第1のホールと前記第2のホールの各々に形成された第1の導電体と第2の導電体とを更に有することを特徴とする強誘電体メモリが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、半導体基板にトランジスタを形成し、前記トランジスタの上方に下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に強誘電体膜を形成し、前記強誘電体膜上に第1の上部電極膜を形成し、前記第1の上部電極膜上に第2の上部電極膜を形成し、前記第2の上部電極膜上に金属膜を形成し、前記下部電極膜と前記金属膜上に絶縁膜を形成し、前記金属膜上の前記絶縁膜に第1のホールを形成すると共に、前記下部電極膜上の前記絶縁膜に第2のホールを形成し、前記第1のホールの下の前記金属膜に開口を形成し、前記第1のホール内に第1の導電体を形成し、前記第2のホール内に第2の導電体を形成することを特徴とする強誘電体メモリの製造方法が提供される。
そして、本発明の他の観点によれば、強誘電体キャパシタの製造方法において、下部電極膜を形成し、前記下部電極膜の上に強誘電体膜を形成し、前記強誘電体膜をアニールし、前記強誘電体膜の上に第1の上部電極膜を形成し、酸素含有雰囲気中で前記第1の上部電極膜をアニールし、前記第1の上部電極膜の上に第2の上部電極膜を形成し、前記第2の上部電極膜の上に金属膜を形成し、前記下部電極膜と前記金属膜上に絶縁膜を形成し、前記金属膜上の前記絶縁膜に第1のホールを形成すると共に、前記下部電極膜上の前記絶縁膜に第2のホールを形成し、前記第1のホールの下の前記金属膜に開口を形成し、前記第1のホール内に第1の導電体を形成し、前記第2のホール内に第2の導電体を形成する強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
図1は、上部電極としてプラチナ膜を形成した強誘電体キャパシタの拡大断面図である。 図2は、上部電極の触媒作用を抑えるために案出された強誘電体キャパシタの拡大断面図である。 図3は、図2に示される強誘電体キャパシタの製造方法を示すフローチャートである。 図4(a)、(b)は、酸化イリジウムの積層膜よりなる上部電極のシート抵抗の測定結果を示す図(その1)である。 図5は、酸化イリジウムの積層膜よりなる上部電極のシート抵抗の測定結果を示す図(その2)である。 図6は、プレーナ型の強誘電体メモリの断面図である。 図7は、上部電極に形成された凹部によって強誘電体キャパシタの疲労特性が劣化し易くなることを示すグラフである。 図8は、強誘電体キャパシタQの上部電極と下部電極のそれぞれに形成されるホールを別々に開口する場合の断面図である。 図9(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その1)である。 図10(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その2)である。 図11(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その3)である。 図12(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その4)である。 図13(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その5)である。 図14(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その6)である。 図15(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その7)である。 図16は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その8)である。 図17は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その9)である。 図18は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その10)である。 図19は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その11)である。 図20は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その12)である。 図21は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その13)である。 図22は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その14)である。 図23は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その15)である。 図24は、本発明の第1実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その16)である。 図25(a)、(b)は、本発明の第1実施形態において、酸化アニールの前後における第1の上部電極膜の模式断面図である。 図26は、本発明の第2実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その1)である。 図27は、本発明の第2実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その2)である。 図27は、本発明の第2実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その3)である。 図28は、本発明の第2実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その4)である。 図30は、本発明の第2実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図(その5)である。 図31は、本発明の第2実施形態において、貴金属よりなる金属膜に対してウエットエッチングを省いた場合の拡大断面図である。 図32は、本発明の第2実施形態において、強誘電体キャパシタQの疲労特性を調査して得られたグラフである。 図33(a)、(b)は、酸化アニールが施された第1及び第2の上部電極膜と金属膜とを合わせたシート抵抗の面内分布を示す図(その1)である。 図34は、酸化アニールが施された第1及び第2の上部電極膜と金属膜とを合わせたシート抵抗の面内分布を示す図(その2)である。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が行った調査結果について説明する。
(1)調査結果その1
強誘電体キャパシタの上部電極材料としては、今まで様々な材料が検討されている。
図1は、上部電極としてプラチナ膜を形成した強誘電体キャパシタの拡大断面図である。
この強誘電体キャパシタQは、酸化シリコン膜等の下地絶縁膜101の上に、プラチナよりなる下部電極102、PZT等よりなる強誘電体膜103、及びプラチナよりなる上部電極104をこの順に形成してなる。
上部電極104を構成するプラチナは、その触媒作用によって水分や水素等を還元し、水素ラジカル(H+)を生成することが知られている。水素ラジカルは、強誘電体膜103を構成するPZT等の酸化物強誘電体を還元してしまうので、強誘電体膜103に酸素欠損が生じてその強誘電体特性が劣化してしまう。
図2は、このような上部電極の触媒作用を抑えるために案出された強誘電体キャパシタQの拡大断面図である。なお、図2では、図1と同じ要素には図1と同じ符号を付してある。
図2の例では、上部電極104を、いずれも酸化イリジウムからなる第1の上部電極膜104a及び第2の上部電極膜104bとから構成している。
酸化イリジウムは、プラチナに比べて触媒作用が小さいので、水素ラジカルの発生を抑制するのに好適である。
図3は、この強誘電体キャパシタQの製造方法を示すフローチャートである。
強誘電体キャパシタQを製造するには、まず、絶縁膜101の上にスパッタ法で下部電極102としてプラチナ膜を形成する(ステップS1)。
次いで、下部電極102の上に、スパッタ法によりPZT膜を形成し、該PZT膜を強誘電体膜103とする(ステップS2)。
スパッタ法で形成された強誘電体膜103は結晶化しておらず、強誘電体特性に乏しい。
そこで、次の工程では、強誘電体膜103に対してアニールを行うことにより、強誘電体膜103の結晶化をある程度進める(ステップS3)。
次に、強誘電体膜103の上に反応性スパッタ法で第1の上部電極膜104aを形成する(ステップS4)。
この反応性スパッタ法では、例えばアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスがスパッタガスとして使用され、そのスパッタガスのスパッタ作用によってイリジウムターゲットが叩かれると供に、イリジウムターゲットから飛散したイリジウム粒がスパッタ雰囲気中の酸素によって酸化し、酸化イリジウム膜の成膜が行われる。
そして、このスパッタ雰囲気中の酸素流量を低減し、第1の上部電極膜104aの酸化度を小さくすることで、よりメタリックな酸化イリジウムで第1の上部電極膜104aを構成する。
次いで、第1の上部電極膜104aが形成された状態で強誘電体膜103に対してアニールをすることで、強誘電体膜103を完全に結晶化させる(ステップS5)。
このとき、第1の上部電極膜104aを構成する酸化イリジウムの酸化度が小さいため、メタリックな酸化イリジウムが強誘電体膜103の結晶粒界に容易に熱拡散し、それにより強誘電体膜103の強誘電体特性が向上する。
その後に、第1の上部電極膜104aの上に第2の上部電極膜104bとして反応性スパッタ法で酸化イリジウム膜を形成する(ステップS6)。その酸化イリジウム膜は、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスよりなるスパッタ雰囲気中の酸素流量を増やすことで、第1の上部電極膜104aと比較して酸化度が大きくなるように形成する。
このように酸化度を大きくすることで、第2の上部電極膜104bの還元作用を弱めることができるので、その還元作用によって水分等から水素ラジカルが発生するのを効果的に抑制することができる。
このように、図2のような二層構造の上部電極を採用する場合には、第1の上部電極膜104a形成後に強誘電体膜103に対してアニール(ステップS5)を行うことにより、強誘電体膜103が完全に結晶化すると供に、第1の上部電極膜104aから熱拡散したイリジウムによって強誘電体膜103の強誘電体特性を向上させることができる。
更に、第1の上部電極膜104aの酸化度を小さくすることでイリジウムの熱拡散が容易になると供に、第2の上部電極膜104aの酸化度を大きくすることで上部電極104の触媒作用を低下させることができる。
但し、各上部電極膜104a、104bの酸化度の調節は、スパッタ雰囲気における酸素流量を調節して行われるが、この方法だと基板面内で酸化度がばらつきやすいことが明らかとなった。これについて以下に説明する。
図4(a)、(b)、及び図5は、3枚のシリコン基板(ウエハ)の上に上記のような酸化イリジウムよりなる上部電極膜104a、104bを積層し、これらで構成される上部電極104のシート抵抗(Ω/60μm2)の面内分布の測定結果を示す図である。なお、図中の縦軸と横軸のスケールの単位は、一辺の長さが20mmのチップ数である。
これらの図に示されるように、いずれのシリコン基板においても、シート抵抗は基板中心部で低く基板周辺部で高い傾向が見られる。
シート抵抗は、酸化イリジウムの酸化度が小さく、酸化イリジウムがメタリックに近づくほど低くなる。したがって、上記の測定結果は、基板中心部において酸化イリジウムの酸素欠損が多いことを示唆している。
特に、第2の上部電極膜104bにおいて酸素欠損が多いと、第2の上部電極膜104bがメタリックに近くなり、その触媒作用が増加してしまう。したがって、触媒作用によって外部雰囲気中の水分等から水素ラジカルが生成され、製造途中において強誘電体膜103の強誘電体特性、例えば残留分極量が低下するという不都合が発生する。
一方、酸素欠損によって上記のようにシート抵抗が基板面内で変動すると、上部電極104を通じて強誘電体膜103に印加される電圧値が基板面内で変動する。そのため、シリコン基板の上に集積形成される個々の強誘電体キャパシタQの電気的特性がキャパシタ間でばらついてしまう。
(2)調査結果その2
強誘電体メモリは、その構造からプレーナ型とスタック型とに大別される。
図6は、プレーナ型の強誘電体メモリの断面図である。なお、図6において、図2で説明したのと同じ要素には図2におけるのと同じ符号を付してある。
この強誘電体メモリでは、強誘電体キャパシタQの上に層間絶縁膜106が形成され、その層間絶縁膜106の第1、第2ホール106a、106b内に、下部電極102と上部電極104のそれぞれに電気的に接続された導電性プラグ107が形成される。
図示のように、第1ホール106aは上部電極104の上に形成され、第2ホール106bは下部電極102のコンタクト領域CR上に形成される。
これらのホール106a、106bは、不図示のレジストパターンをマスクにして層間絶縁膜106をドライエッチングすることにより同時に形成される。但し、そのエッチングが不十分だとホール106a、106bが未開口となり、導電性プラグ107と各電極102、104との間にコンタクト不良が発生するので、このエッチングはオーバーエッチングで行われる。
ところが、このようにオーバーエッチングをすると、第1ホール106aの下の上部電極104もエッチングされて凹部104cが形成されてしまう。
通常、ドライエッチングのエッチングレートは基板面内で異なるので、凹部104cの深さも基板面内で異なることになる。
しかしながら、これでは上部電極104の体積が基板面内で変動することになり、当該体積から定まる上部電極104の抵抗値も基板面内で変動し、強誘電体キャパシタQの電気的特性が基板面内でばらついてしまう。
また、エッチング雰囲気のばらつきにより、凹部104aの深さが基板毎やロット毎に変動することもあるので、強誘電体キャパシタQの電気的特性が基板毎やロット毎でばらつくおそれもある。
特に、このように第1、第2ホール106a、106bをエッチングにより同時に開口する場合は、深い方の第2ホール106bにエッチング時間を合わせるため、浅い方の代1ホール106bの下では上部電極104がエッチング雰囲気に長時間曝され、上記の凹部104cの発生が顕著となる。
更に、このような凹部104cが上部電極104に形成されると、強誘電体キャパシタQの疲労特性が劣化しやすくなることが調査により明らかとなった。
図7は、その調査結果を示すグラフである。
このグラフの横軸は、キャパシタQにおける情報の書換え回数を示す。そして、縦軸は、当該回数だけ情報を書き込んだ後(疲労後)のキャパシタ誘電体膜103の残留分極電荷量(Qsw)と、情報を書き込む前(疲労前)の残留分極電荷量との比(疲労特性)を示す。
また、上部電極削れ量X%とは、上部電極104の膜厚のX%の深さに凹部104cが形成されていることを示す。
なお、この調査は、シリコン基板に集積形成された強誘電体キャパシタQのうち、基板周辺領域に形成されたものについて行われた。
図7に示されるように、上部電極削れ量が多くなるほど、書換え回数の増大に伴う疲労特性の劣化が顕著となる。
このような凹部104cに伴う不都合を回避するため、以下のように各ホール106a、106bを別々に開口することも考えられる。
図8は、このように各ホール106a、106bを別々に開口する場合の断面図である。
この場合は、まず上部電極104上の第1ホール106aを形成した後、層間絶縁膜106の上にレジストパターン110を形成する。そして、そのレジストパターン110の窓110aを通じて層間絶縁膜106をエッチングし、第2ホール106bを形成する。
このようにすれば、エッチングにより上部電極104上の第1ホール106aを形成するとき、エッチング量の第1ホール106aの深さにのみ合わせればよく、第2ホール106bの深さに合わせる必要がないため、上部電極104におけるオーバーエッチング量が最小限に抑えられ、凹部104cの深さを浅くすることができる。
ところが、この場合は第2ホール106b形成用のレジストパターン110が第1ホール106a内に形成されるため、アッシングによるレジストパターン110の除去が不完全で第1ホール106a内にレジスト残渣が残り、それにより上部電極104上の導電性プラグ107(図6参照)がコンタクト不良となる懸念がある。更に、レジスト残渣を残さないように酸素プラズマを用いたアッシングを長時間行うと、プラズマによって強誘電体膜103がダメージを受けるおそれもある。
本願発明者は、これらの調査結果に鑑み、以下に説明するような本発明の実施形態に想到した。
(3)第1実施形態
まず、第1実施形態に係る強誘電体メモリについて、その製造工程を追いながら説明する。
図9〜図24は、本実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図である。なお、これらの図では、一つの半導体チップにおける周辺回路領域Rperipheral、ロジック回路領域Rlogic、セル領域Rcell、パッド領域Rpadを併記してある。
この強誘電体メモリはプレーナ型のFeRAMであって、以下のようにして製造される。
最初に、図9(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型又はp型のシリコン(半導体)基板30の表面を熱酸化することにより素子分離絶縁膜31を形成し、この素子分離絶縁膜31でトランジスタの活性領域を画定する。素子分離絶縁膜31の膜厚は、例えば、シリコン基板30の上面から測って約200nm程度である。このようなLOCOSによる素子分離構造に代えて、STI(Shallow Trench Isolation)を採用してもよい。
次いで、シリコン基板30の活性領域にp型不純物、例えばボロンを導入して第1、第2pウェル32、33を形成した後、その活性領域の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜34となる熱酸化膜を約6〜7nmの厚さに形成する。
続いて、シリコン基板30の上側全面に、厚さ約50nmの非晶質シリコン膜と厚さ約150nmのタングステンシリサイド膜を順に形成する。なお、非晶質シリコン膜に代えて多結晶シリコン膜を形成してもよい。その後に、フォトリソグラフィによりこれらの膜をパターニングして、ロジック回路領域Rlogicとセル領域Rcellのシリコン基板30上にゲート電極35を形成すると共に、周辺回路領域Rperipheralの素子分離絶縁膜31上に配線36を形成する。
ゲート電極35のゲート長は、例えば360μm程度である。
更に、ゲート電極35をマスクにするイオン注入により、ゲート電極35の横のシリコン基板30にn型不純物としてリンを導入し、第1〜第3ソース/ドレインエクステンション37a〜37cを形成する。
その後に、シリコン基板30の上側全面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜をエッチバックしてゲート電極35と配線36の横に絶縁性サイドウォール38として残す。その絶縁膜として、例えばCVD法により酸化シリコン膜を45nmの厚さに形成する。
続いて、この絶縁性サイドウォール38とゲート電極35をマスクにしながら、シリコン基板30に砒素等のn型不純物を再びイオン注入することにより、ゲート電極35の側方のシリコン基板30に第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39cを形成する。
更に、シリコン基板30の上側全面に、スパッタ法によりコバルト膜等の高融点金属膜を形成する。そして、その高融点金属膜を加熱させてシリコンと反応させることにより、第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39cにおけるシリコン基板30上にコバルトシリサイド層等の高融点シリサイド層41を形成し、各ソース/ドレイン領域39a〜39cを低抵抗化する。なお、このような高融点金属シリサイド層は、ゲート電極35や配線36の表層にも形成される。
その後に、素子分離絶縁膜31の上等で未反応となっている高融点金属層をウエットエッチングして除去する。
ここまでの工程により、シリコン基板30のセル領域Rcellとロジック回路領域Rlogicには、それぞれゲート絶縁膜34、ゲート電極35、及び第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39c等によって構成される第1〜第3MOSトランジスタTR1〜TR3が形成されたことになる。
次に、図9(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、プラズマCVD法で酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約200nmに形成し、それをカバー絶縁膜44とする。
更に、TEOSガスと酸素ガスとの混合ガスを使用するプラズマCVD法により、このカバー絶縁膜44の上に第1の層間絶縁膜45として酸化シリコン膜を厚さ約600nmに形成する。その後に、第1の層間絶縁膜45の上面を平坦化するために、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法によりその上面を研磨する。その研磨量は、例えば200nm程度である。
次いで、図10(a)に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、第1の層間絶縁膜45の上に再びシリコン酸化膜を約100nmの厚さに形成し、このシリコン酸化膜をキャップ絶縁膜46とする。
そして、これらの絶縁膜45、46の脱水処理として、窒素雰囲気中において基板温度を約650℃とするアニールを約30分間行った後、キャップ絶縁膜46上にスパッタ法によりアルミナ膜40を厚さ約20nmに形成する。
その後、このアルミナ膜40に対し、基板温度を650℃、処理時間を60秒とするRTA(Rapid Thermal Annealing)を酸素雰囲気中で行う。
このように、アルミナ膜40の形成前にキャップ絶縁膜46を予め形成することで、CMP時に研磨パッドとの接触でついた第1の層間絶縁膜45の上面の微細な傷(マイクロスクラッチ)がキャップ絶縁膜46によって埋め込まれ、キャップ絶縁膜46の上面にアルミナ膜40が良好な平坦性で形成される。
次に、図10(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、アルミナ膜40の上に、スパッタ法により下部電極膜47としてプラチナ膜を約155nmの厚さに形成する。
更に、下部電極膜47の上に、スパッタ法によりPZT膜を150〜200nmの厚さに形成して、このPZT膜を強誘電体膜48とする。
なお、強誘電体膜48の成膜方法としては、スパッタ法の他にゾル・ゲル法もある。更に、強誘電体膜48の材料は上記のPZTに限定されず、SBT(SrBi2Ta2O9)、SrBi2(TaxNb1-x)2O9、Bi4Ti2O12等のBi層状構造化合物や、PZTにランタンをドープしたPLZT(Pb1-xLaxZr1-yTiyO3)、或いはその他の金属酸化物強誘電体で強誘電体膜48を構成してもよい。
このようにアルミナ膜40の上に下部電極膜47を形成することにより、アルミナ膜40を省いてキャップ絶縁膜46の上に下部電極膜47を直接形成する場合と比較して、下部電極膜47を構成するプラチナの配向性が良好となる。その下部電極膜47の配向の作用によって、強誘電体膜48を構成するPZTの配向が揃えられ、強誘電体膜48の強誘電体特性が向上する。
ところで、スパッタ法で形成されたPZTは、成膜直後では殆ど結晶化しておらず、強誘電体特性に乏しい。
そこで、次の工程では、図11(a)に示すように、強誘電体膜48を構成するPZTをある程度結晶化させるための結晶化アニールとして、流量が0.055リットル/分の酸素と流量が1.95リットル/分のアルゴンガスからなる酸素含有雰囲気中で基板温度を約563℃とするRTAを約90秒間行う。
なお、後述の理由によりこの工程でPZTを完全に結晶化させる必要はなく、むしろ結晶化が不完全でPZT結晶粒界に隙間ができているのが好ましい。そのため、この結晶化アニールは、上記のように約563℃程度の低温で行うのが好ましい。
次に、図11(b)に示すように、上記の強誘電体膜48の上に反応性スパッタ法で酸化イリジウム膜(第1の酸化膜)を厚さ約50nmに形成し、それを第1の上部電極膜49cとする。
その反応性スパッタ法では、酸素とアルゴンとの混合ガスがスパッタガスとして使用されると供に、イリジウムターゲットが使用される。そして、イリジウムターゲットから飛散したイリジウム粒がスパッタガス中の酸素により酸化することで、酸化イリジウム膜が堆積する。
そのような酸化イリジウムよりなる第1の上部電極膜49cは、次の工程で行われるアニールにより膜中のイリジウムを強誘電体膜48に熱拡散させるために形成されるので、その熱拡散が容易となるように、酸化度の小さいメタリックな酸化イリジウムで第1の上部電極膜49cを構成するのが好ましい。
酸化度は、スパッタガス中における酸素ガスの流量比でコントロールすることができ、当該流量比をなるべく小さくすることで、酸化イリジウムの酸化度を小さくすることができる。
例えば、アルゴンガスの流量が100sccmのときは、酸素ガスの流量を53sccm以下とすればよい。
続いて、図12(a)に示すように、第1の上部電極膜49cが形成された状態で強誘電体膜48に対して再び結晶化アニールを行う。
この結晶化アニールにより、強誘電体膜48を構成するPZTがほぼ完全に結晶化する。更に、図11(a)の結晶化アニールにおいて意図的にPZTの結晶化を不完全にし、PZTの結晶粒界に隙間を作っておいたので、本工程における結晶化アニールによって第1の上部電極膜49c中のイリジウムが強誘電体膜48中に拡散する。このようにして拡散したイリジウムの作用によって、強誘電体膜48の残留分極電荷量等の強誘電体特性を高めることが可能となる。
この結晶化アニールでは、図11(a)における結晶化アニールよりも短時間で急峻に基板温度を昇温させることで強誘電体膜48cの結晶性が高められる。したがって、昇温レートの低い炉ではなく、高い昇温レートを得ることが可能なRTAチャンバがこの結晶化アニールに適している。
本実施形態では、約708℃の基板温度において約20秒間RTAを行う。
また、そのRTAは結晶化が目的なので、アニール雰囲気に多量の酸素は不要である。アニール雰囲気が酸素とアルゴンからなる場合、アルゴン流量を2リットル/分とし、酸素流量は0.02リットル/分程度の少量でよい。
ところで、反応性スパッタ法により形成された第1の上部電極膜49cは、既述のように酸素欠損によってその酸化度が基板面内において変動しているのが普通である。
そこで、次の工程では、図12(b)に示すように、酸素含有雰囲気中においてアニールを行うことにより、アニール雰囲気中の酸素で第1の上部電極膜49c中の酸素欠損を補償し、基板面内における第1の上部電極膜49cの酸化度のばらつきを低減させる。
以下ではこのようなアニールを酸化アニールと呼ぶ。
酸化アニールは、第1の上部電極膜49c中の酸素欠損を補償することが目的であるため、図12(a)の結晶化アニールと比較してアニール雰囲気中の酸素濃度をなるべく高めることにより、効率的に第1の上部電極膜49cを酸化するのが好ましい。
また、その酸化を十分に行うために、図12(a)の結晶化アニールにおけるよりもアニール時間を長くするのが好ましい。
これらの点に鑑み、本実施形態では、縦型炉又は横型炉に約60リットル/分の流量で酸素を供給しながら、酸素が100%のアニール雰囲気中においてこの酸化アニールを30〜60分間行う。
なお、完全に結晶化していないPZTに対して行われる結晶化アニール(図12(a)参照)をこのように長時間行ったのでは、PZT結晶粒が揃わなかったり、アニール時間が経つにつれてPZTを構成する鉛が強誘電体膜48から抜けてしまったりして、強誘電体膜48の強誘電体特性が劣化するおそれがある。
これに対し、本工程における酸化アニールは、強誘電体膜48のPZTが既にほぼ完全に結晶化してその強誘電体特製が決定付けられた後に行われるため、上記のように30〜60分程度の長時間行っても強誘電体特性の劣化は問題にならず、むしろ長時間行うことで第1の上部電極膜49cの酸化度の均一化が図られる。
また、この酸化アニールを行う際には、強誘電体膜48は結晶化アニールによって既に結晶化しているが、このように結晶化している強誘電体膜48に対して結晶化アニール時よりも高い温度を印加すると、その結晶性が乱れてしまう。
したがって、強誘電体膜48の結晶性を安定させるという観点からすると、酸化アニールにおける基板温度は、結晶化アニール時の基板温度よりも低くするのが好ましい。
本実施形態では、その基板温度を400℃〜600℃とする。
なお、基板温度が600℃のときはアニール時間を30分程度と短めにし、400℃のときは60分と長めにするのが好ましい。
また、上記では、第1の上部電極膜49cの成膜方法として、酸素含有のスパッタ雰囲気でイリジウムターゲットをスパッタする反応性スパッタ法を採用したが、これに代えて、第1の上部電極膜49cの材料そのものである酸化イリジウムからなるターゲットを使用するスパッタ法を用いてもよい。このようなスパッタ法では、反応性スパッタ法と比較して、第1の上部電極膜49cを構成する酸化イリジウム層の酸化度の面内ばらつきが小さい。したがって、本工程の酸化アニールを行うことで、実質的に酸化度が面内で一定の第1の上部電極膜49cを得ることができる。
続いて、図13(a)に示すように、第1の上部電極膜49cの上に、第2の上部電極膜49dとして酸化イリジウム層(第2の酸化膜)を反応性スパッタ法により約200nmの厚さに形成する。
この第2の上部電極膜49dは、イリジウムの触媒作用によって外部雰囲気中の水分等から水素ラジカルが発生しないように、第1の上部電極膜49cよりも酸化度が高く触媒作用が抑えられた酸化イリジウムから構成するのが好ましい。
この酸化イリジウム層は、アルゴンと酸素との混合ガスよりなるスパッタガスを用いると供に、イリジウムターゲットを使用することで成膜される。したがって、スパッタガス中における酸素の流量比を、第1の上部電極膜49cを形成する場合よりも大きくすることにより、第1の上部電極膜49cと比較して酸化度の高い酸化イリジウムよりなる第2の上部電極膜49cを形成することができる。
その第2の上部電極膜49dを構成する酸化イリジウム膜は、第1の上部電極膜49cにおけるのと同様に、その酸化度が基板面内で変動している場合がある。
そこで、次の工程では、図13(b)に示すように、既述の酸化アニールを第2の上部電極膜49cに対して行うことにより、第2の上部電極膜49cにおける酸化度の面内ばらつきを低減する。
この酸化アニールの条件は、図12(b)で説明したのと同じなので、ここでは省略する。
なお、第1の上部電極膜49cと同様に、第2の上部電極膜49dの成膜方法として酸化イリジウムからなるターゲットを使用するスパッタ法を用い、これにより形成された第2の上部電極膜49dに対して本工程の酸化アニールを行うことで酸化度の面内ばらつきを更に低減させてもよい。
次に、図14(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、フォトリソグラフィにより第1及び第2の上部電極膜49c、49dをパターニングして上部電極49aを形成する。そして、このパターニングにより強誘電体膜48が受けたダメージを回復させるために、強誘電体膜48に対する回復アニールを縦型炉内で行う。この回復アニールは、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気において行われ、その条件は、例えば、基板温度650℃、処理時間60分である。
次いで、フォトリソグラフィで強誘電体膜48をパターニングすることにより、PZT等の強誘電体材料で構成されるキャパシタ誘電体膜48aを形成する。このパターニングでキャパシタ誘電体膜48aが受けたダメージは回復アニールによって回復される。この回復アニールは、縦型炉を用いて酸素含有雰囲気中で行われ、その条件として酸素流量20リットル/分、基板温度350℃、及び処理時間60分が採用される。
続いて、図14(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、水素や水分等の還元性物質からキャパシタ誘電体膜48aを保護するための第1絶縁性水素バリア膜51としてアルミナ膜をスパッタ法で厚さ約50nmに形成する。
なお、アルミナ膜に代えて、酸化チタン(TiOx)膜、酸化ジルコニウム(ZrOx)膜、酸化マグネシウム(MgOx)膜、及び酸化チタンマグネシウム(MgTiOx)膜のいずれかを第1絶縁性水素バリア膜51として形成してもよい。
そして、このスパッタによりキャパシタ誘電体膜48aが受けたダメージを回復させるために、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気中で基板温度を550℃とする回復アニールを約60分間行う。この回復アニールは、縦型炉を用いて行われる。
次に、図15(a)に示すように、フォトリソグラフィで下部電極膜47と第1絶縁性水素バリア膜51とをパターニングすることにより、キャパシタ誘電体膜48aの下の下部電極膜47を下部電極47aにすると共に、この下部電極47aを覆うように第1絶縁性水素バリア膜51を残す。
なお、このパターニングでは、下部電極47aで覆われていない部分のアルミナ膜40も除去される。
その後に、プロセス中にキャパシタ誘電層48aが受けたダメージを回復させるために、基板温度650℃、処理時間60分の条件で、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気中においてキャパシタ誘電体膜48aに回復アニールを施す。その回復アニールは、例えば縦型炉を用いて行われる。
ここまでの工程により、第1の層間絶縁膜45の上には、下部電極47a、キャパシタ誘電体膜48a、及び上部電極49aをこの順に積層してなる強誘電体キャパシタQが形成されたことになる。なお、その強誘電体キャパシタQは、セル領域Rcellに複数形成されるが、本実施形態では簡略化のために一つのキャパシタQのみを図示している。
続いて、図15(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、キャパシタQを保護するための第2絶縁性水素バリア膜53としてアルミナ膜をスパッタ法で約20nmの厚さに形成する。この第2絶縁性水素バリア膜53は、その下の第1絶縁性水素バリア膜51と協同して、水素や水分等の還元性物質がキャパシタ誘電体膜48aに至るのを防止し、キャパシタ誘電体膜48aが還元されてその強誘電体特性が劣化するのを抑えるように機能する。
このような機能を有する膜には、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜があり、これらのいずれかを第2絶縁性水素バリア膜53として形成してもよい。
そして、基板温度550℃、処理時間60分の条件で、酸素含有雰囲気となっている縦型炉内においてキャパシタ誘電体膜48aに対して回復アニールを施す。この回復アニールにおける酸素流量は、例えば、酸素流量が20リットル/分である。
次いで、図16に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、上記の第2絶縁性水素バリア膜53上に酸化シリコン膜を約1500nmの厚さに形成し、その酸化シリコン膜を第2の層間絶縁膜55とする
そして、CMP法により第2の層間絶縁膜55の上面を平坦化した後、該第2の層間絶縁膜55に対する脱水処理としてN2Oプラズマ処理を行う。この場合、基板温度は350℃に設定され、処理時間は2分とされる。
このようなN2Oプラズマ処理により第2の層間絶縁膜55が脱水されると共に、第2の層間絶縁膜55の上面が窒化されて水分の再吸着を防止することができる。
次に、図17に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2の層間絶縁膜55の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、ホール形状の第1窓57aを備えた第1レジストパターン57を形成する。
次いで、この第1レジストパターン57をマスクに用いながら、第2の層間絶縁膜55からカバー絶縁膜44までをドライエッチングすることにより、第1窓57aの下のこれらの絶縁膜に第1ホール58aを形成する。
このドライエッチングは、平行平板型プラズマエッチング装置(不図示)において行われる。そして、酸化シリコンよりなる第1及び第2の層間絶縁膜45、55とキャップ絶縁膜46に対しては、エッチングガスとしてC4F8、O2、及びArの混合ガスが使用される。なお、場合によっては、これらのガスにCOガスを添加してもよい。また、アルミナよりなる第2絶縁性水素バリア膜53もこのエッチングガスのスパッタ作用によってエッチングされる。
一方、酸窒化シリコンよりなるカバー絶縁膜44に対しては、エッチングガスとしてCHF3、O2、及びArの混合ガスが使用される。
このようなエッチングが終了後、第1レジストパターン57は除去される。
次に、図18に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1ホール58aの内面と第2の層間絶縁膜55の上面に、スパッタ法によりチタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜をそれぞれ厚さ20nm、50nmに形成し、これらの膜をグルー膜とする。そして、このグルー膜の上に、六フッ化タングステンガスを使用するCVD法でタングステン膜を500nmの厚さに形成し、このタングステン膜で第1ホール58aを完全に埋め込む。
その後に、第2の層間絶縁膜55上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法で研磨して除去し、これらの膜を第1ホール58a内に第1導電性プラグ60として残す。
これらの導電性プラグのうち、セル領域Rcellに形成された第1導電性プラグ60は、第1、第2ソース/ドレイン領域39a、39bと電気的に接続される。一方、ロジック回路領域Rlogicに形成された第1導電性プラグ60は第3ソース/ドレイン領域39cと電気的に接続される。そして、周辺回路領域Rperipheralに形成された第1導電性プラグ60は配線36と電気的に接続される。
なお、第1導電性プラグ60を形成した後に、N2Oプラズマ処理を第2の層間絶縁膜55に対して行い、第2の層間絶縁膜55の脱水と水分の再吸着の防止とを行ってもよい。その脱水処理は、例えば、基板温度を350℃、処理時間を2分とする条件で行われる。
ところで、第1導電性プラグ60は、非常に酸化され易いタングステンを主に構成されているため、酸素含有雰囲気中で容易に酸化してコンタクト不良を引き起こす恐れがある。
そこで、次の工程では、図19に示すように、第1導電性プラグ60が酸化するのを防止するために、第1導電性プラグ60と第2の層間絶縁膜55のそれぞれの上面に、酸化防止絶縁膜61としてプラズマCVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成する。
次に、図20に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、酸化防止絶縁膜61上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第2レジストパターン63とする。図示のように、上部電極49aと下部電極47aのそれぞれの上の第2レジストパターン63には、ホール形状の第2、第3窓63a、63bが形成される。
次いで、第2レジストパターン63をマスクにしながら、酸化防止絶縁膜61、第2の層間絶縁膜55及び第1、第2絶縁性水素バリア膜51、53をドライエッチングすることにより、上部電極49aの上に第2ホール55aを形成すると共に、下部電極47aのコンタクト領域上に第3ホール55bを形成する。
そして、第2レジストパターン63を除去した後、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜48aが受けたダメージを回復させるために、酸素含有雰囲気となっている縦型炉にシリコン基板30を入れ、基板温度500℃、処理時間60分の条件で、キャパシタ誘電体膜48aに対して回復アニールを施す。このとき、酸素の流量は例えば20リットル/分とされる。
その後に、酸化防止絶縁膜61をエッチバックして除去する。
次に、図21に示すように、第2の層間絶縁膜55と第1導電性プラグ60のそれぞれの上面、及び第2、第3ホール55a、55bの内面に、スパッタ法により金属積層膜65を形成する。本実施形態では、その金属積層膜65として、約150nmの厚さの窒化チタン膜、約550nmの厚さの銅含有アルミニウム膜、約5nmの厚さのチタン膜、及び約150nmの厚さの窒化チタン膜をこの順に形成する。
続いて、図22に示すように、金属積層膜65の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第3レジストパターン62とする。
次に、図23に示すように、第3レジストパターン62をマスクにして金属積層膜65をドライエッチングすることにより、金属積層膜65を一層目金属配線65aとする。
一層目金属配線65aのうち、キャパシタQの上に形成されたものは、第1、第2ホール55a、55bを介してそれぞれ上部電極49a、下部電極47aと電気的に接続される。
この後に、第3レジストパターン62をアッシングして除去する。
次いで、図24に示すように、一層目金属配線65aと第2の層間絶縁膜55とを覆う第3絶縁性水素バリア膜66として、スパッタ法によりアルミナ膜を5nm〜30nm、例えば20nmの厚さに形成する。
この第3絶縁性水素バリア膜66は、水素や水分等の還元性物質をブロックしてキャパシタ誘電体膜48aを保護する機能を有する。このような機能を有する膜には、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜があり、これらのいずれかを第3絶縁性水素バリア膜66として形成してもよい。
なお、水素によるキャパシタ誘電体膜48aの劣化が問題にならない場合には、第3絶縁性水素バリア膜66を省いてもよい。
この後は、第3絶縁性水素バリア膜66の上に第2の層間絶縁膜や二層目金属配線を形成する工程に移るが、その詳細については省略する。
以上により、本実施形態に係る強誘電体メモリの基本構造が完成した。
上記した本実施形態によれば、図12(b)で説明したように、反応性スパッタ法で形成された酸化イリジウムよりなる第1の上部電極膜49cに対し、酸化アニールを施した。
図25(a)、(b)は、その酸化アニールの前後における第1の上部電極膜49cの模式断面図である。
図25(a)に示されるように、酸化アニールの前では、スパッタ雰囲気中におけるイリジウムの酸化が不十分である等の理由により、基板中心領域では基板周辺領域よりも酸素欠損が多く発生している。
そのような酸素欠損は、図25(b)に示すように酸化アニールによって補償される。
これにより、酸素欠損に起因した第1の上部電極膜49cの酸化度のばらつきが抑制され、基板面内にわたって酸化度が向上した第1の上部電極膜49cを得ることができる。その結果、酸化度が低い酸化イリジウムの触媒作用が抑えられ、第1の上部電極膜49cに触れた水分等から水素ラジカルが発生するのを防止できる。これにより、水素ラジカル等によって製造途中にキャパシタ誘電体膜48aが劣化し難くなり、製造終了後でもキャパシタ誘電体膜48aの残留分極電荷量等の強誘電体特性を高い状態に維持することができる。
更に、このように基板面内における酸化度のばらつきが抑制されることから、第1の上部電極膜49cのシート抵抗が基板面内でほぼ均一となり、上部電極49aからキャパシタ誘電体膜48aに印加される電圧を基板面内でほぼ一定とすることができる。これにより、シリコン基板30の上に集積形成される個々の強誘電体キャパシタQの電気的特性がキャパシタ間でばらつくのを防止できるようになる。
(4)第2実施形態
第1実施形態では、各上部電極膜49c、49dの酸化度の面内ばらつきを酸化アニールにより抑制する方法について説明した。
これに対し、本実施形態では、第2ホール55a(図20)の形成時おける上部電極49aの削れを抑制するのに有用な方法について説明する。
図26〜図30は、本実施形態に係る強誘電体メモリの製造途中の断面図である。なお、これらの図において第1実施形態と同じ要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
この強誘電体メモリを製造するには、まず、第1実施形態で説明した図9(a)〜図13(b)の工程を行うことにより、シリコン基板30の最上層に第2の上部電極膜49dが形成された構造を得る。
次いで、図26に示すように、第2の上部電極膜49dの上に、スパッタ法で金属膜70を形成する。
その金属膜70としては、例えばチタン合金膜又は貴金属膜を形成するのが好ましい。
本実施形態で使用可能なチタン合金膜としては、例えば、窒化チタン(TiN)膜、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)膜、チタンアルミニウム(TiAl)膜、及びチタンアルミニウム銅(TiAlCu)膜がある。
一方、貴金属膜としては、金膜、銀膜、プラチナ膜、パラジウム膜、ロジウム膜、イリジウム膜、ルテニウム膜、及びオスミウム膜がある。
本実施形態としては、これらのうちの窒化チタン膜を金属膜70として20〜30nmの厚さに形成する。
次に、図27に示すように、不図示のレジストパターンをマスクにしながら、金属膜70と第1及び第2の上部電極膜49c、49dとをドライエッチングによりパターニングして、各上部電極膜49c、49dを上部電極49aにすると供に、その上部電極49aの上に金属膜70を島状に残す。
窒化チタンのようなチタン合金で金属膜70を構成する場合は、金属膜70に対するエッチングガスとして流量が約140sccmのBCl3ガスと流量が100sccmの塩素(Cl2)ガスとの混合ガスを使用する。
一方、イリジウムのような貴金属で金属膜70を構成する場合は、金属膜70に対するエッチングガスとして流量が12sccmの塩素ガスと流量が48sccmのアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスが使用される。
その後、強誘電体膜48をパターニングし、上部電極49aの下にキャパシタ誘電体膜48aを形成する。
次いで、第1実施形態で説明した図14(b)〜図20の工程を行うことにより、図28に示すように、各電極49a、47aのそれぞれの上の第2の層間絶縁膜55に第2、第3ホール55a、55bを形成する。
ここで、これらのホール55a、55bは、第2レジストパターン63をマスクにし、金属膜70をエッチングストッパにしながら第2の層間絶縁膜55をドライエッチングすることにより形成されるが、ホール55a、55bが未開口となるのを防止するために本工程ではオーバーエッチングが行われる。
その結果、点線円内に示すように、エッチングが金属膜70にまで及び、第2ホール55a下の金属膜70に凹部70bが形成されることになる。
ドライエッチングのエッチレートは基板面内で異なるのが普通であるから、その凹部70bの深さも基板面内でばらつく。そのため、凹部70bが上部電極49aにまで到達した場合には、上部電極49aの体積が基板面内で変動し、当該体積から定まる上部電極49aの抵抗値が基板面内で変動してしまう。
このような不都合を防止するために、オーバーエッチングが上部電極49aに及ばないように20nm以上の厚さに金属膜70を形成するのが好ましい。
但し、金属膜70が厚すぎると、上部電極49aと金属膜70とを合わせた抵抗値が高くなり、上部電極49aからキャパシタ誘電体膜48に印加される電圧が弱まってしまう。そのため、金属膜70は、30nm以下の厚さに形成するのが好ましい。
この後に、第2レジストパターン63は除去される。
次いで、図29に示すように、第2ホール55aの下の金属膜70をウエットエッチングして開口79aを形成し、その開口79a内に第2ホール55a内に上部電極49aを露出させる。
このウエットエッチングでは、金属膜70のエッチングレートが上部電極49aを構成する酸化イリジウム膜のそれよりも速くなるようなエッチング液が使用される。
金属膜70として窒化チタン膜等のチタン合金膜を形成する場合は、そのようなエッチング液として、H2O2、NH4OH、及びH2Oの混合溶液(アンモニア過水)を使用し得る。窒化チタン膜や窒化チタンアルミニウム膜のような窒素を含んだチタン合金膜は、窒素を含まないものに比べて表面に酸化皮膜が形成され難いため、酸化皮膜によってエッチングが阻害されず、アンモニア過水で容易にエッチングされ得る。
このようにウエットエッチングで凹部70bを開口することにより、凹部70bの深さの基板面内における変動に起因した金属膜70の抵抗の変動が除去される。そのため、上部電極49aと金属膜70とを合わせた抵抗値が基板面内でほぼ均一となり、上部電極49aからキャパシタ誘電体膜48aに印加される電圧値が基板面内で略一定にすることが可能となる。
ここで、ウエットエッチングに代えて、ダウンフローエッチング、RIE(Reactive Ion Etching)、平行平板型等のプラズマエッチングを行うことも考えられる。しかし、プラズマエッチングでは、エッチングガスのスパッタ作用によって上部電極49aに凹部が形成され易いうえに、プラズマダメージによってキャパシタ誘電体膜48aにダメージが入り易い。したがって、上部電極49aに凹部が形成されるのを抑制し、且つキャパシタ誘電体膜48aのダメージを防止するという観点からすると、ウエットエッチングを採用するのが好ましい。
また、イリジウム等の貴金属で金属膜70を構成する場合は、本工程のウエットエッチングを省いてもよい。
図31は、このように貴金属よりなる金属膜70に対してウエットエッチングを省いた場合の拡大断面図である。
貴金属膜は、チタン合金膜よりもドライエッチングされ難いため、凹部70bの深さがもともと浅く、該深さの基板面内のばらつきも小さい。したがって、このようにウエットエッチングを省いても、金属膜70と上部電極49aとを合わせた抵抗値の基板面内の変動が小さく、上部電極49aからキャパシタ誘電体膜48aに印加される電圧値は基板面内で略一定となる。
この後は、酸化防止絶縁膜61をエッチバックして除去し、第1実施形態で説明した図21〜図24に示す工程を行うことにより、図30に示すような本実施形態に係る強誘電体キャパシタの基本構造を完成させる。
以上説明した本実施形態によれば、図26に示したように、第2の上部電極膜49dの上に金属膜70を形成し、第2ホール55a形成時のエッチング(図28)が上部電極49aに及ばないようにした。
その金属膜70をチタン合金膜から構成する場合には、図29に示したように、第2ホール55a下の金属膜70をウエットエッチングすることで、金属膜70の凹部70bが除去され、凹部70bの深さの基板面内におけるばらつきに起因して金属膜70と上部電極49aとを合わせた抵抗値がばらつくのを防止できる。
更に、このように凹部70bを除去することで、図7に示したような強誘電体キャパシタQの疲労特性の劣化を防止することができる。
図32は、本実施形態に係る強誘電体キャパシタQの疲労特性を調査して得られたグラフである。
このグラフの横軸は、強誘電体キャパシタQにおける情報の書換え回数を示す。そして、縦軸は、当該回数だけ情報を書き込んだ後(疲労後)のキャパシタ誘電体膜48aの残留分極電荷量(Qsw)と、情報を書き込む前(疲労前)の残留分極電荷量との比(疲労特性)を示す。
また、「Centor(比較例)」、「Edge(比較例)」は、それぞれ金属膜70を省いた場合のシリコン基板30の中心領域と周辺領域における疲労特性を示す。そして、「Centor(本実施形態)」、「Edge(本実施形態)」とは、それぞれ本実施形態のように金属膜70を形成した場合のシリコン基板30の中心領域と周辺領域における疲労特性を示す。
これに示されるように、本実施形態の疲労特性は、シリコン基板30の中心領域と周辺領域の両方において、1×1010回の書換え後において比較例よりも高い値を示している。
このことから、ウエットエッチングにより凹部70bを除去することが強誘電体キャパシタQの疲労特性を改善するのに有効であることが裏付けられた。
なお、エッチングされ難い貴金属からその金属膜70を構成する場合は、第2ホール55aのエッチングによって形成される凹部70bの深さがもともと浅く、凹部70bが疲労特性等に与える影響が少ないので、凹部70bを除去するためのウエットエッチングを省き、凹部70bを残すようにしてもよい。
ところで、本実施形態においても、第1実施形態で説明した酸化アニールを第1及び第2の上部電極膜49c、49dに対して行い、これらの電極膜の基板面内における酸化度のばらつきを抑制するのが好ましい。
図33(a)、(b)及び図34は、このように酸化アニールが施された第1及び第2の上部電極膜49c、49dと金属膜70とを合わせたシート抵抗(Ω/60μm2)の面内分布について、三枚のシリコン基板30について測定した結果を示す図である。これらの図の縦軸と横軸のスケールの単位は、一辺の長さが20mmのチップ数である。
これに示されるように、酸化アニールを施すことで、施さない場合(図4(a)、(b)、及び図5)と比較してシート抵抗の面内均一性が向上する。
このことから、本実施形態でも酸化アニールがシート抵抗の均一化に有用であることが理解される。

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板に形成されたトランジスタと、
    前記トランジスタの上方に形成された強誘電体キャパシタと、
    前記強誘電体キャパシタ上に形成された絶縁膜と、
    を有する強誘電体メモリにおいて、
    前記強誘電体キャパシタは、
    下部電極と、
    前記下部電極上に形成された強誘電体膜と、
    前記強誘電体膜上に形成された上部電極と、
    前記上部電極上に形成され、開口を有する金属膜とを有し、
    前記絶縁膜は、
    前記金属膜の前記開口上に第1のホールと、
    前記下部電極のコンタクト領域上に第2のホールとを有し、
    前記第1のホールと前記第2のホールの各々に形成された第1の導電体と第2の導電体とを更に有することを特徴とする強誘電体メモリ。
  2. 前記上部電極は、第1の酸化膜と第2の酸化膜の積層構造を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ。
  3. 前記金属膜は、チタンを含むこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の強誘電体メモリ。
  4. 前記金属膜は、20nmから30nmの膜厚であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
  5. 半導体基板にトランジスタを形成し、
    前記トランジスタの上方に下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜上に強誘電体膜を形成し、
    前記強誘電体膜上に第1の上部電極膜を形成し、
    前記第1の上部電極膜上に第2の上部電極膜を形成し、
    前記第2の上部電極膜上に金属膜を形成し、
    前記下部電極膜と前記金属膜上に絶縁膜を形成し、
    前記金属膜上の前記絶縁膜に第1のホールを形成すると共に、前記下部電極膜上の前記絶縁膜に第2のホールを形成し、
    前記第1のホールの下の前記金属膜に開口を形成し、
    前記第1のホール内に第1の導電体を形成し、
    前記第2のホール内に第2の導電体を形成すること
    を特徴とする強誘電体メモリの製造方法。
  6. 強誘電体キャパシタの製造方法において、
    下部電極膜を形成し、
    前記下部電極膜の上に強誘電体膜を形成し、
    前記強誘電体膜をアニールし、
    前記強誘電体膜の上に第1の上部電極膜を形成し、
    酸素含有雰囲気中で前記第1の上部電極膜をアニールし、
    前記第1の上部電極膜の上に第2の上部電極膜を形成し、
    前記第2の上部電極膜の上に金属膜を形成し、
    前記下部電極膜と前記金属膜上に絶縁膜を形成し、
    前記金属膜上の前記絶縁膜に第1のホールを形成すると共に、前記下部電極膜上の前記絶縁膜に第2のホールを形成し、
    前記第1のホールの下の前記金属膜に開口を形成し、
    前記第1のホール内に第1の導電体を形成し、
    前記第2のホール内に第2の導電体を形成すること
    を特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法。
  7. 前記第1の上部電極膜又は前記第2の上部電極膜は、
    上部電極の材料そのものをターゲットとするスパッタ法で形成されること
    を特徴とする請求項6に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  8. 前記第1の上部電極膜又は前記第2の上部電極膜は、酸化イリジウム膜であること
    を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
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