JP5438855B1 - コードレス電話システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コードレス電話システムを構成する親機や子機に人体検知を目的とする特殊なセンサを別途設けることなく、非常に簡易な構成で、空き巣等の侵入を確実に検出すること。
【解決手段】電話回線に接続された親機100と、前記親機100との間で無線回線を通じて電波を送受信する子機200とを備えるコードレス電話システムであって、前記親機100または前記子機200は、受信した電波強度を計測する強度計測手段20と、前記強度計測手段20の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する信号処理部10と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、監視機能を備えたコードレス電話システム、および監視装置に関するものである。
年々日本人の防犯に対する意識は向上しており、特に近年では自宅を空き巣などから守るホームセキュリティに対する関心が高まっている。このようなホームセキュリティを具現化する方法として、例えば、空き巣が入ったときなどに自宅に取り付けたセキュリティ用のセンサが反応し、契約している警備会社にその情報が伝わり、警備員が自宅へ駆けつけて対処するサービスが知られている。
一方、このような企業のサービスとして比較的大がかりに行われる事例の他に、例えば、建物の敷地境界付近に設置されたインターホン子機と、建物の屋内に設置されたインターホン親機とを備えるインターホン装置であって、人体検知部をインターホン親機に接続して、建物の出入口付近における人体を検出して異常判定する技術が知られている(特許文献1)。
また、コードレス電話システムを構成する子機に不審者等の侵入を検知する侵入検知部と、この侵入検知部による侵入情報を親機へ送信する送信部とを備え、親機に送信部からの侵入情報の受信時に情報内容を判断し、所定の防犯処理を行う技術が知られている(特許文献2)。
特開2008−059311号公報 特開平07−079291号公報
しかしながら、企業のサービスとして行われるいわゆるホームセキュリティシステムでは、例えば、窓やドアにセンサを設けると共に、センサ出力を集約する管理機器、管理機器と企業が運営するセンタ装置とを接続する回線が必要となる。このように配線工事費用の発生や設置が大がかりとなって、コストアップにつながってしまう。
また、特許文献1に開示された技術は、システムとして比較的小規模な構成を達成しうるものの、人体検知部として受動型の赤外線センサ(焦電センサ、超音波センサ、光センサ、サーモパイル等を用いてもよいとされている)を採用しており、これらのセンサおよびセンサ出力を処理する回路の追加等によって、一般にコストアップは免れ得ない。
また、特許文献2に開示された技術も、システムとして比較的小規模な構成で実現可能である。しかしながら、特許文献1と同様に、人体検知部(侵入検知部)として赤外線センサを用いており、コストアップの要因となっている。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するべく案出されたものであり、その主な目的は、コードレス電話システムを構成する親機や子機に人体検知を目的とする特殊なセンサを別途設けることなく、非常に簡易な構成で、空き巣等の侵入を確実に検出することが可能なコードレス電話システムを提供することにある。
本発明のコードレス電話システムは、電話回線に接続された親機と、前記親機との間で無線回線を通じて時分割多元接続にて電波を送受信する第1子機とを備えるコードレス電話システムであって、前記第1子機は、前記無線回線上で前記第1子機との同期を維持するためにフレーム周期毎の制御スロットにおいて前記親機から送信される制御データを受信したときの電波強度を計測する強度計測手段と、前記強度計測手段の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、監視の実行を指示するコマンドを含む制御データを受信したときに、前記強度計測手段が計測した電波強度の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行するとともに、前記制御部は、異常を検出したときは、前記制御スロットに対応する応答スロットにおいて前記親機に異常を検出した旨を通報するようにしたものである。
本発明によれば、上述の構成によって、コードレス電話システムを構成する親機や子機に人体検知を目的とするセンサを別途設けることなく、親機と子機とを用いて、非常に簡易な構成で家屋に空き巣等が侵入したことを確実に検出することが可能となり、更に時分割多元接続にて無線回線上で第1子機との同期を維持するためにフレーム周期毎の制御スロットにおいて、前記親機から送信される制御データを受信したときの信号強度を計測して監視を実行するため、監視を目的として専用のスロットを割り当てる必要がなく、電波の有効利用が可能となる。更に、監視の実行を指示するコマンドを制御データに含ませるといった極めて簡易な操作によって第1子機で監視を実行することが可能となり、更に、第1子機が異常を検出したときは、制御スロットに対応する応答スロットにその旨を含ませるといった極めて簡易な操作によって、親機は異常があったことを認識することが可能となる。
第1実施形態のコードレス電話システムにおける親機と子機との関係を示す説明図 (a)は、第1実施形態のコードレス電話システムの親機の全体斜視図、(b)は、子機の全体斜視図 コードレス電話システムの親機の概略を示すブロック構成図 コードレス電話システムの子機の概略を示すブロック構成図 電波強度計測部の構成を示す構成図 (a)は、親機と子機との間の空間に人が存在しない状態において電波強度計測部が計測したRSSI信号を示す説明図、(b)は、親機と子機との間の空間に人が入った状態において電波強度計測部が計測したRSSI信号を示す説明図 第1子機と第2子機との間の空間に人が入った際の電波強度計測部が計測したRSSI信号を示す説明図 親機と子機との送受信間距離とRSSI信号との関係を示すグラフ 防犯処理を実行するフローを示すフローチャート DECTのフレーム構成を説明する説明図 第1実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機と子機とが利用するスロットの状態を示す説明図 第2実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機と子機とが利用するスロットの状態を示す説明図 第3実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機と第1子機と第2子機とが利用するスロットの状態を示す説明図 第4実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機と第1子機と第2子機とが利用するスロットの状態を示す説明図 第5実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、第1子機と第2子機とが利用するスロットの状態を示す説明図
前記課題を解決するためになされた本発明は、電話回線に接続された親機と、前記親機との間で無線回線を通じて時分割多元接続にて電波を送受信する第1子機とを備えるコードレス電話システムであって、前記第1子機は、前記無線回線上で前記第1子機との同期を維持するためにフレーム周期毎の制御スロットにおいて前記親機から送信される制御データを受信したときの電波強度を計測する強度計測手段と、前記強度計測手段の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、監視の実行を指示するコマンドを含む制御データを受信したときに、前記強度計測手段が計測した電波強度の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行するとともに、前記制御部は、異常を検出したときは、前記制御スロットに対応する応答スロットにおいて前記親機に異常を検出した旨を通報することを特徴とするコードレス電話システムである。
これによって、コードレス電話システムを構成する親機や子機に人体検知を目的とするセンサを別途設けることなく、親機と子機とを用いて、非常に簡易な構成で家屋に空き巣等が侵入したことを確実に検出することが可能となり、更に時分割多元接続にて無線回線上で第1子機との同期を維持するためにフレーム周期毎の制御スロットにおいて、前記親機から送信される制御データを受信したときの信号強度を計測して監視を実行するため、監視を目的として専用のスロットを割り当てる必要がなく、電波の有効利用が可能となる。更に、監視の実行を指示するコマンドを制御データに含ませるといった極めて簡易な操作によって第1子機で監視を実行することが可能となり、更に、第1子機が異常を検出したときは、制御スロットに対応する応答スロットにその旨を含ませるといった極めて簡易な操作によって、親機は異常があったことを認識することが可能となる。
また、本発明は、電話回線に接続された親機と、前記親機との間で無線回線を通じて時分割多元接続にて電波を送受信する第1子機および第2子機を備えるコードレス電話システムであって、前記第1子機と前記第2子機とは前記無線回線を通じて時分割多元接続にて互いに電波を送受信し、前記第1子機は、前記親機から監視の実行を指示するコマンドを含む制御データを受信したときに、前記親機と前記第1子機との間で送受信される制御データの送受信タイミングとは異なるタイミングで、前記第2子機に対して電波強度の計測に利用する監視用データを送信し、前記第2子機は、前記第1子機が送信した前記監視用データを受信した際の電波強度を計測する強度計測手段と、前記強度計測手段の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する制御部と、を備えるコードレス電話システムである。
これによって、子機は可搬性に優れることから、例えば、窓やドアを挟んで左右に子機を設置することで、家屋の特定の場所に対して簡単に監視を行うことが可能となる。そして、親機において監視の実行を指示するコマンドを制御データに含ませるといった極めて簡易な操作によって、第1子機と第2子機との間で監視を実行することが可能となり、第1子機と第2子機との間で、例えば相互のIDを含んで構成された監視用のデータを送受信することで、監視を実行することが可能となる。

また、本発明は、前記制御部は、前記強度計測手段によって計測された電波強度の標準値を予め取得し、前記強度計測手段によって計測された現在の計測値と、前記標準値との差分が所定の閾値を越えた場合に、所定の防犯処理を実行するよう構成したものである。
これによって、子機の設置位置を変えて信号強度が変化したような場合も、監視に先だって校正を行うことで、常に高精度に監視を実行することが可能となる。
また、本発明は、前記所定の防犯処理は、鳴動音による警報、所定のメッセージの再生、予め定められた通報先への発呼、前記無線回線を介した報知の少なくとも1つを含むようにしたものである。
これによって、家屋への不審者に対する警告、警備会社への通報等を的確に実行するとともに、子機で不審者を検出したような場合に、親機や他の子機によっても警告等を発することが可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態のコードレス電話システムにおける親機100と子機200との関係を示す説明図である。図1に示すように、コードレス電話システムは1台の親機と2台の子機200(第1子機201および第2子機202。以降、子機200をそれぞれ区別して扱わない場合は、子機200と呼称する)とで構成される。なお、子機200の台数は2台に制限されず、例えば3台以上でコードレス電話システムを構成してもよい。
親機100は電話回線1aによって図示しない公衆回線に接続されており、公衆回線を介して他の電話機との間で音声データをやりとりする。
親機100は無線回線を介して子機200と通信を行い、親機100と子機200との間で音声データ等の送受信を行う。これによって、子機200は親機100を経由して公衆回線にアクセスすることができる。更に、第1子機201と第2子機202とは音声データの送受信が可能となっており、親機100を経由して、あるいは直接的に音声データをやりとりすることで相互に通話が可能となっている。
図2(a)は、第1実施形態のコードレス電話システムの親機100の全体斜視図、(b)は、子機200の全体斜視図である。以降、図2(a)、図2(b)を用いて、第1実施形態に係るコードレス電話システムの親機100および子機200の概要について説明する。
第1実施形態では、主にDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)方式に準拠したディジタルコードレス電話システムを例示して説明する。DECTは2011年に策定されたディジタルコードレス電話機の標準規格であり、1.9GHz帯(1,895,616Hz〜1,902,528Hz)の周波数を使用し、通信方式はTDMA−WB(時分割多元接続方式)を採用している。DECTでは他機器との電波干渉による通信障害を低減できることや、使用する周波数帯である1.9GHzは無線LANや電子レンジと干渉しないので、ファクスや電話による通話品質を維持できるとされている。またDECTは、広帯域の音声データ等を通信できる方式として知られ、周波数チャネルの使用状況を常時モニタリングし、装置自身が最適なチャネルを選択することで効率良く周波数帯域を利用できる。
なお、後述する電波強度の計測に基づく家屋への不審者等の侵入の検出(以降、単に「監視」と呼称する)は、DECT方式のみならず、コードレス電話システムとして親機100と子機200、あるいは第1子機201と第2子機202とを備えることが可能な、例えばPHS(Personal Handy-phone System)やsPHS(Super PHS)にも応用することができる。
図2(a)に示すように、ユーザは通常の固定電話と同様に、親機100の表示部6と操作部7とを使って通話する相手方の電話番号の呼び出しやキー入力を行い、公衆回線と接続された他の電話機との間で音声データをやりとりする。親機100には話者の音声を入力するマイクロフォン8と通話する相手の声を再生するスピーカ9とが設けられており、ユーザはハンズフリーの状態で相手方と会話をすることができる。このように、親機100にはいわゆるハンドセットが設けられていないが、有線あるいは無線でハンドセットを備えていてもよい。また、親機100には監視指示ボタン7aが設けられ、ユーザが監視指示ボタン7aを押下すると監視が開始される。監視の開始を指示した後、再度監視指示ボタン7aが押下されると、監視が終了する。なお、親機100の監視指示ボタン7aは、親機100と子機200とを用いて監視を行う場合に用いられる。
図2(b)において、ユーザは、子機200を用いて親機100を経由して音声データを送受信する。子機200においても、ユーザは表示部14と操作部15とを使って通話する相手方の電話番号をキー入力等する。子機200にも送信すべき音声を取得するマイクロフォン16と、受信信号を復調した音声を出力する通話用スピーカ17と、リンガ用スピーカ18とが設けられている。また、子機200にも親機100と同様に監視指示ボタン15aが設けられ、ユーザが監視指示ボタン15aを押下すると監視が開始される。そして再度の押下で監視が終了する。なお、子機200の監視指示ボタン15aは、第1子機201と第2子機202とを用いて監視を行う場合に用いられる。
親機100はアンテナ(親機アンテナ)5を有し、子機200に備えられたアンテナ13(子機アンテナ)との間で、所定の周波数の搬送波に重畳したディジタル音声データを相互に送受信する。これによって、親機100と子機200との間においてワイヤレスで通話を行う。なお、上述した第1子機201と第2子機202との間においても、同様にディジタル音声データがやりとりされる。
図3は、コードレス電話システムの親機100の概略を示すブロック構成図である。親機100は既に説明したアンテナ5、ユーザインタフェースとしての表示部6、操作部7、監視指示ボタン7a、マイクロフォン8、スピーカ9の他に、外部インタフェースとして電話回線インタフェース1を備えており、親機100は電話回線インタフェース1および電話回線1aを介して公衆回線と接続する。また、親機100にはフラッシュメモリ等で構成された記憶部3が設けられ、例えば、使用頻度の高い接続先の電話番号や、親機100を留守番電話として使用する際に、相手方から送信された音声データをディジタル化して記憶する。また、記憶部3には、監視が開始された後において不審者等を検出した際(以降、単に「異常時」と呼称する。また不審者を検出したことを「異常を検出した」のように表現することがある)にスピーカ9から再現される警報音(アラーム)や音声データが記憶されている。
また、親機100には信号処理部(制御部)10が設けられ、信号処理部10はアナログマルチプレクサ10a、コーデック10b、CPUブロック10f、符号化/復号化部10d、フレーム処理部10e、CPUブロック10fに搭載されたディジタルスピーチプロセッサ(音声処理装置)10c、アンプモジュール25で構成される。なお、信号処理部10は制御部として親機100の全体を制御しており、例えば上述した監視指示ボタン7aが押下された否かは信号処理部10(CPUブロック10f)によってポーリングされ、押下の有無が認識される。以降、信号処理部10の構成要素について説明する。
アナログマルチプレクサ10aは、電話回線インタフェース1を介して入力された音声信号、マイクロフォン8で受信した音声信号、スピーカ9へ出力される音声信号(音声信号はいずれもアナログ信号)の入出力チャネルから1つのチャネルを選択する。
コーデック10bは、いわゆるオーディオコーデックであり、具体的にはディジタル信号とアナログ信号とを相互に変換するDA変換器およびAD変換器で構成される。コーデック10bによって、電話回線インタフェース1を介して親機100に入力されたアナログ音声信号およびマイクロフォン8で取得されたアナログ音声信号は、AD変換器によってディジタル音声信号に変換される。他方、後に説明するディジタルスピーチプロセッサ10cでディジタル処理を施されたディジタル音声信号は、コーデック10bでDA変換器によってアナログ音声信号に変換され、このアナログ音声信号がスピーカ9から出力される。
CPUブロック10fは図示しないCPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ワークメモリとしてのRAM(read only memory)、これらを結合するバス等で構成され、親機100全体の動作を制御する。そして、CPUブロック10fには音声信号処理を実行するディジタルスピーチプロセッサ10cが搭載されている。ディジタルスピーチプロセッサ10cはコーデック10bによってAD変換されたディジタル音声信号、または後述の符号化/復号化部10dによって復号されたディジタル音声信号に対して、ノイズやエコーのキャンセルや、特定音声周波数の強調処理、暗号化/復号化等を実行する。
なお、これらの音声信号処理は、一般的には畳み込み演算によるフィルタリング処理を基本とすることが多く、これらの信号処理に特化したDSP(Digital Signal Processor)等で処理を行ってもよく、もちろん図示しないCPUとディジタルスピーチプロセッサ10cとを1つのプロセッサで構成してもよい。また、信号処理部10全体を1つのDSPで構成しても構わない。
符号化/復号化部10dは、ディジタルスピーチプロセッサ10cの出力のうちアンテナ5を介して無線通信(送信)に供されるディジタル信号を符号化し、他方、アンテナ5を介して受信した信号(ここでは、既にディジタル化されている)を復号化する。符号化/復号化部10dは、例えばADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)方式を採用している。
フレーム処理部10eは、図示しないTDD/TDMA(Time Division Duplex/Time Division Multiple Access)プロセッサを備えている。TDD/TDMAプロセッサは、周期的に設けられたフレーム内をスロット(チャネル)と呼ばれる単位に分割して、同一周波数において複数の通信を可能にする(時分割多元接続)。このように同一周波数を共有して、ごく短い間にデータ送受信を行うため、実質的に送信と受信とを同時に実行しているかのように見せることができる。更に、TDMAでは、周波数帯域を分割するFDMA(Frequency Division Multiple Access:周波数分割多元接続)を併用することにより、多数のチャンネルを確保し、かつ周波数の干渉を避けることができる。このようにフレーム処理部10eは、短時間のうちに送信(Tx)と受信(Rx)とを周期的に切り替えている。なお、DECTで用いられるフレームの構造については、後に説明する。
なお、送信と受信との切り替えは、無線部12に含まれる図示しない増幅器の電源供給を制御することで実現してもよいし、各増幅器の入出力段のいずれかにゲート回路を設ける等の構成としてもよい。
また、フレーム処理部10eには図示しないDA変換器とAD変換器とが内蔵されている。フレーム処理部10eは、ディジタルスピーチプロセッサ10cから符号化/復号化部10dを介して入力されたディジタル信号(送信信号)をDA変換器によってアナログ信号に変換してアンプモジュール25に出力し、他方、無線部12のLNA36からアンプモジュール25を介して入力されたアナログ信号(受信信号)をAD変換器によってディジタル信号に変換して符号化/復号化部10dに出力する。このように、フレーム処理部10eと無線部12との間には、アンプモジュール25を含むアナログ信号のインタフェースが構成されている。
無線部12では、アンプモジュール25が出力した送信信号(アナログ信号)を図示しない送信回路を介してアンテナ5から放出し、他方、アンテナ5によって受信された受信信号(アナログ信号)を図示しない受信回路を介してアンプモジュール25に出力する。
なお、無線部12は、後述する電波強度計測部(強度計測手段)20を含んでいてもよい。親機100が電波強度計測部20を含む場合、信号処理部10(CPUブロック10f)は、電波強度計測部20に対して例えば電波強度を計測する際の基準値(「標準値」)を設定する。そして無線部12は電波強度を計測した値と基準値との差分を信号処理部10(CPUブロック10f)に出力する。なお、「標準値」については後述する。
図4は、コードレス電話システムの子機200の概略を示すブロック構成図である。子機200は、着呼した際の相手先番号や発呼の際のダイヤル入力を確認する表示部14と、ダイヤル入力等を行う操作部15、監視の開始を指示する監視指示ボタン15aと、話者の音声を入力するマイクロフォン16と、通話する相手の声を再生する通話用スピーカ17と、短縮ダイヤル情報、音声ガイド、異常を検出した際に通話用スピーカ17から再現される警報音や音声データを記憶した記憶部11と、リンガ用スピーカ18、親機100や他の子機200(第2子機202)との間で電波を送受するアンテナ13、信号処理部10、無線部12とで構成されている。
子機200は一般的に可搬性を持たせるため小型に設計されるが、基本的な機能は図3を用いて説明した親機100と同等である。即ち、子機200の信号処理部10及び無線部12の構成および機能は、親機100で説明した信号処理部10と無線部12とで実質的に同じである。よって子機200におけるこれらの詳細な説明は省略する。
ただし、子機200の信号処理部10のフレーム処理部10eには、同期制御部10sが設けられている。同期制御部10sは、親機100の送信タイミングと子機200の受信タイミングを整合させる。即ち、例えば電源投入当初において、子機200は自律的に所定のタイミングで受信動作を行うが、その際に、同期制御部10sが親機100の同期要求(同期がとれたタイミングからどれだけずれているかの相対値がデータとして含まれる)を受信すると、そのずれを補正するように受信タイミングを決定し、フレーム処理部10eは、この補正された受信タイミングに応じて信号処理のハードウェアの調停等を行う。これによって、親機100が子機200を特定して送信する1フレーム期間中のスロットの送信タイミングに合わせて子機200の受信タイミングが計られる。
また、子機200の無線部12には、既に説明した電波強度計測部20が設けられている。親機100と同様に、子機200の電波強度計測部20においても、信号処理部10は電波強度計測部20に対して電波強度を計測する際の基準値(「標準値」)を設定する。そして無線部12は電波強度を計測した値と基準値との差分を信号処理部10に出力する。
図5は、電波強度計測部20の構成を示す構成図である。図5に示すように、第1実施形態の電波強度計測部20は、リミッタアンプ部21とV−I変換部22と、差分信号生成部23とで構成されている。
リミッタアンプ部21は、振幅制限と整流を行なう3段のリミッタアンプ21a,21b,21cで構成される。リミッタアンプ21aに入力された受信信号(例えば、検波後のシングルエンド信号)は、各リミッタアンプ21a,21b,21cで段階的に増幅される。そして、各リミッタアンプ21a,21b,21cから出力される整流電圧信号Vol1、Vol2、Vol3は、V−I変換部22を構成し、各整流電圧信号に対応したV−I変換器22a,22b,22cによって電流信号I1,I2,I3に変換される。
電流信号I1,I2,I3を合成した総電流信号は、第1電流源23aと、これに対になって設けられてカレントミラー回路23cを構成する第2電流源23bと、第2電流源23bに接続された抵抗23dとによってアナログ電圧信号に変換され、受信電力RSSI信号(以降、単に「RSSI信号」と呼称する)が得られる。
ここでRSSI(Received Signal Strength Indicator)とは、コードレス電話システム等の無線通信機器が受信する信号の強度を測定するための回路または信号のことであり、ここでは受信した電波の強度を示す指標として用いる。RSSI信号は、1mWを0dBとして、電力の大きさをdB表示したものであり一般にdBmで表される。
差分信号生成部23は、DA変換器23eと、加算器23fと、増幅器23gと、第1のAD変換器23hとを備えている。上述したRSSI信号は加算器23fに入力される。一方、DA変換器23eには信号処理部10から基準データ(後に説明する「標準値」を反映したディジタル値)が入力される。DA変換器23eは入力された基準データをアナログ信号に変換し、これのプラスマイナスを反転させてVref1信号を生成して加算器23fに出力する。これによってRSSI信号から基準値を差し引いた差分信号が生成される。
加算器23fから出力された差分信号は増幅器23gで増幅され、この差分増幅信号は第1のAD変換器23hに入力される。なお、増幅器23gで増幅することに変えて、差分信号に対して全波整流を行って、例えば図6(b)に示すRSSI信号の絶対値を取得して、これを積分するようにしてもよい(なお、整流器および積分器の構成で得られた信号も、便宜上差分増幅信号に含むものとする)。第1のAD変換器23hでは、入力された差分増幅信号を例えば10〜12bit程度の精度で量子化し、最終的にディジタル差分信号が得られる。そして、ディジタル差分信号は信号処理部10に入力される。そして信号処理部10のCPUブロック10fによって、異常が検出されたか否かが判定される。
さて、電波強度計測部20には、第2のAD変換器23iが設けられている。この第2のAD変換器23iは、上述したRSSI信号を入力として例えば10〜16bit程度に量子化されたディジタルRSSI信号を出力する。このディジタルRSSI信号は信号処理部10に入力され、例えば親機100の表示部6や子機200の表示部14に、電波強度を示す表示が行われる。更に、ディジタルRSSI信号は信号処理部10で処理されて上述した標準値が生成される。
図6(a)は、親機100と子機200との間の空間に人が存在しない状態において電波強度計測部20が計測したRSSI信号を示す説明図、(b)は、親機100と子機200との間の空間に人が入った状態において電波強度計測部20が計測したRSSI信号を示す説明図である。また、図7は、第1子機201と第2子機202との間の空間に人が入った際の電波強度計測部20が計測したRSSI信号を示す説明図である。なお、図6および図7において示すグラフにおいて、横軸の1目盛は1秒に相当し、縦軸は信号強度[dBm]を表す。
以降、第1実施形態のコードレス電話システムにおける監視機能の原理について説明する。なお、以降の説明において、図6(a)に示すように「親機100と子機200との間の空間に人が存在しない状態」を「平常時」と呼称する。なお、図6(b)や図7のように「親機と子機との間の空間に人が入った状態」は上述した「異常時」に相当する。
図6(a)に示すように、平常時では送信手段である親機100と受信手段である子機200とが通信をしている状態において、子機200で計測されるRSSI信号はほぼ一定値を保つ。ところが、図6(b)に示すように、異常時では子機200で計測されるRSSI信号の信号レベルは変動する。また、図7に示すように、異常時では送信手段である第1子機201と受信手段である第2子機202とが通信をしている状態において、第2子機202で計測されるRSSI信号の信号レベルは変動する。
このRSSI信号のレベル変動は、親機100と子機200との間(または第1子機201と第2子機202との間)の空間に人体(誘電体)が入る(より厳密には人体が移動する)ことで電波の到達ルートが変化し、これによって異なるルートの電波が相互に干渉して、強めあったり弱めあったりすることで発生すると考えられる。つまり、第1実施形態のコードレス電話システムでは、親機100および子機200の間の空間における、人体の動きの有無を検出していることになる。
図8は、親機100と子機200との送受信間距離とRSSI信号との関係を示すグラフである。図8のグラフの実線は、平常時に送信手段としての親機100がアンテナ5から電波を送出し、受信手段としての子機200がアンテナ13で電波を受信した状態において、子機200に設けられた電波強度計測部20が出力したRSSI信号をプロットしたものである。一方、破線は、異常時におけるRSSI信号を同様にプロットしたものである。なお、図8のグラフにおいて、横軸の1目盛は1mに相当し、縦軸はRSSI信号の信号強度[dBm]を表す。
図8に示すように、送受信間距離が離れるほど、平常時におけるRSSI信号は減衰していく。親機100のアンテナ5から放出される電力をP、RSSI信号(受信電力)をPrとし、送信側である親機100と受信側である子機200との距離をr、受信側のアンテナ13の有効開口面積をAeとするとき、これらの間には、
Pr=P/4πr・Ae・・・(式1)
の関係がある。即ち、受信電力Prは、電波密度(P/4πr)に有効開口面積Aeを乗じたものであり、距離の2乗に反比例する。
具体的には、図8に実線で示すように、親機100と子機200との間が、距離D1(〜1m程度の近距離)離間するとRSSI信号は−10dBm程度の値となり、距離D2(〜3m程度の中距離)離間するとRSSI信号は−20dBm程度の値となり、距離D3(〜9m程度の遠距離)離間するとRSSI信号は−30dBm程度の値となる。
そして、距離D1,距離D2,距離D3のそれぞれにおいて、平常時のRSSI信号の出力値を基準として、異常時のRSSI信号は相対的に変動する。即ち、距離D1では約20dB、距離D2では約15dB、距離D3では約10dBだけ変動する。即ち、上述した電波強度計測部20は、この変動を計測して差分信号生成部23で拡大して出力する。なお、図8に示す特性は、親機100を第1子機201に、子機200を第2子機202に置き換えた場合(即ち、子機間で通信を行う場合)であっても、ほぼ同様の傾向となる。
図9は、防犯処理を実行するフローを示すフローチャートである。第1実施形態のコードレス電話システムでは、異常を検出すると所定の防犯処理を実行する。以降、図9に図2、図4、図5を併用して、防犯処理に至る過程について説明する。
コードレス電話システムの電源が投入されると、親機100および子機200では信号処理部10によって初期化動作が実行される(ST01)。そして、親機100によって制御データが送信される期間である制御スロット(詳細は後述する)に対して、子機200は受信タイミングを同期させて通常待ち受け状態となる(ST02)。
通常待ち受け状態において、親機100の信号処理部10(CPUブロック10f)は監視指示ボタン7aの押下の有無を検出し、監視開始が指示されたか否かを判断する(ST03)。ここで、ユーザが親機100の監視指示ボタン7aを押下すると、信号処理部10は監視開始の指示が発生したと認識し(ST03でYes)、以降、監視が実行される。
なお、以降の説明において、単に信号処理部10、無線部12、電波強度計測部20と称するときはいずれも子機200に設けられている構成要素を指すものとする。親機100に設けられた信号処理部10等について言及するときは、「親機100の信号処理部10」のように明示して説明する。監視を開始するにあたって、親機100は子機200に対して制御スロット(後述する)において「監視の実行を指示する指示コマンド」(以降、「監視モード信号」と呼称する)を送出する(ST04)。無線部12は「監視モード信号」を受信して、信号処理部10に対して、監視モード信号を受信した旨を通知する。これを受けた信号処理部10は、無線部12に設けられた電波強度計測部20から第2のAD変換器23iのディジタルRSSI信号を得て、上述した「標準値」の算出を開始する(ST05)。
上述したように、第2のAD変換器23iが出力するディジタルRSSI信号は、電波強度を直接示す数値である。そして、これも図8を用いて説明したように、RSSI信号の強度(受信電力)は親機100と子機200との位置関係で変化する。通常の家屋においては、コードレス電話システムの親機100は固定的に配置されていることが多いが、他方の子機200は設置場所を固定しないことも多い。そして、この子機200を家屋の監視目的に利用する場合、子機200を例えば窓際に移動するようなケースも多くなる。即ち、第1実施形態のように親機100と子機200との間の電波強度に基づく監視では、監視する場所が変更される可能性が高いため、親機100の監視指示ボタン7aが押下されて、監視を開始する都度、RSSI信号の変化を計測する基準となる「標準値」を再取得(校正,キャリブレーション)することが望ましい。
更に、親機100の監視指示ボタン7aが押下され、子機200において上述した「監視モード信号」が受信されても、子機200における「標準値」の再取得は、直ぐには開始されない。これは、通常、親機100の監視指示ボタン7aが押下されても、家屋から直ちに住人が不在となることは少なく、家人が退出していない状態で取得された「標準値」には誤差が含まれる可能性が高いからである。
以下に、人の不在を検出する過程を説明する。子機200は「監視モード信号」を受信すると、信号処理部10においてディジタルRSSI信号のモニタを開始するが、このモニタの周期を例えば1sec程度に設定して所定の個数のディジタルRSSI信号を得て、この分散(δ)を計算する。そして分散が所定値以下になったのを確認した後に、「標準値」の取得を行う。もちろん、分散を利用することなく、例えば、「監視モード信号」を最初に受信したときに所定期間のタイマを動作させ、所定時間経過後に「標準値」の取得をするようにしてもよい。
また、コードレス電話システムは親機100を介して電話回線と接続されているから、ユーザは外出先から親機100に所定のコマンドを発行することが可能である。このコマンドによって親機100に監視開始を指示すると、親機100は上述した手順で子機200に「監視モード信号」を送信して監視を開始する。ただし、外出先からのコマンドを受けて監視を開始する場合、子機200は人の不在を検出することなく、直ちに「標準値」の取得を開始してもよい。
「標準値」の生成過程において、信号処理部10はディジタルRSSI信号のモニタ周期を比較的短く設定(例えば200ms。「標準値」を速やかに取得するためである)するとともに、所定の個数(奇数個。例えば7個)のディジタルRSSI信号に対してメディアンフィルタを適用して中央値を取得してもよい。メディアンフィルタは例えば画像処理分野では降雪除去等に用いられており、時間軸方向で発生する突発的な事象を有効に除去することができる(即ち背景差分のベースを生成するのに有効)。
メディアンフィルタを用いることで、例えば風でカーテンが揺れるような突発的なノイズを有効に除去することができる。そして信号処理部10はメディアンフィルタの出力を平均化して「標準値」とすればよい。なお、この平均化処理は、移動平均を取得することで時間の経過とともに継続して行ってもよい(即ち、「標準値」を時間経過とともに変化させる)。
このようにして「標準値」が算出されると、信号処理部10は上述した基準データとして「標準値」をDA変換器23eに設定し、DA変換器23eは「標準値」に対応した電圧の正負を反転させてVref1を出力する。この結果、信号処理部10は所定のサンプリング周期(後に説明するように、10ms)毎に、RSSI信号とVref1(いずれもアナログ信号)の差分をディジタル化したディジタル差分信号を入手する。そして信号処理部10は、ディジタル差分信号を処理してRSSI信号の変動を計測する(ST06)。このように、RSSI信号の変動を取得する過程は、画像処理の技術分野において、画像の変化を検出する際に用いられる「背景差分」の考え方に近いものとなっている。なお、「標準値」は平常時のRSSI信号そのものであるから、監視中において信号処理部10にて第2のAD変換器23iの出力をモニタし、このモニタ結果と「標準値」の差分を逐次計算することでソフト処理によって異常を検出することも可能である。
ディジタル差分信号は正負の値をとりうるため、信号処理部10は、ディジタル差分信号の絶対値を取得し、これを複数回にわたって加算して、その平均値を取得する。平均値は所定個数のディジタル差分信号を取得する毎に単純平均を取得してもよく、ディジタル差分信号を入手する毎に、これまでの加算値から最も過去のデータを捨てて最新の値を加え、この合計値の平均を取得する方法(移動平均)としてもよい。またディジタル差分信号を加算する期間は、例えば0.5〜3秒程度に設定するとよい。
次に、信号処理部10は、ディジタル差分信号の平均値を予め定めておいた閾値と比較する(ST07)。親機100と子機200との間隔が離れるほど、RSSI信号の絶対的な大きさは小さくなり、またRSSI信号の相対的な変動幅も同様に小さくなる(図8参照)。ここで、RSSI信号の値を直接反映している「標準値」は実質的に親機100と子機200との距離の目安と考えてよいため、第1実施形態では、「標準値」に応じて閾値の値を変更している。具体的には、「標準値」が近距離を示す場合の閾値は大きく、遠距離を示す場合の閾値は小さく設定している。更に、例えば「標準値」が近距離を示す場合の閾値は複数段階に設けられ、ユーザは、監視の感度を高感度から低感度に例えば3段階に切り替え可能になっている。なお、この感度の指定は、例えば親機100の操作部7(図2参照)によって設定される。
次に、ディジタル差分信号の平均値が所定の閾値以上である場合(ST07でYes)、子機200は異常時であることを認識し、防犯処理を開始する。防犯処理として、例えば所定のアラーム音を再生し、鳴動音による警報処理を実行する(ST08)。具体的には、子機200は、記憶部11に予め格納しておいた音声データを信号処理部10で音声信号に変換してリンガ用スピーカ18から再生する。この音声データは、例えば単純な鳴動音に対応したものであってもよいし、「不審者が検出されました」のような意味を持つメッセージに対応したものであってもよい。
一方、ディジタル差分信号の平均値が所定の閾値未満である場合(ST07でNo)、処理をST09に移す。なお、ST07でNoの場合は、ST09に処理を移す前に防犯処理を停止してもよい。また、ST07でNoとなる回数をカウントし、これが所定回数となった場合に防犯処理を停止してもよい。もちろん、防犯処理の停止をST09でYesの場合にのみ行うようにしてもよい。
なお、防犯処理は鳴動や音声の再生に限定されない。例えば、予め子機200の記憶部11に登録された警備会社等の電話番号に対して発呼処理を実行してもよい。そして、先方が応答した場合は、子機200の通話用スピーカ17とマイクロフォン16(図4参照)とを駆動して、いわゆるスピーカーフォンによる通話処理を実行してもよい。更に、まずは鳴動等の警報を発したのち、それでも所定期間にわたって異常が継続して検出された場合に警備会社への通報を行うように、処理を段階的にしてもよい。このようにすることで、誤検出を有効に防止し、更に、家人が帰宅したような場合に警備会社等への無用な通報を避けることができる。
また、防犯処理は無線回線を介した報知処理であってもよい。ここでいう「無線回線を介した報知」とは、例えば、子機200から親機100への通報や、子機間の通報であり、親機100は子機200から異常時であることを報知されると、親機100自らが上述した種々の処理を実行してもよい。また、子機200は親機100から制御スロットで送信された制御データに応答して、上述したディジタル差分信号の値を親機に送信してもよく、ディジタルRSSI信号と「標準値」とを親機100に送信してもよい。そして、このような送信処理も全て防犯処理に含まれる。また、防犯処理は上述したいずれかの処理を含んでいればよく、複数の処理を組み合わせて実行してもよい。
次に、信号処理部10によって、終了操作がされたか否かが確認される(ST09)。監視指示ボタン7aが再度押下されたことを親機100の信号処理部10が検出すると、監視の終了指示があったと認識される。親機100の信号処理部10は、これに基づき「監視モード信号」の送信を停止する(周期的に発生する制御スロットにおいて制御データの送信は停止されないが、制御データから監視を指示するコマンドが削除される)。そして、子機200は監視の終了を認識すると(ST09でYes)、上述したディジタル差分信号の評価を停止して、監視を終了する(ST10)。
一方、子機200が監視の終了を認識しない場合(ST09でNo)、処理はST06に移り、上述してきた監視を繰り返し行う。
次に信号処理部10は、例えば子機200の電源スイッチOFFを検出する等を行って処理終了を確認する(ST11)。電源スイッチOFF等の場合(ST11でYes)、子機200はプログラムを終了する。処理終了でない場合(ST11でNo)、処理はST02に戻る。
図10は、DECTのフレーム構成を説明する説明図である。DECTでは10ms周期の1フレームに24スロット(アップリンク用に12スロット、ダウンリンク用に12スロット)を含んで構成される。通常は、スロット1(S1)〜スロット12(S12)は親機100から子機200への通信に使用され、スロット13(S13)〜スロット24(S24)は子機200から親機100への通信に使用される。親機100と子機200との間の通信では、スロット1(S1)およびスロット13(S13)、スロット2(S2)およびスロット14(S14)のように5ms離れた位置関係にあるスロットを組み合わせて(ペアスロット)、1つの通信チャネルとして使用する。
そして、親機100から子機200へ送信が行われる12スロットの中の少なくとも1つのスロット(例えばスロット1(S1))は制御データを送るための制御スロットとされている。制御データは、フレーム内の1つのスロットで親機100から常時(周期的に)送信される。なお、親機100から子機200への制御通信中に電波干渉が発生したときなどに備えて、遊休中のスロット(例えば、スロット1(S1)を制御スロットとして使用している場合は、スロット2(S2)〜スロット12(S12))について、そのスロットが他機器により使用されているか否かを検出し、実際にスロット1(S1)で電波干渉等が発生した場合は、制御スロットをスロット2(S2)に移してもよい。そして、これと連動して、制御スロットに対する応答スロット(制御スロットに対する応答に用いられるスロット。子機200から親機100へのデータ送信の際に使用する)はスロット14(S14)に設定される。このように制御スロットとしてどのスロットを利用するかは、親機100と子機200とのネゴシエーションによって決定される。
各スロットはそれぞれ416.67μs(=10ms/24)幅で規定され、各スロットでは同期信号フィールド30と、制御データフィールド31と、CRC1フィールド32と、情報データフィールド33と、CRC2フィールド34とが規定されている。
同期信号フィールド30は、ビット同期を取るためのデータ列とスロット同期を取るためのデータ列とから構成される固定データを含んでいる。CRC1フィールド32には、制御データフィールド31のデータ列に基づいて算出されたCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)符号が書き込まれ、制御データフィールド31の伝送誤りを検出する。CRC2フィールド34は、同様にして情報データフィールド33の伝送誤りを検出する。CRCによって誤りが検出された場合、子機200は親機100に再送要求を行うことができる。
制御データフィールド31(A−fieldと呼称されることがある)は、親機100から子機200に制御データを渡すためのフィールドであり、発呼・着呼時および待ち受け時等に必要な制御データをやりとりする。具体的には、制御データには識別情報(いわゆるID)、機器能力、通信品質、呼設定や切断、伝送誤りが検出された際の再送制御データなどが含まれる。そして、制御データには、上述した「監視モード信号」が含まれている。従って、子機200は制御スロットにおいて受信したデータのうち制御データフィールド31を参照することで制御データを取得し、監視が指示されたことを認識する。なお子機200は、制御スロットとペアの応答スロットにおいて、制御データフィールド31に子機200側のステータス等(例えば、上述したディジタルRSSI信号の値)を含ませて親機100に送信してもよい。
一方、情報データフィールド33(B−fieldと呼称されることがある)は、音声データ、画像データのパケットを格納するフィールドである。
親機100と子機200との間で音声データを送受信する際は、情報データフィールド33に音声データが書き込まれるが、制御スロットにおいては同期信号フィールド30、制御データフィールド31、CRC1フィールド32が有効であって、情報データフィールド33およびCRC2フィールド34は使用されない。逆に言えば、コードレス電話システムが着信していなくても(待ち受け状態であっても)、親機100は子機200に対してフレーム期間毎の制御スロットにおいて制御データを送信し、子機200は当該制御データを受信している。そして、子機200は親機100に対して必要に応じて、当該制御スロットに対応した応答スロットを用いて親機100にデータを送信する。これを利用することで、子機200は、上述した防犯処理に利用するデータ(例えば増幅差分信号)を親機100に送信することができる。
図11は、第1実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機100と子機200とが利用するスロットの状態を示す説明図である。図11では、親機100と子機200とが通常待ち受け状態にあり、「親機子機間監視ON」のタイミングで、親機100の監視指示ボタン7aが押下され、監視が開始された後の過程を示している。なお、親機100と子機200との間で監視を開始すると、図9を用いて説明したように、「標準値」を取得するプロセスが実行されるが、簡単のために、図11ではこれを省略している(第2,第3実施形態も同じ)。また、図10を用いて説明したように、実際のペアスロットは5ms離間しているが、図11では、これを簡略化して記載している(第2実施形態以降も同じ)。
監視を開始する以前から、親機100と子機200との間では、送受信の同期がとられ、親機100は各フレーム(10ms)内の期間TxPo(n)(n=1,2,3...。第2実施形態以降も含め、以下同様)として設定した制御スロットにおいて制御データを送信し、子機200は期間TxPo(n)と同期した期間RxC1o(n)において制御データを受信している。このとき、制御データには上述した「監視モード信号」は含まれない。
その後、親機100の監視指示ボタン7aが押下されて、親機100と子機200間との間で監視が開始されると、親機100は制御スロットとしての期間TxPe(n)において「監視モード信号」を含む制御データを送信し、子機200は期間RxC1e(n)において制御データを受信する。「監視モード信号」が含まれる制御データを受信した子機200は、制御データを受信した際に観測されたRSSI信号に基づいて上述したディジタル差分信号の計測および平均値の取得を開始する。
このように第1実施形態では、平常時は親機100と子機200との同期を維持等するために設けられた制御スロットを、監視を行うために(即ちRSSI信号を計測するために)利用する。これによって、親機100は監視を実行する際に特別なスロットを割り当てることなく、単に制御データ(制御データフィールド31)に「監視モード信号」を含ませるだけで、子機200によってRSSI信号が計測されて、監視が実行される。
そして監視の結果、例えば期間RxC1e(4)において異常が検出されると、子機200は図9のST08で説明した防犯処理を実行する。また、子機200は期間TxPe(4)で送信された制御データを期間RxC1e(4)で受信し、これに対する応答スロットである期間TxC1e(1)に応答データを送信し、応答データは期間RxPe(4)において親機100に受信される(厳密には期間RxPe(4)の全期間で受信される訳ではなく、制御スロットから5ms遅延するスロットが選択される)。この応答データにも制御データフィールド31が含まれており、異常を検出した旨を子機200が当該制御データフィールド31に書き込んでおくことで、親機100は制御データフィールド31を解析することで、子機200で異常が検出されたことを認識する。そして、親機100も上述した防犯処理のいずれかを実行する。
第1実施形態では親機100と子機200との間で制御データを送受信する際に、子機200の側でRSSI信号を計測して、異常を検出するようにしている。以上、親機100と子機200を用いて監視を実行する場合について説明したが、第1子機201と第2子機202とを用いて、これらの間に不審者等が入ったことを検出してもよい。この場合、例えば第1子機201が送信した電波を第2子機202で受信して、第2子機202で電波強度を計測する。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
第1実施形態では、親機100から送信された制御データを子機200で受信し、子機200において受信した際の信号強度(RSSI信号)を計測して異常を検出する構成を説明した。第2実施形態は、親機100でRSSI信号を計測して異常を検出する。
図12は、第2実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機100と子機200とが利用するスロットの状態を示す説明図である。
第1実施形態と同様に、監視を開始する以前から、親機100と子機200との間では、送受信の同期がとられ、親機100は期間TxPo(n)に設定した制御スロットにおいて制御データを送信し、子機200は期間TxPo(n)と同期した期間RxC1o(n)において制御データを受信している。このとき、制御データには上述した「監視モード信号」は含まれない。
例えば親機100の監視指示ボタン7aが押下されて、親機100と子機200間との間で監視が開始されると、親機100は期間TxPe(n)において「監視モード信号」を含む制御データを送信し、子機200は期間RxC1e(n)において制御スロットを受信する。「監視モード信号」が含まれる制御データを受信した子機200は、その応答スロットである期間TxC1e(n)に応答データを親機100に送信する。
第2実施形態では、この応答データ(上述した制御データフィールド31(図10参照)に書き込まれている)には「監視モード信号」が含まれており、親機100は制御データフィールド31を解析することで、監視開始の指示があったことを認識する。親機100は、親機100の無線部12に含まれる電波強度計測部20(図3参照)によってディジタル差分信号を計測して監視を実行する。そして親機100は異常を検出すると、上述した防犯処理を実行する。更に親機100は、例えば期間TxPe(5)において、子機200に対して制御スロットを用いて防犯処理の実行を指示することができる。これによって、子機200も例えば鳴動等の防犯処理を実行する。
なお、上述した例では子機200から親機100に送信される応答データに「監視モード信号」を含むようにしたが、親機100は監視を開始すべきことをユーザの指示によって認識しているので、「監視モード信号」の存在は必須のものではない。即ち、応答データをダミーデータで構成してもよい。
第2実施形態の構成では、親機100に設けた電波強度計測部20によって、監視を実行するため、子機200が屋内に複数存在する場合に、各子機200に割り振られた制御スロットの応答に基づいて、一元的に監視を実行することが可能となる。即ち、親機100と複数の子機200との間で、制御スロットと応答スロットとの期間(つまり、1フレーム内における制御スロットと応答スロットとで構成される通信チャネル)を異ならせておけば、親機100は複数の子機200からの応答を用いて監視を実行することができる。
なお、第2実施形態の構成において、制御データと応答データとを交換する際に、子機200は親機100に対して「監視モード信号」を送信するのではなく、制御データフィールド31に、第1実施形態で説明したディジタルRSSI信号またはディジタル差分信号の値を書き込んで送信してもよい。この場合、子機200でRSSI信号を計測するが、異常が検出されたか否かは親機100で判断することになる。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
第1実施形態および第2実施形態では、親機100と子機200との間で監視を行っているが、第3実施形態では、第1子機201と第2子機202との間で送受信される電波を用いて監視が行われる。具体的には第1子機201と第2子機との間で設定された監視用スロット(第2の制御スロット)で、第1子機201から送信した監視用データ(第2の制御データ)を第2子機202で受信し、第2子機202が監視用データを受信した際のRSSI信号を計測することで、第2子機202が異常を検出する構成となっている。
図13は、第3実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機100と第1子機201と第2子機202とが利用するスロットの状態を示す説明図である。図13では、親機100と第1子機201および第2子機202とが通常待ち受け状態にあり、親機100の操作部7(図2等参照)によって第1子機201と第2子機202とを用いて監視を行う旨が指定され、「子機間監視ON」のタイミングで監視指示ボタン7aが押下されて、監視が開始される過程を示している。なお、第1子機201と第2子機202との間で監視を開始すると、第2子機202において図9を用いて説明した「標準値」を取得するプロセスが実行されるが、簡単のために、図13ではこれを省略している(第4,第5実施形態も同じ)。
監視を開始する以前から、親機100と第1子機201との間、ならびに親機100と第2子機202との間では送受信の同期がとられている。親機100は期間TxPo(n)に設定した制御スロットにおいて制御データを送信し、第1子機201は期間TxPo(n)と同期した期間RxC1o(n)において、第2子機202は同様に期間RxC2o(n)において制御データを受信している。このとき、制御データには上述した「監視モード信号」は含まれない。第1子機201と第2子機202とはそれぞれが独立して親機100と同期をとる結果(親機100が設定する制御スロットは1つなので)、期間RxC1o(n)および期間RxC2o(n)は結果的に同一のスロットとなる。
親機100の監視指示ボタン7aが押下されて、第1子機201と第2子機202との間で監視が開始されると、親機100は制御スロットである期間TxPe(n)において「監視モード信号」を含む制御データを送信し、第1子機201は期間RxC1e(n)において、第2子機202は期間RxC2o(n−3)において制御データを受信する。
そして、この制御データを受信した第1子機201は、第2子機202に対して監視用スロット(第2の制御スロット)として期間TxC1e(n)を設定し(第2子機202では期間RxC2e(n)が設定される)、監視用スロットにおいて監視用データ(第2の制御データ)を送信する。監視用データはNULL等で構成されていてもよいが、上述した制御データフィールド31に例えば、監視を行う子機のペアを特定するために第1子機201のID、第2子機のID等、通常の制御データと同様の構造を備えていてもよい。このように監視用データは制御データとしての側面も備えている。
また、監視用データに含まれ監視を実行するか否かを指示する「監視モード信号」は、親機100から第1子機201および第2子機202の両方に送信されてもよく、第1子機201から第2子機202に送信されてもよい。ただし「監視モード信号」を親機100から複数の子機200に送信する場合、それぞれの子機200の役割を指示するため、監視用データには各子機に対応してマスター機器またはスレーブ機器を指定するビットが含まれている。そしてマスター機器として指定された子機200が第1子機201となり、スレーブ機器として指定された子機200が第2子機202となる。
「監視モード信号」が含まれる監視用データを受信すると、第2子機202は「標準値」を取得した後、監視用データを受信した際のRSSI信号に基づいて上述したディジタル差分信号の計測および平均値の取得を開始する。そして第2子機202は異常を検出すると、上述した防犯処理を実行する。更に、例えば親機100が制御データを送信する制御スロットである期間TxPe(n)に対する応答スロットである期間TxC2e(n)において、第2子機202は親機100に対して応答データを送信し、親機100は応答データを解析することで、第2子機202が異常を検出したことを認識することができる。そして親機100においても防犯処理が実行される。
更に、親機100は制御スロットである期間TxPe(5)において、第1子機201に異常時であることを通知する。これによって、第1子機201においても防犯処理が実行される。即ち、第2子機202で異常を検出すると、例えば親機100、第1子機201も一斉に鳴動を始める。
なお、第3実施形態では、第1子機201が第2子機202に監視用データを送信する監視用スロットを用いて「第2子機202で」監視を実行しているが、監視用スロットに対する応答スロットを用いて第2子機202が第1子機201に監視用データを戻すようにし、この応答スロットにおける電波強度を「第1子機201で」検出し、第1子機201および第2子機202の双方で異常を検出した場合を「異常時」と規定するようにしてもよい。このようにすることで、子機の特性ばらつきに起因する誤検出を防止することができる。
また、図13に示す構成を活用すると、親機100が制御スロットである期間TxPe(n)に制御データを送信し、これを第1子機201および第2子機202で受信をした際に、第1子機201および第2子機202でそれぞれRSSI信号を計測し、更に上述したように第1子機201から第2子機202に監視用データを送信して、これを受信した第2子機202でRSSI信号を計測することもできる。このようにすれば、親機100と第1子機201と第2子機202の三者で構成される三角形の空間において監視を実行することが可能となる。そして、このとき第2子機202は親機100および第1子機201に対する共通のスレーブ機器になるため、例えば上述した「標準値」はそれぞれのマスター機器に対して取得するのが望ましい。
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。
第3実施形態では子機間で監視を行う場合を想定し、親機100が制御スロットで制御データを第1子機201と第2子機202とに送信するようにして、第2子機が異常を検出すると、その旨は親機100に送信されていた。第4実施形態ではRSSI信号を計測する第2子機202で異常を検出するとともに、異常を検出した旨は一旦第2子機202から第1子機201に通知され、その後、第1子機201から親機100に送信される構成となっている。
図14は、第4実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、親機100と第1子機201と第2子機202とが利用するスロットの状態を示す説明図である。図14では、監視が開始されるまでの状況は第3実施形態と同様であるため、説明を省略する。
親機100の監視指示ボタン7aが押下されて、第1子機201と第2子機202との間で監視が開始されると、親機100は制御スロットである期間TxPe(n)において「監視モード信号」を含む制御データを送信し、第1子機201は期間RxC1e(n)において、第2子機202は期間RxC2o(n−3)において制御データを受信する。
そして、この制御データを受信した第1子機201は、第2子機202に対して監視用スロットとして期間TxC1e(n)を設定し、監視用スロットにおいて監視用データを送信する。監視用データの構成は第3実施形態と同様である。そして第1子機201は、第2子機202に監視用データを送信した後、監視用スロットに対応する応答スロットにおいて第2子機202からの応答データを受信する。
第2子機202は監視用データを受信すると監視を開始し、その後異常を検出すると防犯処理を実行するとともに、第1子機201が監視用データを送信した監視用スロットに対応する応答スロットである期間TxC2e(n)において、第1子機201に対して応答データを送信する。第1子機201は応答データを解析することで、第2子機202によって異常が検出されたことを認識する。そして第1子機201おいても防犯処理が実行される。更に、例えば、期間TxC1e(5)において、第1子機201は「第2子機202が異常を検出したこと」を親機100に通報する(このとき期間TxC1e(5)は、親機100と第2子機202の双方で受信され、いわゆるマルチキャストの状態を構成する)。これによって親機100は、第2子機202によって検出された異常を間接的に認識することができる。そして親機100においても防犯処理が実行される。
このように第4実施形態では、第2子機202で検出された異常である旨は、第1子機201から親機100へと、いわゆるバケツリレー方式で送信される。これを応用すると、例えば、数100m程度の長い空間において、30mに1台程度の割合で子機200を配置していけば、先頭と末尾の子機200が、コードレス電話システムで保証する電波の届く範囲を超えていても、その空間を監視することが可能となる。
(第5実施形態)
以下、本発明の第5実施形態について図面を参照しながら説明する。
第1実施形態ないし第4実施形態では、親機100が子機200(第1子機201、第2子機202を含む)に対して、制御スロットの期間に制御データを送信し、これに基づいて監視が実行されていた。第5実施形態では、第1子機201と第2子機202とが親機100の介在なしに監視を行う構成となっている。
図15は、第5実施形態のコードレス電話システムにおいて、防犯処理を実行する過程で、第1子機201と第2子機202とが利用するスロットの状態を示す説明図である。図15では、第1子機201および第2子機202は親機100から制御データを受信できない、いわゆる圏外に設置されている状況を想定している(ただし、親機100と通信が可能であっても構わない)。
この状況において、第1子機201の監視指示ボタン15aが押下されると、第1子機201は、それまで受信に用いていたタイミングにおいて、制御スロットとして期間TxC1e(n)を設定して第2子機202に対して「監視モード信号」を含む制御データを送信する。この制御スロットは、例えば圏外となる直前に親機100によって使用されていた制御スロットを同一の周波数帯域で利用すればよい(第1子機201は、それまでに親機100から受信していた制御データによって、その情報を獲得している)。もちろん、子機間の監視がONとされた時点で、第1子機201と第2子機202との間で新たに同期および役割のネゴシエーションをとってもよい。
第2子機202は、「監視モード信号」を含む制御データを受信すると、「標準値」を取得した後、制御データを受信した際のRSSI信号に基づいて上述したディジタル差分信号の計測および平均値の取得を開始する。そして第2子機202は異常を検出すると、上述した防犯処理を実行する。更に第2子機202は、制御スロットである期間TxC1e(n)に対する応答スロットである期間TxC2e(n)において、第1子機201に対して応答データを送信し、第1子機201は応答データを解析することで、第2子機202が異常を検出したことを認識することができる。そして第1子機201においても防犯処理が実行される。
このように第3実施形態ないし第5実施形態では、子機間で監視用データを送受信する監視用スロットを設け、この監視用スロットにおける電波強度の計測結果を利用して監視を行っている。第1子機201および第2子機202は可搬性に優れることから、監視を必要とする場所に容易に設置できる。例えば、窓やドアを挟んで左右に第1子機201と第2子機202とを設置することで、家屋の特定の場所に対して簡単に監視を行うことが可能となる。
また、上述した各実施形態において、監視対象は「本来人が居ないはずの場所における人の存在(特に人体の動きがあること)」である。一方、本発明によれば、更に「本来人が居るはずの場所における人の不在(特に人体の動きがないこと)」を検出することが可能となる。これによって、所定期間にわたって上述したディジタル差分信号に変化が現れない場合を異常として取扱い、例えば通報をするようにしてもよい。これによって、本発明のコードレス電話システムおよび監視装置は、例えば介護が必要とされる者の安否確認(見守り)等にも応用することができる。
以上、本発明に係るコードレス電話システムおよび監視装置について特定の実施形態に基づいて詳細に説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。例えば、各実施形態においては、子機を2台として説明したが子機の台数は2台より多くしてもよい。なお、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明に係るコードレス電話システムおよび監視装置は、コードレス電話システムを構成する親機や子機に人体検知を目的とするセンサを別途設けることなく、親機と子機との間、または複数の子機の間で、非常に簡易な構成で空き巣等不審者の侵入を確実に検出することが可能であることから、DECT、PHS、sPHS等を採用するコードレス電話システムにおいて好適に利用することができる。
7a 監視指示ボタン
10 信号処理部(制御部)
10f CPUブロック
15a 監視指示ボタン
20 電波強度計測部(強度計測手段)
21 リミッタアンプ部
22 V−I変換部
23 差分信号生成部
23e DA変換器
23h 第1のAD変換器
23i 第2のAD変換器
31 制御データフィールド
33 情報データフィールド
100 親機
200 子機
201 第1子機
202 第2子機

Claims (4)

  1. 電話回線に接続された親機と、前記親機との間で無線回線を通じて時分割多元接続にて電波を送受信する第1子機とを備えるコードレス電話システムであって、
    前記第1子機は、
    前記無線回線上で前記第1子機との同期を維持するためにフレーム周期毎の制御スロットにおいて前記親機から送信される制御データを受信したときの電波強度を計測する強度計測手段と、
    前記強度計測手段の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する制御部と、
    備え、
    前記制御部は、監視の実行を指示するコマンドを含む制御データを受信したときに、前記強度計測手段が計測した電波強度の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行するとともに、前記制御部は、異常を検出したときは、前記制御スロットに対応する応答スロットにおいて前記親機に異常を検出した旨を通報することを特徴とするコードレス電話システム。
  2. 電話回線に接続された親機と、前記親機との間で無線回線を通じて時分割多元接続にて電波を送受信する第1子機および第2子機を備えるコードレス電話システムであって、
    前記第1子機と前記第2子機とは前記無線回線を通じて時分割多元接続にて互いに電波を送受信し、
    前記第1子機は、
    前記親機から監視の実行を指示するコマンドを含む制御データを受信したときに、前記親機と前記第1子機との間で送受信される制御データの送受信タイミングとは異なるタイミングで、前記第2子機に対して電波強度の計測に利用する監視用データを送信し、
    前記第2子機は、
    前記第1子機が送信した前記監視用データを受信した際の電波強度を計測する強度計測手段と、
    前記強度計測手段の計測結果に基づいて所定の防犯処理を実行する制御部と、を備えることを特徴とするコードレス電話システム。
  3. 前記制御部は、
    前記強度計測手段によって計測された電波強度の標準値を予め取得し、
    前記強度計測手段によって計測された現在の計測値と、前記標準値との差分が所定の閾値を越えた場合に、所定の防犯処理を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコードレス電話システム。
  4. 前記所定の防犯処理は、鳴動音による警報、所定のメッセージの再生、予め定められた通報先への発呼、前記無線回線を介した報知の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコードレス電話システム。
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