JP5438608B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シートに着座した乗員をウェビングによって拘束するシートベルト装置に関するものである。
車両のシートベルト装置として、緊急時に車両挙動が不安定になったときに、ウェビングの引き出しを機械的にロックする緊急ロック機構を備えたものが知られている。
この緊急ロック機構は、ウェビングを巻回するベルトリールの側部に、ベルトリールとの間に所定以上のトルクが作用したときに相対回転するロック作動ドラムと、ベルトリールとロック作動ドラムが一方向に相対回転したときにケーシングのロック溝と噛合するロック爪とが設けられている。さらに、ロック作動ドラムに近接した位置には車両が不安定状態であるとき(例えば、車両に所定量以上の加速度(減速度)が作用した場合や、車両が所定量以上傾斜したとき)に作動するビークルセンサが設けられ、ビークルセンサの作動によってロック作動ドラムに制動力が作用するようになっている。
このため、車両挙動が不安定になってビークルセンサが作動すると、ロック作動ドラムが制動され、ウェビングが引き出されようとしたときに、ベルトリールとロック作動ドラムが一方向に相対回転する。これにより、ロック爪がケーシングのロック溝と噛合し、その結果、ベルトリールのウェビング引き出し方向の回転がロックされる。
また、緊急ロック機構がロック作動した後に、ウェビングの引き出し方向の力が無くなりベルトリールが戻しばねの力によって巻取り方向に回転すると、ベルトリールとロック作動ドラムが他方向に所定量相対回転したところで、ロック爪とロック溝の噛合が自動的に解除される。
ところで、近年、車両のシートベルト装置として、戻しばねの巻取り補助や、車両状態に応じた乗員拘束のために、モータをベルトリールに接続したものが知られている。
このようなモータを備えたシートベルト装置では、緊急ロック機構のロック解除をモータで行うことが検討されている。この場合、緊急ロック機構が作動してベルトリールのウェビング引き出し方向の回転がロックされているときに、モータでベルトリールを巻取り方向に所定量以上回転させることにより、緊急ロック機構のロックを強制的に解除する(例えば、特許文献1参照)。
特許第3652683号公報
しかし、従来のシートベルト装置の場合、緊急ロック機構のロック解除時に、モータがウェビングリールを巻き取り方向に急激に回転させるため、唐突な締め込み感を乗員に与え、乗員が誤作動と間違えることが懸念される。
そこでこの発明は、乗員に違和感を与えることなく、緊急ロック機構を確実に解除することのできるシートベルト装置を提供しようとするものである。
この発明に係るシートベルト装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、ウェビング(例えば、実施形態のウェビング5)を巻回したベルトリール(例えば、実施形態のベルトリール12)と、車両挙動が不安定になったときに、前記ベルトリールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックし、前記ベルトリールのウェビング巻取り方向の所定量以上の回転によってロックが自動的に解除される緊急ロック機構(例えば、実施形態の緊急ロック機構22)と、前記ベルトリールに回転駆動力を付与するモータ(例えば、実施形態のモータ10)と、このモータを制御する制御装置(例えば、実施形態のコントローラ21)と、を備えたシートベルト装置において、前記制御装置は、前記緊急ロック機構のロック解除時に、前記モータをウェビング巻き取り方向に低速で駆動し、ウェビングの張力が所定値以上になったときに、前記モータの駆動速度を高速に切り換えることを特徴とする。
この場合、車両挙動が不安定になって緊急ロック機構がロックし、その後に車両状態が安定すると、制御装置が、最初にモータをウェビング巻き取り方向に低速で駆動する。こうしてウェビングを低速で巻き取っている間に、ウェビングの張力が所定値以上になると、制御装置がその時点でモータの駆動速度を高速に切り換える。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るシートベルト装置において、前記制御装置は、前記モータをウェビング巻き取り方向に低速の第1の速度で駆動する低速巻き取り手段(例えば、実施形態の低速巻き取り手段50)と、前記モータをウェビング巻き取り方向に高速の第2の速度で回転させる高速巻き取り手段(例えば、実施形態の高速巻き取り手段51)と、前記モータの通電電流を検出する電流検出手段(例えば、実施形態の電流検出手段52)と、を備え、前記緊急ロック機構のロック解除時には、前記低速巻き取り手段による前記モータの駆動を実行し、前記電流検出手段が所定値以上の電流値を検出したときに、前記高速巻き取り手段による前記モータの駆動に切り換えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、緊急ロック機構のロック解除時に、最初にモータをウェビング巻き取り方向に低速で駆動し、ウェビングの張力が所定値以上になった時点でモータの駆動速度を高速に切り換えるため、ロック解除の初期段階で、乗員に急激な引き込み感を与えずウェビングの巻き取りを開始し、乗員がロック解除が開始されたことを把握し始めた時点から素早くロック解除位置までウェビングを引き込むことができる。したがって、この発明によれば、乗員に違和感を与えることなく、確実に緊急ロック機構を解除することのできる。
請求項2に係る発明によれば、緊急ロック機構のロック解除時には、最初に低速巻き取り手段によるモータの駆動を実行し、ウェビングの張力が増大して電流検出手段による電流の検出値が所定値以上になった時点で高速巻き取り手段によるモータの駆動に切り換えるため、簡単な構成でありながら、乗員に違和感を与えることなく、確実に緊急ロック機構を解除することのできる。
この発明の一実施形態のシートベルト装置の概略構成図である。 この発明の一実施形態のシートベルト装置のベルトリールとコントローラを中心とする概略構成図である。 この発明の一実施形態のシートベルト装置の緊急ロック機構の分解斜視図である。 この発明の一実施形態のシートベルト装置の制御の流れを示すフローチャートである。 この発明の一実施形態のシートベルト装置の制御の流れを示すフローチャートである。 この発明の一実施形態のシートベルト装置の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、シートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座する運転席側のシートである。
このシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルトであり、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。また、シートベルト装置1は、車両の挙動が不安定になったときや、通常走行時にウェビング5に弛みがあるとき等に電動式のモータ10によって自動的にウェビング5の巻取り引き出し操作を実行する。モータ10はコントローラ21(制御装置)によって制御される。
図2は、リトラクタ4とコントローラ21の機能を説明するためのシートベルト装置1の概略構成図である。
リトラクタ4は、図2に示すようにケーシング14(図3参照。図2では省略。)に回転可能に支持されたベルトリール12にウェビング5が巻回されている。ベルトリール12は、クラッチ20を含む動力伝達機構13を介してモータ10の回転軸10aに連動可能に接続されている。動力伝達機構13は、モータ10の回転を減速してベルトリール12に伝達する。また、リトラクタ4には、ベルトリール12をウェビング巻取り方向に付勢する図示しない巻取りばねが設けられ、ベルトリール12とモータ10がクラッチ20によって切り離された状態において、巻取りばねによる張力がウェビング5に作用するようになっている。なお、クラッチ20はモータ10の正転時にONにされ、モータ10の逆転を契機としてOFFとされる。
また、リトラクタ4には、ベルトリール12の回転位置を検出する回転センサ11(位置検出手段)が設けられている。この回転センサ11は、例えば、円周方向に沿って異磁極が交互に着磁され、ベルトリール12と一体に回転する磁性円板と、この磁性円板の外周縁部に近接配置された一対のホール素子と、ホール素子の検出信号を処理するセンサ回路とから成り、センサ回路で処理されたパルス信号がコントローラ21に出力されるようになっている。
この場合、ベルトリール12の回転に応じてセンサ回路からコントローラ21に入力されたパルス信号は、ベルトリール12の回転量や、回転速度、回転方向等を検出するのに用いられる。つまり、コントローラ21においては、パルス信号をカウントすることによってベルトリール12の回転量(ウェビング5の巻取り量・引き出し量)を検出し、パルス信号の変化速度(周波数)を演算することによってベルトリール12の回転速度(ウェビング5の巻取り・引き出し速度)を求め、さらに、両パルス信号の波形の立ち上がりの比較によってベルトリール12の回転方向を検出する。
また、コントローラ21の入力側には、回転センサ11の他に、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ40や、車両の左右方向の加速度を検出する横加速度センサ41、車両のヨー方向の角加速度を検出するヨーレートセンサ42等の車両状態検出手段が接続されている。さらに、図2では図示しないが、コントローラ21は、車両挙動安定化システムや追突軽減ブレーキシステム等の他のコントローラと車載ネットワークを通して接続されており、車両が不安定状態にあるときの情報を、車載ネットワークを通してこれらのコントローラから受けるようになっている。
コントローラ21は、前後加速度センサ40や横加速度センサ41、ヨーレートセンサ42、他のコントローラ等からの入力信号を基にして緊急状態(車両挙動の不安定状態)を判定し、緊急状態であると判定したときにウェビング5を大きく引き込むように、或いは、間欠的に引き込むようにモータ10を通電制御する。
また、リトラクタ4には、車両に所定値以上の減速度(加速度)が作用した場合(車両挙動が不安定になった場合)や、ウェビング5が急激に引き出されようとした場合等に、ベルトリール12のウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする緊急ロック機構22が設けられている。
図3は、リトラクタ4に設けられた緊急ロック機構22の詳細を示すものである。
ケーシング14には一対の側壁14A,14Bが設けられ、一方の側壁14Aには、前述した動力伝達機構13(図2参照)と、戻しばねを収容する図示しないスプリングケースとが取り付けられ、他方の側壁14Bには、後述するロック作動ドラム23を支持するリテーナ24が取り付けられている。また、両側の側壁14A,14Bには略円形の孔25が設けられ、他方の側壁14Bの孔25の内周にはウェビング巻取り方向に傾斜したロック溝26が形成されている。
ベルトリール12のリール軸12aの一端側にはロッキングベース27が一体に固定され、そのロッキングベース27を貫通したリール軸12aの先端部にはロック作動ドラム23が嵌合されている。ロック作動ドラム23は、リール軸12aに微小な摩擦抵抗をもって嵌合され、ベルトリール12の通常回転時にはベルトリール12と一体に回転し、ロッキングベース27との間に相反方向の回転力が加わったとき等には、ロッキングベース27に対して設定角度の範囲で相対回動する。また、ロッキングベース27の回転中心から離間した位置には、ロック爪28aを有する揺動アーム28が揺動可能に取り付けられている。
揺動アーム28は、先端側のロック爪28aが径方向外側に揺動して突出したときに、そのロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合する。揺動アーム28は、ウェビング巻取り方向に傾斜したロック溝26と噛合することにより、ベルトリール12の引き出し方向の回転をロックするとともに、ベルトリール12の巻取り方向の回転を許容する。また、揺動アーム28にはロック作動ドラム23方向に突出するガイド突起29が設けられている。
ロック作動ドラム23は、外周面に複数のクラッチ歯32が突設されるとともに、中央領域の円板面に法線方向に対して傾斜したカム孔31が板厚方向に貫通して設けられている。このカム孔31には揺動アーム28のガイド突起29が摺動自在に嵌入されている。
ガイド突起29は、ベルトリール12(ロッキングベース27)がロック作動ドラム23に対してウェビング引き出し方向に相対回動したときに、カム孔31による案内作用によって揺動アーム28のロック爪28aを径方向外側に突出させる。こうして、揺動アーム28のロック爪28aが径方向外側に突出すると、そのロック爪28aがケーシング14側のロック溝26に噛合される(ロック状態とされる)。また、この状態からベルトリール12がロック作動ドラム23に対してウェビング巻取り方向に相対回動すると、同様にカム孔31による案内作用によって揺動アーム28のロック爪28aを径方向内側に引き戻す。こうして、揺動アーム28のロック爪28aが径方向内側に所定量引き戻されると、ロック溝26に対するロック爪28aの噛合が解除される(ロック状態が解除される)。
また、ロック作動ドラム23の円板面には、遠心アーム33が揺動可能に取り付けられている。遠心アーム33は、遠心力の影響を大きく受ける質量体から成り、ロック作動ドラム23の回転中心から離間した位置に揺動可能に取り付けられている。遠心アーム33は、アーム先端側にロック爪34が設けられ、ロック作動ドラム23の回転に応じた遠心力を受け、ロック爪34側を径方向外側に振り出すようになっている。また、ロック作動ドラム23と遠心アーム33の間には、遠心アーム33のロック爪34側を常時ロック作動ドラム23の径方向内側方向に付勢する付勢スプリング35が設けられている。
リテーナ24は、その内部にベルトリール12のリール軸12aとロック作動ドラム23の軸部を回転自在に支持する図示しない軸受構造が設けられるとともに、遠心アーム33のロック爪34の外周側に臨むように内歯構造の図示しないクラッチ歯が設けられている。このリテーナ24のクラッチ歯には、遠心アーム33が遠心力を受けて径方向外側に揺動したときに、遠心アーム33のロック爪34が噛合する。ロック作動ドラム23はこれによって回転をロックされ、この状態からウェビング5が引き出されようとする(ベルトリール12がウェビング引き出し方向に回転しようとする)と、前述のように揺動アーム28のロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合される(緊急ロック機構22がロックされる)。
また、リテーナ24内のロック作動ドラム23の下方位置には、車両の減速度(加速度)や傾斜を感知して係止爪36を動作させるビークルセンサ37が設けられている。このビークルセンサ37は、センサケース38とセンサキャップ39によって囲われた収容部内にセンサウェイト45が配置され、センサウェイト45に係止爪36が一体に取り付けられている。センサウェイト45は、車両の加速度や傾斜に応じて揺動し、規定量以上揺動したときに係止爪36をロック作動ドラム23のクラッチ歯32に噛合させる。
こうして、係止爪36がクラッチ歯32に噛合されると、ロック作動ドラム23の回転がロックする。したがって、この状態でウェビング5が引き出されようとすると、揺動アーム28のロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合される(緊急ロック機構22がロックされる)。
ここで、上述のように緊急ロック機構22がベルトリール12のウェビング引き出し方向の回転をロックした後には、ベルトリール12がウェビング巻取り方向に所定量以上回転操作されたときにロック状態が解除される。すなわち、ロック作動ドラム23の回転が停止した状態で、ベルトリール12がウェビング巻取り方向に回転すると、ベルトリール12とロック作動ドラム23の相対位置関係が初期位置に戻され、その結果、ガイド突起29とカム孔31とによる案内作用によって揺動アーム28のロック爪28aが引き戻され、その結果、ロック溝26との噛合が解除される(緊急ロック機構22のロックが解除される)。
なお、ロック解除のためのベルトリール12のウェビング巻取り方向の操作は、基本的にはモータ10の駆動力によって行われる。以下では、「ロック解除」とは、モータ10によるロック解除を意味するものとする。
図2には、緊急ロック機構22のロック解除時に実行されるコントローラ21の機能がブロック図で示されている。
同図に示すように、コントローラ21は、緊急ロック機構22のロック解除時に、モータ10をウェビング巻き取り方向に低速の第1の速度(一定速度)で駆動する低速巻き取り手段50と、モータ10をウェビング巻き取り方向に高速の第2の速度(一定速度)で回転させる高速巻き取り手段51と、モータ10の通電電流を検出する電流検出手段52と、を備えている。そして、コントローラ21は、ロック解除時には、低速巻き取り手段50によるモータ10の駆動を最初に実行し、電流検出手段52で検出されるモータ10の通電電流が所定値以上になると、その時点でモータ10の駆動を高速巻き取り手段51による駆動に切り換える。
また、ロック解除時には、コントローラ21はロック解除の開始からのベルトリール12(モータ10)の総巻き取り時間を管理し、総巻き取り時間が所定時間に達したときに、モータ10の巻き取り駆動を停止するようになっている。ここで、モータ10の巻き取り駆動を停止するまでの所定時間は、ロック解除を開始した後に緊急ロック機構22が再度ロックする可能性の小さく時間に設定されている。
以下、このシートベルト装置1のロック解除作動を含む制御の一例を、図4〜図6のフローチャートを基にして説明する。
図4は、コントローラ21によるメインフローを示すものであり、図4は、メインフロー中の緊急巻き取り処理S102のフローを示し、図5は、メインフロー中の緊急ロック機構解除処理S104を示している。
図4に示すメインフローのステップS101においては、前後加速度センサ40や横加速度センサ41、ヨーレートセンサ42、他のコントローラ等からの信号を基にして、シートベルト装置1による乗員拘束が必要であるか否かを判定し、Yesの場合にのみ次の緊急巻き取り処理S102へと進む。なお、以下のステップにおいては、実際には、ステップS101と同様に拘束の要否の判定やロック解除の判定に、前後加速度センサ40や横加速度センサ41、ヨーレートセンサ42、他のコントローラ等の信号が用いられることもあるが、ステップS102以下では、前後加速度センサ40のみが用いられる例について説明するものとする。
緊急巻き取り処理S102では、図5に示すステップS201において、回転センサ11と前後加速度センサ40の検出信号から、ウェビング5の現在の巻き取り位置(ベルトリール12の回転位置)と車両に作用する加速度Gとを読み込み、緊急巻き取り処理S102の開始からの最大加速度Gmaxを記憶(更新)するとともに、ウェビング5を巻き取るためにモータ10に電流I(初回は、規定の初期値の電流)を通電する。
つづく、ステップS202においては、ステップS201で読み込んだウェビング5の現在の巻き取り位置Xが目標巻き取り位置X1と等しくないか否かを判定し、ここでYes(等しくない)場合には、ステップS203に進み、Noの場合には、ステップS206へと進む。
ステップS206では、車両に作用する現在の加速度Gを基にウェビング5による乗員拘束が必要であるか否かを判定し、ここでYesの場合には、ステップS201に戻り、Noの場合には、緊急巻き取り処理S102を終了してメインフローに戻る。
ステップS203では、ウェビング5の現在の巻き取り位置Xが目標巻き取り位置X1よりも小さいか否かを判定し、Yesの場合、つまり、目標巻き取り位置X1よりも小さい場合には、ステップS204でモータ10に対する通電電流Iを微小量ΔI増加してステップS206に進み、Noの場合、つまり、目標巻き取り位置X1よりも大きい場合には、ステップS205で逆にモータ10に対する通電電流Iを微小量ΔI減少させてステップS206に進む。
したがって、この緊急巻き取り処理S102においては、常に、ウェビング5の巻き取り位置Xが目標巻き取り位置X1に近づくようにモータ10の通電電流Iを制御し、この制御が車両状態が安定するまで継続される。
緊急巻き取り処理S102を終了して、図4のステップS103に進むと、緊急巻き取り処理S102中の最大加速度Gmaxが、緊急ロック機構22のロック開始加速度G1(ビークルセンサ37が作動する加速度)以上であるか否かを判定し、ここでYesの場合には、緊急ロック機構解除処理S104に進み、Noの場合には、ステップS105に進む。
緊急ロック機構解除処理S104では、図6に示すステップS301において、モータ10を低速の第1の速度でウェビング巻き取り方向に回転させる。つまり、このとき回転センサ11の検出信号に基づいてモータ10の回転速度を算出し、その回転速度が低速の第1の速度になるようにモータ10に対する通電電流を制御する。
つづく、ステップS302においては、緊急ロック解除処理104の開始からの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定し、ここでYesの場合には、緊急ロック機構解除処理S104を終了し、Noの場合には、ステップS303へと進む。
ステップS303においては、モータ10に対する通電電流Iが閾値電流I1以上であるか否かを判定し、ここでYesの場合には、ステップS304に進み、Noの場合には、ステップS301に戻る。つまり、第1の速度でモータ10によるウェビング5の引き込みを開始してからウェビング5に作用する張力がある程度の力(閾値電流I1でモータ10を通電したときのモータトルクに対応する力)に達するまでは第1の速度でモータ10を回転させる。
ステップS304においては、モータ10の回転速度を高速の第2の速度に切り換え、第2の速度でウェビング5の巻き取りを実行する。
つづく、ステップS305においては、緊急ロック解除処理104の開始からの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定し、ここでYesの場合には、緊急ロック機構解除処理S104を終了し、Noの場合には、ステップS304に戻る。つまり、緊急ロック解除処理104の開始から所定時間T1が経過するまでは、第2の速度でモータ10によるウェビング5の引き込みが継続され、所定時間T1の経過をもってウェビング5の引き込みを終了する。
ここで、所定時間T1は、ロック解除時のウェビング5の総巻き取り時間であり、この所定時間T1は、前述のようにロック解除を開始した後に緊急ロック機構22が再度ロックする可能性の小さい時間に設定されている。したがって、緊急ロック機構解除処理S104を終了した後には、緊急ロック機構22が再度ロックする可能性は極めて小さくなる。
緊急ロック機構解除処理S104を終了して、図4のステップS105に進むと、このステップS105では、モータ10を短時間逆転駆動してクラッチ20をオフし、モータ10とベルトリール12を遮断状態にしてリターンする。
以上のように、このシートベルト装置1は、緊急ロック機構22のロック解除時に、モータ10を最初にウェビング巻き取り方向に低速の第1の速度で回転させ、乗員に対する締め込みが進んでウェビング5の張力が上昇した時点でモータ10の駆動速度を高速の第2の速度に切り換えるため、ロック解除の初期段階で乗員に急激な引き込み感を与えることなくウェビング5の巻き取りを開始し、乗員がロック解除が開始されたことを徐々に感じ始めた時点から素早くロック解除位置までウェビング5を引き込むことができる。このため、このシートベルト装置1を採用した場合には、乗員に違和感を与えることなく、確実に緊急ロック機構22を解除することができる。
また、このシートベルト装置1の場合、ロック解除時にモータ10の回転速度が変化するものの、モータ10の巻き取り工程の前半と後半ではどちらも一定の速度に維持されるため、このことも乗員に与える不快感を少なくするのに寄与している。
さらに、この実施形態のシートベルト装置1においては、ロック解除の初期に低速巻き取り手段50によるモータ10の駆動を実行し、ウェビング5の張力が増大して電流検出手段52による電流の検出値が所定値以上になった時点で高速巻き取り手段51によるモータ10の駆動に切り換えるようにしているため、簡単な構成でありながら、乗員に違和感を与えることなく、確実に緊急ロック機構22を解除することのできる。
また、この実施形態のシートベルト装置1では、ロック解除作動を開始してからのウェビング5の総巻き取り時間を管理し、緊急ロック機構22が再度ロックする可能性の小さい所定時間T1が経過した時点で、モータ10の駆動を停止するようにしている。このため、緊急ロック機構22のロック解除作動を完了した後に緊急ロック機構22が再度ロックし、ロック作動とロック解除作動が頻繁に繰り返される不具合を無くすことができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
1…シートベルト装置
5…ウェビング
10…モータ
12…ベルトリール
21…コントローラ(制御装置)
22…緊急ロック機構
50…低速巻き取り手段
51…高速巻き取り手段
52…電流検出手段

Claims (2)

  1. ウェビングを巻回したベルトリールと、
    車両挙動が不安定になったときに、前記ベルトリールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックし、前記ベルトリールのウェビング巻取り方向の所定量以上の回転によってロックが自動的に解除される緊急ロック機構と、
    前記ベルトリールに回転駆動力を付与するモータと、
    このモータを制御する制御装置と、を備えたシートベルト装置において、
    前記制御装置は、前記緊急ロック機構のロック解除時に、前記モータをウェビング巻き取り方向に低速で駆動し、ウェビングの張力が所定値以上になったときに、前記モータの駆動速度を高速に切り換えることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記モータをウェビング巻き取り方向に低速の第1の速度で駆動する低速巻き取り手段と、
    前記モータをウェビング巻き取り方向に高速の第2の速度で回転させる高速巻き取り手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記緊急ロック機構のロック解除時には、前記低速巻き取り手段による前記モータの駆動を実行し、前記電流検出手段が所定値以上の電流値を検出したときに、前記高速巻き取り手段による前記モータの駆動に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
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