JP5437686B2 - 戸体移動装置 - Google Patents
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Description
また本願発明は、閉鎖動作、あるいは開放動作の最終段階であっても、アーム部の移動速度の減速を確実になすことのできる戸体移動装置を提供することを課題とする。
本願発明は、閉鎖動作、あるいは開放動作の最終段階であっても、アーム部の移動速度の減速を確実になすことのできる戸体移動装置を提供することができたものである。
まず、戸枠12に戸体11がヒンジ支持された、つまり、ヒンジを中心として戸体11が戸枠12に対して回動可能とされた開き戸であって、この開き戸における戸枠12に囲まれた内側に配位された戸体11が、半開状態から閉鎖状態へと自動的に移動するように戸体移動装置が設けられた場合について説明する。ここで「閉鎖状態」とは戸体11が完全に閉鎖された状態を示し、「全開状態」とは戸体11が完全に開放された状態を示し、「半開状態」とは戸体11が開放された状態であって、かつ、戸体移動装置が作動していない状態(ただし、作動開始の瞬間も含む)を示す。
本例におけるケーシング20は縦長の筒状体である。このケーシング20は上記のように戸枠12への設置時において水平方向に配位される。これにより、装置本体2aを戸当たり部材12aからほとんど突出させることなく自然に埋め込むようにできる。また、このようなスリムな形状としたことにより、装置本体2aの取り付け対象についての幅方向寸法の制限を受けにくくなる。よって例えば、装置本体2aを戸体11の上端面に埋め込むこともできるし、引戸の戸枠あるいは戸体に埋め込むこともできるため、装置本体2aの取り付け対象の自由度を高めることができる。
次にアーム21について説明する。本例のアーム21には一枚の略帯状である板状体が用いられており、その先端側(図3における上端側)が図1に示すようにケーシング20から突出するようにされている。一方、基端側(図3における下端側)は図3に示すように、回動軸21aを介してケーシング20に取り付けられている。
ここで、上記のように板状体であるアーム21の基端部には、アーム21の表裏方向に接するようにして基端ブロック22が取り付けられている。この基端ブロック22には付勢手段23の一端側23aを引掛けるための溝を有する付勢手段取付部22aが設けられている。本例では付勢手段23が2本設けられるため、付勢手段取付部22aも2箇所に設けられている。
次に付勢手段23について説明する。この付勢手段23は、アーム21を回動軸21aを中心として待機位置Wから停止位置Sへ向かい回動させるように付勢するものである。本例においては、ケーシング20内に平行に設けられた2本のコイルばねとして実施されており、引張力による付勢がアーム21の基端部分にかかる。この付勢手段23の一端側23aはアーム21に取り付けられた基端ブロック22の付勢手段取付部22aに対して取り付けられており、他端側23bはケーシング20に取り付けられる。
本例では、付勢手段23の他端23bの側に位置調整手段28を設けることにより、付勢手段23の付勢力を調整できる。この位置調整手段28は、付勢手段23の一端23aの取付箇所からの距離を変更できるように、同他端23bの取付箇所が可変とされたものである。具体的には図3に示すように、複数の分岐溝28cが枝状に分岐した係止溝28bをケーシング20に設ける。この分岐溝28cは各々がアーム21の付勢手段取付部22aからの距離が異なるように形成されている。この分岐溝28cにコイルばね23の他端23bが取り付けられた可動軸28aを配位する。これにより、コイルばね23の初期長さを変更可能とする。こうすることによってアーム21の移動速度を調整でき、これに応じて戸体11の閉鎖速度の緩急を調整することができる。
次にダンパー24について説明する。このダンパー24は、付勢手段23の付勢によりアーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かって回動する際に、アーム21の回動動作を減速させるための緩衝手段として作用する。本例においては、このダンパー24として直動式のダンパーが用いられている。つまり、可動棒24aが緩衝手段本体24bに対して直線状に出没する構造とされている。緩衝手段本体24bは縦長のケーシング20に対して平行に配置されている。そして、アーム21に接続されたリンク部材26(後述)の一端に、ダンパー24に設けられた可動棒24aの先端が接続されており、これによって、リンク部材26を介してアーム21からダンパー24へと力の伝達がなされる。上記の付勢手段23と同様、このダンパー24についても、緩衝能力をねじなどにより調整可能としておくことで、戸体11の閉鎖速度を調整可能としても良い。
次にリンク部材26について説明する。リンク部材26には一枚の略帯状である板状体が用いられており、その先端側(図3における左上端側)がアーム21の回動軸21aと固定部21bとの間の位置に回動可能に取り付けられている。本例ではアーム21の段差21cよりも基端側に取り付けられている。そして基端側(図3における右下端側)はダンパー24における可動棒24aの先端に回動可能に取り付けられている。本例では可動棒24aの先端に取り付けられているが、これに限られず、別の位置に取り付けられていても良い。このリンク部材26についてもアーム21と同様に段差が設けられており、アーム21と可動棒24aの先端との上下位置のずれを、この段差によって調整している。上記のようにリンク部材26をアーム21の回動軸21aと固定部21bとの間に取り付けたことにより、アーム21の回動に伴う力を有効にダンパー24に伝達することができ、ダンパー24で緩衝できる。
上記のようにアーム21を待機位置Wに保つために、ケーシング20にはアーム位置保持手段27が設けられている。このアーム位置保持手段27は、図3に示すようにアーム21が待機位置Wにある時に、アーム位置保持手段27の一部である湾曲部27aがアーム21に取り付けられた基端ブロック22における係合部22bに係合し、アーム21の位置を待機位置Wのまま保持することができる。
一時固定手段25は、本例においては戸体11の、戸当たり部材12aに向いた側の表面に取り付けられている。このように戸体11の表面に取り付けた構造とすることにより、戸体11への取り付けを簡単にでき、現場作業を簡略化することができる。ただし、一時固定手段25を戸体11に埋め込むようにしても良い。そうした場合は一時固定手段25を目立たなくできるため意匠的に優れたものとできる。
次に、内部緩衝手段29について説明する。この内部緩衝手段29は、図8(A)(B)に示すように、アーム固定溝25cにおけるアーム21の先端(本例では固定部21b)が通過する部分のうち、停止位置Sにおけるアーム21の先端位置よりも出入口25c1寄りの区間にかかるように設けられている。
次に図7に示すような、上記の実施例とは異なる形態の実施例について説明する。なお、ここでは主に、上記の実施例との相違点を中心に説明する。また、図7においては、上記した内部緩衝手段29の記載を省略している。
次に図10及び図11に示すような、上記の各実施例とは異なる形態の実施例について説明する。なお、ここでは主に、上記第1の実施例との相違点を中心に説明する。
本願発明は、上記に示した2種の形態に限られず、種々に変更して実施が可能である。
まず、戸体11の閉鎖状態あるいは開放状態については、場合により種々に変更して設定が可能である。例えば、換気のためや、犬猫などのペットを通過可能とするため、閉鎖時においても全閉状態となるようにせず、所定の隙間を保ったまま閉鎖されるように設定しても良い。
12 戸枠
12a 戸当たり部材
12x カバー
2a 装置本体
20 ケーシング
21 アーム
21a 回動軸
21b 固定部
21c 段差
22 基端ブロック
22a 付勢手段取付部
22b 係合部
23 付勢手段
24 緩衝手段、ダンパー
24a 可動棒
24b 緩衝手段本体
24c 規制手段、ローラー
25 一時固定手段
25a 一時固定手段の第1当接部
25b 一時固定手段の第2当接部
25a 第1当接部の後方側側面、左方壁
25c アーム固定溝
25c1 出入口
25x 取付ブラケット
25y 一時固定手段本体
25y1 当接面
26 リンク部材
27 アーム位置保持手段
28 位置調整手段
29 内部緩衝手段
29a 弾性体、ばね
29b 調整手段
3 カバー
31 開口部
3a 蓋部材
S アームの停止位置
W アームの待機位置
Claims (8)
- 回動するアーム(21)を備えた装置本体(2a)が戸体(11)あるいは戸枠(12)に設けられており、上記アーム(21)が係合できる一時固定手段(25)が戸枠(12)あるいは戸体(11)に設けられており、戸枠(12)に対して開閉自在に配位された戸体(11)を、戸体(11)が半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態となるまでの間を自動的に移動可能とされた戸体移動装置において、
上記の装置本体(2a)には、戸体(11)の上記自動移動動作が開始する前における半開状態に対応する待機位置(W)と、戸体(11)の閉鎖状態あるいは全開状態に対応する停止位置(S)との間の範囲内において、回動軸(21a)を中心として回動可能なアーム(21)と、
上記の待機位置(W)から停止位置(S)へアーム(21)が回動するように、アーム(21)を付勢するための付勢手段(23)と、
アーム(21)が待機位置(W)から停止位置(S)へと回動する際において、このアーム(21)の回動動作を減速させるための緩衝手段(24)とが設けられ、
上記の一時固定手段(25)は、装置本体(2a)から遠い側に位置する第1当接部(25a)と、装置本体(2a)から近い側に位置する第2当接部(25b)とを備え、
上記第1当接部(25a)は、戸体(11)の閉鎖あるいは開放動作に伴いアーム(21)の一部である固定部(21b)が衝突することにより、アーム(21)の待機位置(W)から停止位置(S)への回動を開始させるための部分であり、
上記第2当接部(25b)は、上記アーム(21)の待機位置(W)から停止位置(S)への回動の際に、上記付勢手段(23)に付勢されたアーム(21)の固定部(21b)が当接し、これにより装置本体(2a)か一時固定手段(25)のいずれか一方を他方に接近するように移動させるための部分であり、
上記の第1当接部(25a)と第2当接部(25b)との間には、アーム(21)の固定部(21b)を出入口(25c1)から導入し、配位させることのできるアーム固定溝(25c)を備え、
戸体(11)の上記自動移動動作が行われる際においては、一時固定手段(25)の上記アーム固定溝(25c)に上記の固定部(21b)が保持され、その状態で付勢手段(23)の付勢を受けてアーム(21)が回動し、これにより戸体(11)が移動するものであり、
上記の一時固定手段(25)が、少なくとも、取付ブラケット(25x)と一時固定手段本体(25y)とからなっており、
上記の取付ブラケット(25x)は、戸体(11)あるいは戸枠(12)に取り付けられるものであり、
上記の一時固定手段本体(25y)は、上記の取付ブラケット(25x)に取り付けられるものであって、
この一時固定手段本体(25y)には上記のアーム固定溝(25c)が設けられており、
この一時固定手段本体(25y)を上記の取付ブラケット(25x)に取り付ける際、一時固定手段本体(25y)を表向きでも裏向きでも取り付け可能としたことを特徴とすることを特徴とする戸体移動装置。 - 上記アーム固定溝(25c)におけるアーム(21)の先端が通過する部分のうち、上記停止位置(S)におけるアーム(21)の先端位置よりもアーム固定溝(25c)の出入口(25c1)寄りの区間にかかるように内部緩衝手段(29)が設けられており、
この内部緩衝手段(29)にアーム(21)の先端が当接することにより、アーム(21)の移動速度を減速させるものであることを特徴とする請求項1記載の戸体移動装置。 - 上記内部緩衝手段(29)が弾性体(29a)を備えており、
この弾性体(29a)の一部に、上記のようにアーム(21)の先端が当接するものとされ、
上記アーム(21)の移動速度の減速は、上記アーム固定溝(25c)内でアーム(21)の先端が通過する部分のうちで、アーム固定溝(25c)の出入口(25c1)から遠い側の一部区間にてなされることを特徴とする請求項2に記載の戸体移動装置。 - 上記内部緩衝手段(29)がばね(29a)を備えており、
このばね(29a)の先端がアーム固定溝(25c)内にて自由状態とされており、基端が一時固定手段(25)に対して固定されたものであり、
上記ばね(29a)の先端にアーム(21)の先端が当接することを特徴とする請求項3に記載の戸体移動装置。 - 無負荷状態における上記内部緩衝手段(29)の、少なくとも上記アーム(21)の先端が当接する部分を、アーム固定溝(25c)に沿う方向に位置調整可能な調整手段(29b)を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の戸体移動装置。
- 上記のアーム固定溝(25c)のうち、少なくとも上記アーム(21)の先端が通過する範囲が、一時固定手段本体(25y)に表裏対称に設けられており、
上記の一時固定手段本体(25y)は、上記取付ブラケット(25x)への取り付けの際に当該取付ブラケット(25x)に当接する当接面(25y1)を有しており、
この当接面(25y1)が、上記一時固定手段本体(25y)の表側と裏側の両方に設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の戸体移動装置。 - 上記のアーム固定溝(25c)として、一時固定手段本体(25y)に表裏対称に別個の溝が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の戸体移動装置。
- カバー(3)と蓋部材(3a)とを備えており、
上記のカバー(3)は、少なくとも、上記一時固定手段本体(25y)の一部を覆うものであり、
上記のカバー(3)には二箇所の開口部(31)が設けられており、
この二箇所の開口部(31)は、上記の一時固定手段本体(25y)を取付ブラケット(25x)へ取り付けるに際して、上記当接面(25y1)のうち上記の取付ブラケット(25x)に当接する方が表側となる場合と裏側となる場合の各々における、アーム固定溝(25c)の出入口(25c1)の位置に対応しており、
上記の蓋部材(3a)は、上記二箇所の開口部(31)のうち上記アーム固定溝(25c)の出入口(25c1)に重ならない方を覆うように、カバー(3)に取り付けられることを特徴とする請求項6または7に記載の戸体移動装置。
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