JP5089208B2 - 戸体移動装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、戸体を自動的に閉鎖あるいは開放するための戸体移動装置に関するものである。
特公昭61−10631号公報 特開2002−81261号公報 特開2004−108087号公報
従来から、戸体を閉鎖する際に戸体に加えた力が大きすぎた場合、戸枠に対して戸体が衝突して衝撃音が発生したり、あるいは戸体がバウンドしてしまい完全に閉鎖できないことがあった。逆に戸体に加えた力が小さすぎた場合、途中で止まってしまい閉鎖できないことがあった。
ここで、戸体を完全に閉鎖するために、ばねなどの付勢手段を備えた閉鎖装置が用いられることがある。また、強すぎる力を緩和して緩やかに扉を閉じるようにした緩衝装置が設けられることがある。この緩衝装置は、衝撃を緩和するためのダンパーやばねを戸体や戸枠に取り付けたものである。
ところが、従来の閉鎖装置にあっては、戸体が全開状態から閉鎖状態となるまでの全過程において、戸体を閉鎖方向に付勢しており、この付勢が人による戸体の閉鎖の動きを妨げる結果を招いていた。また、従来の緩衝装置にあっては、戸体を閉鎖するために戸体に加えられる力が弱い場合、ばねの付勢力や、ダンパーやエアシリンダの作動抵抗によって、戸体が途中で止まってしまい、完全に閉鎖できないことがあった。
ここで、従来の閉鎖装置の一例として、特許文献1に記載の発明である「自動閉扉装置」が存在する。これは、扉枠に設けた金具に対して、扉に設けたL形レバーが保持されることにより自動的に扉を閉鎖できるものである。このL形レバーは、扉に対して回動可能に設けられており、ばねを内蔵した油圧シリンダーであるダッシュポットに接続されていることにより、L形レバーを減速しつつ回動させることができる。
ところが、この発明に係る閉鎖装置は、ダッシュポットの軸線とL形レバーの回動中心との位置関係を途中で転換させ、L形レバーに対するダッシュポットの引っ張り方向を切り替えることによって、L形レバーを扉の開放状態と閉鎖状態とに対応した位置にそれぞれ固定させるものであるため、機構が複雑となることや、確実に動作させるために、高い工作精度が要求されるという問題があった。また、ダッシュポットとは、ばねを内蔵した油圧シリンダーであり、この閉鎖装置の専用品として設計する必要があるという問題も有する。これらのことから、この特許文献1に記載の閉鎖装置の構造では製造コストを低減することが困難であった。
一方、ヒンジにより戸体が回動可能に支持された開き戸にあっては、特許文献2に記載の発明である「ドアクローザ」のように、戸体の外側に設けるタイプのものが良く知られている。しかし、このようなタイプのものは戸体の外側に露出した状態となるために見栄えが悪くなる可能性があり、一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合などで、目立たないように装置を設置したい場合には適していなかった。
また、本願の出願人による特許文献3に係る発明は、主に引戸に用いられる閉鎖装置であって、開き戸や折戸に対してはそのまま適応させることのできないものであった。例えば開き戸においては、ヒンジを中心として戸体が回動するものであるため、閉鎖機構やその受け材が戸体の移動に伴い、弧を描くように移動するものである。よって、引戸用の装置をそのまま使用すると、部材が片減りするなどして各所に無理を生じてしまう可能性がある。また、この閉鎖装置の構造では、戸体の移動方向に関する寸法をコンパクトにすることが難しく、開き戸や折戸の戸体に内蔵して使用することが不可能であった。
上記のことに鑑み本願発明は、戸体が半開状態にある場合には、閉鎖状態あるいは全開状態まで移動させることができ、それ以外の開放状態では戸体を自由状態にしておくことができる戸体移動装置を提供することを課題とする。
また、戸体に加えられた外力が弱い場合であっても、戸体を閉鎖あるいは全開することができ、逆に外力が強い場合には、緩衝作用を発揮して緩やかに移動させることができる戸体移動装置を提供することを課題とする。
また、簡易な構造とすることが可能であり、これにより製造コストの低減に貢献できる戸体移動装置を提供することを課題とする。
また、特に開き戸や折戸に適したものであって、一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合など、目立たないように装置を設置したい場合にも対応可能な戸体移動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、戸枠12の内側に配位された戸体11を、戸体11が半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態となるまでの間を自動的に移動可能とされた戸体移動装置において、下記の特徴を備えたものを提供する。
即ち、上記の戸体11には装置本体2aが設けられており、戸枠12には一時固定手段25が設けられており、上記の装置本体2aには、戸体11の上記自動移動動作が開始する前における半開状態に対応する待機位置Wと、戸体11の閉鎖状態あるいは全開状態に対応する停止位置Sとの間の範囲内において、回動軸21aを中心として回動可能なアーム21と、上記の待機位置Wから停止位置Sへアーム21が回動するように、アーム21を付勢するための付勢手段23と、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへと回動する際において、このアーム21の回動動作を減速させるための緩衝手段24とが設けられ、上記の一時固定手段25は、半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態に至る戸体11の移動方向を基準とした前方側に位置する第1当接部251と、同後方側に位置する第2当接部252とを備え、上記第1当接部251は、戸体11の閉鎖あるいは開放動作に伴いアーム21の一部である固定部21bが衝突することにより、アーム21の待機位置Wから停止位置Sへの回動を開始させるための部分であり、上記第2当接部252は、上記アーム21の待機位置Wから停止位置Sへの回動の際に、アーム21の固定部21bを戸体11の移動方向について不動とするように保持するものであって、かつ、閉鎖状態あるいは全開状態にある戸体11を半開状態へと移動させる際に、アーム21の固定部21bが当接し、アーム21を停止位置Sから待機位置Wへ回動させるための部分であり、上記の第1当接部251と第2当接部252との間には、アーム21の固定部21bを配位可能な空間を有するアーム固定溝25cを備え、このアーム固定溝25cの少なくとも一部が、戸枠12の内周端面12bよりも外側に設けられており、戸体11の自動移動動作が行われる際においては、一時固定手段25の上記アーム固定溝25cに上記の固定部21bが保持され、その状態で付勢手段23の付勢を受けてアーム21が回動し、これにより戸体11が移動するものであり、上記のアーム21が停止位置Sから待機位置Wへと回動させられた際、上記第2当接部252との当接によってアーム21が回動させられた位置である中途位置が、待機位置Wに一致しない場合に、アーム21を上記中途位置から待機位置Wへと回動させるためのアーム位置保持手段27が設けられたことを特徴とする戸体移動装置を提供する。
なお、上記の「内側」とは、戸体11及び戸枠12を正面あるいは背面側から見た場合において、戸体11の中央を基準として近い側を言い、「外側」とは戸体11の中央を基準として遠い側を言う。
また、本願における戸枠12は、可動の戸体11に対して固定された部材という程度の意味合いである。つまり、図3に示す戸枠12のような、建物と一体とされたものに限らず、図14に示す戸枠12のような、単なるレール状の部材をも含む。
また、本願の請求項2に記載の発明は、ヒンジを中心として戸体11が回動可能とされた開き戸に適用されるものであり、上記第1当接部251の、半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態に至る戸体11の移動方向を基準とした後方側の側面25aの一部であって、自動移動動作中において上記固定部21bが最も早く衝突する面25a1が、上記の閉鎖状態あるいは全開状態における戸体11の表面11aに対して角度を有する面とされたことを特徴とする請求項1記載の戸体移動装置を提供する。
また、本願の請求項3に記載の発明は、アーム21の待機位置Wにおいて戸体11から突出した部分、及び一時固定手段25が、戸枠12に設けられた戸当たり部材12aの内側端よりも外側に配位されたことを特徴とする請求項2記載の戸体移動装置を提供する。
また、本願の請求項4に記載の発明は、アーム21は待機位置Wにある場合、戸体11の外周端面11bよりも内側に存在しており、停止位置Sにある場合、上記外周端面11bよりも外側に突出するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の戸体移動装置を提供する。
また、本願の請求項5に記載の発明は、1枚の戸体11に2つの戸体移動装置が用いられたものであって、各戸体移動装置は、装置本体2aが戸体11の上部に設けられたものとされ、各戸体移動装置のアーム21が、待機位置Wにある場合では戸体11の上端面11bよりも下側に存在しており、待機位置Wから停止位置Sへと回動するに伴い、上記固定部21bが戸体11の上端面11bよりも上側に突出するものであって、各戸体移動装置のうち一方の戸体移動装置は、半開状態から閉鎖状態までの間に存在する戸体11を自動的に移動させるために作動するものであり、同他方の戸体移動装置は、半開状態から全開状態までの間に存在する戸体11を自動的に移動させるために作動するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の戸体移動装置を提供する。
また、本願の請求項6に記載の発明は、折戸に適用されるものであって、この折戸は、戸体11が、折戸ヒンジ112により接続された偶数枚の折戸体111a〜111aが左右方向に並列して構成されたものであり、上記戸体11は、少なくとも1組の開閉単位体111を備え、上記開閉単位体111は、2枚の上記折戸体111a,111aから構成されており、戸体11の開閉動作の際、上記開閉単位体111の左右両端部111bのうち少なくとも一方が、戸枠12に沿って左右方向へと移動し、上記開閉単位体111中の2枚の折戸体111a,111aを接続する折戸ヒンジ112が少なくとも、戸枠12の延びる方向に直交する方向へと移動するものであり、上記装置本体2aは、戸体11中の少なくとも1枚の折戸体111aに設けられており、上記一時固定手段25の第1当接部251及び第2当接部252が、少なくとも、戸体11の開閉動作の際にアーム21の固定部21bが左右方向に移動する範囲に渡って設けられたことを特徴とする請求項1,4,5のいずれかに記載の戸体移動装置を提供する。
また、本願の請求項7に記載の発明は、上記一時固定手段25が上記戸枠12に対し、左右方向寸法が一致するように一体に設けられ、この一時固定手段25が上記戸枠12の前方に設けられたものであって、上記第2当接部252の内側端部252aが戸枠12の内周端面12bよりも内側寄りに存在し、上記第2当接部252の内側端部252aと上記内周端面12bとの間に導入斜面25dが設けられており、上記導入斜面25dは、上記アーム21の固定部21bを、当接させつつ上記アーム固定溝25cへ導くものであることを特徴とする請求項6に記載の戸体移動装置を提供する。
本願の請求項1に記載の発明は、戸体11が半開状態にある場合には、閉鎖状態あるいは全開状態まで移動させることができ、それ以外の開放状態では戸体11を自由状態にしておくことができるものであり、戸体11に加えられた外力が弱い場合であっても、戸体11を閉鎖あるいは全開することができ、逆に外力が強い場合には、緩衝作用を発揮して緩やかに移動させることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
また、アーム固定溝25cの少なくとも一部が、戸枠12の内周端面12bよりも外側に設けられたことから、戸体移動装置の大部分を見えないようにでき、特に開き戸に適したものであって、特に一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合などで、目立たないように装置を設置したいという要求にも十分に応えることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
また、付勢手段23や緩衝手段24として汎用品を利用した場合においては、簡易な構造とできるため、製造コストの低減に貢献できる戸体移動装置を提供することができたものである。
また、アーム21を上記中途位置から待機位置Wへと回動させるためのアーム位置保持手段27が設けられたことから、建て付けの関係で戸体11と戸枠12の間が離れて設けられた場合であっても、アーム位置保持手段27によりアーム21を待機位置Wへ確実に復帰させることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、一時固定手段25における第1当接部251の、半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態に至る戸体11の移動方向を基準とした後方側の側面25aの一部であって、自動移動動作中において上記固定部21bが最も早く衝突する面25a1が、上記の閉鎖状態あるいは全開状態における戸体11の表面11aに対して角度を有する面とされたことから、アーム21の固定部21bや一時固定手段25の左方壁25aが片減りするなどの問題が発生する恐れがなく、開き戸に特に適した戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項3に記載の発明は、請求項3に記載の発明の効果に加え、アーム21の待機位置Wにおいて戸体11から突出した部分、及び一時固定手段25が、戸枠12に設けられた戸当たり部材12aの内側端よりも外側に配位されたことから、戸体移動装置の大部分を戸当たり部材12aに隠れるようにでき、しかも閉鎖時には全く見えないようにできる。よって、特に一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合などで、目立たないように装置を設置したいという要求にも十分に応えることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項4に記載の発明は、戸体11が半開状態にある場合には、閉鎖状態あるいは全開状態まで移動させることができ、それ以外の位置では戸体11を自由状態にしておくことができるものであり、戸体11に加えられた外力が弱い場合であっても、戸体11を閉鎖あるいは全開することができ、逆に外力が強い場合には、緩衝作用を発揮して緩やかに移動させることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
また、アーム21が待機位置Wにある場合、戸体11の外周端面11bよりも内側に存在しており、停止位置Sにある場合、上記外周端面11bよりも外側に突出するものとされたことにより、戸体移動装置の大部分を見えないようにでき、特に開き戸に適したものであって、特に一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合などで、目立たないように装置を設置したいという要求にも十分に応えることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
なお、付勢手段23や緩衝手段24として汎用品を利用した場合においては、簡易な構造とできるため、製造コストの低減に貢献できる戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の効果に加え、1枚の戸体11に2つの戸体移動装置が用いられたことから、戸体11が半開状態から閉鎖状態となるまで、そして半開状態から全開状態となるまでの各区間を自動的に移動させることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項6に記載の発明は、折戸においても、戸体11が半開状態にある場合には、閉鎖状態あるいは全開状態まで移動させることができ、それ以外の開放状態では戸体11を自由状態にしておくことができるものであり、戸体11に加えられた外力が弱い場合であっても、戸体11を閉鎖あるいは全開することができ、逆に外力が強い場合には、緩衝作用を発揮して緩やかに移動させることができる戸体移動装置を提供することができたものである。
また、付勢手段23や緩衝手段24として汎用品を利用した場合においては、簡易な構造とできるため、製造コストの低減に貢献できる戸体移動装置を提供することができたものである。
本願の請求項7に記載の発明は、第2当接部252の内側端部252aと上記内周端面12bとの間に導入斜面25dが設けられたことから、戸枠12と戸体11の位置ずれに伴う、一時固定手段25とアーム21の固定部21bの内外方向のずれを吸収することができる、戸体移動装置を提供することができたものである。
以下、図面に基づき本願発明の一実施例をとりあげて説明する。図1は本例の戸体移動装置の装置本体の外観を示す図であり、図2は同装置本体の内部構造及び動作を示す図であり、図3及び図4は本例の戸体移動装置を開き戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した図であり、図5は本例の一時固定手段を示す図であり、図6は戸体及び戸枠と装置本体との関係を示す図である。図13は戸体移動装置を折戸に取り付けた場合を示す図であり、図14及び図15は本例の戸体移動装置を折戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した図である。
まず、ヒンジを中心として戸体11が回動可能とされた開き戸であって、この開き戸の戸枠12の内側に配位された戸体11が、半開状態から閉鎖状態へと自動的に移動するように戸体移動装置が設けられた場合について説明する。ここで「閉鎖状態」とは、戸体11が完全に閉鎖された状態、「全開状態」(後述)とは、戸体11が完全に開放された状態、「半開状態」とは、戸体11が開放された状態であって、かつ、戸体移動装置が作動していない状態(作動開始の瞬間を含む)を示す。
また、以下における方向の表現は、特記したものを除いて、図1(B)及び図2(A)に示した正面視における位置関係に基づくものである。具体的には、図1(B)及び図2(A)に示した状態のアーム21における中間部21yの長手方向を左右方向とし、アーム21の回動軸21aの延びる方向を前後方向とし、上記中間部21yの長手方向及び回動軸21aの延びる方向のいずれもに直交する方向を上下方向とする。下記において説明する折戸の場合の方向の表現もこれに準じている。なお本説明における方向の表現は、理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
本例の戸体移動装置2は、図1〜図3に示すような構造であり、アーム21、付勢手段23、ダンパー24、一時固定手段25を有する。そのうち、アーム21、付勢手段23、ダンパー24の各々は、ケーシング22にまとめて設けられており、これらが装置本体2aを構成する。この装置本体2aは戸枠11に設けられる。本例では図2に示すように、戸枠11の上端面11bから下方に埋め込まれたものとされており、アーム21の一部のみが戸体11から突出するものとされている。戸体11の表面11aには、図2に示すように、アーム21を突出させるための切欠部11a1が設けられている。そして、一時固定手段25は戸枠12に設けられている。
本例のケーシング22は、左右及び前後方向の寸法よりも、上下方向の寸法の方が大きく形成された縦長筒状体とされており、戸体11への取り付けの自由度が高められている。特に、図2に示すように、左右方向が戸体11の厚み寸法よりも小さいものとされており、開き戸に用いられる戸体11にも無理なく装置本体2aを埋め込むことができる。
なお、引戸に用いられる戸体11に適用する場合にあっては、ケーシング22の左右方向の寸法が戸体11の寸法によっては制限されないため、本例のような縦長形状に限られるものではなく、上下方向の寸法に比べて、左右方向の寸法が同一あるいは大きく形成された形態としても良い。
アーム21は、対向する2枚の板状体が重ね合わされたものとされており、先端側がケーシング22から突出するようにして、基端側(図示下端側)に設けられた回動軸21aを介し、ケーシング22に取り付けられている。このアーム21は、回動軸21aを中心に所定範囲内において回動可能となっている。本例では、このアーム21の回動範囲の一端側が待機位置W(図2(A)に示した状態)、他端側が停止位置S(図2(C)に示した状態)となり、それぞれが戸体11の半開状態と閉鎖状態とに対応している。言い換えると、回動軸21aを基準として、アーム21の先端側が図示左方にある場合が待機位置W、同上方にある場合が停止位置Sとなる。なお、本例とは逆に、戸体11を全開させるために戸体移動装置を用いる場合は、待機位置Wが戸体11の半開状態に対応し、停止位置Sが戸体11の全開状態に対応する。
図2(A)に示すように、アーム21が待機位置Wにある場合は、アーム21の上端位置が戸体11の上端面11bよりも下方に存在し、図2(C)に示すように、アーム21が停止位置Sにある場合は、アーム21の先端部分(固定部21b)が戸体11の上端面11bよりも上方に突出する。ここで、アーム21が上記の待機位置Wにある場合、一時固定手段25の第2当接部252、または、戸枠12の下端面(内周端面)である設置面12bのいずれかに当接しない限りにおいて、戸体11の上端面11bよりも上方に存在していても良い。よって本例では、戸体11が半開状態から閉鎖状態となるように移動する際に、アーム21の固定部21bを他の部分に当接させることなく、直接、一時固定手段25の第1当接部251に当接(衝突)させることができる。そのため、アーム21の固定部21bを一時固定手段25のアーム固定溝25cに導くための導入斜面などを一時固定手段25に設ける必要はない。なお、図14及び図15に示すように導入斜面25dを設けてもかまわない。
アーム21の先端側には、アーム21を構成している対向する2枚の板状体に挟まれるようにして、円筒状あるいは太鼓状とされた固定部21bが形成されており、この固定部21bが、図3及び図4に示すように、戸枠12に設けられた一時固定手段25、具体的には一時固定手段25におけるアーム固定溝25cに保持されることによって、戸体11を自動的に閉鎖することができる。
なお、本例の固定部21bは、軸部21b1と、軸部21b1の外側に配位され、この軸部21b1に対して回動可能とされたローラー部21b2とを有するものであって、後述するように固定部21bが一時固定手段25のアーム固定溝25cに配位された際において、このローラー部21b2が一時固定手段25の左方壁25aや右方壁25bに対して回動できるため、小さな抵抗で固定部21bを上下動させることができる。なお、本例においてはアーム21の先端部が固定部21bとされているが、アーム21の中間などの先端部以外の箇所に固定部21bを形成しても良い。
本例においては、付勢手段23やダンパー24の動作範囲の関係により、及び、装置本体2aをコンパクトに形成することを目的として、アーム21は単純な直棒状ではなく、図示したように湾曲した形状とされている。具体的には、図2(A)に示した状態において、基端側(図示下端側)の比較的大きな部分である基端部21x、そして、基端部21xの先端側で、図示左方に連続して設けられた中間部21y、そして、中間部21yよりも先端側へと連続して設けられており、図示左上方へ延びる先端部21zからなるものである。基端部21xには、上記のように回動軸21aが設けられており、加えて、付勢手段取付部21cを介して付勢手段23が、ダンパー取付部21eを介してダンパー24がそれぞれ取り付けられている。また、先端部21zには上記の固定部21bが設けられる。なお、アーム21の形状は本例のものに限定されず、戸体11に対する取り付け状況や、自動移動動作の範囲など、戸体移動装置の設計に応じた種々の形態での実施が可能である。
ここで、付勢手段23は、アーム21を回動軸21aを中心として待機位置Wから停止位置Sへ向かい回動するように付勢するものである。本例においては、図1(A)に示すように、ケーシング22の外側に対向するように2本設けられたコイルばねとして実施されており、引張力による付勢がなされる。この付勢手段23の一端(下端)側23aは、ケーシング22に対して取り付けられており、他端(上端)側23bは、アーム21の付勢手段取付部21cに取り付けられる。
本願発明においては、上記の付勢手段23として、このように一般的なばねを用いることができるため、従来の「ダッシュポット」(特許文献1参照)のような専用品を用いる必要がない。そして、後述するダンパー24についても汎用品が利用できるため、これにより簡易な構造の装置本体2aとすることができ、装置の製造コスト低減に貢献できる。
付勢手段23は本例のようなコイルばねに限られず、例えば、回動軸21aに取り付けて用いる渦巻ばねなどの他の種類のばねや、ゴムなどの弾性を有する樹脂を用いても良く、また、アーム21及びケーシング22に対して取り付ける場所も限定されるものではない。また、本例とは逆に圧縮力を利用してアーム21を付勢するものとしても良い。
また、付勢手段23の一端側に位置調整手段28を設けることにより、付勢手段23の有する引張力や圧縮力を可変としても良い。例えば、図10に示すように、コイルばね23の下端23aが取り付けられた可動軸28aを調整ねじ28bにより移動可能としておき、これにより、ケーシング22に対するコイルばね23の変位を調整可能とする。こうすることによってアーム21の移動速度を調整でき、これに応じて戸体11の閉鎖速度を調整することができる。
上記付勢手段23のアーム21への接続は、アーム21に設けられた付勢手段取付部21cに、付勢手段23の上端23bが取り付けられることによりなされる。ここで、付勢手段23の中心を示す仮想軸23xは、アーム21が待機位置Wにある際には、図2(A)に示すように、アーム21の回動軸21aに対してほとんど一致しており(厳密にはわずかに左方に存在する)、アーム21が停止位置Sへと移動する際に、アーム21の回動軸21aを中心として回動しつつ右方へと移動し、図2(B)に示す状態を経て図2(C)に示す状態へと至る。なお、付勢手段23がアーム21を待機位置Wから停止位置Sへと付勢するのは、上記仮想軸23xがアーム21の回動軸21aにおける中心よりも右方に移動した後となる。
ダンパー24は、付勢手段23の付勢によりアーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かって回動する際に、アーム21の回動動作を減速させるための緩衝手段である。本例においては、ダンパー24として直動式のダンパーが用いられており、アーム21における、上記の付勢手段取付部21cよりも先端側に位置するダンパー取付部21eに、ダンパー24に設けられた可動棒24aの先端が接続されており、これによってアーム21とダンパー24との間で力の伝達がなされる。なお、本例におけるダンパー取付部21eは、回動軸21aから比較的近い位置であって、回動軸21aから遠い位置に設けた場合よりもダンパー取付部21eの移動距離を比較的小さくできるため、動作範囲(可動棒24aの移動範囲)の小さなダンパー24を利用することができ、装置のコンパクト化に貢献できている。
詳しくは後述するが、アーム21の固定部21bが、図3及び図4に示すように、戸枠12に設けられた一時固定手段25のアーム固定溝25cに保持された状態とされ、アーム21が付勢手段23に付勢されたことにより、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かい回動する。これに伴い、装置本体2aが取り付けられた戸体11が、戸枠12に対して移動することにより閉鎖される。そしてこの閉鎖動作中において、アーム21の待機位置W(図示左方)から停止位置S(同上方)へ至るまでの回動動作がダンパー24の緩衝作用によって減速されるため、戸体11の移動も減速され、戸体11の開口側端面11aが戸枠12に設けられた、戸体11を閉鎖状態から行き過ぎないようにするための部材である、戸当たり部材12a(図3参照)に対して急に衝突してしまうこともなく、静かに、かつ確実に閉鎖動作を行うことができる。また、このダンパー24の存在により、アーム12が急激に移動することがないため、戸枠12に対して戸体11がバウンドしてしまうこともない。
ここで、アーム21に対するダンパー24の取り付け方は、本例のものに限られるものではない。例えば、可動棒24aが本例のようにアーム21とは直接連結されておらず、アーム21の一部に当接することで力の伝達がなされるようなものとしても良い。また、ギアやリンクなどを介してアーム21に対して間接的に連結したものであっても良く、種々に変更して実施し得る。また、上記の付勢手段23と同様に、このダンパー24についても、緩衝能力をねじなどにより調整可能としておくことで、戸体11の閉鎖速度を調整
可能としても良い。
本願発明において用いられるダンパー24は、アーム21に直接的あるいは間接的に連結され、アーム21の動作を減速させるものであればよく、形態が限定されるものではない。例えば、ダンパー24として円形のもの(回転ダンパー)を、回動軸21aが中心となるようにアーム21に直接取り付けても良い。また、ダンパー24は、アーム21がいずれの方向に回動する場合でも緩衝作用を発揮するものであっても良いし、あるいは、ワンウェイクラッチが内蔵されたものとし、アーム21が停止位置Sへと(上方に)移動する際においては減速がなされ、待機位置Wへと(左方に)移動する際においては減速されないものであっても良い。
アーム21には係合部26aが設けられる。この係合部26aは、本例においては、アーム21に設けられた凹部とされている。具体的には、アーム21を構成する、対向して設けられた2枚の板状体に挟まれるように配位された、樹脂製の係合片26に設けられた凹部である。なお、この係合部26aの形状は、後述するアーム位置保持手段(板ばね)27の湾曲部27aの形状と一致するものとされている。また、本例の係合片26は、上記の板状体とは別の部材が用いられているが、アーム21と当初から一体にされたものや、アーム21の一部が折り曲げられて形成されたものであっても良く、下記のアーム位置保持手段27と係合し、アーム21の位置を保持可能なものであれば、種々に変更して実施し得る。
上記の係合部26aに対応するものとして、ケーシング22にはアーム位置保持手段27が設けられている。このアーム位置保持手段27は、図2(A)に示すように、アーム21が待機位置Wにある時に、アーム位置保持手段27の一部である湾曲部27aがアーム21の係合部26aに係合し、アーム21の位置を待機位置Wのまま保持することができるものである。
このアーム位置保持手段27は、建て付けの関係で戸体11と戸枠12の間が本例のものよりも離れて設けられた場合、戸体11を開放した際に、アーム21が停止位置Sから待機位置Wに戻り切らず、中途位置で止まる場合があるが(図9参照)、その際、押圧によりアーム21を中途位置から待機位置Wへと回動させる作用も有する。
アーム位置保持手段27は、本例では板ばね27として実施されており、基端側(図示右端側)がケーシング22に固定されている。この板ばね27は、アーム21に向かうように突出して形成された湾曲部27aを有する。本例における具体的な板ばね27の形状は、図2(A)に示すようにアーム21が待機位置Wにある場合において、ケーシング22の図示右方に対して固定された部分から図示左方へと延び、その先端側において、下方に突出するようにしてV字形に折り曲げられたものであり、この折り曲げられた部分が湾曲部27aとなる。そしてこの湾曲部27aは、図2(A)に示すように、上記のアーム21に形成された凹部である係合部26aと係合可能とされている。この湾曲部27aと係合部26aとの係合は、板ばね27の係合部26aに対する付勢力が下方に作用することにより強固になされるため、アーム21を待機位置Wで確実に保持することができ、また、上記のようにアーム21が中途位置にある場合でも、アーム21を確実に待機位置Wへと確実に戻すことができる。なお、この板ばね27の付勢力は、後述の付勢手段23の付勢力よりも小さくされており、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かい回動する際の支障にならないようにされている。
なお本例では、図2(A)に示すようにアーム21が待機位置Wにある時、アーム21の回動軸21aと付勢手段23の中心を通る仮想軸23xとがほとんど一致している。このため、この状態のアーム21は、付勢手段23によって付勢されていない中立状態にあって、アーム21には板ばね27の付勢力のみがかかっていると言える。よって上記板ばね27の湾曲部27aとアーム21の係合部26aとの係合は、戸体11の移動に伴って、図3(A)に示すように、アーム21の固定部21bが一時固定手段25の左方壁25aに当接(衝突)するまでは、他の外力がかからない限りは外れにくい。
上記の位置保持部26a及びアーム位置保持手段27の形態は、アーム21を待機位置Wに保持でき、かつ、アーム21を上記の中途位置から待機位置Wの方向へと回動させるために押圧できるものであれば、本例のものに限定されるものではなく、種々に変更して実施し得る。例えば、ケーシング22に対して回動可能に設けられた金具の先端に鈎爪を設けておき、この鈎爪でアーム21を保持するものとしたり、凹部と突部の嵌合によるもの、摩擦によるもの、磁石を用いたものなどが挙げられる。
また、アーム位置保持手段27は、本例の板ばねのように、アーム21を押圧するものに限られず、コイルばねなどを用いることにより、アーム21を引っ張るものであっても良い。また本例では、上記のようにアーム21の位置を保持する作用と、アーム21を上記の中途位置から待機位置Wへと戻す作用を一つの部材(板ばね27)で兼ねるものとしているが、各作用を別々の部材が担当するものとしても良い。
一時固定手段25は、本例においては戸枠12に一部が埋め込まれた部品であり、アーム21の固定部21bを戸枠12に対して一時的に固定し、戸体11の移動方向について不動とするためのものである。具体的には、図3に示すように、戸枠12の下端面である設置面12bに設けられている。この設置面12bは、戸体11の上端面11bよりも相対的に外側、本例では上側に存在する。
なお、例えば図14に示すように、戸枠12と一時固定手段25とを一体としても良いし、一時固定手段25が戸枠12に埋め込み以外の手段で取り付けられたものであっても良い。
本例の一時固定手段25は、図5(C)に示すように、ベース部25f、そして図示下方に突出する第1当接部251と第2当接部252とを備える。第1当接部251は、半開状態から閉鎖状態に至る戸体11の移動方向を基準とした前方側(図示左方側)に位置し、第2当接部252は同後方側(図示右方側)に位置する。そして、第1当接部251の上記移動方向を基準とした後方側(図示右方側)の面である左方壁25aと、第2当接部252の同前方側(図示左方側)の面である右方壁25bとに挟まれるようにして、下方に開口した空間を有するアーム固定溝25cが形成されている。つまり、アーム固定溝25cは、ベース部25fから下方へと延びる左方壁25aと右方壁25bとにより規定されたものであり、ベース部25f、左方壁25a、右方壁25b、そして第2当接部252の下端の位置における、上記設置面12bと平行な面の4つの要素に囲まれた部分であると定義できる。そして、図3(B)〜(D)及び図4(A)〜(C)に示すように、このアーム固定溝25cにおける空間には、アーム21の固定部21bが配位可能である。
本例の一時固定手段25の戸枠12への埋め込みは、図3に示すように、上記アーム固定溝25cの少なくとも一部が、戸枠12の設置面12bよりも上側に設けられたものとされている。本例の場合、図3(A)に示すように、一時固定手段25の第2当接部252は、下端が設置面12bと一致している。つまり、一時固定手段25のすべてが設置面12bよりも上側に設けられている。そして、第1当接部251の一部は上記設置面12bの下方に突出している。このようにして、アーム固定溝25cの全部が上記設置面12bよりも上側に設けられたものとされている。
ここで、上記の一時固定手段25は、図3に示すように、戸枠12に設けられた戸当たり部材12aの下端よりも上側に配位されている。そしてアーム21についても、図3(A)に示す待機位置Wにおいて、戸体11から突出した部分が戸当たり部材12aの下端よりも上側に配位されている。よって、戸体移動装置の大部分を戸当たり部材12aに隠れるようにでき、しかも閉鎖時には全く見えないようにできるため、特に一般家庭などの室内用開き戸に適用する場合などで、目立たないように装置を設置したいという要求にも十分に応えることができている。なお、建て付けの関係で、図7及び図8に示すように、戸体11と戸枠12の間が本例のものよりも離れて設けられた場合であっても、一時固定手段25及びアーム21が戸当たり部材12aの下端よりも上側に位置できるように、各部の位置関係には余裕を有するものとされている。
ここで本例のように、開き戸である戸体11の上部に装置本体2aが設けられたものにあっては、底面図である図6において矢印で示したように戸体11が移動するため、アーム21の固定部21bもまた、底面視において円弧状の軌跡を描くこととなる。そして固定部21bは円筒状のものであるため、図示のように、固定部21bの側面(外周面)が左方壁25aに対して角度を持って当接することとなる。よって、一時固定手段25の左方壁25aが平坦な面とされていた場合、固定部21bや左方壁25aが片減りするなどの問題が発生する恐れがある。そこで、本例の一時固定手段25においては、図5(B)(C)に示すように、左方壁25aの内面の一部に傾斜面25a1が形成されたことにより上記の問題を解決している。この傾斜面25a1は、閉鎖状態あるいは全開状態における戸体11の表面11aに対して角度を有する面とされている。本例では、図6に示すように、自動移動動作が開始する際の開度における戸体11の表面11aに対して略平行な面とされている。これはつまり、固定部21bの側面(外周面)が左方壁25aに対して当接する際にぴったりと当接する面ということである。
本例においては、左方壁25aのうち、図5(E)に示す上側の傾斜よりも、図5(D)に示す下側の傾斜の方が大きいものであり、下方に向かうにつれ急傾斜の面が形成されている。これは、固定部21bが左方壁25aに当接した際には戸体11の開度が大きいことにより、固定部21bの側面(外周面)と左方壁25aとの間の角度が大きく、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへと回動するにつれて、固定部21bが左方壁25aに当接しつつ、アーム固定溝25c内を上方へ移動し、これに伴い戸体11の開度が小さくなり、固定部21bの側面(外周面)と左方壁25aとの間の角度も小さくなることに対応しているからである。
なお、本例の傾斜面25a1は、図5(B)(D)に示すように、一方向にのみ傾斜した面とされているが、これに限らず、両方向に傾斜した面であっても良い。また、本例の傾斜面25a1は、図5(A)(B)に示すように上下方向にのみ湾曲した面とされているが、水平方向にも湾曲した面であっても良い。
次に、本例においては、装置本体2aが化粧カバー3と共に戸体11に取り付けられたものとされており、装置本体2aの上部が化粧カバー3に覆われる。この化粧カバー3は図11に示されたものであり、待機位置Wと停止位置Sとの間において回動するアーム21と干渉しないように適宜切欠31が設けられたものである。このように化粧カバー3を取り付けることにより、戸体11から露出したアーム21以外の部分を隠すことができ、特に一般家庭用など、美観を要求される用途に十分応じることができる。また、このように化粧カバー3を使用することにより、装置本体2aの内部へのほこりの侵入も最小限にとどめることができ、長期の使用に伴う動作不良などのトラブルが発生する可能性を抑えることができる。
次に、戸体11の開閉動作に伴う戸体移動装置2の自動移動動作について、図2〜図4と共に述べる。図3及び図4に示したものは、戸体11が半開状態から閉鎖状態へと自動的に移動していく際のアーム21の動作を順に示している。
戸体11が半開状態から閉鎖状態となるように移動させられるに伴い、アーム21は、図3(A)に示すように、固定部21bが一時固定手段25の左方壁25aに衝突する。そして、装置本体2aが設けられた戸体11はさらに閉鎖状態となるように移動し続けるが(図示左向き)、アーム21の固定部21bは、上記の左方壁25aに邪魔されて、それ以上図示左方へは移動できないため、板ばね27とアーム21の係合部26aとの係合が外れ、アーム21が停止位置Sの側(図示上向き)への回動を開始する。これに伴い、図2(B)に示すように、アーム21の回動軸21aよりも付勢手段23の中心を通る仮想軸23xが右方に移動すると、付勢手段23の付勢力がアーム21に働き、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かい自動的に回動し始める。このアーム21の回動の際、固定部21bは、一時固定手段25のアーム固定溝25cに保持された状態、具体的には、左方壁25aと右方壁25bとに挟まれた状態で固定部21bが右方壁25bに当接することにより、固定部21bが戸体11の移動方向について不動とするように保持された状態となり、図3(B)に示す状態から図4(C)に示す状態へとアーム21が順次回動していく。つまり、この右方壁25bは、アーム21の固定部21bを支持するための支点部として機能すると理解できる。なお、この際において板ばね27(図3及び図4では図示省略)は、図2(B)に示すように、アーム21の係合片26に押されて上方にはね上がり、停止位置Sまで至ると係合片26から外れて元の位置に戻るという動作をする。なお、上記のように板ばね27の付勢力は付勢手段23の付勢力よりも小さく設定されているため、上記アーム21の回動の支障にはならない。
このようにして固定部21bが保持された状態にあるアーム21が回動しようとすることにより、付勢手段23の付勢力が反力として戸体11に働き、装置本体2aが設けられた戸体11が図示左方に順次移動して、最終的には、図4(C)に示すように戸体11を閉鎖することができる。このアーム21の回動は、付勢手段23の付勢力及びダンパー24の緩衝作用を受けつつ、停止位置Sまで自動的になされるため、戸体11を閉鎖するために加えられた外力が弱い場合であっても、アーム21を確実に停止位置Sまで回動させて、戸体11を完全に閉鎖することができる。なお、この図4(C)に示す状態にて、一時固定手段25において戸枠12の設置面12bから下方に突出していた部分(第1当接部251の一部)は、戸体11の切欠部11a1に嵌まり込むこととなる。
このようにして戸体11が完全に閉鎖された際には、アーム21のうち戸体11から突出した部分が、一時固定手段25の下端よりも上方に位置することとなる。そして上記のように、一時固定手段25は戸枠12に設けられた戸当たり部材12aよりも上方に配位されているため、戸体11の閉鎖時においては戸体移動装置が外部から全く見えないものとできる。
一方、戸体11を開放する際には、戸体11が閉鎖状態から半開状態に至るまでは、上記と同様にして、一時固定手段25がアーム21の固定部21bを保持したままの状態を維持する。そのため、固定部21bが一時固定手段25の右方壁25bに当接した状態で、戸体11の開放方向への移動に伴ってアーム21が停止位置S(図示上向き)から待機位置W(図示左向き)へと回動する(図4(C)→同(A)→図3(D)→同(A))。ここで、板ばね27とアーム21の係合部26aとが係合し、アーム21が図2(A)に示した当初の状態で固定される。なお、この状態では、上記でも説明したように、アーム21の回動軸21aと付勢手段23の中心を通る仮想軸23xとがほぼ一致しているため、アーム21は付勢手段23によって付勢されていない中立状態にあって、この板ばね27とアーム21の係合部26aとの係合だけで、アーム21が元に戻ってしまうことを防止できる。そしてアーム21は、この待機位置Wまで戻された状態で、固定部21bが第2当接部252の図示下方を通過して一時固定手段25の図示右方に移動し、戸体11が自由状態となって開放される(半開状態)。
なお、上記と同じように図7及び図8に順を追って示したように、建て付けの関係で戸体11と戸枠12とが上記の場合(図3及び図4に示した状態)よりも離れて設けられた場合にあっては、第2当接部252の下方を通過した後であっても、図9に示すように、アーム21が待機位置Wまで完全に戻らず、中途位置に残る場合がある。この場合でも、その中途位置における付勢手段23の付勢力よりも板ばね27のアーム21に対する付勢力が勝るように設定しておけば、板ばね27の付勢力によりアーム21を待機位置Wまで戻すことができる。このように、本願発明に係る戸体移動装置は、実際の建築現場における多様な状況に柔軟に対応することができる。
本願発明は、上記に示した形態に限られず、種々に変更して実施が可能である。
まず、戸体11の閉鎖状態あるいは開放状態については、場合により種々に変更して設定が可能である。例えば、換気のためや、犬猫などのペットが通過可能とするため、閉鎖時においても全閉状態となるようにせず、所定の隙間を保ったまま閉鎖されるように設定しても良い。
また、1枚の戸体11に2つの戸体移動装置が用いられたものとしても良い。この場合、一方の戸体移動装置は、戸体11が閉鎖しようとする際に作動するものとし、他方の戸体移動装置は、上記一方の戸体移動装置と同一の構造を有するものであって、戸体11が所定の開放状態から全開状態となるまでの間を自動開放可能とできる。つまりこの場合には、戸体11の一方側の表面から、閉鎖動作を担当するためのアーム21が突出し、他方側の表面から、開放動作を担当するためのアーム21が突出したものとなる。そして、一時固定手段25のうち閉鎖動作を担当するものは戸枠12に取り付けられ、開放動作を担当するものは、戸体11の全開状態において対応する位置にある建具に取り付けられる。
また上記においては、装置本体2aの長手方向を垂直方向に配位した場合を示したが、装置本体2aの長手方向を水平方向に配位し、横倒しで使用しても良い。この場合における位置関係は、上記の説明における上方向が外側方向に対応し、上記の説明における下方向が内側方向に対応する。
このように装置本体2aを横倒しに設けた場合にあっては、上記に説明したように一時固定手段25にアーム21の固定部21bが当接する際でも、図6に示すように角度を持って当接するということがないため、一時固定手段25の左方壁25aに傾斜面25a1を形成する必要がないという利点を有する。つまり、上記のように戸体移動装置を戸体11及び戸枠12の上部に設けたものに限らず、開き戸にあってはいずれの部分にも設けることが可能であって、種々の場面で最も適したレイアウトを選択できる。
上記の一例として、図12に示すように、戸体11のヒンジ4の設けられた側における側端面11bからアーム21が突出したものとすることがあげられる。この場合、装置本体2aは、アーム21の形状が異なるものの、基本的な構成は上記の実施例と同様であって、アーム21が図示したように待機位置Wから停止位置Sまで水平面内を回動するように、戸体11に埋め込まれる。一時固定手段25については上記の実施例とは異なり、戸体11の閉鎖動作の支障にならないように、戸枠12の設置面12bより外側に全体が埋め込まれている。つまり、アーム固定溝25cの全部が、設置面12bよりも外側に設けられたものとされている。
そしてアーム21の固定部21bは、戸体11が閉鎖方向へ移動するに伴って、ヒンジ4を中心とした円弧状の軌跡を描いて移動する。この固定部21bが一時固定手段25における図示下側の面25a、具体的には当該面25aに形成された段差25a2に衝突することで、上記実施例と同様、アーム21が停止位置Sの側(図示上向き)への回動を開始する。そして上記の例と同様、付勢手段23(図示していない)の付勢により固定部21bが図示上側の面25bに当接し、固定部21bが回動方向(図示上下方向)について不動とするように保持された状態となる。この状態でアーム21が付勢手段23によって付勢されたことにより、この付勢手段23の付勢力が反力として戸体11に働き、装置本体2aが設けられた戸体11がヒンジ4を中心に回動して戸体11を閉鎖することができる。このように戸体11の側端面11bから装置本体2aを埋め込むように設けた場合には、上記の実施例と同様、閉鎖時において戸体移動装置が外部から全く見えないようにできることに加え、戸体11の開放時においても戸体移動装置を目立たないようにできるという利点を有する。
上記においては、戸体移動装置を開き戸に適用した例について説明したが、本願発明はこれに限定されたものではなく、戸枠12に対して戸体11が水平方向(左右方向)にスライドするタイプである引戸に適用しても良い。上記に説明したように、本願発明に係る戸体移動装置は、装置本体2aがスリム化されたものであるため、引戸に適用した場合であっても、戸体11及び戸枠12への取り付けが従来の同種の装置よりも容易にできるという利点を有する。
また、戸体移動装置を折戸に適用しても良い。この場合の一例として、自動閉鎖するようにした折戸について以下説明する。なお、上記の開き戸に適用した例と機能上重複する部分については、必要な場合を除き説明していない。また、図中の記号についても、開き戸に適用した例と機能上重複する部分の記号は同一としている。
この場合における折戸とは、戸体11が、折戸ヒンジ112により回動可能に接続された偶数枚の折戸体111a〜111aが左右方向に並列して構成されたものである。図13に示した例では、折戸体111aが2枚からなっているが、それよりも多数の折戸体111a〜111aからなるものであっても良い。
そして、2枚の上記折戸体111a,111aから開閉単位体111が構成されている。開閉単位体111の左右両端部111bには戸枠支持部113が設けられている。この戸枠支持部113は、例えば戸枠12に設けられたレール部121を走る車輪(図示しない)を備えており、これにより、左右両端部111bのうち少なくとも一方(この例では左端部)が、戸体11の開閉動作の際に、戸枠12に沿って左右方向へと移動自在とされている(図示矢印参照)。
一方、上記開閉単位体111中の2枚の折戸体111a,111aを接続する折戸ヒンジ112は、戸体11の開閉動作の際に、少なくとも戸枠12の延びる方向に直交する方向(図13上の上下方向)へと移動する(図示矢印参照)。このようにして、上記開閉単位体111中の2枚の折戸体111a,111aが、戸体11が閉鎖される際には左右方向に広げられ、開放される際には折戸ヒンジ112を境として折り重ねられる。なお、図13は閉鎖状態と開放状態の中間を示したものである。
装置本体2aは、戸体11中の少なくとも1枚の折戸体111aに設けられている。この例では、図14及び図15に示すように、折戸体111aの上部に設けられているが、下部など他の部分に設けられたものであっても良い。
一方、この例では、図14に示すように、一時固定手段25が戸枠12に対し一体に設けられている。なお、一時固定手段25は戸枠12の前方(図示左方)側に設けられている。この例では戸枠12が押出成型によって形成されており、一時固定手段25の左右方向寸法は、必然的に戸枠12の左右方向寸法と一致している。ただし、一時固定手段25のうち、自動閉鎖のために必要なのは、アーム21の固定部21bが左右方向に移動する範囲に対応する部分のみである。よって機能上は、少なくともこの部分に一時固定手段25の第1当接部251及び第2当接部252が設けられていれば良い。
この例では、図14に示すように、一時固定手段25の第2当接部252の内側端部252aが戸枠12の内周端面12bよりも内側寄り(下方)に存在している。そして、この内側端部252aと設置面12bとの間、より詳しくは、レール部121の開口部分121aよりも前方側に導入斜面25dが設けられている。この導入斜面25dは、図14(A)から(B)に至るようにして、アーム21の固定部21bを当接させつつアーム固定溝25cへ導くものである。なお、この導入斜面25dは戸枠12と戸体11の位置ずれに伴う、一時固定手段25とアーム21の固定部21bの内外方向のずれを吸収することを目的として設けられるものであって、本願発明において必須のものではない。
次に、この例の折戸における自動閉鎖動作について説明する。基本的には、上記で説明した開き戸の場合と同じであるため、簡潔に説明する。
戸体11が半開状態から閉鎖状態となるように移動させられるに伴い、まず、図14(A)に示すように、アーム21の固定部21bは導入斜面25dに当接する。そして、固定部21bは導入斜面25dに沿って移動し、図14(B)に示すように、アーム固定溝25cの下方端へと導かれる。その後、固定部21bは一時固定手段25の左方壁25aに衝突し、アーム21が停止位置Sの側(図示上向き)への回動を開始する。そして、付勢手段23(図示しない)の付勢力がアーム21に働き、アーム21が待機位置Wから停止位置Sへ向かい自動的に回動していく。この際、アーム21の固定部21bは、一時固定手段25のアーム固定溝25cに保持された状態となり、図14(C)に示す状態から図15(A)に示す状態へとアーム21が順次回動していく。これに伴い、付勢手段23の付勢力が反力として戸体11(折戸体111a)に働き、装置本体2aが設けられた戸体11が前方(図示左方)に順次移動して、最終的には、図15(B)に示すように戸体11を閉鎖することができる。
一方、戸体11を開放する際には、戸体11が閉鎖状態から半開状態に至るまでは、上記と同様にして、一時固定手段25がアーム21の固定部21bを保持したままの状態を維持する。そのため、固定部21bが一時固定手段25の右方壁25bに当接した状態で、戸体11の開放方向への移動に伴ってアーム21が停止位置S(図示上向き)から待機位置W(図示左向き)へと回動する(図15(B)→同(A)→図14(C)→同(B))。そしてアーム21は、この待機位置Wまで戻された状態で、固定部21bが第2当接部252の図示下方を通過して一時固定手段25の右方に移動し、戸体11が自由状態となる(半開状態)。この移動の際、アーム21がアーム位置保持手段27の付勢により、図14(A)に示した状態に戻される。
本願発明の一実施例に係る戸体移動装置の装置本体の外観を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 本願発明の一実施例に係る装置本体の内部構造及び動作を示す図であり、(A)はアームが待機位置にある状態を示し、(C)はアームが停止位置にある状態を示し、(B)は中間の状態を示す。 (A)〜(D)とも、本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を開き戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。 (A)〜(C)とも、本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を開き戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。 本願発明の一実施例に係る一時固定手段を示し、(A)は右側面図、(B)は底面図、(C)は(B)のA−A断面図、(D)は(A)のB−B端面図、(E)は(A)のC−C端面図である。 本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を取り付けた開き戸の戸体と戸枠との関係を示す底面視における概略図である。 (A)〜(D)とも、開き戸の戸体と戸枠との間が離れている場合における戸体移動装置の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。 (A)〜(C)とも、開き戸の戸体と戸枠との間が離れている場合における戸体移動装置の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。 開き戸の戸体と戸枠との間が離れている場合における戸体移動装置のアームの様子を示した概略図である。 本願発明の他の実施例を示す要部拡大図である。 本願発明の一実施例に係る戸体移動装置に用いられる化粧カバーを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。 本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を横倒しに設けた場合を示す横断面図である。 本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を折戸に取り付けた場合を示す、平面視の概略図である。 (A)〜(C)とも、本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を折戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。 (A)(B)とも、本願発明の一実施例に係る戸体移動装置を折戸に取り付けた場合の自動閉鎖動作を順を追って示した概略図である。
11 戸体
11a 戸体の表面
11b 戸体の外周端面(上端面)
111 開閉単位体
111a 折戸体
111b 折戸体の左右両端部
112 折戸ヒンジ
12 戸枠
12b 戸体の内周端面(下端面)、設置面
2a 装置本体
21 アーム
21a 回動軸
21b 固定部
23 付勢手段
24 緩衝手段、ダンパー
25 一時固定手段
251 一時固定手段の第1当接部
252 一時固定手段の第2当接部
252a 一時固定手段の第2当接部の内側端部
25a 第1当接部の後方側側面、左方壁
25a1 傾斜面
25c アーム固定溝
27 アーム位置保持手段
S アームの停止位置
W アームの待機位置

Claims (7)

  1. 戸枠(12)の内側に配位された戸体(11)を、戸体(11)が半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態となるまでの間を自動的に移動可能とされた戸体移動装置において、
    戸体(11)には装置本体(2a)が設けられており、
    戸枠(12)には一時固定手段(25)が設けられており、
    上記の装置本体(2a)には、戸体(11)の上記自動移動動作が開始する前における半開状態に対応する待機位置(W)と、戸体(11)の閉鎖状態あるいは全開状態に対応する停止位置(S)との間の範囲内において、回動軸(21a)を中心として回動可能なアーム(21)と、
    上記の待機位置(W)から停止位置(S)へアーム(21)が回動するように、アーム(21)を付勢するための付勢手段(23)と、
    アーム(21)が待機位置(W)から停止位置(S)へと回動する際において、このアーム(21)の回動動作を減速させるための緩衝手段(24)とが設けられ、
    上記の一時固定手段(25)は、半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態に至る戸体(11)の移動方向を基準とした前方側に位置する第1当接部(251)と、同後方側に位置する第2当接部(252)とを備え、
    上記第1当接部(251)は、戸体(11)の閉鎖あるいは開放動作に伴いアーム(21)の一部である固定部(21b)が衝突することにより、アーム(21)の待機位置(W)から停止位置(S)への回動を開始させるための部分であり、
    上記第2当接部(252)は、上記アーム(21)の待機位置(W)から停止位置(S)への回動の際に、アーム(21)の固定部(21b)を戸体(11)の移動方向について不動とするように保持するものであって、
    かつ、閉鎖状態あるいは全開状態にある戸体(11)を半開状態へと移動させる際に、アーム(21)の固定部(21b)が当接し、アーム(21)を停止位置(S)から待機位置(W)へ回動させるための部分であり、
    上記の第1当接部(251)と第2当接部(252)との間には、アーム(21)の固定部(21b)を配位可能な空間を有するアーム固定溝(25c)を備え、
    このアーム固定溝(25c)の少なくとも一部が、戸枠(12)の内周端面(12b)よりも外側に設けられており、
    戸体(11)の自動移動動作が行われる際においては、一時固定手段(25)の上記アーム固定溝(25c)に上記の固定部(21b)が保持され、その状態で付勢手段(23)の付勢を受けてアーム(21)が回動し、これにより戸体(11)が移動するものであり、
    上記のアーム(21)が停止位置(S)から待機位置(W)へと回動させられた際、上記第2当接部(252)との当接によってアーム(21)が回動させられた位置である中途位置が、待機位置(W)に一致しない場合に、アーム(21)を上記中途位置から待機位置(W)へと回動させるためのアーム位置保持手段(27)が設けられたことを特徴とする戸体移動装置。
  2. ヒンジを中心として戸体(11)が回動可能とされた開き戸に適用されるものであり、
    上記第1当接部(251)の、半開状態から、閉鎖状態あるいは全開状態に至る戸体(11)の移動方向を基準とした後方側の側面(25a)の一部であって、自動移動動作中において上記固定部(21b)が最も早く衝突する面(25a1)が、
    上記の閉鎖状態あるいは全開状態における戸体(11)の表面(11a)に対して角度を有する面とされたことを特徴とする請求項1記載の戸体移動装置。
  3. アーム(21)の待機位置(W)において戸体(11)から突出した部分、及び一時固定手段(25)が、戸枠(12)に設けられた戸当たり部材(12a)の内側端よりも外側に配位されたことを特徴とする請求項2記載の戸体移動装置。
  4. アーム(21)は待機位置(W)にある場合、戸体(11)の外周端面(11b)よりも内側に存在しており、停止位置(S)にある場合、上記外周端面(11b)よりも外側に突出するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の戸体移動装置。
  5. 1枚の戸体(11)に2つの戸体移動装置が用いられたものであって、
    各戸体移動装置は、装置本体(2a)が戸体(11)の上部に設けられたものとされ、
    各戸体移動装置のアーム(21)が、待機位置(W)にある場合では戸体(11)の上端面(11b)よりも下側に存在しており、待機位置(W)から停止位置(S)へと回動するに伴い、上記固定部(21b)が戸体(11)の上端面(11b)よりも上側に突出するものであって、
    各戸体移動装置のうち一方の戸体移動装置は、半開状態から閉鎖状態までの間に存在する戸体(11)を自動的に移動させるために作動するものであり、
    同他方の戸体移動装置は、半開状態から全開状態までの間に存在する戸体(11)を自動的に移動させるために作動するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の戸体移動装置。
  6. 折戸に適用されるものであって、
    この折戸は、戸体(11)が、折戸ヒンジ(112)により接続された偶数枚の折戸体(111a〜111a)が左右方向に並列して構成されたものであり、
    上記戸体(11)は、少なくとも1組の開閉単位体(111)を備え、
    上記開閉単位体(111)は、2枚の上記折戸体(111a,111a)から構成されており、
    戸体(11)の開閉動作の際、上記開閉単位体(111)の左右両端部(111b)のうち少なくとも一方が、戸枠(12)に沿って左右方向へと移動し、上記開閉単位体(111)中の2枚の折戸体(111a,111a)を接続する折戸ヒンジ(112)が少なくとも、戸枠(12)の延びる方向に直交する方向へと移動するものであり、
    上記装置本体(2a)は、戸体(11)中の少なくとも1枚の折戸体(111a)に設けられており、
    上記一時固定手段(25)の第1当接部(251)及び第2当接部(252)が、少なくとも、戸体(11)の開閉動作の際にアーム(21)の固定部(21b)が左右方向に移動する範囲に渡って設けられたことを特徴とする請求項1,4,5のいずれかに記載の戸体移動装置。
  7. 上記一時固定手段(25)が上記戸枠(12)に対し、左右方向寸法が一致するように一体に設けられ、
    この一時固定手段(25)が上記戸枠(12)の前方に設けられたものであって、
    上記第2当接部(252)の内側端部(252a)が戸枠(12)の内周端面(12b)よりも内側寄りに存在し、
    上記第2当接部(252)の内側端部(252a)と上記内周端面(12b)との間に導入斜面(25d)が設けられており、
    上記導入斜面(25d)は、上記アーム(21)の固定部(21b)を、当接させつつ上記アーム固定溝(25c)へ導くものであることを特徴とする、請求項6に記載の戸体移動装置。
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