JP5436684B2 - ブレーキ装置、ブレーキライニング、ブレーキライニングの製造方法及びエレベータ装置 - Google Patents

ブレーキ装置、ブレーキライニング、ブレーキライニングの製造方法及びエレベータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータ等の制動機構への使用に適したブレーキライニング及びその製造方法に関するものである。
従来は、ブレーキのライニングの摩擦係数を安定に保つために、ゴム基材にアラミド繊維の短い繊維等を配合してライニングを成形し、研摩剤の研摩による起毛処理を行うことでロータとの摩擦面に対して略直交する方向に繊維を起毛させるといった方法を用いている(特許文献1参照)。
また、例えば、旋盤等によりブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦面をブレーキディスクの回転方向と同方向に加工することにより高い摩擦係数を得る方法がある。さらに、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦面をブレーキディスクの回転方向を横切る方向に加工することにより、加工目への摩耗粒子の堆積を促進し、ブレーキディスクへライニング材を移着させることにより摩耗を低減している(特許文献2参照)。
他に、ブレーキライニングにコルク粒子や有機質繊維を配合し、相手材との摩擦面に潤滑膜を形成することにより、摩擦係数を増大させる方法がある(特許文献3参照)。
特開平8−152033号広報(0019段落、第2図) 特開2000−104765号広報(0015段落、0018段落、第3図、第5図) 特開昭59−19732号広報(第1、2頁)
しかしながら、ゴム基材に短繊維等を配合した後に繊維を起毛した場合、基材が柔らかいために長期の使用によって繊維の方向が滑り方向に平行になって引っかき効果が低減し、摩擦係数が徐々に小さくなってしまうといった問題がある。また、ゴムを長期間使用することにより、ゴムが塑性変形する。通常、巻上機のブレーキ装置は、ロータの回転が停止している状態で制動するようになっているため、ブレーキ制動時は、バネでライニングをロータに押付ける。一方、ブレーキ開放時はバネ力よりも大きい電磁吸引力でライニングをロータから引き離すようにブレーキ装置が構成されている。ライニングとロータの摩擦係数が大きければ、バネ力及び電磁吸引力を小さくできるが、ブレーキの開放時に塑性変形した量だけ余分にライニングを吸引する必要が生じる。このように、ライニングを吸引するストロークが増えることにより電磁吸引力を大きくする必要が生じ、消費電力の増加、ブレーキ装置の大型化といった問題がある。また、塑性変形量が大きい場合にはライニングの吸引が困難となり機器の信頼性を劣化させる可能性がある。
また、ディスクに加工目を設けて、摩耗粒子を移着させる場合、温湿度など周囲の環境変化によって、ディスクまたはライニングの表面状態が変化して摩擦係数が低下する問題があり、安定な制動力を確保できない可能性がある。
さらに、摩擦係数を増大させる方法として、ライニングの成分として元来高い摩擦係数を有するコルクやゴム等を微細な粒子状にしてライニングに混入する方法がある。しかし、コルクやゴム等の粒子の大きさによっては、摩擦時に粒子が脱落して摩擦係数が低下するなど、摩擦係数を安定に保つことが困難となる。このため、予め摩擦係数の低下を大きめに見込んでブレーキ装置を設計することになり、ブレーキ装置の小型化が困難となるといった問題が生じる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ライニングとロータ間において安定した摩擦係数を維持することが可能となり、ライニングをロータに押し付ける力を小さくすることによって、ブレーキ装置の小型化、軽量化を図ることができ、ブレーキ装置製造時におけるCO2排出を低減することができるブレーキライニングを得るものである。
この発明に係るブレーキ装置は、軸受を介して固定軸を中心に回転可能な筒状の回転体と、回転体の内部に配置されるとともに固定軸を支持するハウジングに固定され、コイルを内蔵した固定鉄心と、コイルの励磁により固定鉄心に吸引されて接触し、固定鉄心に設けられたバネにより反発力を受ける可動鉄心と、回転体の内周面に設けられた凹凸部と互いに摺動可能かつ摺動する方向に対して略垂直な方向に繊維を配列し繊維を結束する調合材料によって固められた成型品であって、可動鉄心に設けられたブレーキライニングとを備えたものである。
この発明によれば、ロータの内周面に突起を設け、ライニングの基材となる炭素繊維をライニングとロータの摺動する方向に対して略垂直に配列した成型品であるため、ライニングの炭素繊維とロータの内周面の凹凸との間に互いに引っかく効果が生まれるとともに互いに摺動する方向の抵抗が増加し、ライニングとロータ間において安定した摩擦係数を維持することができる。従って、ライニングをロータに押し付ける力を小さくすることによって、ブレーキ装置の小型化、軽量化、低消費電力化を図れ、また、ブレーキ装置製造時におけるCO2排出を低減することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1による巻上機とブレーキ装置の構造の模式図である。 本発明の実施の形態1によるライニングとロータの模式図である。 本発明の実施の形態1によるライニングとロータの模式図である。 本発明の実施の形態1によるロータの内周面の形状の模式図である。 本発明の実施の形態1によるロータの内周面の形状の模式図である。 本発明の実施の形態2による製造方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態2によるライニングの断面図である。 本発明の実施の形態2によるライニングの断面図である。 本発明の実施の形態2によるライニングの断面図である。 本発明の実施の形態3によるライニングとロータの模式図である。 本発明の実施の形態3による摩擦係数と摺動距離の関係を示す図である。 本発明の実施の形態3によるライニングの模式図である。 本発明の実施の形態4によるエレベータ装置の構造の模式図である。
実施の形態1.
本実施の形態1におけるブレーキ装置の構成を、図を用いて説明する。図1は本発明に係るブレーキライニングとロータが内在するエレベータ用の巻上機を示すものである。なお、以下に述べるライニングとロータはエレベータの巻上機のみならず、自動車の各種タイヤのブレーキ、電動モータ、ホイスト等の産業機器、モータ用ブレーキ、クラッチシステム等にも適用可能である。また、以下内部拡張型のブレーキ装置の例を示しているが、ドラムブレーキやディスクブレーキ等、制動方式に依存せず摩擦材を用いるものにも適用可能である。
図1において、エレベータの機械室の床又は昇降路内の壁に巻上機4のハウジング19が取り付けられている。巻上機4の中央部にはエレベータのかごに繋がれたロープを懸架するための図示されないシーブが設けられている。また、シーブに固定され、シーブとともに回転する筒状のロータ2の中心には、ハウジング19に一端が支持された固定軸6が設けられている。そして、固定軸6の外周面を覆う軸受を介して固定軸6を中心にロータ2が回転する。シーブは、ロータ2の固定軸方向に段違いに取り付けられ、固定軸6を中心に回転する。また、ロータ2の外周面には永久磁石が設けられており、ロータ2の外周面と対向するように配置されたコイルを内蔵した図示されないステータが、ハウジング19に固定されている。
巻上機4のブレーキ装置は、固定鉄心7、可動鉄心8、ロータ2、及びライニング1より構成される。ライニング1は回転体であるロータ2の回転を制止するための摩擦材であり、シュー9に固定されている。そして、ロータ2の内周面の円周方向全てにライニング1と摺動するための凹凸部が形成されている。また、ハウジング19の一部である支持部30はロータ2の内周面に対向し、ロータ2の回転によってシュー9に作用する力を受ける。また、ロータの固定軸6の周囲、つまりロータ2の内部には、回転しない断面コの字状の固定鉄心7が、ハウジング19の一部にボルトによって固定されている。そして、固定鉄心7の片側には例えば2つのコイル7aが内蔵されている。このコイル7aは固定軸6の奥行き方向に巻かれており、また、コイル7aが通電して励磁した場合に可動鉄心8が電磁石となり固定鉄心7を吸引するよう、可動鉄心8は固定鉄心7に対して隙間をもって配置されている。また、筒状のスリーブ内にバネ11の一端が固定され、バネ11の他端は固定鉄心7に固定される。さらに、スリーブの一部が固定鉄心7の内部に配置される。
固定鉄心7に対して相対的に動く可動鉄心8は、ブレーキ制動時、つまりロータ2とライニング1の摺接時には固定鉄心7との間に僅かな隙間を有しているが、ブレーキ開放時、つまりコイル7aの励磁時であり、ロータ2とライニング1が摺接していない時には固定鉄心7と接触する。また、可動鉄心8において、固定鉄心7と接触する側と反対側の面には支持ボルト10が固定されており、支持ボルト10は、可動鉄心8とシュー9を連結するためのボルトである。また、ライニング1が接着剤やネジ等でシュー9に固定されている。図1のようなブレーキ制動時には、シュー9に固定されたライニング1とロータ2とは接触し、ブレーキ開放時には、ロータ2とライニング1の間には隙間が生じる。この隙間はブレーキ制動時に固定鉄心7と可動鉄心8との間に有する隙間に対応するものである。
図2(a)及び図2(b)は、本発明の実施の形態1におけるライニング1とロータ2とが摺動する前後、つまり、ブレーキ開放時とブレーキ制動時におけるライニング1とロータ2の配置及び形状を模式的に示したものである。また、図3は、本発明の実施の形態1におけるライニング1と摺動する巻上機のロータ2の配置及び別の形状を模式的に示したものである。さらに、図4は、本発明の実施の形態1におけるロータ2の内周面の形状を模式的に示したものであり、図5は、本発明の実施の形態1におけるロータ2の別の内周面の形状を模式的に示したものである。
図2(a)において、ライニング1は炭素繊維3を基材とし、繊維同士は調合材料12に固められて密となり成型品となった状態でシュー9に接着されている。また、図2(a)のブレーキ開放時、つまりロータ2が回転中である場合には、ライニング1とロータ2が接触しないように隙間を生じた状態でロータ2と向かい合ってライニング1が配置される。一方図2(b)では、ライニング1とロータ2が接触しており、ライニング1とロータ2は相対的に摺動する関係にある。ライニング1は、図中に矢印で示したライニングとロータの相対すべり方向に対して略垂直に配列される剛性が強い炭素繊維3が複数本調合材料12により結合して密となっているためさらに剛性が高まり、ロータ2に押し付けても破損することはない。この炭素繊維3は例えば、直径約1mm〜2mm程度で長さは7〜10mmである。
ライニング1により、ロータ2の内側の表面である内周面、つまりロータ2の制動面が制動する。そして、ライニング1の炭素繊維3がロータ2と摺動する向きに対して引っかかりが生じるように、ロータ2の奥行き方向(ロータ2の半径方向)に切削、研摩等により内周面を粗くしておく。この内周面の切削は例えば、10ミクロン〜20ミクロンである。ロータ2の内周面に、深さのある凹凸を設けることで、ライニング1の炭素繊維3とロータ2の凹凸部が互いに引っかく構造を形成している。ロータ2の凹凸部の奥行き方向への深さは均一でなくて良く、また、若干傾斜した方向に凹凸を設けても良い。例えば、ボールバニシング等の方法でジグザグの溝を加工して得ることができる。なお、炭素繊維3が密となり一体となったライニング1はシュー9の面と炭素繊維3の長さ方向が垂直になるよう、接着剤等によりライニング1である一体となった炭素繊維3とシュー9を固定している。また、炭素繊維3がロータ2の凹凸部の各凹部と合致するような構成にしなくてもよい。ロータ2の材料としは、例えば、FC材やFCD材等が用いられ、ロータ2の内周面だけをセラミック系のスパッタで形成した薄膜等に変えることもできる。
また、ロータ2の内周面に設けられた形状は、図3に示すような矩形状であっても良い。このような形状は、例えばエッチング加工の方法を用いて加工することができる。なお、各炭素繊維3のピッチとロータ2の凹凸部のピッチとを一致させなくてもよい。
さらに、ロータ2の内周面に設けられた形状は、図4に示す形状であっても良い。図4はライニング1からロータ2の方向を見たロータ2の内周面の形状を表し、ロータ2の内周面にテクスチャリング加工を施してある。これにより、温度や湿度等の環境変動によって水分がロータ2の内周面に吸着した場合であっても、様々な方向に溝が形成されているため、溝を介して水分をライニング1とロータ2との接触領域外に排出させることができる。従って、環境が変化しても摩擦係数の変動を小さくして安定した摩擦係数及び制動力を確保することができる。
また、図5において、ロータ2の内周面にディンプルを形成するよう加工しても良い。ディンプルを設けることによりライニング1とロータ2との引っかきの抵抗を増大させ、摩擦係数を高くすることができる。そして、このディンプルは、圧縮空気でボールを内周面に吹き付けるブラスト加工等により形成可能であり安価に製造することができる。なお、ディンプルのようなくぼみの代わりに膨らみを形成しても良い。
次に本実施の形態1におけるブレーキ装置の動作について説明する。図1において、ロータ2の外周面と対向するように配置されたステータに内蔵されるコイルへの通電を停止し、電気的にエレベータのかごを減速させ停止させると固定軸6に支持された筒状のロータ2の回転が停止する。そして、ロータ2が完全に停止した後にコイル7aに通電する制御を行うことによって、ライニング1は停止したかごが動かないようロータ2を固定する。通常、巻上機4のロータ2が回転するときは固定鉄心7に内蔵したコイル7aに電流を流すことにより、コイル7aが励磁し、固定鉄心7と可動鉄心8との間に電磁吸引力を発生する。そして、可動鉄心8が固定鉄心7の方向に引き付けられ、可動鉄心8と固定鉄心7が接触する。このとき、可動鉄心8に固定されているバネ11は常時、自身が有する弾性力により可動鉄心8を固定鉄心7から引き離そうとするため、可動鉄心8を固定鉄心7に引き付けるためにはコイル7aに発生させる電磁吸引力をバネ11の弾性力よりも大きくする必要がある。可動鉄心8が固定鉄心7に吸引されるに伴い、可動鉄心8に固定された支持ボルト10並びに支持ボルトに支持されたシュー9及びライニング1も固定鉄心7の方向に引き付けられる。このとき、可動鉄心8、シュー9及びライニング1はロータ2から引き離され、可動鉄心8と固定鉄心7の隙間が無くなるのに乗じてライニング1とロータ2との間に隙間が生じ、ブレーキ開放状態となる。
また、巻上機4のロータ2の回転が停止した後は固定鉄心7に内蔵したコイル7aへの通電が短時間で止まり、コイル7aの電磁吸引力は失われる。一方、バネ11は弾性力を常時有しているため、固定鉄心7と可動鉄心8の接触により縮んでいたバネ11が反発力により伸長し、可動鉄心8は固定鉄心7から引き離されるとともに、シュー9及びライニング1がロータ2に押し付けられ、ロータ2が制動する。
もっとも、エレベータのかごが作動している状態で停電等が発生した場合には、ロータ2が回転している状態で電源が切断されるため、かごが惰性運転し、ロープがロータ2を回転させる。同時に、停電によってコイル7aに電流が流れなくなるに従い、バネ11の弾性力によってライニングライニング1がロータ2に押し付けられる。このときロータ2が回転している状態でシュー9及びライニング1がロータ2に押し付けられるため、ライニング1とロータ2が摺動し、その後ロータ2は停止する。
ブレーキ制動時には、巻上機の固定鉄心7に設けられたバネ11で可動鉄心8を動かし、シュー9を押し付けてロータ2の回転を制動するため、制動力を増大させるには、バネ11の弾性力を増大させるか、若しくは、ライニング1の摩擦係数を高くすればよい。もっとも、バネ11の弾性力を増大させると、ブレーキ開放時にバネ11の弾性力に逆らって可動鉄心8を吸引するためのコイル7aの電磁力が増加するため、固定鉄心7に内蔵したコイル7aの使用量が増加し、消費電力も増大する恐れがある。
一方、ライニング1の摩擦係数を高くすると、同じ制動力を得るのに必要なバネ11の弾性力を小さくすることができるため、バネ11を小さくできるとともにブレーキ開放時に必要なコイル7aの電磁吸引力を小さくすることが可能となる。したがって、コイル7aの電磁吸引力で可動鉄心8を固定鉄心7に引き付けるための消費電力が抑制され、固定鉄心7自体の大きさや重量を低減することができる。また、ブレーキ装置の小型化、軽量化により、コイル7aの量、固定鉄心7の大きさ等が減少し加工に生じる時間を短縮でき、工場でのCO2を削減できる。
エレベータのかごが昇降している、つまり、巻上機4が作動しているような図2(a)の状態では、巻上機のロータ2が回転しており、同時にブレーキは開放状態となっている。そして、通常はかごを電気的に停止させ、ロータ2が停止した後にブレーキが働きライニング1がロータ2に押さえ付けられ巻上機が動かないよう固定する。一方、停電等の非常時の場合には、ロータ2が回転した状態でブレーキが働くため、ライニング1の炭素繊維3とロータ2の凹凸部が摺動した後にロータ2を停止する。無数の炭素繊維3とロータ2が互いに引っかく形状を有しているため、摺動時の抵抗、つまり摩擦力が増大し、ロータ2の停止距離が減少する。また、ライニング1は複数本が結合し密となった炭素繊維であるため、剛性が強く破損せず、ライニング1は安定して高い摩擦係数が維持できる。従って、ライニング1をロータ2に押し付ける力を小さくできるため、コイル7aの通電量を同量にする場合に、コイル7aの量が減少し、ブレーキ装置の小型化、軽量化が図れ、一方、コイル7aの通電量を減らす場合にはブレーキ装置の発熱性を減少でき、ブレーキ装置の信頼性が向上する。
以上に述べたように、本実施の形態1によれば、ロータの内周面に凹凸部を設け、ライニングの基材となる炭素繊維をライニングとロータの摺動する方向に対して略垂直に配列することにより、ライニングの繊維とロータの内周面の凹凸との間に互いに引っかく効果が生まれるとともに互いに摺動する方向の抵抗が増加し、ライニングとロータ間において安定して高い摩擦係数を維持することができる。
また、ライニングとロータ間において安定して高い摩擦係数を維持することができるため、ライニングをロータに押し付ける力を小さくすることによって、コイルの量が減少しブレーキ装置の小型化、軽量化を図ることができ、ブレーキ装置の製造時におけるCO2排出を低減することができる。
さらに、ライニングをロータに押し付ける力を小さくすることによって、コイルの通電量が減少するとともに発熱性が減少するためブレーキ装置の信頼性が向上する。
実施の形態2.
本実施の形態2における上記のライニング1の製造方法を説明する。まず、製造装置の構成につき説明する。図6(a)は炭素繊維3を結合して出来るライニング1を製造するための製造装置であり、図6(b)は、図6(a)で製造された炭素繊維3を結合して出来たライニング1の断面図である。
図6(a)の製造装置は、固定された複数個あるボビン21の曲面に、それぞれ一本の炭素繊維3が巻き付けられており、巻き付けられた炭素繊維3の数本をワンセットに並べて置くための第1のローラー22が複数ある。炭素繊維3は例えば直径10ミクロン〜17ミクロン程度の炭素繊維原糸を撚ったものを用いる。また、第1のローラー22に並べられた数本ワンセットの炭素繊維3に調合材料12を絡めるための粉状の熱硬化性樹脂である調合材料12を有した粉体箱13が設けられている。さらに、調合材料12が付着した数本ワンセットの炭素繊維3を一本に撚ることが可能な、ローラーの両端から中央部に向かうに連れ下降傾斜している回転可能な第2のローラー23が複数存在する。また、第2のローラー23で一本に撚られた数本ワンセットの炭素繊維3を数本束ねて撚ることが可能なローラーの両端から中央部に向かうに連れ下降傾斜する形状を有すると共に回転する第3のローラー24が設けられている。さらに、第3のローラー24で撚られた繊維束を加熱・加圧成形し、炭素繊維3を結合し密とするための図示されないプレス14がある。また、プレス14で加熱・加圧成形された後、繊維束をプレスから離れる方向に引き出すための駆動部、駆動部を通過したライニング1を切断する図示されない切断機、切断機により切断したライニング1を焼成する図示されない焼成機がある。
図6(a)に示す製造装置によりできたライニング1、つまり焼成機で焼成されてできたライニング1の断面図を示したものが図6(b)である。図6(b)のライニング1は、複数本の炭素繊維3及び密となった繊維間を一体とするための調合材料12とから構成され、炭素繊維3同士の間を強く結束している。ライニング1は、例えば縦70mm〜80mm×横70mm〜80mm、若しくは直径70mm〜80mmであり、切断機で切断された長さは5〜10mm程度である。
次に本実施の形態2における製造方法について説明する。図6(a)において、図示されない駆動機が炭素繊維3を回転させながら引っ張ることにより、ボビン21に巻かれた炭素繊維3が引っ張られるとともに、ボビン21に巻かれた炭素繊維3が解かれる。複数あるボビン21より解かれた複数本の炭素繊維3が第1のローラーに並べられ第1のローラーが回転し繊維を送り出す。次に、第1のローラーにより送り出された複数本の炭素繊維3を予め調合材料12を配合して充填してある粉体箱13の中に通し、繊維間に調合材料をからめた後、炭素繊維3を第2のローラー23で撚る。この第2のローラー23は中央に向かうに連れ傾斜しており、中央に炭素繊維3が集まるようになっている。したがって、プレス加工により加熱・加圧成形してできた炭素繊維3結合体であるライニング1を引っ張ると同時に捻る駆動機の作用と相俟って、第2のローラー23を通過した炭素繊維3が束ねられる。同時に同様の手順を用いて、調合材料をからめた後撚った炭素繊維3が複数本出来上がる。このようにして、複数本撚って出来た炭素繊維3をローラー24でさらに撚ることを繰り返して所定の太さにした後、一本になった繊維束をプレス14で加圧・加熱しながら成形して所定の長さに切断する。これにより繊維束を結束する、熱硬化性樹脂の調合材料12を固める。そして、図示されない切断機で切断した後、図示されない焼成機で焼成して樹脂を加強することで、図6(b)に示すとおり、複数本の炭素繊維3が密になり成型されたライニング1を得ることができる。本発明では、複数回に分けて撚る工程を設けているため、より炭素繊維間の密度が高くなり、剛性が高くなるとともに、炭素繊維間に調合材料12が付着しやすく結束力が高いライニング1を作成することができる。したがって、ロータ2と摺動させてもライニング1は破損することはない。
粉体箱13の中にある調合材料12は、摩擦調整剤、充填剤、結合剤等で構成される。摩擦調整剤としては、カシューダスト、ゴムダスト、銅、亜鉛、アルミナ、ジルコニア等を、充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化スズ等を、結合剤としては、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ポリイミド等を用いる。
図6に示した製造方法によれば、焼成によって出来た一本の繊維束を切断するだけで複数のライニングを連続して製造することができ、高価な金型を必要としないので、安価に製造することができる。
また、複数回に分けて撚る工程を設けているため、炭素繊維間の密度が高くなり、剛性が高くなるとともに、炭素繊維間に調合材料12が付着しやすく結束力が高いライニングを作成することができる。
また、図7はライニング1内に紐状のゴム材である紐状高摩擦剤15が混入されたものである。図7に示すように、炭素繊維3を加熱、成形する前に紐状の例えばゴム材等の摩擦係数の高い摩擦材料である紐状高摩擦材15を繊維とともに撚ることによって、さらに摩擦係数を大きくすることができる。通常、摩擦係数を高くするために、粒状のゴムなどを充填することがあるが、摩耗によって表面劣化を生じて脱落したり、摩擦熱によって硬化して脱落することがある。それに対し図6に示した製造法では、長さ方向につらなった材料により強度を確保され、紐状高摩擦材15は脱落することなく、また、摩擦熱により温度が上昇しても表面が劣化するだけで、安定な摩擦係数を確保することができる。この摩擦材料は、ライニング1に構成される炭素繊維3の長さと略等しい。
図8は、ライニング1内に、炭素繊維3と一緒に、数種の材料が混入することを示す断面図である。ライニング1に混入する材料としては、紐状高摩擦材15の1種類に限定されず、図8に示すように、例えば、針金状の耐摩耗性材16など、複数種の長尺状の摩擦材料を繊維と一緒に撚ることによって、種々の摩擦特性を有するライニング1を安価に製造することができる。耐摩耗性材16は、例えばタングステンあるいはモリブデン等を用いる。
上記では製造装置によりライニング1を作製する例を示したが、上記製造装置から得られるライニング1より大きなライニング20が必要な場合がある。この場合には、製造装置に使用する炭素繊維3の本数を増やすことも考えられるが、図6(b)に示すライニング1に構成される炭素繊維3の本数を減らし、それを1つのセグメントとし複数繋げてライニングを作製しても良い。ここで、セグメントとは、ライニング20の一部を構成するものである。そして、セグメントを複数個並列に繋げて一体としたものをライニングとすることができる。
図9(a)はセグメント17の断面図を示し、図6(b)と対応するものである。図6(b)は、それ自体をライニングとし、巻上機のシュー9に取り付けるものであるが、図9(b)は、ライニングの一部に過ぎない。
図9(b)はセグメント17を多数個繋げてできるライニング20の断面図を示すものである。寸法が大きなライニング20は、図9に示すように、ライニングのセグメント17を並列に複数個繋げて作製することができる。セグメント17は、複数本の炭素繊維3と、それらを固めて結束させる調合材料12からなる。1つのセグメントに構成される炭素繊維3の本数を変えるためには、上記の製造装置で用いる炭素繊維3の本数を減らせばよい。それにより、図6(b)のライニング1より小さい図9(a)のセグメント17を同図(b)のように、多数個並列に配列させるよう接着剤等により接着してライニング1を製造する。そして、複数個のセグメント17からなるライニング20は接着剤等によりシュー9に直接接着し、若しくは、基板を介してシュー9に接着される。
このように、上記製造装置に用いる炭素繊維3の本数を減らしてできるセグメント17を複数並列に接着することにより、撚り本数を少なくすることができ、その結果、ボビンやローラー等の個数が削減し、設備の小型化が図られるとともに、工場内のCO2排出を抑制して、安価に製造することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3におけるブレーキライニング及びロータの構成を、図を用いて説明する。なお、ロータ2を制止するライニングの形状を除き、巻上機4等の構成は実施の形態1と同一の構成であるため省略する。実施の形態1では、炭素繊維3を相対すべり方向とほぼ垂直に配列したライニング1について述べたが、炭素繊維3を短く切断して摩擦係数を大きくすることもできる。図10(a)は、ブレーキ開放時の短繊維が設けられたライニングと回転体であるロータ2の配置関係を示し、図10(b)は、ブレーキ制動時の短繊維が設けられたライニングとロータ2の配置関係を示し、図10(c)は、ライニングの構成を示す断面図である。
図10(a)は、ロータ2とライニング25が隙間を生じた状態であるブレーキ開放時を示すものである。そして、実施の形態1と同様に、所定の表面形状に加工された巻上機のロータ2、実施の形態2で示した炭素繊維3を短く切断した短繊維18で構成したライニング25及びライニング25を固定するとともに支持ボルト10を通じて巻上機4の可動鉄心8と連動するシュー9により動作する。また、ブレーキ制動時には、図10(b)に示すとおり、ライニング25に形成された短繊維18とロータ2の凹凸部が引っかきあう構造となっている。また、図10(c)において、ライニング25は、粉状の熱硬化性樹脂を含む調合材料12により硬化している。短繊維18が表面に露出することによって、剛性が高い繊維がロータ2の内周面を引っかくときの抵抗が大きくなり、摩擦係数を高めることが可能となる。
このようなライニング25は、炭素繊維3を短く切ってできる短繊維18と調合材料12から構成され、それらを混合して金型に投入し、金型を加熱しながら成形するためのプレスで加圧する従来の加工プロセスで製造される。そして、ライニング25の表面は、ざらざらした突起状の短繊維が起毛した状態で保持される。このように、ライニング1の製造工程を従来から特に変更することがないので、設備投資を抑制し、安価に品質が高いライニングを得ることができる。
次に、本実施の形態3におけるブレーキ装置の動作について説明する。なお、実施の形態1と同様の動作については省略する。図11に摩擦係数と摩擦距離の関係を繊維の長さをパラメータにして示す。図11の横軸は摩擦距離、縦軸は摩擦係数を表し、摩擦係数は、ロータ2とライニング25が摺動している状態の摺動面に働く摩擦力と摺動面を垂直に押す力との比を意味し、摩擦距離は、ライニング25とロータ2が回転している状態で接触して摺動している距離を意味する。短繊維18は炭素繊維3を短く切ったものであり、長繊維は炭素繊維3そのものである。
図10及び図11において、ライニング25がロータ2と接触し始めてからライニング25とロータ2がなじむまで、つまり、ライニング25がロータ2を押し付けてからライニングとロータの接触面圧の高い部分が選択的に削れて接触面圧が一様な状態になるまでは、摩擦係数が小さく安定しない。しかし、所定の距離だけ摩擦させてライニング1とロータ2がなじんだ状態では、摩擦係数はほぼ一定の値に落ち着く。実験によれば、短繊維18の長さが0.1mm以上1mm以下になると、ライニング25とロータ2の間の摩擦係数が0.5を超え、大きな値を得ることが可能となる。
上記では、基材に短繊維18を用いたが、図12に示すとおり、短繊維18及び短繊維よりも長い長繊維である炭素繊維3を基材として用いることができる。炭素繊維3と短繊維18を基材として使用することにより、機械強度が大きなライニングを得ることができる。短繊維は0.1mm以上1mm以下であり、炭素繊維3は5mm以上10mm以下とする。短繊維18のみを基材とした場合には、繊維同士が絡みにくいため、せん断、曲げなどの機械強度が小さくなることがある。つまり、炭素繊維3が短繊維18の剥がれ等を防止する機能を持ち、短繊維18が摩擦係数を増大させる機能を持つ。したがって、長い繊維と短い繊維を使用することによって、両方のメリットを享受する。なお、図12では、2種の長さの炭素繊維を用いる例を示したが、短繊維18の長さと炭素繊維3の長さの間の長さの繊維を加えるなど、3種以上の長さの炭素繊維を使用しても良い。
以上述べたように、本実施の形態3によれば、短繊維18を用いることによりライニング25とロータ2の摩擦係数を増大するため、その分固定鉄心7に設けられたバネの弾性力及び固定鉄心7に内蔵されたコイル7aの電磁吸引力を小さくできるためブレーキ装置の小型化、軽量化、及びブレーキ装置の消費電力を低減することができる。
また、長さの異なる繊維を組合せて使用することにより、摩擦係数が高く、且つ機械強度が大きいライニングを得ることができ、ブレーキ装置の小型化、軽量化、及びブレーキ装置の消費電力低減を図ることができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4におけるエレベータ装置について図13を用いて説明する。なお、巻上機の構成については上記と同様のため省略する。図13は本実施の形態におけるブレーキ装置を含む巻上機を用いたエレベータ装置の構成を示すものである。建物の最上階に機械室26が設けられている。機械室26の床には実施の形態1で示した巻上機4が固定されている。上述の通り、巻上機4には軸受を介して固定軸6を中心に回転するロータ2が設けられ、ロータ2の固定軸方向に段違いに取り付けられたシーブがロータ2と共に回転する。そして、シーブには、かご28及び釣合い錘29を吊り下げるためのロープ27が設けられている。また、かご28は釣合い錘29と釣り合っている。
図示しない電源部から巻上機4のステータに電力が供給されると巻上機4のロータ2は回転する。ロータ2の回転に伴ってシーブが回転する。これによって、シーブに懸架されたロープ27の両端に固定された釣合い錘29及びかご28が上下に動作する。
なお、本実施の形態では、巻上機4が建物の機械室に設けられる構成を示したが、例えば、昇降路内の壁等に配置してもよい。
本実施の形態における巻上機4に内蔵されるブレーキ装置は例えば図1に示すような構成であり、安定して高い摩擦係数を維持することができるためブレーキ装置に内蔵されるコイル7aの電磁吸引力を小さくできるため、エレベータ動作時におけるブレーキ開放に必要な消費電力が減少し、ブレーキ装置の消費電力の低減及びエレベータの消費電力の低減を図ることができる。
この発明は、エレベータの巻上機のみならず、自動車の各種タイヤのブレーキ、電動モータ、ホイスト等の産業機器、モータ用ブレーキ、クラッチシステム等に利用できる。
1 ライニング
2 ロータ
3 炭素繊維
4 巻上機
6 固定軸
7 固定鉄心
7a コイル
8 可動鉄心
9 シュー
10 支持ボルト
11 バネ
12 調合材料
13 粉体箱
14 プレス
15 紐状高摩擦材
16 耐摩耗性材
17 セグメント
18 短繊維
19 ハウジング
20 ライニング
21 ボビン
22 第1のローラー
23 第2のローラー
24 第3のローラー
25 ライニング
26 機械室
27 ロープ
28 かご
29 釣合い錘
30 支持部

Claims (3)

  1. 複数本の繊維を引き出す駆動機により前記繊維を引き出しながら、前記繊維を結束するための調合材料を前記繊維に付着する付着ステップと、
    前記付着ステップにて前記調合材料を付着した前記繊維を繰り返し撚って束ねる束ねステップと、
    前記束ねステップにて束ねてできる繊維束を加熱・加圧成形する成形ステップと、
    前記成形ステップにて成形した前記繊維束を切断しブレーキライニングとする切断ステップと、
    を含むことを特徴とするブレーキライニングの製造方法。
  2. 前記束ねステップにおいて、摩擦係数の高い摩擦材料とともに前記繊維を撚ることを特徴とする請求項に記載のブレーキライニングの製造方法。
  3. 前記切断ステップにて切断された前記繊維束を接着剤により並列に複数個繋げて一体にするステップを含むことを特徴とする請求項に記載のブレーキライニングの製造方法。
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