JP5436517B2 - グラフト共重合体及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明のグラフト共重合体は、ミクロ構造としてシス−1,4結合が21〜30%重量%、トランス−1,4結合が47〜60重量%、1,2ビニル結合が16〜23重量%であり、膨潤度が13〜35であるゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合して得られた、グラフト共重合体である。
膨潤度=トルエン不溶部の重量(重量a)/真空乾燥後の重量(重量b)
グラフト率(%)=(アセトン不溶分重量−グラフト共重合体中のゴム状重合体重量)/グラフト共重合体中のゴム状重合体重量×100
膨潤度=トルエン不溶部の重量(重量a)/真空乾燥後の重量(重量b)
ゴム質重合体ラテックスをオスミウム染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子製:JEM−1400)を用いて写真を800個撮影し、画像解析装置(旭化成製:IP−1000C型)を用いて重量平均粒子径を求めた。
グラフト共重合体又は、該グラフト共重合体から得られた熱可塑性樹脂組成物にアセトンを加え一晩放置して溶解させた。溶解したサンプルを遠心分離した(12000rpm×30min)。遠沈管に残ったアセトン不溶部にアセトンを加え、再度同一条件で遠心分離した。遠心分離後、アセトン可溶部を廃棄し、メタノールでよく洗浄しながらアセトン不溶部を吸引ろ過した。さらに不純物を除去するため上記アセトン不溶部にイソプロピルアルコールを添加しマントルヒーターで7時間以上リフラックスさせた。リフラックス終了後、アセトン不溶部をガラスろ過器にて吸引ろ過し、イソプロピルアルコールでよく洗浄した。リフラックス終了後、アセトン不溶部を一晩真空乾燥した。真空乾燥したアセトン不溶部にn−ヘキサンを入れ、マントルヒーターにて5時間以上リフラックスさせた。リフラックス終了後、抽出液をろ紙でろ過し、エバポレーターで濃縮乾固後、真空乾燥をした。この真空乾燥物をクロロホルムに溶解した。
上記より得られたサンプルを臭沃化タリウム(KRS−5)製の板に塗り、クロロホルムを乾燥させ、フーリエ変換赤外分光装置(パーキンエルマー製 Spectrum One)を用いて吸光度を測定した。
スチレンの特性吸収は699cm−1に、ブタジエンのシス−1,4結合、トランス−1,4結合、及び1,2ビニル結合の特性吸収はそれぞれ724、967、911cm−1に現れる。得られた吸光度からHamptomの式により各結合の含有率(%)を求めた。
S=0.374A699−0.260A724−0.014A911
C=−0.025A699+1.834A724−0.027A911−0.004A967
V=−0.007A699−0.015A724+0.314A911−0.007A967
T=−0.007A699−0.036A724−0.011A911+0.394A967
シス−1,4結合(%)=C/(C+V+T)×100
トランス−1,4結合(%)=T/(C+V+T)×100
1,2ビニル結合(%)=V/(C+V+T)×100
ここでAλはそれぞれの波数における吸光度である。
ゴム質重合体の固形物をトルエン100ml中に25℃、48時間浸漬し、300メッシュの金網でろ過した際のトルエン不溶部の重量(重量a)と、トルエン不溶部を真空乾燥した重量(重量b)を測定し、次式によって膨潤度を求めた。
膨潤度=トルエン不溶部の重量(重量a)/真空乾燥後の重量(重量b)
グラフト共重合体をアセトンに浸漬して、その不溶部を取り出し、一晩真空乾燥を行った。真空乾燥したグラフト共重合体のアセトン不溶部をトルエン100ml中に25℃、48時間浸漬し、300メッシュの金網でろ過した際のトルエン不溶部の重量(重量a)と、トルエン不溶部を真空乾燥した重量(重量b)を測定し、次式によって膨潤度を求めた。
膨潤度=トルエン不溶部の重量(重量a)/真空乾燥後の重量(重量b)
ゴム質重合体の重合安定性の評価は、ゴム質重合体の重合後に得られたゴム質重合体ラテックスを300メッシュの金網でろ過をして、得られた凝集物の量で判断した。評価結果を表2に示す。
◎:0.01(%)未満
○:0.01以上0.05未満(%)
△:0.05以上0.10未満(%)
×:0.10以上
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン90重量部、スチレン10重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、過硫酸カリウム0.5重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水163重量部を仕込み、攪拌しつつ70℃で41時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−1)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−1)のミクロ構造は、シス−1,4結合が25%、トランス−1,4結合が56%、1,2ビニル結合が19%であり、重量平均粒子径は420nmであった。また、膨潤度は15であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン95重量部、スチレン5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、過硫酸カリウム0.5重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水163重量部を仕込み、攪拌しつつ65℃で45時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を75℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−2)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−2)のミクロ構造は、シス−1,4結合が27%、トランス−1,4結合が53%、1,2ビニル結合が20%であり、重量平均粒子径は389nmであった。また、膨潤度は28であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン98重量部、アクリロニトリル2重量部、n−ドデシルメルカプタン0.35重量部、過硫酸カリウム0.5重量部、不均化ロジン酸ナトリウム2.1重量部、水酸化ナトリウム0.18重量部、脱イオン水200重量部を仕込み、攪拌しつつ55℃で48時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら5時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−3)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−3)のミクロ構造は、シス−1,4結合が23%、トランス−1,4結合が55%、1,2ビニル結合が22%であり、重量平均粒子径は390nmであった。また、膨潤度は23であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン95重量部、スチレン5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、過硫酸カリウム2.5重量部、不均化ロジン酸ナトリウム2.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水188重量部を仕込み、攪拌しつつ38℃で51時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を52℃に維持しながら9時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−4)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−4)のミクロ構造は、シス−1,4結合が23%、トランス−1,4結合が48%、1,2ビニル結合が29%であり、重量平均粒子径は375nmであった。また、膨潤度は19であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン90重量部、スチレン10重量部、n−ドデシルメルカプタン0.5重量部、過硫酸カリウム1.7重量部、不均化ロジン酸ナトリウム2.5重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、脱イオン水200重量部を仕込み、攪拌しつつ45℃で50時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を55℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−5)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−5)のミクロ構造は、シス−1,4結合が31%、トランス−1,4結合が53%、1,2ビニル結合が16%であり、重量平均粒子径は375nmであった。また、膨潤度は30であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン99重量部、スチレン1重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、過硫酸カリウム0.5重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水163重量部を仕込み、攪拌しつつ89℃で42時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を90℃に維持しながら9時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−6)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−6)のミクロ構造は、シス−1,4結合が21%、トランス−1,4結合が63%、1,2ビニル結合が16%であり、重量平均粒子径は333nmであった。また、膨潤度は19であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン90重量部、スチレン10重量部、過硫酸カリウム0.7重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水163重量部を仕込み、攪拌しつつ65℃で43時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−7)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−7)のミクロ構造は、シス−1,4結合が23%、トランス−1,4結合が59%、1,2ビニル結合が18%であり、重量平均粒子径は333nmであった。また、膨潤度は10であった。
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン93重量部、スチレン7重量部、n−ドデシルメルカプタン0.8重量部、過硫酸カリウム0.8重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.9重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、脱イオン水170重量部を仕込み、攪拌しつつ80℃で42時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を82℃に維持しながら9時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去することでゴム質重合体ラテックス(a−8)を得た。このゴム質重合体ラテックス(a−8)のミクロ構造は、シス−1,4結合が20%、トランス−1,4結合が65%、1,2ビニル結合が15%であり、重量平均粒子径は360nmであった。また、膨潤度は40であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水148部、ゴム質重合体ラテックス(a−1)45重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し63℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.35重量部を脱イオン水11重量部に溶解した水溶液を添加した。65℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.20重量部の混合液と、脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.5重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−1)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−1)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は50%であった。また、グラフト共重合体(A−1)のアセトン不溶部の膨潤度は4.9であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、ゴム質重合体ラテックス(a−2)50重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し65℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.30重量部を脱イオン水12重量部に溶解した水溶液を添加した。68℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.25重量部の混合液と、脱イオン水19重量部にオレイン酸カリウム1.35重量部を溶解した乳化剤水溶液を4.4時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−2)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−2)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は45%であった。また、グラフト共重合体(A−2)のアセトン不溶部の膨潤度は5.3であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水152部、ゴム質重合体ラテックス(a−1)45重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し58℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.55重量部を脱イオン水15重量部に溶解した水溶液を添加した。60℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.05重量部の混合液と、脱イオン水15重量部にオレイン酸カリウム1.32重量部を溶解した乳化剤水溶液を4.5時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−3)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−3)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は79%であった。また、グラフト共重合体(A−3)のアセトン不溶部の膨潤度は2.4であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水155部、ゴム質重合体ラテックス(a−3)50重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し63℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.35重量部を脱イオン水13重量部に溶解した水溶液を添加した。65℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.20重量部の混合液と、脱イオン水16重量部にオレイン酸カリウム1.21重量部を溶解した乳化剤水溶液を6.0時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−4)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−4)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は60%であった。また、グラフト共重合体(A−4)のアセトン不溶部の膨潤度は5.0であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水167部、ゴム質重合体ラテックス(a−4)45重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し54℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.35重量部を脱イオン水14重量部に溶解した水溶液を添加した。56℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.21重量部の混合液と、脱イオン水17重量部にオレイン酸カリウム1.51重量部を溶解した乳化剤水溶液を5.5時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−5)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−5)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は35%であった。また、グラフト共重合体(A−5)のアセトン不溶部の膨潤度は5.2であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水170部、ゴム質重合体ラテックス(a−5)50重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し54℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.25重量部を脱イオン水14重量部に溶解した水溶液を添加した。56℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.45重量部の混合液と、脱イオン水17重量部にオレイン酸カリウム1.51重量部を溶解した乳化剤水溶液を5.5時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−6)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−6)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は29%であった。また、グラフト共重合体(A−6)のアセトン不溶部の膨潤度は6.7であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水168部、ゴム質重合体ラテックス(a−6)45重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し70℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.60重量部を脱イオン水18重量部に溶解した水溶液を添加した。72℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.25重量部の混合液と、脱イオン水17重量部にオレイン酸カリウム1.50重量部を溶解した乳化剤水溶液を4.0時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−7)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−7)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は86%であった。また、グラフト共重合体(A−7)のアセトン不溶部の膨潤度は3.1であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水165部、ゴム質重合体ラテックス(a−7)45重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し65℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.40重量部を脱イオン水16重量部に溶解した水溶液を添加した。68℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.27重量部の混合液と、脱イオン水16重量部にオレイン酸カリウム1.35重量部を溶解した乳化剤水溶液を4.0時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−8)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−8)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は59%であった。また、グラフト共重合体(A−8)のアセトン不溶部の膨潤度は4.8であった。
耐圧製の重合反応器に、重合水167部、ゴム質重合体ラテックス(a−8)50重量部(固形分)を仕込み、窒素置換を行い、槽内を昇温し62℃に到達したところで、過硫酸カリウム0.35重量部を脱イオン水14重量部に溶解した水溶液を添加した。64℃に到達後、表1に示した単量体とn−ドデシルメルカプタン0.35重量部の混合液と、脱イオン水16重量部にオレイン酸カリウム1.25重量部を溶解した乳化剤水溶液を4.0時間かけて連続添加した。その後、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−9)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(A−9)のグラフト率を測定したところ、グラフト率は47%であった。また、グラフト共重合体(A−9)のアセトン不溶部の膨潤度は7.3であった。
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水155部、スチレン7.1部、アクリロニトリル2.9部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25部(固形分換算)及び過硫酸カリウム0.75部を仕込み、65℃で1時間重合した。その後、スチレン63.9部、アクリロニトリル26.1部からなる混合溶液と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部(固形分換算)を含む乳化剤水溶液30部を各々3時間かけて連続的に滴下した。滴下後3時間保持して、共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、共重合体のパウダーを得た。
表2に示すグラフト共重合体(A−1)〜(A−9)及び共重合体を混合した後、40mm二軸押出機を用いて240℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、250℃に設定した射出成形機にて種々の成形品を成形し、物性評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO−294に準拠して試験片を成形した後、ISO−179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO−1133に準拠して、220℃、10kg荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位;cm3/10分
Claims (3)
- ゴム質重合体5〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜95重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であって、ゴム質重合体のミクロ構造として、シス−1,4結合が21〜30%、トランス−1,4結合が47〜60%、1,2ビニル結合が16〜23%であり、ゴム質重合体の膨潤度が13〜35であることを特徴とするグラフト共重合体。
- グラフト共重合体の膨潤度が3〜9であることを特徴とする請求項1に記載のグラフト共重合体。
- 請求項1又は2に記載されたグラフト共重合体と他の熱可塑性樹脂から得られた熱可塑性樹脂組成物。
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