JP5432398B1 - 点火時期制御装置及び点火時期制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御を可能にする点火時期制御装置及び点火時期制御システムを提供すること。
【解決手段】点火時期制御装置(31)は、内燃機関(1)のノッキングを検出するノッキング検出装置(41)と、ノッキング検出装置(41)から出力されるノッキング信号と外部の電子制御装置(37)から出力される内燃機関(1)の点火時期に関する信号とを入力し、このノッキング信号と点火時期に関する信号とに基づいて内燃機関(1)の点火時期を調整する点火時期調整装置(43)とを備えている。この点火時期制御装置(31)は、ノッキング検出装置(41)と点火時期調整装置(43)とが、電気的に接続されているとともに、一体に構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関(エンジン)のノッキングの状態によって点火時期を制御する点火時期制御装置に関し、例えば小型船舶、小型発電機、芝刈機等に使用される汎用エンジン、2輪車用のエンジン、各種の建設機械に用いられるエンジン等に適用可能な点火時期制御装置及び点火時期制御システムに関する。
従来より、エンジンのノッキングを防止して好適にエンジンの動作を制御する技術として、エンジンにノッキングセンサを取り付け、ノッキングセンサの出力に基づいて点火時期を制御する点火時期制御が知られている(特許文献1参照)。
この点火時期制御とは、ノッキングセンサによってノッキングが検出されなければ段階的に点火時期を進角させ、ノッキングが検出された場合には、点火時期を遅角させることによって、ノッキングの発生を防止しつつ、エンジンの出力を最大限に発揮させようとする制御である。
上述したノッキングセンサの出力を利用した点火時期制御は、4輪の自動車には一般的である。しかし、例えば小型発電機等の汎用エンジンや2輪車用エンジンの様な構成がシンプルなエンジンにおいては、エンジン回転数等のエンジン制御を行う電子制御装置は使用されているものの、通常、ノッキングセンサは使用されておらず、そのためノッキングを防止するための点火時期制御は行われていないのが現状である。
特開2008−215141号公報
しかしながら、近年では、汎用エンジンや2輪車用エンジンなどの構造がシンプルなエンジンにおいても、燃費と出力の最適化のために、精密な点火制御が求められている。
この対策としては、ノッキングセンサを搭載して、上述した点火時期制御を行うことが考えられるが、下記のような問題がある。
つまり、現状の汎用エンジンや2輪車用エンジンなどに、ノッキングセンサを取り付けて点火時期制御を行う場合には、従来のエンジン制御を行う電子制御装置に対して、点火時期制御を行うための設計見直しが必要になるので、その手間(工数)やコストが膨大になるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御を可能にする点火時期制御装置及び点火時期制御システムを提供することである。
(1)発明は、第1態様として、内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出装置と、前記ノッキング検出装置から得られる前記ノッキングの状態を示すノッキング信号と、外部の電子制御装置から得られる前記内燃機関の点火時期に関する信号と、に基づいて、前記内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整装置と、を備え、前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに、一体に構成されていることを特徴とする。
本第1態様の点火時期制御装置は、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに一体に構成されており、しかも、点火時期調整装置に対して、ノッキング検出装置からのノッキング信号と外部の電子制御装置からの点火時期に関する信号とが入力される構成である。
従って、点火時期調整装置では、ノッキング検出装置から得られるノッキング信号と外部の電子制御装置から得られる点火時期に関する信号とに基づいて、適切な点火時期となるように点火時期を調整(例えば進角や遅角等の補正)することができる。
特に、本第1態様では、ノッキング制御を行っていない例えば従来の汎用エンジンや2輪車用エンジンなどに適用できるので、即ち、従来のエンジン制御を行う電子制御装置の構成に、本第1態様の点火時期制御装置を付加するだけで、電子制御装置に対して点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
なお、前記外部の電子制御装置とは、本第1態様の点火時期制御装置とは別に設けられた電子制御装置であり、例えば内燃機関の動作を総合的に制御する電子制御装置(エンジンコントロールユニット)が挙げられる。また、前記点火時期に関する信号は、点火時期に関する情報を含む信号であり、例えば点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号が挙げられる。
(2)本発明は、第2態様として、前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されている。
本第2態様では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されているので、破損し難く扱いが容易であり、外部からのノイズも乗りにくいという利点がある。
ここで、分離不可能とは、(分離することを前提としていないので)装置を破損しなければ分離できないことを示している。
(3)本発明は、第3態様として、前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されていることを特徴とする。
本第3態様では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されている。よって、例えばノッキング検出装置と点火時期調整装置とのいずれかが故障した場合に、両者を分離した上で故障した装置だけを取り替えれば済むといった利点がある。
(4)本発明は、第4態様として、前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されている。
本第4態様では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されているので、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とを、接続ケーブルの長さだけ離して配置できる。
ノッキング検出装置は、通常、内燃機関のシリンダブロック等に取り付けられるが、内燃機関は温度が高く振動が大きい。そこで、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とを接続ケーブルを介して離して配置することにより、点火時期調整装置に対する(内燃機関の)熱や振動の影響を低減することができる。よって、点火時期調整装置の故障の発生をより効果的に抑えることができる。
(5)本発明は、第5態様として、前記点火時期調整装置は、前記ノッキング検出装置に搭載されていることを特徴とする。
本第5態様では、点火時期調整装置は、ノッキング検出装置に搭載されているので、装置をコンパクトにすることができる。
(6)本発明は、第6態様として、前記点火時期に関する信号は、点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号であることを特徴とする。
本第6態様では、点火時期に関する信号として、基準点火信号(例えば後述する点火信号(A))を採用できる。
(7)本発明は、第7態様として、前記点火時期調整装置は、前記外部の電子制御装置から、前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含む信号を受信し、該信号に基づいて、前記点火時期の調整を行うか否かを判断することを特徴とする。
本第7態様では、点火時期調整装置は、外部の電子制御装置から得られた、点火時期の調整を許可するか否かの情報を含む信号に基づいて、点火時期の調整を行うか否かを判断することができる。
この情報としては、例えば内燃機関の冷却水温が高く、ノッキングが発生し易い状態であることを示す情報がある。
従って、内燃機関の状態が点火時期の調整(進角)に好ましくない状態(ノッキングが発生し易い時期)に、点火時期を調整することがなく、よって、好適にノッキングの発生を抑制することができる。
(8)本発明は、第8態様として、前記外部の電子制御装置から前記点火時期調整装置に送信される前記内燃機関の点火時期に関する信号に、前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含むことを特徴とする。
本第8態様では、内燃機関の点火時期に関する信号に、点火時期の調整を許可するか否かの情報を含ませている。よって、別な信号でこの情報を送信する場合に比べて、構成を簡易化できるという利点がある。
(9)本発明は、第9態様として、前記内燃機関の点火時期に関する信号は、該信号自身の状態の変化によって、前記点火時期の調整を許可するか否かを示すものであることを特徴とする。
本第9態様では、信号自身の変化によって、前記情報を伝達することを示している。
(10)本発明は、第10態様として、前記内燃機関の点火時期に関する信号の状態の変化は、信号のハイレベル又はローレベルの継続時間の変化であることを特徴とする。
本第10態様は、情報の伝達のための信号の変化を例示したものである。ここでは、信号のハイレベルやローレベルの状態(即ち矩形状などの信号の幅)によって情報を伝達するので、従来の信号を送信する構成や読み取る構成で情報を伝達でき、ハード構成を変更する必要がないという利点がある。
(11)本発明は、第11態様として、前記内燃機関の点火時期に関する信号の状態の変化は、信号の電圧の変化であることを特徴とする。
本第11態様は、情報の伝達のための信号の変化を例示したものである。ここでは、信号の電圧の大きさ(ハイレベルの場合の高さ等)によって情報を伝達することができる。
(12)本発明は、第12態様として、前記点火時期調整装置には、前記外部の電子制御装置から前記内燃機関の点火時期に関する信号が送信される信号線とは別に、前記外部の電子制御装置から前記点火時期の調整を許可するか否かを示す判定用信号が送信される判定用信号線が接続されていることを特徴とする。
本第12態様では、点火時期に関する信号が送信される信号線とは別に、点火時期の調整を許可するか否かを示す判定用信号が送信される判定用信号線を設ける場合を例示している。
(13)本発明は、第13態様として、前記点火時期調整装置は、前記外部の電子制御装置から受信した前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含む信号に基づいて、前記点火時期を調整する必要が無いと判断した場合には、前記外部の電子制御装置から得られる前記内燃機関の点火時期に関する信号を用いて、前記内燃機関の点火時期の制御を行うことを特徴とする。
本第13態様では、点火時期を調整する必要が無い場合には、上述した点火時期に関する信号を用いて(例えばその信号を点火時期調整装置をスルーさせてイグナイタに供給することにより)点火時期の制御を行う。
そのため、点火時期の進角を必要としない運転領域では、従来のシステム(外部装置から出力される点火時期に関する信号)をそのまま流用して点火制御を行うことができ、点火時期調整装置の構成を複雑化させず、システム全体を簡易化できるという利点がある。
(14)本発明は、第14態様として、前記請求項7〜13のいずれか1項に記載の点火時期制御装置と前記外部の電子制御装置とを備えた点火時期制御システムであって、前記外部の電子制御装置は、前記内燃機関の運転状態が前記点火時期の調整を許可する時期であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段によって前記点火時期の調整を許可する時期か否かが判定された場合には、その許可する時期か否かを示す情報を含む信号を、前記点火時期調整装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の点火時期制御システムでは、外部の電子制御装置にて、運転状態が点火時期の調整を許可する時期であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、その許可する時期か否かを示す情報を含む信号を、点火時期調整装置に送信する。
よって、内燃機関の状態が点火時期の調整(進角)に好ましくない状態(ノッキングが発生し易い時期)に、点火時期を調整することがなく、好適にノッキングの発生を抑制することができる。
実施例1の点火時期制御装置が用いられる内燃機関のシステム構成を示す説明図である。 (a)は実施例1の点火時期制御装置を一部破断して示す平面図、(b)はその点火時期制御装置を一部破断して示す正面図である。 (a)は実施例1の点火時期制御装置及びその周辺の装置を示す説明図、(b)はその点火時期調整装置の接続端子を示す説明図である。 実施例1の点火時期制御装置及びその周辺の装置の電気的構成を示す説明図である。 基準点火信号と補正点火信号と中心電極の電圧との関係を示す説明図である。 点火時期の進角や遅角による調整の状態を示すグラフである。 実施例1の点火時期調整装置で行われる補正点火時期算出処理を示すフローチャートである。 実施例1の点火時期調整装置で行われるノッキング検出処理を示すフローチャートである。 (a)は実施例2の点火時期制御装置を示す平面図、(b)は実施例3の点火時期制御装置を示す平面図、(c)は実施例4の点火時期制御装置を示す平面図である。 (a)は実施例5の点火時期制御装置を示す平面図、(b)はその点火時期制御装置を示す正面図である。 実施例6の点火時期制御装置を含むシステム構成を示す説明図である。 実施例6の点火時期制御装置の変形例のシステム構成を示す説明図である。 実施例7の点火時期制御装置及びその周辺の装置の電気的構成を示す説明図である。 (a)は実施例7で用いる点火時期の進角の禁止及び許可を示す信号を示す説明図、(b)は実施例7の変形例で用いる点火時期の進角の禁止及び許可を示す信号を示す説明図である。 実施例7の点火時期調整装置で行われる補正点火時期算出処理を示すフローチャートである。 実施例8で用いる点火時期の進角の禁止及び許可を示す信号を示す説明図である。 (a)は実施例8の点火時期制御装置及びその周辺の装置の電気的構成を示す説明図、(b)は点火信号Aを送受信するための構成を示す説明図である。 実施例9の点火時期制御装置及びその周辺の装置の電気的構成を示す説明図である。
以下では、本発明を実施するための形態(実施例)の点火時期制御装置について説明する。
本実施例の点火時期制御装置は、汎用エンジンや2輪車用エンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)に用いられるものであり、内燃機関のノッキングを防止するために、点火時期を制御する装置である。なお、以下では、4サイクルの2輪車用エンジンを例に挙げて説明する。
a)まず、本実施例の点火時期制御装置を備えた内燃機関のシステム全体について説明する。
図1に示す様に、内燃機関(エンジン)1は、エンジン本体3と、エンジン本体3に空気を導入する吸気管5と、吸入空気量を検出するエアフローメータ7と、吸入空気量を調整するスロットルバルブ9と、スロットルバルブ9の開度を検出するスロットル開度センサ11と、燃焼室13内に空気を導入する吸気マニホールド15と、燃料を吸気マニホールド15内に噴射する燃料噴射弁17と、エンジン本体3から(燃焼後の)空気を排出する排気マニホールド19と、排気マニホールド19から排出される排気から空燃比を検出する空燃比センサ(又は酸素センサ)21などを備えている。
また、エンジン本体3のシリンダヘッド23には、点火プラグ25が取り付けられ、エンジン本体3には、エンジン回転数(回転速度)を検出するエンジン回転数センサ27や、クランク角を検出するクランク角センサ29が取り付けられている。
更に、エンジン本体3には、後述する点火時期制御装置31が取り付けられている。この点火時期制御装置31には、イグナイタ33が接続され、イグナイタ33には点火コイル35が接続され、点火コイル35は点火プラグ25に接続されている。
また、内燃機関1には、エンジン本体3等の運転状態(例えばエンジン回転数や空燃比センサ21の出力に基づく空燃比フィードバック制御など)を総合的に制御する内燃機関用制御装置(エンジンコントロールユニット)37が設けられている。この内燃機関用制御装置37は、図示しないが、周知のRAM、ROM、CPU等を有するマイコンを備えた電子制御装置(ECU)である。
なお、この内燃機関用制御装置37が、本発明における外部の電子制御装置に該当する。また、以下では、点火時期制御装置31と内燃機関用制御装置37とを備えたシステムを、点火時期制御システム38と称する。
内燃機関用制御装置37の入力ポート(図示せず)には、エアフローメータ7、スロットル開度センサ11、空燃比センサ21、エンジン回転数センサ27、クランク角センサ29、点火時期制御装置31が接続されており、これらの各機器からの信号(センサ信号等)が入力ポートに入力する。
一方、内燃機関用制御装置37の出力ポート(図示せず)には、燃料噴射弁17、点火時期制御装置31が接続されており、これらの機器に対して、内燃機関用制御装置37から、各機器の動作を制御するための制御信号が出力される。
b)次に、本実施例の点火時期制御装置31について説明する。
図2に示す様に、本実施例の点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、接続ケーブル45を介して、電気的及び機械的に分離不可能に一体に構成されたものである。
前記ノッキング検出装置41は、周知の圧電素子65を用いた非共振型ノッキングセンサであり、主体金具47の軸孔47aに取付用ボルト(図示せず)が挿入される構造を有し、取付用ボルトによってエンジン本体3のシリンダブロック49(図1参照)に固定されるものである。
詳しくは、ノッキング検出装置41は、ほぼ全体が樹脂成形体51によってモールドさており、略円筒形状の本体部53と本体部53の側面から突出する略直方体形状のコネクタ部55とを備えている。
このうち、本体部53は、円筒形状の筒状部57とその一端側(図2(b)の下方)に設けられた環状の鍔部59とからなる前記主体金具47を有している。筒状部57には、鍔部59側から、環状の第1絶縁板61、環状の第1電極板63、環状の圧電素子65、環状の第2電極板67、環状の第2絶縁板69、環状のウエイト71、環状の皿バネ73、環状のナット75が配置されている。また、第1電極板63と第2電極板67とには、両電極板63、67間に発生した出力信号を取り出すための第1出力端子81と第2出力端子83とが、それぞれ接続されている。
前記点火時期調整装置43は、点火時期を調節する制御装置であり、前記内燃機関用制御装置37と同様に、周知のRAM、ROM、CPU等を有するマイコン(図示せず)を備えた電子制御装置である。
前記接続ケーブル45は、内部に第1出力端子81と第2出力端子83とに接続された各電気配線(図示せず)が設けられているケーブルであり、この接続ケーブル45の両端には、両電気配線と接続された第1コネクタ85と第2コネクタ87とが設けられている。
つまり、第1コネクタ85は、ノッキング検出装置41のコネクタ部55の開口部55aに嵌め込まれるとともに、各電気配線が第1、第2出力端子81、83に接続されている。また、第2コネクタ87は、点火時期調整装置43の凹状のコネクタ部89に嵌め込まれるとともに、各電気配線が、点火時期調整装置43内の内部配線(図示せず)と接続されている。
特に本実施例では、接続ケーブル45の第1コネクタ85は、ノッキング検出装置41のコネクタ部55に嵌め込まれるとともに、接着剤によって固定されて分離不可能に一体に構成されている。同様に、接続ケーブル45の第2コネクタ87は、点火時期調整装置43のコネクタ部89に嵌め込まれるとともに、接着剤によって固定されて分離不可能に一体に構成されている。
c)次に、点火時期制御装置31に関する電気的構成などについて説明する。
図3に示す様に、点火時期制御装置31の点火時期調整装置43は、バッテリ91から電力の供給を受けて作動するものである。よって、点火時期調整装置43には、バッテリ91からの電力を受けるための一対の電源端子93、95が設けられている。
また、点火時期調整装置43は、1組のリード線(信号線)97、99を介して、内燃機関用制御装置37と着脱可能に接続されている。なお、リード線97、99は、点火時期調整装置43及び内燃機関用制御装置37の両方に対して着脱可能とされている。
点火時期調整装置43には、内燃機関用制御装置37から後述する点火信号(A)を受信するための受信用端子101と、点火時期調整装置43から内燃機関用制御装置37に対して、詳述は省略するが、ノッキング検出装置41又は点火時期調整装置43の故障(異常)を示す信号を出力する出力用端子103とを備えている。
更に、点火時期調整装置43は、1本のリード線105を介して、イグナイタ33と接続されており、イグナイタ33に対して点火コイル35を作動させるため信号、即ち、後述する(調整後の)点火信号(B)を出力するための点火用端子107が設けられている。
詳しくは、図4に示す様に、点火コイル35は、一次巻線35aと二次巻線35bとを備えており、一次巻線35aの一端には、バッテリ91の正極が接続され、他端には、(イグナイタ33の)npn型のパワートランジスタ33aのコレクタが接続されている。このパワートランジスタ33aは、一次巻線35aへの通電・非通電を切り替えるスイッチング素子である。なお、パワートランジスタ33aのエミッタは、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地されている。
一方、二次巻線35bの一端は、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地され、他端は、点火プラグ25の中心電極25aに接続されている。なお、点火プラグ25の接地電極25bは、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地されている。
また、本実施例では、内燃機関用制御装置37と点火時期調整装置43とが接続され、この点火時期調整装置43から、パワートランジスタ33aのベースに対して点火信号(B)が出力され、この点火信号(B)に基づいて、パワートランジスタ33aがスイッチング動作を行って、点火コイル35の一次巻線35aへの通電・非通電が切り替えられる。
d)次に、上述した点火時期制御装置31を用いた点火時期制御の基本的な動作について説明する。
内燃機関用制御装置37では、例えばエンジン回転数や吸入空気量などに基づいて、点火時期の基準となる基準点火時期を決定する。この基準点火時期とは、内燃機関1毎のばらつきや気候変化等を考慮したときにも当該内燃機関1が破損しないような十分なマージンを持って設定された点火時期を、内燃機関1の運転状態毎に複数設定したマップを用いた上で、このマップと現在の運転状態とを対応(照合)して設定されるベースとなる点火時期(即ち、点火時期調整装置43によって調整される対象の点火時期)である。
なお、この基準点火時期を示す信号が、基準点火信号(即ち点火信号A:図5の上図参照)である。そして、この基準点火信号(A)が、点火時期調整装置43に対して出力される。
基準点火信号(A)を受信する点火時期調整装置43では、ノッキング検出装置41にからの信号(ノッキング信号)を受信し、そのノッキング信号に基づいて、ノッキング(ノック)の発生の有無を検出する。例えば、ノッキング信号のピーク値の大きさに基づいて、ノッキングの有無を判定する。
そして、点火時期調整装置43では、ノッキングの発生状態等に応じて、点火時期を調整(補正)して、補正点火時期を決定する。なお、この補正点火時期を示す信号が、補正点火信号(即ち点火信号B:図5の中図参照)である。
具体的には、図6に示す様に、ノッキングが発生していない場合には、所定期間毎に、点火時期を最大進角に至るまで徐々に進角させ、ノッキングが発生すると基準点火時期に戻すように、補正点火時期を設定する。なお、前記図5に示す様に、エンジン起動時や加速時等の運転過渡期といったエンジン回転数の変動が大きな場合には、前記点火時期を補正する処理は行わない。
次に、上述のように補正点火時期が決定されると、前記図4に示す様に、点火時期調整装置43から、イグナイタ33に対して、補正点火信号(B)が出力される。
イグナイタ33では、パワートランジスタ33aのベースに、補正点火信号(B)が与えられると、この補正点火信号(B)のオン・オフに応じてスイッチング動作が行われる。
詳しくは、補正点火信号(B)がオフ(ローレベル:一般にグランド電位)である場合には、ベース電流が流れずパワートランジスタ33aはオフ状態(遮断状態)となり、一次巻線35aに電流(一次電流i1)が流れることはない。また、補正点火信号(B)がオン(ハイレベル:点火時期調整装置43からの正の電圧が供給される状態)である場合には、ベース電流が流れてパワートランジスタ33aはオン状態(通電状態)となり、一次巻線35aに電流(一次電流i1)が流れる。この一次巻線35aへの通電により、点火コイル35に磁束エネルギーが蓄積される。
また、補正点火信号(B)がハイレベルであり一次巻線35aに一次電流i1が流れている状態で、補正点火信号(B)がローレベルになると、パワートランジスタ33aがオフ状態となり、一次巻線35aへの一次電流i1の通電が遮断(停止)される。すると、点火コイル35における磁束密度が急激に変化して、二次巻線35bに点火用電圧が発生し、これが点火プラグ25に印加されることで、点火プラグ25の中心電極25aと接地電極25bとの間に火花放電が発生する(図5(c)参照)。このときに二次巻線35bに流れる電流が二次電流i2である。
なお、上述した基準点火信号(A)及び補正点火信号(B)には、ローレベルからハイレベルになるタイミングと、ハイレベルからローレベルになるタイミングとの情報が含まれている。このうち、ハイレベルからローレベルになるタイミングは、所望の点火時期(発火する時期)である。また、ハイレベルの期間は、必要な磁束エネルギーが蓄積されるように所定の期間が設定される。
d)次に、点火時期調整装置43にて行われる処理について説明する。
<補正点火時期算出処理>
本処理は、基準点火信号(A)に基づいて補正点火時期を算出するとともに、基準点火信号(A)を利用してエンジン回転数を算出する処理である。
図7のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、タイマー記憶変数Nをリセット(0に設定)する。
続くステップ110では、回転数格納/ノックウィンドウ(Window)変数Sをリセットする。この回転数格納/ノックウィンドウ変数Sとは、ステップ240にてエンジン回転数を順次記憶させていったときの時系列を示す変数、かつ、ステップ250にてノッキングを検出するクランク角ウィンドウの値を順次記憶させていったときの時系列を示す変数である。
続くステップ120では、タイマーTの初期値T(0)を0に設定する。
続くステップ130では、ノック検知ウィンドウKNWの初期値KNW(0)を0に設定する。このノック検知ウィンドウKNWとは、ノッキングの発生する可能性のある領域(所定の回転角の区間)を示すものであり、点火時期を起点に設定される特定の期間に相当し、ノッキング信号の解析区間に相当するものである。
続くステップ140では、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)に基づいて、基準点火時期(入力点火時期)TIGINを補正点火時期TIGとして設定する。なお、ここでの補正点火時期TIGの値は、まだ補正が行われていない値である。
続くステップ150では、点火信号間隔測定タイマーT1をリセットする。
続くステップ160では、基準点火信号(A)が入力したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ170に進み、一方否定判断されると待機する。
ステップ170では、基準点火信号(A)が入力してからの時間を計測するために、点火信号間隔測定タイマーT1をスタートする。
続くステップ180では、再度基準点火信号(A)が入力したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ190に進み、否定判断されると待機する。
ステップ190では、基準点火信号(A)が入力したので、前記タイマー記憶変数Nをカウントアップする。
続くステップ200では、今回(N回目)、基準点火信号(A)が入力した時間を、タイマーT(N)として記憶する。即ち、点火信号間隔測定タイマーT1の計数値を、タイマーT(N)の値として記憶する。
続くステップ210では、今回(N回目)、基準点火信号(A)が入力した時間(T(N))と、前回(N−1回目)、基準点火信号(A)が入力した時間(T(N−1))との差ΔT(N)を求める。即ち、連続する基準点火信号(A)の間の時間を求める。
続くステップ220では、「2回転×60sec/ΔT(N)」の演算(4サイクルエンジンにて1点火/2回転の場合)によって、エンジン回転数(rpm)を算出する。
続くステップ230では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sをカウントアップする。
続くステップ240では、前記ステップ220で求めたエンジン回転数、即ち、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sに対応したエンジン回転数を、RPN(S)として格納(記憶)する。
続くステップ250では、ノック検知ウィンドウKNW(S)の演算を行う。即ち、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sに対応したノック検知ウィンドウKNW(S)の演算を、公知の演算手法によって行って、その値を記憶する。
続くステップ260では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sが2を上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ270に進み、一方否定判断されると前記ステップ180に戻る。
ステップ270では、後述するノッキング検出処理を行って、ノッキングを検出する。
続くステップ280では、エンジン回転数の「RPNS(S)/RPNS(S−1)」の演算、即ち、今回(S回目)のエンジン回転数RPNS(S)を前回(S−1回目)のエンジン回転数RPNS(S−1)で割ることにより、エンジン回転数の変動の大きさを示すエンジン回転数の偏差(回転数偏差)ΔRPNを算出する。
続くステップ290では、回転数偏差ΔRPNが所定の判定値RPNsを下回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ300に進み、一方否定判断されるとステップ310に進む。
ステップ310では、回転数偏差ΔRPNが大きく、点火時期を進角させることは適当ではないので、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ300では、ノッキングが発生しているか否かを、後述するノッキング検出処理にて設定されるノック検知フラグKNSが1であるか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ320に進み、一方否定判断されるとステップ330に進む。
ステップ320では、ノッキングが発生しているので、ノッキングの発生を防止するために、点火時期を遅角する。具体的には、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し(図6参照)、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ330では、ノッキングが発生していないので、点火時期(補正点火時期TIG)が最大進角TIGMか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ340に進み、一方否定判断されるとステップ350に進む。
ステップ340では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMであるので、その最大進角TIGMの値を補正点火時期TIGの値として設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ350では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させる。具体的には、補正点火時期TIGから所定値(補正進角値)ΔTIGを引いて、今回の補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
<ノッキング検出処理>
本処理は、ノッキング信号に基づいて、ノッキングを検出する処理である。本処理は所定期間毎に実施される。
図8に示す様に、ステップ400にて、ノック検知フラグKNSをクリア(0に設定)する。
続くステップ410では、点火時期か否か(点火信号がハイレベルからローレベルになるタイミングであるか否か)を判定する。ここで肯定判断されるとステップ420に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ420では、ノック検知ウィンドウ測定タイマーをスタートする。
続くステップ430では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間内にあるか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW内であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ440に進み、一方否定判断されると前記ステップ430に戻って同様な処理を繰り返す。
ステップ440では、ノッキング検出装置41から得られたノッキング信号が有効であると設定する。
続くステップ450では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間が経過したか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW外であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ460に進み、一方否定判断されると前記ステップ440に戻って同様な処理を繰り返す。
ステップ460では、ノックウォンドウ測定タイマーをリセットする。
続くステップ470では、ノッキング信号のピーク値KninPkを算出する。
続くステップ480では、ノッキング信号のピーク値KninPkが、ノッキングの有無を判定する所定の判定値Thを上回るか否か、即ち、ノッキングが発生したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ490に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ490では、ノッキングが発生しているので、そのことを示すノック検出フラグKNSをセット(1に設定)し、本処理を終了する。
e)次に、本実施例の効果を説明する。
本実施例の点火時期制御装置31では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、接続ケーブル45を介して、電気的に接続されているとともに一体に構成されており、しかも、点火時期調整装置43に対して、ノッキング検出装置41からノッキング信号が入力されるとともに、外部の内燃機関用制御装置37から基準点火時期(A)が入力される構成である。
従って、点火時期調整装置43では、ノッキング検出装置41から得られるノッキング信号と内燃機関用制御装置37から得られる基準点火時期(A)とに基づいて、適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて補正することができる。
特に、本実施例の点火時期制御装置31は、ノッキング制御を行っていない例えば従来の汎用エンジンや2輪車用エンジンなどに適用できるので、即ち、従来のエンジン制御を行う電子制御装置の構成に本実施例の点火時期制御装置31を付加するだけで、内燃機関用制御装置37における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
また、本実施例では、ノッキング検出装置41を内燃機関1のシリンダブロック49に取り付け、点火時期調整装置43と内燃機関用制御装置37とを電気的に接続すればよく、その点からも、従来の装置構成に対して容易に付加できるという利点がある。
更に、本実施例では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とは、分離不可能に一体に構成されているので、破損し難く扱いが容易であり、外部からのノイズも乗りにくいという利点がある。
しかも、本実施例では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とは、接続ケーブル45を介して一体に構成されているので、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とを、接続ケーブル45の長さだけ離して配置できる。
つまり、本実施例では、シリンダブロック49に取り付けられるノッキング検出装置41から点火時期調整装置43を離して配置できるので、点火時期調整装置43に対する(エンジン本体3の)熱や振動の影響を低減することができる。よって、点火時期調整装置43の故障の発生を効果的に抑えることができる。
次に実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
図9(a)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置121は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125と(それらを接続する)接続ケーブル127とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、点火時期調整装置125と接続ケーブル127とは、分離不可能に一体に構成されているが、図示するように、ノッキング検出装置123と接続ケーブル127とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、ノッキング検出装置123のコネクタ部129には、第1、第2出力端子131、133が露出する凹部135が設けられており、この凹部135と接続ケーブル127の第1コネクタ部137とが、着脱可能に結合する構成となっている。これにより、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とは、着脱可能に一体に構成されることになる。
本実施例によっても、前記実施例1同様な効果を奏する。また、本実施例では、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とは、着脱可能に一体に構成されているので、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とのいずれかが故障した場合に、両者を分離した上で故障した装置だけを取り替えれば済むという利点がある。
次に実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
図9(b)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置141は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置143と点火時期調整装置145と(それらを接続する)接続ケーブル147とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、ノッキング検出装置143と接続ケーブル147とは、分離不可能に一体に構成されているが、図示するように、点火時期調整装置145と接続ケーブル147とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、点火時期調整装置145には凹状のコネクタ部149が設けられており、このコネクタ部149と接続ケーブル147の第2コネクタ部151とが、着脱可能に結合する構成となっている。これにより、ノッキング検出装置143と点火時期調整装置145とは、着脱可能に一体に構成されることになる。
本実施例によっても、前記実施例2同様な効果を奏する。
次に実施例4について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
図9(c)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置161は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置163と点火時期調整装置165と(それらを接続する)接続ケーブル167とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、ノッキング検出装置163と接続ケーブル167と、更に、点火時期調整装置165と接続ケーブル167とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、前記実施例2と同様に、ノッキング検出装置163のコネクタ部169には、第1、第2出力端子171、173が露出する凹部175が設けられており、この凹部175と接続ケーブル167の第1コネクタ部177とが、着脱可能に結合する構成となっている。
また、点火時期調整装置165には凹状のコネクタ部179が設けられており、このコネクタ部179と接続ケーブル167の第2コネクタ部181とが、着脱可能に結合する構成となっている。
以上のことから、実施例4の点火時期制御装置161は、ノッキング検出装置163と点火時期調整装置165とが着脱可能に一体に構成される構成を有する。
本実施例によっても、前記実施例2同様な効果を奏する。
次に実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
図10に示す様に、本実施例の点火時期制御装置191は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置193を備えているが、接続ケーブルは備えておらず、点火時期調整装置195は、ノッキング検出装置193内に配置されている。なお、図10では、内部の構成を樹脂モールドを透過した状態で示している。
詳しくは、本実施例の点火時期制御装置191は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置193の本体部196とコネクタ部197とを備えるとともに、本体部196の樹脂モールドされた内部には、主体金具199に圧電素子201や一対の電極板203、205やウエイト207やナット209等が嵌められた作動部211が収納されており、この作動部211の表面に、点火時期調整装置195が配置されている。
この点火時期調整装置195には、一対の電極板203、205から伸びる出力端子(図示せず)が接続されている。また、この点火時期調整装置195からは、内燃機関用制御装置から点火信号(基準点火信号(A))が入力する入力端子213と、内燃機関用制御装置に対してノッキング検出装置193又は点火時期調整装置195の故障を示す信号を出力する出力端子214と、イグナイタに点火信号(補正点火信号(B))を出力する出力端子215と、点火時期調整装置195に電力を供給する一対の電力端子217、219が延出して設けられている。
本実施例によっても、前記実施例1同様な効果を奏するとともに、装置をコンパクトに形成することができるという利点がある。
次に実施例6について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
本実施例は、汎用エンジンに本発明を適用したものであり、エンジンの回転に同期して回転するマグネットを利用して、エンジン回転数やクランク角を求めるものである。
図11に示す様に、本実施例におけるシステムでは、エンジン本体の出力軸221には、フライホイール223が取り付けられ、フライホイール223の外周には、マグネット225が取り付けられている。
また、フライホイール223に近接して、マグネット225の近接/離隔に応じて信号(交流信号)を発生するパルサーコイル227が配置されており、パルサーコイル227の出力は、電子制御装置229に入力するように構成されている。
この電子制御装置229には、パルサーコイル227から得られた信号に基づいて、マグネット225の近接/離隔する動作を検出する検出回路231や周知のマイコン232等が設けられている。
従って、マグネット225がパルサーコイル227の近傍を通過する際に、前記信号が得られるので、この信号から、マグネット225の取付位置に対応したクランク角や、エンジン回転数を求めることができる。よって、例えばエンジン回転数に応じて、基準となる点火時期を設定することができる。
また、本実施例では、電子制御装置229のマイコン232には、前記実施例1と同様な点火時期制御装置233が接続されている。
従って、マイコン232から出力される点火信号(基準点火信号(A))が、点火時期調整装置235に入力すると、点火時期調整装置235では、ノッキング検出装置237によって検出されたノッキングの発生状態に応じて、前記実施例1と同様な点火時期の調整が行われる。
そして、この調整によって得られた点火信号(補正点火信号(B))が、前記実施例1と同様に、イグナイタ239に出力され、イグナイタ239の動作によって点火コイル241から高電圧が発生し、適切なタイミングで点火プラグ243から火花が発生する。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
なお、これとは別に、例えば特開平10−259777号に記載の様に、前記と同様な(フライホイールに取り付けられた)マグネットに近接するように点火コイルを配置し、マグネットの近接/離隔によって、点火プラグを駆動するための高電圧を発生させるようにしてもよい。
この場合には、図12に示すような点火駆動回路251を使用する。なお、この点火駆動回路251は、イグナイタ253と点火コイル255を備えている。
詳しくは、点火コイル255は、マグネット250の近接/離隔に応じて電流を発生させる一次巻線255aと、点火プラグ257に接続された二次巻線255bとからなる。
イグナイタ253は、一次巻線255aの一端にコレクタ、他端にエミッタが接続された第1トランジスタ259と、第1トランジスタ259のコレクタ・ベース間に接続され、第1トランジスタ259にベース電力を供給する第1抵抗261と、コレクタが第1トランジスタ259のベースに接続され、エミッタが第1トランジスタ259のエミッタに接続された第2トランジスタ263と、一次巻線255aの両端電圧を分圧して第2トランジスタ263のベースに供給する第2抵抗265、第3抵抗267とを備えている。
ここでは、点火時期制御装置269の点火時期調整装置271は、第2トランジスタ263のベースに接続されており、(前記電子制御装置229からの基準点火信号(A)を受信した)点火時期調整装置271から出力される補正点火信号(B)によって、前記実施例1と同様に、点火時期を調整することができる。
次に実施例7について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
本実施例7は、点火信号Aと点火信号Aを用いた制御が、実施例1とは大きく異なっている。
a)まず、本実施例7の基本的な構成について説明する。
図13に示す様に、本実施例7におけるシステムでは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置281、(ノッキング検出装置283と点火時期調整装置285からなる)点火時期制御装置287、イグナイタ289、点火コイル291、点火プラグ293等を備えており、内燃機関用制御装置281から点火時期調整装置285に対して、点火時期の情報を含む基準点火信号(点火信号A)が送信され、点火時期調整装置285からイグナイタ289に対して、点火信号Bが送信される。
なお、内燃機関用制御装置281と点火時期制御装置287とから、点火時期制御システム290が構成されている(以下同様)。
特に、本実施例7では、内燃機関用制御装置281にて、内燃機関1が点火時期を調整する(即ち進角させる)時期であるか否かの判定が行われ、その判定に基づいた点火信号Aが、点火時期調整装置285に送信される。
なお、例えば冷却水温が過度に高い場合などは、点火時期を進角させると、ノッキングが生じやすいので、そのような期間(ノッキングが発生し易い条件の場合)は、点火時期の進角を禁止する。
具体的には、本実施例7では、図14(a)に示すように、点火時期の進角を禁止する期間は、パルス状の点火信号Aの幅を長くし(即ち各回のパルス状の信号におけるハイレベルの期間を長くし)、点火時期の進角を許可する期間は、点火信号Aの幅を短く(ハイレベルの期間を短く)している。
従って、この点火信号Aを受信した点火時期調整装置285では、点火信号Aの幅をチェックすることによって、点火時期の進角が禁止されているか許可されているかを判断することができる。
そして、点火時期の進角が禁止されている場合には、イグナイタ289に対して、基準点火時期を示す点火信号Bを出力する。
一方、点火時期の進角が許可されていると判定された場合には、前記実施例1と同様に、ノッキング信号等に基づいて、(点火時期を進角させることが適当なときに)徐々に進角させ、そうで無い場合には、基準点火時期に戻すように制御する。
b)次に、本実施例7における制御処理について説明する。
図15のフローチャートに示すように、本実施例7では、ステップ400〜550では、前記実施例1のステップ100〜250と同様な処理を行うので、その説明は省略する。
続くステップ560では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sが2を上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ570に進み、一方否定判断されると前記ステップ480に戻る。
ステップ570では、基準点火信号(点火信号A)が、点火時期の進角が禁止されている場合の信号の幅より短い幅の信号であるか否か、即ち、点火時期の進角が許可されているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ580に進み、一方否定判断されるとステップ590に進む。
ステップ580では、点火時期の進角が許可されているので、フラグADを1に設定し、ステップ600に進む。
一方、ステップ590では、点火時期の進角が禁止されているので、フラグADを0に設定し、ステップ600に進む。
ステップ600では、前記実施例1と同様なノッキング検出処理(図8参照)を行って、ノッキングを検出する。
続くステップ610では、フラグADが1か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ630に進み、一方否定判断されるとステップ620に進む。
ステップ620では、点火時期を進角させる制御は禁止されているので、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ480に戻る。
一方、ステップ630では、フラグADを0に設定する。
続くステップ640では、点火時期を進角させる制御は禁止されていないので、ノッキングが発生しているか否かを、前記ノッキング検出処理にて設定されるノック検知フラグKNSが1であるか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ650に進み、一方否定判断されるとステップ660に進む。
ステップ650では、ノッキングが発生しているので、ノッキングの発生を防止するために、点火時期を遅角し、前記ステップ480に戻る。具体的に、ステップ650では、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定する。
一方、ステップ660では、ノッキングが発生していないので、点火時期(補正点火時期TIG)が最大進角TIGMか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ670に進み、一方否定判断されるとステップ680に進む。
ステップ670では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMであるので、その最大進角TIGMの値を補正点火時期TIGの値として設定し、前記ステップ480に戻る。
一方、ステップ680では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させ、前記ステップ480に戻る。
なお、ステップ620、640〜680の処理は、前記実施例1と同様である。
c)次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例7では、内燃機関用制御装置281から点火時期調整装置285に対して送信する点火信号Aの幅(信号のハイレベルの期間)を変更することにより、点火時期調整装置285に対して点火時期の進角の禁止時期か許可時期かの情報を送ることができる。
従って、点火時期調整装置285では、点火信号Aの幅の変化から、点火時期の進角の禁止時期か許可時期かが分かるので、ノッキングが生じ難い適切な時期にのみに(即ち点火時期の進角の制御が許可されている期間のみ)、ノッキングを発生させることなく、点火時期の進角の制御を行うことができる。
また、点火時期の進角の禁止時期か許可時期かの情報は、点火信号Aの幅を変更するだけで良いので、ハード構成の変更が不要であるという顕著な利点がある。
なお、本実施例7では、点火時期の進角を許可する場合には、点火信号Aの幅を狭くしたが、変形例として、それとは逆に、図14(b)に示すように、点火時期の進角を許可する場合には、点火時期の進角を禁止する場合に比べて点火信号Aの幅を広く(即ちハイレベルの期間を長く)してもよい。
次に実施例8について説明するが、前記実施例7と同様な内容については説明を省略する。
前記実施例7では、点火時期の進角の禁止・許可の情報を伝達するために、点火信号Aの幅を変更したが、本実施例8では、図16に示す様に、点火信号Aの電圧の大きさ(ハイレベルの信号の高さ)を変更するものである。
つまり、点火信号Aの電圧(高さ)は、点火時期の進角が禁止されている場合は高いが、点火時期の進角が許可されている場合は低くなるように設定されている。
以下、本実施例8のシステム構成について説明する。
図17(a)に示す様に、本実施例8におけるシステムでは、前記実施例7と同様に、内燃機関用制御装置301、(ノッキング検出装置303と点火時期調整装置305からなる)点火時期制御装置307、イグナイタ309、点火コイル311、点火プラグ313等を備えている。
更に、図17(b)に示す様に、内燃機関用制御装置301には、マイコン315から点火時期調整装置305に対して出力される点火信号Aの電圧(信号の高さ)を、高電圧(例えば5V)と低電圧(例えば3V)の2つに切り替えるスイッチ回路317が設けられている。
一方、点火時期調整装置305には、点火信号Aを入力するA/Dコンバータ319と、A/Dコンバータ319からの信号を入力するマイコン321とを備えている。
従って、本実施例8では、内燃機関用制御装置301において、内燃機関1の運転状態が点火時期の進角を禁止する状態か許可する状態かを判断し、その判断結果に基づいて、点火信号Aの電圧を調節する。
例えば点火時期の進角を禁止する状態の場合には、スイッチ回路317によって5Vの電圧の点火信号Aを出力するように制御し、点火時期の進角を許可する状態の場合には、スイッチ回路317によって3Vの電圧の点火信号Aを出力するように制御する。
そして、この点火信号Aを受信した点火時期調整装置305では、その点火信号AをA/Dコンバータ319を介してマイコン321を取り込んで、その電圧を判定し、判定した電圧の高さに応じて、点火時期の進角を禁止する状態か許可する状態かを判定することができる。
なお、判定の後には、前記実施例7(又は変形例)と同様に、ノッキング信号等に応じて、点火信号Bを出力することによって、適切に点火時期を制御することができる。
なお、本実施例8では、点火時期の進角を許可する場合には、点火信号Aの電圧を低くしたが、変形例として、それとは逆に、点火時期の進角を許可する場合には、(点火時期の進角を禁止する場合に比べて)点火信号Aの電圧を高くしてもよい。
次に実施例9について説明するが、前記実施例7と同様な内容については説明を省略する。
前記実施例7では、点火信号Aを用いて点火時期の進角の禁止・許可の情報を伝達したが、本実施例9では、別の信号線を用いて、その情報を伝達するものである。
具体的には、本実施例9におけるシステムでは、図18に示す様に、前記実施例7と同様に、内燃機関用制御装置331、(ノッキング検出装置333と点火時期調整装置335からなる)点火時期制御装置337、イグナイタ339、点火コイル341、点火プラグ343等を備えている。
更に、本実施例9では、内燃機関用制御装置331と点火時期制御装置337の点火時期調整装置335とを接続する判定用信号線345を設けている。
そして、その判定用信号線345を用いて、内燃機関用制御装置331から点火時期調整装置335に対して、内燃機関1の運転状態が点火時期の進角を禁止する状態か許可する状態かを示す信号(判定用信号C)を送信している。
例えば、内燃機関1の運転状態が点火時期の進角を許可する状態の場合のみ、例えばパルス状の判定用信号Cを送信するようにしてもよい。或いは、その逆に、点火時期の進角を禁止する状態の場合のみ、判定用信号Cを送信するようにしてもよい。
これによって、点火時期調整装置335では、内燃機関1の運転状態が点火時期の進角を禁止する状態か許可する状態かが分かるので、それに応じて点火信号Bを出力することによって、好適に点火時期を制御することができる。
次に実施例10について説明するが、前記実施例7〜9と同様な内容については説明を省略する。
前記実施例7〜9では、内燃機関用制御装置から点火時期制御装置に送信された点火信号A又は判定用信号Cに基づいて、点火時期制御装置からイグナイタに点火信号Bを出力したが、本実施例10では、所定の条件が満たされた場合には、点火信号Aをそのまま利用し、点火信号Bとして点火時期制御装置からイグナイタに出力するものである。
具体的には、例えば前記図13を援用して説明すると、内燃機関1の運転状態が点火時期の進角を禁止する状態である場合には、内燃機関用制御装置281から点火時期制御装置287(詳しくは点火時期調整装置285)に対して、その情報を含む点火信号A(又は判定用信号C)か出力される。
従って、その信号を受信した点火時期調整装置285では、点火時期の進角を禁止する状態であることが分かるので、その場合は、点火信号Aをそのまま利用(点火時期調整装置285をスルーさせて)、点火信号Bとしてイグナイタ289に出力する。
なお、この場合には、予め点火信号Aのパルス幅を、点火が可能な磁気エネルギーを蓄えることができる時間に対応した値に設定しておく。
本実施例10では、新たに点火信号Bを作製する必要が無いので、制御処理の負担が軽減されるという利点がある。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えばノッキング検出装置は、非共振型センサに限らず、共振型センサを使用でき、ノッキングを検出できれば、その種類に限定されない。
(2)また、ノッキングを検出する方法についても、ノッキング信号のピークから検出する方法に限らず、周知のノッキング信号に対するFFT、積分値を利用した方法など、ノッキングを検出できれば、その種類に限定されない。
(3)更に、本発明は、2サイクルのエンジンに適用することもできる。
(4)なお、本発明の外部の電子制御装置としては、マイコンによって各種の制御を行う装置が挙げられる。また、点火時期制御装置とは別体に(着脱可能なリード線等を介して)設けられて内燃機関の動作を制御する内燃機関用制御装置が挙げられる。
(5)また、内燃機関の運転状態が点火時期の進角を禁止する状態である場合には、ノッキング信号を使用しないので、点火時期調整装置285に、ノッキング信号を入力しないようにしてもよい。
1…内燃機関
3…エンジン本体
25、243、257、293、313、343…点火プラグ
31、121、141、161、191、233、269、287、307、337…点火時期制御装置
33、239、253、289、309、339…イグナイタ
35、241、255、291、311、341…点火コイル
37、281、301、331…内燃機関用制御装置
41、123、143、163、193、237、283、303、333…ノッキング検出装置
43、125、145、165、195、235、271、285、305、335…点火時期調整装置
45、127、147、167…接続ケーブル

Claims (14)

  1. 内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出装置と、
    前記ノッキング検出装置から得られる前記ノッキングの状態を示すノッキング信号と、外部の電子制御装置から得られる前記内燃機関の点火時期に関する信号と、に基づいて、前記内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整装置と、
    を備え、
    前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに、一体に構成されていることを特徴とする点火時期制御装置。
  2. 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の点火時期制御装置。
  3. 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の点火時期制御装置。
  4. 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火時期制御装置。
  5. 前記点火時期調整装置は、前記ノッキング検出装置に搭載されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火時期制御装置。
  6. 前記点火時期に関する信号は、点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の点火時期制御装置。
  7. 前記点火時期調整装置は、前記外部の電子制御装置から、前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含む信号を受信し、該信号に基づいて、前記点火時期の調整を行うか否かを判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の点火時期制御装置。
  8. 前記外部の電子制御装置から前記点火時期調整装置に送信される前記内燃機関の点火時期に関する信号に、前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の点火時期制御装置。
  9. 前記内燃機関の点火時期に関する信号は、該信号自身の状態の変化によって、前記点火時期の調整を許可するか否かを示すものであることを特徴とする請求項8に記載の点火時期制御装置。
  10. 前記内燃機関の点火時期に関する信号の状態の変化は、信号のハイレベル又はローレベルの継続時間の変化であることを特徴とする請求項9に記載の点火時期制御装置。
  11. 前記内燃機関の点火時期に関する信号の状態の変化は、信号の電圧の変化であることを特徴とする請求項9に記載の点火時期制御装置。
  12. 前記点火時期調整装置には、前記外部の電子制御装置から前記内燃機関の点火時期に関する信号が送信される信号線とは別に、前記外部の電子制御装置から前記点火時期の調整を許可するか否かを示す判定用信号が送信される判定用信号線が接続されていることを特徴とする請求項7に記載の点火時期制御装置。
  13. 前記点火時期調整装置は、前記外部の電子制御装置から受信した前記点火時期の調整を許可するか否かの情報を含む信号に基づいて、前記点火時期を調整する必要が無いと判断した場合には、前記外部の電子制御装置から得られる前記内燃機関の点火時期に関する信号を用いて、前記内燃機関の点火時期の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の点火時期制御装置。
  14. 前記請求項7〜13のいずれか1項に記載の点火時期制御装置と前記外部の電子制御装置とを備えた点火時期制御システムであって、
    前記外部の電子制御装置は、
    前記内燃機関の運転状態が前記点火時期の調整を許可する時期であるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段によって前記点火時期の調整を許可する時期か否かが判定された場合には、その許可する時期か否かを示す情報を含む信号を、前記点火時期調整装置に送信する送信手段と、
    を備えたことを特徴とする点火時期制御システム。
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