JP2015038343A - 点火時期制御装置および点火時期制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御を可能にする点火時期制御装置及び点火時期制御システムを提供すること。【解決手段】点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とを備えており、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、電気的に接続されているとともに、一体に構成されている。点火時期制御装置31は、OBDシステム44にて異常状態が検出されない場合、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号をイグナイタ33に対して出力し(ステップ620)、異常状態が検出された場合には、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)を調整(補正)することなくそのままイグナイタ33に対して出力する(ステップ630)。【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関(エンジン)のノッキングの状態によって点火時期を制御する点火時期制御装置に関し、例えば小型船舶、小型発電機、芝刈機等に使用される汎用エンジン、2輪車用のエンジン、各種の建設機械に用いられるエンジン等に適用可能な点火時期制御装置及び点火時期制御システムに関する。
従来より、エンジンのノッキングを防止して好適にエンジンの動作を制御する技術として、エンジンにノッキングセンサを取り付け、ノッキングセンサの出力に基づいて点火時期を制御する点火時期制御が知られている(特許文献1参照)。
この点火時期制御とは、ノッキングセンサによってノッキングが検出されなければ段階的に点火時期を進角させ、ノッキングが検出された場合には、点火時期を遅角させることによって、ノッキングの発生を防止しつつ、エンジンの出力を最大限に発揮させようとする制御である。
上述したノッキングセンサの出力を利用した点火時期制御は、4輪の自動車には一般的である。しかし、例えば小型発電機等の汎用エンジンや2輪車用エンジンの様な構成がシンプルなエンジンにおいては、エンジン回転数等のエンジン制御を行う電子制御装置は使用されているものの、通常、ノッキングセンサは使用されておらず、そのためノッキングを防止するための点火時期制御は行われていないのが現状である。
しかしながら、近年では、汎用エンジンや2輪車用エンジンなどの構造がシンプルなエンジンにおいても、燃費と出力の最適化のために、精密な点火制御が求められている。
この対策としては、ノッキングセンサを搭載して、上述した点火時期制御を行うことが考えられるが、下記のような問題がある。
この対策としては、ノッキングセンサを搭載して、上述した点火時期制御を行うことが考えられるが、下記のような問題がある。
つまり、現状の汎用エンジンや2輪車用エンジンなどに、ノッキングセンサを取り付けて点火時期制御を行う場合には、従来のエンジン制御を行う電子制御装置に対して、点火時期制御を行うための設計見直しが必要になるので、その手間(工数)やコストが膨大になるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御を可能にする点火時期制御装置及び点火時期制御システムを提供することである。
(1)本発明の第1局面の点火時期制御装置は、内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出装置と、ノッキング検出装置から得られるノッキングの状態を示すノッキング信号と、外部の電子制御装置から得られる内燃機関の点火時期に関する信号と、に基づいて、内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整装置と、を備える点火時期制御装置であって、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに、一体に構成されている。
また、この点火時期制御装置は、ノッキング検出装置および点火時期調整装置のうち少なくとも一方の異常状態を検出する異常検出部と、異常検出部にて異常状態が検出されたか否かを判定し、異常状態が検出されない場合には、点火時期調整装置による点火時期の調整が行われた調整後点火信号を出力し、異常状態が検出された場合には、点火時期調整装置による点火時期の調整が行われていない点火時期に関する信号を出力する信号切替部と、を備える。
まず、この点火時期制御装置は、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに一体に構成されており、しかも、点火時期調整装置に対して、ノッキング信号と点火時期に関する信号とが入力される構成である。
従って、点火時期調整装置では、ノッキング検出装置から得られるノッキング信号と外部の電子制御装置から得られる点火時期に関する信号とに基づいて、適切な点火時期となるように点火時期を調整(例えば進角や遅角等の補正)することができる。
特に、この点火時期制御装置では、ノッキング制御を行っていないエンジン(例えば、従来の汎用エンジンや2輪車用エンジンなど)に適用できる。即ち、従来のエンジン制御を行う電子制御装置の構成に、本発明の点火時期制御装置を付加するだけで、電子制御装置に対して点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
また、この点火時期制御装置は、異常検出部と信号切替部とを備えており、ノッキング検出装置および点火時期調整装置のうち少なくとも一方の異常状態が検出されたか否かによって、調整後点火信号を出力するか、外部の電子制御装置から得られる「点火時期に関する信号」をそのまま出力するかを切り替えることができる。
具体的には、信号切替部は、異常検出部にて異常状態が検出されない場合には、点火時期調整装置による点火時期の調整が行われた調整後点火信号を出力し、異常検出部にて異常状態が検出された場合には、点火時期調整装置による点火時期の調整が行われていない「点火時期に関する信号」を出力する。
もし、ノッキング検出装置および点火時期調整装置のうち少なくとも一方が異常状態である場合、点火時期調整装置による点火時期の調整を適切に行うことができずに不適切な点火時期に調整された調整後点火信号が出力されたり、点火時期に関する信号自体を出力できずに内燃機関を点火させられなかったりして、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対して、この点火時期制御装置は、異常検出部と信号切替部とを備えることで、異常検出部にて異常状態が検出された場合には、調整後点火信号ではなく、点火時期調整装置による点火時期の調整が行われていない「点火時期に関する信号」を出力する。
つまり、この点火時期制御装置は、ノッキング検出装置または点火時期調整装置が異常状態である場合には、点火時期の調整が行われていない点火時期に関する信号を出力することで、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
他方、この点火時期制御装置は、ノッキング検出装置および点火時期調整装置が異常状態ではない場合(正常状態である場合)には、調整後点火信号を出力することで、ノッキングの発生を抑制することができる。
よって、本発明によれば、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御が可能になる。さらに、本発明によれば、ノッキング検出装置または点火時期調整装置が異常状態である場合に、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
なお、前記外部の電子制御装置とは、本発明の点火時期制御装置とは別に設けられた電子制御装置であり、例えば内燃機関の動作を総合的に制御する電子制御装置(エンジンコントロールユニット:ECU)が挙げられる。また、前記点火時期に関する信号は、点火時期に関する情報を含む信号であり、例えば点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号が挙げられる。
(2)本発明のさらに他の局面においては、異常検出部にて検出された異常状態に関する情報を記憶する異常情報記憶部を備える。
このような異常情報記憶部を備えることで、異常状態の内容を事後的に確認することが可能になると共に、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を分析することが可能となる。
このような異常情報記憶部を備えることで、異常状態の内容を事後的に確認することが可能になると共に、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を分析することが可能となる。
よって、本発明によれば、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を事後的に分析することで、異常の再発防止策を講じることが可能となる。
(3)本発明のさらに他の局面においては、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されている。
(3)本発明のさらに他の局面においては、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されている。
この局面では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されているので、破損し難く扱いが容易であり、外部からのノイズも乗りにくいという利点がある。
ここで、分離不可能とは、(分離することを前提としていないので)装置を破損しなければ分離できないことを示している。
(4)本発明のさらに他の局面においては、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されている。
(4)本発明のさらに他の局面においては、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されている。
この局面では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されている。よって、例えばノッキング検出装置と点火時期調整装置とのいずれかが故障した場合に、両者を分離した上で故障した装置だけを取り替えれば済む、といった利点がある。
(5)本発明のさらに他の局面においては、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されている。
この局面では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されているので、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とを、接続ケーブルの長さだけ離して配置できる。
この局面では、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されているので、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とを、接続ケーブルの長さだけ離して配置できる。
ノッキング検出装置は、通常、内燃機関のシリンダブロック等に取り付けられるが、内燃機関は温度が高く振動が大きい。そこで、ノッキング検出装置と点火時期調整装置とを接続ケーブルを介して離して配置することにより、点火時期調整装置に対する(内燃機関の)熱や振動の影響を低減することができる。よって、点火時期調整装置の故障の発生をより効果的に抑えることができる。
(6)本発明のさらに他の局面においては、点火時期調整装置は、ノッキング検出装置に搭載されている。
この局面では、点火時期調整装置は、ノッキング検出装置に搭載されているので、装置をコンパクトにすることができる。
この局面では、点火時期調整装置は、ノッキング検出装置に搭載されているので、装置をコンパクトにすることができる。
(7)本発明のさらに他の局面においては、点火時期に関する信号は、点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号である。
この局面では、点火時期に関する信号として、基準点火信号(例えば後述する点火信号(A))を採用できる。
この局面では、点火時期に関する信号として、基準点火信号(例えば後述する点火信号(A))を採用できる。
(8)本発明の他の局面の点火時期制御システムは、内燃機関の点火時期に関する信号を出力する電子制御装置と、点火時期に関する信号を調整する点火時期制御装置と、を備えた点火時期制御システムであって、点火時期制御装置は、上述の点火時期制御装置であること、を特徴とする。
本発明の点火時期制御システムは、上述の点火時期制御装置を備えることから、上述の点火時期制御装置と同様に、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御が可能になる。
また、本発明の点火時期制御システムは、上述の点火時期制御装置と同様に、ノッキング検出装置または点火時期調整装置が異常状態である場合に、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
本発明の点火時期制御装置および点火時期制御システムは、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御が可能になるとともに、ノッキング検出装置または点火時期調整装置が異常状態である場合に、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
以下では、本発明を実施するための形態(実施例)について説明する。
尚、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
尚、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.実施例1]
[1−1.全体構成]
本実施例の点火時期制御装置は、汎用エンジンや2輪車用エンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)に用いられるものであり、内燃機関のノッキングを防止するために、点火時期を制御する装置である。なお、以下では、4サイクルの2輪車用エンジンを例に挙げて説明する。
[1−1.全体構成]
本実施例の点火時期制御装置は、汎用エンジンや2輪車用エンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)に用いられるものであり、内燃機関のノッキングを防止するために、点火時期を制御する装置である。なお、以下では、4サイクルの2輪車用エンジンを例に挙げて説明する。
まず、本実施例の点火時期制御装置を備えた内燃機関のシステム全体について説明する。
図1に示す様に、内燃機関(エンジン)1は、エンジン本体3と、エンジン本体3に空気を導入する吸気管5と、吸入空気量を検出するエアフローメータ7と、吸入空気量を調整するスロットルバルブ9と、スロットルバルブ9の開度を検出するスロットル開度センサ11と、燃焼室13内に空気を導入する吸気マニホールド15と、燃料を吸気マニホールド15内に噴射する燃料噴射弁17と、エンジン本体3から(燃焼後の)空気を排出する排気マニホールド19と、排気マニホールド19から排出される排気から空燃比を検出する空燃比センサ(又は酸素センサ)21などを備えている。
図1に示す様に、内燃機関(エンジン)1は、エンジン本体3と、エンジン本体3に空気を導入する吸気管5と、吸入空気量を検出するエアフローメータ7と、吸入空気量を調整するスロットルバルブ9と、スロットルバルブ9の開度を検出するスロットル開度センサ11と、燃焼室13内に空気を導入する吸気マニホールド15と、燃料を吸気マニホールド15内に噴射する燃料噴射弁17と、エンジン本体3から(燃焼後の)空気を排出する排気マニホールド19と、排気マニホールド19から排出される排気から空燃比を検出する空燃比センサ(又は酸素センサ)21などを備えている。
また、エンジン本体3のシリンダヘッド23には、点火プラグ25が取り付けられ、エンジン本体3には、エンジン回転数(回転速度)を検出するエンジン回転数センサ27や、クランク角を検出するクランク角センサ29が取り付けられている。
更に、エンジン本体3には、後述する点火時期制御装置31が取り付けられている。この点火時期制御装置31には、イグナイタ33が接続され、イグナイタ33には点火コイル35が接続され、点火コイル35は点火プラグ25に接続されている。
また、内燃機関1には、エンジン本体3等の運転状態(例えばエンジン回転数や空燃比センサ21の出力に基づく空燃比フィードバック制御など)を総合的に制御する内燃機関用制御装置(エンジンコントロールユニット)37が設けられている。この内燃機関用制御装置37は、図示しないが、周知のRAM、ROM、CPU等を有するマイコンを備えた電子制御装置(ECU)である。
なお、この内燃機関用制御装置37が、本発明における外部の電子制御装置に該当する。また、以下では、点火時期制御装置31と内燃機関用制御装置37とを備えたシステムを、点火時期制御システム38と称する。
内燃機関用制御装置37の入力ポート(図示せず)には、エアフローメータ7、スロットル開度センサ11、空燃比センサ21、エンジン回転数センサ27、クランク角センサ29、点火時期制御装置31が接続されており、これらの各機器からの信号(センサ信号等)が入力ポートに入力される。
一方、内燃機関用制御装置37の出力ポート(図示せず)には、燃料噴射弁17、点火時期制御装置31が接続されており、これらの機器に対して、内燃機関用制御装置37から、各機器の動作を制御するための制御信号が出力される。
[1−2.点火時期制御装置]
次に、本実施例の点火時期制御装置31について説明する。
図2に示す様に、本実施例の点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、接続ケーブル45を介して、電気的及び機械的に分離不可能に一体に構成されたものである。
次に、本実施例の点火時期制御装置31について説明する。
図2に示す様に、本実施例の点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、接続ケーブル45を介して、電気的及び機械的に分離不可能に一体に構成されたものである。
ノッキング検出装置41は、周知の圧電素子65を用いた非共振型ノッキングセンサであり、主体金具47の軸孔47aに取付用ボルト(図示せず)が挿入される構造を有し、取付用ボルトによってエンジン本体3のシリンダブロック49(図1参照)に固定されるものである。
詳しくは、ノッキング検出装置41は、ほぼ全体が樹脂成形体51によってモールドさており、略円筒形状の本体部53と、本体部53の側面から突出する略直方体形状のコネクタ部55と、を備えている。
このうち、本体部53は、円筒形状の筒状部57とその一端側(図2(b)の下方)に設けられた環状の鍔部59とからなる前記主体金具47を有している。筒状部57には、鍔部59側から、環状の第1絶縁板61、環状の第1電極板63、環状の圧電素子65、環状の第2電極板67、環状の第2絶縁板69、環状のウエイト71、環状の皿バネ73、環状のナット75が配置されている。また、第1電極板63と第2電極板67とには、両電極板63、67間に発生した出力信号を取り出すための第1出力端子81と第2出力端子83とが、それぞれ接続されている。
点火時期調整装置43は、点火時期を調節する制御装置であり、内燃機関用制御装置37と同様に、周知のRAM、ROM、CPU等を有するマイコン(図示せず)を備えた電子制御装置である。
接続ケーブル45は、内部に第1出力端子81と第2出力端子83とに接続された各電気配線(図示せず)が設けられているケーブルであり、この接続ケーブル45の両端には、両電気配線と接続された第1コネクタ85と第2コネクタ87とが設けられている。
つまり、第1コネクタ85は、ノッキング検出装置41のコネクタ部55の開口部55aに嵌め込まれるとともに、各電気配線が第1出力端子81、第2出力端子83に接続されている。また、第2コネクタ87は、点火時期調整装置43の凹状のコネクタ部89に嵌め込まれるとともに、各電気配線が、点火時期調整装置43内の内部配線(図示せず)と接続されている。
特に本実施例では、接続ケーブル45の第1コネクタ85は、ノッキング検出装置41のコネクタ部55に嵌め込まれるとともに、接着剤によって固定されて分離不可能に一体に構成されている。同様に、接続ケーブル45の第2コネクタ87は、点火時期調整装置43のコネクタ部89に嵌め込まれるとともに、接着剤によって固定されて分離不可能に一体に構成されている。
[1−3.点火時期制御装置に関する電気的構成]
次に、点火時期制御装置31に関する電気的構成などについて説明する。
図3(a)に示す様に、点火時期制御装置31の点火時期調整装置43は、バッテリ91から電力の供給を受けて作動するものである。よって、点火時期調整装置43の接続端子には、図3(b)に示す様に、バッテリ91からの電力を受けるための一対の電源端子93、95が設けられている。
次に、点火時期制御装置31に関する電気的構成などについて説明する。
図3(a)に示す様に、点火時期制御装置31の点火時期調整装置43は、バッテリ91から電力の供給を受けて作動するものである。よって、点火時期調整装置43の接続端子には、図3(b)に示す様に、バッテリ91からの電力を受けるための一対の電源端子93、95が設けられている。
また、点火時期調整装置43は、リード線(信号線)97を介して、内燃機関用制御装置37と着脱可能に接続されている。なお、リード線97は、点火時期調整装置43および内燃機関用制御装置37の両方に対して着脱可能とされている。
点火時期調整装置43は、後述する点火信号(A)を内燃機関用制御装置37から受信するための受信用端子101を備えている。
更に、点火時期調整装置43は、1本のリード線105を介して、イグナイタ33と接続されており、イグナイタ33に対して点火コイル35を作動させるため信号(後述する(調整後の)点火信号(B))を出力するための点火用端子107が設けられている。
更に、点火時期調整装置43は、1本のリード線105を介して、イグナイタ33と接続されており、イグナイタ33に対して点火コイル35を作動させるため信号(後述する(調整後の)点火信号(B))を出力するための点火用端子107が設けられている。
詳しくは、図4に示す様に、点火コイル35は、一次巻線35aと二次巻線35bとを備えており、一次巻線35aの一端には、バッテリ91の正極が接続され、他端には、(イグナイタ33の)npn型のパワートランジスタ33aのコレクタが接続されている。このパワートランジスタ33aは、一次巻線35aへの通電・非通電を切り替えるスイッチング素子である。なお、パワートランジスタ33aのエミッタは、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地されている。イグナイタ33は、パワートランジスタ33aで構成されるものに限定されず、IGBTやFET等を用いてもよい。
一方、二次巻線35bの一端は、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地され、他端は、点火プラグ25の中心電極25aに接続されている。なお、点火プラグ25の接地電極25bは、バッテリ91の負極と同電位のグランドに接地されている。
また、本実施例では、内燃機関用制御装置37と点火時期調整装置43とが接続され、点火時期調整装置43から、パワートランジスタ33aのベースに対して点火信号(B)が出力される。この点火信号(B)に基づいて、パワートランジスタ33aがスイッチング動作を行って、点火コイル35の一次巻線35aへの通電・非通電が切り替えられる。
更に、点火時期調整装置43は、点火時期調整装置43での異常の有無を診断するOBDシステム44を備える。
OBDシステム44は、点火時期調整装置43での短絡異常、断線異常などの有無を診断する。OBDシステム44は、さらに、ノッキング検出装置41での異常の有無についても診断する。具体的には、OBDシステム44は、ノッキング検出装置41での短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常などの少なくとも1つの異常の有無を診断する。
OBDシステム44は、点火時期調整装置43での短絡異常、断線異常などの有無を診断する。OBDシステム44は、さらに、ノッキング検出装置41での異常の有無についても診断する。具体的には、OBDシステム44は、ノッキング検出装置41での短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常などの少なくとも1つの異常の有無を診断する。
なお、OBDシステム44による異常の有無の診断方法としては、公知の手法(例えば、特開昭58−011824号公報、特開平7−305649号公報などに記載の手法)を用いることができる。
また、点火時期調整装置43は、OBDシステム44での診断により検出された異常状態に関する情報を記憶する異常情報記憶メモリ46を備える。
異常情報記憶メモリ46は、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置43、ノッキング検出装置41)、異常検出日時などの情報を記憶する。
異常情報記憶メモリ46は、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置43、ノッキング検出装置41)、異常検出日時などの情報を記憶する。
異常情報記憶メモリ46は、不揮発性の記憶媒体で構成されており、点火時期調整装置43が停止された後も、異常状態に関する情報を記憶することが可能である。
[1−4.点火時期制御の基本的な動作]
次に、上述した点火時期制御装置31を用いた点火時期制御の基本的な動作について説明する。
[1−4.点火時期制御の基本的な動作]
次に、上述した点火時期制御装置31を用いた点火時期制御の基本的な動作について説明する。
内燃機関用制御装置37では、例えばエンジン回転数や吸入空気量などに基づいて、点火時期の基準となる基準点火時期を決定する。この基準点火時期とは、内燃機関1毎のばらつきや気候変化等を考慮したときにも当該内燃機関1が破損しないような十分なマージンを持って設定された点火時期を、内燃機関1の運転状態毎に複数設定したマップを用いた上で、このマップと現在の運転状態とを対応(照合)して設定されるベースとなる点火時期(即ち、点火時期調整装置43によって調整される対象の点火時期)である。
なお、この基準点火時期を示す信号が、基準点火信号(即ち点火信号A:図5の上図参照)である。そして、この基準点火信号(A)が、点火時期調整装置43に対して出力される。
基準点火信号(A)を受信する点火時期調整装置43では、ノッキング検出装置41からの信号(ノッキング信号)を受信し、そのノッキング信号に基づいて、ノッキング(ノック)の発生の有無を検出する。例えば、ノッキング信号のピーク値の大きさに基づいて、ノッキングの有無を判定する。
そして、点火時期調整装置43では、ノッキングの発生状態等に応じて、点火時期を調整(補正)して、補正点火時期を決定する。なお、この補正点火時期を示す信号が、補正点火信号(即ち点火信号B:図5の中図参照)である。
具体的には、図6に示す様に、ノッキングが発生していない場合には、所定期間毎に、点火時期を最大進角に至るまで徐々に進角させ、ノッキングが発生すると基準点火時期に戻すように、補正点火時期を設定する。なお、前記図5に示す様に、エンジン起動時や加速時等の運転過渡期といったエンジン回転数の変動が大きな場合には、前記点火時期を補正する処理は行わない。
次に、上述のように補正点火時期が決定されると、図4に示す様に、点火時期調整装置43から、イグナイタ33に対して、補正点火信号(B)が出力される。
イグナイタ33では、パワートランジスタ33aのベースに、補正点火信号(B)が与えられると、この補正点火信号(B)のオン・オフに応じてスイッチング動作が行われる。
イグナイタ33では、パワートランジスタ33aのベースに、補正点火信号(B)が与えられると、この補正点火信号(B)のオン・オフに応じてスイッチング動作が行われる。
詳しくは、補正点火信号(B)がオフ(ローレベル:一般にグランド電位)である場合には、ベース電流が流れずパワートランジスタ33aはオフ状態(遮断状態)となり、一次巻線35aに電流(一次電流i1)が流れることはない。また、補正点火信号(B)がオン(ハイレベル:点火時期調整装置43からの正の電圧が供給される状態)である場合には、ベース電流が流れてパワートランジスタ33aはオン状態(通電状態)となり、一次巻線35aに電流(一次電流i1)が流れる。この一次巻線35aへの通電により、点火コイル35に磁束エネルギーが蓄積される。
また、補正点火信号(B)がハイレベルであり一次巻線35aに一次電流i1が流れている状態で、補正点火信号(B)がローレベルになると、パワートランジスタ33aがオフ状態となり、一次巻線35aへの一次電流i1の通電が遮断(停止)される。すると、点火コイル35における磁束密度が急激に変化して、二次巻線35bに点火用電圧が発生し、これが点火プラグ25に印加されることで、点火プラグ25の中心電極25aと接地電極25bとの間に火花放電が発生する(図5(c)参照)。このときに二次巻線35bに流れる電流が二次電流i2である。
なお、上述した基準点火信号(A)及び補正点火信号(B)には、ローレベルからハイレベルになるタイミングと、ハイレベルからローレベルになるタイミングとの情報が含まれている。このうち、ハイレベルからローレベルになるタイミングは、所望の点火時期(発火する時期)である。また、ハイレベルの期間は、必要な磁束エネルギーが蓄積されるように所定の期間が設定される。
[1−5.点火時期調整装置にて行われる処理]
次に、点火時期調整装置43にて行われる処理について説明する。
まず、補正点火時期算出処理について説明する。
次に、点火時期調整装置43にて行われる処理について説明する。
まず、補正点火時期算出処理について説明する。
本処理は、基準点火信号(A)に基づいて補正点火時期を算出するとともに、基準点火信号(A)を利用してエンジン回転数を算出する処理である。
図7のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、タイマー記憶変数Nをリセット(0に設定)する。
図7のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、タイマー記憶変数Nをリセット(0に設定)する。
続くステップ110では、回転数格納/ノックウィンドウ(Window)変数Sをリセットする。この回転数格納/ノックウィンドウ変数Sとは、ステップ240にてエンジン回転数を順次記憶させていったときの時系列を示す変数、かつ、ステップ250にてノッキングを検出するクランク角ウィンドウの値を順次記憶させていったときの時系列を示す変数である。
続くステップ120では、タイマーTの初期値T(0)を0に設定する。
続くステップ130では、ノック検知ウィンドウKNWの初期値KNW(0)を0に設定する。このノック検知ウィンドウKNWとは、ノッキングの発生する可能性のある領域(所定の回転角の区間)を示すものであり、点火時期を起点に設定される特定の期間に相当し、ノッキング信号の解析区間に相当するものである。
続くステップ130では、ノック検知ウィンドウKNWの初期値KNW(0)を0に設定する。このノック検知ウィンドウKNWとは、ノッキングの発生する可能性のある領域(所定の回転角の区間)を示すものであり、点火時期を起点に設定される特定の期間に相当し、ノッキング信号の解析区間に相当するものである。
続くステップ140では、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)に基づいて、基準点火時期(入力点火時期)TIGINを補正点火時期TIGとして設定する。なお、ここでの補正点火時期TIGの値は、まだ補正が行われていない値である。
続くステップ150では、点火信号間隔測定タイマーT1をリセットする。
続くステップ160では、基準点火信号(A)が入力されたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ170に進み、一方否定判断されると待機する。
続くステップ160では、基準点火信号(A)が入力されたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ170に進み、一方否定判断されると待機する。
ステップ170では、基準点火信号(A)が入力されてからの時間を計測するために、点火信号間隔測定タイマーT1をスタートする。
続くステップ180では、再度、基準点火信号(A)が入力されたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ190に進み、否定判断されると待機する。
続くステップ180では、再度、基準点火信号(A)が入力されたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ190に進み、否定判断されると待機する。
ステップ190では、基準点火信号(A)が入力されたので、タイマー記憶変数Nをカウントアップする。
続くステップ200では、今回(N回目)、基準点火信号(A)が入力された時間を、タイマーT(N)として記憶する。即ち、点火信号間隔測定タイマーT1の計数値を、タイマーT(N)の値として記憶する。
続くステップ200では、今回(N回目)、基準点火信号(A)が入力された時間を、タイマーT(N)として記憶する。即ち、点火信号間隔測定タイマーT1の計数値を、タイマーT(N)の値として記憶する。
続くステップ210では、今回(N回目)、基準点火信号(A)が入力された時間(T(N))と、前回(N−1回目)、基準点火信号(A)が入力した時間(T(N−1))との差ΔT(N)を求める。即ち、連続する基準点火信号(A)の間の時間を求める。
続くステップ220では、「2回転×60sec/ΔT(N)」の演算(4サイクルエンジンにて1点火/2回転の場合)によって、エンジン回転数(rpm)を算出する。
続くステップ230では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sをカウントアップする。
続くステップ230では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sをカウントアップする。
続くステップ240では、前記ステップ220で求めたエンジン回転数、即ち、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sに対応したエンジン回転数を、RPN(S)として格納(記憶)する。
続くステップ250では、ノック検知ウィンドウKNW(S)の演算を行う。即ち、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sに対応したノック検知ウィンドウKNW(S)の演算を、公知の演算手法によって行って、その値を記憶する。
続くステップ260では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sが2を上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ270に進み、一方否定判断されると前記ステップ180に戻る。
ステップ270では、後述するノッキング検出処理を行って、ノッキングを検出する。
続くステップ280では、エンジン回転数の「RPNS(S)/RPNS(S−1)」の演算、即ち、今回(S回目)のエンジン回転数RPNS(S)を前回(S−1回目)のエンジン回転数RPNS(S−1)で割ることにより、エンジン回転数の変動の大きさを示すエンジン回転数の偏差(回転数偏差)ΔRPNを算出する。
続くステップ280では、エンジン回転数の「RPNS(S)/RPNS(S−1)」の演算、即ち、今回(S回目)のエンジン回転数RPNS(S)を前回(S−1回目)のエンジン回転数RPNS(S−1)で割ることにより、エンジン回転数の変動の大きさを示すエンジン回転数の偏差(回転数偏差)ΔRPNを算出する。
続くステップ290では、回転数偏差ΔRPNが所定の判定値RPNsを下回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ300に進み、一方否定判断されるとステップ310に進む。
ステップ310では、回転数偏差ΔRPNが大きく、点火時期を進角させることは適当ではないので、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ300では、ノッキングが発生しているか否かを、後述するノッキング検出処理にて設定されるノック検知フラグKNSが1であるか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ320に進み、一方否定判断されるとステップ330に進む。
ステップ320では、ノッキングが発生しているので、ノッキングの発生を防止するために、点火時期を遅角する。具体的には、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し(図6参照)、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ330では、ノッキングが発生していないので、点火時期(補正点火時期TIG)が最大進角TIGMか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ340に進み、一方否定判断されるとステップ350に進む。
ステップ340では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMであるので、その最大進角TIGMの値を補正点火時期TIGの値として設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ350では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させる。具体的には、補正点火時期TIGから所定値(補正進角値)ΔTIGを引いて、今回の補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ350では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させる。具体的には、補正点火時期TIGから所定値(補正進角値)ΔTIGを引いて、今回の補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
次に、ノッキング検出処理について説明する。
本処理は、ノッキング信号に基づいて、ノッキングを検出する処理である。本処理は所定期間毎に実施される。
本処理は、ノッキング信号に基づいて、ノッキングを検出する処理である。本処理は所定期間毎に実施される。
図8に示す様に、ステップ400にて、ノック検知フラグKNSをクリア(0に設定)する。
続くステップ410では、点火時期か否か(点火信号がハイレベルからローレベルになるタイミングであるか否か)を判定する。ここで肯定判断されるとステップ420に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
続くステップ410では、点火時期か否か(点火信号がハイレベルからローレベルになるタイミングであるか否か)を判定する。ここで肯定判断されるとステップ420に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ420では、ノック検知ウィンドウ測定タイマーをスタートする。
続くステップ430では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間内にあるか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW内であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ440に進み、一方否定判断されると前記ステップ430に戻って同様な処理を繰り返す。
続くステップ430では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間内にあるか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW内であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ440に進み、一方否定判断されると前記ステップ430に戻って同様な処理を繰り返す。
ステップ440では、ノッキング検出装置41から得られたノッキング信号が有効であると設定する。
続くステップ450では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間が経過したか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW外であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ460に進み、一方否定判断されると前記ステップ440に戻って同様な処理を繰り返す。
続くステップ450では、ステップ250にて演算したノック検知ウィンドウKNWに対応する期間が経過したか否か(換言すれば、ノック検知ウィンドウKNW外であるか否か)をノックウィンドウ測定タイマーの値に基づき判定する。ここで肯定判断されるとステップ460に進み、一方否定判断されると前記ステップ440に戻って同様な処理を繰り返す。
ステップ460では、ノックウィンドウ測定タイマーをリセットする。
続くステップ470では、ノッキング信号のピーク値KninPkを算出する。
続くステップ480では、ノッキング信号のピーク値KninPkが、ノッキングの有無を判定する所定の判定値Thを上回るか否か、即ち、ノッキングが発生したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ490に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
続くステップ470では、ノッキング信号のピーク値KninPkを算出する。
続くステップ480では、ノッキング信号のピーク値KninPkが、ノッキングの有無を判定する所定の判定値Thを上回るか否か、即ち、ノッキングが発生したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ490に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ490では、ノッキングが発生しているので、そのことを示すノック検知フラグKNSをセット(1に設定)し、本処理を終了する。
次に、信号切替処理について説明する。
次に、信号切替処理について説明する。
本処理は、OBDシステム(On−Board Diagnostic systems)44での異常判定結果に応じて、点火信号の調整(補正)を行うか否かを切り替える処理である。本処理は所定期間毎に繰り返し実施される。
図9のフローチャートに示す様に、ステップ(S)600では、OBDシステム44による異常検出処理を実行する。
なお、図4に示す様に、OBDシステム44は、点火時期調整装置43に備えられており、点火時期調整装置43での異常の有無を診断する。具体的には、OBDシステム44は、点火時期調整装置43での短絡異常、断線異常などの有無を診断する。
なお、図4に示す様に、OBDシステム44は、点火時期調整装置43に備えられており、点火時期調整装置43での異常の有無を診断する。具体的には、OBDシステム44は、点火時期調整装置43での短絡異常、断線異常などの有無を診断する。
本実施例のOBDシステム44は、さらに、ノッキング検出装置41での異常(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)の有無についても診断する。
次のステップ610では、OBDシステム44において異常検出されたか否かを判定しており、異常が検出されて肯定判断されるとステップ630に進み、一方、異常が検出されずに否定判断されるとステップ620に進む。
次のステップ610では、OBDシステム44において異常検出されたか否かを判定しており、異常が検出されて肯定判断されるとステップ630に進み、一方、異常が検出されずに否定判断されるとステップ620に進む。
ステップ620では、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火時期TIGに基づき定められる補正点火信号を、イグナイタ33に対して出力する補正点火信号(B)として設定する。
ステップ630では、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)を、調整(補正)することなくそのまま、イグナイタ33に対して出力する補正点火信号(B)として設定する。
ステップ640では、OBDシステム44で検出された異常状態に関する情報を、異常情報記憶メモリ46に記憶する。具体的には、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置43、ノッキング検出装置41)、異常検出日時などの情報を記憶する。
ステップ620またはステップ640が終了するとステップ650に移行し、ステップ650では、本ステップの開始時刻から時間計測を開始し、予め定められた待機時間(本実施例では、1.0[msec])が経過すると、前記ステップ600に戻る。
このように、信号切替処理では、ステップ600からステップ650までの処理が繰り返し実行される。本処理は、点火時期調整装置43が停止するまで実行される。
上述のように、信号切替処理は、OBDシステム44において異常検出されない場合には、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号をイグナイタ33に対して出力し、OBDシステム44において異常検出された場合には、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)をそのままイグナイタ33に対して出力する。
上述のように、信号切替処理は、OBDシステム44において異常検出されない場合には、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号をイグナイタ33に対して出力し、OBDシステム44において異常検出された場合には、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)をそのままイグナイタ33に対して出力する。
このようにして、信号切替処理は、OBDシステム44での異常判定結果に応じて、点火信号の調整(補正)を行うか否かを切り替える。
[1−6.効果]
次に、本実施例の効果を説明する。
[1−6.効果]
次に、本実施例の効果を説明する。
本実施例の点火時期制御装置31では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とが、接続ケーブル45を介して、電気的に接続されているとともに一体に構成されており、しかも、点火時期調整装置43に対して、ノッキング検出装置41からノッキング信号が入力されるとともに、外部の内燃機関用制御装置37から基準点火時期(A)が入力される構成である。
従って、点火時期調整装置43では、ノッキング検出装置41から得られるノッキング信号と内燃機関用制御装置37から得られる基準点火時期(A)とに基づいて、適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて補正することができる。
特に、本実施例の点火時期制御装置31は、ノッキング制御を行っていない例えば従来の汎用エンジンや2輪車用エンジンなどに適用できるので、即ち、従来のエンジン制御を行う電子制御装置の構成に本実施例の点火時期制御装置31を付加するだけで、内燃機関用制御装置37における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
また、本実施例では、ノッキング検出装置41を内燃機関1のシリンダブロック49に取り付け、点火時期調整装置43と内燃機関用制御装置37とを電気的に接続すればよく、その点からも、従来の装置構成に対して容易に付加できるという利点がある。
更に、本実施例では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とは、分離不可能に一体に構成されているので、破損し難く扱いが容易であり、外部からのノイズも乗りにくいという利点がある。
しかも、本実施例では、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とは、接続ケーブル45を介して一体に構成されているので、ノッキング検出装置41と点火時期調整装置43とを、接続ケーブル45の長さだけ離して配置できる。
つまり、本実施例では、シリンダブロック49に取り付けられるノッキング検出装置41から点火時期調整装置43を離して配置できるので、点火時期調整装置43に対する(エンジン本体3の)熱や振動の影響を低減することができる。よって、点火時期調整装置43の故障の発生を効果的に抑えることができる。
また、本実施例の点火時期制御装置31は、OBDシステム44を備えると共に信号切替処理を実行することで、ノッキング検出装置41および点火時期調整装置43のうち少なくとも一方の異常状態が検出されたか否かによって、イグナイタ33に対して出力する点火信号を切り替え可能に構成されている。
具体的には、OBDシステム44にて異常状態が検出されない場合には、点火時期制御装置31は、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号をイグナイタ33に対して出力する(ステップ620)。また、OBDシステム44にて異常状態が検出された場合には、点火時期制御装置31は、内燃機関用制御装置37から受信した基準点火信号(A)を調整(補正)することなくそのままイグナイタ33に対して出力する(ステップ630)。
もし、ノッキング検出装置41および点火時期調整装置43のうち少なくとも一方が異常状態である場合、点火時期調整装置43による点火時期の調整を適切に行うことができず、不適切な点火時期に調整された補正点火信号(B)が出力されたり、点火時期に関する信号自体を出力できずに内燃機関1を点火させられなかったりし、内燃機関1の運転状態に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対して、点火時期制御装置31は、OBDシステム44を備えると共に信号切替処理を実行する点火時期調整装置43を備えることで、OBDシステム44にて異常状態が検出された場合には、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号ではなく、点火時期の調整が行われていない基準点火信号(A)をそのままイグナイタ33に対して出力する。
つまり、点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41または点火時期調整装置43が異常状態である場合には、点火時期の調整が行われていない基準点火信号(A)を出力することで、内燃機関1を点火させられるため、内燃機関1の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
他方、点火時期制御装置31は、ノッキング検出装置41および点火時期調整装置43が異常状態ではない場合(正常状態である場合)には、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火信号を出力することで、ノッキングの発生を抑制することができる。
よって、本実施例の点火時期制御装置31によれば、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御が可能になる。さらに、本実施例の点火時期制御装置31によれば、ノッキング検出装置41または点火時期調整装置43が異常状態である場合に、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
また、点火時期制御システム38は、点火時期制御装置31を備えることから、ノッキングの発生を抑制する点火時期制御の機能を有しない内燃機関に対して、容易にノッキングの発生を抑制する点火時期制御が可能になり、また、ノッキング検出装置または点火時期調整装置が異常状態である場合に、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
また、点火時期調整装置43は、OBDシステム44で検出された異常状態に関する情報を記憶する異常情報記憶メモリ46を備える。
異常情報記憶メモリ46を備えることで、点火時期調整装置43またはノッキング検出装置41で発生した異常状態の内容を事後的に確認することが可能になると共に、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を分析することが可能となる。
異常情報記憶メモリ46を備えることで、点火時期調整装置43またはノッキング検出装置41で発生した異常状態の内容を事後的に確認することが可能になると共に、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を分析することが可能となる。
よって、本実施例の点火時期制御装置31によれば、記憶された異常状態に関する情報を用いて異常の発生原因を分析することで、異常の再発防止策を講じることが可能となる。
[1−7.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
ノッキング検出装置41から出力される信号がノッキング信号の一例に相当し、内燃機関用制御装置37から出力される基準点火信号(A)が「点火時期に関する信号」の一例に相当し、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火時期TIGに基づき定められる補正点火信号(B)が調整後点火信号の一例に相当する。
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
ノッキング検出装置41から出力される信号がノッキング信号の一例に相当し、内燃機関用制御装置37から出力される基準点火信号(A)が「点火時期に関する信号」の一例に相当し、補正点火時期算出処理により調整(補正)された補正点火時期TIGに基づき定められる補正点火信号(B)が調整後点火信号の一例に相当する。
OBDシステム44が異常検出部の一例に相当し、信号切替処理を実行する点火時期調整装置43が信号切替部の一例に相当し、異常情報記憶メモリ46が異常情報記憶部の一例に相当し、内燃機関用制御装置37が外部の電子制御装置の一例に相当する。
[2.実施例2]
次に実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
次に実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
図10(a)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置121は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125と(それらを接続する)接続ケーブル127とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、点火時期調整装置125と接続ケーブル127とは、分離不可能に一体に構成されているが、図示するように、ノッキング検出装置123と接続ケーブル127とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、ノッキング検出装置123のコネクタ部129には、第1出力端子131、第2出力端子133が露出する凹部135が設けられており、この凹部135と接続ケーブル127の第1コネクタ部137とが、着脱可能に結合する構成となっている。これにより、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とは、着脱可能に一体に構成されることになる。
本実施例によっても、前記実施例1同様な効果を奏する。また、本実施例では、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とは、着脱可能に一体に構成されているので、ノッキング検出装置123と点火時期調整装置125とのいずれかが故障した場合に、両者を分離した上で故障した装置だけを取り替えれば済むという利点がある。
[3.実施例3]
次に実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
次に実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
図10(b)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置141は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置143と点火時期調整装置145と(それらを接続する)接続ケーブル147とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、ノッキング検出装置143と接続ケーブル147とは、分離不可能に一体に構成されているが、図示するように、点火時期調整装置145と接続ケーブル147とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、点火時期調整装置145には凹状のコネクタ部149が設けられており、このコネクタ部149と接続ケーブル147の第2コネクタ部151とが、着脱可能に結合する構成となっている。これにより、ノッキング検出装置143と点火時期調整装置145とは、着脱可能に一体に構成されることになる。
本実施例によっても、前記実施例2と同様な効果を奏する。
[4.実施例4]
次に実施例4について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
[4.実施例4]
次に実施例4について説明するが、前記実施例2と同様な内容については説明を省略する。
図10(c)に示す様に、本実施例の点火時期制御装置161は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置163と点火時期調整装置165と(それらを接続する)接続ケーブル167とから、一体に構成されている。
特に本実施例では、ノッキング検出装置163と接続ケーブル167と、更に、点火時期調整装置165と接続ケーブル167とは、着脱可能に一体に構成されている。
つまり、前記実施例2と同様に、ノッキング検出装置163のコネクタ部169には、第1出力端子171、第2出力端子173が露出する凹部175が設けられており、この凹部175と接続ケーブル167の第1コネクタ部177とが、着脱可能に結合する構成となっている。
つまり、前記実施例2と同様に、ノッキング検出装置163のコネクタ部169には、第1出力端子171、第2出力端子173が露出する凹部175が設けられており、この凹部175と接続ケーブル167の第1コネクタ部177とが、着脱可能に結合する構成となっている。
また、点火時期調整装置165には凹状のコネクタ部179が設けられており、このコネクタ部179と接続ケーブル167の第2コネクタ部181とが、着脱可能に結合する構成となっている。
以上のことから、実施例4の点火時期制御装置161は、ノッキング検出装置163と点火時期調整装置165とが着脱可能に一体に構成される構成を有する。
本実施例によっても、前記実施例2同様な効果を奏する。
本実施例によっても、前記実施例2同様な効果を奏する。
[5.実施例5]
次に実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
次に実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
図11に示す様に、本実施例の点火時期制御装置191は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置193を備えているが、接続ケーブルは備えておらず、点火時期調整装置195は、ノッキング検出装置193内に配置されている。なお、図11では、内部の構成を樹脂モールドを透過した状態で示している。
詳しくは、本実施例の点火時期制御装置191は、前記実施例1と同様に、ノッキング検出装置193の本体部196とコネクタ部197とを備えるとともに、本体部196の樹脂モールドされた内部には、主体金具199に圧電素子201や一対の電極板203、205やウエイト207やナット209等が嵌められた作動部211が収納されており、この作動部211の表面に、点火時期調整装置195が配置されている。
この点火時期調整装置195には、一対の電極板203、205から伸びる出力端子(図示せず)が接続されている。また、この点火時期調整装置195には、内燃機関用制御装置から点火信号(基準点火信号(A))が入力される入力端子213と、イグナイタに点火信号(補正点火信号(B)あるいは異常状態が検出された場合に出力される基準点火信号(A))を出力する出力端子215と、点火時期調整装置195に電力を供給する一対の電力端子217、219と、が延出して設けられている。
本実施例によっても、前記実施例1同様な効果を奏するとともに、装置をコンパクトに形成することができるという利点がある。
[6.実施例6]
次に実施例6について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
[6.実施例6]
次に実施例6について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
本実施例は、汎用エンジンに本発明を適用したものであり、エンジンの回転に同期して回転するマグネットを利用して、エンジン回転数やクランク角を求めるものである。
図12に示す様に、本実施例におけるシステムでは、エンジン本体の出力軸221には、フライホイール223が取り付けられ、フライホイール223の外周には、マグネット225が取り付けられている。
図12に示す様に、本実施例におけるシステムでは、エンジン本体の出力軸221には、フライホイール223が取り付けられ、フライホイール223の外周には、マグネット225が取り付けられている。
また、フライホイール223に近接して、マグネット225の近接/離隔に応じて信号(交流信号)を発生するパルサーコイル227が配置されており、パルサーコイル227の出力は、電子制御装置229に入力されるように構成されている。
この電子制御装置229には、パルサーコイル227から得られた信号に基づいて、マグネット225の近接/離隔する動作を検出する検出回路231や周知のマイコン232等が設けられている。
従って、マグネット225がパルサーコイル227の近傍を通過する際に、前記信号が得られるので、この信号から、マグネット225の取付位置に対応したクランク角や、エンジン回転数を求めることができる。よって、例えばエンジン回転数に応じて、基準となる点火時期を設定することができる。
また、本実施例では、電子制御装置229のマイコン232には、前記実施例1と同様な点火時期制御装置233が接続されている。
従って、マイコン232から出力される点火信号(基準点火信号(A))が、点火時期調整装置235に入力すると、点火時期調整装置235では、ノッキング検出装置237によって検出されたノッキングの発生状態に応じて、前記実施例1と同様な点火時期の調整が行われる。
従って、マイコン232から出力される点火信号(基準点火信号(A))が、点火時期調整装置235に入力すると、点火時期調整装置235では、ノッキング検出装置237によって検出されたノッキングの発生状態に応じて、前記実施例1と同様な点火時期の調整が行われる。
そして、この調整によって得られた点火信号(補正点火信号(B))が、前記実施例1と同様に、イグナイタ239に出力され、イグナイタ239の動作によって点火コイル241から高電圧が発生し、適切なタイミングで点火プラグ243から火花が発生する。
点火時期調整装置235は、OBDシステム234および異常情報記憶メモリ236を備える。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
なお、これとは別に、例えば特開平10−259777号に記載の様に、前記と同様な(フライホイールに取り付けられた)マグネットに近接するように点火コイルを配置し、マグネットの近接/離隔によって、点火プラグを駆動するための高電圧を発生させるようにしてもよい。
この場合には、図13に示すような点火駆動回路251を使用する。なお、この点火駆動回路251は、イグナイタ253と点火コイル255を備えている。
詳しくは、点火コイル255は、マグネット250の近接/離隔に応じて電流を発生させる一次巻線255aと、点火プラグ257に接続された二次巻線255bとを備える。
詳しくは、点火コイル255は、マグネット250の近接/離隔に応じて電流を発生させる一次巻線255aと、点火プラグ257に接続された二次巻線255bとを備える。
イグナイタ253は、一次巻線255aの一端にコレクタ、他端にエミッタが接続された第1トランジスタ259と、第1トランジスタ259のコレクタ・ベース間に接続され、第1トランジスタ259にベース電力を供給する第1抵抗261と、コレクタが第1トランジスタ259のベースに接続され、エミッタが第1トランジスタ259のエミッタに接続された第2トランジスタ263と、一次巻線255aの両端電圧を分圧して第2トランジスタ263のベースに供給する第2抵抗265、第3抵抗267とを備えている。
ここでは、点火時期制御装置269の点火時期調整装置271は、第2トランジスタ263のベースに接続されており、(前記電子制御装置229からの基準点火信号(A)を受信した)点火時期調整装置271から出力される補正点火信号(B)によって、前記実施例1と同様に、点火時期を調整することができる。
点火時期調整装置271は、OBDシステム272および異常情報記憶メモリ273を備える。
[7.実施例7]
次に実施例7について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
[7.実施例7]
次に実施例7について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
本実施例7は、実施例1と比べて、点火時期調整装置285で実行される処理内容の一部が相違している。具体的には、本実施例7では、点火時期調整装置285での補正点火時期算出処理に、実施例1での信号切替処理に相当する処理が含まれている。
[7−1.実施例7の基本的な構成]
まず、本実施例7の基本的な構成について説明する。
図14に示す様に、本実施例7におけるシステムは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置281、点火時期制御装置287、イグナイタ289、点火コイル291、点火プラグ293などを備えている。点火時期制御装置287は、少なくともノッキング検出装置283および点火時期調整装置285を備える。
まず、本実施例7の基本的な構成について説明する。
図14に示す様に、本実施例7におけるシステムは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置281、点火時期制御装置287、イグナイタ289、点火コイル291、点火プラグ293などを備えている。点火時期制御装置287は、少なくともノッキング検出装置283および点火時期調整装置285を備える。
本実施例7におけるシステムでは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置281から点火時期調整装置285に対して、点火時期の情報を含む基準点火信号(点火信号A)が送信され、点火時期調整装置285からイグナイタ289に対して、補正点火信号Bが送信される。
なお、内燃機関用制御装置281と点火時期制御装置287とを備えたシステムを、点火時期制御システム290と称する(以下同様)。
点火時期調整装置285は、OBDシステム284および異常情報記憶メモリ286を備える。
点火時期調整装置285は、OBDシステム284および異常情報記憶メモリ286を備える。
本実施例7では、点火時期調整装置285での補正点火時期算出処理に、実施例1での信号切替処理に相当する処理が含まれている点に特徴がある。
補正点火時期算出処理にて設定された補正点火時期TIGに基づいて、点火時期調整装置285からイグナイタ289に対して補正点火信号Bが送信される。
補正点火時期算出処理にて設定された補正点火時期TIGに基づいて、点火時期調整装置285からイグナイタ289に対して補正点火信号Bが送信される。
[7−2.実施例7における制御処理]
次に、本実施例7における制御処理について説明する。
点火時期調整装置で行われる補正点火時期算出処理について説明する。
次に、本実施例7における制御処理について説明する。
点火時期調整装置で行われる補正点火時期算出処理について説明する。
図15のフローチャートに示すように、本実施例7では、ステップ100〜250では、前記実施例1でのステップ100〜250と同様な処理を行うので、その説明は省略する。
続くステップ260では、回転数格納/ノックウィンドウ変数Sが2を上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ600に進み、一方否定判断されると前記ステップ180に戻る。
ステップ600では、OBDシステム284による異常検出処理を実行する。
次のステップ610では、OBDシステム284において異常検出されたか否かを判定しており、肯定判断されるとステップ670に進み、一方否定判断されるとステップ660に進む。
次のステップ610では、OBDシステム284において異常検出されたか否かを判定しており、肯定判断されるとステップ670に進み、一方否定判断されるとステップ660に進む。
ステップ660では、OBDシステム284において異常検出されていないことを踏まえて、フラグADを1に設定し、ステップ700に進む。なお、フラグADは、OBDシステム284において異常検出されたか否かを示すためのフラグであり、異常検出された場合には「0」が設定され、異常検出されていない場合には「1」が設定される。
一方、ステップ670では、OBDシステム284において異常検出されたことを踏まえて、フラグADを0に設定し、ステップ680に進む。
ステップ680では、OBDシステム284で検出された異常状態に関する情報を、異常情報記憶メモリ286に記憶し、ステップ700に進む。具体的には、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置、ノッキング検出装置)、異常検出日時などの情報を記憶する。
ステップ680では、OBDシステム284で検出された異常状態に関する情報を、異常情報記憶メモリ286に記憶し、ステップ700に進む。具体的には、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置、ノッキング検出装置)、異常検出日時などの情報を記憶する。
なお、ステップ600、610、680の処理は、それぞれ前記実施例1のステップ600、610、640の処理と同様である。
ステップ660またはステップ680が終了するとステップ700に移行し、ステップ700では、前記実施例1と同様なノッキング検出処理(図8参照)を行って、ノッキングを検出する。
ステップ660またはステップ680が終了するとステップ700に移行し、ステップ700では、前記実施例1と同様なノッキング検出処理(図8参照)を行って、ノッキングを検出する。
続くステップ710では、フラグADが1か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ730に進み、一方否定判断されるとステップ720に進む。
ステップ720では、OBDシステム284で異常が検出されたことを踏まえて、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
ステップ720では、OBDシステム284で異常が検出されたことを踏まえて、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ730では、フラグADを0に設定する。
続くステップ740では、OBDシステム284で異常が検出されていないことを踏まえて、ノッキングが発生しているか否かを、前記ノッキング検出処理にて設定されるノック検知フラグKNSが1であるか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ750に進み、一方否定判断されるとステップ760に進む。
続くステップ740では、OBDシステム284で異常が検出されていないことを踏まえて、ノッキングが発生しているか否かを、前記ノッキング検出処理にて設定されるノック検知フラグKNSが1であるか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ750に進み、一方否定判断されるとステップ760に進む。
ステップ750では、ノッキングが発生しているので、ノッキングの発生を防止するために、点火時期を遅角し、前記ステップ180に戻る。具体的に、ステップ750では、基準点火時期TIGINそのものを補正点火時期TIGとして設定する。
一方、ステップ760では、ノッキングが発生していないので、点火時期(補正点火時期TIG)が最大進角TIGMか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ770に進み、一方否定判断されるとステップ780に進む。
ステップ770では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMであるので、その最大進角TIGMの値を補正点火時期TIGの値として設定し、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ780では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させ、前記ステップ180に戻る。
一方、ステップ780では、補正点火時期TIGが最大進角TIGMではないので、点火時期を所定値ΔTIG分進角させ、前記ステップ180に戻る。
なお、ステップ720、740、750〜780の処理は、それぞれ前記実施例1のステップ310、300、320〜350の処理と同様である。
[7−3.実施例7の効果]
次に、本実施例の効果について説明する。
[7−3.実施例7の効果]
次に、本実施例の効果について説明する。
実施例7は、前記実施例1と同様に、点火時期を調整(補正)することができる。
そして、本実施例7は、実施例1と同様に、ノッキング信号を用いて適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて調整(補正)するにあたり、内燃機関用制御装置281における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
そして、本実施例7は、実施例1と同様に、ノッキング信号を用いて適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて調整(補正)するにあたり、内燃機関用制御装置281における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
また、本実施例7は、実施例1と同様に、ノッキング検出装置283または点火時期調整装置285が異常状態である場合には、点火時期の調整が行われていない基準点火信号(A)を出力することで、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
さらに、本実施例7は、実施例1と同様に、ノッキング検出装置283および点火時期調整装置285が異常状態ではない場合(正常状態である場合)には、ノッキング信号に基づいて調整(補正)された補正点火信号を出力することで、ノッキングの発生を抑制することができる。
[7−4.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
OBDシステム284が異常検出部の一例に相当し、信号切替処理を実行する点火時期調整装置285が信号切替部の一例に相当し、異常情報記憶メモリ286が異常情報記憶部の一例に相当する。
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
OBDシステム284が異常検出部の一例に相当し、信号切替処理を実行する点火時期調整装置285が信号切替部の一例に相当し、異常情報記憶メモリ286が異常情報記憶部の一例に相当する。
[8.実施例8]
次に実施例8について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
次に実施例8について説明するが、前記実施例1と同様な内容については説明を省略する。
本実施例8は、実施例1と比べて、内燃機関用制御装置337からイグナイタ333までの信号経路を切り替える切替スイッチ352を備える点において、少なくとも相違する。
[8−1.実施例8の構成]
まず、本実施例8の構成について説明する。
図16に示す様に、本実施例8におけるシステムは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置337、点火時期制御装置331、イグナイタ333(パワートランジスタ333a)、点火コイル335(一次巻線335a、二次巻線335b)、点火プラグ325(中心電極325a、接地電極325b)、バッテリ391などを備えている。
まず、本実施例8の構成について説明する。
図16に示す様に、本実施例8におけるシステムは、前記実施例1と同様に、内燃機関用制御装置337、点火時期制御装置331、イグナイタ333(パワートランジスタ333a)、点火コイル335(一次巻線335a、二次巻線335b)、点火プラグ325(中心電極325a、接地電極325b)、バッテリ391などを備えている。
点火時期制御装置331は、ノッキング検出装置341と、点火時期調整装置343と、切替スイッチ352と、を備える。
点火時期調整装置343は、OBDシステム344および異常情報記憶メモリ346を備える。
点火時期調整装置343は、OBDシステム344および異常情報記憶メモリ346を備える。
本実施例8におけるシステムでは、内燃機関用制御装置337から点火時期制御装置331に対して、点火時期の情報を含む基準点火信号(点火信号A)が送信され、点火時期制御装置331からイグナイタ333に対して、補正点火信号Bが送信される。
なお、内燃機関用制御装置337と点火時期制御装置331とを備えたシステムを、点火時期制御システム338と称する(以下同様)。
切替スイッチ352は、内燃機関用制御装置337(換言すれば、点火時期制御装置331の入力部340)から点火時期制御装置331の出力部342までの信号経路を、点火時期調整装置343を経由する第1経路348、または点火時期調整装置343を経由しない第2経路350、のいずれかに切り替えるスイッチである。
切替スイッチ352は、内燃機関用制御装置337(換言すれば、点火時期制御装置331の入力部340)から点火時期制御装置331の出力部342までの信号経路を、点火時期調整装置343を経由する第1経路348、または点火時期調整装置343を経由しない第2経路350、のいずれかに切り替えるスイッチである。
切替スイッチ352は、点火時期調整装置343からの切替指令信号Saに基づいて、信号経路を切り替える。切替スイッチ352は、切替指令信号Saがハイレベルの場合には、信号経路を第1経路348に設定し、切替指令信号Saがローレベルの場合には、信号経路を第2経路350に設定する。
[8−2.実施例8における制御処理]
次に、本実施例8における制御処理について説明する。
点火時期調整装置343は、実施例1と同様に、図7に示す補正点火時期算出処理と、図8に示すノッキング検出処理と、を実行する。
次に、本実施例8における制御処理について説明する。
点火時期調整装置343は、実施例1と同様に、図7に示す補正点火時期算出処理と、図8に示すノッキング検出処理と、を実行する。
点火時期調整装置343は、実施例1と比べて、信号切替処理での処理内容が異なることから、信号切替処理について説明する。
図17のフローチャートに示す様に、ステップ(S)800では、OBDシステム344による異常検出処理を実行する。
図17のフローチャートに示す様に、ステップ(S)800では、OBDシステム344による異常検出処理を実行する。
次のステップ810では、OBDシステム344において異常検出されたか否かを判定しており、肯定判断されるとステップ830に進み、一方否定判断されるとステップ820に進む。
ステップ820では、切替スイッチ352に対して出力する切替指令信号Saをハイレベルに設定する。
ステップ830では、切替スイッチ352に対して出力する切替指令信号Saをローレベルに設定する。
ステップ830では、切替スイッチ352に対して出力する切替指令信号Saをローレベルに設定する。
ステップ840では、OBDシステム344で検出された異常状態に関する情報を、異常情報記憶メモリ346に記憶する。具体的には、検出した異常の種類(短絡異常、断線異常、劣化異常、ゆるみ異常など)、異常の発生箇所(点火時期調整装置、ノッキング検出装置)、異常検出日時などの情報を記憶する。
ステップ820またはステップ840が終了するとステップ850に移行し、ステップ850では、本ステップの開始時刻から時間計測を開始し、予め定められた待機時間が経過すると、前記ステップ800に戻る。
このように、信号切替処理では、ステップ800からステップ850までの処理が繰り返し実行される。本処理は、点火時期調整装置343が停止するまで実行される。
上述のように、信号切替処理は、OBDシステム344において異常検出されない場合には、切替指令信号Saをハイレベルに設定して、信号経路を第1経路348に設定し、OBDシステム344において異常検出された場合には、切替指令信号Saをローレベルに設定し、信号経路を第2経路350に設定する。
上述のように、信号切替処理は、OBDシステム344において異常検出されない場合には、切替指令信号Saをハイレベルに設定して、信号経路を第1経路348に設定し、OBDシステム344において異常検出された場合には、切替指令信号Saをローレベルに設定し、信号経路を第2経路350に設定する。
これにより、点火時期制御装置331は、OBDシステム344で異常検出されない場合には、点火時期調整装置343により調整(補正)された補正点火信号をイグナイタ333に対して出力し、OBDシステム344で異常検出された場合には、内燃機関用制御装置337から受信した基準点火信号(A)をそのままイグナイタ333に対して出力する。
このようにして、点火時期制御装置331は、OBDシステム344での異常判定結果に応じて、点火信号の調整(補正)を行うか否かを切り替える。
[8−3.実施例8の効果]
次に、本実施例の効果について説明する。
[8−3.実施例8の効果]
次に、本実施例の効果について説明する。
実施例8は、前記実施例1と同様に、点火時期を調整(補正)することができる。
そして、本実施例8は、実施例1と同様に、ノッキング信号を用いて適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて調整(補正)するにあたり、内燃機関用制御装置337における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
そして、本実施例8は、実施例1と同様に、ノッキング信号を用いて適切な点火時期となるように点火時期を進角や遅角させて調整(補正)するにあたり、内燃機関用制御装置337における点火時期制御を行うための設計見直しが不要となり、その設計見直しのための手間(工数)やコストを大きく低減できるという顕著な効果を奏する。
また、本実施例8は、実施例1と同様に、ノッキング検出装置341または点火時期調整装置343が異常状態である場合には、点火時期の調整が行われていない基準点火信号(A)を出力することで、内燃機関の運転状態に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
さらに、本実施例8は、実施例1と同様に、ノッキング検出装置341および点火時期調整装置343が異常状態ではない場合(正常状態である場合)には、ノッキング信号に基づいて調整(補正)された補正点火信号を出力することで、ノッキングの発生を抑制することができる。
[8−4.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
OBDシステム344が異常検出部の一例に相当し、信号切替処理を実行する点火時期調整装置343および切替スイッチ352が信号切替部の一例に相当し、異常情報記憶メモリ346が異常情報記憶部の一例に相当する。
ここで、特許請求の範囲と本実施例とにおける文言の対応関係について説明する。
OBDシステム344が異常検出部の一例に相当し、信号切替処理を実行する点火時期調整装置343および切替スイッチ352が信号切替部の一例に相当し、異常情報記憶メモリ346が異常情報記憶部の一例に相当する。
[9.他の実施形態]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施例では、ノッキング検出装置および点火時期調整装置の異常を検出する異常検出部(OBDシステム)が点火時期調整装置に備えられる構成について説明したが、このような構成に限られることはない。
つまり、異常検出部を点火時期調整装置とは独立した構成として備えて、ノッキング検出装置および点火時期調整装置の異常を検出することも可能である。この場合、実施例8のように切替スイッチ352を備えると共に、異常検出部での検出結果に応じて切替スイッチ352を制御するスイッチ制御部を備えると良い。これにより、異常検出部での異常判定結果に応じて、点火信号の調整(補正)を行うか否かを切り替えることができる。
また、上記実施例8のように、点火時期調整装置と切替スイッチとを別々に備える場合には、切替スイッチは、点火時期調整装置が出力可能な信号レベルを逸脱した不正な信号が入力された場合に、第2経路に設定される構成を採ることができる。これにより、点火時期調整装置に異常が生じてしまい、点火時期調整装置が適正な切替指令信号を出力できない場合には、点火時期調整装置を経由することなく、第2経路を介して点火信号が出力できる。つまり、点火時期調整装置に異常が生じた場合でも、点火信号を出力できることから、点火時期調整装置に異常が生じた場合でも、内燃機関の運転を継続できるという利点がある。
また、異常情報記憶メモリ46は、点火時期調整装置の内部に備えられる構成に限られることはなく、点火時期調整装置の外部に備えられる構成を採ることができる。
さらに、ノッキング検出装置は、非共振型ノッキングセンサに限らず、共振型ノッキングセンサを使用でき、ノッキングを検出できれば、その種類に限定されない。
さらに、ノッキング検出装置は、非共振型ノッキングセンサに限らず、共振型ノッキングセンサを使用でき、ノッキングを検出できれば、その種類に限定されない。
また、ノッキングを検出する方法についても、ノッキング信号のピークから検出する方法に限らず、周知のノッキング信号に対するFFT、積分値を利用した方法など、ノッキングを検出できれば、その種類に限定されない。
更に、本発明は、2サイクルのエンジンに適用することもできる。
なお、本発明の外部の電子制御装置としては、マイコンによって各種の制御を行う装置が挙げられる。また、点火時期制御装置とは別体に(着脱可能なリード線等を介して)設けられて内燃機関の動作を制御する内燃機関用制御装置が挙げられる。
なお、本発明の外部の電子制御装置としては、マイコンによって各種の制御を行う装置が挙げられる。また、点火時期制御装置とは別体に(着脱可能なリード線等を介して)設けられて内燃機関の動作を制御する内燃機関用制御装置が挙げられる。
1…内燃機関、3…エンジン本体、31,121,141,161,191,233,269,287,331…点火時期制御装置、37,281,337…内燃機関用制御装置、38,290,338…点火時期制御システム、41,123,143,163,193,237,283,341…ノッキング検出装置、43,125,145,165,195,235,271,285,343…点火時期調整装置、44,234,272,284,344…OBDシステム、45,127,147,167…接続ケーブル、46,236,273,286,346…異常情報記憶メモリ、229…電子制御装置、352…切替スイッチ
Claims (8)
- 内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出装置と、
前記ノッキング検出装置から得られる前記ノッキングの状態を示すノッキング信号と、外部の電子制御装置から得られる前記内燃機関の点火時期に関する信号と、に基づいて、前記内燃機関の点火時期を調整する点火時期調整装置と、
を備える点火時期制御装置であって、
前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とが、電気的に接続されているとともに一体に構成されており、
前記ノッキング検出装置および前記点火時期調整装置のうち少なくとも一方の異常状態を検出する異常検出部と、
前記異常検出部にて異常状態が検出されたか否かを判定し、異常状態が検出されない場合には、前記点火時期調整装置による点火時期の調整が行われた調整後点火信号を出力し、異常状態が検出された場合には、前記点火時期調整装置による点火時期の調整が行われていない前記点火時期に関する信号を出力する信号切替部と、
を備えることを特徴とする点火時期制御装置。 - 前記異常検出部にて検出された異常状態に関する情報を記憶する異常情報記憶部を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の点火時期制御装置。 - 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、分離不可能に一体に構成されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の点火時期制御装置。 - 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、着脱可能に一体に構成されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の点火時期制御装置。 - 前記ノッキング検出装置と前記点火時期調整装置とは、接続ケーブルを介して一体に構成されていること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の点火時期制御装置。 - 前記点火時期調整装置は、前記ノッキング検出装置に搭載されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の点火時期制御装置。 - 前記点火時期に関する信号は、点火時期の基準となるタイミングを示す基準点火信号であること、
を特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の点火時期制御装置。 - 内燃機関の点火時期に関する信号を出力する電子制御装置と、
前記点火時期に関する信号を調整する点火時期制御装置と、
を備えた点火時期制御システムであって、
前記点火時期制御装置は、請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の点火時期制御装置であること、
を特徴とする点火時期制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013223322A JP2015038343A (ja) | 2012-10-31 | 2013-10-28 | 点火時期制御装置および点火時期制御システム |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012240792 | 2012-10-31 | ||
JP2012240792 | 2012-10-31 | ||
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JP2013150754 | 2013-07-19 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015038343A true JP2015038343A (ja) | 2015-02-26 |
Family
ID=52631530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013223322A Pending JP2015038343A (ja) | 2012-10-31 | 2013-10-28 | 点火時期制御装置および点火時期制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015038343A (ja) |
-
2013
- 2013-10-28 JP JP2013223322A patent/JP2015038343A/ja active Pending
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