JP2001006843A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2001006843A
JP2001006843A JP11173033A JP17303399A JP2001006843A JP 2001006843 A JP2001006843 A JP 2001006843A JP 11173033 A JP11173033 A JP 11173033A JP 17303399 A JP17303399 A JP 17303399A JP 2001006843 A JP2001006843 A JP 2001006843A
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Japan
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ignition
internal combustion
combustion engine
plug
ignition coil
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JP11173033A
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Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の振動や導通経路上の接触抵抗に影
響されることなく、点火用高電圧を確実に点火プラグに
印加することができる内燃機関用点火装置を提供する。 【解決手段】 内燃機関用点火装置1は、点火プラグ2
1と点火コイル23にて構成される火花放電発生部11
と、電源供給するバッテリBTと、イオン電流を検出す
るイオン電流検出部13と、点火信号IGを出力すると
共に検出信号Sdを出力する電子制御装置(ECU)1
5と、イオン電流検出部13の出力をAD変換する変換
回路17とを備えている。点火プラグ21と点火コイル
23は、珪素鋼板からなるケース51aに収納され、ケ
ース51a内で、点火コイル23の高電圧出力端子77
と端子電極21cとが固着されて電気的に接続されてい
る。ケース51aは固定部63が設けられており、上部
および下部がエンジンヘッド71に接した状態でエンジ
ンヘッド71に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火コイルにて発
生する点火用高電圧を点火プラグに印加して、その点火
プラグにおける放電ギャップにて火花放電を発生させる
内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に使用される内燃機関
において、混合気への点火に用いられる点火プラグは、
一般的に、絶縁体の軸孔に挿設された中心電極と、該絶
縁体の外側に設けられた主体金具と、該中心電極と対向
するように配置されて放電ギャップを形成する接地電極
と、該絶縁体の軸孔に挿設されると共に該中心電極の一
端に電気的に接続される端子電極とを備えることにより
構成されている。そして、このような点火プラグは、高
電圧発生手段(一次コイル及び二次コイル等)を備えた
点火コイルに組み付けられることにより内燃機関用点火
装置を構成し、その結果、点火コイルにて発生する点火
用高電圧を点火プラグに印加することで、その点火プラ
グの放電ギャップにて火花放電を発生させて、燃焼室内
の混合気を燃焼させるのである。
【0003】ここで、従来より、内燃機関用点火装置を
構成する点火コイルと点火プラグとは、点火コイルの二
次巻線と電気的に接続された導電材からなるスプリング
の一端を、点火プラグの端子電極の表面に当接させるよ
うにして組付けることにより、両者の電気的な接続を図
って、点火用高電圧の導通経路を確保することが広く知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関用
点火装置は、従来より、内燃機関(エンジンヘッド)本
体に取り付けられて使用されるものである。そのため
に、上述した内燃機関用点火装置にあっては、内燃機関
の運転状態や路面状況(路面の凹凸)等により内燃機関
に振動が及ぶ(以下このような現象を、「内燃機関の振
動」という)と、その影響からスプリングのダンピング
が発生することがある。このとき、スプリングと端子電
極の表面とは当接されることにより電気的な接続を図っ
ていることから、スプリングのダンピングによっては、
スプリングと端子電極とが離れて再度接触するといった
繰り返しを生じてしまうおそれがある。その結果、内燃
機関の振動時において、スプリングと端子電極との間で
接触不良が起こり、点火コイルにて発生する点火用高電
圧が点火プラグに印加される際の導通経路が確保できず
に、点火プラグの放電ギャップにて正常な火花放電の発
生が妨げられてしまうおそれがある。
【0005】また、従来からの内燃機関用点火装置で
は、導電材同士が、すなわちスプリングと端子電極とが
当接することで電気的に接続されているが、内燃機関の
経時変化に伴いスプリングと端子電極とが酸化されるこ
とがあると、スプリングと端子電極とが接触する部分に
まで酸化の影響が及ぶことが考えられる。その結果、ス
プリングと端子電極との間の接触抵抗、すなわち、点火
プラグと点火コイルとの導通経路上での接触抵抗が増大
してしまい、点火コイルにて所定の昇圧された点火用高
電圧が点火プラグに印加される際に悪影響を及ぼしてし
まう可能性があり、その結果、点火プラグの放電ギャッ
プにて正常な火花放電の発生が妨げられてしまうおそれ
がある。
【0006】そこで本発明は、上記の問題点を解決する
ために、内燃機関の振動や導通経路上の接触抵抗に影響
されることなく、点火コイルにて発生する点火用高電圧
を確実に点火プラグに印加することができる内燃機関用
点火装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、絶縁体の軸孔に
挿設された中心電極と、該絶縁体の外側に設けられた主
体金具と、該中心電極と対向するように配置されて放電
ギャップを形成する接地電極と、該絶縁体の軸孔に挿設
されると共に該中心電極の一端に電気的に接続される端
子電極とを備える点火プラグと、一次巻線と二次巻線を
備えると共に、該二次巻線にて発生した点火用高電圧を
前記点火プラグの端子電極に印加するための高電圧出力
端子を備える点火コイルと、を備えた内燃機関用点火装
置であって、前記点火コイルの高電圧出力端子と、前記
点火プラグの端子電極とが、固着された状態で電気的に
接続されて構成されたことを特徴とする。
【0008】このように構成された本発明(請求項1)
の内燃機関用点火装置においては、点火コイルの一次巻
線への一次電流通電後に二次巻線にて発生した点火用高
電圧を、高電圧出力端子を介して、点火プラグの中心電
極の一端に接続された端子電極に印加して中心電極と接
地電極により形成された放電ギャップにて火花放電を起
こし、燃焼室内の混合気を燃焼させるものとなる。
【0009】このとき、点火コイルの高電圧出力端子
と、点火プラグの端子電極とが固着された状態で電気的
に接続されているため、内燃機関の振動の影響によって
も、高電圧出力端子と端子電極とが離れて再度当接する
といったような繰り返しを生じて、接触不良を生ずるこ
とがない。すなわち、本発明は、点火コイルの高電圧出
力端子と点火プラグの端子電極とが当接することにより
電気的に接続されておらず、内燃機関の振動の影響によ
ってもスプリングが端子電極から離れる(移動する)こ
とがないように固着された状態で電気的に接続されてい
るものである。
【0010】したがって、本発明によれば、内燃機関の
振動時にあっても、点火コイルにて発生する点火用高電
圧を確実に点火プラグに印加することができると共に、
正常な火花放電を常に提供することができる。さらに、
本発明によれば、点火コイルの端子電極と、点火プラグ
の端子電極とが固着された状態で接続されていることか
ら、内燃機関の経時変化に伴い、高電圧出力端子と端子
電極とが酸化されることがあった場合にも、高電圧出力
端子と端子電極との接触する部分が固着(即ち、密着)
していることから、酸化の影響を受けることが少なくな
る。その結果、高電圧出力端子と端子電極との間の接続
抵抗が増大する可能性が少なく、点火プラグの放電ギャ
ップにて正常な火花放電を提供することができる。
【0011】ところで、近年では、自動車の高性能化に
伴って多くの補機類品がエンジンルーム内に搭載される
関係上、エンジンルーム内におけるスペースを有効に確
保しようとする傾向にある。そこで、エンジンヘッドの
プラグホール内のスペースを有効利用すべく、点火コイ
ルおよび点火プラグをプラグホール内に収容することに
より、エンジンルーム内のスペースを確保することが提
案されている。この場合には、一般的に、主体金具の外
周面に形成されたネジ部をエンジンヘッドにねじ込むこ
とで点火プラグを固定して、点火コイルと点火プラグを
プラグホール内に収容している。
【0012】しかしながら、前述したように点火コイル
と点火プラグとをプラグホールに収容した場合にあって
は、点火プラグは主体金具の外周面に形成されたネジ部
によりエンジンヘッドに安定に保持されるが、点火コイ
ルについてはその点火プラグに組み付けられることで保
持されるのみである。
【0013】そこで、請求項1に記載の内燃機関用点火
装置においては、請求項2に記載の発明のように、前記
点火コイルと前記点火プラグとが、軸方向に対して回転
不能に一体化されるようにするとよい。請求項2に記載
の内燃機関用点火装置においては、点火コイルと点火プ
ラグとの組み付けにおいて、両者が軸方向に対して回転
不能に一体化されていることから、内燃機関の振動の影
響により、点火コイルと点火プラグとの組み付け自体が
緩慢になることがない。また、点火コイルと点火プラグ
とは別体ではなく、常に一体となった形で内燃機関の振
動の影響を受けるようになる。このことから、点火コイ
ルの高電圧出力端子と点火プラグの端子電極とが固着さ
れた状態で接続される部分は、内燃機関の振動に対して
も安定した状態で保持されることになり、その結果、高
電圧出力端子と端子電極との接触不良の発生をより確実
に防止することができる。
【0014】尚、請求項2の内燃機関においては、請求
項3に記載のように、内部に前記点火コイルを収納する
ケースを備え、そのケースの一端部を、前記点火プラグ
の主体金具に軸方向に対して回転不能に一体化させるこ
とにより、点火コイルと点火プラグとを一体化させるこ
とが出来る。
【0015】なお、このような内燃機関用点火装置で
は、点火プラグの取付け位置に対して点火コイルの重心
が高くなる傾向にある。そのために、大きい内燃機関の
振動が長時間及ぶことがあると、点火プラグの主体金具
に形成されたネジ部の基端(いわゆるネジ首)に振動に
より発生する応力が大きくかかってネジ首が破損してし
まうことや、あるいは、接地電極が折れてしまうという
ことが考えられる。
【0016】そこで、請求項4に記載の発明のように、
ケースに、エンジンヘッドに固定するための固定部を設
けるようにするとよい。つまり、請求項4に記載の内燃
機関用点火装置では、点火プラグと軸方向に回転不能に
一体化される点火コイルを収納してなるケースに固定部
を設けることによってエンジンヘッドに固定されるの
で、内燃機関用点火装置の取り付け位置に対する点火コ
イルの重心を低くすることが可能となる。さらに、エン
ジンヘッドに固定するための固定部を設けることから、
点火プラグの主体金具の外周部にネジ部を形成して、エ
ンジンヘッドにねじ込むことにより固定する必要が無く
なる。それにより、内燃機関の振動が例え大きく及んだ
としても、その振動から発生する応力によりネジ首が破
損するといったおそれがなく、また接地電極が折れてし
まうといったことを防止することができ、内燃機関用点
火装置を安定した状態で内燃機関に固定することができ
る。
【0017】また、内燃機関用点火装置が取り付けられ
る内燃機関の燃焼室内においては、燃料への着火性を高
めるために、混合気の乱流(スワール流やタンブル流)
を起こすことで、燃料を均一に拡散するようにしている
が、この乱流の方向に対する点火プラグの接地電極の方
向が、燃料への着火性に影響していることが知られてい
る。混合気は、中心電極と接地電極により形成される放
電ギャップにて発生する火花放電に触れることで燃焼さ
れるが、混合気の乱流の方向によっては、接地電極が火
花放電に触れることを妨げてしまうことがあり、混合気
への着火性を劣らせてしまう場合がある。これに対し
て、混合気の乱流の方向に対し、火花放電の側方に接地
電極が配置される場合には、混合気の乱流に火花放電を
直接さらすことができるため、混合気への着火性が優れ
ることが知られている。
【0018】そこで、請求項4に記載の内燃機関用点火
装置においては、請求項5に記載の発明のように、点火
プラグの接地電極の方向が、前記固定部の位置に対して
一定方向であるようにするとよい。つまり、エンジンヘ
ッドに取付けるための固定部の位置を考慮して、点火コ
イルと点火プラグとを回転不能に一体化することによ
り、その固定部をエンジンヘッドの所定の位置に取り付
けるだけで、点火プラグの接地電極の方向を定めること
が可能となる。すなわち、固定部に対して点火プラグの
接地電極の方向を予め決めた一定方向に合わせ、点火プ
ラグと点火コイルとを回転不能に一体化することによ
り、燃焼室内における接地電極の方向を任意に決めるこ
とが可能となるのである。
【0019】したがって、本発明によれば、燃焼室内に
おける混合気の乱流の方向に適した方向に、接地電極を
配置することで、着火性の優れた内燃機関用点火装置を
実現することが可能となるのである。さらに、請求項6
に記載の内燃機関用点火装置のように、前記主体金具の
ネジ部の基端側に、燃焼室の気密性を保つためのシール
リングを備えるようにするとよい。
【0020】この請求項6に記載の発明によれば、シー
ルリングを備えることによって、内燃機関の振動に対す
る内燃機関用点火装置のエンジンヘッドへの固定をより
安定させ、さらには、燃焼室内の気密性を高め、点火に
より燃焼された混合ガス、すなわち燃焼ガスの漏れを少
なくすることができる。また、シールリングを設けるこ
とにより、点火プラグが受ける熱をエンジンヘッドに放
出しやすくすることもできる。
【0021】次に、上述の請求項1から請求項6のいず
れかに記載の内燃機関用点火装置は、請求項7のよう
に、点火用高電圧により点火プラグの放電ギャップにて
火花放電を発生させた後、点火用高電圧とは逆極性の検
出用高電圧を、点火コイルの高電圧端子を介して点火プ
ラグの高圧端子電極に印加して、放電ギャップを流れる
イオン電流を検出するイオン電流検出手段を組み合わせ
た場合においても、効果を発揮することができる。
【0022】従来より、内燃機関において、混合気への
点火を行うための内燃機関用点火装置に、イオン電流検
出手段を付加することで、内燃機関の失火やノッキング
などの燃焼状態を検出する技術が知られている。このイ
オン電流とは、点火プラグの中心電極と接地電極により
形成される放電ギャップにおける火花放電による混合気
の燃焼後に、検出用高電圧を点火プラグに印加した際に
その放電ギャップに流れる電流のことである。これは、
火花放電による混合気の燃焼に伴い、点火プラグの放電
ギャップに電離作用によるイオンが発生するため、点火
プラグに検出用高電圧を印加した際にその放電ギャップ
に電流が流れるのである。そして、イオンの発生量は、
内燃機関の燃焼状態や運転状態によって変化することが
知られている。このことから、放電ギャップに発生する
イオンの発生量を検出することにで、火花放電による混
合気の燃焼が正常に行われたか否かの判定(失火判定)
や、内燃機関の燃焼状態や運転状態を検出することがで
きるのである。
【0023】ところで、イオン電流は上述したように火
花放電後に検出用高電圧を点火プラグに印加することに
より流れるものであって、すなわち、検出用高電圧は点
火コイルの高電圧出力端子を介して、点火プラグの端子
電極に印加されるのが一般的である。そこで、本発明の
内燃機関用点火装置においては、上述したように点火コ
イルの高電圧出力端子と点火プラグの端子電極とが固着
された状態で電気的に接続されていることから、イオン
電流を検出するための検出用高電圧が印加される時に、
内燃機関の振動が生じたとしても、高電圧出力端子と端
子電極とが離れて再度当接するといったような繰り返し
を生じて、接触不良を生ずることがない。
【0024】それにより、検出されるイオン電流波形に
ノイズが合成されてしまい、ノッキングによる波形とノ
イズによる波形との判別が困難となり、ノッキングの検
知性に悪影響を及ぼしてしまうといったことを有効に防
止することができる。さらには、内燃機関の経時変化に
伴い、高電圧出力端子と端子電極とが酸化されることが
あった場合にも、上述したように高電圧出力端子と端子
電極とが接触する部分は固着(即ち、密着)しているこ
とから、酸化の影響を受けることが少なく、高電圧出力
端子と端子電極との間の接触抵抗が増大する可能性が少
ない。その結果、接触抵抗の増大の影響により、検出さ
れるイオン電流の波形が小さくなってしまい、誤って失
火判定をしてしまうといったことを有効に防止すること
ができる。したがって、本発明によればイオン電流の検
出についても、常に良好に行うことができるものとな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、第1実施例の内燃機関用点火装置
1の構成を表す電気回路図である。図1に示すように、
内燃機関用点火装置1は、外部から入力される点火信号
IGに従って、内燃機関の各気筒毎に設けられた点火プ
ラグ21を火花放電させる火花放電発生部11と、火花
放電発生部11に電源供給するバッテリBTと、火花放
電によって点火プラグ21の電極付近に発生したイオン
により流れるイオン電流を、外部から入力される検出信
号Sdのタイミングで検出するイオン電流検出部13
と、火花放電発生部11に点火信号IGを出力すると共
に、イオン電流検出部13に検出信号Sdを出力する内
燃機関制御用の電子制御装置(以下、ECUという)1
5と、イオン電流検出部13の出力をAD変換してEC
U15の入力に適した信号とする変換回路17とを備え
ている。
【0026】なお、ECU15以外の構成は、内燃機関
の各気筒毎に設けられるものであるが、ここでは、図面
を見やすくするために1気筒分のみを表している。ま
た、火花放電発生部11は、内燃機関の各気筒(図では
1気筒のみを表す)毎に設けられる点火プラグ21と、
点火プラグ21に点火用高電圧を印加する点火コイル2
3とを備えている。そして、点火コイル23の一次巻線
L1は、一端にバッテリ電圧Vbが印加され、他端が点
火信号IGに応じてオン・オフされるパワートランジス
タ25を介して接地されている。また、点火コイル23
の二次巻線L2は、一端が点火プラグ21の中心電極2
1aに接続され、他端がイオン電流検出部13に接続さ
れている。なお、点火プラグ21の接地電極21bは接
地されている。
【0027】このように構成された火花放電発生部11
では、点火信号IGがハイレベルであるときに、パワー
トランジスタ25がオンして、点火コイル23の一次巻
線L1に電流が流れる。その後、点火信号IGがローレ
ベルになり、パワートランジスタ25がターンオフする
と、点火コイル23の二次巻線L2に点火用高電圧が発
生して、この点火用高電圧が点火プラグ21の中心電極
21aに印加されて、点火プラグ21が火花放電するこ
とになる。なお、火花放電時に点火プラグ21の中心電
極21aが負極性となるようにされており、従って、こ
の火花放電によって流れる火花放電電流Ispは、点火
プラグ21から二次巻線L2に向けて流れる。
【0028】なお、本第1実施例の内燃機関用点火装置
では、点火プラグ21の端子電極と、点火コイル23に
て発生される点火用高電圧を印加するための高電圧出力
端子とが、固着されて電気的に接続されていることが重
要である。そこで、この構成を、図2を用いて以下に説
明する。
【0029】図2に示すように、まず、本第1実施例の
内燃機関用点火装置は、強磁性体である珪素鋼板にて形
成された円筒部53とコネクタ部57とからなるケース
51の内部に、点火コイル23および接続ジョイント部
55が収納されて構成されている。なお、接続ジョイン
ト部55は、後述する点火プラグ21の端子電極21c
および点火コイル23の高電圧出力端子77との固着を
円滑に行うための媒体として備えられており、絶縁性材
料にて形成されている。
【0030】詳細に説明すると、接続ジョイント部55
の下部には貫通孔55aが設けられ、この貫通孔55a
を点火プラグ21の端子電極21cが貫通し、端子電極
21cの上部にナット59が螺合されている。そして、
ナット59と点火プラグ21の絶縁体21dとの間に、
接続ジョイント部55が挟持されて、接続ジョイント部
55と点火プラグ21とが連結されている。
【0031】そして、点火プラグ21と連結された接続
ジョイント部55は、点火コイル23の一次ボビン23
aの下部にボルト73により固定されて、点火プラグ2
1、接続ジョイント部55および点火コイル23が連結
した形で構成される。そして、点火コイル23の二次巻
線L2から延長されたリード線からなる高電圧出力端子
77と、点火プラグ21の端子電極21cとをロウ付け
にて固着することにより、電気的に接続するのである。
【0032】なお、高電圧出力端子77は、導電性材料
を用いて構成されていれば良く、リード線(金属体)単
体に限らず、例えば、導電性材料からなるスプリング単
体、もしくは、それらを絶縁材にて被覆したものとして
備えても良い。また、端子電極21cの上に平板状の金
属プレートを接合して設け、この金属プレートに対して
高電圧出力端子77を固着させても良い。
【0033】次に、点火コイル23は、コア23cの周
囲に、二次巻線L2が巻かれた二次ボビン23bが配置
され、更に二次ボビン23bの周囲に一次巻線L1が巻
かれた一次ボビン23aが配置されて構成されており、
ボビンは樹脂材料(例えばノリル)にて形成されてい
る。このとき、二次巻線L2を一次巻線L1の内側に配
置することで、高電圧を発生する二次巻線L2とエンジ
ンヘッド71との絶縁距離を確保している。
【0034】そして、連結された形で構成された点火コ
イル23、接続ジョイント部55および点火プラグ21
に、円筒部53を挿入し、点火プラグ21の接地電極2
1bが円筒部53の下端部53aから突出した状態で、
円筒部53の下端部53aと、点火プラグ21の絶縁体
21dの外側に設けられた主体金具21eとを、レーザ
溶接によって接合して一体化する。なお、円筒部53と
主体金具21eとの接合方法は、レーザ溶接に限ること
はなく、環状抵抗溶接、電子ビーム溶接などを用いても
よい。その後、円筒部53内に絶縁樹脂91の充填を行
う。
【0035】そして、点火コイル23の一次巻線L1の
両端、および二次巻線L2の一端に接続端子81を介し
て接続されたコネクタ部57が、円筒部53の上端に固
定され、ケース51が形成される。また、点火コイル2
3は、コネクタ部57を介して、ケース51の外部に配
置された機器(バッテリBT、イオン電流検出部13お
よびパワートランジスタ25等)と接続される。
【0036】このように一体に形成された点火プラグ2
1と点火コイル23は、点火プラグ21の主体金具21
eの外周面に設けられたネジ部によって、エンジンヘッ
ドに設けられたプラグホールに螺合されて締め付けられ
ることにより、エンジンヘッドに固定される。そして、
コネクタ部57に、外部機器につながる配線の端部に備
えられたコネクタが接続され、例えば、ECU15にて
実行される各種処理に応じて、火花放電の発生およびイ
オン電流の検出を行なう。
【0037】なお、接続ジョイント部55は、一次ボビ
ン23aまたは二次ボビン23bと予め一体に形成して
もよい。また、点火コイル23の高電圧出力端子77
と、点火プラグ21の端子電極21cとの固着手段は、
ロウ付けに限ることはなく、溶接またはカシメなどの方
法により、固着された状態で電気的に接続されればよ
い。さらに、中心電極21a及び/または接地電極21
bの火花放電部は、耐久性を考慮して、PtやIr等の
高融点の電極材を使用するとよい。
【0038】次に、図1において、イオン電流検出部1
3は、一端が接地された抵抗31と、この抵抗31に並
列接続されカソードが接地されたダイオード33と、抵
抗31およびダイオード33の接地側とは反対側に直列
接続されたコンデンサ35を備え、これら抵抗31,ダ
イオード33およびコンデンサ35が、点火コイル23
の二次巻線L2および点火プラグ21と共に形成する閉
ループにおいて、コンデンサ35と点火コイル23の二
次巻線L2との間に、火花放電電流Ispの流れる方向
を順方向として充電用ダイオード39が直列接続され、
更に、この充電用ダイオード39の両端を、外部から入
力される検出信号Sdに従って短絡する放電用スイッチ
41が、充電用ダイオード39と並列に接続され、そし
て、カソードが充電用ダイオード39と二次巻線L2と
の接点に接続され、アノードが接地されたツェナーダイ
オード37を備えて構成されている。
【0039】このように構成されたイオン電流検出部1
3では、放電用スイッチ41が開放されている時には、
点火コイル23の二次巻線L2との接続端からダイオー
ド33の接地端に向けてのみ電流を流すことが可能とな
る。この時、充電用ダイオード39,コンデンサ35,
ダイオード33を通過する閉ループに電流が流れ、同時
にツェナーダイオード37には、ツェナー電圧Vzを発
生させる方向に電流が流れる。このため、コンデンサ3
5は、ツェナーダイオード37のツェナー電圧Vzから
充電用ダイオード39およびダイオード33の各順方向
電圧Vfだけ小さい電圧Vc(=Vz−2×Vf)で充
電されることになる。
【0040】また、放電用スイッチ41が閉じられ、充
電用ダイオード39の両端が短絡された場合は、抵抗3
1の接地端側から二次巻線L2との接続端に向けて電流
を流すことが可能となり、この時、抵抗31,コンデン
サ35,放電用スイッチ41を通過する閉ループを電流
Iioが流れると、抵抗31の両端電圧は、この電流の
大きさに比例したものとなる。
【0041】なお、この時の点火プラグ21への印加電
圧Vpは、コンデンサ35の充電電圧Vcから抵抗31
での電圧降下分だけ差し引いたもの(Vp=Vc−R×
Iio;但し、Rは抵抗31の抵抗値)となる。そし
て、この印加電圧Vpは、点火プラグ21が火花放電し
ない程度(例えば300V程度)とする必要があり、即
ち、ツェナーダイオード37のツェナー電圧Vzは、こ
の印加電圧Vpに基づいて設定する必要がある。
【0042】次に、ECU15が実行するイオン電流検
出処理について説明する。なお、ECU15は、内燃機
関の点火時期,燃料噴射量,アイドル回転数等を総合的
に制御するためのものであり、以下に説明するイオン電
流検出処理以外に、内燃機関の吸気管圧力(又は吸入空
気量),回転速度,冷却水温度など各種運転状態を検出
する状態検出処理や、検出された運転状態に応じて上記
点火信号IG等、機関制御のための各種信号を出力する
信号出力処理等を行っている。この信号出力処理によ
り、特に点火信号IGは、運転状態に応じて設定される
各気筒の点火タイミングよりも早い所定時期に一旦ハイ
レベルに設定され、その後、点火タイミングにてローレ
ベルに設定される。
【0043】ここで、ECU15が実行するイオン電流
検出処理のフローチャートを図3に示す。図3に示すよ
うに、本処理(イオン電流検出処理)が起動されると、
まずS110では、別途実行される状態検出処理にて検
出される運転状態のうち、点火プラグ21の電極間にイ
オンが発生するタイミングに影響を与える運転状態、例
えば内燃機関の回転数等を読み込み、続くS120で
は、S110にて読み込んだ運転状態に従って、放電用
スイッチ41を作動させるまでの待機時間Twを設定す
る。
【0044】この待機時間Twは、イオン電流Iioの
検出が可能な期間内であり、且つ火花放電後に点火コイ
ル23の二次側回路に発生する電圧減衰振動が十分に収
束するような長さに設定される。なお、待機時間Tw
は、実験的に求めた結果をテーブルにしてROM等に記
憶しておき、このテーブルから運転状態を参照値として
読み込むことで設定してもよい。
【0045】続くS130では、点火プラグ21が火花
放電を行う点火タイミングであるか否かを判断する。具
体的には、別途実行される信号出力処理により、点火信
号IGがハイレベルからローレベルに切り替えられたか
否かにより、点火タイミングか否かを判断する。そし
て、点火タイミングでなければ、S130を繰り返し実
行することにより待機し、点火タイミングであると判断
されるとS140に移行する。
【0046】そして、S140では、S120にて設定
した待機時間Twが経過したか否かを判断する。具体的
には、ECU15に内蔵されたタイマーにて点火タイミ
ング後の経過時間を計測することにより判断すればよ
い。そして、待機時間Twが経過したと判断されると、
S150に移行して、予め決められた検出期間の間だ
け、検出信号Sdをハイレベルとすることにより、放電
用スイッチ41を作動させて、充電用ダイオード39の
両端を短絡する。この検出期間は、イオン電流Iioが
正常に流れた場合に、コンデンサ35の電荷がすべて放
電されるような長さに設定することが望ましい。
【0047】続くS160では、検出期間(検出信号S
dがハイレベル)の間に、抵抗31の両端電圧Vioを
AD変換して保存された検出値Dioを、変換回路17
から読み込む処理を行ない、S160が実行されると、
イオン電流検出処理を終了する。
【0048】ここで、第1実施例の内燃機関用点火装置
の各部の状態を表すタイムチャートを図4に示す。図4
では、点火信号IG、一次電流、点火プラグ21の中心
電極21aの電位、検出信号Sdおよび検出電圧Vio
の各状態を表しており、時刻t1が、火花放電発生時期
である。なお、検出電圧Vioにより、イオン電流Ii
oの存在を確認することができる。
【0049】即ち、本実施例においては、信号出力処理
によって点火信号IGがハイレベルからローレベルに切
り替わると(S130−YES)、パワートランジスタ
25がターンオフし、点火コイル23の一次巻線L1に
流れる電流がカットオフされることにより、点火コイル
23の二次巻線L2に誘起される点火用高電圧(数十k
V)が点火プラグ21の中心電極21aに印加され、点
火プラグ21が火花放電する。
【0050】この火花放電時に流れる火花放電電流Is
pは、ツェナーダイオード37にツェナー電圧Vzを発
生させると共に、充電用ダイオード39を介してコンデ
ンサ35に供給され、コンデンサ35を充電する。その
後、火花放電が終了し、二次巻線L2に誘起された点火
用高電圧は減衰を開始するが、待機時間Twの間は、検
出信号Sdがローレベルに保持され、放電用スイッチ4
1が開放されたままであるため、コンデンサ35に充電
された電荷が放電されることがない。
【0051】そして、待機時間Twが経過し(S140
−YES)、検出信号Sdがハイレベルに切り替わると
(S150)、検出信号Sdがハイレベルに保持される
検出期間の間、放電用スイッチ41により充電用ダイオ
ード39の両端が短絡されることで、コンデンサ35か
らの放電が許容される(図4における時刻t2)。その
結果、点火プラグ21には、点火コイル23の二次巻線
L2を介して検出用高電圧が印加され、点火プラグ21
の電極間のイオン量に応じたイオン電流Iioが流れ
る。
【0052】この時、変換回路17は、イオン電流Ii
oが抵抗31を流れることにより生じる抵抗31の両端
電圧VioをAD変換して保存し、検出値Dioとして
出力する。そして、この検出値DioがECU15に取
り込まれることになる(S160)。
【0053】なお、ECU15に取り込んだイオン電流
Iioの検出値Dioは、例えば、内燃機関の失火やノ
ッキングの発生を判定するためや、内燃機関の各種運転
状態(空燃比,空燃比のリーン限界,排気再循環量の限
界等)を判定するため等に用いられる。
【0054】その後、検出期間が終了して、検出信号S
dがローレベルに切り替わると、充電用ダイオード39
によって、コンデンサ35からの放電が阻止される(図
4における時刻t3)。このため、内燃機関の失火等に
よりイオン電流Iioが流れず、コンデンサ35に電荷
が残存していたとしても、コンデンサ35に発生する電
圧が、点火プラグ21の電極に印加されてしまうことが
ない。
【0055】図4において、時刻t2から時刻t3の期
間では、検出電圧Vioが変化しており、イオン電流I
ioが検出されていることから、混合気への着火が正常
に行われたことが判り、一方、時刻t2’から時刻t
3’の期間では、検出電圧Vioが変化しておらず、イ
オン電流Iioが検出されていないことから、混合気へ
の着火が行われず、失火したことが判る。
【0056】以上説明したように、本実施例の内燃機関
用点火装置1においては、点火コイル23の高電圧出力
端子77と点火プラグ21の端子電極21cとが、固着
されて電気的に接続されていることから、点火コイル2
3と点火プラグ21との間の接触抵抗によってイオン電
流の出力波形が小さくなることがなく、また、内燃機関
の振動によって、点火プラグ21と点火コイル23との
間に接触不良が発生し、イオン電流波形にノイズが合成
されることがないため、イオン電流の検出を良好に行う
ことができる。
【0057】そして、珪素鋼板にて形成された円筒部5
3に点火コイル23を収納することにより、磁束の磁路
を確保することができるため、点火コイル23にて点火
用高電圧を発生させる際の、磁束の漏れを少なくでき、
火花エネルギを有効に利用することが可能となる。
【0058】以上、本発明の第1実施例について説明し
たが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。そこで、次に、本発明
の第2実施例として、内部に点火コイルを収納するケー
スに、エンジンヘッドに固定するための固定部を設け、
かつ点火コイルと点火プラグを回転不能に一体化し、さ
らに、イオン電流検出部を点火コイルと共にケースの内
部に収納した内燃機関用点火装置について説明する。
【0059】第2実施例は、第1実施例と比べ、点火装
置としての回路構成は同一であり、火花放電やイオン電
流検出を行うための処理方法も同一であるため、回路構
成およびイオン電流検出の処理方法についての説明は省
略し、相違箇所について図5を用いて以下に説明する。
【0060】第2実施例の内燃機関用点火装置の基本構
成については、第1実施例と同様であるが、コネクタ部
57から側方に突設された固定部63が設けられてお
り、また、点火コイル23とコネクタ部57との間にイ
オン電流検出部13が配置されている。そして、点火プ
ラグ21の接地電極21bが、コネクタ部57から側方
に突設された固定部63の位置に対して、予め決められ
た一定方向を向くように、点火コイル23と点火プラグ
21とが軸方向に対して回転不能に一体化されている。
【0061】この内燃機関用点火装置では、点火プラグ
21にネジ部が設けられておらず、固定部63がボルト
65によってエンジンヘッド71に固定されており、ボ
ルト65が螺合されるエンジンヘッド71のネジ孔71
aと、燃焼室75との位置関係を把握しておき、固定部
63に対して接地電極21bの方向を予め決定しておく
ことで、内燃機関用点火装置をエンジンヘッド71に取
り付けるだけで、燃焼室75における接地電極21bの
方向を任意に決定することが可能になる。また、コネク
タ部57における相手コネクタとの接続方向は、ネジ孔
71aに対して常に一定、すなわち、エンジンヘッド7
1に対して常に一定となるため、相手コネクタとの接続
が容易になる。
【0062】また、第1実施例では、燃焼室の気密性を
維持する役割も果たしている主体金具に設けられたネジ
部に代わり、第2実施例の内燃機関用点火装置では、点
火プラグ21の主体金具21eとエンジンヘッドとの間
に、金属製のシールリング61を介在させることで、燃
焼室の気密性を維持している。
【0063】そして、点火コイル23の二次巻線L2と
イオン電流検出部13とは、ケース51aの内部で接続
端子81を介して接続されている。これにより、イオン
電流検出部13と点火コイル23とを接続するための配
線を外部に設ける必要がなくなると共に、イオン電流検
出部13と点火プラグ21との距離を短縮できるため、
配線経路上での抵抗による影響を減少させることができ
る。
【0064】また、コネクタ部57は、ケース51aの
内部では、一次巻線L1およびイオン電流検出部13と
接続端子83を介して接続され、ケース51aの外部で
は、バッテリBT、ECU15、変換回路17およびパ
ワートランジスタ25等の外部機器につながるコネクタ
と接続されるように構成されている。
【0065】尚、イオン電流検出部13は、燃焼室の熱
による影響を避けるために、ケース51aの内部のう
ち、燃焼室から離れた位置に配置すると良い。このよう
に構成された第2実施例の内燃機関用点火装置では、第
1実施例と同様の効果を発揮することに加えて、装置自
体がその上部および下部にてエンジンヘッド71に接す
る状態で固定されることから、大きな振動が発生して
も、安定した状態でエンジンヘッド71に固定される。
【0066】また、燃焼室内における混合気の乱流の方
向に応じて、混合気への着火性を考慮して接地電極の方
向を予め決定することで、着火性の優れた内燃機関用点
火装置を実現することが可能となる。さらに、イオン電
流検出部をケース内に備えることで、内燃機関用点火装
置の配線を簡素化することができると共に、配線経路上
の抵抗の影響によってイオン電流の出力波形が小さくな
ることが無くなり、イオン電流の検出をより良好に行う
ことが可能となる。
【0067】次に、第3実施例として、複数の点火プラ
グを一体に備えた内燃機関用点火装置について説明す
る。第3実施例は、第1実施例と比べ、点火装置として
の回路構成は同一であり、火花放電やイオン電流検出を
行うための処理方法も同一であるため、回路構成および
イオン電流検出の処理方法についての説明は省略し、相
違箇所について図6を用いて以下に説明する。
【0068】第3実施例では、内燃機関用点火装置の構
成が、第1実施例のケース51の3個を固定部63によ
って、燃焼室の位置に応じた一定間隔で配置して連結さ
せてなる。なお、第1実施例の場合と同様に、点火プラ
グ21と点火コイル(図示しない)がそれぞれ一体化さ
れている。また、固定部63には固定用の貫通孔63a
が備えられており、例えば、ボルトを用いてエンジンヘ
ッドに固定される。さらに、固定部63の端部には集中
コネクタ部79が設けられており、この集中コネクタ部
79によって、3個の円筒部53の内部に納められてい
る図示しない各々の点火コイルと、外部に配置された機
器(バッテリBT、イオン電流検出部13およびパワー
トランジスタ25等)とが接続される。このように構成
された第3実施例の内燃機関用点火装置は、第1実施例
と同様の効果を発揮することに加え、点火コイルと外部
機器との接続が1つのコネクタ部を介して実現できるこ
とにより、内燃機関用点火装置の配線を簡略化すること
が可能になる。また、各点火プラグの接地電極の方向
を、燃焼室内における混合気の乱流の方向に応じて予め
決定することで、着火性に優れた内燃機関用点火装置を
実現することが可能になる。
【0069】なお、第3実施例の各ケース内に、第2実
施例と同様にイオン電流検出部を備えれば、イオン電流
の検出をより良好に行うことが可能になる。以上、本発
明の実施例として3つの実施例について説明したが、本
発明は、これらの実施例に示したような誘導放電型点火
装置に限定されるものではなく、他の点火装置、例え
ば、CDI点火装置のような容量放電型点火装置にも適
用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す
電気回路図である。
【図2】第1実施例の内燃機関用点火装置の外形および
断面を表す説明図である。
【図3】ECU15が実行するイオン電流検出処理のフ
ローチャートである。
【図4】第1実施例の内燃機関用点火装置の各部の状態
を表すタイムチャートである。
【図5】第2実施例の内燃機関用点火装置の外形および
断面を表す説明図である。
【図6】第3実施例の内燃機関用点火装置の外形を表す
説明図である。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…火花放電発生部、13
…イオン電流検出部、17…変換回路、21…点火プラ
グ、21a…中心電極、21b…接地電極、21c…端
子電極、21d…絶縁体、21e…主体金具、23…点
火コイル、23a…一次ボビン、23b…二次ボビン、
23c…コア、25…パワートランジスタ、31…抵
抗、33…ダイオード、35…コンデンサ、37…ツェ
ナーダイオード、39…充電用ダイオード、41…放電
用スイッチ、51…ケース、53…円筒部、53a…下
端部、55…接続ジョイント部、55a…貫通孔、57
…コネクタ部、59…ナット、61…シールリング、6
3…固定部、65…ボルト、71…エンジンヘッド、7
1a…ネジ孔、73…ボルト、75…燃焼室、BT…バ
ッテリ、L1…一次巻線、L2…二次巻線。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の軸孔に挿設された中心電極と、
    該絶縁体の外側に設けられた主体金具と、該中心電極と
    対向するように配置されて放電ギャップを形成する接地
    電極と、該絶縁体の軸孔に挿設されると共に該中心電極
    の一端に電気的に接続される端子電極とを備える点火プ
    ラグと、 一次巻線と二次巻線を備えると共に、該二次巻線にて発
    生した点火用高電圧を前記点火プラグの端子電極に印加
    するための高電圧出力端子を備える点火コイルと、 を備えた内燃機関用点火装置であって、 前記点火コイルの高電圧出力端子と、前記点火プラグの
    端子電極とが、固着された状態で電気的に接続されて構
    成されたこと、 を特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記点火コイルと前記点火プラグとが、
    軸方向に対して回転不能に一体化されて構成されたこ
    と、を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装
    置。
  3. 【請求項3】 内部に前記点火コイルを収納するケース
    を備え、 該ケースの一端部が、前記点火プラグの主体金具に軸方
    向に対して回転不能に一体化されていること、を特徴と
    する請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記ケースに、エンジンヘッドに固定す
    るための固定部が設けられていることを特徴とする請求
    項3に記載の内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】 前記点火プラグの接地電極の方向は、前
    記固定部の位置に対して一定方向であること、を特徴と
    する請求項4に記載の内燃機関用点火装置。
  6. 【請求項6】 前記点火プラグとエンジンヘッドとの間
    に、燃焼室の気密性を保つためのシールリングを備えて
    いること、を特徴とする請求項2ないし請求項5のいず
    れかに記載の内燃機関用点火装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の内燃機関用点火装置にあって、 前記点火用高電圧により前記点火プラグの放電ギャップ
    にて火花放電を発生させた後、該点火用高電圧とは逆極
    性の検出用高電圧を、前記点火コイルの高電圧端子を介
    して前記点火プラグの高圧端子電極に印加して、該放電
    ギャップを流れるイオン電流を検出するイオン電流検出
    手段を組み合わせたこと、を特徴とする内燃機関用点火
    装置。
  8. 【請求項8】 前記イオン電流検出手段が、前記点火プ
    ラグおよび前記点火コイルと共に一体に形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関用点火装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014068808A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 日本特殊陶業株式会社 点火時期制御装置及び点火時期制御システム
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