JP5430531B2 - 発信機 - Google Patents

Description

本発明は押しボタンの手動操作によって、火災受信機に火災信号を送信する発信機に関するものである。

従来の火災発信機は、「…建物の壁部等に設けられ押釦スイッチ等を備えた火災発信機本体をカバー体にて略覆ってなる火災発信機において、上記カバー体は枠体と該枠体の正面に設けられる正面板とから構成し、該正面板が略平面状の鏡板にてなる…」ものであり、火災受信機に送信する火災信号は信号線により送信されていた（例えば、特許文献１参照）。

特開２００５−１４１５３６号公報

従来の火災発信機では、カバー体は枠体と該枠体の正面に設けられる正面板とから構成し、該正面板が略平面状の鏡板（クロムやアルミ）で形成されているため、無線信号を遮蔽する可能性があるために無線部を内蔵できないという問題点があった。

本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、筐体の前面側の周壁にアンテナを収容させた無線信号の伝播特性がよい発信機およびその収容箱を得ることを目的とする。

本発明に係る発信機は、壁面に取り付ける取付台座と、前記取付台座の前面側に設けられ、手動操作によって火災受信機に火災信号を送信する押しボタンと、前記取付台座背面に突出して取り付けられる回路基板と、前記取付台座の前面側に取り付けられて壁面への取付後に壁面から露出する略円筒状の筐体と、を備えた発信機において、前記回路基板は、前記押しボタンが押されたときに前記火災受信機に火災信号を送信するとともに、感知器と前記火災受信機との間で状態信号を送受信し、前記感知器との間、前記火災受信機との間の少なくとも一つを無線通信する中継器としての機能を有し、壁面に取り付けたときに壁面から露出する前記筐体の背面側周縁部に設けた溝部に、前記状態信号を送受信するために、前記筐体前面側と略平行をなして収容される略リング状のホイップアンテナを実装したことを特徴とするものである。

本発明は以上説明したように、押しボタンの手動操作によって、火災受信機に火災信号を送信する発信機において、前記発信機の略円筒状の筐体内に回路基板を設けるとともに、前記回路基板は火災感知器と前記火災受信機との間における状態信号を送受信する中継機能を有し、前記状態信号を送受信するためのアンテナを実装しているため、伝播特性が向上できる。

本発明に係る実施の形態１の発信機の筐体の背面図。 本発明に係る実施の形態１の発信機の筐体を中央で分割した状態の斜視図。 本発明に係る実施の形態１の発信機の機能ブロック図。 本発明に係る実施の形態２の発信機の収容箱の外観図。

実施の形態１
図１は本発明に係る実施の形態１の発信機の筐体の背面図、図２は本発明に係る実施の形態１の発信機の筐体を中央で分割した状態の斜視図である。
図１、図２において発信機１０は、長方形の形状をなし、前面側に押しボタンスイッチ１やアンテナ２を実装する一方、背面側に外部機器との接続用の端子台３を実装した回路基板４が４箇所のネジで取付台座５に取付されている。
また、取付台座５は、発信機１０の筐体６における壁面取付用の４箇所の長穴が配置されている。壁面に発信機１０を取付する際は、取付台座５を壁面に取付後に、筐体６が前面側から図示しないネジで固定される。

筐体６は、略円筒状をなし、背面側にアンテナ収容溝部８が形成されている。そして、回路基板４に実装されたアンテナ２は、取付台座５に設けられたアンテナ保持部７を経由して筐体６の周縁部に設けられたアンテナ収容溝部８に筐体６の前面側とほぼ平行をなして収容される。
図２におけるアンテナ収容溝部８について詳述すると、アンテナ収容溝部８は取付台座５の周縁にある段部５Ａと筐体６内周壁とで形成されている
このとき、略リング状（直径60ｍｍ以上）に曲げられたアンテナ２は、筐体６のアンテナ収容溝部８内で元の形状に戻ろうとする力によって安定的に保持される。
なお、アンテナ２は、例えば、ホイップアンテナ（直径１ｍｍ前後）が選択され、筐体６のアンテナ収容溝部８の幅は、アンテナ２の直径と同等またはそれ以下とされる。他のアンテナを用いてもよい。
これにより、発信機１０としては、取付後に壁面から露出される外面の近傍にアンテナ２を収納できるために伝播特性がよくなる。

図３は、本発明に係る実施の形態１の発信機の機能ブロック図である。
回路基板４は、前述の通り、発信機１０としての主要な構成である押しボタンスイッチ１や図示しない火災受信機からの信号線接続用の端子台３の他に、図示しない火災受信機と図示しない無線式感知器との間で状態情報を送受信する中継器２０として主要な構成である伝送回路２１、制御回路としてのＣＰＵ２２、ＩＤ（識別番号）や無線式感知器の状態情報などのデータを格納するメモリ２３、他の機器との信号を送受信する送受信回路２４、を伝送回路２１やＣＰＵ２２等に安定電源を供給する電池２５を備えている。
この構成により、双方の機能はそれぞれ独立に実行することができる。

次に、この発信機１０の押しボタンスイッチ１が操作されたときを説明する。
火災の発見者が発信機１０の押しボタンスイッチ１を押すと、火災信号が送受信回路２４および信号線を介して図示しない火災受信機に送信される。そして、火災受信機は火災信号を受信すると、火災警報を鳴動する。管理者は、発信機１０が操作された現場を確認し、火災が鎮火していれば図示しない復旧レバーを操作して発信機１０を復旧させた後、火災受信機を復旧させる。

次に、図示しない無線式感知器が火災を検知したときを説明する。無線式感知器からＩＤ（識別番号）や状態情報を含む火災検知信号（無線信号）がアンテナ２を介して伝送（送受信）回路２１で受信されると、ＣＰＵ２２およびメモリ２３で火元の無線式感知器を特定し、伝送回路２１から火災信号が送受信回路２４および信号線を介して図示しない火災受信機に送信される。図示しない火災受信機は火災信号を受信すると、火元の無線式感知器の該当する回線や区画等について表示と音声により警報する。その後、管理者が図示しない火災受信機を復旧させ、中継器２０が火災受信機から復旧信号を受信すると、中継器２０は図示しない無線式感知器の監視状態に戻る。

実施の形態１によれば、防火対象物内に約５０ｍ間隔で設置される発信機１０に、図示しない無線式感知器と図示しない火災受信機との間の中継器２０としての機能部を内蔵させたため、中継器２０が壁面や天井に直に設置されるより美感を損ねない。
図３において、中継器２０と無線式感知器との間だけを無線通信とさせていた。ただし、図示しない火災受信機と中継器２０との間だけや火災受信機と発信機１０との間だけを無線通信としてもよい。また、全ての機器間を無線通信としてもよい。
これにより、発信機１０としては、取付後に壁面から露出される外面の近傍にアンテナ２を安定して保持できるため、伝播特性を向上できる。

実施の形態２
図４は本発明に係る実施の形態２の発信機の収容箱の正面図である。収容箱５０は、「機器収容箱」と呼ばれる発信機１０と表示灯３０と音響装置４０が内蔵された鋼板製のボックスである。
鋼板製のボックスに発信機を収納する方が、樹脂製のボックスに発信機を収納するよりも伝播特性が劣る傾向がある。
よって、鋼板製のボックスに実施の形態１で説明した発信機１０を内蔵する場合、回路基板４に実装されたアンテナ２は、収容箱５０の上面に設けられた棒状アンテナ５１に接続されている。これにより、実施の形態１と同様な効果を得ることができる。

１ 押しボタンスイッチ、２ アンテナ、３ 端子台、４ 回路基板、５ 取付台座、５Ａ 段部、６ 筐体、７ アンテナ保持部、８ アンテナ収容溝部、１０ 発信機、２０ 中継器、２１ 伝送回路、２２ ＣＰＵ、２３ メモリ、２４ 送受信回路、２５電池、３０ 表示灯、４０ 音響装置、５０ 収容箱、５１ 棒状アンテナ。

Claims (3)

1. 壁面に取り付ける取付台座と、
   前記取付台座の前面側に設けられ、手動操作によって火災受信機に火災信号を送信する押しボタンと、
   前記取付台座背面に突出して取り付けられる回路基板と、
   前記取付台座の前面側に取り付けられて壁面への取付後に壁面から露出する略円筒状の筐体と、
   を備えた発信機において；
   前記回路基板は、前記押しボタンが押されたときに前記火災受信機に火災信号を送信するとともに、感知器と前記火災受信機との間で状態信号を送受信し、前記感知器との間、前記火災受信機との間の少なくとも一つを無線通信する中継器としての機能を有し、
   壁面に取り付けたときに壁面から露出する前記筐体の背面側周縁部に設けた溝部に、前記状態信号を送受信するために、前記筐体前面側と略平行をなして収容される略リング状のホイップアンテナを実装したことを特徴とする発信機。
2. 前記ホイップアンテナは、略リング状に曲げられて前記溝部に収納され、前記溝部内で元に戻ろうとする力によって安定的に保持されることを特徴とする請求項１に記載の発信機。
3. 前記溝部は、前記取付台座の周縁に設けた段部と前記筐体内周壁とで形成されることを特徴とする請求項１または２に記載の発信機。