JP5430127B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、飲料を販売するための自動販売機など、収納庫に収納された物品を加熱するための加熱装置に関するものである。
従来、この種の加熱装置としては、物品を収納する収納庫と、収納庫に設けられた庫内側熱交換器、収納庫外に設けられた庫外側熱交換器、圧縮機及び絞り量が固定の減圧手段を有する冷媒回路とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−288638号公報
従来の加熱装置では、冷媒回路のヒートポンプ運転によって、庫外側熱交換器において吸熱した熱エネルギーを庫内側熱交換器において放出し、収納庫内を加熱している。この場合、ヒートポンプ運転の成績係数(加熱能力/消費電力)は通常1以上となるため、電熱ヒータによる収納庫内の加熱と比較してエネルギー効率が高くなるという利点がある。しかし、例えば収納庫外の温度が低い場合など、庫外側熱交換器において冷媒と熱交換する収納庫外の空気の状態によっては、ヒートポンプ運転の成績係数が1よりも低くなる場合があり、この状態でヒートポンプ運転を継続することにより消費電力量が著しく増加する。
本発明の目的とするところは、エネルギー効率の向上を図ることのできる加熱装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するため、物品を収納する収納庫と、収納庫に設けられた庫内側熱交換器、収納庫外に設けられた庫外側熱交換器、圧縮機及び絞り量が固定の減圧手段を有する冷媒回路とを備えた加熱装置において、収納庫内に設けられた電熱ヒータと、庫外側熱交換器から流出する冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、収納庫外の空気の温度を検出する空気温度検出手段と、冷媒温度検出手段の検出温度及び空気温度検出手段の検出温度に基づいて、収納庫内の加熱を冷媒回路のヒートポンプ運転または電熱ヒータに切り換える制御手段とを備え、収納庫のヒートポンプ運転による加熱時に空気温度検出手段の検出温度が冷媒温度検出手段の検出温度より低くなると電熱ヒータによる加熱に切り換え、収納庫の電熱ヒータによる加熱時に空気温度検出手段の検出温度が所定温度以上になるとヒートポンプ運転による加熱に切り換えるように構成した制御手段とを備えるとともに、前記冷媒回路を前記庫外側熱交換器が吸熱作用を発揮するように冷媒を流す外気吸熱用冷媒流路に設定している。
これにより、冷媒温度検出器の検出温度及び空気温度検出器の検出温度に基づいて、収納庫内の加熱が冷媒回路のヒートポンプ運転または電熱ヒータに切り換えられることから、ヒートポンプ運転の成績係数が1より低くなると判断される場合に収納庫の加熱を電熱ヒータに切り換えることが可能となる。
本発明によれば、庫外側熱交換器における冷媒の蒸発温度及び庫外側熱交換器において冷媒と熱交換する空気の温度からヒートポンプ運転の成績係数が1よりも低くなると判断される場合に収納庫の加熱を電熱ヒータに切り換えることができるので、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動販売機の全体斜視図、図2は自動販売機の正面断面図、図3は自動販売機の側面断面図、図4は冷媒回路を示す自動販売機の概略構成図、図5は制御系を示すブロック図、図6は全ての収納庫を冷却する場合を示す自動販売機の概略構成図、図7は第1収納庫を加熱し、第2収納庫及び第3収納庫を冷却する場合を示す自動販売機の概略構成図、図8は収納庫の加熱のみ行う場合を示す自動販売機の概略構成図、図9は収納庫の加熱をヒートポンプ運転または電熱ヒータに切り換える制御部の動作を示すフローチャートである。
この加熱装置としての自動販売機は、前面を開口した自動販売機本体10と、自動販売機本体10の前面を開閉する外扉20とを備えている。
自動販売機本体10は、内部を上下に仕切ることにより、上部に商品収納庫30が設けられ、下部に機械室40が設けられている。
外扉20は、販売商品の商品サンプルを収納して展示するためのサンプル展示部21、商品選択スイッチ22、硬貨投入口23、紙幣投入口24、返却レバー25、硬貨返却口26及び商品取出口27が前面に設けられている。外扉20は、左右方向の一端側が自動販売機本体10の左右方向の一端側に回転自在に支持されている。
商品収納庫30は、上面側、背面側、底面側及び左右両側面側が断熱材31によって形成され、商品収納庫30の前面側は、断熱性の内扉32によって開閉されるようになっている。また、商品収納庫30は、断熱性の仕切板33によって左右に仕切られており、第1収納庫30a、第2収納庫30b及び第3収納庫30cが設けられている。第1収納庫30a、第2収納庫30b及び第3収納庫30cのそれぞれには、商品を上下に積み重ねて収納し、下端側から商品を一つずつ搬出可能な商品収納コラム34が複数設けられている。
第1収納庫30aには、第1収納庫30aを冷却するための第1蒸発器35aと、第1収納庫30aを加熱するための庫内側熱交換器としての第1放熱器36aと、第1蒸発器35aまたは第1放熱器36aを流通する冷媒と熱交換する空気を流通させるための第1送風機37aと、第1放熱器36aによる第1収納庫30aの加熱を停止したときに第1収納庫30aを加熱するための第1電熱ヒータ38aとが設けられている。
第2収納庫30bには、第2収納庫30bを冷却するための第2蒸発器35bと、第2収納庫30bを加熱するための庫内側熱交換器としての第2放熱器36bと、第2蒸発器35bまたは第2放熱器36bを流通する冷媒と熱交換する空気を流通させるための第2送風機37bと、第2放熱器36bによる第2収納庫30bの加熱を停止したときに第2収納庫30bを加熱するための第2電熱ヒータ38bとが設けられている。
第3収納庫30cには、第3収納庫30cを冷却するための第3蒸発器35cと、第1蒸発器35a、第2蒸発器35b及び第3蒸発器35cから流出する冷媒に更に吸熱させるための第4蒸発器35dと、第3蒸発器35c及び第4蒸発器35dを流通する冷媒と熱交換する空気を流通させるための第3送風機37cとが設けられている。また、第4蒸発器35dは、第3の蒸発器35cの空気流通方向上流側に配置されている。
本実施形態において、第1収納庫30a及び第2収納庫30bは、冷却または加熱の切り換えが可能であり、第3収納庫30cは冷却専用となっている。
機械室40は、外気が内部を流通可能なように吸気口及び排気口が設けられている。機械室40内には、冷媒を圧縮するための圧縮機41と、機械室40内を流通する空気に対して放熱または吸熱するための庫外側熱交換器としての外部熱交換器42と、機械室40内に外部の空気を流通させるための機械室用送風機43が設けられている。
圧縮機41は、低段側圧縮部41aと高段側圧縮部41bを有する二段圧縮機からなり、吸入した冷媒を低段側圧縮部41aにおいて圧縮し、低段側圧縮部41aにおいて圧縮された冷媒を更に高段側圧縮部41bにおいて圧縮して吐出するものである。二段圧縮機は、冷媒を二段階に圧縮することから、高い動作圧力及び高い差圧に対応することが可能であり、例えば二酸化炭素等を冷媒として用いた冷媒回路に適用される。
機械室用送風機43は、電動モータによって駆動するようになっており、外部熱交換器42を流通する冷媒と熱交換する空気を流通させるようになっている。
また、商品収納庫30及び機械室40には、図4に示すような冷媒回路50が構成され、自然系冷媒であり高圧側が超臨界状態となる二酸化炭素が冷媒として用いられる。冷媒回路50は、第1蒸発器35a、第2蒸発器35b、第3蒸発器35c、第4蒸発器35dから流出する冷媒と外部熱交換器42から流出する冷媒とを熱交換するための第1内部熱交換器51、第1内部熱交換器51を流出して圧縮機41に吸入される冷媒と第1放熱器36a及び第2放熱器36bから流出する冷媒とを熱交換するための第2内部熱交換器52、キャピラリチューブ等の絞り量が固定された第1〜第5膨張手段53a,53b,53c,53d,53e、冷媒の流路を開閉するための開閉弁としての第1〜第8電磁弁54a,54b,54c,54d,54e,54f,54g,54hを有し、銅管またはステンレス管によって接続されている。
圧縮機41の冷媒吐出側は、第1放熱器36a及び第2放熱器36bのそれぞれの冷媒流入側に並列に接続され、第1放熱器36a及び第2放熱器36bの冷媒流入側の流路には、それぞれ第1電磁弁54a及び第2電磁弁54bが設けられている。第1放熱器36a及び第2放熱器36bの冷媒流出側は、第2内部熱交換器52の高圧冷媒流入側に並列に接続され、第2内部熱交換器52の高圧冷媒流出側は、外部熱交換器42の冷媒流入側に接続されている。外部熱交換器42の冷媒流入側の流路には、第1膨張手段53aと第3電磁弁54cが互いに並列に接続されている。また、第1膨張手段53a及び第3電磁弁54cと外部熱交換器42との間の流路には、圧縮機41の冷媒吐出側が第4電磁弁54dを介して接続されている。外部熱交換器42の冷媒流出側は、第1内部熱交換器51の高圧冷媒流入側に接続され、第1内部熱交換器51の高圧冷媒流出側は、第1蒸発器35a、第2蒸発器35b及び第3蒸発器35cそれぞれの冷媒流入側に並列に接続されている。第1蒸発器35a、第2蒸発器35b及び第3蒸発器35cの冷媒流入側の流路には、それぞれ第2膨張手段53b、第3膨張手段53c及び第4膨張手段53dが設けられ、第2膨張手段53b、第3膨張手段53c及び第4膨張手段53dの上流側の流路には、それぞれ第5電磁弁54e、第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gが設けられている。また、第1内部熱交換器51の高圧冷媒流出側と第5電磁弁54e、第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gとの間の流路には、第5膨張手段53eが設けられている。第1蒸発器35a、第2蒸発器35b及び第3蒸発器35cそれぞれの冷媒流出側は、第4蒸発器35dの冷媒流入側に並列に接続され、第4蒸発器35dの冷媒流出側は、第1内部熱交換器51の低圧冷媒流入側に接続されている。第1内部熱交換器51の低圧冷媒流出側は、第2内部熱交換器52の低圧冷媒流入側に接続され、第2内部熱交換器52の低圧冷媒流出側は、圧縮機41の冷媒吸入側に接続されている。また、第1内部熱交換器51の低圧冷媒流出側と第2内部熱交換器52の低圧冷媒流入側との間の流路には、外部熱交換器42の冷媒流出側と第1内部熱交換器51の高圧冷媒流入側との間の流路がバイパス流路によって接続され、バイパス流路には第8電磁弁54hが設けられている。
また、この自動販売機は、第1収納庫30a、第2収納庫30b及び第3収納庫30cの温度をそれぞれ制御するための制御部60を備えている。
制御部60は、マイクロコンピュータによって構成され、そのメモリには、第1収納庫30a、第2収納庫30b及び第3収納庫30cの温度をそれぞれ制御するためのプログラムが記憶されている。また、制御部60には、図5に示すように、第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、第1電熱ヒータ38a、第2電熱ヒータ38b、圧縮機41、機械室用送風機43、第1〜第8の電磁弁54a,54b,54c,54d,54e,54f,54g,54h、各収納庫30a,30b,30c内の温度を検出するための第1〜第3温度センサ61a,61b,61c、外部熱交換器42の冷媒流出側の配管の外面に設けられ、外部熱交換器42から流出する冷媒の温度を検出するための冷媒温度検出器としての第4温度センサ61dと、機械室40内に設けられ、外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度を検出するための空気温度検出器としての第5温度センサ61eとが接続されている。制御部60は、第1〜第5温度センサ61a,61b,61c,61d,61eの検出信号を受信し、第1〜第5温度センサ61a,61b,61c,61d,61eの検出信号に応じた出力信号を第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、第1電熱ヒータ38a、第2電熱ヒータ38b、圧縮機41、機械室用送風機43、第1〜第8電磁弁54a,54b,54c,54d,54e,54f,54g,54hに送信するようになっている。
以上のように構成された自動販売機において、第1収納庫30a、第2収納庫30b及び第3収納庫30cを全て冷却する場合、第1電磁弁54a、第2電磁弁54b、第3電磁弁54c及び第8電磁弁54hを閉鎖し、第4電磁弁54d、第5電磁弁54e、第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gを開放して冷媒回路50を冷却専用冷媒流路に設定し、第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、圧縮機41、機械室用送風機43を運転する。これにより、圧縮機41から吐出された冷媒は、図6に示すように、第4電磁弁54d、外部熱交換器42、第1内部熱交換器51の高圧側、第5膨張手段53eを順次流通し、分岐されて第5電磁弁54e、第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gが設けられた流路に流入する。第5電磁弁54eが設けられた流路を流通する冷媒は、第2膨張手段53b、第1蒸発器35aを流通して第4蒸発器35dに流入し、第6電磁弁54fが設けられた流路を流通する冷媒は、第3膨張手段53c、第2蒸発器35bを流通して第4蒸発器35dに流入し、第7電磁弁54gが設けられた流路を流通する冷媒は、第4膨張手段53d、第3蒸発器35cを流通して第4蒸発器35dに流入する。第4蒸発器35dから流出した冷媒は、第1内部熱交換器51の低圧側及び第2内部熱交換器52の低圧側を通って圧縮機41に吸入される。
また、第1収納庫30aを加熱し、第2収納庫30b及び第3収納庫30cを冷却する場合、第2電磁弁54b、第4電磁弁54d、第5電磁弁54e及び第8電磁弁54hを閉鎖し、第1電磁弁54a、第3電磁弁54c、第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gを開放して冷媒回路50を冷却加熱用冷媒流路に設定し、第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、圧縮機41、機械室用送風機43を運転する。これにより、圧縮機41から吐出された冷媒は、図7に示すように、第1電磁弁54a、第1放熱器36a、第2内部熱交換器52の高圧側、第3電磁弁54c、外部熱交換器42、第1内部熱交換器51の高圧側、第5膨張手段53eを順次流通し、分岐されて第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gが設けられた流路に流入する。第6電磁弁54fが設けられた流路を流通する冷媒は、第3膨張手段53c、第2蒸発器35bを流通して第4の蒸発器35dに流入し、第7電磁弁54gが設けられた流路を流通する冷媒は、第4膨張手段53d、第3蒸発器35cを流通して第4蒸発器35dに流入する。第4蒸発器35dから流出した冷媒は、第1内部熱交換器51の低圧側及び第2内部熱交換器52の低圧側を通って圧縮機41に吸入される。ここで、第2内部熱交換器52の高圧冷媒流出側から流出する冷媒は、第1膨張手段53aと第3電磁弁54cとの流通抵抗の差から、第1膨張手段53a側の冷媒流路を流通することなく第3電磁弁54c側の冷媒流路を流通する。
また、第2収納庫30bを加熱し、第1収納庫30a及び第3収納庫30cを冷却する場合、第1電磁弁54a、第4電磁弁54d、第6電磁弁54f及び第8電磁弁54hを閉鎖し、第2電磁弁54b、第3電磁弁54c、第5電磁弁54e及び第7電磁弁54gを開放して冷媒回路50を冷却加熱用冷媒流路に設定し、第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、圧縮機41、機械室用送風機43を運転する。
更に、第1収納庫30a及び第2収納庫30bを加熱し、第3収納庫30cを冷却する場合、第4電磁弁54d、第5電磁弁54e、第6電磁弁54f及び第8電磁弁54hを閉鎖し、第1電磁弁54a、第2電磁弁54b、第3電磁弁54c及び第7電磁弁54gを開放して冷媒回路50を冷却加熱冷媒流路に設定し、第1送風機37a、第2送風機37b、第3送風機37c、圧縮機41、機械室用送風機43を運転する。
前記のように、第1収納庫30aを加熱し、第2収納庫30b及び第3収納庫30cを冷却するヒートポンプ運転中に、冷却する第2収納庫30b及び第3収納庫30cの温度制御は、それぞれ対応する第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gの開閉によって行う。また、加熱する第1収納庫30aの温度制御は、第1電磁弁54aの開閉と第1電熱ヒータ38a,38bへの通電及び通電の停止によって行う。加熱する第1収納庫30aが設定温度以上となり、冷却する第2収納庫30b及び第3収納庫30cが設定温度以下となると、圧縮機41の運転を停止する。圧縮機41を停止する際、吸熱する第2蒸発器35b及び第3蒸発器35cの上流側に位置する第6電磁弁54f及び第7電磁弁54gを開放することにより、冷媒回路50内の圧力を均一化する。
また、第1収納庫30aを加熱し、第2収納庫30b及び第3収納庫30cを冷却するヒートポンプ運転中に、冷却する第2収納庫30b及び第3収納庫30cの温度が所定温度より高く、加熱する第1収納庫30aの温度が所定温度以上となると、第1電磁弁54aを閉鎖して、第4電磁弁54dを開放して冷媒回路50を冷却専用冷媒流路に設定する。
また、第1収納庫30aを加熱し、第2収納庫30b及び第3収納庫30cを冷却するヒートポンプ運転中に、加熱する第1収納庫30aが所定温度より低く、第2収納庫30b及び第3収納庫30cが所定温度以下となる場合には、第3電磁弁54c、第6電磁弁54f、第7電磁弁54gを閉鎖して、第8電磁弁54hを開放して冷媒回路50を外気吸熱用冷媒流路に設定する。これにより、圧縮機41から吐出された冷媒は、図8に示すように、第1電磁弁54a、第1放熱器36a、第2内部熱交換器52の高圧側、第1膨張手段53a、外部熱交換器42、第8電磁弁54h、第2内部熱交換器52の低圧側を順次流通して圧縮機41に吸入される。従って、冷媒回路50の冷媒は、加熱する第1収納庫30aに対応する第1放熱器36aにおいて放熱し、外部熱交換器42において吸熱する。
次に、冷媒回路50を外気吸熱用冷媒流路に設定した状態において、収納庫30a,30bの加熱を冷媒回路50のヒートポンプ運転または電熱ヒータ38a,38bに切り換える制御部60の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。
冷媒回路50が外気吸熱用冷媒流路に設定された状態で(ステップS1)、第5温度センサ61eの検出温度T5が第4温度センサ61dの検出温度T4よりも低くなると(ステップS2)、圧縮機41を停止し(ステップS3)、電熱ヒータ38a,38bに通電する(ステップS4)。また、電熱ヒータ38a,38bによって収納庫30a,30bを加熱している状態において、第5温度センサ61eの検出温度T5が所定温度Ts(例えば5℃)以上になると(ステップS5)、圧縮機41を運転し(ステップS6)、電熱ヒータ38a,38bへの通電を停止する(ステップS7)。このとき、第4温度センサ61dの検出温度T4は、外部熱交換器42における冷媒の蒸発温度である。
このように、本実施形態の自動販売機によれば、冷媒回路50が外気吸熱用冷媒流路に設定された状態において、第4温度センサ61dの検出温度T4及び第5温度センサ61eの検出温度T5に基づいて、収納庫30a,30bの加熱を冷媒回路50のヒートポンプ運転または電熱ヒータ38a,38bに切り換えるようにしたので、外部熱交換器42における冷媒の蒸発温度及び外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度からヒートポンプ運転の成績係数が1よりも低くなると判断される場合に収納庫30a,30bの加熱を電熱ヒータ38a,38bに切り換えることができ、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
また、ヒートポンプ運転による収納庫30a,30bの加熱時に第5温度センサ61eの検出温度T5が第4温度センサ61dの検出温度T4より低くなると収納庫30a,30bの加熱を電熱ヒータ38a,38bに切り換え、電熱ヒータ38a,38bによる収納庫30a,30bの加熱時に第5温度センサ61eの検出温度T5が所定温度Ts以上になると収納庫30a,30bの加熱をヒートポンプ運転に切り換えるようにしたので、外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度が外部熱交換器42における冷媒の蒸発温度より低くなると、収納庫30a,30bの加熱を電熱ヒータ38a,38bに切り換えることができ、収納庫30a,30bの加熱の切り換えを容易に行うことが可能となる。
尚、前記実施形態では、外部熱交換器42における冷媒の蒸発温度及び外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度に基づいてヒートポンプ運転の成績係数が1よりも低くなる場合を判断し、収納庫30a,30bの加熱を電熱ヒータ38a,38bに切り換えるものを示したが、例えばヒートポンプ運転によって加熱している収納庫30a,30b内温度が加熱の開始から所定時間経過後に設定温度に達しない場合など、加熱する収納庫30a,30b内の温度に基づいてヒートポンプ運転の成績係数が1よりも低くなる場合を判断し、収納庫30a,30bの加熱を電熱ヒータ38a,38bに切り換えるようにしても、前記実施形態と同様に、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
また、前記実施形態では、外部熱交換器42の冷媒流出側の配管の外面に設けられた第4温度センサ61dによって外部熱交換器42から流出する冷媒の温度を検出し、機械室40内に設けられた第5温度センサ61eによって外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度を検出するようにしたものを示したが、第5温度センサ61eを設けることなく、冷媒回路50を冷媒が流通しているときの第4温度センサ61dの検出温度を外部熱交換器42における冷媒の蒸発温度として検出し、冷媒回路50の冷媒の流通が停止している時の第4温度センサ61dの検出温度を外部熱交換器42において冷媒と熱交換する空気の温度として検出するようにしても良い。この場合、温度センサを共通化できることから製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態を示す自動販売機の全体斜視図 自動販売機の正面断面図 自動販売機の側面断面図 冷媒回路を示す自動販売機の概略構成図 制御系を示すブロック図 全ての収納庫を冷却する場合を示す自動販売機の概略構成図 第1収納庫を加熱し、第2収納庫及び第3収納庫を冷却する場合を示す自動販売機の概略構成図 収納庫の加熱のみ行う場合を示す自動販売機の概略構成図 収納庫の加熱をヒートポンプ運転または電熱ヒータに切り換える制御部の動作を示すフローチャート
符号の説明
30…商品収納庫、30a…第1収納庫、30b…第2収納庫、36a…第1放熱器、36b…第2放熱器、38a…電熱ヒータ、38b…電熱ヒータ、41…圧縮機、42…外部熱交換器、53a…第1膨張手段、60…制御部、61d…第4温度センサ、61e…第5温度センサ。

Claims (2)

  1. 物品を収納する収納庫と、収納庫に設けられた庫内側熱交換器、収納庫外に設けられた庫外側熱交換器、圧縮機及び絞り量が固定の減圧手段を有する冷媒回路とを備えた加熱装置において、
    収納庫内に設けられた電熱ヒータと、
    庫外側熱交換器から流出する冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、
    収納庫外の空気の温度を検出する空気温度検出手段と、
    冷媒温度検出手段の検出温度及び空気温度検出手段の検出温度に基づいて、収納庫内の加熱を冷媒回路のヒートポンプ運転または電熱ヒータに切り換える制御手段とを備え、
    収納庫のヒートポンプ運転による加熱時に空気温度検出手段の検出温度が冷媒温度検出手段の検出温度より低くなると電熱ヒータによる加熱に切り換え、収納庫の電熱ヒータによる加熱時に空気温度検出手段の検出温度が所定温度以上になるとヒートポンプ運転による加熱に切り換えるように構成した制御手段とを備えるとともに
    前記冷媒回路を前記庫外側熱交換器が吸熱作用を発揮するように冷媒を流す外気吸熱用冷媒流路に設定した
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記庫外側熱交換器の冷媒流出側の配管の表面温度を検出する温度検出器と、
    ヒートポンプ運転中の温度検出器の検出温度を庫外側熱交換器から流出する冷媒の温度として検出し、ヒートポンプ運転の停止中の温度検出器の検出温度を収納庫外の空気の温度として検出する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
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