JP5427990B2 - 六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用チャック及び六角軸ホルダ - Google Patents
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Description
この研磨においてドリルを直接手で持って行なうと、危険であり、ドリルがブレ易く、ドリルの姿勢を安定させるのは困難である。
ドリルチャックと、細い軸径のドリル部の後端部から後方に該ドリル部よりも軸径が太いシャンクからなる六角軸部が突出形成された六角軸ドリルの前記六角軸部を保持させ得るホルダからなる六角軸ホルダとからなり、
該六角軸ホルダは、前記六角軸部を芯ブレさせることなく該六角軸ホルダの孔内壁に接した状態で該孔内に挿通・保持させ得る、平面視における内壁が六角孔又は円形孔とされた筒体で構成され、
該六角軸ホルダは、前記ドリルチャックの後部の軸心に沿う箇所に開設されている開孔内に、その軸心を前記ドリルチャックの軸心に合わせて、直接又は取付部材を介して、支持又は装着されているところに特徴がある。
磨耗により切れ味が低下した六角軸ドリルの先端部をドリル研磨機で研磨する際に、六角軸ドリルの先端近傍部をチャック爪で挟持するとともに、該六角軸ドリル後部の六角軸部を前記六角軸ホルダで支持する。
市販の小径の六角軸ドリルは、ドリル径が違うサイズのものでも、六角軸部の大きさは一定であるため、市販小径の六角軸ドリルであれば、ドリル径が違うサイズでも、六角軸部を、芯ブレなく保持させる。
前記六角軸部を芯ブレさせることなく該六角軸ホルダの開孔の内壁に接した状態で該開孔内に挿通・保持させ得る、平面視における内壁が六角孔又は円形孔とされた筒体で構成されているところに特徴がある。
六角軸ドリルのドリル部先端近傍個所をチャック爪で挟持させ、且つ六角軸ドリル後部を六角軸ホルダによって芯ブレなく保持させる。この結果、ドリル研磨機を用いて六角軸ドリルの先端部を研磨する際に発生する振動が、軸径の細いドリル部を伝わって、六角軸部を芯ブレさせようとしても、六角軸部は芯ブレすることがなく、ドリル研磨時中に六角軸ドリルを常に安定した姿勢を維持させることができるようになった。
図1(a)は第1実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャックを六角軸ドリルとともに示した正面断面図、(b)は本体の片側断面図、図2はこのドリルチャックを斜め上方から斜視図、図3はこのドリルチャックの分解斜視図である。
第1実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャック1Aは、六角軸ドリル20の逃げ面20cが磨耗してドリル研磨機で研磨する際に、この研磨がし易いように、チャック爪4,4・・で小径の六角軸ドリル20のドリル部20bを挟持し、六角軸ホルダ12で六角軸部20aを保持する。
このドリルチャック1Aは、本体2と、筒形雄ねじ3と、4枚のチャック爪4,4・・と、係合板5と、案内板7と、六角軸ホルダ12とが組み付けられた概略構造を有する。
図1(a)(b)乃至図3に示すように、本体2は、例えば、プラスチック成形品であり、後部に大径筒形状の手持ち部2aが形成され、手持ち部2aの前方に、筒部2cと、軸心Pを中心にして十字方向に広がる4枚の肉厚な翼部2d,2d・・と筒部2cとが一体となって突出形成された外観形状を有する。翼部2d,2d・・は、後端から前端に向かうに従って外方向の広がりが低くなる、三角形状を有する。
筒部2cの内側空間は、図3に示すように、ドリル挿通孔2eであり、ドリル挿通孔2eの内壁から翼部2d,2d・・内に向けて、チャック爪4,4・・を進退及び拡縮方向の移動が自在に案内させるガイド溝2k,2k・・が形成されている。
ガイド溝2k,2k・・の溝底は、図1(b)に示すように、翼部2d,2d・・の傾斜角αに合わせた傾斜角で、後端に向かうに従って深くなっている。このため、ガイド溝2k,2k・・の内壁の各対向面は三角形状である。そして、ガイド溝2k,2k・・と、筒部2cの筒孔2eは、手持ち部2aの内側空間Sまで至っている。
図2及び図3に示すように、手持ち部2aの外周壁には、180°の向きにある2個所の位置決め用凸条2g,2gが、滑り止めになる凸条2f,2f・・とともに縦方向に形成されて、位置決め用凸条2g,2gの先端部は、手持ち部2aから低段部2bの外周面の途中個所まで突出している。
図1(b)に示すように、手持ち部2aの内周壁には、筒形雄ねじ3の前部の雄ねじ部3aを螺入させるねじ溝2nが形成されている。
図1(a)及び図2、図3に示すように、筒形雄ねじ3は、例えば、プラスチック製の成形品であり、筒外周面にねじ溝を有する雄ねじ部3bの後部に、雄ねじ部3bよりも若干大径の筒形を有する手持ち部3aが一体形成されている。筒形雄ねじ3の後端は開口になっており、前端に内向きのフランジ面3dが形成されている。フランジ面3dの前面には、フランジ面3dの内径よりも小さな内径を持つ平面視ドーナツ形状を有する板厚が厚い金属板製の掛合板5が装着されている。筒形雄ねじ3は、本体2の後部内にねじ嵌合により組み付けられている。
図1(a)及び図3に示すように、筒形雄ねじ3の下面であるフランジ面3dの下面には、ドーナツ板形状の係合板5が装着されている。係合板6は、例えば、金属板製であり、その外径は筒形雄ねじ3における雄ねじ部3bの外径よりも小さく、内径はフランジ面3dの内径よりも大径である。
図1(b)を参照しつつ図3に示すように、チャック爪4,4・・は4枚あり、いずれも同じ概略三角形状を有する板厚が厚い金属板製である。チャック爪4,4・・の対向する各縁部4a,4a・・は、前段部4x,4x・・と、中段部4y,4y・・と、後段部4z,4z・・とが、順に低段になって形成されている。チャック爪4,4・・の外側に向けた斜辺縁部4b,4b・・は、図1(b)に示す傾斜角αと同じ傾斜角がある。チャック爪4,4・・の後部には、係合用切欠き部4c,4c・・が、各縁部4a,4a・・に対して外向きの直角方向に形成されている。チャック爪4,4・・の板面の斜辺縁部4b,4b・・に沿った途中部には、長孔4e,4eが開設されている。
図1(a)及び図3に示すように、筒形雄ねじ部3bの内底にはチャック爪4,4・・を案内する案内板7が係止されている。案内板7は、例えば、ドーナツ形状を有する金属薄板製であり、その板面中央には開口7bがあり、この開口7bから十字方向にチャック爪4,4・・を案内するスリット7c,7c・・が長く形成されている。
図1(a)及び図2、図3に示すように、筒形雄ねじ3の内側のフランジ面3dから若干浮かした高さの位置には、円板形状の板面中央に開孔11aが設けられた六角軸ホルダ支持板11が装着されている。
六角軸ホルダ支持板11の軸心を筒形雄ねじ3の軸心位置に揃えた装着を可能にするため、六角軸ホルダ支持板11に設けられているねじ挿通孔11b,11b・・は、十字方向に向けられた切り欠き形状とされている。そして、六角軸ホルダ支持板11の中央面に設けられている開孔11a内には、外周面の途中高さの個所が段になった六角軸ホルダ12が突入されて支持されている。六角軸ホルダ支持板11を介して筒形雄ねじ3に装着されている六角軸ホルダ12は、筒形雄ねじ3の内側における下部寄りの高さの位置から、筒形雄ねじ3の下方に若干突出した状態にある。
図4(a)及び(b)に示す筒内壁12a,12aの大きさは、いずれも、六角軸ドリル12の上部を構成する六角軸部20aを芯ブレなく挿通させることが出来る大きさを有する。
図2に示すように、六角軸ドリル研磨用ドリルチャック1Aで六角軸ドリル2を挟持させる場合には、六角軸ドリル20のドリル部20bを前方に向けた姿勢で、六角軸ホルダ12の後方から挿通させる。
そして、図1(a)に示すように、ドリル部20bを本体2の先端部から所定の長さLまで突出させる、ドリル部20bの突出長さの位置決めと、ドリル部20b先端に位置する逃げ面20c,20cの軸回転方向の位置決めをした後、本体20の手持ち部2aを一方の片手で持ち、筒形雄ねじ3の手持ち部3aを他方の片手で持って、筒形雄ねじ3を本体20内に深く進入する方向に回転操作させる。
この操作により、チャック爪4,4・・は、係合板5を介して、筒形雄ねじ3によって前方に押し込まれて、長孔4e,4e・・の向き、及びガイド溝2k,2k・・の向きに沿って斜め前方に移動する。長孔4e,4e・・とピン9,9・・とは係合状態にあるため、チャック爪4,4・・は、前方移動とともに、六角軸ドリル20のドリル部20bを挟持する方向に連動する。
このようにして、チャック爪4,4・・のドリル挟持縁部4x,4x・・で、ドリル部20bの先端近傍部をその軸心を中心とする四方から挟持する。この状態において、六角軸付ドリル20の六角軸部20aの長さ途中部分は、六角軸ホルダ12内に芯ブレなく接した状態で位置している。
図5は第1実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャックをドリル研磨機内に突入させた状態で示した斜視図、図6はドリル研磨状態を示したドリル研磨機内部の部分正面断面図、図7はドリル研磨機の平面図である。
斜面53は、本体2の翼部2d,2d・・の斜面に合わせた傾斜角があり、斜面53で囲まれた内側には開口56がある。斜面53の周囲の180°反対方向の2箇所には、本体2の両側の2箇所に形成されている凸条2g,2gの前端突出部分を突入させる凹部55,55が形成されている。
砥石60の上面の砥石面60aは、中央周辺から外周に向かうに従って肉厚が厚くなる方向に内向きに傾斜しており、この傾斜角は、ドリル20の先端にある2箇所の逃げ面のうちのいずれか一方の面の傾斜角に合わせてある。
前述したドリル部20bの突出長さの位置決めと、ドリル部20b先端に位置する逃げ面の軸回転方向の位置決めがされていると、本体2に形成されている凹部55,55内に、ドリルチャック1Aの位置決め用凸条2g,2gの先端部を突入させ、本体2の翼部2d,2d・・を斜面53に沿わせて載せるようにすると、研磨に必要な一方の逃げ面がやすり60の砥石面60aに、研磨に必要な向きで位置決めされる。しかも、逃げ面の高さの位置決めが本体2を斜面53に支持させることによってされているため、逃げ面を必要以上に研磨することはない。
図8は第2実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャックを六角軸ドリルとともに示した正面断面図、図9は本体上部の部分正面断面図である。
本実施形態では、従来構造のドリルチャック30として、図8に示す構造のものが好適な一例として挙げられているが、この構造に限定されるものではない。
図10(a)及び(b)はいずれも内壁の形状が異なる六角軸ホルダの平面図である。
図9に示す六角軸ホルダ12は、六角軸ドリル20後部の六角軸部20aを芯ブレなく挿通させる大きさの筒孔12aを有するパイプであるが、筒孔12aは、図10(a)に示す平面視において、円形のものと、図10(b)に示す六角形状のものとがあり、いずれの形状であってもよい。そして、六角軸ホルダ12の外形についても各種形状のものがある。
図11に示す六角軸ホルダ13Aは、筒部14の上端部に外方向に広がるフランジ部15が設けられたもので、フランジ部15を本体38の後端面に当接させて六角軸ホルダ13A全体がドリルチャック側の本体38の開孔38a内に没入することを防止する機能が更に付加されている。
図12に示す六角軸ホルダ13Bは、ドリルチャック側の本体38の上部における開孔38aの内壁に保持される外径を有する。
図13に示す六角軸ホルダ13Cは、下端部から上端部に向かうに従って外径が大きくなるテーパ状の外形を有し、径が異なる開孔38aの場合でも、六角軸ホルダ13Cを、その軸心を開孔38aの軸心と揃えて位置させる。
図14に示す本体38の上部の開孔38aは、上端に向かうに従って径が若干大きくなるテーパ面とされており、これに対応させた六角軸ホルダ13Dは、筒状本体14と、筒状本体14の外周面に進退自在に摺接する係止用筒部材16とによる組み合わせ品である。筒状本体14は、六角軸ホルダ20の六角軸部20aを挿通・保持させることができる、平面視において六角形又は円形の内壁を有する筒材で構成され、係止用筒部材16は、筒状本体14の外周面に沿って進退自在に位置し、その外周面は、ドリルチャック側の本体30の軸心に沿った上部に設けられている開孔38aが上端に向かうに従って広がる方向に傾斜したテーパ面とされている。
この六角軸ホルダ13Dは、筒状本体14をドリルチャック側の開孔38a内に突入させ、係止用筒部材16の先端部を開孔38a内の入口に楔のように突入させて、筒状本体14をその軸心をドリルチャックの軸心に合わせて開孔38a内に係止させる。
1A 第1実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャック
1B 第2実施形態の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用ドリルチャック
2 本体
2a 手持ち部
2c 筒部
2d 翼部
2g 位置決め用凸条
2k ガイド溝
3a 手持ち部
3b 雄ねじ部
4 チャック爪
4a ドリル挟持縁部
4e 長孔
5 係合板
7 案内板
11a 開孔
12 六角軸ホルダ
20 六角軸ドリル
20a 六角軸部
20b ドリル部
38a 開孔
38b 開孔
50 ドリル研磨機
Claims (4)
- ドリルチャックと、細い軸径のドリル部の後端部から後方に該ドリル部よりも軸径が太いシャンクからなる六角軸部が突出形成された六角軸ドリルの前記六角軸部を保持させ得るホルダからなる六角軸ホルダとからなり、
該六角軸ホルダは、前記六角軸部を芯ブレさせることなく該六角軸ホルダの孔内壁に接した状態で該孔内に挿通・保持させ得る、平面視における内壁が六角孔又は円形孔とされた筒体で構成され、
該六角軸ホルダは、前記ドリルチャックの後部の軸心に沿う箇所に開設されている開孔内に、その軸心を前記ドリルチャックの軸心に合わせて、直接又は取付部材を介して、支持又は装着されていることを特徴とする、六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用チャック。 - 前記ドリルチャックが備えるチャック爪は、その前部に前記六角軸ドリルのドリル部を挟持する縁部を有し、該縁部の後縁部分は、前記六角軸部と前記六角軸ホルダに接することを避ける横方向に後退した段形状を有する、請求項1に記載の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用チャック。
- 請求項1に記載の六角軸ホルダ付き六角軸ドリル研磨用チャックにおける、前記六角軸ドリルの前記六角軸部を保持させ得るホルダからなる六角軸ホルダであって、
前記六角軸部を芯ブレさせることなく該六角軸ホルダの開孔の内壁に接した状態で該開孔内に挿通・保持させ得る、平面視における内壁が六角孔又は円形孔とされた筒体で構成されていることを特徴とする六角軸ホルダ。 - 前記六角軸ホルダは、前記ドリルチャックにおける前記開孔の内壁に、該六角軸ホルダの軸心と前記ドリルチャックの軸心である前記開口の軸心とを揃えた状態で、支持され得る大きさの外形を有している、請求項3に記載の六角軸ホルダ。
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