JP2004526584A - 工具用刃先 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、ある形態において工具に関し、ある形態において、刃先シャンク部に突起を有しており、ドリルチャックの表面にかみ合って、前記刃先がドリルチャック内において滑る傾向を抑制するドリル刃先に関する。また他の形態において、本発明は、ねじ回し工具に関し、特に、さまざまなソケットに係合するボール六角キーにおいて、ソケットに係合してソケットの内面とかみ合うことでソケットが滑りキーから外れる傾向を抑制する突起を自身の部分に有するボール六角キーに関する。さらに他の形態において、本発明は、ねじ回し工具の寸法アダプタにおいて、他の工具と結合して、他の工具の表面に係合することでアダプタと工具とが分離する傾向を抑制する突起を自身の部分に有する寸法アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな締結具に係合するとともに該締結具を加工物に打ち込む着脱可能な刃先を有する工具は周知である。たとえば、相互交換可能な着脱式刃先を有するねじ回しが周知である。従来技術においては、さまざまな締結具とともに改良されて、適切に改良された刃先ホルダ内において使用される六角形のねじ回し用刃先が優勢である。ホルダとねじ回し用刃先との間には、隙間が設けられて、刃先の挿入と交換とが容易に行なわれうる。現在のところ、たとえばゴム製Oリング等の締まり嵌め装置、または機械的固定機構(スナップリング等)、または磁気的吸引力に依存するさまざまな保持方法が用いられているが、破損、部品の紛失、磁力の低下および刃先ホルダの内面の摩耗による故障が起こる。
【0003】
シェルドン(Sheldon)に対して発行された米国特許第4,209,182号に、スピンドルのまわりに配置されて、ねじ回し用刃先を解除可能に保持するボール・キーを捕捉しておく携帯式回転ハウジングの穴内に保持される軸方向移動可能なスリーブが開示されている。このスリーブは、前記ハウジング内においてばね式保持装置(または同様の装置)によって保持され、以って刃先(および保持装置)は、前記スリーブを軸方向に移動させることによって取外しおよび交換可能である。ヘイバーメール(Habermehl)らの米国特許第5,351,586号および5,531,143号の2件の特許には、交換用刃先組立体を有するねじ回しにおいて、刃先が、マンドレルの端部にあるソケット内において軸方向に滑動可能なマンドレルに固定されるねじ回しが開示されている。これらの特許は、刃先をソケット内において保持する役割を果たす割りリングを刃先上に設けることを教示している。
【0004】
ねじ回し工具も従来技術において周知である。たとえば、ソケットねじ回し工具は、複数個のソケットをねじ回し工具上に保持するために、移動可能な玉軸受式保持機構を備えることが周知である。しかし、このような機構も摩耗しやすく、そのために保持機構が無効になりかねない。雄のねじ回し部(たとえば六角キー、アレンTMレンチ等)と雌のねじ回し部(たとえばソケットレンチ等)との両方を有する同様のねじ回し装置が周知であるが、いずれもねじ回し用刃先に付随する前記の問題を抱えている。
【発明の開示】
【0005】
このように、従来技術においてさまざまな刃先とねじ回し工具との保持機構が開示されているが、いずれの従来技術も、標準化されたホルダとともに用いられうる刃先保持機構を提供していない。また、従来技術の装置は、破損または摩耗しうるか、または高い製造費を要する複雑な保持機構およびホルダを創出することが必要であるため、問題がある。
【0006】
したがって、本発明は、刃先シャンク部の標準の幾何学的外囲体内に形成される複数個の係合用突起を備えた工具用刃先を提供して、刃先を標準寸法に製造可能にすることにより前記問題を解決した。
【0007】
ある好適な実施例には、たとえば六角形または円形である幾何学的形状を幾何学的外囲体内において有するシャンク部と;前記シャンク部の少なくとも1個の側部または外面に形成されるとともに、前記幾何学的外囲体内に位置する複数個の突起とからなり、前記突起は、刃先ホルダまたはチャックの内面に係合して前記刃先が刃先ホルダまたはチャック内において滑りを防ぐドリル刃先が含まれる。好ましくは、前記突起は、三角形または鋸歯状の形状を有する。また、好ましくは、前記突起は、前記表面を横切る方向に変動する高さを有しており、前記突起の高さは、前記表面を横切る方向に漸進的に最小高さから最大高さへと変化する。
【0008】
本発明のドリル刃先は、トルクが刃先に加えられると、刃先ホルダの内面に係合して、以って刃先がチャック内において滑りを防ぐ突起を刃先シャンク部に有することが有利である。また、本発明の突起を有するシャンクは、従来式ドリル刃先の許容差に製造されて、刃先が標準化された等級分けのドリル刃先ホルダ内に保管されうるようになることが有利である。
【0009】
また他の実施例において、さまざまなソケットに係合するボール六角キーにおいて、ソケットに係合する自身の少なくとも一部分に(第1の実施例に関して前記に説明したような)突起を有するボール六角キーが得られる。このキーは、ソケットの内面とかみ合ってソケットがキーから抜け落ちる傾向を抑制する突起を備えることが有利である。また、本発明のキーは、標準のソケットの許容差に製造されて、キーがいかなる標準のソケット内においても使用されうるようになることが有利である。
【0010】
本発明のさらにまた他の実施例において、ねじ回し工具寸法アダプタは、他の工具と係合または結合して、前記他の工具の係合面とかみ合うことでアダプタと工具とが分離される傾向を抑制する(前記のような)突起を自身の表面部分上に有する。
【0011】
以下の詳細な説明は、好適な実施例を参照して行なわれるが、本発明は、これらの好適な実施例に制限されることを意図されない。逆に、本発明は、広範囲にわたり、添付の特許請求の範囲に定められるところによってのみ制限されることを意図される。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読み、かつ同様の部分が同様の符号で示された図面を参照することによって明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1Aおよび1Bに、それぞれ本発明のドリル刃先10の正面図と端面図とが示されている。このドリル刃先は、六角形のシャンク端部分20を有するスペード形の刃先である。図1Bに示されるように、この刃先は、複数個の面12を備えた幾何学的形状(たとえば六角形、矩形等)をなす複数個の平らな側部を有する幾何学的外囲体30を形成する主軸を含む。少なくとも1個の面12上に、該面12上において所定の深さ16に形成される1個以上の突起14が設けられる。これらの突起14は、前記面12の全部または一部分を横切って設けられうる。
【0014】
好ましくは、前記突起14は、前記面12上において0.002〜0.004インチ(0.00508〜0.01016cm)の深さに設けられるが、前記突起の深さは、本発明の範囲から逸脱することなしに変更されうる。たとえば、前記突起14は、前記面12より若干上であるが前記幾何学的外囲体30の範囲内において延在しうる。また、好ましくは、図1Bに示されるように、前記突起14は、レリーフの高さ(角度18により示される)において、前記面12を横切る方向に変動しうる。したがって、前記突起14は、締結具が刃先10によりねじ回されるときに最大ねじり負荷が生じるホルダ係合可能面の縁部において最大高さを有することになる。
【0015】
図2Aおよび2Bに示されている刃先22は、軸24のシャンク端部の断面が円形であることを除いて、図1Aおよび1Bの前記実施例と同様である。図2Aに示されているように、突起26は、シャンクの周縁面上に形成される。回転力が刃先に加えられると、突起26は、トルク下において刃先の滑りを防ぐような態様でチャックの内面に係合する。
【0016】
本発明の重要な特徴は、標準化された刃先ホルダまたはチャックとともに使用され得、かつ標準化された等級分けのドリル刃先ホルダ内に保管されうるドリル刃先を提供することにある。したがって、本発明のドリル刃先22は、従来式のドリル刃先ホルダの幾何学的外囲体内に配置される適切な幾何学的形状に形成される。このため、本発明の刃先22は、従来式の等級分けのドリル刃先ホルダ32(図2C参照)の製造許容差の範囲内にある幾何学的外囲体30(すなわち断面直径)を有する。
【0017】
図3Aおよび3Bを参照すると、本発明のさらに他の実施例が図示されている。図3Aおよび3Bの実施例において、ドリル軸のシャンク端部は、40において縮径されて、大直径のドリル刃先をより小直径のドリルチャック内において使用することができるようになっている。たとえば、1/2インチ(1.27cm)のドリル刃先が、1/4インチ(0.635cm)のドリルに収容されうる。
【0018】
図4Aおよび4Bに示されているまた別の実施例において、ボール六角キー50は、係合端部52(すなわち雄端部)において、ドリル刃先を参照して前記に説明したように、突起を備える。これらの突起54は、ソケットまたはねじ締結具の内面に係合するように設けられる。この場合は、突起54を有する部分は、ソケットまたはねじ締結具に係合する。加えて、任意で、前記キーの他方の端部56にも突起54が形成されうる。また、前記の実施例と同様に、キー50は、前記ソケットまたはその他の部品の製造許容差の範囲内にある幾何学的外囲体(断面直径)を有する。さらにまた、突起54のレリーフの高さは、前記表面を横切る方向に変動しうる。
【0019】
本発明は、さらなる改良を加えられうる。たとえば、図5Aおよび5Bに示されているように、ねじ回し工具アダプタ60は、たとえば1/2インチ(1.27cm)の四角ドライブ62を1/4インチ(0.635cm)の四角ドライブに縮小(図5A)するか、または、たとえば1/4インチ(0.635cm)の四角ドライブを1/2インチ(1.27cm)の四角ドライブに拡大(図5B)する四角ドライブソケットレンチ寸法アダプタからなる。前記実施例の場合と同様に、突起66は、ドライブ部品62の1個以上の表面に形成されて、ドライブ部品62とソケットとの係合を高める。前記のように、突起66は、ドライブ部品の幾何学的外囲体の範囲内に含まれる。また、所望の場合には、1個以上の内壁面68にねじ回し工具と係合する突起70を設けてもよい。
【0020】
これにより、前記目標および目的のいずれをも完全に達成する工具が得られたことは明らかである。特定の実施例と使用方法とを記載したが、多くの改良、代案および同等物が考えられる。たとえば、前記突起は、本発明の範囲から逸脱することなしに、たとえばスパイクや円形の刻み目等の異なる形状を有しうる。また、図1Aおよび3Aに示されたように、前記突起は、表面に対して角度をなして、たとえばシャンクのねじ回し部から離反する方向に傾斜して個別に形成されうる。当然ながら、本発明は、本発明の範囲から逸脱することなしに、その他の突起角度を用いて改良されうる。さらに、前記の刃先は、六角形、丸形および四角形の刃先に関するが、いかなる幾何学的断面形状(たとえば三角形や矩形等)も用いられうる。さらにまた、本発明を改良して、ソケットまたはその他のねじ回し機構の内面(すなわち雌面)に前記のように突起を取り入れてもよい。
【0021】
このように、本発明は、容易に製造することができ、かつ標準化された寸法の刃先ホルダおよびソケットとともに用いられうる刃先工具が得られるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明の1つの実施例にしたがったドリル刃先の側面図である。
【図1B】図1Aのドリル刃先の端面図である。
【図2A】本発明のまた他の実施例にしたがったドリル刃先の側面図である。
【図2B】図2Aのドリル刃先の端面図である。
【図2C】図2Aのドリル刃先とともに用いられるドリル刃先ホルダの斜視図である。
【図3A】本発明のさらに他の実施例にしたがったドリル刃先の側面図である。
【図3B】図3Aのドリル刃先の端面図である。
【図4A】本発明のさらにまた他の実施例にしたがって製作されるボール六角キーの一例の側面図である。
【図4B】図4Aのボール六角キーの断面図である。
【図5A】本発明のまた別の実施例にしたがって製作されるねじ回し工具アダプタの図4Aと同様の部分断面図である。
【図5B】本発明のまた別の実施例にしたがって製作されるねじ回し工具アダプタの図4Aと同様の部分断面図である。
Claims (30)
- 幾何学的断面形状を有するチャック係合シャンク部分と;少なくとも1個の前記表面の少なくとも一部分に形成される複数個の突起とからなり、前記突起は、(a)前記表面を横切る方向に高さ変動するとともに、(b)チャックの内面に係合して刃先が前記チャック内において滑りを防ぐドリル。
- 前記突起は、三角形の形状を有する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記突起は、鋸歯状の形状を有する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記幾何学的形状は、六角形であり、前記突起は、前記六角形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記幾何学的形状は、円形であり、前記突起は、前記円形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記突起の前記高さ変動は、約0.00508〜0.01016cmである請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記突起は、前記表面を横切る方向に最小高さから最大高さまで漸進的に高さ変動する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記ドリルは、ツイストドリルである請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記ドリルは、スペードドリルである請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記シャンクは、前記ドリル刃先のその他の部分に対して縮小された断面部分を有する請求項1に記載のドリル刃先。
- 前記シャンクの縮小された断面部分は、六角形の断面を有する請求項10に記載のドリル刃先。
- 前記シャンクの縮小された断面部分は、円形の断面を有する請求項10に記載のドリル刃先。
- ソケット等に係合するねじ回し工具アダプタにおいて、幾何学的形状の第1の断面部分を形成する複数個の面を有するねじ回し部と;少なくとも1個の前記表面の少なくとも一部分に形成される複数個の突起とからなり、前記突起は、(a)前記表面を横切る方向に高さ変動するとともに、(b)ソケットの内面に係合して前記ソケットが前記ねじ回し部からぬけ落ちることを防ぎ、前記ねじ回し工具は、前記第1の部分とは異なる断面部分を有する第2の部分を有するねじ回し工具アダプタ。
- 前記突起は、三角形の形状を有する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記突起は、鋸歯状の形状を有する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記幾何学的形状は、六角形であり、前記突起は、前記六角形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記幾何学的形状は、矩形であり、前記突起は、前記矩形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記突起は、前記表面を横切る方向に最小高さから最大高さまで漸進的に高さ変動する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記突起は、トルクが前記ねじ回し工具に加えられると、前記ソケットの前記内面に係合する請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記ねじ回し部は、前記ソケットの許容差に製造される請求項13に記載のねじ回し工具。
- 前記突起は、前記表面に対して角度をなして形成される請求項13に記載のねじ回し工具。
- ソケット等に係合するボール六角工具において、幾何学的形状の第1の断面部分を形成する複数個の表面を有するねじ回し部と;少なくとも1個の前記表面の少なくとも一部分に形成される複数個の突起とからなり、前記突起は、(a)前記表面を横切る方向に高さ変動するとともに、(b)ソケットの内面に係合して、前記工具が前記ソケット内において滑りを防ぐボール六角工具。
- 前記突起は、三角形の形状を有する請求項22に記載の工具。
- 前記突起は、鋸歯状の形状を有する請求項22に記載の工具。
- 前記幾何学的形状は、六角形であり、前記突起は、前記六角形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項22に記載の工具。
- 前記幾何学的形状は、矩形であり、前記突起は、前記矩形の断面直径±製造許容差の範囲内に位置する請求項22に記載の工具。
- 前記突起は、前記表面を横切る方向に最小高さから最大高さまで漸進的に高さ変動する請求項22に記載の工具。
- 前記突起は、トルクが前記ねじ回し工具に加えられると、前記ソケットの内面に係合する請求項22に記載の工具。
- 前記ねじ回し部は、前記ソケットの許容差に製造される請求項22に記載の工具。
- 前記突起は、前記表面に対して角度をなして形成される請求項22に記載の工具。
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