JP5426862B2 - クローラ走行装置 - Google Patents
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Description
そして、上記上部遊転輪11は、前後に配設された3組の揺動天秤機構のうちの真中の揺動天秤機構における左右一対の接地用遊転輪9,9の中間における上部に配設されている。
本第1発明の構成は、機体フレームの前側に駆動用転輪を軸支し、
前記機体フレームに支持された直線状の1つのトラックフレームの後端部に緊張用遊転輪を軸支し、
前記トラックフレームにおける前記緊張用遊転輪の前方側に前後方向に複数の揺動天秤フレームを揺動自在に枢支し、
前記揺動天秤フレームの枢支軸に前後一対の接地用遊転輪を軸支し、
前記駆動用転輪と緊張用遊転輪と複数の接地用遊転輪とに亘ってクローラベルトを巻回し、
前記駆動用転輪と緊張用遊転輪との間の前記接地用遊転輪よりも上側に前記クローラベルトを受止める上部遊転輪を配設してあり、
前記トラックフレームを前記機体フレームに対して昇降操作可能なように構成してあるクローラ走行装置において、
前記揺動天秤フレームの揺動中心となる前記枢支軸と前記揺動天秤フレームの前後に軸支された前記接地用遊転輪の回転中心となる支軸とが上下方向において重複するように前記揺動天秤フレームを構成してあり、
前記複数の接地用遊転輪のうちの、側面視で機体前後方向における機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の上方に、当該接地用遊転輪を前記揺動天秤フレームの揺動によって大きく上昇揺動させることができる十分な空間を形成し、
前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪とともに前記揺動天秤フレームに軸支されている他方の接地用遊転輪の真上或いは前後方向真上近くに前記上部遊転輪を軸支してあり、
前記機体重心が、前記機体重心の最も近くに位置する接地用転輪を軸支している揺動天秤フレームの前記枢支軸よりも前側に位置し、かつ、前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の前記支軸の真上或いは前後方向真上近くに位置するように設定してあり、
前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の前記支軸の軸芯と、前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪に対して前記他方の接地用遊転輪とは反対側に隣接する接地用遊転輪の前記支軸の軸芯との間の距離を、隣り合う前記接地用遊転輪の前記支軸の軸芯間距離の中で最も長く設定してあることを特徴とする。
クローラ走行装置において、トラックフレームに揺動天秤フレームを備え、揺動天秤フレームの前後部分に接地用遊転輪を軸支した場合、例えば図8に示すように、機体重心Gに近い接地用遊転輪18の方が、他方の接地用遊転輪18よりも大きく上方に持ち上げられる傾向にある。これは、クローラ走行装置が地面の隆起物に乗り上げて通過する場合、機体重心の直下の部分が隆起部を通過する際に発生する接地反力が大きく、機体重心から前後に離れる部分ほど、隆起部を通過する際に発生する接地反力小さくなるからと考えられる。
これにより、クローラベルトの上方側部分を上部遊転輪で受止めるようにしながら、最も機体前後方向における機体重心の近くに位置する接地用遊転輪の上方への揺動が妨げられず、最も機体前後方向における機体重心の近くに位置する接地用遊転輪の上方に形成された十分な空間により、走行中に泥土が上部遊転輪や上部遊転輪の支持構造部分に付着する虞も少なくなる。
したがって、本第1発明によれば、最も機体前後方向における機体重心の近くに位置する接地用遊転輪の上方に形成された十分な空間により、走行中に泥土が上部遊転輪や上部遊転輪の支持構造部分に付着する虞も少なくなり、泥詰まりが発生してメンテナンスが多くなるという不都合が解消できる。
図1に示すように、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走し、運転座席2が装備された搭乗型の運転部3と、運転座席2の下方に原動部とを有した自走機体4の機体フレーム5の前部に、刈取り前処理部6の前処理部フレーム7の基端側を機体横向きの軸芯回りで回動自在に連結するとともに、機体フレーム5に脱穀装置8および穀粒タンク9を搭載して、コンバインを構成してある。
図2、図3に示すように、左側のクローラ走行装置1は、機体フレーム5の左横側部に前後一対の揺動リンク15,16を介して連結している機体前後向きのトラックフレーム17、このトラックフレーム17の長手方向に並んでトラックフレーム17に遊転自在に支持させてある複数個の接地用遊転輪18、トラックフレーム17の後端部に張力調整用ボルト19を介して遊転自在に支持させてある緊張用遊転輪20、機体フレーム5の前端側に固定のミッションケース21と左の機体フレーム5の前部に取付けたブラケット22に駆動回動自在に支持されているクローラ駆動用転輪23、左の機体フレーム5の前後方向の中間部に取付けたブラケット24に遊転支持されている上部遊転輪25、前記の全ての転輪18,20,23,25にわたって巻回してあるゴム製のクローラ無端帯としてのクローラベルト26を備えて構成してある。つまり、ミッションケース21に内蔵した走行用ミッション(図示せず)によってクローラ駆動用転輪23を駆動し、緊張用遊転輪20によってクローラベルト26を緊張状態にしながら、かつ、各接地用遊転輪18によってクローラベルト26の下部側を接地するように案内しながら、クローラ駆動用転輪23によってクローラベルト26を各転輪18,20,23,25に沿って回動する状態に駆動するようになっている。
6を後リンク基端軸34の軸芯P2回りで回動自在に支持させてある。後揺動リンク16の遊端側はリンク枢支軸36を介して融通リンク37の上部と連結され、融通リンク37の下端部はトラックフレーム17に連結する後軸受けブロック38に支持されたアーム枢支軸39(「枢支軸」に相当)を介して横軸芯P3回りに回動自在に連結されている。
トラックフレーム17は、上部トラックフレーム部44と下部トラックフレーム部45とを連結して形成してある。下部トラックフレーム部45には、揺動天秤フレーム27を支承するために、トラックフレーム17の前後中間部に軸受け部46、前端部に前軸受けブロック47、後部に前記後軸受けブロック38を設け、上部トラックフレーム部44の後端部には緊張用遊転輪20を支持するスライド部材48を前後方向にスライド自在に内嵌するように構成してあり、トラックフレーム17の後端部の外側に張力調整用ボルト19を取付けるボルト支持部材49を取り付けてある。
機体フレーム5に対してトラックフレーム17を下降させた状態では、前方の揺動天秤フレーム27に支持された前後の接地用遊転輪18,18は自由に揺動可能となるが、機体フレーム5に対してトラックフレーム17を最上昇位置まで上昇させると、前側の接地用遊転輪18を支持する揺動天秤フレーム27の前側のボス部27aが揺動規制板60に接当して前側の接地用遊転輪18の上昇揺動が規制される。これによってクローラベルト26が緩まないように構成されている。
トラックフレーム17が機体フレーム5に対して最上昇位置まで上昇させた状態では、前方の揺動天秤フレーム27は少し前上がり状態となり、この状態で前方の揺動天秤フレーム27に支持された一対の接地用遊転輪18,18のうち、後側の接地用遊転輪18の軸芯K1の高さは、地面が水平のとき、それより後方の接地用遊転輪18の軸芯K2,K3,K4の高さと同じで、前端の接地用遊転輪18の軸芯は他の接地用遊転輪18の軸芯よりも少し高くなった状態で、前記揺動規制板60に接当してその姿勢を維持するように構成されている。
又、図6に示すように、一対の接地用遊転輪18の支軸18aを軸承する揺動天秤フレーム27の前後一方のボス部27aにグリースニップル54を、他方のボス部27aに油栓51を取付けるとともに、油道52を介して前後の前記支軸18aとボス部27aとの間のグリース溜53及び天秤軸55と天秤ボス部27bとの間のグリース溜53が連通するように構成されている。尚、後部の揺動天秤フレーム27の天秤軸55は、後方のアーム枢支軸39を兼ねている。
そこで、図面に示す構造では、上部に位置するクローラベルト26を受止める上部遊転輪25が、前後方向で機体重心Gの近くにある接地用遊転輪18の上方近くに配設されることを避けて、同揺動天秤フレーム27に軸支されている後方隣の接地用遊転輪18の側面視で真上或いは真上から外れた前後方向真上近くの箇所で上部遊転輪25が軸支されるように配置して、機体重心Gの近くにある接地用遊転輪18の上方に十分に大きな空間を形成して、接地用遊転輪18が上方に大きく持ち上げられてもそれに対応して機体重心Gの近くにある接地用遊転輪18が上昇揺動できるようにしてあるとともに、前記接地用遊転輪18の上方に十分な空間を形成することによって、クローラベルト26が上方に持ち上げられたときにクローラベルトに付着した泥土が上方の部材に付着堆積して泥詰まりが生じることも併せて回避できるようにしてある。
図2及び図5(a)(b)において、接地用遊転輪18の軸芯K3の直上に機体重心Gが位置するように設定した場合、接地用遊転輪18の軸芯K2の直上に上部遊転輪25を配置し、L1よりもL2が長くなるように設定する。
上記発明を実施するための最良の形態では、トラックフレーム17は、前後の揺動リンク15,16を介して機体フレーム5に対して上下動するように構成されているが、揺動リンク15,16等の昇降機構を省略して、トラックフレーム17を機体フレーム5に固定した構造のものでもよい。
17 トラックフレーム
18 接地用遊転輪
18a 支軸
20 緊張用遊転輪
23 駆動用転輪
25 上部遊転輪
26 クローラベルト
27 揺動天秤フレーム
39 アーム枢支軸(枢支軸)
55 揺動天秤フレームの枢支軸
G 機体重心
K1,K2,K3,K4 接地用遊転輪の軸芯
L1,L2 接地用遊転輪の軸芯間の距離
Claims (1)
- 機体フレームの前側に駆動用転輪を軸支し、
前記機体フレームに支持された直線状の1つのトラックフレームの後端部に緊張用遊転輪を軸支し、
前記トラックフレームにおける前記緊張用遊転輪の前方側に前後方向に複数の揺動天秤フレームを揺動自在に枢支し、
前記揺動天秤フレームの枢支軸に前後一対の接地用遊転輪を軸支し、
前記駆動用転輪と緊張用遊転輪と複数の接地用遊転輪とに亘ってクローラベルトを巻回し、
前記駆動用転輪と緊張用遊転輪との間の前記接地用遊転輪よりも上側に前記クローラベルトを受止める上部遊転輪を配設してあり、
前記トラックフレームを前記機体フレームに対して昇降操作可能なように構成してあるクローラ走行装置において、
前記揺動天秤フレームの揺動中心となる前記枢支軸と前記揺動天秤フレームの前後に軸支された前記接地用遊転輪の回転中心となる支軸とが上下方向において重複するように前記揺動天秤フレームを構成してあり、
前記複数の接地用遊転輪のうちの、側面視で機体前後方向における機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の上方に、当該接地用遊転輪を前記揺動天秤フレームの揺動によって大きく上昇揺動させることができる十分な空間を形成し、
前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪とともに前記揺動天秤フレームに軸支されている他方の接地用遊転輪の真上或いは前後方向真上近くに前記上部遊転輪を軸支してあり、
前記機体重心が、前記機体重心の最も近くに位置する接地用転輪を軸支している揺動天秤フレームの前記枢支軸よりも前側に位置し、かつ、前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の前記支軸の真上或いは前後方向真上近くに位置するように設定してあり、
前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪の前記支軸の軸芯と、前記機体重心の最も近くに位置する接地用遊転輪に対して前記他方の接地用遊転輪とは反対側に隣接する接地用遊転輪の前記支軸の軸芯との間の距離を、隣り合う前記接地用遊転輪の前記支軸の軸芯間距離の中で最も長く設定してあるクローラ走行装置。
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