JP5424688B2 - 顆粒球及び単球の選択的除去材 - Google Patents

顆粒球及び単球の選択的除去材 Download PDF

Info

Publication number
JP5424688B2
JP5424688B2 JP2009085226A JP2009085226A JP5424688B2 JP 5424688 B2 JP5424688 B2 JP 5424688B2 JP 2009085226 A JP2009085226 A JP 2009085226A JP 2009085226 A JP2009085226 A JP 2009085226A JP 5424688 B2 JP5424688 B2 JP 5424688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
granulocytes
monocytes
vinyl alcohol
porous particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009085226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010233825A (ja
Inventor
伸一郎 長澤
正哉 福家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp, Asahi Kasei Medical Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2009085226A priority Critical patent/JP5424688B2/ja
Publication of JP2010233825A publication Critical patent/JP2010233825A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5424688B2 publication Critical patent/JP5424688B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明は、血液中の顆粒球及び単球を選択的に除去する除去材に関する。
近年、慢性又は悪性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性炎症反応症候群(SIRS)、及び感染症等の治療の目的で、患者末梢血液から白血球を除去する技術が進歩してきた。
潰瘍性大腸炎は、現在、原因不明の疾患とされているが、抗大腸抗体、及び自己免疫性T細胞等が関与する疾患との見方が出ている。これらの疾患に対する治療法としては、内科的及び外科的治療がある。内科的治療では、症状の度合いや潰瘍の発生部位によって、サラゾピリン、プレドニゾロン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、イムラン、及びリザベン等の薬剤が適宜使い分けられている。潰瘍性大腸炎の症例には、内科的治療が有効だった例も多くあるが、薬剤を使用する場合、副作用を伴う危険性がある。外科的治療においては、手術により患部切除をするも、クローン病においては高率に再発する。また、人工肛門を装着するケースでは、クオリティオブライフ(QOL)の低下をきたすことになる。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対する1つの手段として、患者血液中の白血球を除去し、病態の改善をもたらした旨の報告がある。また、全ての白血球成分を除去せずとも、少なくとも顆粒球及び単球を除去することで、症状が著しく改善するとの報告がある。近年では、潰瘍性大腸炎患者の手術中あるいは手術後に、被手術患者の血液より活性化白血球を除去することにより、潰瘍性大腸炎における手術部位感染を抑制させる試みがなされており、患者末梢血液から活性化白血球、特に顆粒球及び単球を除去する技術への要求が高まっている。
白血球を除去する方法としては、遠心分離機や、膜などを用いた白血球分離材からなる白血球除去器を使用した白血球除去療法がある。しかし遠心分離法は治療効果が見られたとの報告もあるが、操作性が難しいため一般的な治療方法として採用しにくい。これに対し、白血球分離材を用いる方法は、体外循環で患者血液を白血球分離材に通過させて血液中の白血球を除去する方法であり、除去効率及び選択性が高いこと、操作が簡便なこと等の利点があり、広く用いられている。
白血球分離材を用いた吸着法による顆粒球除去の機構は、主として材料表面に接触した顆粒球が、表面に粘着又は接着することによるとされている。白血球除去療法においては、現在フィルターによる濾過が一般的である(例えば、特許文献1参照)。また、顆粒球などの細胞を効率的に捕捉する炎症性疾患処置カラムであって、ビーズの径を考慮したコンパクトな吸着カラムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、セルロース等の水酸基に官能基が固定された水不溶性顆粒球吸着材を、アルカリ溶液で処理することにより、体液中の顆粒球を選択的に除去する能力を大幅に向上させ得ることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特公昭58−54126号公報 特開2008−206753号公報 国際公開第2006/025371号パンフレット
しかし、特許文献1に開示された方法では、炎症に関係の薄いリンパ球までも、顆粒球及び単球と同様に除去されるという問題点がある。また、特許文献2に開示された方法では、顆粒球吸着率は30%程度に過ぎず、顆粒球除去量が十分ではない。さらに、特許文献3に開示された方法は、顆粒球に対する親和性は高いものの、単球に対する親和性がリンパ球と同様に低いという問題がある。そこで、本発明は、血液から顆粒球及び単球を効率的且つ選択的に除去する除去材を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物からなり、200μm以上500μm以下の平均粒径を有し、空孔率が70%以上の多孔質粒子を除去材に使用すると、顆粒球と単球の除去率は共に高いが、リンパ球の除去率は低いという選択性に優れた除去材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は、血液から顆粒球及び単球を60%以上除去し、且つ顆粒球除去率及び単球除去率がリンパ球除去率の2.5倍以上である選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用であって、エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上50mol%以下であり、選択的除去材が、200μm以上500μm以下の平均粒径を有し、空孔率が70%以上の多孔質粒子である、顆粒球及び単球の選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用であることを要旨とする。
本発明の態様に係る顆粒球及び単球の選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物が、さらに水溶性高分子を含んでいてもよい。また、水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンであってもよい。
本発明によれば、血液から顆粒球及び単球を60%以上除去し、且つ顆粒球除去率及び単球除去率がリンパ球除去率の2.5倍以上である、顆粒球及び単球の選択的除去材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を限定するものであると理解するべきではない。以下に説明する実施の形態から、当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。よって、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
本発明の実施の形態に係る顆粒球及び単球の選択的除去材は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物で製造される。エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量は、20mol%以上50mol%以下である。エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物は、さらにポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を含んでいてもよい。また、実施の形態に係る顆粒球及び単球の選択的除去材は、200μm以上500μm以下の平均粒径を有し、空孔率が70%以上の多孔質粒子である。実施の形態に係る顆粒球及び単球の選択的除去材により、血液から顆粒球及び単球がそれぞれ60%以上除去される。また、実施の形態に係る選択的除去材の顆粒球除去率及び単球除去率は、リンパ球除去率の2.5倍以上である。
ここで、「エチレン−ビニルアルコール共重合体」は、エチレンとビニルアルコールとの共重合体であるが、一般的には酢酸ビニルモノマーとエチレンとを共重合させて得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化して製造される。エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、ランダム、ブロック、グラフト等いずれのタイプの共重合体であってもよい。なお、エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、疎水的な性質を持つエチレン含量が20mol%未満になると、顆粒球及び単球の除去率が低くなる傾向にある。また、エチレン含量が50mol%を越えると、球状に造粒するのが困難になる傾向にある。したがって、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のエチレン含量は、20mol%以上50mol%以下の範囲である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体の重量平均分子量(Mw)の範囲は、1万以上300万以下であることが好ましい。Mwが1万未満の場合、滅菌処理、特に放射線滅菌処理を実施した際にポリマーの分子量が低下し、水に対する溶出量が増加する傾向にある。またMwが300万を超えると、溶剤への溶解度が低下する傾向にあり、さらに重合の際、安定して製造できない傾向にある等の懸念がある。より好ましくは2万以上200万以下である。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合体のMwは種々の公知の方法により求められるが、本発明の実施の形態においては、ポリエチレンオキサイドを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定を採用している。
実施の形態に係る顆粒球及び単球の選択的除去材である多孔質粒子の「平均粒径」は、真球、非真球の場合を含め、任意に選んだ10個のビーズについて、マイクロスコープで任意の方向の径を2回/個計測したときの平均値を指す。多孔質粒子の平均粒径は、好ましくは200μm以上500μm以下である。平均粒径が200μmより小さいと、粒子間の空隙が狭くなって血液が通り難くなり、圧力損失が増加する傾向にある。平均粒径が500μmより大きいと、単位体積当たりの粒子表面積が小さくなり、吸着効率が低下しやすくなる傾向にある。
また、多孔質粒子の空孔率Pr(%)は、多孔質粒子の含水時の重量をW1(g)、多孔質粒子の乾燥後の重量をW0(g)、及び多孔質粒子の比重をρとして、下記式(1)で表される値をいう。
Pr=(W1−W0)/(W1−W0+W0/ρ)×100 ・・・(1)
含水時の重量は、十分に水に濡れた成形体を、乾いたろ紙上に拡げ、余分な水分をとってから含水時の重量を測定すればよい。乾燥は、水分をとばすために、室温下で真空乾燥を行えばよい。成形体の比重は、比重瓶を用いて簡便に測定することができる。
空孔率Pr(%)の範囲は、70%以上である。70%未満では顆粒球及び単球の選択性が低下する傾向にある。リンパ球より顆粒球及び単球を選択的に除去するという細胞選択性の発現は、空孔率70%以上という条件における多孔質粒子の表面構造によるものであると考えられる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物にさらに含まれうる水溶性高分子は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と相溶性のあるものであれば特に限定されない。天然高分子では、グアーガム、ローカストビーンガム、カラーギナン、アラビアゴム、トラガント、ペクチン、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン、及びコラーゲン等が使用可能である。また、半合成高分子では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、及びメチルデンプン等が使用可能である。さらに、合成高分子では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、さらに、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール類が使用可能である。
これらの水溶性高分子の中でも、耐生分解性を有する点で合成高分子が好ましい。特に、本発明の実施の形態に係る成形体のように、連通孔を形成するフィブリル内部にも空隙を有する構造を発現する効果が高い点で、水溶性高分子としてポリビニルピロリドンを用いるのが好ましい。
ポリビニルピロリドンの重量平均分子量(Mw)は、2,000〜2,000,000の範囲が好ましく、2,000〜1,000,000の範囲がより好ましく、2,000〜100,000の範囲がさらに好ましい。重量平均分子量が2,000より小さいと、フィブリル内部に空隙を有する構造を発現させる効果が低くなる傾向にあり、2,000,000を超えると、成形する時の粘度が上昇して、成形が難しくなる傾向にある。なお、ポリビニルピロリドンのMwは、エチレン−ビニルアルコール共重合体のMwと同様の方法により測定可能である。
また、本発明の実施の形態に係る顆粒球及び単球の選択的除去材を製造する際に用いる良溶媒は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と水溶性高分子とを共に溶解するものであればいずれでもよい。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)等である。これらの良溶媒は1種又は混合溶媒としてもよい。
多孔質粒子の成形方法は特に限定されないが、例えば、ポリマーの良溶媒とポリマーとの混合物を貧溶媒の中に浸漬して、溶媒交換によりポリマーのゲル化を行わせて多孔質体を形成する湿式相分離法が使用可能である。これらの過程で良溶媒の比率が減少し、それにつれてミクロ相分離が生じ、ポリマーの小球が形成され、成長し、絡み合い、フィブリルが形成され、フィブリルの隙間が連通孔となる。さらに、水溶性高分子は、フィブリルの表面からその分子鎖を一部、あたかもヒゲのように伸ばすため、フィブリルの表面は親水性に保たれ、疎水的吸着の抑制効果が期待できる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例においては、多孔質粒子の種々の物性を、以下の方法で測定した。
(粒径)
多孔質粒子の粒径は、マイクロスコープ(キーエンス(株)社製VH7000(商品名))を用いて、多孔質粒子の最長直径と最短直径とを測定し、その平均値を平均粒径とした。
(空孔率)
十分に水に濡れた多孔質粒子を乾いたろ紙上に拡げ、余分な水分をとった後に重量を測定し、多孔質粒子の含水時の重量(W1)とした。次に、多孔質粒子を室温下で真空乾燥に24時間付して乾燥した多孔質粒子を得た。乾燥した多孔質粒子の重量を測定し、多孔質粒子の乾燥時の重量(W0)とした。次に、比重瓶(ゲーリュサック型、容量10ml)を用意し、この比重瓶に純水(25℃)を満たしたときの重量を測定し、満水時の重量(Ww)とした。また、比重瓶に純水で湿潤した状態の多孔質粒子を入れ、さらに標線まで純水を満たして重量(Wwm)を測定した。次に、この多孔質粒子を比重瓶から取り出し、室温下で24時間、真空乾燥に付して、乾燥した多孔質粒子を得た。乾燥した多孔質粒子の重量(M)を測定し、下式(2)、(3)に従って、多孔質粒子の比重(ρ)、及び、空孔率(Pr)を求めた。
ρ=M/(Ww+M−Wwm) ・・・(2)
Pr=(W1−W0)/( W1−W0+W0/ρ)×100 ・・・(3)
式(2)において、ρは多孔質粒子の比重(g/cm3)、Mは多孔質粒子の乾燥後の重量(g)、Wwは比重瓶の満水時の重量(g)、Wwmは比重瓶に含水した多孔質粒子と純水を入れたときの重量(g)を示す。また、式(3)において、Prは空孔率(%)、W1は多孔質粒子の含水時の重量(g)、W0は多孔質粒子の乾燥後の重量(g)を示す。
(PVP含有量)
多孔質粒子について、水溶性高分子であるポリビニルピロリドン(PVP)の含有量を次のようにして測定した。多孔質粒子を、真空乾燥してCHN元素分析装置(パーキンエルマー社製、2400IICHN S
/O型)にて元素分析を行い、C含有量(Wc(%))、H含有量(Wh(%))、N含有量(Wn(%))を測定し、下記式(4)、(5)、(6)より、PVPの含有量(wt%)を求めた。
PVP含有量(Wp)
=Wn+Wn/14×6×12+Wn/14×9×1+Wn/14×1×16 ・・・(4)
エチレンビニルアルコール含有量(We)=(Wc+Wh+Wn−Wp)×77.76/56 ・・・(5)
PVP含有量(wt%)=Wp/(Wp+We)×100 ・・・(6)
(白血球除去率等)
処理前後の血液中の白血球(顆粒球、単球、リンパ球)を、多項目自動血球分析装置(Sysmex社製)で測定し、除去率を下記式(7)〜(10)より求めた。
白血球除去率(%)
={1−(処理後の血液中の白血球数/処理前の血液中の白血球数)}×100 ・・・(7)
顆粒球除去率(%)
={1−(処理後の血液中の顆粒球数/処理前の血液中の顆粒球数)}×100 ・・・(8)
単球除去率(%)
={1−(処理後の血液中の単球数/処理前の血液中の単球数)}×100 ・・・(9)
リンパ球除去率(%)
={1−(処理後の血液中のリンパ球数/処理前の血液中のリンパ球数)}×100 ・・・(10)
(実施例1)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH 、クラレ(株)、エバール(登録商標)F101(商品名);エチレン共重合比率32モル%)28.5g、及びポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))28.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))443gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径376μmの多孔質粒子を得た。
2mLの多孔質粒子を有効濾過面積0.64cm2 のカラムに充填し、このカラムに室温でヘパリン加生理食塩液(ヘパリン濃度:5,000IU/L)をシリンジポンプにより10mL流し、プライミングを行った。ここで「有効濾過面積」とは、カラムの内断面積であり、濾過に有効に機能する濾層の平面積を示す。カラムに抗凝固剤としてヘパリンを添加した11.5mLのヒト新鮮血液 (ヘパリン濃度:5,000IU/L)をシリンジポンプで6.9mL/hの一定速度で室温にて流し、処理を行った。処理前および100分間処理した後の血液に残存する顆粒球数、単球数、及びリンパ球数を含む白血球数を測定し、除去率を算出した。結果を表1に示す。
(実施例2)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH 、クラレ(株)、エバール(登録商標)F101(商品名);エチレン共重合比率32モル%)50g、ポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))13.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))436.5gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径426μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(実施例3)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH、クラレ(株)、エバール(登録商標)F101(商品名);エチレン共重合比率32モル%)70g、ポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))2.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))427.5gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径476μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(実施例4)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH 、クラレ(株)、エバール(登録商標)M100B(商品名);エチレン共重合比率24モル%)38.5g、ポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))38.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))423gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃ の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径359μmの多孔質粒子を得た。この球状成形体を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(実施例5)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH 、クラレ(株)、エバール(登録商標)G156B(商品名);エチレン共重合比率48モル%)28.5g、ポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))28.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))443gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径393μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(実施例6)
実施例1と同様のポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.40mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径223μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(実施例7)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH、クラレ(株)、エバール(登録商標)F101(商品名);エチレン共重合比率32モル%)75g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))425gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径438μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(比較例1)
実施例1と同様のポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を40℃に加温し、ローラーポンプにて直径0.8mmのノズルから液滴を60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径1852μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(比較例2)
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH 、クラレ(株)、エバール(登録商標)F101(商品名);エチレン共重合比率32モル%)115g、ポリビニルピロリドン(PVP、和光(株)、K90(商品名))4g、ジメチルスルホキシド(DMSO、和光(株))381gを、セパラフラスコ中にて、50℃に加温して溶解し、均一な混合液を得た。
得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.55mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(40G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径482μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
(比較例3)
実施例1と同様のポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を40℃に加温し、側面に直径0.40mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(40G)によりノズルから液滴を形成し、60℃の水からなる凝固浴槽中に吐出させ、ポリマー溶液を凝固させた。さらに、洗浄を行い、平均粒径142μmの多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を用いて実施例1と同様のカラムを作製し、実施例1と同様にプライミング、血液処理と測定を行なった。
以上の多孔質粒子の特性値及び、血液性能試験により得られた結果を表1にまとめた。エチレン含量が20mol%以上50mol%以下、粒径200μm以上500μm以下で、かつ空孔率が70%以上の粒子が、顆粒球及び単球を60%以上除去し、且つ顆粒球除去率及び単球除去率がリンパ球除去率の2.5倍以上であることが示された。
Figure 0005424688
本発明の顆粒球及び単球の選択的除去材は、血液、血液製剤に混入している顆粒球、単球を除去するために極めて有効である。特に体外循環顆粒球除去療法に用いるための顆粒球、単球除去材として好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 2mLの多孔質粒子からなる選択的除去材を含むカラムに対して、ヘパリン濃度が5,000IU/Lであるところのヒト新鮮血液11.5mLを6.9mL/hの一定速度で室温にて流した際に、前記ヒト新鮮血液から顆粒球及び単球を60%以上除去し、且つ顆粒球除去率及び単球除去率がリンパ球除去率の2.5倍以上である前記多孔質粒子からなる選択的除去材を製造するための、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用であって、
    前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上50mol%以下であり、
    前記多孔質粒子のそれぞれが、200μm以上500μm以下の平均粒径を有し、空孔率が70%以上であることを特徴とする、顆粒球及び単球の選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用。
  2. 前記組成物がさらに水溶性高分子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の顆粒球及び単球の選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用。
  3. 前記水溶性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする、請求項2に記載の顆粒球及び単球の選択的除去材を製造するためのエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む組成物の使用。
JP2009085226A 2009-03-31 2009-03-31 顆粒球及び単球の選択的除去材 Active JP5424688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009085226A JP5424688B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 顆粒球及び単球の選択的除去材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009085226A JP5424688B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 顆粒球及び単球の選択的除去材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010233825A JP2010233825A (ja) 2010-10-21
JP5424688B2 true JP5424688B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=43088763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009085226A Active JP5424688B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 顆粒球及び単球の選択的除去材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5424688B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5722098B2 (ja) * 2011-03-31 2015-05-20 旭化成メディカル株式会社 多孔質粒子、多孔質粒子の製造方法及び担体
CN104755543B (zh) * 2012-10-30 2018-02-02 可乐丽股份有限公司 多孔接枝共聚物粒子、其制造方法以及使用其的吸附材料
CN108699256B (zh) * 2015-11-24 2021-12-07 Jsr株式会社 多孔粒子的制造方法、多孔粒子、担载体、柱和靶物质的分离方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3270125B2 (ja) * 1992-07-09 2002-04-02 旭メディカル株式会社 白血球捕捉材
WO2006025371A1 (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Kaneka Corporation 顆粒球吸着材
JP5017996B2 (ja) * 2006-01-30 2012-09-05 東レ株式会社 白血球およびサイトカインの吸着器
JP2008206753A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Toray Ind Inc 炎症性疾患処置カラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010233825A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7074898B2 (ja) 血液処理用リン吸着剤、血液処理システム及び血液処理方法
EP0408462B1 (en) Filter material for seizure of leukocytes and method for production thereof
JP7076437B2 (ja) 血液処理用リン吸着剤、血液処理システム及び血液処理方法
KR101146904B1 (ko) 폴리술폰계 혈액 처리막, 및 그 제조 방법
EP0488095B1 (en) High efficiency removal of low density lipoprotein-cholesterol from whole blood
JP6378090B2 (ja) ドープされた膜
US5418061A (en) Microporous polysulfone supports suitable for removal of low density lipoprotein-cholesterol
EP0569229A1 (en) High efficiency removal of low density lipoprotein-cholesterol from whole blood
JPH06165926A (ja) ポリスルホン系中空繊維膜とその製造方法
TWI683933B (zh) 中空絲膜模組及其製造方法
JP5424688B2 (ja) 顆粒球及び単球の選択的除去材
CN105521715B (zh) 一种共混聚偏氟乙烯中空纤维膜及其制备方法
JP3172542B2 (ja) 白血球捕捉用フィルター材及びその製造方法
JP5875779B2 (ja) 多孔質粒子、多孔質粒子の製造方法及び担体
JP2006288571A (ja) 癌治療用吸着材および体外循環カラム
JPH10230148A (ja) 半透膜
JP5722098B2 (ja) 多孔質粒子、多孔質粒子の製造方法及び担体
EP0570232A2 (en) Microporous polysulfone supports suitable for removal of low density lipoprotein-cholesterol
JPH0825886B2 (ja) 白血球捕捉用フィルター材およびその製造方法
JP4779190B2 (ja) 炎症性疾患治療用カラム
JP4565762B2 (ja) 白血球除去フィルター及びその製造方法
JP4381073B2 (ja) 血液適合性に優れた血液浄化膜
JP2023121738A (ja) 血液成分吸着材料
JPH0155416B2 (ja)
JP2844758B2 (ja) 中空糸型血漿分離膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120327

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5424688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370