JP5423928B2 - 弾性波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波や弾性境界波などの弾性波を利用した弾性波装置に関し、より詳細には弾性波フィルタチップが配線基板のダイアタッチ面に実装されている構造を有する弾性波装置に関する。
近年、携帯電話機などにおいては、アンテナから送受信される信号を分離するためにアンテナに分波器が接続されている。分波器としては、弾性表面波、弾性境界波またはバルク弾性波などの弾性波を利用した弾性波分波器が広く用いられている。
例えば下記の特許文献1には、この種の弾性波を利用した分波器の一例が開示されている。
図13に示すように、特許文献1に記載の分波器1001は、アンテナに接続される共通端子1002と、送信端子1003と、受信端子1004とを有する。共通端子1002と送信端子1003との間に送信側弾性表面波フィルタ1005が接続されている。送信側弾性表面波フィルタ1005は、圧電基板上に図示の電極構造が形成されているラダー型弾性表面波フィルタである。
他方、共通端子1002と受信端子1004との間には、受信フィルタ1006が接続されている。受信フィルタ1006は、縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008を有する。すなわち、圧電基板上に、縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008が構成されている。共通接続配線1010により入力側の信号端子1009に、縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008が接続されている。入力側の信号端子1009は、整合回路1011を介して共通端子1002に接続されている。縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008の出力端が信号端子1012に共通接続されている。すなわち、共通接続配線1013により、縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008の出力端同士が共通接続され、信号端子1012に接続されている。信号端子1012は、受信端子1004に接続されている。
特許文献1に記載の分波器1001では、受信フィルタ1006が、2つの縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008が入出力信号端子間において並列に接続されている。そのため、入出力端子間に1つの縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタを接続した構造に比べ、弾性表面波フィルタにおける開口長を半分にすることができる。それによって、電極指の抵抗値を1/4とすることができ、挿入損失を低減することができる。また、耐電力性を高めることができる。
特開2003−249842号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、複数の縦結合共振子型二重モード弾性表面波フィルタ1007,1008が並列に接続されているので、入力側の信号端子同士及び出力側の信号端子同士を共通接続しなければならない。従って、上記共通接続配線1010や共通接続配線1013を受信フィルタ1006を形成している圧電基板上に形成しなければならなかった。そのため、受信フィルタ1006において、チップサイズが大型化するという問題があった。
本発明の目的は、複数の弾性波フィルタを入出力間に並列接続した構成を有し、挿入損失の低減及び耐電力性を向上を図り得るだけでなく、小型化を図り得る弾性波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、ダイアタッチ面を有する配線基板と、前記配線基板の前記ダイアタッチ面に実装された弾性波フィルタチップとを備える。本発明では、前記弾性波フィルタチップが、入力側の信号端子と、出力側の信号端子と、入力側の信号端子と出力側の信号端子との間において並列に接続された複数の弾性フィルタを有し、入力側の信号端子及び出力側の信号端子のうち少なくとも一方が複数の信号端子を有する。前記配線基板内に、前記弾性波フィルタチップの前記複数の信号端子を共通接続する共通接続配線が設けられており、該共通接続配線により前記複数の信号端子が共通接続されている。
本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、前記弾性波フィルタチップが、受信側フィルタチップであり、前記配線基板の前記ダイアタッチ面に実装されており、弾性波フィルタチップからなる送信側フィルタチップをさらに備え、それによって弾性波分波器が構成されている。この場合には、受信側フィルタチップの小型化を図り得るため、弾性波分波器の小型化を図ることができる。
本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記受信側フィルタチップのグラウンド電位に接続される端子に電気的に接続されているグラウンド電極と、前記送信側フィルタチップに接続されている信号電極とが前記配線基板のダイアタッチ面に設けられている。平面視した際に、前記グラウンド電極が、前記共通接続配線の少なくとも一部に重なり合っており、かつ前記グラウンド電極が前記信号電極と前記共通接続配線との間に位置している。この場合には、送信側から受信側へのアイソレーション特性を改善することができる。
本発明に係る弾性波装置のより限定的な局面では、平面視した際に、前記グラウンド電極が前記共通接続配線に重なり合っている部分において、前記共通接続配線の外周縁よりも外側に前記グラウンド電極が至るように前記グラウンド電極が設けられている。この場合には、配線基板における層間のずれが生じた場合であっても、特性のばらつきを小さくすることができる。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記受信側フィルタチップの前記出力側の信号端子が複数の信号端子を有し、該複数の信号端子が、前記多層配線基板内に設けられた前記共通接続配線により共通接続されている。
本発明の弾性波装置では、弾性波フィルタチップ側ではなく、配線基板内に共通接続配線が設けられているため、弾性波フィルタチップの小型化を図ることができる。よって、複数の弾性波フィルタを入力側信号端子と出力側信号端子との間に並列に接続した構成により、挿入損失の低減及び耐電力性の向上を図り得るだけでなく、該弾性波フィルタチップを有する弾性波装置全体の小型化を図ることが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の回路構成を示す略図的回路図である。 図2は、本発明の第1の実施形態の弾性波装置の構造を示す模式的正面断面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態の弾性波装置に用いられている送信側フィルタチップの電極構造を示す模式的平面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態で用いられている送信側フィルタチップの略図的正面断面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態で用いられている受信側フィルタチップの電極構造を示すための模式的平面図である。 図6は、本発明の第1の実施形態で用いられている配線基板のダイアタッチ面の電極構造を示す模式的平面図である。 図7は、本発明の第1の実施形態で用いられている配線基板の中間層に設けられた電極構造を示す模式的平面図である。 図8は、本発明の第1の実施形態で用いられている配線基板の裏面側の電極形状を示すための模式的平面図である。 図9は、本発明の第1の実施形態の分波器における配線基板の各層の電極の重なり状態を示す模式的平面図である。 図10は、本発明の第2の実施形態の分波器で用いられる配線基板のダイアタッチ面上の電極構造を示す模式的平面図である。 図11は、本発明の第2の実施形態における配線基板の各層の電極の重なり状態を示す模式的平面図である。 図12は、第1及び第2の実施形態の弾性波装置の受信フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。 図13は、従来の分波器の一例を示す回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の略図的回路図である。本実施形態の弾性波装置1は、携帯電話機のUMTS−BAND8で用いられる弾性表面波分波器である。UMTS−BAND8では、送信周波数帯は880MHz〜915MHzであり、受信周波数帯は925MHz〜960MHzである。
弾性波装置1は、アンテナ端子11と、送信端子12と受信端子13とを有する。アンテナ端子11と受信端子13との間には、受信側フィルタ部15が接続されている。受信側フィルタ部15は、破線で示す受信側フィルタチップ70により構成されている。
他方、アンテナ端子11と送信端子12との間に、送信側フィルタ部20が接続されている。送信側フィルタ部20は、破線で示す送信側フィルタチップ60を有する。
アンテナ端子11とアンテナ14との接続点とグラウンド電位との間に、外付けの整合用インダクタL1が接続されている。
送信側フィルタ部20は、アンテナ端子11に接続されている第1の信号端子21と、送信端子12に接続されている第2の信号端子22とを有する。第1の信号端子21と第2の信号端子22とが直列腕23により接続されている。直列腕23において、複数の直列腕共振子S1〜S6が直列に接続されている。直列腕23とグラウンド電位との間には、複数の並列腕24〜26が接続されている。並列腕24〜26のそれぞれには、並列腕共振子P1〜P3が設けられている。
送信側フィルタチップ60に外付けの形で、インダクタL2〜L5が接続されている。より具体的には、並列腕24〜26において、並列腕共振子P1〜P3の直列腕23と接続されている側とは反対側の端部が、送信側フィルタチップ60に設けられているグラウンド端子31〜33と接続されている。このグラウンド端子31〜33にはそれぞれ、インダクタL2〜L4の一端が接続されている。すなわち、並列腕共振子P1〜P3に、それぞれ、インダクタL2〜L4が直列に接続されている。インダクタL2〜L4の他端が、共通接続され、インダクタL5の一端に接続されている。インダクタL5の他端はグラウンド電位に接続されている。
上記のように、送信側フィルタチップ60を有する送信側フィルタ部20は、ラダー型回路構成を有する。そして、上記直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P3は、後述するように、圧電基板上にIDT電極を含む弾性表面波共振子を構成することにより形成されている。従って、送信側フィルタチップ60は、弾性波フィルタチップである。
受信側フィルタ部15は、入力側の信号端子として第3の信号端子34と、出力側の信号端子として第4,第5の信号端子35,36とを有する。すなわち、本実施形態では、出力側において、複数の信号端子35,36が設けられている。
第3の信号端子34と第4の信号端子35との間に、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16が接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16は、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Aと、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Aに縦続接続されている第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Bとを有する。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置された3個のIDT電極と、3個のIDT電極が設けられている領域の両側に配置された一対の反射器とを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Bも同様の構成を有する。
図1では、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16A,16Bの3つのIDT電極を略図的にブロックで示すこととする。一対の反射器については図示を省略している。
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Aの入力端が、1ポート型弾性表面波共振子18を介して第3の信号端子34に接続されている。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16Bの出力端が、第4の信号端子35に接続されている。
また、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部17もまた、同様に、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部17A,17Bを有する。第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ17部A,17Bは、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ16A,16Bと同様に構成されている。
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ17Aの入力端が、1ポート型弾性表面波共振子19を介して第3の信号端子34に接続されている。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部17Bの出力端が第5の信号端子36に接続されている。
そして、第4,第5の信号端子35,36が、共通接続配線37により共通接続され、受信端子13に接続されている。後述するように、共通接続配線37は、受信側フィルタチップ70内には設けられておらず、後述の配線基板内に設けられている。
図2は、本実施形態の弾性波装置1の略図的断面図である。図2に示すように、弾性波装置1は、配線基板40を有する。配線基板40は、上層41と下層42とを有する。上層41の上面がダイアタッチ面41aである。以下、下層42の上面すなわち上層41と下層42との界面を中間層42aとし、下層42の下面を配線基板40の裏面42bとする。配線基板40のダイアタッチ面41a上に、送信側フィルタチップ60と受信側フィルタチップ70とが実装されている。送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70は、バンプ81によりフリップチップボンディング方法により配線基板40に実装されている。
また、送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70を覆うように封止樹脂層82が形成されている。それによって、送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70が封止されている。
図3は、上記送信側フィルタチップ60の模式的平面図であり、図4は、模式的正面断面図である。送信側フィルタチップ60は、圧電基板61と、圧電基板61上に形成された電極構造62を有する。図3において、電極構造62の詳細が示されている。すなわち、電極構造62は、前述した直列腕共振子S1〜S6及び並列腕共振子P1〜P3を構成しているIDT電極及び反射器を有する。また、電極構造62は、前述した直列腕23、並列腕24〜26、第1及び第2の信号端子21,22並びに第1〜第3のグラウンド端子31〜33を有する。
図5は、受信側フィルタチップ70の模式的平面図である。受信側フィルタチップ70は、圧電基板71上に、電極構造72を形成することにより構成されている。電極構造72は、前述した第1及び第2のフィルタ部16,17及び1ポート型弾性表面波共振子18,19を構成しているIDT電極及び反射器を有する。さらに、電極構造72は、前述した第3〜第5の信号端子34〜36、第4〜第6のグラウンド端子37〜39及びこれらを接続する配線を含む。
前述したように、本実施形態では、第4の信号端子35の第5の信号端子36とは、圧電基板71上において共通接続配線により共通化されていない。従って、このような共通接続配線を圧電基板71上に形成する必要がないため、受信側フィルタチップ70の小型化を図ることができる。
なお、圧電基板61,71は、適宜の圧電材料により形成することができる。このような圧電材料としては、LiNbO3、LiTaOまたは水晶などを挙げることができる。
電極構造62,72は、適宜の金属により形成することができる。このような金属としては、Al、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Ti、Cr、Pdまたはこれらの合金を用いることができる。また、電極構造62,72を構成している各電極は、上記金属もしくは合金からなる複数の金属層を積層することにより形成されていてもよい。
次に、上記配線基板40の詳細を図6〜図9を参照して説明する。
図6は、配線基板40の上面すなわちダイアタッチ面41a上の電極構造を示す平面図である。図7は、配線基板40の中間層に設けられている電極構造を示す模式的平面図である。図8は、配線基板40の裏面42bに設けられている電極形状を模式的に示す平面図である。
図6に示すように、配線基板40のダイアタッチ面41a上には、電極構造100が形成されている。電極構造100は、アンテナに接続されるアンテナ電極101と、送信側電極102と、第1及び第2の受信側電極103,104と、第1〜第4のグラウンド電極105〜108とを有する。送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70が、前述したバンプ81を介して、電極構造100に電気的に接続されている。
より具体的には、送信側フィルタチップ60の第1の信号端子21が、アンテナ電極101に接続される。第2の信号端子22が送信側電極102に接続される。第1のグラウンド端子31が第1のグラウンド電極105に接続される。第2のグラウンド端子32が第2のグラウンド電極106に接続される。第3のグラウンド端子33が第3のグラウンド電極107に接続される。
他方、受信側フィルタチップ70の第3の信号端子34がアンテナ電極101に接続されている。第4の信号端子35が第1の受信側電極103に接続されている。第5の信号端子36が第2の受信側電極104に接続されている。第4〜第6のグラウンド端子37〜39が第4のグラウンド電極108に接続されている。
図7に示すように、中間層42aには、電極構造200が形成されている。電極構造200は、アンテナ内部電極201と、送信側内部電極202と、受信側内部電極203と、第1及び第2のグラウンド内部電極204,205とを有する。電極構造200は、ビアホール電極100Aを介し適宜、電極構造100の電極に接続されている。より具体的には、アンテナ内部電極201が、アンテナ電極101に接続されている。送信側内部電極202が、送信側電極102に接続されている。受信側内部電極203は、第1及び第2の受信側電極103,104に接続されている。第1のグラウンド内部電極204は第1〜第3のグラウンド電極105〜107に接続されている。第2のグラウンド内部電極205は、第4のグラウンド電極108に接続されている。
上記受信側内部電極203は、前述した第1の共通接続配線37に相当する。すなわち、受信側内部電極203は、配線基板40内に設けられており、前述した第4の信号端子35と第5の信号端子36とを共通接続している。
また、第1のグラウンド内部電極204が第1〜第3のグラウンド電極105〜107に接続されている。それによって、並列腕24〜26が共通化されている。
図8に示すように、配線基板40の裏面42bには、電極構造300が形成されている。電極構造300は、アンテナ外部端子301と、送信側外部端子302と、受信側外部端子303と、第1〜第4のグラウンド外部端子304〜307とを有する。電極構造300は、略図的に図7に破線で示されているビアホール電極200Aを介し、電極構造200の電極に電気的に接続されている。より具体的には、アンテナ外部端子301が、アンテナ内部電極201に接続されている。送信側外部端子302が、送信側内部電極202に接続されている。受信側外部端子303が受信側内部電極203に接続されている。第1のグラウンド外部端子304は第1のグラウンド内部電極204に接続されている。第2〜第4のグラウンド外部端子305〜307は第2のグラウンド内部電極205に接続されている。
ここで、第1〜第3のグラウンド電極105〜107と、第1のグラウンド内部電極204と、第1のグラウンド外部端子304と、これらを接続しているビアホール電極100A,200Aとにより、前述したインダクタL2〜L5が形成されている。すなわち、本実施形態では、前述したインダクタL2〜L5は、送信側フィルタチップ60に外付けされているが、上記配線基板40を用いて構成されている。従って、インダクタL2〜L5として、配線基板40及び送信側フィルタチップ60以外のインダクタ部品を必要としない。それによっても、弾性波装置1では、部品点数の削減及び小型化を図ることが可能とされている。
図9は、配線基板40のダイアタッチ面41a、中間層42a及び裏面42bに設けられている上記電極の重なり状態を示す模式的平面図である。図9では、ダイアタッチ面41aに設けられている電極構造100にはハッチングを付していない。また、中間層42a上に形成されている電極構造200には斜線のハッチングを付した。さらに、裏面42b上に形成されている電極構造300については、電極構造200と異なる方向の斜線のハッチングを付した。
図9に示すように、配線基板40を平面視した際に、前述したダイアタッチ面41a上に形成されている第4のグラウンド電極108は、中間層42bに形成されている受信側内部電極203と部分的に重なり合っている。加えて、第4のグラウンド電極108は、ダイアタッチ面41a上のアンテナ電極101と、受信側内部電極203との間に位置している。そのため、アンテナ電極101から受信側内部電極203への寄生容量を介しての不要な信号の漏洩を規制することができる。よって、送信側から受信側へのアイソレーション特性を改善することが可能とされている。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の弾性波装置は、配線基板を除いては、第1の実施形態と同様である。従って、送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70並びに配線基板と送信側フィルタチップ60及び受信側フィルタチップ70との接続構造については第1の実施形態の説明を援用することにより省略することとする。
図10は、第2の実施形態で用いられる配線基板91のダイアタッチ面上の電極構造100Bを示す模式的平面図である。電極構造100Bでは、第4のグラウンド電極108Aの面積が、第1の実施形態の第4のグラウンド電極108よりも小さくされている。その他の点については、電極構造100Bは、電極構造100と同様とされている。従って、同一部分については同一の参照番号を付すこととする。
配線基板91の中間層及び裏面の電極構造は第1の実施形態と同様である。図11は、第2の実施形態における配線基板91のダイアタッチ面、中間層及び裏面の電極構造の重なり状態を示す模式的平面図である。図11から明らかなように、本実施形態においても、第4のグラウンド電極108Aが、受信側内部電極203と部分的に重なり合っている。また、第4のグラウンド電極108Aは、アンテナ電極101と受信側内部電極203との間に介在するように配置されている。従って、本実施形態においても、送信側から受信側へのアイソレーション特性を改善することができる。
図12は、第1及び第2の実施形態の弾性波装置の送信側から受信側へのアイソレーション特性を示す図であり、実線が第1の実施形態の結果を、破線が第2の実施形態の結果を示す。第2の実施形態においても、送信側周波数帯すなわち880MHz〜915MHzのアイソレーション特性はアイソレーション規格である55dbを超えており、60db以上となっている。しかしながら、第2の実施形態に比べ、第1の実施形態の方がアイソレーション特性かより一層改善されている。これは、第1の実施形態のでは、第4のグラウンド電極108と、共通接続配線である受信側内部電極203との重なる面積が第2の実施形態よりも大きいためと考えられる。従って、第4のグラウンド電極と受信側内部電極すなわち共通接続配線との重なる面積が大きいことが好ましい。
加えて、第4のグラウンド電極と受信側内部電極との重なる面積が大きくなればなるほど、配線基板における電極層間の積層ずれが生じた場合であっても、特性のばらつきを小さくすることができる。
よって、好ましくは、平面視した際に、第4のグラウンド電極108,108Aが共通接続配線である受信側内部電極203に重なり合っている部分的において、第4のグラウンド電極108,108Aが受信側内部電極203の外縁よりも外側に広がっていることが望ましい。
上記第1及び第2の実施形態では、図1の受信側フィルタチップ70において、出力側信号端子が第4の信号端子35及び第5の信号端子36とされており、第4の信号端子35と第5の信号端子36と共通接続している共通接続配線が受信側フィルタチップ70外に設けられていた。他方、受信側フィルタチップ70の入力側においては、1ポート型弾性表面波共振子18,19の入力端が共通接続され、第3の信号端子34に接続されていた。これに対して、図1に破線Aで示すように、1ポート型弾性表面波共振子18の入力端を第6の信号端子35Aに接続し、1ポート型弾性表面波共振子19を第7の信号端子36Aに接続し、受信側フィルタチップ70外において、入力側の第6,第7の信号端子35A,36Aを共通接続配線により共通接続してもよい。すなわち、第3の信号端子34Aと共通接続配線とを配線基板に構成してもよい。
上記のように、本発明においては、受信側フィルタチップ70の入力側の複数の信号端子及び出力側の信号端子のうち少なくとも一方において、複数の信号端子が受信側フィルタチップ70外の配線基板に設けられた共通接続配線により共通接続してもよい。それによって、受信側フィルタチップ70上に共通接続配線を形成する必要がないため、受信側フィルタチップ70の小型化を図ることができる。よって、好ましくは、入力側及び出力側の双方において、共通接続配線を受信側フィルタチップ70から取り除き、配線基板に設けることが望ましい。
また、第1,第2の実施形態では、受信側フィルタチップ70は、弾性表面波を利用した縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部16,17を有していたが、弾性表面波に限らず、弾性境界波やバルク弾性波を利用した弾性フィルタを用いて構成されていてもよい。
送信側フィルタチップ60についても、弾性境界波やバルク弾性波を用いた弾性波素子により構成されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、弾性波分波器における受信側フィルタチップの入力側の複数の信号端子及び出力側の信号端子のうち少なくとも一方において、複数の信号端子が配線基板に設けられた共通接続配線により共通接続されていた。すなわち、弾性波フィルタチップからなる受信側フィルタチップにおける複数の信号端子が、配線基板に設けられた共通接続配線により共通接続されていた。このような本願発明の構成は、弾性波分波器の受信側フィルタを構成する弾性波フィルタチップを配線基板に実装した構造に限定されるものではない。すなわち、入力側及び/または出力側において複数の信号端子を有する弾性波フィルタチップを配線基板に実装してなる弾性波装置であって、複数の信号端子を共通接続する構成を備えた弾性波装置に本発明を広く適用することができる。
1…弾性波装置
11…アンテナ端子
12…送信端子
13…受信端子
14…アンテナ
15…受信側フィルタ部
16…第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
17…第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
18,19…1ポート型弾性表面波共振子
20…送信側フィルタ部
21…第1の信号端子
22…第2の信号端子
23…直列腕
24〜26…並列腕
31〜33,37〜39…グラウンド端子
34〜36,34A〜36A…信号端子
37…共通接続配線
40,91…配線基板
41…上層
41a…ダイアタッチ面
42…下層
42a…中間層
42b…裏面
60…送信側フィルタチップ
61,71…圧電基板
62,72,100,100B,200,300…電極構造
70…受信側フィルタチップ
81…バンプ
82…封止樹脂層
100A,200…ビアホール電極
101…アンテナ電極
102…送信側電極
103…第1の送信側電極
104…第2の受信側電極
105〜108,108A…グラウンド電極
201…アンテナ内部電極
202…送信側内部電極
203…受信側内部電極
204…第1のグラウンド内部電極
205…第2のグラウンド内部電極
301…アンテナ外部端子
302…送信側外部端子
303…受信側外部端子
304〜307…グラウンド外部端子
L1〜L5…インダクタ

Claims (5)

  1. ダイアタッチ面を有する配線基板と、
    前記配線基板の前記ダイアタッチ面に実装された弾性波フィルタチップとを備え、
    前記弾性波フィルタチップが、入力側の信号端子と、出力側の信号端子と、入力側の信号端子と出力側の信号端子との間において並列に接続された複数の弾性フィルタを有し、入力側の信号端子及び出力側の信号端子のうち少なくとも一方が複数の信号端子を有し、
    前記配線基板内に、前記弾性波フィルタチップの前記複数の信号端子を共通接続する共通接続配線が設けられており、該共通接続配線により複数の信号端子が共通接続されている、弾性波装置。
  2. 前記弾性波フィルタチップが、受信側フィルタチップであり、前記配線基板の前記ダイアタッチ面に実装されており、弾性波フィルタチップからなる送信側フィルタチップをさらに備え、それによって弾性波分波器が構成されている、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記受信側フィルタチップのグラウンド電位に接続される端子に電気的に接続されているグラウンド電極と、前記送信側フィルタチップに接続されている信号電極とが前記配線基板のダイアタッチ面に設けられており、平面視した際に、前記グラウンド電極が、前記共通接続配線の少なくとも一部に重なり合っており、かつ前記グラウンド電極が前記信号電極と前記共通接続配線との間に位置している、請求項2に記載の弾性波装置。
  4. 平面視した際に、前記グラウンド電極が前記共通接続配線に重なり合っている部分において、前記共通接続配線の外周縁よりも外側に前記グラウンド電極が至るように前記グラウンド電極が設けられている、請求項3に記載の弾性波装置。
  5. 前記受信側フィルタチップの前記出力側の信号端子が複数の信号端子を有し、該複数の信号端子が、前記多層配線基板内に設けられた前記共通接続配線により共通接続されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
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