以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
画像処理装置10は、例えばコンピュータであり、図1に示すように、画像処理部100、プリセット記憶部101、入力部102および表示部103を有している。
プリセット記憶部101は、記憶手段の機能を有し、画像毎に画像の種類を示す画像種類情報と記録材の消費の抑制に関する判断材料となる指標値と印刷設定情報とを含む画像形成情報を記憶する。
画像の種類としては文字、文字写真および写真の3種類があり、画像種類情報は3種類中の何れかの種類を示す情報である。なお、文字写真とは、文字と写真とが含まれているものである。
記録材の消費の抑制に関する判断材料となる指標値としては、画像形成対象の画像にかかわる予め定められた色空間の色毎の画像に関する画像密度、画像形成対象の画像かかわる記録材の消費率、および画像形成対象の画像にかかわる予め定められた色空間の色毎の画像に関するヒストグラム、画像形成対象の画像にかかわる例えば縮小画像などが挙げられる。
画像密度には、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色(以下「RGB色」という。)で表現される色空間(以下「RGB色空間」という。)の色毎の画像に関する画像密度(以下「RGB画像密度」という。)と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(M)およびブラック(K)の各色(以下「CMYK色」という。)で表現される色空間(以下「CMYK色空間」という。)の色毎の画像に関する画像密度(以下「CMYK画像密度」という。)と、が含まれる。
トナー消費率(%)とは、{(印刷設定の値を適用した画像に関するCMYK画像密度/印刷に関するデフォルト設定の値を適用した画像に関するCMYK画像密度)×100}を演算して得られる値である。
印刷に関するデフォルト設定の値とは、後述する印刷設定情報に関して画像処理装置10つまりシステムにより提供される予め設定された値(デフォルト設定値=初期設定値)である。本願明細書では、印刷に関するデフォルト設定の値を「デフォルト印刷設定情報」と定義する。
印刷設定の値とは、ユーザによってデフォルト印刷設定情報(印刷に関するデフォルト設定の値)が変更された後の設定値である。この印刷設定の値が画像形成情報に含まれている印刷設定情報である。
印刷設定情報とは、記録媒体としての例えば用紙の用紙サイズ、カラーモード(白黒、カラー)、出力部数、用紙の向き、片面印刷または両面印刷などである。
なお、デフォルト印刷設定情報(印刷に関するデフォルト設定の値)は、プリセット記憶部101に、プリセットが記憶される記憶領域とは異なる記憶領域に記憶されるようになっている。
ヒストグラムとしては、RGB色空間の色毎の画像に関するヒストグラム(以下「RGBヒストグラム」という。)が挙げられる。
本願明細書では、指標値としての画像密度(RGB画像密度、CMYK画像密度)、記録材の消費率、ヒストグラム(RGBヒストグラム)および縮小画像のうち、画像密度、ヒストグラムおよび縮小画像のうち少なくとも一つの情報がプリセット記憶部101に記憶され、記録材の消費率についてはCMYK画像密度を基に算出されるのでプリセット記憶部101には記憶されないようになっている。もちろん、記録材の消費率についてもプリセット記憶部101に記憶されるようにしてもよい。
ちなみに、第1の実施の形態では、色空間の色毎の画像に関する画像密度例えばRGB画像密度が指標値としてプリセット記憶部110に記憶されている。
上述した画像種類情報、指標値および印刷設定情報を含む画像形成情報は、予め記憶(設定)された情報を意味する。そのため、本願明細書では、画像形成情報を「プリセット」と定義する。
すなわち、プリセット記憶部101には、画像毎に、画像種類情報、指標値としてのRGB画像密度、および印刷設定情報がプリセットとして記憶されている。
画像処理部100は、画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、画像密度算出部140、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170および画像出力部180を有している。
画像入力部110は、画像形成対象の画像(以下「印刷画像」という。)を入力する処理を行うものであり、例えば、アプリケーションにより作成された画像データを取得する処理、記憶装置やリムーバブルメディアなど記憶媒体に格納された画像データを読み取る処理、またはコンピュータやサーバなどから通信回線を介して送信された画像データを受け付ける処理を行う。
このようにして画像入力部110によって入力された印刷画像例えばRGBの印刷画像はプリセット画像処理部120および画像種類判別130に与えられる。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像を基に、RGB色の色毎の出力プレーン情報(ビットマスク)を生成する。このRGB色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像とプリセット選択部160から渡された特定のプリセットに含まれる印刷設定情報とを印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像種類判別部130は、判別手段の機能を有し、印刷画像(画像形成対象の画像)中のグラフィックス(広義のグラフィックス)とイメージとの割合を算出し、この算出した結果を基に印刷画像の種類を判別する。本願明細書において、グラフィックス(広義のグラフィックス)は、狭義のグラフィックス(図形など)および文字の少なくとも一方の要素を含むものとする。
画像密度算出部140は、算出手段の機能を有し、上記指標値を算出するものであり、印刷画像にかかわる予め定められた色空間の色毎の画像に関する画像密度を算出する。第1の実施の形態では、画像密度算出部140は、RGB画像密度(RGB色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する。
具体的には、画像密度算出部140は、プリセット画像処理部120から受け取ったRGB色の色毎の出力プレーン情報を基にRGB画像密度を算出する。
ちなみに、RGB色空間のRGB色で表現される画像(RGB画像)Aに関し、R色の画像Aに関する画像密度をRa、G色の画像Aに関する画像密度をGa、B色の画像Aに関する画像密度をBaとした場合、画像密度算出部140は、次の数1の式を演算することでRGB画像密度を算出する。ただし、RGB画像Aの画像サイズは、横=width、縦=heightとする。
ここで、PR(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のR色の値を示し、PG(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のG色の値を示し、PB(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のB色の値を示す。
プリセット読込部150は、プリセット記憶部101からプリセット(全てのプリセット)を読み込む。
プリセット選択部160は、選択手段の機能を有し、画像種類判別部130による判別の結果と画像密度算出部140による算出の結果とに基づき、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセット(プリセット記憶部101に記憶されている画像形成情報)の中から最優先のプリセットを選択する。
具体的には、プルセット選択部160は、上記全てのプリセットの中から、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、画像密度算出部140によって算出された画像密度との差分の値が最も小さい画像密度を含むプリセットを選択する。
また、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット保存処理部170は、プリセット選択部160によって選択された特定のプリセットに含まれる指標値としての画像密度と、画像密度算出部140によって算出された印刷画像にかかわる画像密度との差分の値が閾値を超えている場合に、当該印刷画像にかかわる画像種類情報、指標値および印刷設定情報を新規のプリセットとしてプリセット記憶部101に保存する。なお、前記差分の値が閾値以下の場合は、印刷画像に対応する新規のプリセットはプリセット記憶部101には保存されない。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120から受け取った印刷ジョブを図示しないプリンタに向けて出力する。
入力部102は、例えば入力装置であり、印刷設定を行う旨や印刷する旨の指示、選択肢の選択など入力情報を入力する。
表示部103は、例えば表示装置であり、アプリケーションにより提供される印刷ダイアログ(プロパティ)や画像処理部100によって提供される印刷設定プロパティなど表示情報を表示する。
なお、本願明細書では、画像処理部100はプリンタドライバを想定している。しかし、画像処理部100は、プリンタドライバに限定されるものではなく、専用のソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで構成するようにしてもよい。
次に、画像形成情報(プリセット)のデータ構造の一例を、図2に示す。
画像形成情報つまりプリセットは、図2に示すように、プリセット名、縮小画像、画像種類、RGB画像密度、RGBヒストグラム、デフォルト設定適用時のCMYK画像密度、印刷設定適用時のCMYK画像密度、印刷設定適用時のCMYKヒストグラム、および印刷設定情報のうち、少なくとも画像種類情報、指標値および印刷設定情報を有するデータ構造になっている。
プリセット名とは、プリセットに付与された名称つまりプリセットに対してシステム(画像処理部100)あるいはユーザによって付与される名前である。
縮小画像とは、印刷画像を縮小した画像であり、例えばプリセット名と対応つけられて提示(表示)される提示用の画像である。
デフォルト設定適用時のCMYK画像密度とは、デフォルト印刷設定情報(印刷に関するデフォルト設定の値)に基づき画像処理された後の画像に関するCMYK画像密度である。
印刷設定適用時のCMYK画像密度とは、印刷設定情報に基づき画像処理された後の画像に関するCMYK画像密度である。
印刷設定適用時のCMYKヒストグラムとは、印刷設定情報に基づき画像処理された後の画像に関するCMYKヒストグラムである。
画像種類、RGB画像密度、RGBヒストグラムおよび印刷設定情報は、上述した内容の通りである。
本願明細書では、上述したプリセットに含まれる縮小画像、RGB画像密度、RGBヒストグラム、デフォルト設定適用時のCMYK画像密度、印刷設定適用時のCMYK画像密度、および印刷設定適用時のCMYKヒストグラムのうち少なくとも一つの情報、または印刷設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYKヒストグラムに基づき求められるトナー消費率が、上記指標値として採用される。もちろん、上述したプリセット中の上記少なくとも一つの情報および上記トナー消費率を上記指標値として採用するようにしてもよい。
次に、画像処理装置10のプリセット選択処理について、図3を参照して説明する。
この例では、プリセット記憶部101に記憶されているプリセットは、少なくとも、画像毎に、画像種類情報、RGB画像密度および印刷設定情報を含んでいるものとする。
ユーザは、画像処理装置10で動作し起動中のアプリケーションが表示部103に表示されている状態で、入力部102を操作して、当該アプリケーションから印刷コマンドを指示し、当該アプリケーションにより提供され表示部103に表示される印刷ダイアログの中の「OK」ボタンを押下する。
印刷ダイアログ中の「OK」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動される。起動した画像処理部100では、プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込む。
また、画像入力部110は、アプリケーションから印刷対象の画像としての印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS101)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データを基に、RGB色の色毎の出力プレーン情報(ビットマスク)を生成する。このRGB色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
画像密度算出部140は、プリセット画像処理部120からのRGB色の色毎の出力プレーン情報を基にRGB画像密度(RGB色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する(ステップS102)。つまり画像密度算出部140は、上述した数1の数式を演算することで、RGB画像密度を算出する。
画像入力部110からの印刷画像データを受け取った画像種類判別部130は、その印刷画像データを基に印刷画像中の広義のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS103)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS104)、この判別した結果をプリセット選択部160へ出力する。
ステップS104の判定の処理においては、広義のグラフィックスを印刷すべき領域とイメージを印刷すべき領域との割合に応じて画像種類が決定される。具体的には、「広義のグラフィックスを印刷すべき領域>イメージを印刷すべき領域」の場合には「文字」が、「広義のグラフィックスを印刷すべき領域=イメージを印刷すべき領域」の場合には「文字写真」が、「広義のグラフィックスを印刷すべき領域<イメージを印刷すべき領域」の場合は「写真」が、それぞれ画像種類であると判定される。
なお、「広義のグラフィックスを印刷すべき領域>イメージを印刷すべき領域」の関係において、広義のグラフィックスの内容が、文字および狭義のグラフィックスを含む内容、狭義のグラフィックスのみの内容、文字のみの内容の何れの場合であっても、画像種類は「文字」として判定されるようになっている。
画像種類判別部130からの判別の結果、および画像密度算出部140からのRGB画像密度を受け取ったプリセット選択部160は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が最も小さいRGB画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS105〜S107)。
なお、上記差分の値が最も小さいRGB画像密度を含むプリセットの求め方の詳細については後述する。
具体的には、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が最も小さいRGB画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS105)。
また、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が最も小さいRGB画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS106)。
さらに、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が最も小さいRGB画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS107)。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS108)。
なお、プリセット保存処理部170は、プリセット選択部160によって選択された特定のプリセットに含まれる指標値としてのRGB画像密度と、画像密度算出部140によって算出された印刷画像にかかわるRGB画像密度との差分の値が閾値を超えている場合は、当該印刷画像にかかわる画像種類情報、指標値としてのRGB画像密度および印刷設定情報を新規のプリセットとしてプリセット記憶部101に保存する。
次に、プリセット選択部160による画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度(印刷画像にかかわるRGB画像密度)との差分の値が最も小さいRGB画像密度(プリセットに対応する画像にかかわるRGB画像密度)を含むプリセットの求め方について説明する。
ここで、上記印刷画像(RGBの画像)を画像#1とし、画像#1についてのR色の画像に関する画像密度、G色の画像に関する画像密度、B色の画像に関する画像密度をそれぞれRa、Ga、Baとする。
また、プリセットに対応する画像(RGBの画像)を画像#2とし、画像#2についてのR色の画像に関する画像密度、G色の画像に関する画像密度、B色の画像に関する画像密度をそれぞれRb、Gb、Bbとする。
上述した前提条件の下、次の(1)〜(3)の算出手順に従って算出処理を実行することにより上記差分の値が求められる。
(1)プリセット選択部160は、画像#1に関するRGB画像密度と画像#2に関するRGB画像密度との差分の値△PCabを次の式を演算して求める。
△PCab
={(Ra−Rb)^2+(Ga−Gb)^2+(Ba−Bb)^2}^(1/2)
なお、「△PCabが小さければ小さいほど、画像#1に関するRGB画像密度と画像#2に関するRGB画像密度との差分の値は小さい」ということになる。換言すれば「△PCabが小さければ小さいほど、画像#1に関するRGB画像密度と画像#2に関するRGB画像密度とは近い」ということになる。
(2)プリセット選択部160は、上述したようにして画像#1に関するRGB画像密度と複数のプリセットに対応する複数の画像#2のそれぞれに関するRGB画像密度との差分の値を求め、これら求めた差分の値の中で最も小さい差分の値を抽出する。
(3)プリセット選択部160は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、上記抽出した差分の値が得られた画像を含むプリセットを選択する。
次に、画像処理装置10のハードウェア構成について、図4を参照して説明する。
画像処理装置10は、図4に示すように、CPU11、記憶装置12、ROM13、RAM14、入力I/F15A、出力I/F15B、通信I/F15C、入力I/F15Aに接続された入力装置16、および出力I/F15Bに接続された表示装置17を有している。各構成要素11〜14,15A〜15Cはシステムバス18に接続されている。
記憶装置12は、例えばハードディスクであり、図1に示した画像処理部100(構成要素110〜180)の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、図2に示したプリセット選択処理の処理手順に対応するソフトウェア(プログラム)、画像処理プログラム12Aなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。
また、記憶装置12は、図1に示したプリセット記憶部101の機能を果たし、一つ以上のプリセットを記憶している。
画像処理プログラム12Aは、図1に示した画像処理部100の画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、画像密度算出部140、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170および画像出力部180の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)を含んでいる。なお、画像処理部100において、プリセット保存処理部170は記憶処理過程を実行し、画像種類判別部130は判別処理過程を実行し、画像密度算出部140は算出処理過程を実行し、プリセット選択部160は選択処理過程を実行する。
ROM13は、読み出し専用メモリであり、数1で示される数式に対応する数式情報、外部の装置と通信するための通信プロトコル情報などを記憶している。また、ROM13は、図1に示したプリセット記憶部101の機能を果たし、デフォルト印刷設定情報を記憶している。
RAM14は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置12から読み込まれた画像処理プログラム12Aを含むプログラムや印刷画像データ、ROM13から読み込まれた数式情報、デフォルト印刷設定情報、通信プロトコル情報を記憶する。
また、RAM14には、画像処理部100が処理するのに必要な記憶領域(ワークエリア)が割り当てされている。このワークエリアには、プリセット画像処理部120による画像処理、画像種類判別部130による画像種類の判別処理、および画像密度算出部140による画像密度の算出処理の各処理の途中結果や最終結果、プリセット読込部150によって読み込まれたプリセットが記憶される。
入力I/F(入力インタフェース)15Aおよび出力I/F(出力インタフェース)15Bはそれぞれデータ通信を実行するCPU(中央演算処理装置)を備え、入力I/F15Aは入力装置16とのデータ通信を行い、出力I/F15Bは表示装置17とのデータ通信を行う。入力装置16は、図1に示した入力部102の機能を果たし、表示装置17は図1に示した表示部103の機能を果たす。
通信I/F(通信インタフェース)15Cは、データ通信を実行するCPU(中央演算処理装置)を備えており、ROM13からRAM14へ上記通信プロトコル情報を読み込んで実行することにより、画像形成装置としてのプリンタ90とのデータ通信を行う。
CPU11は、中央演算処理装置であり、記憶装置12からRAM14へ、画像処理プログラム12Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述した画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、画像密度算出部140、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170および画像出力部180の各機能を実現するとともに、画像処理プログラム12Aに対応する処理機能を実現する。また、CPU11は画像処理装置10全体を制御する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第2の実施の形態の画像処理装置は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様の機能構成になっている。
なお、第2の実施の形態において、プリセット記憶部101、プリセット画像処理部120、画像密度算出部140およびプリセット読込部150は、第1の実施の形態の場合に比較して機能が変更されている。次に、それらの構成要素の変更点について説明する。
プリセット記憶部101には、デフォルト印刷設定情報(印刷に関するデフォルト設定の値)が記憶されているととともに、画像毎に、画像種類情報、デフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定情報を含むプリセットが記憶されている。
プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込むとともにデフォルト印刷設定情報を読み込む。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)からCMYK色の色毎の出力プレーン情報(ビットマスク)を生成する。このCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
ところで、上述したCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成するに際し、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)に対し、色空間変換用の多次元(3次元など)のルックアップテーブル(LUT)に基づきRGB色空間からCMYK色空間に色変換する色変換処理を実行するとともに、色変換処理後のCMYK色空間の印刷画像データに対し、階調再現曲線(TRC)に基づき階調補正する階調補正処理を実行する。
次に、プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセット(全てのプリセット)を取得するとともに、プリセット読込部150によって読み込まれたデフォルト印刷設定情報を取得し、さらに上記画像処理後の印刷画像データ(CMYKの印刷画像データ)に対し前記取得したデフォルト印刷設定情報に基づく画像処理を実行する。
さらに、プリセット画像処理部120は、デフォルト印刷設定情報に基づいた画像処理後のCMYKの印刷画像データを基に、CMYK色の色毎の出力プレーン情報(ビットマスク)を生成する。
画像密度算出部140は、印刷画像にかかわるCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する。
具体的には、画像密度算出部140は、プリセット画像処理部120から受け取ったCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する。
ちなみに、CMYK色空間のCMYK色で表現される画像(CMYK画像)Aに関し、C色の画像Aに関する画像密度をCa、M色の画像Aに関する画像密度をMa、Y色の画像Aに関する画像密度をYa、K色の画像Aに関する画像密度をKaとした場合、画像密度算出部140は、次の数2の式を演算することでCMYK画像密度を算出する。ただし、CMYK画像Aの画像サイズは、横=width、縦=heightとする。
ここで、Pc(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のC色の値を示し、PM(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のM色の値を示し、PY(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のYの値を示し、PK(x,y)は画像Aの座標(x,y)の画素のKの値を示す。
次に、画像処理装置10のプリセット選択処理について、図5を参照して説明する。
ユーザによって、第1の実施の形態の場合と同様に、アプリケーションにより提供される印刷ダイアログの中の「OK」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動される。
起動した画像処理部100では、プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込むとともにデフォルト印刷設定情報を読み込む。
また、画像入力部110は、アプリケーションから印刷対象の画像としての印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS201)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)に対し上述した色変換処理、階調補正処理など画像処理を実行する。この画像処理の結果はCMYKの印刷画像データとなる。
次に、プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセット(全てのプリセット)を取得するとともに、プリセット読込部150によって読み込まれたデフォルト印刷設定情報を取得し、さらに上記画像処理後の印刷画像データ(CMYKの印刷画像データ)に対し前記取得したデフォルト印刷設定情報にと基づく画像処理を実行し、この画像処理の結果であるCMYKの印刷画像データを基に、CMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS202)。この生成された結果(CMYK色の色毎の出力プレーン情報)は画像密度算出部140に与えられる。
画像密度算出部140は、プリセット画像処理部120からのCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度を算出する(ステップS203)。つまり画像密度算出部140は、上述した数2の式を演算することで、CMYK画像密度を算出する。
ちなみに、ステップS203において算出されるCMYK画像密度は、デフォルト印刷設定情報を適用した印刷画像に関するCMYK画像密度である。
画像入力部110からの印刷画像データを受け取った画像種類判別部130は、その印刷画像データを基に印刷画像中の広義のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS204)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS205)、この判別した結果をプリセット選択部160へ出力する。
画像種類判別部130からの判別の結果、および画像密度算出部140からのCMYK画像密度を受け取ったプリセット選択部160は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたCMYK画像密度との差分の値が最も小さいデフォルト設定適用時のCMYK画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS206〜S208)。
具体的には、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたCMYK画像密度との差分の値が最も小さいデフォルト設定適用時のCMYK画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS206)。
また、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたCMYK画像密度との差分の値が最も小さいデフォルト設定適用時のCMYK画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS207)。
さらに、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、画像密度算出部140によって算出されたCMYK画像密度との差分の値が最も小さいデフォルト設定適用時のCMYK画像密度を含むプリセットを選択する(ステップS208)。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS209)。
なお、プリセット保存処理部170は、プリセット選択部160によって選択された特定のプリセットに含まれる指標値としてのCMYK画像密度と、画像密度算出部140によって算出された印刷画像にかかわるCMYK画像密度との差分の値が閾値を超えている場合は、当該印刷画像にかかわる画像種類情報、指標値としてのCMYK画像密度(デフォルト設定適用時のCMYK画像密度)、および印刷設定情報を新規のプリセットとしてプリセット記憶部101に保存する。
第2の実施の形態の画像処理装置10のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第3の実施の形態の画像処理装置30は、図6に示す構成になっている。画像処理装置30は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置10において、画像密度算出部140を削除し、トナー消費率算出部310、トナー消費率取得部320、およびトナー消費率設定部104を追加した機能構成になっている。なお、図6において、図1に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図6においては、入力部102および表示部103は省略されている。
なお、第3の実施の形態において、プリセット記憶部101、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130およびプリセット選択部160は、第1の実施の形態の場合に比較して機能が変更されている。次に、それらの構成要素の変更点について説明する。
プリセット記憶部101には、画像毎に、画像種類情報、デフォルト設定適用時のCMYK画像密度、印刷設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定情報含むプリセットが記憶されている。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。プリセット画像処理部120は、前記印刷画像データに対する画像処理は実施しない。
画像種類判別部130は、判別した結果としての画像種類をトナー消費率算出部310へ出力する。
トナー消費率算出部310は、算出手段の機能を有し、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセットのうち、画像種類判別部130から受け取った画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットに対応して、当該プリセットに含まれる印刷設定適用時のCMYK画像密度およびデフォルト設定適用時のCMYK画像密度に基づき当該プリセットに対応する画像にかかわるトナー消費率を算出する。
このプリセットに対応する画像にかかわるトナー消費率は、記録材(トナー)の第2の消費率を意味する。
すなわち、トナー消費率算出部310は、{(印刷設定の値を適用した画像に関するCMYK画像密度/デフォルト設定の値を適用した画像に関するCMYK画像密度)×100}、すなわち(印刷設定適用時のCMYK画像密度/デフォルト設定適用時のCMYK画像密度)×100}を演算してトナー消費率を算出する。
トナー消費率取得部320は、トナー消費率設定部104によって設定されるトナー消費率を取得する。この取得されたトナー消費率は記録材(トナー)の第1の消費率を意味する。
トナー消費率設定部104は、例えば入力装置であり、記録材の第1の消費率としてのトナー消費率を設定する。
プリセット選択部160は、上述した第1の消費率と上述した第2の消費率との差分を求めるとともに、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセットのうちの、画像種類判別部130から受け取った画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットの中から、前記差分の値が最も小さいものとなる前記記録材の第2の消費率に対応するプリセットを選択する。
次に、画像処理装置30のプリセット選択処理について、図7を参照して説明する。
この例では、ユーザによって設定されたトナー消費率(記録材の第1の消費率)を第1のトナー消費率とし、プリセットに対応する画像にかかわるトナー消費率(記録材の第2の消費率)を第2のトナー消費率とする。
ユーザは、画像処理装置30で動作し起動中のアプリケーションが表示部103に表示されている状態で、入力部102を操作して、当該アプリケーションから印刷コマンドを指示し、当該アプリケーションにより提供され表示部103に表示される印刷ダイアログの中の「プロパティ」ボタンを押下する。
このようにして印刷ダイアログ中の「プロパティ」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動される。
起動した画像処理部100は、図8に示すような印刷設定プロパティ(ドライバプロパティ)1040を表示部103に表示する。ユーザは、トナー消費率設定部104を操作して、表示部103に表示された印刷設定プロパティ1040の中のトナー消費率を設定する設定欄1041に所望のトナー消費率(第1のトナー消費率)を設定し、その後、「OK」ボタン1042を押下する。
印刷設定プロパティ1040の設定欄1041に第1のトナー消費率が設定され「OK」ボタン1042が押下されると、画像処理部100では、トナー消費率取得部320は、印刷設定プロパティ104に設定された第1のトナー消費率を取得し(ステップS301)、この取得した第1のトナー消費率をプリセット選択部160へ出力する。
プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込む。
画像入力部110は、アプリケーションから印刷対象の画像としての印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS302)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
画像種類判別部130は、その印刷画像データを基に印刷画像中の広義のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS303)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS304)、この判別した結果をトナー消費率算出部310へ出力する。
トナー消費率算出部310は、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセットのうち、画像種類判別部130から受け取った画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットについて、該当するプリセットに含まれる印刷設定適用時のCMYK画像密度およびデフォルト設定適用時のCMYK画像密度に基づきトナー消費率(第2のトナー消費率)を算出する(ステップS305〜S307)。
具体的には、トナー消費率算出部310は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットのうちの、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットからデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を抽出するとともに、これら抽出したデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を基に第2のトナー消費率を算出する(ステップS305)。
また、トナー消費率算出部310は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットのうちの、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットからデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を抽出するとともに、これら抽出したデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を基に第2のトナー消費率を算出する(ステップS306)。
さらに、トナー消費率算出部210は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットのうちの、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットからデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を抽出するとともに、これら抽出したデフォルト設定適用時のCMYK画像密度および印刷設定適用時のCMYK画像密度を基に第2のトナー消費率を算出する(ステップS307)。
そして、トナー消費率算出部310は、画像種類判別部130によって判別された画像種類に対応する画像種類情報を有するプリセットについて第2のトナー消費率を算出したときは、プリセットと第2のトナー消費率とを関連つけてプリセット選択部160へ出力する。
トナー消費率算出部310からのプリセットおよび第2のトナー消費率を受け取ったプリセット選択部160は、受け取ったプリセットに対応する第2のトナー消費率と、既にトナー消費率取得部320から受け取っている第1のトナー消費率との差分を求めるとともに、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセットの中から、画像種類判別部130から受け取った画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、前記差分の値が最も小さいものとなる第2の消費率に対応するプリセットを選択する(ステップS308)。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、およびプリセット選択部160から渡された特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS309)。
第3の実施の形態の画像処理装置30のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
なお、記憶装置12に記憶される画像処理プログラム12Aは、図6に示した画像処理部100の画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170、画像出力部180およびトナー消費率算出部310およびトナー消費率取得部320の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)を含んでいる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第4の実施の形態の画像処理装置40は、図9に示す構成になっている。画像処理装置40は、図6に示した第3の実施の形態の画像処理装置30において、画像密度算出部410を追加し、トナー消費率算出部310をトナー消費率算出部420に変更した機能構成になっている。なお、図9において、図6に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図9においては、入力部102および表示部103は省略されている。
なお、第4の実施の形態において、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、プリセット読込部150およびプリセット選択部160は、第3の実施の形態の場合に比較して機能が変更されている。次に、それらの構成要素の変更点について説明する。
プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込むとともにデフォルト印刷設定情報を読み込む。
画像種類判別部130は、判別した結果としての画像種類をプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)からCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。このCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
ところで、上述したCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成するに際し、プリセット画像処理部120は、2種類のCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。
すなわち、プリセット画像処理部120は、1種類目の出力プレーン情報を生成するために、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)に対し、上述した色変換処理、階調補正処理など画像処理を実行する。この画像処理の結果は、CMYKの印刷画像データとなる。
次に、プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセット(全てのプリセット)の中から画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットを取得するとともに、取得したプリセット毎に、上述したCMYKの印刷画像データに対し該当するプリセットに含まれる印刷設定情報に基づく画像処理を実行する。
この画像処理の結果としての印刷画像(CMYKの印刷画像)を印刷設定適用時の印刷画像(プリセット内の印刷設定情報の印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)と定義する。
プリセット画像処理部120は、印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)を基にCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。この印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
次に、プリセット画像処理部120は、2種類目の出力プレーン情報を生成するために、プリセット読込部150によって読み込まれたデフォルト印刷設定情報を取得するとともに、上述したCMYKの印刷画像データに対し前記取得したデフォルト印刷設定情報に基づく画像処理を実行する。
この画像処理の結果としての印刷画像(CMYKの印刷画像)をデフォルト設定適用時の印刷画像(デフォルト設定適用時のCMYKの印刷画像)と定義する。
続いて、プリセット画像処理部120は、デフォルト設定適用時の印刷画像(デフォルト設定適用時のCMYKの印刷画像)を基にCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。このデフォルト設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
第4の実施の形態では、画像密度算出部410およびトナー消費率算出部420が協働することで算出手段の機能を果たし、プリセット記憶部101に記憶されているプリセットの中の画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットに対応して、当該プリセットと印刷画像とを基に当該印刷画像にかかわる第2のトナー消費率(記録材の第2の消費率)を算出する。
すなわち、画像密度算出部410は、上述したように、プリセット画像処理部120によって生成された印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出するとともに、プリセット画像処理部120によって生成されたデフォルト設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する。
トナー消費率算出部420は、上述した一つ以上のプリセット(全てのプリセット)の中の画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットに対応して画像密度算出分410によって算出された印刷設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)にかかわるCMYK画像密度と、画像密度算出分410によって算出されたデフォルト設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)にかかわるCMYK画像密度とに基づき、印刷画像にかかわる第2のトナー消費率(記録材の第2の消費率)を算出する。
そして、トナー消費率算出部420は、{(印刷設定適用時のCMYK画像密度/デフォルト設定適用時のCMYK画像密度)×100}を演算してトナー消費率を算出する。
この場合、画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセット毎に印刷画像にかかわる第2のトナー消費率が算出される。このようにして算出された前記プリセット毎の印刷画像にかかわる第2のトナー消費率はプリセット選択部160に与えられる。
プリセット選択部160は、トナー消費率取得部320によって取得された第1のトナー消費率とトナー消費率算出部420によって算出された第2のトナー消費率との差分を求めるとともに、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセット(プリセット記憶部101に記憶されている一つ以上のプリセット)のうちの、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットの中から、前記差分の値が最も小さいものとなる第2のトナー消費率に対応するプリセットを選択する。
次に、画像処理装置40のプリセット選択処理について、図10を参照して説明する。
ユーザは、第3の実施の形態での所望のトナー消費率(第1のトナー消費率)の設定の操作と同様に、アプリケーションから印刷コマンドを指示し、印刷ダイアログの中の「プロパティ」ボタンを押下するとともに、印刷ダイアログ中の「プロパティ」ボタンが押下されることに起因して表示部103に表示される印刷設定プロパティ(ドライバプロパティ)1040(図8参照)の中の設定欄1041に所望のトナー消費率(第1のトナー消費率)を設定し、その後、「OK」ボタン1042を押下する。
印刷設定プロパティ1040の設定欄1041に第1のトナー消費率が設定され「OK」ボタン1042が押下されると、画像処理部100では、トナー消費率取得部320は、印刷設定プロパティ104に設定された第1のトナー消費率を取得し(ステップS401)、この取得した第1のトナー消費率をプリセット選択部160へ出力する。
プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込むとともにデフォルト印刷設定情報を読み込む。
画像入力部110は、アプリケーションから印刷対象の画像としての印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS402)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
画像種類判別部130は、その印刷画像データを基に印刷画像中の広義のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS403)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS404)、この判別した結果をプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセット(全てのプリセット)の中から画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットを取得するとともに、取得したプリセット毎に、該当するプリセットに含まれる印刷設定情報を適用した印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS405〜S407)。
すなわち、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)に対し、上述した色変換処理、階調補正処理など画像処理を実行して、CMYKの印刷画像データを生成する。
次に、プリセット画像処理部120は、取得したプリセット毎に、上述したCMYKの印刷画像データに対し該当するプリセットに含まれる印刷設定情報に基づく画像処理を実行して、印刷設定適用時の印刷画像(プリセット内の印刷設定情報の印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)を生成する。
続いて、プリセット画像処理部120は、印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)を基にCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。
具体的には、プリセット画像処理部120は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットを取得するとともに、取得したプリセット毎に、該当するプリセットに含まれる印刷設定情報を適用した印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS405)。
このようにして生成されるプリセット毎の印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は、画像密度算出部140に与えられる。
また、プリセット画像処理部120は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットを取得するとともに、取得したプリセット毎に、該当するプリセットに含まれる印刷設定情報を適用した印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS406)。
このようにして生成されるプリセット毎の印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は、画像密度算出部140に与えられる。
さらに、プリセット画像処理部120は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットを取得するとともに、取得したプリセット毎に、該当するプリセットに含まれる印刷設定情報を適用した印刷設定適用時の印刷画像(印刷設定適用時のCMYKの印刷画像)に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS407)。
このようにして生成されるプリセット毎の印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は、画像密度算出部140に与えられる。
ステップS405、ステップS406またはステップS407を終了したプリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれたデフォルト印刷設定情報を取得するとともに、画像入力部110から受け取った印刷画像データに対し前記取得したデフォルト印刷設定情報に基づく画像処理を実行し、さらに、前記画像処理の結果であるデフォルト設定適用時の印刷画像(デフォルト設定適用時のCMYKの印刷画像)を基にCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する(ステップS408)。
このデフォルト設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
画像密度算出部410は、プリセット画像処理部120から受け取ったプリセット毎の印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にプリセット毎のCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する(ステップS409)。
また、画像密度算出部410は、プリセット画像処理部120から受け取ったデフォルト設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度(CMYK色空間の色毎の画像に関する画像密度)を算出する。
トナー消費率算出部420は、上述した一つ以上のプリセット(全てのプリセット)の中の画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットに対応して画像密度算出部410によって算出された印刷設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)にかかわるCMYK画像密度と、画像密度算出部410によって算出されたデフォルト設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)にかかわるCMYK画像密度とに基づき、印刷画像にかかわる第2のトナー消費率(記録材の第2の消費率)を算出する(ステップS410)。
すなわち、トナー消費率算出部420は、画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含む各プリセットに対応して、{(印刷設定適用時のCMYK画像密度/デフォルト設定適用時のCMYK画像密度)×100}を演算して第2のトナー消費率を算出する。
上述したようにして求めた上記各プリセットのそれぞれに対応する第2のトナー消費率はプリセット選択部160に与えられる。
プリセット選択部160は、トナー消費率取得部320から取得した第1のトナー消費率とトナー消費率算出部420から取得した各プリセットに対応する各第2のトナー第2の消費率との差分を求めるとともに、プリセット読込部150によって読み込まれた一つ以上のプリセットのうちの、画像種類判別部130から受け取った画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、前記差分の値が最も小さいものとなる第2のトナー消費率に対応するプリセットを選択する(ステップS411)。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、プリセット選択部160から渡された特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS412)。
第4の実施の形態の画像処理装置40のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
なお、記憶装置12に記憶される画像処理プログラム12Aは、図9に示した画像処理部100の画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170、画像出力部180、トナー消費率取得部320、画像密度算出部410およびトナー消費率算出部420の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)を含んでいる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第5の実施の形態の画像処理装置50は、図11に示す構成になっている。画像処理装置50は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置10において、画像密度算出部140を削除し、ヒストグラム算出部510を追加した機能構成になっている。なお、図11において、図1に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図11においては、入力部102および表示部103は省略されている。
なお、第5の実施の形態において、プリセット記憶部101およびプリセット画像処理部120は、第1の実施の形態の場合に比較して機能が変更されている。次に、その構成要素の変更点について説明する。
プリセット記憶部101には、画像毎に、画像種類情報、RGBヒストグラムおよび印刷設定情報含むプリセットが記憶されている。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データをそのままヒストグラム算出部510へ出力する。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ、およびプリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
ヒストグラム算出部510は、算出手段の機能を有し、上記指標値を算出するものであり、例えば、プリセット画像処理部120から受け取ったRGBの印刷画像データにかかわる予め定められた色空間の色毎の画像に関する画像密度を算出する。第5の実施の形態では、ヒストグラム算出部510は、RGBヒストグラム(RGB色空間の色毎の画像に関するヒストグラム)を算出する。
次に、画像処理装置50のプリセット選択処理について、図12を参照して説明する。
この例では、画像入力部110は、例えば階調数が256(階調値が0〜255)のRGBの印刷画像データを、アプリケーションから読み込むものとする。
ユーザは、画像処理装置10で動作し起動中のアプリケーションが表示部103に表示されている状態で、入力部102を操作して、当該アプリケーションから印刷コマンドを指示し、当該アプリケーションにより提供され表示部103に表示される印刷ダイアログの中の「OK」ボタンを押下する。
このように印刷ダイアログ中の「OK」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動される。起動した画像処理部100では、プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込む。
また、画像入力部110は、アプリケーションから印刷対象の画像としての印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS501)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
プリセット画像処理部120は、印刷画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データをそのままヒストグラム算出部510へ出力する。
ヒストグラム算出部510は、プリセット画像処理部120からのRGBの印刷画像データにかかわるRGBヒストグラム(RGB色空間の色毎の画像に関するヒストグラム)を算出する(ステップS502)。
この場合、ヒストグラム算出部510は、RGBの印刷画像データについて、0〜255の階調値毎に画素数の累積値を求めることにより、RGBヒストグラムを算出する。
画像入力部110からの印刷画像データを受け取った画像種類判別部130は、その印刷画像データを基に印刷画像中の広義のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS503)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS504)、この判別した結果をプリセット選択部160へ出力する。
画像種類判別部130からの判別の結果、およびヒストグラム算出部510からのRGBヒストグラムを受け取ったプリセット選択部160は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットであって、ヒストグラム算出部510によって算出されたRGBヒストグラムとの差分の値が最も小さいRGBヒストグラムを含むプリセットを選択する(ステップS505〜S507)。
なお、上記差分の値が最も小さいRGBヒストグラムを含むプリセットの求め方の詳細については後述する。
具体的には、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、ヒストグラム算出部510によって算出されたRGBヒストグラムとの差分の値が最も小さいRGBヒストグラムを含むプリセットを選択する(ステップS505)。
また、プリセット選択部160は、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、ヒストグラム算出部510によって算出されたRGBヒストグラムとの差分の値が最も小さいRGBヒストグラムを含むプリセットを選択する(ステップS506)。
さらに、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットであって、ヒストグラム算出部510によって算出されたRGBヒストグラムとの差分の値が最も小さいRGBヒストグラムを含むプリセットを選択する(ステップS507)。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した特定のプリセットをプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、プリセット選択部160からの特定のプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS508)。
なお、プリセット保存処理部170は、プリセット選択部160によって選択された特定のプリセットに含まれる指標値としてのRGBヒストグラムと、ヒストグラム算出部510によって算出された印刷画像にかかわるRGBヒストグラムとの差分の値が閾値を超えている場合は、当該印刷画像にかかわる画像種類情報、指標値としてのRGBヒストグラム、および印刷設定情報を新規のプリセットとしてプリセット記憶部101に保存する。
次に、プリセット選択部160によるヒストグラム算出部510によって算出されたRGBヒストグラム(印刷画像にかかわるRGBヒストグラム)との差分の値が最も小さいRGBヒストグラム(プリセットに対応する画像にかかわるRGBヒストグラム)を含むプリセットの求め方について説明する。
ここで、上記印刷画像(RGBの画像)を画像#1とし、プリセットに対応する画像(RGBの画像)を画像#2とする。例えば赤(R)色の画像#1および例えば赤(R)色の画像#2のそれぞれに関するヒストグラムは、横軸を例えば0〜255の階調値の階調数とし、縦軸を画素数とした場合、階調値毎の画素数の累積値の特性を示すものである。
また、緑(G)色の画像#1および緑(G)色の画像#2のそれぞれに関するヒストグラム、青(B)色の画像#1および青(B)色の画像#2のそれぞれに関するヒストグラムも、上記同様に、階調値毎の画素数の累積値の特性を示すものである。
上述した前提条件の下、次の(1)〜(3)の算出手順に従って算出処理を実行することにより上記差分の値が求められる。
(1)プリセット選択部160は、R色の画像#1に関するヒストグラムとR色の画像#2に関するヒストグラムとについて、上記階調数における同一の階調値毎に画素数の差の絶対値を算出し、その絶対値の総和(この例では256分の絶対値の総和)を求める。
(2)プリセット選択部160は、G色の画像およびB色の画像のそれぞれに関するヒストグラムについても、R色の画像に関するヒストグラムの場合と同様に、上記階調数における同一の階調値毎に画素数の差の絶対値を算出し、その絶対値の総和(この例では256分の絶対値の総和)を求める。
(3)プリセット選択部160は、R色の画像にかかわる絶対値の総和と、G色の画像にかかわる絶対値の総和と、B色の画像にかかわる絶対値の総和とを合計する。この合計した結果(合計値)が、RGBの画像#1に関するRGBヒストグラムとRGBの画像#2に関するRGBヒストグラムとの差分の値となる。
そして、プリセット選択部160は、上述したようにして画像#1に関するRGBヒストグラムと複数のプリセットに対応する複数の画像#2のそれぞれに関するRGBヒストグラムとの差分の値を求め、これら求めた差分の値の中で最も小さい差分の値を抽出する。
さらに、プリセット選択部160は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、上記抽出した差分の値が得られた画像を含むプリセットを選択する。
例えば、R色の画像#1に関するヒストグラムおよびR色の画像#2に関するヒストグラムが図13(a)に示すように内容であるとし、またR色の画像#1に関するヒストグラムおよびR色の画像#3に関するヒストグラムが図13(b)に示すように内容であるとする。
この場合、R色の画像に注目した場合、R色の画像#1に関するヒストグラムとR色の画像#2に関するヒストグラムとの差分の値は、図13(a)に示すように、点線矢印で示される各階調の差の総和である。
また、R色の画像に注目した場合、R色の画像#1に関するヒストグラムとR色の画像#3に関するヒストグラムとの差分の値は、図13(b)に示すように、実線矢印で示される各階調の差の総和である。
図13に示す例では、R色の画像に注目した場合においては、画#1に関するヒストグラムとの差分の値が最も小さいヒストグラムは、画像#3に関するヒストグラムということになる。
第5の実施の形態の画像処理装置50のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
なお、記憶装置12に記憶される画像処理プログラム12Aは、図11に示した画像処理部100の画像入力部110、プリセット画像処理部120、画像種類判別部130、プリセット読込部150、プリセット選択部160、プリセット保存処理部170、画像出力部180およびヒストグラム算出部510の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)を含んでいる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第6の実施の形態の画像処理装置60は、図14に示す構成になっている。画像処理装置60は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置10において、並び替え設定部105、プリセット表示部106、プリセット指定部107、プリセット並び替え部610、第3の実施の形態のトナー消費率算出部310およびトナー消費率320(図6参照)、第4の実施の形態の画像密度算出部410およびトナー消費率算出部420(図9参照)、第5の実施の形態のヒストグラム算出部510(図11参照)を追加した機能構成になっている。なお、図14において、図1に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図14においては、入力部102および表示部103は省略されている。
第6の実施の形態において、画像処理部100は、図14に示すように、構成要素110〜180,310,320,410,420,510,610を有している。
また、第6の実施の形態において、プリセット画像処理部120、画像密度算出部140およびプリセット選択部160は第1の実施の形態の場合に比較して、トナー消費率算出部310は第3の実施の形態の場合に比較して、トナー消費率算出部420は第4の実施の形態の場合に比較して、ヒストグラム算出部510は第5の実施の形態の場合に比較して、それぞれ機能が変更されている。
プリセット画像処理部120は、次の(1)〜(5)のうち何れかの処理を実行する。
(1)プリセット画像処理部120第1の実施の形態の場合と同様に、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データを基に、RGB色の色毎の出力プレーン情報(ビットマスク)を生成する。このRGB色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
(2)プリセット画像処理部120は、第2の実施の形態の場合と同様に、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データからCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。このCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
(3)プリセット画像処理部120は、第3の実施の形態の場合と同様に、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データに対しては何もしない。
(4)プリセット画像処理部120は、第4の実施の形態の場合と同様に、CMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成する。このCMYK色の色毎の出力プレーン情報は画像密度算出部140に与えられる。
(5)プリセット画像処理部120は、第5の実施の形態の場合と同様に、画像入力部110から受け取ったRGBの印刷画像データをそのままヒストグラム算出部510へ出力する。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取った印刷画像データ、およびプリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中のプリセット指定部107によって指定された特定のプリセット名に対応するプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像密度算出部140、トナー消費率算出部310、トナー消費率算出部420およびヒストグラム算出部510は、上述したようにして算出した算出結果(RGB画像密度、トナー消費率、RGBヒストグラム)をプリセット並び替え部610へ出力する。
プリセット選択部160は、選択手段の機能を有し、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセット(プリセット記憶部101に記憶されている画像形成情報)の中から、画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含む複数のプリセットを選択する。
また、プリセット選択部160は、上述したようにして選択した複数のプリセットをプリセット並び替え部610へ出力する。
プリセット並び替え部610は、並び替え手段の機能を有し、後述する並び替え設定部105によって設定された並び替えの基準に従って、プリセット選択部160によって選択された複数のプリセットを並び替え、並び替え後の複数のプリセットをプリセット表示部107に供給する。
すなわち、プリセット並び替え部610は、並び替えの基準に応じて、次の3通りの処理のうち何れかの処理を行う。
プリセット並び替え部610は、並び替えの基準がRGB画像密度の場合、プリセット選択部160によってされた複数のプリセットについて、画像密度算出部140によって算出された指標値(RGB画像密度)と当該プリセットに含まれる指標値(RGB画像密度)との差分の値が小さい順番に並び替えする。
プリセット並び替え部610は、並び替えの基準がRGBヒストグラムの場合、プリセット選択部160によってされた複数のプリセットについて、ヒストグラム算出部510によって算出された指標値(RGBヒストグラム)と当該プリセットに含まれる指標値(RGBヒストグラム)との差分の値が小さい順番に並び替えする。
プリセット並び替え部610は、並び替えの基準がトナー消費率の場合、トナー消費率取得部320によって取得されトナー消費率設定部104によって設定されたトナー消費率(第1のトナー消費率)とトナー消費率算出部310またはトナー消費率算出部420によって算出されたトナー消費率(第2のトナー消費率)との差分の値が小さい順番に並び替えする。
並び替え設定部105は、プリセットを並び替える基準を設定する。並び替える基準としては、RGB画像密度、トナー消費率、RGBヒストグラムが挙げられる。
プリセット表示部106は、提示手段の機能を有し、プリセット並び替え部610から供給される複数のプリセットに対応する複数のプリセット名をそれらの並び順で表示する。
プリセット指定部107は、プリセット表示部106に表示された複数のプリセット名の中から特定のプリセット名を指定する。
なお、並び替え設定部105およびプリセット指定部107はそれぞれ例えば入力装置であり、プリセット表示部106は例えば表示装置である。
第6の実施の形態においては、画像処理部100を構成する上述した各構成要素のうち、画像密度算出部140、トナー消費率算出部310、トナー消費率取得部320、画像密度算出部410、トナー消費率算出部420およびヒストグラム算出部510(図14中2点鎖線の四角で表現している各構成要素)については、並び替え設定部105によって設定される並び替えの基準に応じて機能するようになっている。
すなわち、並び替え設定部105によって設定される並び替えの基準が、RGB画像密度の場合には画像密度算出部140のみが機能し、プリセットに対応する画像にかかわるトナー消費率の場合にはトナー消費率算出部310およびトナー消費率取得部320のみが機能し、印刷画像にかかわるトナー消費率の場合にはトナー消費率取得部320、画像密度算出部410およびトナー消費率算出部420のみが機能し、RGBヒストグラムの場合はヒストグラム算出部510のみが機能するようになっている。
ここで、並び替え設定部105によって並び替えの基準としてRGB画像密度が設定された場合の画像処理装置60の機能構成を、図15に示す。
次に、画像処理装置60のプリセット選択処理について、図15および図16を参照して説明する。
この例では、プリセット記憶部101に記憶されているプリセットは、少なくとも、画像毎に、画像種類情報、RGB画像密度および印刷設定情報を含んでいるものとする。
ユーザが並び替え設定部105を操作して、並び替えの基準としてRGB画像密度を設定したとする。
この場合、図14の画像処理部100において、並び替え設定部105によって設定される並び替えの基準に応じて機能する画像密度算出部140、トナー消費率算出部310、トナー消費率取得部320、画像密度算出部410、トナー消費率算出部420およびヒストグラム算出部510のうち、画像密度算出部140のみが機能し、他の構成要素は機能が停止された状態となる。すなわち、図14に示す画像処理装置60は図15に示す画像処理装置60に変更された状態と同じことになる。
この図15の画像処理装置60は、最初に図3に示した第1の実施の形態のプリセット選択処理のステップS101〜S104と同様の処理を実施する(ステップS601〜S604)。
ステップS602でRGB画像密度を算出した画像密度算出部140は、その算出したRGB画像密度をプリセット並び替え部610へ出力する。
画像種類判別部130は、ステップS604で判別した結果(画像識別)をプリセット選択部160へ出力する。
プリセット選択部160およびプリセット並び替え部610が協働して、画像種類判別部130からの判別の結果(画像種類情報)を含むプリセットについて、当該プリセットに含まれるRGB画像密度と画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が小さい順番に並び替えし、プリセット表示部106がその並び替え後の複数のプリセットに対応するプリセット名をそれらの並び順で表示する(ステップS605〜S607)。
すなわち、ステップS605では、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有している複数のプリセットを選択し、この選択した複数のプリセットをプリセット並び替え部610へ出力する。
プリセット並び替え部610は、プリセット選択部160からの複数のプリセットについて、当該プリセットに含まれるRGB画像密度と画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が小さい順番に並び替えする。
また、プリセット並び替え部610は、並び替え後の複数のプリセットをプリセット表示部107へ供給する。
プリセット表示部106は、プリセット並び替え部610から供給される複数のプリセットに対応する複数のプリセット名をそれらの並び順に表示する。
また、ステップS606では、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有している複数のプリセットを選択し、この選択した複数のプリセットをプリセット並び替え部610へ出力する。
プリセット並び替え部610は、プリセット選択部160からの複数のプリセットについて、当該プリセットに含まれるRGB画像密度と画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が小さい順番に並び替えする。
また、プリセット並び替え部610は、並び替え後の複数のプリセットをプリセット表示部107に供給する。
プリセット表示部106は、プリセット並び替え部610から供給される複数のプリセットに対応する複数のプリセット名をそれらの並び順に表示する。
さらに、ステップS607では、プリセット選択部160は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有している複数のプリセットを選択し、この選択した複数のプリセットをプリセット並び替え部610へ出力する。
プリセット並び替え部610は、プリセット選択部160からの複数のプリセットについて、当該プリセットに含まれるRGB画像密度と画像密度算出部140によって算出されたRGB画像密度との差分の値が小さい順番に並び替えする。
また、プリセット並び替え部610は、並び替え後の複数のプリセットをプリセット表示部107に供給する。
プリセット表示部106は、プリセット並び替え部610から供給される複数のプリセットに対応する複数のプリセット名をそれらの並び順に表示する。
そして、ユーザは、プリセット指定部107を操作して、ステップS605、ステップS606またはステップS607でプリセット表示部106に表示され上記差分の値が小さい順の並びの複数のプリセット名の中から特定のプリセット名を選択する。
このようにして選択された特定のプリセット名はプリセット画像処理部120に与えられる。
プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、プリセット指定部107によって指定された特定のプリセット名に対応するプリセットを抽出するとともに(ステップS608)、この抽出したプリセットに含まれる印刷設定情報、画像入力部110から受け取った印刷画像データを印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷要求を行う(ステップS609)。
ここで、プリセット選択部160が、印刷画像として黄色い写真画像に対応して、プリセット読込部150によって読み込まれた複数のプリセットの中から、画像種類判別部130からの判別の結果(画像種類情報)を含む複数のプリセットを抽出した場合に、当該抽出された複数のプリセットが、並び替えが行われることなくプリセット並び替え部610を経由して、プリセット表示部106に表示されるものと仮定する。この場合の表示例を、図17に示す。
図17に示す例では、プリンタドライバとしての画像処理部100により提供される印刷設定プロパティ1060のプリセット名表示欄1061には、上から順に、画像種類情報「写真」を含むプリセットに対応するプリセット名として、プリセット名「標準」、プリセット名「カラー写真−赤削減用」、プリセット名「カラー写真−黄色削減用」が表示されている。例えばプリセットをプリセット記憶部101に格納した順番あるいはプリセット名の「あいうえお順」の順番で表示される。
これに対し、プリセット選択部160が、プリセット読込部150によって読み込まれた複数のプリセットの中から、画像種類判別部130からの判別の結果(画像種類情報「写真」)を含む複数のプリセットとして、図17のプリセット名表示欄1061に表示されている複数のプリセット名に対応するプリセットを抽出したとする。そして、当該抽出された複数のプリセットに対応する複数のプリセット名が、プリセット並び替え部610によって並び替えされた後、プリセット表示部106に表示された様子を、図18に示す。
図18に示す例では、印刷設定プロパティ1060のプリセット名表示欄1061には、上から順に、画像種類情報「写真」を含むプリセットに対応するプリセット名として、プリセット名「カラー写真−黄色削減用」、プリセット名「カラー写真−赤削減用」、プリセット名「標準」が表示されている。すなわち、プリセット名「カラー写真−黄色削減用」が並び順の上位に表示されている。
第6の実施の形態の画像処理装置60のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第7の実施の形態の画像処理装置70は、図19に示す構成になっている。画像処理装置70は、図1に示した第1の実施の形態の画像処理装置10において、画像密度算出部140およびプリセット選択部160を削除し、プリセット抽出部710、画像表示部108、第6の実施の形態のプリセット表示部106およびプリセット指定部107を追加した機能構成になっている。なお、図19において、図1に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図19においては、入力部102および表示部103は省略されている。
第7の実施の形態において、プリセット記憶部101、プリセット画像処理部120および画像種類判別部130は、第1の実施の形態の場合に比較して機能が変更されている。
プリセット記憶部101には、画像毎に、画像種類情報、記録材の消費の抑制に関する判断材料となる縮小画像(提示用の画像)、印刷設定情報およびプリセット名を含むプリセットが記憶されている。
プリセット画像処理部120は、プリセット指定部107によって指定された特定のプリセット名に対応するプリセットをプリセット読込部150によって読み込まれたプリセットの中から取得するとともに、画像入力部110から受け取った印刷画像データおよび前記取得したプリセットに含まれる印刷設定情報を印刷ジョブとして、画像出力部180へ出力する。
画像種類判別部130は、判別手段の機能を有し、印刷画像の種類を判別し、この判別した結果(画像種類情報)をプリセット抽出部710へ出力する。
プリセット抽出部710は、抽出手段の機能を有し、プリセット読込部150が読み込んだプリセット(プリセット記憶部101に記憶されているプリセット)の中から画像種類判別部130によって判別された画像の種類を示す画像種類情報を含むプリセットを抽出する。このようにして抽出されたプリセットに対応するプリセット名は、プリセット表示部106に表示される。
画像表示部108は、プリセット抽出部150によって抽出されたプリセットに対応するプリセット名に対応して、当該プリセットに含まれる縮小画像(提示用の画像)を表示する。
第7の実施の形態では、プリセット表示部106および画像表示部108は、提示手段の機能を果たす。
ここで、プリセット表示部106にプリセット名が表示されるとともに画像表示部108に縮小画像が表示された様子を、図20に示す。
図20に示す例では、表示部103に表示される印刷設定プロパティ(ドライバプロパティ)720の表示領域721および表示領域731がプリセット表示部106に対応し、また表示領域722および表示領域732が画像表示部108に対応する。
この例では、印刷画像の画像種類が「文字写真」である場合、表示領域721(プリセット表示部106)に「文字写真」と同じ画像種類を含むプリセットに対応するプリセット名(プリセット1)が表示され、また表示領域722(画像表示部108)にプリセット名(プリセット1)に対応して縮小画像が表示されている。
上記同様に、表示領域731(プリセット表示部106)に「文字写真」と同じ画像種類を含むプリセットに対応するプリセット名(プリセット2)が表示され、また表示領域732(画像表示部108)にプリセット名(プリセット2)に対応して縮小画像が表示されている。
次に、画像処理装置70のプリセット選択処理について、図21を参照して説明する。
ユーザは、画像処理装置70で動作し起動中のアプリケーションが表示部103に表示されている状態で、入力部102を操作して、当該アプリケーションから印刷コマンドを指示し、当該アプリケーションにより提供され表示部103に表示される印刷ダイアログの中の「プロパティ」ボタンを押下する。
このようにして印刷ダイアログ中の「プロパティ」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動される。
起動した画像処理部100では、プリセット読込部150は、プリセット記憶部101から全てのプリセットを読み込む。
また、画像入力部110は、アプリケーションから印刷画像データを読み込み(ステップS701)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
画像種類判別部130は、受け取った印刷画像データを基に印刷画像中のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS702)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS703)、この判別した結果をプリセット抽出部710へ出力する。
画像種類判別部130からの判別の結果(画像種類)を受け取ったプリセット抽出部710は、プリセット読込部150が読み込んだ全てのプリセットの中から画像種類判別部130によって判別された画像種類を示す画像種類情報を含むプリセットを抽出する。
次に、プリセット抽出部710は、抽出したプリセットのプリセット名をプリセット表示部106に表示させるとともに、当該抽出したプリセットに対応する縮小画像を画像表示部108に表示させる(ステップS704〜S706)。
具体的には、プリセット抽出部710は、画像種類判別130からの画像種類が「文字」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字」を示している画像種類情報を有しているプリセットを抽出し、抽出したプリセットのプリセット名をプリセット表示部106に表示させるとともに、当該抽出したプリセットに対応する縮小画像を画像表示部108に表示させる(ステップS704)。
また、プリセット抽出部710は、画像種類判別130からの画像種類が「文字写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「文字写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットを抽出し、抽出したプリセットのプリセット名をプリセット表示部106に表示させるとともに、当該抽出したプリセットに対応する縮小画像を画像表示部108に表示させる(ステップS705)。
さらに、プリセット抽出部710は、画像種類判別130からの画像種類が「写真」であった場合には、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、画像種類情報が「写真」を示している画像種類情報を有しているプリセットを抽出し、抽出したプリセットのプリセット名をプリセット表示部106に表示させるとともに、当該抽出したプリセットに対応する縮小画像を画像表示部108に表示させる(ステップS706)。
ユーザは、プリセット表示部106に表示されているプリセット名とこのプリセット名に対応して画像表示部108に表示されている縮小画像とを参照して、特定のプリセット名を選択する。
この選択された特定のプリセット名はプリセット画像処理部120に与えられるので、プリセット画像処理部120は、プリセット読込部150によって読み込まれた全てのプリセットの中から、前記特定のプリセット名に対応するプリセットを取得するとともに(ステップS707)、既に画像入力部110から受け取っている印刷画像データ、および前記取得したプリセット内の印刷設定情報を印刷ジョブとして画像出力部180へ出力する。
画像出力部180は、プリセット画像処理部120からの印刷ジョブを、図示しないプリンタに向けて出力して印刷実行を依頼する(ステップS708)。
第7の実施の形態の画像処理装置70のハードウェア構成も、図4に示した第1の実施の形態の画像処理装置10と同様になっている。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態に係わる画像処理装置について説明する。
第8の実施の形態の画像処理装置80は、図22に示す構成になっている。画像処理装置80は、図14に示した第6の実施の形態の画像処理装置60において、第7の実施の形態の画像表示部108およびプリセット抽出部710を追加した構成になっている。なお、図22において、図14に示す構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。また、図22においては、入力部102および表示部103は省略されている。
画像処理装置80は、ユーザによってRGB画像密度、RGBヒストグラム、トナー消費率、縮小画像のうちの何れかの指標によりプリセットを選択する旨が指定された場合に、その指定された指標に応じて第1の実施の形態から第7の実施の形態のうちの何れかの実施の形態の画像処理装置の機能を果たすようになっている。
第8の実施の形態において、画像処理部100は、図22に示すように、構成要素110〜180,310,320,410,420,510,610,710を有している。
プリセット記憶部101には、図2に示したデータ構造の複数のプリセットが記憶されている。
第8の実施の形態では、プリセットの保存処理について説明する。すなわち、画像処理装置80のプリセット保存処理について、図23を参照して説明する。
ユーザは、画像処理装置80で動作し起動中のアプリケーションが表示部103(図22では図示せず)に表示されている状態で、入力部102(図22では図示せず)を操作して、当該アプリケーションから印刷コマンドを指示し、当該アプリケーションにより提供され表示部103に表示される印刷ダイアログの中の「プロパティ」ボタンを押下する。
このようにして印刷ダイアログ中の「プロパティ」ボタンが押下されると、プリンタドライバとしての画像処理部100が起動され、この起動した画像処理部100によって印刷プロパティ(ドライバプロパティ)が表示部103に表示される。ユーザは、入力部102を操作して、表示部103に表示された印刷プロパティの中の「保存」ボタンを押下する。
このようにしてユーザによって印刷プロパティの中の「保存」ボタンが押下されると、画像処理部100では、プリセット読込部150は、プリセット記憶部101からデフォルト印刷設定情報を読み込む。この場合は、プリセット記憶部101内のプリセットは読み込まれない。
また、画像入力部110は、アプリケーションから印刷画像データ(RGBの印刷画像データ)を読み込み(ステップS801)、読み込んだ印刷画像データをプリセット画像処理部120および画像種類判別130へ出力する。
画像種類判別部130は、受け取った印刷画像データを基に印刷画像中のグラフィックスとイメージとの割合を算出し(ステップS802)、この算出した結果を基に当該印刷画像の画像種類を判別し(ステップS803)、この判別した判別結果をプリセット画像処理部120へ出力する。
プリセット画像処理部120は、受け取った上記判別結果が、文字を示す画像種類情報の場合には当該印刷画像の画像種類は文字であると認識し(ステップS804)、また文字写真を示す画像種類情報の場合には当該印刷画像の画像種類は文字写真であると認識し(ステップS805)、さらに写真を示す画像種類情報の場合には当該印刷画像の画像種類は写真であると認識する(ステップS806)。
プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取っているRGBの印刷画像データからデフォルト設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)を生成するとともに、このデフォルト設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成し(ステップS807)、さらに、この生成したCMYK色の色毎の出力プレーン情報を画像密度算出部410へ出力する。
また、プリセット画像処理部120は、画像入力部110から受け取っているRGBの刷画像データから当該印刷画像にかかわる印刷設定情を適応した印刷設定適用時の印刷画像(CMYKの印刷画像)を生成するとともに、印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成し(ステップS808)、さらに、この生成したCMYK色の色毎の出力プレーン情報を画像密度算出部410へ出力する。
画像密度算出部410は、プリセット画像処理部120からのデフォルト設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度を算出するとともに、プリセット画像処理部120からの印刷設定適用時の印刷画像に対応するCMYK色の色毎の出力プレーン情報を基にCMYK画像密度を算出する(ステップS809)。
また、上述したようにしてCMYK色の色毎の出力プレーン情報を生成したプリセット画像処理部120は、画像入力部110からのRGBの印刷画像データを基に、RGB色の色毎の出力プレーン情報を生成し、このRGB色の色毎の出力プレーン情報を画像密度算出部140へ出力する。
画像密度算出部140は、プリセット画像処理部120からのRGB色の色毎の出力プレーン情報を基にRGB画像密度を算出する(ステップS810)。
上述したようにしてRGB色の色毎の出力プレーン情報を生成したプリセット画像処理部120は、画像入力部110からのRGBの印刷画像データに対し予め決められた縮小倍率で縮小処理を施して縮小画像を生成する(ステップS811)
最後に、プリセット保存処理部170は、ステップS811で生成された印刷画像に関する縮小画像、ステップS804〜S806の何れかのステップで認識された画像種類を示す画像種類情報、ステップS810で算出された印刷画像にかかわるRGB画像密度(RGBの累積値)、ステップS809で算出されたデフォルト設定適用時の印刷画像(CMYK色の色毎の出力プレーン情報)にかかわるCMYK画像密度(CMYKの累積値)、および印刷設定適用時の印刷画像(CMYK色の色毎の出力プレーン情報)にかかわるCMYK画像密度(CMYKの累積値)、ステップS801で読み込まれた印刷画像にかかわる印刷設定情報を、今回の印刷画像に関するプリセットとしてプリセット記憶部101に保存する(ステップS812)。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
すなわち、画像処理プログラムを含むプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
さらには、画像処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。