ところで、この種の荷台移動式運搬車は、周囲に他の交通がある場所で荷台4上に積載物(被運搬車輌S)を載せ降ろしする場合が多く、図26又は図27に示す荷台作業状態では、荷台4が後方に長く突出していることにより運搬車の全長が非常に長くなって周囲の交通の邪魔になることがある。そして、荷台作業状態では、荷台4が地面に近い位置にあるので、周囲の人からは該運搬車が荷台作業状態であるかどうかを遠くからでは識別しづらい状況にあり、周囲の人が運搬車にかなり近づいた時点で当該運搬車が荷台作業状態であることに気づくことがある。
又、夜間での積載物載せ降ろし作業時には、周囲が暗いので運搬車が荷台作業状態であることを灯火(例えばハザードランプ)により周囲に告知することが有効であるが、荷台作業状態では運搬車の後部灯が荷台4や積載車輌S等に遮られて運搬車の後方からは見えにくい状況となっている。
又、この種の荷台移動式運搬車では、荷台前部の門型枠体45の左右フレーム部分に補助方向指示器を設けて、該補助方向指示器を積載物載せ降ろし作業時の告知手段に利用している場合があるが、道路運送車両法の保安基準に適合させるために該補助方向指示器の大きさや光度に制限があって、荷台作業状態の表示として十分な告知機能を達成できていないのが現状である。
さらに、このように門型枠体45の左右フレーム部分に補助方向指示器を設けたものでは、図27に示すように荷台4を低車高車積み込み用の緩傾斜角状態まで降ろしたときに、該補助方向指示器が荷台4上の被運搬車輌Sに遮蔽されて見えにくくなることがある(煽り板44を立上げた状態では該煽り板44によっても該補助方向指示器が遮蔽されることがある)。
又、運搬車1のキャビン1aの上に回転灯を設けると、周囲から運搬車の存在を確認し易くなるが、このような回転灯(固定式のもの)は緊急車輌等の一部の車輌にのみ認められた装備品であり、一般車輌への回転灯の設置は認められていない(違法装備となる)。
そこで、本願発明は、この種の荷台移動式運搬車において、運搬車が荷台作業状態であることを告知する告知手段を設けて運搬車の周囲に荷台作業状態であることを告知し得るようにする一方、運搬車が荷台作業状態でないときには(荷台格納状態では)該告知手段が周囲から見えない(荷台作業状態であることを告知しない)ようにした、荷台作業状態告知装置を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、荷台を後方移動及び後傾させて荷台上に積載物(主として車輌)を載せ降ろし可能とした荷台移動式運搬車を対象としている。
本願で対象としている荷台移動式運搬車は、運搬対象物として車輌のほかに農業機械や小型船舶(ボート)や重機等の運搬にも適用できるものである。尚、以下の説明において、前方又は前部とは車輌の前方側のことであり、後方又は後部とは車輌の後方側のことであり、左右とは車輌の幅方向のことである。又、以下の説明において、荷台作業状態とは、荷台が後方移動且つ後傾して荷台後端部が接地した状態(積載物載せ降ろし可能状態)のことである。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明で使用される荷台移動式運搬車は、シャシフレームを有する車輌と、シャシフレームの後端部位置において傾動自在に支持された傾斜フレームと、傾斜フレーム上に車輌前後方向に移動自在に支持された荷台と、荷台を傾斜フレームに対して車輌前後方向に移動させる伸縮シリンダと、傾斜フレームを傾動させ得るようにした傾動装置とを備えたものである。
シャシフレームと傾斜フレームとは、それぞれ左右(車輌幅方向)に2組あり、傾動装置も左右に2組の部材を有する部分がある。
シャシフレーム上には、左右一対のサブフレームを設置することができるが、サブフレームを有しないものも採用できる。尚、本願の特許請求の範囲では、サブフレームを有したものにおいても、該サブフレームを含めてシャシフレームと表現している。
傾斜フレームは、長尺で左右一対有している。そして、この傾斜フレームは、シャシフレーム(又はサブフレーム)の後端部位置において傾動自在に支持されている。
傾斜フレームの後端部には、支持脚が取付けられる。この支持脚は、一定長さ(不変長さ)のものでもよいが、後述の実施例のように傾斜フレーム後端部の支持高さを「高支持状態」と「低支持状態」とに変化させ得るように構成したものも採用できる。
荷台の後端部には、車輌乗込み用の煽り板を起伏自在に取付けることができる。又、荷台の前端部には、一般に鳥居状の門型枠体が設置されているが、この門型枠体は車輌のキャビンの高さとほぼ同じ高さを有し、且つ該門型枠体内はキャビンから後方を透視するために空間部となっている。尚、この門型枠体の下部寄りの所定小高さ範囲には、腰板を取付けたものが多い。
荷台を前後移動させる伸縮シリンダには、長尺の油圧シリンダが使用されている。又、この伸縮シリンダの伸縮ストロークだけでは荷台の前後移動量を十分に確保できない場合には、倍速装置を使用して伸縮シリンダの伸縮量に対して荷台を2倍の量だけ前後移動させ得るようにすることができる。尚、この倍速装置は、チエンやワイヤ等を滑車に巻き掛けたものを採用できる。
傾斜フレームを傾動させるための傾動装置としては、傾斜フレームを傾動させ得るものであれば、適宜の構成のものが採用できる。この傾動装置の動力源には、後述の実施例のように上記した荷台前後移動用の伸縮シリンダを利用してもよく、あるいは該伸縮シリンダとは別の傾動シリンダを使用してもよい。
そして、本願で使用する荷台移動式運搬車は、荷台格納状態では傾斜フレーム及び荷台がそれぞれシャシフレーム上において水平姿勢になる一方、荷台作業状態では荷台が傾斜フレームに対して後方移動すると共に該荷台と傾斜フレームとが後傾した姿勢となる。尚、荷台作業状態では、傾斜フレームがかなりの角度で後傾していることにより、該傾斜フレームの前端部がかなり上方(高所)に位置するようになる。
ところで、この種の荷台移動式運搬車は、周囲に他の交通がある場所で荷台上に被運搬車輌を載せ降ろしすることが多いが、荷台作業状態(荷台後端部を接地させた状態)では荷台が地面に近い位置にあるので、周囲の人からは該運搬車が荷台作業状態であるかどうかを遠くからでは識別しづらい状況となっている。
そこで、本願発明では、上記の荷台移動式運搬車に、荷台作業状態であることを運搬車の遠くからでも周囲の人が認識できるようにした荷台作業状態告知装置を備えている。
本願請求項1の荷台作業状態告知装置は、傾斜フレームの前端部に運搬車が荷台作業状態であることを告知する告知手段を設けている。尚、この告知手段は、荷台格納状態では荷台の前端部(門型枠体の前面)と車輌のキャビンの後面との間のスペースに収容させている。
そして、この請求項1の荷台作業状態告知装置は、傾斜フレームが後傾し且つ荷台後端部が接地した荷台作業状態では告知手段を車輌後方から視認できる高所に位置させる一方、傾斜フレーム及び荷台が水平姿勢となる荷台格納状態では告知手段を車輌後方から視認できない低所に位置させるようにしたものである。
即ち、荷台作業状態では、告知手段が高所に位置していて該告知手段を車輌後方から視認できる一方、荷台格納状態では、告知手段が低所に位置していて該告知手段が荷台に設けた構造物(門型枠体の腰板)に遮蔽されて車輌後方からは見えないようになっている。尚、荷台が一般車高車積込み用の通常傾斜角状態では、傾斜フレーム前端部が荷台前部の門型枠体の上フレームの高さより低位置になるが、門型枠体内には後方透視用の空所が設けられているので、傾斜フレーム前端部の告知手段を運搬車の後方から門型枠体内の空所を通して視認できる。
この請求項1の荷台作業状態告知装置で使用される告知手段としては、例えば単なる板状(看板状)のものやランプ(例えば回転灯)等を採用できる。
告知手段として板状のもの(告知板)を採用する場合は、横長の告知板を使用して傾斜フレームの前端部に対して左右に長い状態で取付ける。このとき、該告知板を直接傾斜フレーム前端部に固定してもよいが、傾斜フレームが傾動する関係で該告知板を前後に揺動自在に取付けて(告知板の上端部を、左右水平向きの支軸で枢支したりフックで吊持したりするとよい)、傾斜フレームの傾斜角度に拘わらず告知板が自重で常に鉛直姿勢に向くようにすることもできる。
又、告知板(板状のもの)を使用したものでは、少なくともその後面側(後方から見える側)に「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよい。さらに告知板は、発光式にしたり光反射材を使用することができ、その場合は夜間においても周囲の人からよく見えるようになる。
他方、告知手段としてランプ(例えば回転灯)を使用したものでは、走行状態で外部から見える位置にあると道路運送車両法の保安基準に適合できない虞れがあるが、走行状態(荷台格納状態)では告知手段を見えない(又は見えにくい)位置に位置させることができるので、ランプ(例えば回転灯)を使用しても何ら支障がない。
そして、この請求項1の荷台作業状態告知装置は次のように機能する。
即ち、荷台作業状態では、傾斜フレームがかなりの角度まで後傾することにより傾斜フレームの前端部がかなり高所に位置し、傾斜フレーム前端部に設けている告知手段もかなり高所に位置することになる。このように告知手段が高所に位置すると、運搬車の後方のかなり遠くからでも告知手段を視認でき、周囲の人から見て前方の運搬車が荷台作業状態(全長が長い状態)であることを容易に確認できる。
他方、荷台が車輌(シャシフレーム)上に格納されている状態では、傾斜フレームが水平姿勢になって傾斜フレーム前端部が低所に位置することにより告知手段も低所に位置するようになる。このように荷台格納状態では、告知手段が低所に位置していて運搬車の後方からは告知手段が荷台で(例えば門型枠体の腰板で)遮蔽されて見えなくなる。従って、運搬車の後方からは、告知手段が見えないことによって前方の運搬車が荷台作業状態でないこと(全長が短い状態であること)を確認できる。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の荷台作業状態告知装置において、傾斜フレームの最大後傾状態で、該傾斜フレームの前端部に設けた告知手段が車輌のキャビンの上面より上方に位置する高さまで持ち上げられるようにしていることを特徴としている。
本願発明で適用される荷台移動式運搬車は、後述の実施例で示すように、荷台を通常傾斜角状態(例えば図8)で被運搬車輌の載せ降ろし作業を行う場合と、緩傾斜角状態(例えば図10)で被運搬車輌の載せ降ろし作業を行う場合とがある。
そして、荷台が通常傾斜角状態(図8)では、傾斜フレームが比較的小さい傾斜角度(図8の例では傾斜角度が11°〜12°)であるので、傾斜フレーム前端部の高さが車輌のキャビンの上面より低位置にあって該傾斜フレーム前端部に設けている告知手段も車輌のキャビンの上面より低位置にあり、該告知手段が運搬車の前方からは見えない。他方、荷台が緩傾斜角状態(図10)では、傾斜フレームが比較的大きい傾斜角度(図10の例では傾斜角度が23°〜24°)であるので、傾斜フレーム前端部の高さが車輌のキャビンの上面より上方にあって該傾斜フレーム前端部に設けている告知手段も車輌のキャビンの上面より高位置にあり、該告知手段が運搬車の前方側からも見えるようになる。
従って、この請求項2の荷台作業状態告知装置では、荷台の緩傾斜角状態(図10)においては運搬車の前後両方から告知手段を見ることができる。
尚、この請求項2において、告知手段として回転灯を使用したものでは、運搬車の前後両側に荷台作業状態であることを告知できるが、告知手段として板状のもの(告知板)を使用したものでは、該告知板の表裏両面にそれぞれ「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよい。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の荷台作業状態告知装置において、告知手段として、傾斜フレームの前部寄り位置に荷台が後方移動した状態で車輌側方から視認できる側方告知板を設けたものを採用していることを特徴としている。
この請求項3で使用している側方告知板は、左右に一対(2枚)設けることが好ましいが、1枚だけでもよい。又、この側方告知板の外面側にも「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよく、さらにこの側方告知板も発光式にしたり光反射材を使用することができる。
この請求項3のように側方告知板を設けていると、メインの後方告知手段の機能のほかに運搬車の側方からも荷台作業状態であることを告知できる。
[本願請求項4の発明]
本願請求項4の発明の荷台作業状態告知装置は、上記請求項1で使用される荷台移動式運搬車において、傾斜フレームの前部寄り位置に運搬車が荷台作業状態であることを車輌側方に告知できる側方告知板を設けたものである。
この側方告知板は、傾斜フレームが後傾し且つ荷台後端部が接地した荷台作業状態では車輌側方から視認できる姿勢とする一方、傾斜フレーム及び荷台が水平姿勢となる荷台格納状態では車輌側方から視認できない姿勢となるようにしている。尚、ここで云う「車輌側方から視認できない姿勢」とは、側方告知板が「告知板」として機能しない状態(例えば後述するように、請求項5のように前後に折畳んだ状態のものや、請求項6のように左右水平向きに倒した状態のもの)を含むものである。
この請求項4の発明の荷台作業状態告知装置は、運搬車が荷台作業状態であることを少なくとも車輌側方から視認できるものであればよく、側方告知板のみを設けたものでもよいが、上記の請求項3、後述の請求項5及び請求項6のように車輌後方から視認できる告知手段を設けたものであってもよい。
そして、この請求項4の発明の荷台作業状態告知装置では、荷台作業状態にあるときに、側方告知板が車輌側方から見えることにより、前方の運搬車が荷台作業状態であることを車輌側方に告知できる。
又、荷台格納状態では、側方告知板が車輌側方から見えない姿勢となるので、運搬車の側方からは、告知手段が見えないことによって前方の運搬車が荷台作業状態でないことを確認できる。
尚、この請求項4で使用している側方告知板も、左右に一対(2枚)設けることが好ましいが、1枚だけでもよい。又、この側方告知板の外面側にも「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよく、さらにこの側方告知板も発光式にしたり光反射材を使用することができる。
[本願請求項5の発明]
本願請求項5の発明は、上記請求項3又は4の荷台作業状態告知装置において、側方告知板は、前後に分割した複数枚の分割板を折畳み可能に連結したものを使用している一方、該側方告知板を荷台の前後動により折畳み状態と伸展状態とに変化させ得るようにしていることを特徴としている。
この請求項5の側方告知板は、前後に分割した複数枚の分割板を折畳み可能に連結したものであるが、各分割板はバネのような付勢手段で伸展方向に付勢させておくとよい。尚、分割板は1枚の側方告知板につき2〜4枚程度が適当である。
そして、この側方告知板は、荷台格納状態では後方側の分割板が荷台前部で前方に押されることにより、各分割板が荷台前部(門型枠体の前面)と車輌のキャビン後面との間のスペース内で折畳まれる一方、荷台が後方移動すると、荷台前部による押圧力が解除されることにより、各分割板が付勢手段(バネ)で平面状に伸展するようになっている。
このように、側方告知板として前後に折畳み可能としたものを採用すると、荷台格納状態において荷台前部とキャビン後面との間の狭いスペースであっても該側方告知板をコンパクトに格納できる。又、この側方告知板は、荷台の前後動に連動して折畳み状態(格納状態)と伸展状態(使用状態)とに変化させることができる。
尚、この請求項5で使用している側方告知板も、左右に一対(2枚)設けることが好ましいが、1枚だけでもよい。又、この側方告知板の外面側にも「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよく、さらにこの側方告知板も発光式にしたり光反射材を使用することができる。
[本願請求項6の発明]
本願請求項6の発明は、上記請求項3又は4の荷台作業状態告知装置において、側方告知板は、その上辺部を傾斜フレームの下面高さにおいて傾斜フレームの長さ方向と平行な支軸で枢支して該側方告知板の下部側が左右に揺動し得るように設置し、荷台作業状態である傾斜フレームの傾斜状態では側方告知板が下方に垂れ下げられた使用姿勢となる一方、傾斜フレームが傾斜姿勢から水平姿勢に近づくにつれて側方告知板の下端が車輌側の定位置部材に衝合して側方告知板が左右水平向きに倒された格納姿勢になるようにしていることを特徴としている。
この請求項6において、上記定位置部材としては、例えば左右のシャシフレーム間にバー材を架設したものを採用できる。そして、この定位置部材は、側方告知板が垂れ下げ姿勢(縦向き姿勢)で傾斜フレームとともに下動して該側方告知板の下端が定位置部材(バー材)上に衝合したときに、該側方告知板を左右水平向きに倒す機能を有している。
ところで、本願で適用している荷台移動式運搬車では、荷台格納状態において傾斜フレームの前部寄り位置(側方告知板の設置位置)の下方には車輌の各種装置が設置されている関係で、傾斜フレームの前部寄り下面の下方に側方告知板を垂れ下げ姿勢(縦向き姿勢)で収容し得る高さの余剰スペースがないのが現状である。
そこで、この請求項6では、荷台格納動作時に側方告知板を上記定位置部材(バー材)により左右水平向きに倒した姿勢にすることにより、高さの狭い余剰スペースであっても側方告知板を格納可能としている。
尚、この請求項6で使用している側方告知板も、左右に一対(2枚)設けることが好ましいが、1枚だけでもよい。又、この側方告知板の外面側にも「作業中」や「前方注意」等の告知文字を表示するとよく、さらにこの側方告知板も発光式にしたり光反射材を使用することができる。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の荷台作業状態告知装置は、荷台作業状態において告知手段がかなり高所に位置するので、周囲の人が該告知手段を運搬車後方のかなり遠い位置からでも視認することができる。
従って、周囲の人が運搬車後方から、前方で停車している運搬車の告知手段を見ることによって、当該運搬車が荷台作業状態であることを遠くからでも容易に確認でき、周囲の人が余裕をもって対処できるという効果がある。
又、荷台格納状態では、傾斜フレームが水平姿勢となって傾斜フレーム前端部の告知手段が低所の見えない位置に格納されるので、周囲に誤解を与えることがない。即ち、荷台格納状態で告知手段が見える位置にあると、それを見た周囲の人が荷台作業状態であると勘違いすることがあるが、荷台格納状態では告知手段が見えないようにすることにより、告知手段を備えたものであっても周囲に誤解を与えないで済むという効果がある。
さらに、告知手段を上記高所と上記低所間で昇降させるのに、傾斜フレームの既存の傾動動作で行えるので、告知手段を昇降させるための特別な昇降手段が不要となるという効果もある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の荷台作業状態告知装置において、傾斜フレームの最大後傾状態で告知手段を車輌のキャビンの上面より上方に位置する高さまで持ち上げるようにしている。
従って、この請求項2の荷台作業状態告知装置では、上記請求項1の効果に加えて、告知手段を運搬車の前方側からも視認できるので、運搬車の前方側にも荷台作業状態であることを告知できる機能を有するという効果がある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の荷台作業状態告知装置において、傾斜フレームの前部寄り位置に側方告知板を設けているので、上記請求項1又は2の効果に加えて、側方告知板により運搬車の側方からも荷台作業状態であることを確認できるという効果がある。
[本願請求項4の発明の効果]
本願請求項4の発明は、傾斜フレームの前部寄り位置に運搬車が荷台作業状態であることを車輌側方に告知できる側方告知板を設けているので、運搬車側方のかなり遠くからでも該側方告知板を見ることができ、それによって運搬車側方から前方の運搬車が荷台作業状態であることを確認できるという効果がある。
又、この請求項4の発明でも、荷台格納状態では側方告知板が車輌側方から見えない姿勢となるので、側方告知板を備えたものであっても周囲に誤解を与えないで済むという効果がある。
[本願請求項5の発明の効果]
本願請求項5の発明は、上記請求項3又は4の荷台作業状態告知装置において、側方告知板を前後に折畳み可能にし、且つ該側方告知板を荷台の前後動に連動して折畳み状態(格納状態)と伸展状態(使用状態)とに変化させ得るようにしている。
従って、この請求項5の荷台作業状態告知装置では、上記請求項3又は4の効果に加えて、側方告知板を前後に折畳んだ状態で格納できるので、狭いスペースであっても側方告知板をコンパクトに格納できるという効果がある。
又、この側方告知板は、荷台の前後動に連動して折畳み状態(格納状態)と伸展状態(使用状態)とに変化させることができるので、該側方告知板を格納状態と使用状態とに変化させるのに、特別な手段が不要で且つ自動で行えるという効果がある。
[本願請求項6の発明の効果]
本願請求項6の発明は、上記請求項3又は4の荷台作業状態告知装置において、側方告知板を傾斜フレームの傾動動作に連動して下方垂れ下げ姿勢(使用姿勢)と水平向き姿勢(格納姿勢)とに変化させ得るようになっている。
従って、この請求項6の荷台作業状態告知装置では、上記請求項3又は4の効果に加えて、側方告知板を水平向き姿勢で格納できるので、傾斜フレーム下方の高さの狭い余剰スペースであっても側方告知板を格納できるという効果がある。
又、この請求項6の荷台作業状態告知装置では、側方告知板を荷台の前後動に連動して格納状態と使用状態とに変化させることができるので、該側方告知板を格納状態と使用状態とに変化させるのに、特別な手段が不要で且つ自動で行えるという効果がある。
[実施例]
以下、図1〜図23を参照して本願実施例の荷台移動式運搬車における荷台作業状態告知装置を説明すると、図1〜図11には本願第1実施例の荷台作業状態告知装置を備えた荷台移動式運搬車を示し、図12〜図17には本願第2実施例の荷台作業状態告知装置を備えた荷台移動式運搬車を示し、図18〜図22には本願第3実施例の荷台作業状態告知装置を備えた荷台移動式運搬車を示し、図23には本願第4実施例の荷台作業状態告知装置を備えた荷台移動式運搬車を示している。
本願各実施例(第1実施例〜第4実施例)の荷台作業状態告知装置の機能の概略は、荷台4の後端部が接地した荷台作業状態であるときに、その荷台作業状態であることを告知手段100により周囲(主として運搬車の後方側)に告知するようにしたものである。
そして、この各実施例の荷台作業状態告知装置の詳細については後述するが、まずこの荷台作業状態告知装置を採用している荷台移動式運搬車の構成について説明する。尚、本願の各実施例で使用している荷台移動式運搬車の基本構成は、図24及び図25に示す公知例のものと支持脚9を除いてほぼ同じものであり、公知例の説明と重複する部分があるが、本願実施例の荷台移動式運搬車の構成についてさらに詳細に説明する。尚、本願の第1〜第4実施例で使用している各荷台移動式運搬車は相互に同じものであるので、図1〜図11に示す第1実施例の荷台移動式運搬車を代表として説明する。
この実施例の荷台移動式運搬車は、図1〜図5に示すように、左右一対のシャシフレーム11,11を有する車輌1と、各シャシフレーム11,11上のサブフレーム12,12に固定されたガイドレール2,2と、サブフレーム12,12の後端部においてそれぞれ傾動自在に支持された左右一対の傾斜フレーム3,3と、各傾斜フレーム3,3上に車輌前後方向に移動自在に支持された荷台4と、荷台4を傾斜フレーム3,3に対して車輌前後方向に移動させる伸縮シリンダ51を有し且つ該伸縮シリンダ51の伸縮動によって傾斜フレーム3,3を荷台4と共にガイドレール2,2に対して傾動させる傾動装置5とを備えて構成されている。
尚、本願実施例の説明において、前方又は前部とは車輌1の前方側のことであり、後方又は後部とは車輌1の後方側のことであり、左右とは車輌1の幅方向のことである。
この実施例(図1〜図5)の荷台移動式運搬車では、左右のシャシフレーム11,11上にそれぞれサブフレーム12,12が固定されている。各サブフレーム12,12の後端部は連結部13で連結されている。各サブフレーム12,12の各上面には、それぞれサブフレーム長さ方向に適宜間隔を隔てた複数位置に、後述する荷台4の各縦根太42,42を摺動させるための摺接板14,14・・が取付られている(図2、図4参照)。尚、他の実施例では、シャシフレーム11上にサブフレーム12を設けないものも採用でき、その場合は各シャシフレーム11,11上に上記摺接板14,14・・を取付けるとよい。
左右の各ガイドレール2,2は、それぞれ所定長さを有する断面コ型のフレーム材が使用されている。この各ガイドレール2,2は、それぞれ車輌前後方向に向けた状態で左右の各サブフレーム12,12に固定している。尚、サブフレーム12,12を使用しない場合には、ガイドレール2,2を直接シャシフレーム11,11に取付ける。
この各ガイドレール2,2の形状(案内軌条)は、伸縮シリンダ51の伸縮時に傾斜フレーム3,3をスムーズに(ほぼ等速で)傾動させ得るように設定されている。具体的には、各ガイドレール2,2は、前部に後方に向けて上り傾斜する上り傾斜部21と中間部に水平部22と後部に後方に向けて下り傾斜する下り傾斜部23とを連続して形成している。又、各ガイドレール2,2には、それぞれ全長に亘って内向きガイド溝24が形成されている。尚、他の実施例では、各ガイドレール2,2に形成されるガイド溝を外向きガイド溝としてもよい。
各傾斜フレーム3,3には、前後に長いH型鋼(コ型材を背中合わせに結合させた構造の部材でもよい)が使用されている。尚、この各傾斜フレーム3,3は、シャシフレーム11の全長よりかなり長い長さを有している。この各傾斜フレーム3,3の左右両側には、それぞれ全長に亘って内向きガイド溝31と外向きガイド溝32とが形成されている。又、この両傾斜フレーム3,3は、長さ方向の後端部付近において連結材33(図3)で連結されている。
各傾斜フレーム3,3の後端部には、それぞれ下向きの支持脚9が取付けられている。尚、この支持脚9の詳細については後述する。
この各傾斜フレーム3,3は、長さ方向中央部よりやや後方寄り位置をサブフレーム12,12の後部連結部13上に傾動自在に支持(支持部8)している。この実施例では、該支持部8は、各傾斜フレーム3,3の下面に設けた各ブラケット82,82をサブフレーム12の後部連結部13に設けた各ブラケット81,81にそれぞれ支軸83で枢着している。そして、この各傾斜フレーム3,3は、図1に示すようにシャシフレーム11,11(サブフレーム12)上において水平状態となる格納姿勢と、図8及び図10に示すように支持部8を中心にして支持脚9が接地した後傾姿勢との間で傾動し得るようになっている。
荷台4は、車輌載せ台41の下面に左右2本の底フレーム42,42を有している。尚、この底フレーム42,42は一般に縦根太と称されており、以下の説明では、この底フレームを縦根太という。
この各縦根太42,42は、車輌載せ台41の左右幅の中心線から左右に所定等間隔を隔てた位置に配置されている。両縦根太42,42間の間隔は、前記両傾斜フレーム3,3間の間隔よりかなり広い間隔に設定している。
車輌載せ台41の後端部下面には、その左右各外端寄り位置にそれぞれ接地ローラ43が取付けられている。尚、この接地ローラ43は、左右各外端寄りの2箇所のほかにその中間部にも追加してもよい(例えば合計3箇所)。又、荷台4の後端部には、煽り板44を起伏自在に取付けている。
荷台4の前端部には、フレーム材からなる鳥居状の門型枠体45が設けられている。この門型枠体45は、車輌1のキャビン1aの上面とほぼ同高さを有しているが、門型枠体45内はキャビン1a内から後方透視し得るようにするために空間部となっている(図7)。この門型枠体45の下部位置には、図7に示すように所定高さ(例えば高さが30〜40cm)の腰板46が設けられている。又、この門型枠体45の左右の各フレームには、荷台格納状態において後述する告知手段100が車輌側方から見えないようにするための遮蔽板47,47をそれぞれ前方に向けて突出する状態で取付けている。
各サブフレーム12,12の各後端部(各ブラケット81,81部分)には、それぞれ荷台4の左右各縦根太42,42を受ける左右一対の受けローラ38,38(図2〜図4)が取付けられている。この各受けローラ38,38は、図1に示す荷台格納状態から図8に示す荷台後端部(接地ローラ43)が接地するまでの範囲で、荷台4の左右各縦根太42,42をそれぞれ下面側から支持して、該荷台4を安定状態で移動させるようにするものである。
傾動装置5は、上記ガイドレール2と、1本の伸縮シリンダ51と、該伸縮シリンダ51のチューブ52に取付けられていて各ガイドレール2,2の内向きガイド溝24,24に沿って移動する各ローラ55,55と、後述する各ローラ59,59で構成されている。尚、この実施例では、傾動装置5として後述の各ローラ59,59を構成要素の1つに入れているが、他の実施例では該各ローラ59,59を使用しないこともあり、その場合は該各ローラ59,59が傾動装置5の構成要素から外される。
伸縮シリンダ51のチューブ52には、図2及び図4に示すように、その前端部及び後端部にそれぞれ左右外向きに突出する軸を設けて該各軸の先端部にそれぞれ左右一対とする前後2組のローラ(前ローラ57,57、後ローラ58,58)を設けている。尚、他の実施例では、このローラ57,58に替えてスライダー(又はスライドプレート)で構成してもよい。そして、この伸縮シリンダ51は、シリンダロッド53を前部側に向けた状態で、該シリンダロッド53の先端部を各傾斜フレーム3,3の前端部に設けたブラケット36(図2、図4参照)に支軸35(図2参照)で連結するとともに、シリンダチューブ52の前後各端部に設けた前後2組の各ローラ57,57、58,58をそれぞれ左右の傾斜フレーム3,3の各内向きガイド溝31,31に沿って転動するようにして取付けている。従って、この伸縮シリンダ51は、伸縮時に傾斜フレーム3に対してシリンダチューブ52側が移動し、且つ前後・左右(合計4つ)の各ローラ57,57、58,58がそれぞれ各傾斜フレーム3,3の内向きガイド溝31,31に沿って移動するので、側面視において伸縮シリンダ51が傾斜フレーム3に対して平行姿勢を維持したままで伸縮するようになっている。
傾動装置5の一部となる左右1組のローラ55,55は、シリンダチューブ52の前部寄り位置においてそれぞれ短小な下向きアーム54,54の下端部に外向き状態で取付けられていて、それぞれガイドレール2,2の内向きガイド溝24,24内に嵌入されている。そして、この各ローラ55,55は、伸縮シリンダ51が伸縮すると、各ガイドレール2,2の内向きガイド溝24,24に沿って前後に移動し、そのとき伸縮シリンダ51を介して各傾斜フレーム3,3が支持部8を中心に傾動するようになっている。
尚、ガイドレール2の下り傾斜部23の傾斜角は、ローラ55が該下り傾斜部23の範囲を移動する際に傾斜フレーム3が略一定の傾斜姿勢を維持するように設定している。即ち、ローラ55が下り傾斜部23の始端部に達した時点から、図10に示すように該ローラ55が下り傾斜部23の終端部付近に達するまでは、傾斜フレーム3に対して傾動作用が働かないようにしている。
各下向きアーム54,54の外面には、図2〜図4に示すようにそれぞれローラ59,59が取付けられている。この各ローラ59,59は、シリンダチューブ52の前後に取付けている各ローラ57,58と同様に、左右の傾斜フレーム3,3のそれぞれ内向きガイド溝31,31内に嵌入させている。又、上記実施例では、各ローラ59,59を各ガイド溝31,31に1個ずつ嵌入させたが、該ローラ59を各アーム54,54の前後にそれぞれ2個ずつ配置してその各2個のローラ59をそれぞれ各ガイド溝31,31に嵌入させるようにしてもよい。その場合は、各アーム54,54が一層安定状態でガイドされるとともに、各アーム54,54に大きな負荷が加わったりこねる作用が生じたとき等にも該アーム54,54を安定状態に維持させることができる。尚、各アーム54,54に符号59のローラ(前後に1個ずつでも2個ずつでもよい)を取付ける場合は、符号57で示す前側の各ローラを省略してもよい。
荷台4は、各傾斜フレーム3,3上を倍速装置Aによって伸縮シリンダ51の伸縮量の2倍の量だけ前後に移動し得るように設置されている。この倍速装置Aは、移動体6と左右のチエン7,7を有して構成されている。
移動体6は、左右のフレーム61,61を連結板62で連結するとともに、各フレーム61,61の内面にそれぞれ前後2つずつ(合計4つ)のローラ63,63・・を取付けている。移動体6の左右各側のローラ63,63・・は、それぞれ各傾斜フレーム3,3の外向きガイド溝32,32に嵌合されていて、移動体6が各傾斜フレーム3,3に沿って前後に移動し得るようになっている。尚、この移動体6は、側面視において各傾斜フレーム3,3に対して常に平行姿勢を維持した状態で前後移動する。
左右の各チエン7,7は、図3及び図4に示すようにそれぞれ2分割された第1分割チエン71と第2分割チエン72とを有している。尚、他の実施例では、該チエン7は1本のエンドレス状のものを使用してもよい。又、他の実施例では、チエン7に代えてワイヤを使用してもよい。
この実施例では、各チエン7,7は、次のように取付けられている。まず伸縮シリンダ51のチューブ52の前端部及び後端部には、それぞれシリンダチューブ52の左右各外側にチエン巻掛け用の滑車(合計4つ)56,56・・が取付けられている。尚、この実施例では、各滑車56,56・・は、上記した前後2組のローラ57,57、58,58のそれぞれ内側において同軸上に設置されている。そして、図3及び図4に示すように、一方の各第1分割チエン71,71は、各後側の滑車56,56に巻掛けた状態で該各第1分割チエン71,71の前側端部を移動体6の連結板62に固定する一方、該各第1分割チエン71,71の後側端部を傾斜フレーム3,3に固定している。又、他方の各第2分割チエン72,72は、各前側の滑車56,56に巻掛けた状態で該各第2分割チエン72,72の前側端部を移動体6の連結板62に固定する一方、該各第2分割チエン72,72の後側端部を傾斜フレーム3,3に固定している。
荷台4は、移動体6に対して荷台前端部寄り位置において支軸(同軸上に左右2本ある)64により一点で枢着されている。即ち、図3及び図4において、移動体6の左右各フレーム61,61に形成した軸穴64aと荷台4の左右各縦根太42,42の前端部寄り位置に形成した軸穴64bにそれぞれ支軸64(図1、図2、図5参照)を挿通することによって、荷台4を移動体6に対して側面視において一点で枢着している。
そして、この倍速装置Aは、伸縮シリンダ51が伸縮すると、移動体6を前後の各滑車56,56及びチエン7(第1分割チエン71及び第2分割チエン72)によって伸縮シリンダ51の伸縮量の2倍の長さだけ前後移動せしめ、従って荷台4も移動体6とともに伸縮シリンダ51の伸縮量の2倍の長さだけ前後移動せしめるようになっている。
支持脚9は、左右の各傾斜フレーム3,3のそれぞれ後端部に同じものが1つずつ設置されている。又、この左右の各支持脚9,9は、連結材で連結されていて、該各支持脚9,9が同時に前後揺動するようになっている。尚、左右の各支持脚9,9は同形のものが使用されているので、以下の説明では車輌後方側から見て左側の支持脚9で説明する。
この支持脚9は、図3に示すように、上部側に前後に向く横向き腕部90aと該横向き腕部90aの前端から下方に延出させた下向き脚部90bとを有した逆L形部材90を使用している。そして、この支持脚9は、横向き腕部90aの後端部を傾斜フレーム3の後端部下面において支軸91(図1)で枢着して、下向き脚部90bが前後に揺動し得るように装着している。尚、横向き腕部90aの後端部(枢着部分)は、左右の傾斜フレーム3,3の後端部を連結している連結材33の下面に取付けたブラケット39(図3)に支軸91で枢着している。
逆L形部材90における横向き腕部90aと下向き脚部90bとの角部には、荷台受けローラ92を設けている。この荷台受けローラ92は、荷台4の縦根太42を受ける(載せる)ものであり、該荷台受けローラ92上に荷台の縦根太42が載っている状態では、後述するように支持脚9の前方側揺動を禁止するようになっている。
逆L形部材90における下向き脚部90bの下端部には、接地ローラ93を設けている。この接地ローラ93は、地面に接地した状態で転動し、支持脚9の前後揺動動作をスムーズに行わせるものである。
尚、この支持脚9における荷台受けローラ92の上端から接地ローラ93の下端までの
長さは、特に限定するものではないが50cm程度が適当である。
支持脚9の下向き脚部90bには、後述(図10)するように傾斜フレーム3が最大後傾し且つ支持脚9の下向き脚部90bが前方側に最大揺動した時点で、傾斜フレーム3の下面に衝合して該支持脚9がそれ以上、前方側に揺動するのを禁止するためのストッパー15(図3)を取付けている。尚、この実施例では、該ストッパー15を支持脚9側に設けているが、他の実施例では、該ストッパー15を傾斜フレーム3側に設けて、傾斜フレーム3が上記最大後傾したときに(支持脚9の下向き脚部90bも最大揺動している)、傾斜フレーム3側のストッパー15が支持脚9(下向き脚部90b)に衝合するようにしてもよい。
上記支持脚9には、後部バンパー16が装着されている。この後部バンパー16には、左右一対の後部灯17が設けられている。尚、この後部灯17は、荷台格納状態(走行姿勢)では後方から見える(図7)が、荷台後端部が接地した状態(荷台作業状態)では荷台4で隠されて見えなくなる(図9及び図11)。又、該支持脚9は、荷台格納状態において支持脚格納装置10により前方に揺動させた状態で格納されるようになっている。
後部バンパー16及び支持脚格納装置10の構成及び機能については、本件出願人が既に提案している特願2008−243831において詳細に説明しているが、本願の荷台作業状態告知装置に直接関係がないので、後部バンパー16及び支持脚格納装置10についての詳細な説明は省略する。尚、支持脚格納装置10を機能させる前提として、荷台4が格納位置にあるときには支持脚9が前方に揺動し得るようにする必要があるが、そのために荷台格納状態で支持脚9の荷台受けローラ92に対応する位置の荷台の縦根太42の下面に、図1及び図3に示すように上向き凹部(段差部)42aを設けている。
次に、この実施例で使用されている荷台移動式運搬車の基本的な作動方法を説明する。
図1に示す荷台格納状態では、伸縮シリンダ51が全縮小していて、下向きアーム54のローラ55がガイドレール2の前部寄り位置(上り傾斜部21の前方)にあって傾斜フレーム3が水平姿勢となっており、且つ荷台4も最前位置において水平姿勢を維持している。尚、荷台4が格納姿勢状態にあるときには、荷台の縦根太42,42の前端部寄り位置が上記支軸64で移動体6に支持されている一方、各サブフレーム12,12の上面に荷台の縦根太42,42の下面が摺動自在に載置されている。
荷台4を車輌積込み姿勢まで作動させるには、伸縮シリンダ51を伸長させる。すると、シリンダチューブ52が後方に移動し、下向きアーム54に取付けられているローラ(左右一対ある)55がガイドレール2の上り傾斜部21を経て水平部22まで移動すると、図8に示すように支持脚9(後述する)が接地するまで傾斜フレーム3を後傾させるとともに、荷台4が倍速装置Aにより伸縮シリンダ伸長量の2倍長さだけ後方移動して荷台後端部の接地ローラ43が地面に接地する。
尚、図1に示す荷台格納状態から図8に示す荷台後端部の接地ローラ43が接地するまでの間は、荷台4が傾斜フレーム3に対して平行姿勢を維持している。又、荷台4が傾斜フレーム3に対して所定長さだけ後方移動した時点以降(図8の状態まで)は、支持脚9の荷台受けローラ92上に荷台の縦根太42の下面が衝合していて、支持脚9の下向き脚部90bが傾斜フレーム3に対して下向きに角度略90°方向に向いた姿勢で維持されている。即ち、支持脚9の荷台受けローラ92が荷台の縦根太42で上動するのを規制されていて、支持脚9が支軸91を中心にして前方側に揺動するのを禁止している。従って、図8の時点(荷台4が傾斜フレーム3に対して平行姿勢)では、支持脚9の姿勢が安定した状態で該支持脚9による傾斜フレーム後端部の支持高さが高くなっている。尚、図8の時点では、傾斜フレーム3の対地角が約10°であるので、支持脚9の下向き脚部90bも鉛直姿勢から角度約10°だけ前方側に揺動しているが、そのときの支持脚9による傾斜フレーム後端部の支持高さは、支持脚9の長さ(例えば50cm)よりごく短い程度の「高支持状態」となっている。その後、煽り板44を後方に倒伏して地面に接地させると、一般車高車を積込み得る姿勢(荷台対地角が10°程度)となる。
又、荷台4を図8の状態からさらに緩傾斜させるには、伸縮シリンダ51をさらに伸長させる。すると、荷台4の接地ローラ43が接地したまま荷台4がさらに後方移動して、荷台4の傾斜角が傾斜フレーム3の傾斜角より小さくなっていくが、荷台4は傾斜フレーム3(実質は移動体6)に対して荷台前端部の一点(支軸64の位置)を中心にして傾動し得るようになっているので、荷台4を傾斜フレーム3に対して支障なく傾動させることができる。又、荷台4の傾斜角が傾斜フレーム3の傾斜角より小さくなると、支持脚9の荷台受けローラ92に対する押圧規制が解除されて支持脚9が支軸91を中心にして前側に揺動可能となる。
そして、荷台4がさらに後方移動して、図10に示すように荷台前端部が傾斜フレーム3の後端部付近に達したときに、伸縮シリンダ51の伸長が停止して荷台4の後方移動が完了する。
この図10の状態では、支持脚9が前方側に大きく揺動して、支持脚9による傾斜フレーム後端部の支持高さが非常に低くなっている(「低支持状態」となる)。因に、図10の状態では、荷台4の前部がかなり低位置まで降下していて、荷台4が地上近傍の略水平位置まで降下しており、該荷台4が非常に緩い傾斜角(例えば2〜3°程度)で安定している。この図10の荷台緩傾斜状態では、一般車高車は当然であるが、低車高車であっても何ら問題なく乗り込ませることができる。
尚、荷台4は、図8に示す通常傾斜角状態から図10に示す緩傾斜角状態までの任意の傾斜状態で車輌を積込み得るようになっている。
荷台4を車輌積込み姿勢状態から格納するには、伸縮シリンダ51を縮小させることで車輌積込み時の動作とは逆順序で格納させることができる。
尚、本願で使用される荷台移動式運搬車は、上記実施例のものから次のように変更することができる。
まず、上記実施例では、1本の伸縮シリンダ51で、傾斜フレーム3の傾動と荷台4の前後移動とを同時に行えるようにしているが、大出力が必要でスペースが許される大型車では該伸縮シリンダ51を2本以上並列配置するようにしてもよい。
又、上記実施例の荷台移動式運搬車では、1本の伸縮シリンダ51で傾斜フレーム3の傾動と荷台4の前後動とを行わせるようにしているが、傾斜フレーム3の傾動と荷台4の前後動とを別々の伸縮シリンダで行わせるようにしてもよい。
尚、以下の説明において、図8又は図10に示すように荷台後端部(接地ローラ43)が接地した積載物載せ降ろし可能状態を荷台作業状態という。
ところで、この荷台移動式運搬車では、上記[発明が解決しようとする課題]の項で説明したように、周囲に他の交通がある場所で荷台4上に積載物(被運搬車輌)を載せ降ろしする場合が多く、図8又は図10に示す荷台作業状態では、荷台4が後方に長く突出していることにより運搬車の全長が非常に長くなって周囲の交通の邪魔になることがある。そして、荷台作業状態では、荷台4が地面に近い位置にあるので、周囲の人からは該運搬車が荷台作業状態であるかどうかを遠くからでは識別しづらい状況にあり、周囲の人が運搬車にかなり近づいた時点で当該運搬車が荷台作業状態であることに気づくことがある。
そこで、本願実施例で使用される荷台移動式運搬車には、荷台作業状態であることを運搬車後方の遠くからでも認識できるようにした荷台作業状態告知装置を備えている。
尚、本願では、荷台作業状態告知装置として、以下に説明する4つの実施例を採用している。
「図1〜図11の第1実施例」
図1〜図11に示す第1実施例の荷台作業状態告知装置は、本願請求項1及び2に対応するものである。そして、この第1実施例の荷台作業状態告知装置は、傾斜フレーム3の前端部に告知手段100を設けて、図8又は図10の荷台作業状態において、少なくとも運搬車の後方から該告知手段100を視認し得るようにしたものである。
この告知手段100は、図1に示す荷台格納状態において荷台4の前端部(門型枠体45の前面)とキャビン1aの後面との間のスペース内に収容されるように設置している。尚、図1の荷台格納状態では、上記スペース内に収容された告知手段100が左右の遮蔽板47,47によって車輌の側方から見えないようになっている。
この第1実施例で使用されている告知手段100は、図6に示すように横長板状の告知板101を支持枠102内で前後に揺動し得る状態で取付けたものが採用されている。
即ち、この第1実施例の告知手段100では、図6に示すように、底辺枠と左右の側枠を有したコ形の支持枠102を2本の傾斜フレーム3,3の前端部に上向き姿勢で固定している一方、該支持枠102の左右各側枠の上端部に横長の告知板101の上辺部を左右の支軸103,103でそれぞれ枢支して、該告知板101が自重で常に鉛直姿勢に向くように取付けている。
このようにすると、各傾斜フレーム3,3の傾動に伴って支持枠102が傾いても(例えば図6の実線図示状態から鎖線図示状態に変位する)、告知板101が自重で常に鉛直姿勢に向くようになる。尚、告知板101は支軸103で枢支するのに代えてフックで吊下げて支持してもよい。
この第1実施例の告知板101には、その前面及び後面にそれぞれ「作業中」や「前方注意」等の、荷台作業状態であることを告知するための告知文字104を表示している。尚、この告知文字104は、本願請求項1の場合は少なくとも告知板101の後面側にあればよい。
又、この告知板101は、発光式にしたり、あるいは告知文字104に光反射材を使用したりすることができ、その場合は夜間においても周囲の人からよく見えるようになる。
この第1実施例の荷台作業状態告知装置は、次のように機能する。尚、傾斜フレーム前端部にある告知手段100は、傾斜フレーム3の傾動に伴って上下動する。
そして、図8に示すように、荷台4が通常傾斜角(一般車高車積込み用)の荷台作業状態では、傾斜フレーム3が後傾していることにより傾斜フレーム前端部がかなりの高さまで上動して、告知手段100もかなりの高さ(キャビン1aの上面とほぼ同高さ)に位置するようになる。この図8の状態では、図9に示すように告知手段100(告知板101)が門型枠体45の腰板46の高さより上方に位置していて、該告知手段100(告知板101)を運搬車の後方から門型枠体45内の空間部を通して視認できる。この場合、告知板101がかなり高所(キャビン1aの上面とほぼ同高さ)に位置しているので、該告知板101を運搬車後方のかなり遠くからでも視認できる。尚、図8及び図9に示す荷台通常傾斜角状態では、告知手段100は運搬車の後方側からしか見えない。
又、図10及び図11に示すように、荷台4が緩傾斜角(低車高車積み込み用)の荷台作業状態では、傾斜フレーム3がさらに後傾して傾斜フレーム前端部がキャビン1aの上面高さを若干越える高所まで持ち上げられており、従って告知手段100もキャビン1aの上面高さを越える高所に位置している。このように、告知手段100(告知板101)がキャビン1aの上面より高所にあると、運搬車の後方側と前方側の両方から告知板101を視認できるとともに、該告知板101が一層遠くから見えるようになる。
このように、この第1実施例の荷台作業状態告知装置では、図8(及び図9)の荷台作業状態や図10(及び図11)の荷台作業状態において、告知板101をかなり高所に位置させることができるので、周囲の人に対して停車中の運搬車が荷台作業状態であることを容易に認識させることができ、周囲の人が余裕をもって対処できるようになる。
他方、図1(及び図7)に示す荷台格納状態では、傾斜フレーム3が水平姿勢になって傾斜フレーム3の前端部が低所に位置することにより告知手段100も低所に位置する。このとき、告知手段100は荷台4の前部(門型枠体45の前面)と車輌1のキャビン1aの後面との間のスペース内に格納されるが、この状態では、告知手段100は図7に示すように門型枠体45の腰板46に遮られて運搬車後方からは見えない。尚、格納位置にある告知手段100は、前方側にキャビン1aがあり、左右側方にそれぞれ遮蔽板47,47があるので、車輌1の前方からも側方からも見えない。
このように、荷台格納状態では告知手段100が運搬車の周囲から見えないので、荷台作業状態の告知手段100を備えたものであっても、荷台格納状態において周囲に誤解を与えない。
「図12〜図17の第2実施例」
図12〜図17に示す第2実施例の荷台作業状態告知装置は、本願請求項3と請求項4と請求項5に対応するものである。そして、この第2実施例の荷台作業状態告知装置は、傾斜フレーム3の前端部に設けた告知手段100として、前方告知板111と後方告知板113との間に左右の側方告知板112,112を有したものを採用している。
前方告知板111の前面、後方告知板113の後面、及び左右の側方告知板112,112の各外面には、それぞれ荷台作業状態であることを告知する告知文字114(第1実施例の告知文字104と同様のもの)が表示されている。
又、この第2実施例で使用される告知手段100は、図14に示すように前方告知板111と後方告知板113との間に介設した左右の側方告知板112,112として、それぞれ前後に2分割した各分割板112a,112aを折畳み及び伸展可能に連続させたものを使用している。
即ち、この第2実施例の告知手段100は、前方告知板111の左右各端部にそれぞれ前側分割板112a,112aの一端部をヒンジ116(上下に2箇所ある)で連結し、該各前側分割板112a,112aの他端部に各後側分割板112a,112aの一端部を連結し、該各後側分割板112a,112aの他端部に後方告知板113の左右各端部を連結している。左右の側方告知板112,112は、その各分割板112a,112aがそれぞれ内方側に折畳まれるようになっている。
尚、この実施例では、側方告知板112は前後に2分割(2枚の分割板112a,112a)したものを使用しているが、側方告知板112の分割枚数は、2〜4枚程度の範囲で設定できる。
又、この告知手段100は、前方告知板111のみを左右の傾斜フレーム3,3の前端部に支持台115,115で固定して、左右の側方告知板112,112を折畳み及び伸展可能としている。尚、左右の側方告知板112,112が折畳まれると後方告知板113が前方告知板111に近接する一方、左右の側方告知板112,112が伸展すると後方告知板113が前方告知板111から離間するようになっている。
又、各告知板111,112a,112a,113を連結している各ヒンジ116(平面視で合計6箇所ある)部分には、それぞれフックバネ117(上下2箇所で合計12箇所)を設けており、自然状態では各フックバネ117の付勢力(拡開力)により図14の鎖線図示又は図16のように各告知板(合計6枚)が四角形状になるようにしている。
この告知手段100は、荷台4の前後動に連動して折畳み又は伸展されるようになっている。
即ち、荷台4が格納状態(最前方に位置している)にあるときには、図12、図13(及び図14の実線図示状態)に示すように荷台4の前部(腰板46)で後方告知板113が前方に押されて、左右の側方告知板112,112(各分割板112a,112a)がそれぞれ折畳まれた状態となる。このとき、前方告知板111と後方告知板113とがかなり近接して告知手段100全体が薄くなった状態で、荷台4の前部(門型枠体45の前面)とキャビン1aの後面との間のスペース内に格納される。このように、告知手段100の格納状態では、上記第1実施例の場合と同様に告知手段100が車輌1の周囲から見えないようになっている。
他方、荷台4が最前位置(荷台格納状態)から後方移動すると、後方告知板113への押圧力が解除されて、図14の鎖線図示及び図16に示すように各告知板のそれぞれヒンジ116部分にある各フックバネ117(合計12個)の拡開力によって左右の側方告知板112,112(各分割板112a,112a)がそれぞれ伸展して、告知手段100が平面視で四角形状になる。尚、荷台4が後方移動するときには、傾斜フレーム3が後傾していき、図15に示すように荷台後端部が接地した荷台作業状態では、左右の側方告知板112(各分割板112a,112a)が平面状に展張していて、その展張状態の側方告知板112が車輌1の側方から視認できるようになっている。
この第2実施例の場合も、荷台4が図15の通常傾斜角状態からさらに後方移動して、
図17(第1実施例の図10と同じ)に示すように緩傾斜角状態になると、告知手段100がさらに高所まで持ち上げられて、前方告知板111が車輌1の前方側から見えるようになるとともに、後方告知板113及び各側方告知板112も図15の場合より高所に位置するので一層見え易くなる。
又、荷台作業状態(例えば図15の状態)から荷台4が格納位置まで前進するときには、荷台4の前部(門型枠体45の腰板46)で後方告知板113が前方に押されることで、左右の側方告知板112,112が自動的に折畳まれ、図12及び図13に示すように告知手段100が薄くなった状態で低所に格納される。
この第2実施例の荷台作業状態告知装置では、荷台作業状態において前方告知板111と後方告知板113と左右の側方告知板112,112により、車輌1の前後及び左右から荷台作業状態であることを告知できる。
又、この第2実施例の荷台作業状態告知装置では、荷台4の前後動によって告知手段100を格納状態と使用状態とに変化させ得るので、その状態変化を既存の動作で行える(特別な作動手段が不要である)。
又、この第2実施例の荷台作業状態告知装置を本願請求項4に適用する場合には、前方告知板111と後方告知板113をそれぞれ告知板として機能させないものを使用してもよい。即ち、この場合は、前方告知板111と後方告知板113とは、単に左右の側方告知板112,112を支持する機能を有するものであればよく、前方告知板111と後方告知板113にそれぞれ告知文字114を表示していないものでもよい。
「図18〜図22の第3実施例」
図18〜図22に示す第3実施例の荷台作業状態告知装置は、本願請求項3と請求項4と請求項6に対応するものである。そして、この第3実施例の荷台作業状態告知装置は、告知手段100として、傾斜フレーム3の前端部に第1実施例の告知板101を用いる一方、各傾斜フレーム3,3の前部寄り下面にそれぞれ側方告知板122,122を設けている。尚、傾斜フレーム前端部の告知板101は第1実施例のものと同じなので、その説明は第1実施例のものを援用する。
この第3実施例の各側方告知板122,122には、それぞれ前後に長い1枚ものの薄板が使用されている。尚、この各側方告知板,122,122の外面にも荷台作業状態を告知するための告知文字124が表示されている。
そして、この各側方告知板122,122は、その上辺部を図19及び図20に示すように左右の傾斜フレーム3,3の下面にそれぞれヒンジ123,123により左右に揺動し得る状態で取付けている。各ヒンジ123,123は、本願請求項6における支軸となるもので、各ヒンジ軸が傾斜フレーム3の長さ方向と平行に向いている。
他方、車輌1側の両サブフレーム12,12間の前方寄り位置には、各側方告知板122,122の下端部を衝合させるための定位置部材(バー材)125が左右向き姿勢で架設されている。この定位置部材125は、図18に示す荷台格納状態において、各側方告知板122,122を図19に示すようにそれぞれ内向きの横倒し姿勢に維持させる得るものである。尚、この定位置部材125は、荷台格納状態において各側方告知板122,122を横倒し姿勢で維持し得るものであれば、適宜の構造のものを採用できる。
左右の側方告知板122,122は、図21(及び図22)に示すように各傾斜フレーム3,3の前部側が上動しているときには、自重により鉛直方向に垂れ下げられている(図19の符号122′の状態)。
この図21及び図22の荷台作業状態では、傾斜フレーム前端部の告知板101が車輌後方から見えるとともに、左右の側方告知板122が車輌側方から見えるようになる。
そして、図21(及び図22)の荷台作業状態から、荷台4を格納操作する(前方に移動させる)と、傾斜フレーム3の前部側が順次下動していくのに連れて各側方告知板122,122も鉛直姿勢のままで下動するが、該各側方告知板122,122の下端が両サブフレーム12,12間の定位置部材125上に衝合すると、各側方告知板122,122の下端側がそれぞれ内向きに倒されるようになり、荷台格納状態(図18)では左右の側方告知板122,122が図19に示すように定位置部材125上で横倒し姿勢に維持されるようになっている。
この第3実施例の場合も、荷台4が図21の通常傾斜角状態からさらに後方移動して、
図22(第1実施例の図10と同じ)に示すように緩傾斜角状態になると、告知手段100がさらに高所まで持ち上げられて、告知板101が車輌1の前方側から見えるようになるとともに、該告知板101及び各側方告知板122も図21の場合より高所に位置するので一層見え易くなる。
又、荷台作業状態(図21及び図22の状態)から荷台4が格納位置まで前進するときには、各傾斜フレーム3,3の前部側が下動することで、左右の側方告知板122,122が定位置部材125により自動的に内向きに倒されて、図19に示すように傾斜フレーム3の下面近傍位置において横向き姿勢で格納される。
又、この第3実施例の荷台作業状態告知装置でも、荷台作業状態において告知板101と左右の側方告知板122,122により、車輌1の前後及び左右から荷台作業状態であることを告知できる。
又、この第3実施例の荷台作業状態告知装置では、傾斜フレーム3の傾動動作(上下動動作)によって側方告知板122,122を格納状態と使用状態とに変化させ得るので、その状態変化を既存の動作で行える(特別な作動手段が不要である)。
又、この第3実施例の荷台作業状態告知装置を本願請求項4に適用する場合には、傾斜フレーム3の前端部にある告知板101を省略して、側方告知板122,122のみを使用することができる。
「図23の第4実施例」
図23の第4実施例の荷台作業状態告知装置は、上記第1実施例の告知手段100の変形例を示すもので、この第4実施例では、告知手段100として回転灯131を採用している。この回転灯131は、傾斜フレーム3の前端部に固定状態で取付けられている。そして、荷台格納状態では、該回転灯131は荷台4の前部(門型枠体45の前面)とキャビン1aの後面との間のスペース内の低所に格納されていて、車輌1の周囲から回転灯131が見えないようになっている。
この第4実施例の場合も、荷台作業状態(第1実施例の図8又は図10)では、傾斜フレーム3の前部側が上動することにより、回転灯131も高所に位置するようになり、少なくとも運搬車の後方及び左右各側方から回転灯131を視認することができる。
この第4実施例の荷台作業状態告知装置では、告知手段100として回転灯131を使用しているので、夜間においても周囲の人からよく見える。
尚、この種の回転灯131は、走行時に外部から見えると、道路運送車輌法の保安基準に適合しなくなる場合があるが、この第4実施例のものでは、走行状態(荷台格納状態)では回転灯131が外部から見えない位置に格納されているので問題はない。
尚、上記の第2実施例〜第4実施例において、第1実施例と同じ符号を付しているものは該第1実施例のものと同じものであるので、同符号のものは第1実施例の説明を援用する。
又、本願請求項2に関連するもの以外は、荷台移動式運搬車として、荷台4を通常傾斜角状態(図8、図15、図21)までしか傾斜できないものにも適用できることは勿論である。