JP4859199B2 - バンパー装置 - Google Patents
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Description
ところで前記した車両運搬車等は、機能上、荷台部分の姿勢を後方に傾斜させたり、後方から地上に降下させるものであり、バンパーは車両の後方に突き出した状態で取り付けられているから、荷台を傾斜させる等の際にバンパーが邪魔になる。
そこで積み下ろし等の作業を行う際に、バンパーを車両本体側に収納する構造が提案されている(特許文献2)。
一方、走行中にバンパーが移動するような事態となれば危険であり、走行中においてはバンパーは車両にしっかりと固定されていなければならない。
そこで特許文献2に記載されたバンパー装置では、固定用のロックピンを設け、走行中はシリンダーを動作させてロックピンを差し込み、バンパーの移動を阻止している。
しかしながら、特許文献2に開示されたバンパー装置は、ロックピンによってバンパーの移動を阻止するものであるから、ロックピンを動作させるためのシリンダー等の動力源が必須である。
そのため従来技術のバンパー装置は、製造コストが嵩むという問題があった。また従来技術のバンパー装置は、シリンダー等の動力源が必須であるから、メンテナンスが面倒であるという問題があった。
また本発明のバンパー装置では、伝達機構を構成する機素の少なくとも一つはバンパー本体側から受ける力に対して二通りの運動が生じ得る思案点がある。そしてバンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる時に、機素は思案点を越えて運動する。作業時位置から走行時位置に移動させる際の機素の運動方向を正方向とすると、バンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる時に機素は正方向に運動し、思案点を越える。
一方、バンパー本体側に力が掛かると、この力は伝達機構に伝わる。ここで前記した様に、機素の少なくとも一つは、思案点を越えた位置にあるから、バンパー本体側から力が掛かると、当該機素は、さらに正方向に運動しようとする。そのためバンパー本体側からの力に抗することができ、バンパー本体の移動が阻止される。
本発明のバンパー装置では、揺動アームとバンパーアームはピンと係合手段の双方で係合されている。ただしピンは常時両者を結合しているが、係合手段は両者の角度が一定範囲のときのみ両者を係合させる。本発明のバンパー装置では、バンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる際には揺動アームは垂下された姿勢から水平姿勢に向かって移動させる。ここで揺動アームとバンパーアームとはピンによって常時係合しているからバンパーアームのピンの部位は、揺動アームと共に移動する。しかしながら揺動アームとバンパーアームとの角度は、揺動アームの揺動角度に応じて変化する。
そして揺動アームとバンパーアームとが一定の角度となると、係合手段が係合する。それ以降はバンパーアームは揺動アームと一体的に移動する。即ちバンパーアームは全体的に持ち上げられる。
逆にバンパー本体を走行時位置から作業時位置に移動させる際には揺動アームは垂下方向に向かって移動する。この時、前記した係合手段が係合しており、バンパーアームは揺動アームと一体的に降下する。
そしてバンパーアームが地面に着地すると、バンパーアームの一部はそれ以上降下できないから、揺動アームとバンパーアームとの角度が変化する。
そして両者の角度が一定の角度となると係合手段の係合が解除される。
本発明のバンパー装置では、バンパーアームが略水平姿勢を維持したままの状態で上昇するので、バンパーに取り付けられた反射板やライト等が常に水平姿勢を保つ。そのため他の車両や通行人から反射板やライト等が視認され、事故防止に寄与する。
またバンパー本体が作業時位置にあるときは係合部は荷台部との係合し得ない位置にあるので、係合部が通常の作業の妨げになることはない。
以下の実施形態においては、車両運搬車に装着されるバンパー装置を例に説明する。本発明のバンパー装置の説明に先立って、車両運搬車の構造を簡単に説明する。なお以下の説明において、「前後」の関係は、特に説明が無いかぎり車両の前後を基準とする。即ち運転席側が前であり、その逆が後ろである。
図1、図2は、車両運搬車の概略構造と動作を示す概念図である。
車両積載装置2は、例えば図1,2に示すような構造であり、貨物車両であるトラック(車両運搬車)1の車体4に搭載されたものである。車両積載装置2は、大きく分けてリフトフレーム3と、チルト機構5及びスライドボディ(荷台部)6によって構成されている。
リフトフレーム3は、トラック1の車体4サブフレーム7に設置されており、トラック後端側に設けられたピン(図示せず)を中心として揺動する。即ち図1(b)の様に傾斜姿勢をとることができる。
車両を積み下ろしする場合には、同(b)の様にスライドボディ(荷台部)6を車両後端側に移動させ、リフトフレーム3を傾斜させる。そしてさらにスライドボディ(荷台部)6を車両後方側に移動させ、図2(c)の様にスライドボディ(荷台部)6を地面に着地させる。
スライドボディ(荷台部)6の底面の全域が着地したならば、図2(d)の様に踏板8を水平姿勢にし、車両を搬入又は搬出する。
バンパー装置10は、実際の設計では、後記する様な立体的なリンク機構を備えたものであるが、理解を容易にするために平面的なスケルトン図をもってバンパー装置10の構造を説明する。
図3、図4は、本発明の第一実施形態のバンパー装置の正面図であり、図3はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図4は、バンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
図5〜7は、本発明の第一実施形態の第一実施形態のバンパー装置のスケルトン図であり、図5はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図6はバンパー本体が作業時位置から走行時位置に至る途中の状態を示し、図7はバンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
上記したバンパー駆動部11にバンパー本体14とコロ19が取り付けられている。
バンパー本体14は、公知のそれと同様に鋼をプレス加工して作られたものであり、反射板やハザードランプ等が取り付けられている。コロ19は、自由回転するゴム車輪である。
ここで固定部材18は、トラック1のサブフレーム7の後部に溶接される部材であり、トラック1のサブフレーム7と一体であって相対移動はしない。
バンパーアーム16は、その先端にバンパー本体14が取り付けられたものである。
揺動アーム15は、固定部材18に対してピン20によって取り付けられ、揺動アーム15の基端側は、固定部材18に対して揺動可能である。
また揺動アーム15の先端側には、ピン21を介してバンパーアーム16の基端部が接続されている。
揺動アーム15には、接地部材24が設けられている。接地部材24は、揺動アーム15に一体的に取り付けられており、バンパー装置10が図3、図5(a)の様な作業時姿勢にあるとき、接地部材24の柱部24aは略垂直姿勢となる。
また固定部材18のピン20,23間の長さは、対向する機素たるバンパーアーム16のピン21,22間の長さと等しい。なお固定部材18のピン20,23間は、トラック1の車体に対して平行であり、トラック1が水平面に停止している場合、固定部材18のピン20,23間は、水平である。
揺動アーム15の傾斜姿勢を変化させると、バンパーアーム16の位置は、次第に上昇し、且つトラック1の前後方向においては、後方に移動する。
逆転防止機構部12は、回動部材25と連接リンク26によって構成されている。回動部材25は、ピン28によってトラック1の車体に取り付けられておりピン28を中心として回動する。回動部材25の形状は、略三角形であり、一辺側に扇形の凹部37がある。また長辺の部位に小さな凹部36がある。凹部36は、係合部として機能し、後記する様に、走行時においてはスライドボディ(荷台部)6の一部と係合し得る位置にある。
動力部13は、油圧シリンダー27(駆動源)を主たる部材とするものである。
即ち回動部材25の一部に連接リンク26の基端部がピン29を介して回動可能に接続され、連接リンク26の先端部は、ピン31を介してバンパー駆動部11の揺動アーム15の中間部に接続されている。
また油圧シリンダー27は、シリンダーエンド側がピン32を介してトラック1の車体に取り付けられており、ロッド30の先端部がピン35を介して回動部材25に取り付けられている。
即ち本実施形態のバンパー装置10では、油圧シリンダー27のロッド30を伸縮させることによって回動部材25を回転し、さらに回動部材25の回転に応じて連接リンク26が運動し、揺動アーム15の傾斜角度を変化させてバンパー駆動部11を運動させ、バンパー本体14を移動させるものであるが、バンパー本体14が一連の移動動作を行う間に、回動部材25が思案点を越えて回動する。
図8〜10は、図5〜7に示すバンパー装置のスケルトン図の中で、回動部材25の部位を拡大したスケルトン図であり、図8はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図9はバンパー本体が作業時位置から走行時位置に至る途中の状態を示し、図10はバンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
そのため油圧シリンダー27が収縮する際には回動部材25に矢印E方向(矢印E方向は説明の中で正方向と称する場合もある)のトルクを与える。またバンパー本体14側(連接リンク26)からの反力は、回動部材25に矢印E方向とは逆方向のトルクを与える。
思案点は、図9に示すように揺動アーム15側のピン29の位置が回転中心(ピン)28の高さ近傍に至る位置である。より厳密には、連接リンク26の延長線が、回転中心(ピン)28を通過する位置である。即ち実際上、連接リンク26は、位置と傾斜角度の双方が変化するので、単にピン29の位置だけでは正確な思案点は特定できず、ピン29の位置が上下動し、さらに揺動アーム15の傾斜姿勢が不連続的に変化する中で、連接リンク26の延長線が、回転中心(ピン)28を通過する位置が思案点である。
図3、図5は、前記した様にバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示す。この状態の時、バンパー本体14は、上下方向においては最も下部に位置し、トラック1の前後方向においては、前方側にある。即ちバンパー本体14は、トラック1のボディの正投影面内であって、地面近傍の位置にある。そのため車両を積み込んだり、下ろしたりする際にバンパー本体14が邪魔になることはない。
この時の揺動アーム15の姿勢は、垂下状態である。即ち先端側のピン21が下側の位置にある。また回動部材25は、三角形の突出部分が荷台の中に沈んだ姿勢となっている。
この状態からバンパー本体14を走行時位置に移動させる場合は、前記した油圧シリンダー27のロッド30を収縮させる。その結果、回動部材25はピン28を中心として矢印E方向に回転する。
そのため連接リンク26が揺動アーム15の中間部をバンパー本体14側(車両後方側)に押し、揺動アーム15を傾斜させる。
ここで前記した様に揺動アーム15は、バンパーアーム16、補助連結部材17及び固定部材18と共に平行リンクを形成しているから、揺動アーム15の傾斜に伴って補助連結部材17が傾斜し、バンパーアーム16は、トラック1の後方に押し出される。またバンパーアーム16は高さ方向にも上昇する。
またこれらの一連の動作の間に、回動部材25は思案点を越えて回転する。
油圧シリンダー27のロッド30が縮みきったとき、バンパー本体14は、走行時に適した位置に達している。
ここで走行時におけるバンパー本体14に掛かる荷重は、重力等による垂直荷重と、走行時またはブレーキング時の慣性による水平荷重である。
いずれにしても、これらの荷重は、バンパー本体14を走行時位置から作業時位置に向かわせる様に作用する。より具体的には、走行時の力は、揺動アーム15が垂下姿勢となる方向に作用し、連接リンク26をシリンダ27側に押し戻す方向に作用する。
従ってバンパー本体14は、移動することはない。
その結果、先の動作とは逆に回動部材25が矢印Eと逆方向に回転し、回動部材25の回転によって連接リンク26が運動する。そして揺動アーム15が水平姿勢から垂直姿勢に変化し、バンパー本体14が作業時位置に至る。
スライドボディ(荷台部)6の底面の全域が着地したならば、図2(d)の様に踏板8を水平姿勢にし、車両の搬入又は搬出を行う。
本実施形態のバンパー装置10では、前記した様に揺動アーム15に、接地部材24が設けられている。接地部材24は、柱状の部材であり、揺動アーム15の一部に取り付けられている。接地部材24は、揺動アーム15と一体的に運動するものであり、揺動アーム15が垂下状態にあるとき、接地部材24は、天地方向を向く姿勢となる。
接地部材24の下端は、揺動アーム15が垂下状態にあるとき、揺動アーム15の先端よりも下に位置する。
即ちトラック(車両運搬車)1は、相当に重量のある車両を積載するものであり、且つスライドボディ(荷台部)6が軸方向に移動する。そのためトラック1の荷台に局所的な集中荷重が掛かることがある。ここで集中荷重の掛かる位置が、前後の車輪列の間であるならば、大きな問題はないが、後列の車輪よりもさらに後方に荷重が掛かると、トラック全体があたかもシーソの様に後列の車輪を支点として揺動し、前列の車輪が浮き上がってしまう場合がある。
そこで本発明では、バンパー装置10の揺動アーム15に接地部材24を設け、荷重が掛かって後輪側が沈んだ時、接地部材24を地面に着地させ、荷重を支持させることとした。
特に本実施形態では、接地部材24が揺動アーム15に取り付けられており、揺動アーム15は、積み卸し作業時には垂下姿勢となるから、接地部材24についても略垂直姿勢となり、車体4の荷重を直接的に圧縮加重として負担することができる。即ち接地部材24が受ける荷重は、軸方向に真っ直ぐであり、偏心的な成分が少ない。そのため接地部材24は座屈しにくく、高荷重に耐える。また揺動アーム15の取付部位は、剛性の高い構造とすることが容易であるから、大きな荷重を支持させることができる。
即ち回動部材25の本質的機能は、油圧シリンダー27の力をバンパー駆動部11側に伝え、逆方向の力に制限を加えることにあるから、本質的な目的を達成するためには形状はどのようなものであっても構わない。例えば円板状であっても四角形であってもよく、星形の様な多角形であってもよい。
本実施例のバンパー装置10において、敢えて三角形の回動部材25を採用したのは、トラック1の走行時における車両積載装置2の移動を防ぐためである。
即ち前記した様に車両積載装置2はリフトフレーム3にスライドボディ(荷台部)6が取り付けられており、作業時においては、スライドボディ6が移動する。
一方、走行時にはスライドボディ(荷台部)6は図示しないロック手段によって動かない様に固定されている。
そこで本実施形態では、走行時においては、回動部材25の突端に一体形成された係合部36をスライドボディ(荷台部)側に突出させることとした。
スライドボディ(荷台部)6は、エクスパンドメタルやパンチングメタル等で床面が形成されているが、裏面側には床を支持する骨材が設けられている。本実施形態のバンパー装置10では、走行時に回動部材25の姿勢が突起側(係合部36側)を上にした姿勢であって係合部36が前方に向かう姿勢となる。そのため、万一スライドボディ(荷台部)6のロックが外れてスライドボディ(荷台部)6が移動したとしても、裏面側に設けられた骨材が突起側(係合部36)と衝突し、スライドボディ(荷台部)6を停止させる。そのため万一スライドボディ(荷台部)6のロック手段が故障しても、スライドボディ(荷台部)6が脱落する危険はない。
次に発明の第二の実施形態について説明する。
以下に説明する第二の実施形態と先に説明した第一実施形態との相違点は、バンパー駆動部のみであるから、説明は先の実施形態と異なる点に重点を起き、同一の部分は図面に同一の番号を附して詳細な説明を省略する。
図11〜13は、本発明の第二実施形態のバンパー装置のスケルトン図であり、図11はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図12はバンパー本体が作業時位置から走行時位置に至る途中の状態を示し、図13はバンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
図14は、本発明の第二実施形態のバンパー装置のスケルトン図であり、障害物に衝突した場合の挙動を示す。図15は、第二実施形態のバンパー装置で採用する補助連結部材の断面図である。図16は、補助連結部材の変形例を示す正面図である。
これに対して、以下に説明する第二実施形態のバンパー装置40は、バンパーアーム16の動きに上方向の自由度を持たせたものである。
即ち本実施形態のバンパー装置40では、補助連結部材41が伸縮性を持つ。より具体的には、補助連結部材41は、縮み方向にのみ自由度を持ち、バンパーアーム16と固定部材18の間が一定距離以上となることを阻止し、両者の距離が短縮されることを許容するものである。
緩衝装置43のハウジング45の内部には、ガイド部材46が設けられ、ガイド部材46とハウジング45の下面には連通する開口が設けられている。
また下部側シャフト47は、一部にネジ49が形成され、当該ネジ49にナット48が嵌合している。下部側シャフト47には、摺動リング50と摺動カラー51が摺動可能に装着されている。
また下部側シャフト47の上端部が緩衝装置43の下部側に挿入されている。即ち下部側シャフト47の上端部は、ハウジング45の下面およびガイド部材46に設けられた開口を連通する。そして下部側シャフト47の上端は、ガイド部材46のさらに上方に突出し、公知のCリング54が装着されている。そのため下部側シャフト47は緩衝装置43から抜け落ちることはない。
従ってナット48を回転してナット48の位置を移動させると、摺動カラー51及び摺動リング50が移動する。
従って補助連結部材41は、無負荷時においては、バネ52が下部側シャフト47の摺動リング50をハウジング45の下面側に押圧し、一定の長さを保つ。
補助連結部材41に引張り方向の力をかけた場合、Cリング54がハウジング45のガイド部材46に当接するので、補助連結部材41は、一定以上の長さに伸びることはない。
一方、補助連結部材41を圧縮すると、バネ52の力に抗して摺動リング50がガイド部材46側に移動し、全長が縮む。
またナット48を回転してナット48の位置を移動させ、摺動リング50を移動させると、無負荷時におけるバネ52の全長が伸縮し、バネ52の力を調節することができる。
その結果、揺動アーム15が水平姿勢から垂直姿勢に変化し、バンパーアーム16が降下する。この時、バンパーアーム16の荷重(重力荷重)は、下向きに掛かっており、補助連結部材41には引っ張り力が掛かっている。そのため補助連結部材41は、最も伸ばされた状態であり、揺動アーム15と、バンパーアーム16の一部、補助連結部材41及び固定部材18が実質的に平行リンクを形成する。そのためバンパーアーム16は常に水平姿勢を保って降下する。
即ち本実施形態のバンパー装置40は、バンパー本体14等が下部から力を受けた時、上方に逃げる機能を備えている。そのためバンパーの降下先に障害物があってもバンパー装置40は傷つかない。
また緩衝装置43の強さは、ナット48を回転してバネ52の力を変化させることにより調整することができる。
逆に緩衝装置を省略したものであってよい。即ち本実施形態では、補助連結部材41としてバネを内蔵したものを例示したが、例えば図16の様なワイヤーやロープ等の線材53であってもよい。またワイヤー等に代わって鎖やチェーンであってよい。
要するに、引張り力に耐えうる能力があり、縮み方向の自由度がある部材であれば、第二実施形態の補助連結部材41と置換することができる。
尚、ワイヤーやチェーン等が「上方から逃げる機能」を発揮する部材である。
図17は、本発明の第二実施形態のバンパー装置の変形例であり、補助連結部材としてワイヤーを採用した場合のスケルトン図であって、バンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示す。図18は、本発明の第二実施形態のバンパー装置の変形例であり、補助連結部材としてワイヤーを採用した場合のスケルトン図であって、障害物に衝突した場合の挙動を示す。
次に発明の第三の実施形態について説明する。
第三の実施形態についても、先に説明した第一実施形態との相違点は、バンパー駆動部のみであるから、説明は先の実施形態とことなる点に重点を起き、同一の部分は図面に同一の番号を附して詳細な説明を省略する。
図19〜21は、本発明の第三実施形態のバンパー装置のスケルトン図であり、図19はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図20はバンパー本体が作業時位置から走行時位置に至る途中の状態を示し、図21はバンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
図22は、本発明の第三実施形態で採用する係合手段の斜視図である。
図23〜図25は本発明の第三実施形態のバンパー装置の動作を示す説明図であり、図23はバンパー本体が作業時位置にあるときの状態を示し、図24はバンパー本体が作業時位置から走行時位置に至る途中の状態を示し、図25はバンパー本体が走行時位置にあるときの状態を示す。
即ち本実施形態のバンパー装置55は、補助連結部材に相当するものが無い。そしてこれに代わって係合手段57が設けられている。
そのためバンパーアーム16は、揺動アーム15に対して平行姿勢から略直線姿勢に至るまで揺動可能であるが、両者が互いに略直線姿勢となると、両者のヒンジ部材56と対向する部位同士が当接し、角パイプ同士が突き合わせ状態となる。そのためバンパーアーム16は、揺動アーム15との関係で180・以上広い角度となることができない。
図19、図23は、前記した様にバンパー本体14が作業時位置にあるときの状態を示す。この時の揺動アーム15の姿勢は、垂下状態であり、揺動アーム15の下端は、地面の近傍にある。
一方、バンパーアーム16は、先端近傍のコロ19が接地している。そして揺動アーム15とバンパーアーム16はヒンジ部材56で結合されているから、揺動アーム15とバンパーアーム16は90・前後の角度をもって接合されている。また前記した様にバンパーアーム16の先端部(車両を基準とすると後端側)はコロ19によって地面に接地しており、他端側たるヒンジ部材56も揺動アーム15が垂下状態であり、揺動アーム15の下端は、地面の近傍にある。そのためバンパーアーム16の両端は共に地表近傍にあり、バンパーアーム16は略水平姿勢である。
そのため連接リンク26が揺動アーム15の中間部をバンパー本体14側に押し、揺動アーム15を傾斜させる。
即ち揺動アーム15は、ピン20を中心として円弧軌跡を描いて揺動し、揺動アーム15の下端は、車両の後方に向かって移動し且つ上昇する。
しかしながら、バンパーアーム16は揺動アーム15に対して揺動可能であるから、バンパーアーム16の他端側(車両後方側)は、接地されたままの状態で車両後方側に移動する。ここで本実施形態では、バンパーアーム16の他端側(車両後方側)にコロ19が取り付けられているので、バンパーアーム16が移動してもこれが傷つくことはない。
そして揺動アーム15の傾斜が進み、揺動アーム15とバンパーアーム16とが直線状態となると、図20、図24の様に揺動アーム15とバンパーアーム16の端面同士が突き合わせ状態となる。即ち係合手段57たる揺動アーム15の端面とバンパーアーム16の端面とが接し、揺動アーム15とバンパーアーム16の開度が規制され、揺動アーム15とバンパーアーム16の間がこれ以上開かない状態となる。
通常作業においては、トラックを発進させて走行する。本実施形態においても、バンパー本体14が上方かつ後方に移動し、作業時位置から走行時位置に至る間に回動部材25は思案点を越えているから、回動部材25はロック状態となる。そのため走行時の振動等によってバンパー本体14が、移動することはない。
その結果、先の動作とは逆に回動部材25が矢印Eと逆方向に回転し、回動部材25の回転によって連接リンク26が運動する。その結果、揺動アーム15が水平姿勢から垂直姿勢に変化し、バンパー本体14が作業時位置に至る。
さらに揺動アーム15が垂直姿勢に近づくと、バンパーアーム16は車両前方側に引き寄せられる。なおバンパーアーム16の他端側(車両後方側)にコロ19が取り付けられているので、バンパーアーム16は車両前方側に引き寄せられる際にもバンパーアーム16は傷つかない。
即ちバンパーアーム16は、揺動アーム15に対して開き角度を小さくする方向に自由度を持つ。そのためバンパーアーム16を降下する際、地表面に石や車止め、縁石等があると、バンパー本体14やバンパーアーム16がこれらに当たるが、バンパーアーム16はヒンジ部材56を中心として揺動し、バンパー本体14側は上方に逃げる。
図26は、本発明の実施例のバンパー装置の斜視図である。図27は、図26に示したバンパー装置の要部を抜き書きした分解斜視図である。
図26、27に示すバンパー装置は、第二実施形態(図11〜14)に示す構造であり、補助連結部材41は、中間部に緩衝装置43が設けられている。
揺動アーム15は、角パイプで作られた主部材66を2本有し、2本の主部材66の間を二本の桟67、68によって結合したものである。また二本の桟67、68同士は、補強部材69によって結合されている。
接地部材24は、下側の桟68に取り付けられている。接地部材24についても本実施例では2セット設けられている。接地部材24は、バンパー装置が作業時位置にある時、図26,27の様に垂直姿勢となる。接地部材24についても角パイプで作られており、先端に接地用の板71が取り付けられている。
また上部側の桟67には、連設部材取付部75が2か所に設けられている。
揺動アーム15の先端側には、ヒンジ部材70を介してバンパーアーム16の基端部が接続されている。
そして二つの平行リングは、揺動アーム15の主部材66同士を繋ぐ二本の桟67、68及びバンパーアーム16の二本の角パイプ65同士を繋ぐバンパー本体14によって結合され、結果的に立体構造を呈している。
逆転防止機構部12は、前記した様に回動部材25と連接リンク26によって構成されているが、これらについても立体構造となっている。即ち回動部材25は、同一形状の板体72を間隔を開けて配したものである。板体72は、いずれも略三角形である。連接リンク26は2本の帯鉄によって構成されている。
従って回動部材25は、軸(ピン)28を中心として回動する。
また逆転防止機構部12の板体72同士の間には、さらに2本の軸(ピン)29,35が挿通されている。
そして連接リンク26の基端部がピン29を介して回動可能に接続され、連接リンク26を構成する2本の帯鉄の先端部は、ピン31を介して揺動アーム15の連設部材取付部75に接続されている。
また油圧シリンダー27は、図3に示す如くシリンダーエンド側がピン32を介してトラック1の車体4に取り付けられており、ロッド30の先端部がピン35を介して回動部材25に取り付けられている。
また移動する際におけるバンパー本体14の姿勢は、常に一定であり、ハザードランプユニット61は常に後方に向く。
本実施例のバンパー装置40は、剛性が高く、実用的である。
2 車両積載装置
3 リフトフレーム
5 チルト機構
6 スライドボディ(荷台部)
7 サブフレーム
8 踏板
10 バンパー装置
11 バンパー駆動部
12 逆転防止機構部
13 動力部
14 バンパー本体
15 揺動アーム
16 バンパーアーム
17 補助連結部材
18 固定部材
19 コロ
20,21 ピン
22,23 ピン
24 接地部材
25 回動部材
26 連接リンク
27 油圧シリンダー
28 回転中心(ピン)
29 ピン
35 ピン
36 係合部
40,40'バンパー装置
41 補助連結部材
43 緩衝装置
52 バネ
53 線材
55 バンパー装置
57 係合手段
60 鋼管
61 ハザードランプユニット
65 角パイプ
66 主部材
67,68 桟
70 ヒンジ部材
75 連設部材取付部
Claims (9)
- 車両に取り付けられるバンパー装置であって、バンパー本体とバンパー本体を移動させる移動機構とを備え、バンパー本体を走行に適した上方の走行時位置と所定の作業に適した下方の作業時位置とに位置変更することができるバンパー装置において、移動機構は、駆動源と駆動源の動きをバンパー本体に伝えてバンパー本体を運動させる伝達機構を備え、伝達機構を構成する機素の少なくとも一つはバンパー本体側から受ける力に対して二通りの運動が生じ得る思案点があり、バンパー本体を下方の作業時位置から上方の走行時位置に移動させる時に前記機素は前記思案点を越えて運動し、駆動源はシリンダーであり、バンパー本体は、シリンダーを収縮又は伸長させることによって作業時位置から走行時位置に移動し、バンパー本体が上方の走行時位置にあるときにシリンダーがバンパー本体側から受ける力の方向は、前記作業時位置から走行時位置にバンパー本体を移動させる際のシリンダーの伸縮方向と同一であることを特徴とするバンパー装置。
- 車両に取り付けられるバンパー装置であって、バンパー本体とバンパー本体を移動させる移動機構とを備え、バンパー本体を走行に適した走行時位置と所定の作業に適した作業時位置とに位置変更することができるバンパー装置において、移動機構は、駆動源と駆動源の動きをバンパー本体に伝えてバンパー本体を運動させる伝達機構を備え、伝達機構を構成する機素の少なくとも一つはバンパー本体側から受ける力に対して二通りの運動が生じ得る思案点があり、バンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる時に前記機素は前記思案点を越えて運動し、移動機構は、揺動アームと、バンパー本体を保持するバンパーアームとを備え、揺動アームとバンパーアームはピンを介して揺動可能に結合されており、両者の角度が一定範囲のとき両者を係合させる係合手段が設けられ、バンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる際には揺動アームは垂下された姿勢から水平姿勢に向かって移動し、その間、揺動アームとバンパーアームとが一定の角度となったときに前記係合手段が係合してバンパーアームを揺動アームと一体的に移動させ、バンパー本体を走行時位置から作業時位置に移動させる際には揺動アームは垂下方向に向かって移動し、その間、バンパーアームが地面に着地して揺動アームとバンパーアームとの角度が変化し、前記係合手段の係合が解除されることを特徴とするバンパー装置。
- 思案点を有する機素は、回転軸を中心に回動する回動部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバンパー装置。
- 移動機構は、揺動アームと、バンパー本体を保持するバンパーアームと、補助連結部材及び固定部材によって構成される連鎖機構を有し、バンパー本体を作業時位置から走行時位置に移動させる際には揺動アームが垂下された姿勢から水平姿勢に向かって移動され、補助連結部材は揺動アームの移動に伴って並列的に移動し、バンパーアームは略水平姿勢を維持したままの状態で上昇することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバンパー装置。
- 補助連結部材はバンパーアームと固定部材の間が一定距離以上となることを阻止し、両者の距離が短縮されることを許容するものであることを特徴とする請求項4に記載のバンパー装置。
- バンパー本体又はバンパーアームは、下部から力を受けた時に上方に逃げる機能を備えたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のバンパー装置。
- バンパーアーム又はバンパー本体にはコロが設けられていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のバンパー装置。
- 揺動アームには接地部材が設けられていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のバンパー装置。
- バンパー装置が取り付けられる車両は貨物車両であり、車体上を移動する荷台部を有し、バンパー装置の移動機構は一部に係合部を有し、バンパー本体が走行時位置にあるとき、係合部が荷台部と係合し得る位置にあり、バンパー本体が作業時位置にあるとき、係合部は荷台部との係合し得ない位置にあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のバンパー装置。
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