JP5421598B2 - フレキシブルプリント基板の製造方法 - Google Patents
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Description
このように、LCPを基材に用いて、簡単且つ低コストの工程によりシード層を形成した配線基板用フィルム基材の作製方法及びフレキシブルプリント基板が望まれている。
即ち、本発明の目的は、LCPを基材に用いた高精細且つ高周波用途に適した配線基板用フィルム基材の作製方法を提供することにある。
LPCフィルム11は蒸着装置の固定治具14を介して、蒸着ボート12の上方に固定する。蒸着ボートの上に蒸発源となる金属13を置く。固定治具はLCPフィルムの温度を一定に保つため、ヒーターが内臓してある。また、LCPフィルムの表面温度を一定に保つため、蒸発ボートとLCPフィルムとの間に加熱ヒーター15が設置されている。
通常、LPCは、耐熱温度以下であれば、微細構造(ミクロ構造)は変化するが、電気的性質、吸水性、寸法安定性等のフィルムとしての実用的性質に変化が生じるほどのマクロな変化は生じない。また、めっき処理は、通常、100℃程度の温度において行われるのでLPCの微細構造(ミクロ構造)の変化は軽微であり、実質的影響は生じない。
(テープ剥離試験)
予め調製した配線基板用フィルム基材のメッキ膜面に、幅15mm、長さ40mmの粘着テープを、接着面長さ20mmになるように貼り付け、その後、粘着テープの他端を引き上げて、そのときの剥離状況を目視で観察した。
厚さ25μmのLCPフィルム11(株式会社クラレ製;Vecstar(登録商標) CT)を準備し、このLCPフィルム表面を、イソプロピルアルコールを含ませた不織布で表面をこすり、脱脂処理をした。続いて、LCPフィルムを固定板14に固定し、真空蒸着装置の蒸発ボート12上に固定する。蒸発ボートに蒸発源である銅金属(純度99.99%)13の塊を蒸着後にLCPフィルム上に付着する量が0.3μmとなるようにして置く。真空装置内を真空ポンプ16で排気し、同時に固定治具のヒーター14と加熱ヒーター15とに通電して、LCPフィルム11を加熱する。LCPフィルムの温度が200℃に達したら通電を停止し、さらに真空蒸着装置内の圧力が10−2Paとなったら、蒸発ボート12を加熱して、蒸着を開始する。銅金属13の塊が消失したら通電をやめる。LCPフィルム11が50℃以下に冷却できたことを確認したら、真空ポンプ16の排気を停止し、リークバルブ18を開とし、真空装置内を常圧に戻す。このとき形成された銅箔の結晶粒界の大きさをSEMにて観察した結果、0.1μm以下であった。つづいて、LCPフィルムをハイスロータイプの硫酸銅基本浴(硫酸銅:75g/L 硫酸:180g/L 塩素:40ppm)に市販の添加剤、荏原ユージライト社製のCu−Brite HA−Eを加えた浴中に投入し、銅箔の膜厚が18μmとした。次いで、窒素雰囲気中で、温度200℃で30分間の熱処理を行い、LCP配線基板用フィルム基材を調製した。
このように調製した配線基板用フィルム基材のテープ剥離試験を行ったが、テープが剥離せず、LCPフィルムと銅箔膜との高い付着強度が確認された。
厚さ25μmのLCPフィルム11(株式会社クラレ製;Vecstar(登録商標) CT)を準備し、このLCPフィルム表面を、イソプロピルアルコールを含ませた不織布で表面をこすり、脱脂処理をした。続いて、LCPフィルムを固定板14に固定し、真空蒸着装置の蒸発ボート12上に固定する。蒸発ボートに蒸発源である銅金属(純度99.99%)13の塊を蒸着後にLCPフィルム上に付着する量が0.1μmとなるようにして置く。真空装置内を真空ポンプ16で排気し、同時に固定治具のヒーター14と加熱ヒーター15とに通電して、LCPフィルム11を加熱する。LCPフィルムの温度が230℃に達したら通電を停止し、さらに真空蒸着装置内の圧力が10−3Paとなったら、蒸発ボート12を加熱して、蒸着を開始する。銅金属13の塊が消失したら通電をやめる。LCPフィルム11が50℃以下に冷却できたことを確認したら、真空ポンプ16の排気を停止し、リークバルブ18を開とし、真空装置内を常圧に戻す。このとき形成された銅箔の結晶粒界の大きさをSEMにて観察した結果、0.01μm以下であった。つづいて、LCPフィルムを基板用のハイスロータイプの硫酸銅基本浴(硫酸銅:75g/L 硫酸:180g/L 塩素:40ppm)に市販の添加剤、メルテックス社製のST−901を添加した浴中に入れ、銅箔の膜厚が12.5μmとした。次いで、窒素雰囲気中で、温度200℃で30分間の熱処理を行い、LCP配線基板用フィルム基材を調製した。
このように調製した配線基板用フィルム基材のテープ剥離試験を行ったが、テープが剥離せず、LCPフィルムと銅箔膜との高い付着強度が確認された。
厚さ25μmのLCPフィルム11(株式会社クラレ製;Vecstar(登録商標) CT)を準備し、このLCPフィルム表面を、イソプロピルアルコールを含ませた不織布で表面をこすり、脱脂処理をした。続いて、LCPフィルムを固定板14に固定し、真空蒸着装置の蒸発ボート12上に固定する。蒸発ボートに蒸発源である金(純度99.99%)13の塊を蒸着後にLCPフィルム上に付着する量が0.1μmとなるようにして置く。真空装置内を真空ポンプ16で排気し、同時に固定治具のヒーター14と加熱ヒーター15とに通電して、LCPフィルム11を加熱する。LCPフィルムの温度が230℃に達したら通電を停止し、さらに真空蒸着装置内の圧力が10−3Paとなったら、蒸発ボート12を加熱して、蒸着を開始する。金13の塊が消失したら通電をやめる。LCPフィルム11が50℃以下に冷却できたことを確認したら、真空ポンプ16の排気を停止し、リークバルブ18を開とし、真空装置内を常圧に戻す。このとき形成された金の結晶粒界の大きさをSEMにて観察した結果、0.01μm以下であった。つづいて、LCPフィルムを基板用の金めっき(青化金2.3g/L 青化カリ15g/L リン酸ソーダ4g/L)からなるめっき浴に入れ 70℃ 電流密度 0.1〜0.5A/dm2 で電気めっきを行い、金の膜厚を1μmとした。次いで、窒素雰囲気中で、温度200℃で30分間の熱処理を行い、LCP配線基板用フィルム基材を調製した。
このように調製した配線基板用フィルム基材のテープ剥離試験を行ったが、テープが剥離せず、LCPフィルムと金箔膜との高い付着強度が確認された。
厚さ25μmのLCPフィルム11(株式会社クラレ製;Vecstar(登録商標) CT)を準備し、このLCPフィルム表面を、イソプロピルアルコールを含ませた不織布で表面をこすり、脱脂処理をした。続いて、LCPフィルムを固定板14に固定し、真空蒸着装置の蒸発ボート12上に固定する。蒸発ボートに蒸発源である銅金属(純度99.99%)13の塊を蒸着後にLCPフィルム上に付着する量が0.5μmとなるようにして置く。真空装置内を真空ポンプ16で排気し、同時に固定治具のヒーター14と加熱ヒーター15とに通電して、LCPフィルム11を加熱する。LCPフィルムの温度が130℃に達したら通電を停止し、さらに真空蒸着装置内の圧力が10−2Paとなったら、蒸発ボート12を加熱して、蒸着を開始する。銅金属13の塊が消失したら通電をやめる。LCPフィルム11が50℃以下に冷却できたことを確認したら、真空ポンプ16の排気を停止し、リークバルブ18を開とし、真空装置内を常圧に戻す。このとき形成された銅箔の結晶粒界の大きさをSEMにて観察した結果、1μm以下であった。つづいて、LCPフィルム基板用のハイスロータイプの硫酸銅基本浴(硫酸銅:75g/L 硫酸:180g/L 塩素:40ppm)に市販の添加剤、メルテックス社製のST−901を添加した浴中に入れ、銅箔の膜厚が12.5μmとした。次いで、窒素雰囲気中で、温度200℃で30分間の熱処理を行い、LCP配線基板用フィルム基材を調製した。このように調製した配線基板用フィルム基材のテープ剥離試験を行ったところ、テープが銅箔をLCPフィルムから剥離し、LCPと銅箔膜とは実用には十分な付着強度がなかった。
12 蒸着ボート
13 蒸発源(金属)、
14 LCP固定治具、
15 加熱ヒーター、
16 真空ポンプ、
17 真空圧力計、
18 リークバルブ
Claims (5)
- 銅、金、銀、アルミニウムから選ばれる一つまたは、これらの混合物を含む導電体金属を蒸発源としてこの金属薄膜の膜厚が1μm以下となるように液晶性ポリマーフィルム上に真空蒸着させることと、
電気めっきで膜厚1μm以上30μm以下の金属膜を形成することと、
加熱乾燥することとを有し、
前記真空蒸着させることは、結晶の大きさが、0.1μm以下の前記金属薄膜を形成することを含む、フレキシブルプリント基板の作製方法。 - 請求項1において、前記電気めっきは、銅、金、銀、ニッケル、クロムから選ばれる一つまたは、これらの混合物を含む、フレキシブルプリント基板の作製方法。
- 請求項1または2において、前記加熱乾燥することは、液晶性ポリマーフィルムのガラス転移温度以上でかつ、分解開始温度以下で処理することを含む、フレキシブルプリント基板の作製方法。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記加熱乾燥することは、窒素またはアルゴン中で処理することを含む、フレキシブルプリント基板の作製方法。
- 銅、金、銀、アルミニウムから選ばれる一つまたは、これらの混合物を含む導電体金属を蒸発源として膜厚が1μm以下となるように金属薄膜が液晶性ポリマーフィルム上に真空蒸着され、電気めっきで膜厚1μm以上30μm以下の金属膜が形成され、加熱乾燥されたフレキシブルプリント基板であって、前記金属薄膜は結晶の大きさが0.1μm以下で形成されている、フレキシブルプリント基板。
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