JP5421521B2 - γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 - Google Patents
γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5421521B2 JP5421521B2 JP2007022313A JP2007022313A JP5421521B2 JP 5421521 B2 JP5421521 B2 JP 5421521B2 JP 2007022313 A JP2007022313 A JP 2007022313A JP 2007022313 A JP2007022313 A JP 2007022313A JP 5421521 B2 JP5421521 B2 JP 5421521B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methyl
- epoxy
- compound
- ether
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Furan Compounds (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
本発明で得られるγ−ブチロラクトン誘導体は、塗料、接着剤、粘着剤、インキ用レジンなどの構成成分モノマーとして有用である。
(1)ヒドロキシアセトンとブロモ酢酸ブロミドを塩基存在下に反応させて得られるブロモ酢酸2−オキソプロピルエステルを亜鉛を用いて環化する方法(特許文献1参照)
(2)グリシドールまたは2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールをシアノ化し、加水分解し、次いでラクトン化する方法(特許文献2参照)
(3)コバルト化合物の存在下、グリシドールと一酸化炭素とを反応させる方法(特許文献3参照)
などが提案されている。
上記(2)の方法については、実施例にはグリシドールの例しかなく、グリシドールを原料とした場合、精製後の収率が40〜51%と改善の余地がある。また、3つの反応が必要であり、全体として目的化合物を得るまでの操作時間が長くなる。
上記(3)の方法については、収率は良いものの、一酸化炭素の圧力が20〜30MPaと非常に高い反応条件を必要とし、製造上の安全性の面から改良の余地がある。
本発明の目的は、上記した背景技術の問題点を解決するため、簡便な操作及び温和な条件で、工業的に製造可能な方法で、γ−ブチロラクトン誘導体を高純度、高収率で製造し得る方法を提供することにある。
また、ジコバルトオクタカルボニルとしては、公知の方法で製造されたもの、或いは炭酸コバルト、水酸化コバルト、酸化コバルト又はこれらの混合物などの無機コバルト化合物、その他有機酸のコバルト化合物などの有機コバルト化合物を原料として、反応系内でジコバルトオクタカルボニルを発生させた溶液も用いることができる(特公昭55−22418号公報参照)。
コバルト化合物の使用量は、式(1)で表されるエポキシアルコール1モルに対して0.001〜0.5モルであるのが好ましく、0.01〜0.2モルであるのがより好ましい。
アゾール化合物の使用量は、コバルト金属1グラム原子に対して0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられ、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。中でも、反応速度及び選択性の観点から、環状エーテルが好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。非プロトン性溶媒は、単独で使用してもよいし、数種を混合して使用してもよい。
本発明の製造方法における反応操作様式には特に制限はない。また、反応試剤の供給方法・順序にも特に制限はなく、任意の方法・順序で添加することができる。例えば、反応操作を、回分式反応器に、式(I)で表されるエポキシアルコール、アゾール化合物、コバルト化合物及び非プロトン性溶媒を入れ、一酸化炭素で加圧し、所定の温度で攪拌することにより行うことができる。
窒素置換した内容積50mLの三つ口フラスコに、イミダゾール0.33g(4.80mmol)、脱気したテトラヒドロフラン20mLを順次入れ、マグネチックスターラーにて攪拌し、イミダゾールが完全に溶解したことを確認後、ジコバルトオクタカルボニル0.82g(2.40mmol)を入れた。気体の発生が終了し、液が均一になるまで攪拌した(以後、調製液Aと呼ぶ)。
内容積100mLのオートクレーブに、窒素気流下で、2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノール15.46g(175.5mmol)と脱気したテトラヒドロフラン20.0mLの混合溶液、調製液Aを順次入れ、脱気したテトラヒドロフランを更に12.5mL(テトラヒドロフラン全量52.5mL)入れた。一酸化炭素1.0MPaでオートクレーブを3回置換し、最後に一酸化炭素を4.0MPaに加圧し、80℃にて1.5時間反応させた。反応容器の温度を室温に、圧力を常圧に戻してから、反応容器を窒素1.0MPaで2回置換した後、反応液を200mLの三つ口フラスコに移した。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析すると、2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールの変換率は99.5%、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンの選択率は96.6%(収率96.1%)であった。
該反応液に、攪拌下、20mL/minで空気を3時間バブリングし、生成した固体をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮することで、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンを19.53g(純度96.3%、162.0mmol、収率92.3%)得た。
実施例1において、溶媒としてテトラヒドロフランの代わりに1,2−ジメトキシエタンを使用し、反応時間を4.0時間とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールの変換率は82.3%、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンの選択率は95.5%(収率78.6%)であった。
実施例1において、溶媒としてテトラヒドロフランの代わりにエタノールを使用し、
反応時間を1.3時間とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールの変換率は96.8%、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンの選択率は67.9%(収率65.7%)であった。
実施例1において、溶媒としてテトラヒドロフランの代わりにメタノールを使用し、反応時間を3.5時間とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールの変換率は88.1%、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンの選択率は72.2%(収率63.6%)であった。
実施例1において、イミダゾールを使用せず、反応時間を9時間とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールの変換率は2.6%、β―ヒドロキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトンの選択率は95.0%(収率2.5%)であった。
Claims (5)
- 式(I)
で表されるγ−ブチロラクトン誘導体の製造方法。 - アゾール化合物が置換もしくは無置換イミダゾールである請求項1記載の方法。
- エポキシアルコールが2,3−エポキシ−2−メチル−1−プロパノールである請求項1又は2記載の方法。
- 非プロトン性溶媒がエーテルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- エーテルが環状エーテルである請求項4記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022313A JP5421521B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007022313A JP5421521B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008189553A JP2008189553A (ja) | 2008-08-21 |
JP5421521B2 true JP5421521B2 (ja) | 2014-02-19 |
Family
ID=39750014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007022313A Active JP5421521B2 (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5421521B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6093938B2 (ja) * | 2012-11-15 | 2017-03-15 | 公立大学法人 富山県立大学 | チューリッパリン類の製造方法 |
CN109476622A (zh) * | 2016-06-30 | 2019-03-15 | 捷恩智株式会社 | 含有乙烯性不饱和基的γ-丁内酯衍生物的制造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4968817A (en) * | 1984-07-27 | 1990-11-06 | National Distillers And Chemical Corporation | Manufacture of gamma-crotonolactone by carbonylation of glycidol |
JP3482371B2 (ja) * | 1999-03-09 | 2003-12-22 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | エポキシド誘導体のカルボニル化方法 |
US6521801B2 (en) * | 2000-02-03 | 2003-02-18 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Process for preparing 1,3-alkanediol from epoxide derivative |
JP2004231542A (ja) * | 2003-01-29 | 2004-08-19 | Daiso Co Ltd | β−ヒドロキシエステルの製法及びコバルトカルボニル化合物の製法 |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007022313A patent/JP5421521B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008189553A (ja) | 2008-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4955886B2 (ja) | アルデヒドから脂肪族カルボン酸を製造する方法 | |
WO2012105431A1 (ja) | β-フルオロアルコール類の製造方法 | |
WO2009077831A1 (fr) | Procede d'obtention d'alcool a partir d'un aldehyde | |
JPWO2014115801A1 (ja) | α,α−ジフルオロアセトアルデヒドの製造方法 | |
JP6168044B2 (ja) | テトラヒドロフラン化合物の製造方法 | |
JP5421521B2 (ja) | γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法 | |
Yu et al. | Imidazolium chiral ionic liquid derived carbene-catalyzed conjugate umpolung for synthesis of γ-butyrolactones | |
JP2013209356A (ja) | α−フルオロアルデヒド類の製造方法 | |
CN109939737B (zh) | 卡宾钴催化剂、其制备方法及其在催化氢化醛和酮化合物中的应用 | |
WO2012176930A1 (en) | Process for producing carboxylic acid ester | |
JP4195934B2 (ja) | イオン性液体を用いたグリコール酸およびそのエステルの製造方法 | |
US20130072713A1 (en) | Method for producing methionine | |
WO2010114151A1 (ja) | アルコール化合物の製造方法およびその触媒 | |
US20180327429A1 (en) | Use for Boron Formates for Reducing Unsaturated Organic Functions | |
JP5085074B2 (ja) | δ−バレロラクトン誘導体の製造方法 | |
JP2004231542A (ja) | β−ヒドロキシエステルの製法及びコバルトカルボニル化合物の製法 | |
EP2152656B1 (en) | A process for the preparation of 1,4-dialkyl-2,3-diol-1,4-butanedione | |
JP4305388B2 (ja) | 1,2,4−ブタントリオールの製造方法 | |
KR101730278B1 (ko) | 알데하이드 화합물의 제조 방법 | |
JP4769464B2 (ja) | アルコール化合物の製造方法 | |
EP1978016A1 (en) | Asymmetric reduction method | |
JP4259523B2 (ja) | β−ヒドロキシエステルの製法 | |
Comins et al. | One-pot terminal alkene homologation using a tandem olefin cross-metathesis/allylic carbonate reduction sequence | |
JPS6038035A (ja) | グリコ−ルアルデヒドの製法及びその触媒 | |
JP2003340286A (ja) | エポキシ化触媒 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091014 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120313 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120509 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120828 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5421521 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |