JP5420506B2 - ヒートパイプ及びリソグラフィ装置 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、ヒートパイプ、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、液浸システム構成の一形態である。この構成では、大きい塊の液体をスキャン露光中に加速する必要がある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。このタイプの構成を局所液浸システム構成と呼ぶことができる。
[0006] 別の構成は、PCT特許出願公開WO2005/064405号に開示された液浸液が閉じ込められないオールウェット構成である。このようなシステムでは、液浸液は閉じ込められない。基板の上面全体は液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を供給する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/0119809号に記載されている。すべての位置で基板を覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
[0007] それぞれ参照により全体を本明細書に組み込むものとする欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを有する。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
[0008] 液浸リソグラフィ装置内で基板を露光した後、基板テーブルはその露光位置から離れ、基板を取り外して異なる基板と交換することができる位置へと移動する。これは、基板スワップとして周知である。2ステージのリソグラフィ装置では、テーブルのスワップは、投影システムの下で実行されることがある。
[0009] 液浸装置では、液浸液は、流体ハンドリングシステム又は装置、例えば流体ハンドリング構造によってハンドリングされる。流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、したがって流体供給システムである。流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に流体を閉じ込めることができ、それにより流体閉じ込めシステムである。流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを提供することができ、それによりバリア部材である。そのようなバリア部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。流体ハンドリングシステムは、例えば、フロー及び/又は液浸流体の位置を制御する際に液体をハンドリングするのを助けるために流体(ガスなど)のフローを生成又は使用することができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。液浸液は、液浸流体として使用してもよい。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。投影システムと基板テーブルとの間に流体ハンドリングシステムが配置されてもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義されたフィーチャへの言及は、液体に関して定義されたフィーチャを含むと考えてもよい。
[0010] リソグラフィ装置内の基板上に液体及び/又はガスのフローが存在すると、例えば蒸発による局所冷却が発生することがある。望ましくないことに、それによって、結像中の基板の表面(例えば、平面視で)上の温度が不均一になる場合がある。その結果、オーバレイ欠陥などの望ましくない欠陥が発生することがある。
[0011] 例えば、オブジェクトが実質的に均一の温度に維持されるようにオブジェクトの不均一の冷却を軽減するシステムを提供することが望ましい。
[0012] 一態様によれば、基板を保持するように構成された基板ホルダと、基板ホルダを実質的に均一の温度に維持するように構成されたヒートパイプとを備えるリソグラフィ装置であって、ヒートパイプが、液体リザーバと蒸気空間とを含むチャンバと、使用時にチャンバ内の液体と少なくとも部分的に接触する加熱要素とを備えるリソグラフィ装置が提供される。
[0013] 一態様によれば、オブジェクトを実質的に均一の温度に維持するヒートパイプであって、液体リザーバと蒸気空間とを含み、その一部が凝縮面によって画定されたチャンバと、液体に力を加えて液体を凝縮面からリザーバへ向けて輸送する液体輸送装置と、液体を加熱するように構成され、液体輸送装置内に配置された加熱要素とを備えるヒートパイプが提供される。
[0014] 一態様によれば、オブジェクトを実質的に均一の温度に維持するヒートパイプであって、液体リザーバと蒸気空間とを含むチャンバと、リザーバ内の液体を加熱するように構成され、一部がリザーバ内に配置され一部が蒸気空間内に配置された加熱要素とを備えるヒートパイプが提供される。
[0015] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0016]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。 [0017]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0017]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0018]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0019]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0020]ある実施形態によるヒートパイプ、基板ホルダ及び基板の断面図である。 [0021]ある実施形態によるヒートパイプ、基板ホルダ及び基板の断面図である。 [0022]図7のヒートパイプの詳細な実施形態の断面図である。 [0023]図7のヒートパイプの詳細な実施形態の断面図である。 [0024]図7のヒートパイプの詳細な実施形態の断面図である。 [0025]図7のヒートパイプの詳細な実施形態の断面図である。 [0026]図7のヒートパイプの詳細な実施形態の断面図である。 [0027]ある実施形態によるヒートパイプの平面図である。 [0028]ある実施形態によるヒートパイプの平面図である。 [0029]ある実施形態によるヒートパイプの平面図である。 [0030]図15に示す支柱のある実施形態の平面図である。 [0031]図16の支柱の側面図である。 [0032]凝縮液に表面張力による排水力を加える2次元形状の凝縮面の概略図である。
[0033] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0034] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0035] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0036] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0037] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0038] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0039] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0040] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0041] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0042] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0043] 放射ビームBは、支持構造MT(例えば、マスクテーブル)上に保持されたパターニングデバイスMA(例えば、マスク)に入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分Cの間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0044] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0045] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0046] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、3つの一般的なカテゴリに分類できる。これらは、浴槽タイプの構成と、いわゆる局所液浸システムと、オールウェット液浸システムである。浴槽タイプの構成では、実質的に基板Wの全体と、任意選択で基板テーブルWTの一部が液体の浴槽に浸される。
[0047] 局所液浸システムは、液体が基板の局所領域にのみ提供される液体供給システムを使用する。液体によって充填された空間は、平面視で基板上面よりも小さい。液体によって充填された容積又は空間は、基板Wがその領域の下を移動する間、投影システムPSに対して実質的に静止したままである。図2〜図5は、そのようなシステムで使用することができる異なった供給デバイスを示す。液体を局所領域に封止する封止特徴部が存在する。提案されているこれを配置する方法の1つが、PCT特許出願公開第WO99/49504号に開示されている。
[0048] オールウェット構成では、液体は閉じ込められない。基板上面の全体と基板テーブルの全部又は一部は液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。液浸液は、投影システムと投影システムに対向する対向面(そのような対向面は基板及び/又は基板テーブルの表面であってもよい)に、又はその領域内に供給することができる。図2〜図5の液体供給デバイス(以下に説明する)のいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、封止特徴部は存在しなくてもよく、活性化されなくてもよく、通常より有効でなくてもよく、又はその他の点で液体を局所領域にのみ封止する効果がなくてもよい。
[0049] 図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。図2及び図3に図示されているように、液体は、矢印によって示すように、少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給される。液体は、矢印によって示すように、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。基板が−X方向に要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体のフローを矢印によって示す、すなわち、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示す。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは両側に出口を持つ4組の入口が最終要素の周囲に規則的パターンで設けられる。液体のフローの方向は、図2及び図3に矢印で示されていることに留意されたい。
[0050] 局所液体供給システムを備える液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口は、投影される投影ビームが通る穴が中心にあるプレートに配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組合せの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口及び出口は動作しない)。流体のフローの方向と基板Wの方向は図4に矢印で示されていることに留意されたい。
[0051] 提案されている別の構成は、液体供給システムに液体閉じ込め構造を提供する構成である。液体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。そのような構成を図5に示す。矢印は、フローの方向を示す。
[0052] 図5は、投影システムPSの最終要素と対向面(例えば、基板テーブルWT又は基板W)との間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延在する液体閉じ込め構造12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造を概略的に示す。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルWTの表面も意味することに留意されたい。別のオブジェクト、例えば投影システムに対する基板の移動は、特に断りのない限り、同じオブジェクトに対する基板テーブルの移動を含む。)液体閉じ込め構造12は、投影システムPSに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12と基板Wの表面との間には封止が形成される。封止は、ガスシール(ガスシールを備えたそのようなシステムは、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている)又は流体シールなどの非接触封止でよい。
[0053] 液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間11内に閉じ込められるように、基板Wへのガスシール16などの非接触封止を投影システムPSのイメージフィールドの周囲に形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置しそれを取り囲む液体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムPSの下の空間11、及び液体入口13によって液体閉じ込め構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素から上に少し延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12は、上端で、投影システムPS又はその最終要素の形状にぴったりと一致する内周を有し、例えば円形又は任意の適した形状であってもよい。底部で、内周は、イメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0054] 液体は、使用時に、液体閉じ込め構造12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められてもよい。ガスシール16は、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール16内のガスは、入口15を介して液体閉じ込め構造12と基板Wとの間のギャップに加圧下で提供される。ガスは、出口14を介して抽出される。内側に液体を閉じ込める高速のガスのフローが存在するように、ガス入口15上の過圧、出口14上の真空レベル及びギャップの幾何構造が配置されている。液体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体上のガスの力で、液体は空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的であっても又は不連続的であってもよい。ガスのフローは、液体を空間11内に封じ込める効果がある。そのようなシステムは、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。別の実施形態では、液体閉じ込め構造12はガスシールを有さない。
[0055] 本発明のある実施形態が適用可能なその他のタイプの液体閉じ込め構造は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする2009年5月25日出願の米国特許出願US61/181,158号に記載されるようないわゆるガス抵抗液体閉じ込め構造を含む。米国特許出願US2008/0212046号は詳細内容を記載し、その内容も参照により全体を本明細書に組み込むものとする。
[0056] 図5の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所領域にのみ提供される、いわゆる局所領域構成である。液体閉じ込め構造12の下面40上の単相抽出器を使用する構成などのその他の構成も使用することができる。多孔質の部材を備えた単相抽出器を備える抽出器アセンブリが、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願US2006/0038968号に記載されている。そのような抽出器アセンブリを凹部とガスナイフを組み合わせて使用する構成が、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006/0158627号に詳細に開示されている。本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用する流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、液体を閉じ込めている閉じ込め構造から投影システムの最終要素と基板との間に液体を漏出させることで、流体は基板テーブルの上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
[0057] 液浸リソグラフィ装置では、液体が基板Wに提供される。液体自体が基板Wへの熱負荷を提供することができ、又は基板W上の液体が蒸発する際に熱負荷が基板Wに付与されることがある。熱負荷の別の発生源は、基板Wの上のガスフローである。熱負荷が基板Wの局所領域に付与される場合、結像する基板Wの表面の熱変動が引き起こされ、これによりオーバレイエラーが発生する可能性がある。基板、特に平面視での基板の温度が均一でない場合、これは有害になることがある。特に局所領域液体供給システム(図2〜図5に示すような)の場合、上記の不均一の熱負荷は高いリスクとなることがある。
[0058] 本発明のある実施形態では、周囲の領域よりも温度が低下した(例えば、基板W上の液体の存在又は液体の蒸発あるいは基板Wの上のガスフローなどによる冷却負荷を受けることによって)基板の領域(平面視で)に局所熱負荷を提供するためにヒートパイプ100が使用される。
[0059] 一実施形態を図6に示す。図6は、基板テーブルWT内に提供されるヒートパイプ100の断面図を示す。ヒートパイプ100は、基板Wを保持する基板ホルダ200の下に位置する。基板ホルダ200は、いわゆるバールプレート又はピンプルテーブルであってもよく、あるいは、静電チャック又は別のタイプの基板ホルダ200であってもよい。基板ホルダ200のタイプは限定されない。
[0060] バールプレート又はピンプルテーブルでは、基板ホルダ200の上面が複数の突起を備える。基板Wはこれらの突起上に置かれている。突起の間のギャップ内は加圧下にあって、基板Wは突起に吸着される。こうして、基板Wは基板ホルダ200によって保持される。
[0061] ヒートパイプ100は基板ホルダ200の下にだけあるように示されているが、ヒートパイプ100はこれより大きくてもよく、基板ホルダ200の半径方向外側に(投影システムPSの光軸に対して)基板テーブルWTの別のフィーチャの下に配置されていてもよい。例えば、ヒートパイプ100は、基板Wと基板Wが配置された基板テーブルWT内の凹部の縁部との間のギャップ、及び/又はガス及び/又は液体をそのギャップから除去するように構成された抽出システムの下にあってもよい。ヒートパイプ100は、例えば、1つ又は複数のセンサ及び/又は1つ又は複数のマーカ(例えば、アライメントマーカ)の下に延在していてもよい。
[0062] ヒートパイプ100は、チャンバ110より構成される。チャンバ110は、1つ又は複数の側壁114、底壁112及び凝縮面120を含む壁によって画定されている。凝縮面120は、底壁112と向かい合っている。凝縮面120は、チャンバ110の天井を形成する上面である。凝縮面120は、基板ホルダ200に隣接している。一実施形態では、凝縮面120は、基板ホルダ200によって形成される。
[0063] チャンバ110は、リザーバ125内の液体と、リザーバ125の上の蒸気空間128内のリザーバ125内の液体の蒸気とによって充填されている。チャンバ110は閉鎖システムであり、望ましくはリザーバ125内の液体及び蒸気空間128内のその液体の蒸気以外のガス又は液体を封じ込めない。蒸気空間128内の蒸気は飽和している。
[0064] 凝縮面120の局所領域が凝縮面120の別の領域よりも温度が低い場合、蒸気空間128内の蒸気は、凝縮面120の局所的に低温の領域で凝縮する。蒸気から液体への相転移(凝縮)の間に、蒸発の潜熱が凝縮面120へ追い出される。これによって、エネルギーが低温の領域に提供されてその領域を加熱する。これは、この領域が蒸気と実質的に同じ温度に達するまで継続する。こうして、冷却する熱負荷を受ける領域はエネルギーを提供され、それによってその領域の温度は、周囲の領域と実質的に同じ温度まで上昇する。オーバシュートは発生しない。
[0065] こうして、凝縮相転移によるエネルギーが基板ホルダ200を通して基板Wへ伝導されるので、基板Wの温度は(平面視で)実質的に均一に維持される。
[0066] 凝縮面120上での凝縮後に、液体はリザーバ125へ戻る(以下に詳述する)。1つ又は複数の加熱要素190a、190b、及び/又は190cがチャンバ110内に提供され、リザーバ125内の液体を加熱する。こうして、凝縮反応中に失われたエネルギーは元に戻り、リザーバ125内の液体と蒸気空間128内の蒸気、したがって凝縮面120の温度はすべて実質的に同じ一定の温度に維持される。
[0067] 液体は、凝縮面120を画定する材料及び基板ホルダ200の材料よりも低い熱伝導率を有する(例えば、約3桁小さい)傾向がある。したがって、ヒートパイプの高速の熱反応を確保し、凝縮液層全体での温度差を低減又は最小限にするために、凝縮面120上のいかなる液膜もできるだけ薄いことが望ましい。これは、凝縮中に凝縮反応によって提供されるエネルギーが凝縮面120に達する前に凝縮面上のあらゆる液体を通して伝導されなければならないからである。したがって、凝縮面120上のいかなる膜もその厚さをできるだけ低減する手段を講じることが望ましい。
[0068] 凝縮面120は、非多孔質であることが有利である。これは多孔質表面であると、液体を捕集し、それによって任意の凝縮熱が基板Wに達する前に通過しなければならない液体の厚さを増加させるからである。したがって、多孔質凝縮面提供基板W上の冷却負荷に対するヒートパイプ100の反応時間短くる。
[0069] 図6の実施形態では、凝縮面120からリザーバ125への液体の輸送を助ける2つの手段が講じられる。2つの手段は、相まって追加的に又は代替的に、凝縮面120からリザーバ125内への液体の滴下の可能性を低減する。第1に基板テーブルWT内に不要な振動を引き起こすことがあり、第2にヒートパイプ100内に不要な熱衝撃を引き起こすことがあるため、そのような滴下は有害である。ヒートパイプ100は、そのような熱衝撃に対処できず凝縮面の熱変動が引き起こされることがある。
[0070] 第1の手段として、ヒートパイプ100は、液体輸送装置130(各図で一貫して網掛け表示)を備える。液体輸送装置130は、リザーバ125の方向に液体に力(重力に加えて)を加えるように構成されている。すなわち、液体輸送装置130は、液体を凝縮面120からリザーバ125へ向けて輸送するように構成されている。ある実施形態では、液体輸送装置130はリザーバ125内に一端を有する。こうして、凝縮面120から離れた液体は、一旦液体輸送装置130に入るとリザーバ125まで輸送される。
[0071] 第2の手段として、凝縮面120は、凝縮液体が液体輸送装置130へ向けて凝縮面120に沿って移動する(すなわち、凝縮面120の表面の平面内の成分と共にある方向に)ような形状を有する。
[0072] 液体輸送装置130及び凝縮面120の形状は、相まって又は別々に効率的に機能して液体を凝縮面120からリザーバ125へ輸送する。これによって凝縮面120上の液膜の厚さはできるだけ小さく維持され、これにより基板W上の冷却負荷に対するヒートパイプ100の熱応答が改善され、液膜全体での温度差が低減され又は最小限にされる。これは、基板Wに達する前に凝縮熱が伝導される液体の厚さが低減されるためである。
[0073] 望ましくは液体輸送装置130は、受動液体輸送装置130である。一実施形態では、液体輸送装置130は、毛管作用によって液体に力を加える。望ましくは液体輸送装置130は、多孔質材料から構成される。こうして凝縮液体は、凝縮面120から毛管作用で吸い取られ、リザーバ125内に運ばれる。図15及び図16に示し以下に説明する代替実施形態では、液体輸送装置130は少なくとも1つの毛管溝を備えていてもよい。液体輸送装置130内の毛管力は重力より大きい。
[0074] 液体輸送装置を多孔質材料で構成することは液体の表面積を増加させるので有利である。この結果、蒸発及び/又は液体内の熱平衡状態の達成が迅速になる。これによって、基板W上の冷却負荷に対するヒートパイプの熱応答が迅速になる。さらに、多孔質材料によって不都合な液体のスロッシングが低減される。
[0075] 毛管作用によって液体に力を加える液体輸送装置の追加又は代替策は、液体を凝縮面120から(例えば、凝縮面120の形状のおかげで液体が誘導される凝縮面120の領域から)リザーバ125へ押し出す導管とポンプの組合せである。代替又は追加のポンピング方法は、例えば、少なくとも2つの電極による液体の静電ポンピングである。電極は薄膜技術で製造することができる。
[0076] 凝縮面120の形状は、凝縮液体が凝縮面120に沿って液体輸送装置130へ向けて移動するような形状である。一実施形態では、凝縮面120は、凝縮液体が重力を受けて液体輸送装置130へ向けて凝縮面120に沿って移動するような形状である。例えば、凝縮面120は、表面が水平方向から液体輸送装置130の方向に傾いた輪郭であってもよい。こうして液体は、表面に沿って重力の力で液体輸送装置130へ向けて排出される。凝縮面120に沿った液体の移動は、液体輸送装置130へ向かうものであってもよい。これによって、突然の瞬間的な熱移動の不安定さ(すなわち、凝縮面120からリザーバ125への滴下)又は基板テーブルWTの加速による滴下を回避することができる。
[0077] 液体が凝縮面120のフィーチャによって液体輸送装置130へ誘導されるように、液体輸送装置130は凝縮面120上のフィーチャに整列している。
[0078] 代替的に又は追加的に、凝縮面120を滴下による凝縮が促進されるように実質的に乾燥状態に構成してもよい。これを構成する方法の1つは、リザーバ125から流出する液体が凝縮面120との90°を超える、望ましくは100°を超える、より望ましくは110°、120°、130°、140°、又は150°を超える静的接触角をなすように凝縮面120を疎液性にする方法である。一実施形態では、リザーバ125から流出する液体が凝縮面120となす静的接触角は160°又は170°を超える。これによって、凝縮面120の大部分の領域で凝縮への最大の抵抗(液膜の存在)が低減される。これは、液滴が形成された凝縮面120の領域で凝縮への抵抗(遮断による)が増加するという犠牲を伴う。
[0079] ヒートパイプ100上に作用する加速力(例えば、基板テーブルWTの加速力)が凝縮面120上の液滴に作用し、そのため液滴は凝縮面120上を移動する。液滴は凝縮面120を離れることが望ましい。液滴は、液体輸送装置130へ向けて移動することで凝縮面120を離れる。液体輸送装置に達すると、他の箇所に説明するように、液滴は除去される。代替的に又は追加的に、液滴は、凝縮面120からリザーバ125内へ直接落下する。この実施形態では、凝縮面120の一定の地点で凝縮抵抗が高い一方、凝縮面120の別の地点で凝縮抵抗が低くなっている。さらに、上記のように、凝縮面120からリザーバ125内へ落下する液体は不要な振動を伴うので有害である。したがって、ヒートパイプ100の加速の結果、液滴が液体輸送装置130へ向けて移動し、液体輸送装置130によってリザーバ125内へ戻される実施形態が望ましい。
[0080] 凝縮面120は、上記のリザーバ125内の液体に対して疎液性質を示すようなコーティングを備えていてもよい。追加的に又は代替的に、凝縮面120に必要な疎液性質を達成するための表面処理を施してもよい。リザーバから流出する液体が凝縮面となす接触角は、凝縮面にわたって変化してもよい。
[0081] 上記の液滴の実施形態は、下記の液膜の実施形態よりも熱伝達係数が大きい。また、この実施形態では、ヒートパイプ100の加速力は、凝縮液の移動を助ける能力がより高い。これは、液滴内の加速力の形態と凝縮面120との大きい接触角のためである。
[0082] 凝縮面120は、液滴を液体輸送装置130へ誘導するような形状であってもよい。凝縮面120は、任意の形状をしていてもよい。凝縮面の形状の一例は、放物線であってもよい。基板テーブルWTの加速は、凝縮面120上の液滴をかき乱して、例えば、液体輸送装置130へ向けて移動させる。
[0083] 追加的に又は代替的に、凝縮面120は、表面張力による排水力を受けて凝縮液体が液体輸送装置130へ向けて凝縮面120に沿って移動するような形状であってもよい。
[0084] 一実施形態では、凝縮面120の曲線は、表面張力による排水力が凝縮面120上の液膜上に作用するような曲線である。表面張力による排水力は、重力が作用する方向(例えば、重力と逆の方向)だけでなく任意の方向に作用することができる。凝縮面120の曲線は、表面張力による排水力が特定の方向(例えば、第1の方向)に作用するように選択される。方向は、表面張力による排水力が液体上を所望の方向に作用するように選択される。方向は、垂直及び/又は水平成分を有していてもよい。曲線の凝縮面120を用いて表面張力による排水力を生成して凝縮面120から液体を液体輸送装置130へ向けて排出するのを助けることができる。表面張力による排水力という用語は当技術分野で使用されている用語であるが、本明細書で使用される力という用語は、上記のように、必ずしも液体を「排出する」働きをするとは限らない。
[0085] 表面張力による排水力は、表面張力による排水力がフィンの先端から重力に垂直な方向にフィン間の谷間へ液体を移動させるために使用される凝縮器内の凝縮フィンに関連して研究されてきた。液体がフィン間の谷間に達すると、次に重力は、液体に作用して液体を下方に除去する。こうして、フィンの先端に凝縮した液体の薄膜をフィンの先端から剥がして薄膜上にさらに液体を凝縮させることができる。例えば、John Wiley&Sons社から2003年7月11日に発行されたAdrian Bejan及びAllan D.Kraus著の「Heat Transfer Handbook」を参照されたい。
[0086] 「Heat Transfer Handbook」の第10章には、表面張力による排水力が説明されている。要約すると、液体と蒸気との間の界面が屈曲している場合、界面の機械的な平衡状態を確立するために界面全体で圧力差が存在しなければならない。液体の表面張力が大きく表面の曲率半径が小さいと、液体と蒸気との間に大きな圧力差が生まれる。表面張力による排水力を誘発する基本の屈曲形状は、局所曲率半径が第1の方向に低減する、例えば、液体輸送装置130へ向かう方向に低減する曲線である。その結果、表面張力による排水力が表面上の液膜上に第1の方向に作用する。
[0087] Adamekは、表面張力による排水力が特に大きい一連の曲線を定義した(Adamek,T.,1981「Bestimmung der Kondensationgroessen auf feingewellten Oberflaechen zur Auslegung optimaler Wandprofile」、Waerme−und Stoffuebertragung、Vol.15,pp.255−270を参照)。曲線の式は以下の通り。
上式で、κは液体と蒸気との界面の曲率、θmは凝縮液表面が回転する最大角、Smは最大アーク長、ξは形状係数、sは液体と蒸気との界面に沿った距離である。
[0088] この液膜上の凝縮がない液膜の排水だけがある簡単な例では、各断面を通した液膜のフローは一定である。排水を最大限にするために、各断面での液膜の厚さは一定であり、これは、圧力勾配が一定であることを意味する。液膜の曲率の勾配との圧力勾配は直線で液膜の厚さが一定であるため、一実施形態での壁プロファイルは、最初から最後まで直線的に減少する曲率を有していてもよい。排水中に液膜上の凝縮がある時はいつでも、フローは最初から最後まで増加するが、これは最適な排水のための多少異なった壁プロファイルを必要とする。次に、壁プロファイルを正確に決定するために詳細な計算を実行することができる。圧力勾配は、最後まで増加してより高いフローを補償しなければならない。
[0089] Adamekプロファイルを備えた凝縮面120上の曲線は、大きい表面張力による排水力を加える効率が特に高く、それによって液体の排水を最大限にし、液膜の層の厚さを最小限にするため、望ましい。いわゆるAdamekプロファイルは、排水用に、すなわち、最小の厚さのために最適化されている。
[0090] 望ましくは、凝縮面の表面の液膜は20μm以下、望ましくは10μm以下、又は望ましくは1μm以下である。
[0091] 凝縮面120が、凝縮液体が凝縮面120に沿って重力及び/又は表面張力による排水力を受けて液体輸送装置130へ向けて移動する形状である構成の代替的に又は追加的に、凝縮面120は、オブジェクトの加速によって凝縮面120上の液体に力が加わって液体を液体リザーバ125へ戻すような形状であってもよい。すなわち、リソグラフィ装置の動作時に、基板テーブルWTに関して特に大きい加速が発生する。この加速は主として水平方向である。凝縮面120を大きい加速によって凝縮面120上の液体に力が加わって液体をリザーバ125へ戻すような形状にすることができる。この実施形態では、液体は、上記のその他の実施形態と同様に液体輸送装置130を介してリザーバに戻ってもよい。
[0092] 表面張力による排水力を用いて液体輸送装置130へ向けて凝縮液体を移動させる実施形態では、凝縮面120は親液性であることが有利である。すなわち、リザーバ125内の液体は、凝縮面120と90°未満の、例えば、80°、70°、60°、50°、40°又は30°未満の接触角をなす。ある実施形態では、リザーバ125内の液体は、凝縮面120と20°未満の、又は10°未満の接触角をなしてもよい。凝縮面120の親液性の性質は、表面張力による排水効果が達成できるように表面上に膜を生成するのを助ける。このために、凝縮面120に表面処理又はコーティングを施してもよい。
[0093] ある実施形態では、多孔質部材150(二重網掛けで示す)が望ましくはチャンバ110の底壁112を実質的に覆うようにヒートパイプ100の底部に提供される。一実施形態では、図示のように、リザーバ125は、完全に多孔質部材150内にある。こうしてリザーバ125内の液体は多孔質部材150内に保持され、これによって、基板テーブルWTの加速(負又は正の)中のリザーバ125内の液体のスロッシングが防止されるのを助ける。この構成がなければスロッシングによって基板テーブルWT内に不要な力が生成されるのでこの構成は有利である。
[0094] 一実施形態では、液体輸送装置130は存在せず、液体は凝縮面120から多孔質部材150へ直接移動する。すなわち、多孔質部材150は、重力に追加する力を液体に加え、それにより液体を凝縮面120からリザーバへ向けて輸送する(すなわち、毛管作用によって)液体輸送装置と見なすことができる。したがって、図8〜図12を参照する下記の突起220は、液体輸送装置として機能する多孔質部材150へ向けて下方に延在する。すなわち、液体輸送装置は、平面状の上面を備えたチャンバ110の底部に沿って連続的に延在する多孔質部材150の形態を有する。
[0095] 図6の実施形態では、液体輸送装置130は、底壁112と凝縮面120との間に延在する複数の多孔質部材から構成される。こうして液体輸送装置130は、基板ホルダ200が側壁114の間に垂れ下がることを防止するのを助ける。この実施形態では、液体輸送装置130は、チャンバ110の壁を形成する材料と実質的に同じ熱膨張係数を有する材料から構成されるのが望ましい。熱膨張係数の差が大きいと、基板ホルダ200は望ましくないことに弓状に屈曲することがある。そのような屈曲は基板Wへ伝わり、これにより結像エラーを引き起こすことがある。
[0096] 液体輸送装置130の熱膨張係数をチャンバ110の壁を画定する材料の熱膨張係数に合わせることは、場合によって不可能である。その場合、液体輸送装置130と凝縮面120(図7に示す)との間又は液体輸送装置130と底壁112との間にギャップを提供してもよい。代替的に又は追加的に、液体輸送装置130に底壁112と凝縮面120とから離間した場所に裂け目(例えば液体輸送装置130のギャップ)を提供してもよい。代替的に又は追加的に、液体輸送装置130の材料又はその設計は柔軟性/可撓性があり(例えば、メッシュ)、それによって熱膨張又は熱収縮が起こった時に基板ホルダ200を屈曲させるだけの有意な力を基板ホルダ200に及ぼさないように構成されていてもよい。
[0097] チャンバ110内の底壁112と凝縮面120との間に延在する1つ又は複数の構造部材140(例えば、図7及び図13〜図15に網掛けで示す)を提供することが場合によって必要である。そのような構造部材140は、基板ホルダ200を支持し、それによって基板ホルダ200が自重で(又はそれに加えられたいかなる他の力によっても)変形しないことを確実にするのを助ける。望ましくは、構造部材140は、チャンバ110が画定されている壁の材料と実質的に同じ熱膨張係数を有する。一実施形態では、構造部材140は、チャンバ110の壁を画定する基板テーブルWTの本体と同じ材料で構成される。構造部材140は、ヒートパイプ100の剛性(完全性、堅牢性、安定性)を確保するのを助ける。
[0098] 図7は、液体輸送装置130と凝縮面120との間にギャップが存在し、1つ又は複数の構造部材140がさらに提供された実施形態を示す。図8〜図12を参照しながら、様々な異なる凝縮面120の実施形態について説明する。また、以下の図13〜図16を参照しながら、液体輸送装置130と構造部材140の様々な構成について説明する。図7の実施形態では、液体輸送装置130と構造部材140とが十分に近接している(例えば、0.1mm未満しか離れていない)場合には、多孔質部材150はなくてもよい。液体輸送装置130と構造部材140との間の小さい突起も同じ機能を果たす。
[0099] 望ましくは、液体輸送装置130は、高い熱伝導率を有する。高い熱伝導率によってチャンバ110内の熱平衡状態の達成が容易になるので、これは有利である。望ましくは、液体輸送装置130(及び構造部材140があればそれも)の材料は、少なくとも10W/m/K又は少なくとも100W/m/K、望ましくは、少なくとも150W/m/Kの熱伝導率を有する。好適な材料は、185W/m/Kの熱伝導率を有するSiSiCである。ヒーターが存在するか、液体輸送装置130に接続されているか又は液体輸送装置130内にある実施形態では、液体輸送装置130が高い熱伝導率を有することは望ましくない。これは、液体輸送装置130が凝縮面120まで熱を伝導するためである。したがって、この実施形態では、液体輸送装置が低い熱伝導率を有することが望ましい。
[00100] 液体輸送装置130が多孔質材料から構成された実施形態では、液体輸送装置130の上部(凝縮面120に近い端部)から液体輸送装置130の底部(液体リザーバ125に近い端部)まで孔のサイズが変化する。孔のサイズは上から下へ向かって小さくなり、排水量が増加する。ある実施形態では、液体輸送装置130を凝縮面120に装着してもよく、液体輸送装置130は、ヒートパイプ100の加速(例えば、基板テーブルWTの移動中の)によって液体輸送装置が屈曲する程度の可撓性を有する。その結果、加速力を受けて液体は下方に運ばれる。この実施形態では、液体輸送装置130は、多孔質材料又は非多孔質材料で構成されてもよい(例えば、非多孔質材料の場合、液体輸送装置は、図16及び図17で関連して後述する形態であってもよい)。この実施形態では、液体輸送装置130からの蒸発が増加する。この実施形態では、液体輸送装置130は、加速力を受けて屈曲していない時に多孔質部材150への液架橋を形成するような大きさでよい。
[00101] 蒸気空間128から凝縮面120への蒸気の凝縮の結果、封止チャンバ110からエネルギーが全体に失われる。このエネルギーを置換して熱平衡状態を維持するために、1つ又は複数の加熱要素190a、190b、及び/又は190cが提供される。ヒートパイプ100の高速応答を確実に行うのを助けるため、加熱要素190a、190b、190cは、チャンバ110内の液体に接触して提供される。望ましくは加熱要素190a、190b、190cは、液体/蒸気の界面のできるだけ近くに提供される。これによって、加熱要素190a、190b、190cから発する熱が液体の蒸気への蒸発(凝縮した蒸気を置換するための)が発生する液体/蒸気の界面に達する前に伝導されなければならない距離が低減するか又は最小限になる。加熱要素190a、190b、190cが液体/蒸気の界面から遠いほど、ヒートパイプ100の反応時間は長くなる。
[00102] 図6は、加熱要素190a、190b、190cの可能な場所を示す。ヒートパイプ100は、すべての場所、2つの場所又はただ1つの場所に加熱要素を備えることができる。単一の加熱要素を提供してもよく、又は複数の加熱要素190a、190b、190cを提供してもよい。
[00103] 加熱要素190a、190b、190cは、チャンバ内の液体に少なくとも部分的に接触している。加熱要素の第1の場所が190aに示され、液体輸送装置130内にある。加熱要素190aは、液体輸送装置130内の液体に常に接触する(望ましくは完全に取り囲まれる)液体輸送装置130内に位置することが望ましい。
[00104] 加熱要素の第2の場所が190bに示され、完全にリザーバ125内にある。加熱要素190bは、リザーバ125内の液体と蒸気空間128内の蒸気との間の界面192の近くに提供されることが望ましい。チャンバ110内の液面は、変動する。したがって、加熱要素190bは液体に部分的に浸漬され、部分的にリザーバ125内にあってもよい。
[00105] 加熱要素の別の場所が190cに示されている。加熱要素190cは細長い。加熱要素190cの長手方向は、リザーバ125の液体の表面に実質的に垂直である。したがって、190cタイプの加熱要素をリザーバ125内の液面が大幅に変動する条件下で使用することは、加熱要素190cの少なくとも一部がチャンバ110内の液体に常時接触しているという利点を有する。
[00106] 場所190b及び/又は190cの加熱要素は、完全に又は部分的に多孔質部材150内にあってもよい。
[00107] 望ましくは、ヒートパイプ100は、できるだけ少ない液体(例えば、多孔質の構造を飽和させる量より少ない液体)を封じ込める。これによって、装置の重量は低減され、液体のスロッシングが発生する確率は低下する。しかし、ヒートパイプ100の液体が枯渇すると、加熱要素190a、190b、190cが乾燥するので望ましくない。
[00108] 加熱要素190a、190b、190cが部分的にしか浸漬していない場合、浸漬していない部分よりも大きい部分が浸漬していることが望ましい。動作時に、ヒーター190a、190b、190cによって生成される蒸気は、凝縮面120の最も低温の部分の下にある蒸気空間128内の圧力が最も低い場所に移動する。
[00109] 加熱要素190a、190b、190cに加えられる力を制御する方法は主として2つある。力の量は、コントローラ195によって制御される。コントローラ195は、圧力センサ197と1つ又は複数の温度センサ199の一方又は両方から信号を受信する。下記のように、蒸気が圧力が最も低い場所へ流れる経路を提供して、これにより圧力を均等化して平衡状態を達成することで蒸気空間128内の蒸気のフローが確実に凝縮面120上の冷点へ達するのを助けるような手段が講じられる。したがって、蒸気空間128内の蒸気の圧力は、蒸気空間128を通して実質的に一定でなければならない。したがって、1つの圧力センサ197だけを提供すればよい。凝縮面120上で蒸気が凝縮すると、蒸気空間128内の蒸気の圧力が低下する。これは、圧力センサ197によって検出することができ、この情報は、コントローラ195へ提供される。これに応答して、コントローラ195は、加熱要素190a、190b、190cを制御して蒸気空間128からの一部の蒸気の凝縮を考慮し、さらに液体を蒸発させてその分の蒸気を置換する。
[00110] 圧力センサ197を使用する利点は、圧力センサ197の場所がセンサの読取りに影響しないように蒸気空間128の全容積にわたって蒸気圧が平均化されるという点である。しかし、基板テーブルWTのスキャン運動(例えば、大きい加速)が圧力読取りを阻害することがあるという欠点がある。したがって、代替的に又は追加的に、コントローラ195内の1つ又は複数の温度センサ199からの信号を使用することが望ましい。
[00111] 蒸気空間128からの蒸気が凝縮面120上で凝縮すると、チャンバ110内の温度が低下する。温度センサ199は、加熱要素190a、190b、190cを制御してチャンバ110にエネルギーを加えることができるコントローラ195にこの情報を提供することができる。温度センサの欠点は、温度変化への反応が遅く(その固有の熱容量と周囲の材料のために)、提供する情報の内容が局所的周囲のみに限られるということである。後者の欠点は、チャンバ110内に空間的に分散した複数の温度センサ199を提供することである程度対処することができる。図6に示すように、これらは、蒸気空間128内のリザーバ125から異なる距離に提供することができ、代替的に又は追加的に、リザーバ125の液体内に提供してもよい。代替的に又は追加的に、図7に示すように、温度センサ199は、蒸気空間128内に水平に分散してもよい。ある実施形態では、温度センサは、構造部材140、又は液体輸送装置130又は多孔質部材150又はリザーバ125内に提供される。ある実施形態では、温度センサは、(例えば、基板ホルダ200の下面の螺旋状に巻かれたプラチナ線又は蒸着層の形態で)広い領域を覆う。
[00112] 上記のように、図7の実施形態では、凝縮面120の底部と液体輸送装置130との間にギャップが存在する。このギャップの詳細を図8に示す。
[00113] 図から分かるように、凝縮面はその上に突起220を有する。突起は、液体輸送装置130の上面へ向かって下方に突き出している。ある実施形態では、凝縮面120は、液体輸送装置の隣接する部分(又は隣接する液体輸送装置)の間の位置で水平な状態から水平に対して液体輸送装置により近い角度でその表面が水平面となす角度を平滑に変化させるように屈曲している。図9、図10及び図11は、平坦な表面を備えた実施形態を含む凝縮面120上の突起220の様々な断面プロファイルを示す。その他の形状の各々は、可能な実施形態である。突起220は、図6及び図7の実施形態(例えば、液体輸送装置130の上部にギャップがある実施形態とそのようなギャップがない実施形態)の両方に適合する。有利には、凝縮面は平滑である(例えば、角を有さない)。液体は角に捕集され、蒸気空間128内の蒸気と基板Wとの間の熱抵抗が増加する。すなわち、基板の所与の温度差に対して蒸気温度を変化させるために必要なエネルギーが増加するということである。
[00114] ある実施形態では、凝縮面120に関連して上述したように、突起220の表面は、突起の形状によって生成された表面張力による排水力を受けて凝縮液体が突起220の表面に沿って液体輸送装置130へ向けて移動するような形状である。
[00115] 液体輸送装置130の上部と突起220との間にギャップが存在する例では、ギャップは、望ましくは、チャンバ内の液滴が重力を受けて凝縮面から落下する液滴サイズよりも小さいサイズである。所与の温度及び圧力では、液体は、その表面張力がその重量を支えきれず落下する液滴の臨界寸法を有する。凝縮面130上の突起220と液体輸送装置130の上部との間のギャップがその臨界液滴サイズよりも小さい場合、液滴は、凝縮面から落下せず、臨界寸法に達する前に液体輸送装置130によって排出される。実際、これは、凝縮面と液体輸送装置との間のギャップが1mm以下、望ましくは0.5mm以下、より望ましくは0.2mm以下、又は望ましくは100μm以下でなければならないということを意味する。一実施形態では、ギャップは少なくとも1μmである。突起220と液体輸送装置130との間の距離は、その距離の毛管力が液体輸送装置130の毛管力より小さくなる距離でなければならない。言い換えれば、ギャップは、液体輸送装置130の上の凝縮面120の端部の局所半径より小さくなければならない。一実施形態では、凝縮面120上の位置から多孔質部材150へ毛管圧は低減する。凝縮面120では、端部で液体輸送装置130によって1mm以下の半径が存在しなければならない。望ましくはその半径は、0.1mm以下、又はより望ましくは0.01mm以下である。したがって、ギャップは、局所半径よりも小さくなければならない。一実施形態では、液体輸送装置130は、凝縮/蒸気界面半径(その曲率半径の逆数)よりも小さい孔の半径(多孔質の場合)又は溝の半径(図16及び図17の実施形態のように溝状の場合)を有する。
[00116] 凝縮面と液体輸送装置130との間のギャップは、ギャップ内の液体上の毛管力を受けて凝縮面120上の液体の最低圧力よりも小さい圧力が液体内部に生成されるようなサイズであることが望ましい。これによって、突起220の側壁の縁部からギャップ内に液体が確実に引き込まれ、液体は突起220の側壁の底部に堆積できないため、凝縮面からの液体の除去の効率が低下することがない。
[00117] 図9の実施形態では、凝縮面120は複数の平坦な表面を含む。これらの表面は、重力を受けた液体が液体輸送装置130へ向けて移動するような角度をなす。
[00118] 図10の実施形態は、突起220が平坦な底部を有さず先が尖っていることを除いて図8の実施形態と同じである。同様に、図11の実施形態は、突起の先が尖っている代わりに平坦な底部220を有する(例えば、断面が台形である)ことを除いて図9の実施形態と同じである。図12は、突起220がその内部に突き出す凹部が、液体輸送装置130の上部に提供されていることを除いて図9の実施形態と同じである。これは、小さい垂直許容差の製造が困難な状況で有利である。
[00119] 図13〜図15は、構造部材140及び液体輸送装置130がとることができる形態を示す様々な実施形態の平面図を示す。図13及び図14では、これらのフィーチャの両方が複数の同心円のリングの形態をとる。図15の実施形態では、両方のフィーチャは、同心円のリング状に配置された複数の支柱の形態をとる。一実施形態の1つ又は複数のフィーチャを1つ又は複数の別の実施形態の1つ又は複数のフィーチャと混ぜ合わせることは、他の構成同様に可能である。
[00120] 効率的なヒートパイプを提供するために蒸気空間128内の蒸気のフローを確実に容易にするには、構造部材140及び液体輸送装置130内にヒートパイプ100の深さまで伸びた1つ又は複数のギャップを提供することが必要な場合がある。そのようなギャップを図13及び図14に示す。図13の実施形態では、同心円のリングの各々のギャップが整列している。図14の実施形態では、ギャップは整列していない。しかし、ギャップは、同心円のリングの交互の側に提供される。ギャップの別の構成も使用することができる。代替的に又は追加的に、液体輸送装置130及び/又は構造部材140の凝縮面120に近い上端部に、及び/又は液体/蒸気の界面192に近い位置に、及び/又はこれらの2つの場所の中間部に、及び/又はリザーバ125の高さに孔を提供してもよい。
[00121] 図15の実施形態では、液体輸送装置130が離間した部材の形態を有する。ある実施形態では、液体輸送装置は支柱の形態である。これらの支柱は同心円状に配置され、構造部材140が斜線の網掛け、液体輸送装置130が陰影を施して示されている。構造部材140及び/又は液体輸送装置130の部材の相対的な数及び/又は相対的な位置は例示に過ぎず、比率と相対位置は図15に示す例とは大幅に異なっていてもよい。
[00122] 図16は、支柱状の液体輸送装置130を示す。この例では、液体輸送装置130は、必ずしも多孔質材料で構成されていない。その代わりに支柱の周囲には、複数の溝131が提供されている。溝は、毛管作用による溝に沿った液体の輸送が可能なサイズである。支柱は、断面が円形であるように示されているが、これはそうでなくてもよい。
[00123] 構造部材140は、液体輸送装置130の代わりであってもよい。一実施形態では、液体輸送装置130は、構造部材140と一体化していてもよい。
[00124] ヒートパイプ100の断面積に対する構造部材140の断面積と液体輸送装置130との間にバランスが達成されることが望ましい。比率は、凝縮面120からリザーバ125へ液体を輸送するだけでなく、ヒートパイプ100の構造的な完全性を達成するのに十分な剛性を提供する大きさの断面を有していなければならない。
[00125] チャンバ110内の圧力は、環境圧力から外れてもよい。ヒートパイプの動作流体は、大気圧より低いかそれより大きい圧力で作動することができる。望ましくは動作流体は、大気圧より低い使用圧力を有する。これは、この圧力でチャンバ110が閉じるのを助けるからである。ある実施形態では、圧力は大気圧にできるだけ近い。
[00126] 望ましくは、動作流体は、ほぼ大気圧で22℃の動作温度を有する。望ましくは、動作流体は、できるだけ大きい蒸発エネルギー(潜熱)を有する。望ましくは、動作流体は、液体輸送装置130内に維持されるようにできるだけ大きい毛管圧を有する。望ましくは、圧力センサ197を用いた加熱要素190a、190b、190cの制御が容易になるように、温度変化あたりの圧力変化はできるだけ大きい。通常の範囲は、1〜0.5Pa/mKである。通常の動作流体は、3M製のHFE7000でもよい。その他の動作流体も使用可能である。
[00127] 図18は、別の実施形態の凝縮面120を示す。図18の凝縮面120は、任意の実施形態、特に図6及び図7の実施形態に適用することができる。図18の凝縮面120は、液体輸送装置130が離散的で列状に提供される実施形態に特に適している。例えば、図6と同じ方向に、液体輸送装置130が存在しない異なる部分の断面を切ってもよい。図18の実施形態では、液体輸送装置の上部が存在する凝縮面120上の位置は位置130’として示されている。
[00128] 図18の凝縮面120は、凝縮液体が凝縮面120に沿って表面張力による排水力を受けて2つの方向に移動するように構成される。すなわち、凝縮面120の形状は、表面張力による排水力が凝縮面120上の液膜上に2方向に作用するように2方向に屈曲している。これら2つの方向は、図18に矢印で示している。
[00129] 図6の実施形態同様、表面120は、液体を液体輸送装置130へ向けて輸送するように屈曲している。この曲線は溝124にも存在し、液体は溝124内を液体輸送装置130へ向けて方向126に移動する。
[00130] 液体は、図6の断面が切られた方向に延在し、液体輸送装置130の2つの列の間の経路内に形成された隆起128から溝124内に輸送される。隆起128の両側は、液体が液体輸送装置130へ移動することができる溝124の底部へ向けて移動するように隆起128上の液体に表面張力による排水力を加えるような形状である。したがって、隆起128から移動する液体の方向129は、液体が溝124内で移動する方向に対して実質的に垂直である。
[00131] 溝124と隆起128の曲線は、上記と同じ曲線であってもよい。例えば、各曲線は、いわゆるAdamekプロファイルを有していてもよい。
[00132] したがって、図18の実施形態の凝縮面120は、表面張力による排水力が表面上の液体に対して少なくとも2つの異なる方向に作用するように2次元状に屈曲していることが分かる。液体上の表面張力による排水力は凝縮面120上のある特定の地点で単一方向であってもよいが、凝縮面120上の別の場所では、表面張力による排水力の方向は異なっていてもよい。例えば、ある場所の(例えば、溝124内の)表面張力による排水力の方向は、別の場所の(例えば、隆起128上の)表面張力による排水力に対して垂直であってもよい。
[00133] したがって、図18の実施形態では、液体は、隆起128の間の溝124内に集まる。したがって、凝縮に利用することができる凝縮面120の部分は、隆起128の表面である。
[00134] 本明細書に記載する任意のフィーチャは、適宜、本明細書内の他の1つ又は複数の任意のフィーチャと組み合わせることができる。
[00135] 一態様では、基板を保持するための基板ホルダと、基板ホルダを均一の温度に維持するためのヒートパイプとを備えるリソグラフィ装置であって、ヒートパイプが、リザーバ内の液体と蒸気空間内の蒸気とを含むチャンバと、チャンバ内の液体と少なくとも部分的に接触する加熱要素とを備えるリソグラフィ装置が提供される。望ましくは、装置は液体に力を加えて、これにより液体を少なくとも部分的にチャンバを画定する凝縮面からリザーバへ向けて輸送する液体輸送装置とをさらに備える。望ましくは、加熱要素は液体輸送装置内に配置されている。望ましくは、液体輸送装置は受動液体輸送装置である。望ましくは、液体輸送装置は毛管作用によって力を液体に加える。望ましくは、液体輸送装置は多孔質材料を備える。望ましくは、液体輸送装置はリザーバから凝縮面へ向けて延在する複数の突起の形態である。望ましくは、突起は支柱の形態である。望ましくは、突起は複数の同心円状のリングの形態である。望ましくは、突起は蒸気を通過させるギャップを備える。望ましくは、装置は、凝縮面と凝縮面の反対側のチャンバの底壁との間に延在する構造部材をさらに備える。望ましくは、構造部材は複数の支柱の形態である。望ましくは、構造部材は複数の同心円状のリングの形態である。望ましくは、構造部材は、蒸気を通過させるギャップを備える。望ましくは、ギャップは孔である。望ましくは、加熱要素は少なくとも部分的にリザーバ内に配置されている。望ましくは、加熱要素は第1の方向に細長く、第1の方向がリザーバ内の液体の上面に対して実質的に垂直になるように配置されている。望ましくは、装置はチャンバの底壁を実質的に覆う多孔質部材をさらに備える。望ましくは、加熱要素は、少なくとも部分的に、チャンバの底壁を実質的に覆う多孔質部材の形態である。望ましくは、ヒートパイプは望ましくは蒸気空間内又はリザーバ内に温度センサをさらに備える。望ましくは、ヒートパイプは蒸気空間内の蒸気の圧力を測定する圧力センサをさらに備える。望ましくは、装置は加熱要素を制御するコントローラをさらに備える。望ましくは、コントローラは加熱要素を制御してチャンバ内の温度及び/又は圧力を実質的に一定に維持する。望ましくは、ヒーターはリザーバの外に配置されている。望ましくは、装置はフォトリソグラフィ装置である。
[00136] 一態様では、オブジェクトを均一の温度に維持するヒートパイプであって、リザーバ内の液体と蒸気空間内の蒸気とを含み、その一部が凝縮面によって画定されたチャンバと、液体に力を加えて液体を凝縮面からリザーバへ向けて輸送する液体輸送装置と、液体を加熱するための加熱要素であって液体輸送装置内に配置された加熱要素とを備えるヒートパイプが提供される。
[00137] 一態様では、オブジェクトを均一の温度に維持するヒートパイプであって、リザーバ内の液体と蒸気空間内の蒸気とを含むチャンバと、リザーバ内の液体を加熱する加熱要素であって、一部がリザーバ内に配置され、一部が蒸気空間内に配置された加熱要素とを備えるヒートパイプが提供される。望ましくは、加熱要素は、第1の方向に細長く、第1の方向がリザーバ内の液体の上面に対して実質的に垂直になるように配置される。
[00138] 一態様では、オブジェクトを均一の温度に維持するヒートパイプであって、リザーバ内の液体と蒸気空間内の蒸気とを含み、その一部が凝縮面によって画定されたチャンバと、液体に力を加えて液体を凝縮面からリザーバへ向けて輸送する液体輸送装置とを備え、凝縮面が液体輸送装置の上部へ向けて下方に突き出す突起を有するヒートパイプが提供される。望ましくは、凝縮面は隣接する液体輸送装置間の位置で水平な状態から水平に対して液体輸送装置により近い角度でその表面が水平面となす角度を平滑に変化させるように屈曲している。
[00139] 一態様では、オブジェクトを均一の温度に維持するヒートパイプを備えるリソグラフィ装置であって、ヒートパイプが液体リザーバと蒸気空間とを画定し、その一部が凝縮面によって画定されたチャンバを備え、凝縮面がオブジェクトの加速が凝縮面上の液体に力を加えて液体を液体リザーバに戻すような形状であるヒートパイプを備えるリソグラフィ装置が提供される。望ましくは、液体は液体輸送装置によって戻され、力は液体輸送装置の方向の力である。
[00140] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置にはマイクロスケールフィーチャさらにはナノスケールフィーチャを含むコンポーネントの製造における他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00141] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指す。
[00142] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00143] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00144] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸流体を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00145] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体開口を含む1つ又は複数の流体開口、1つ又は複数のガス開口あるいは2相フロー用の1つ又は複数の開口の組合せを備えてもよい。これらの開口は、各々、液浸空間への入口(又は流体ハンドリング構造からの出口)あるいは液浸空間からの出口(又は流体ハンドリング構造への入口)であってもよい。ある実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. 基板を保持する基板ホルダと、
    前記基板ホルダを実質的に均一の温度に維持するヒートパイプであって、
    液体リザーバと蒸気空間とを含むチャンバと、
    使用時に前記チャンバ内の液体と少なくとも部分的に接触する加熱要素とを備えるヒートパイプと、
    液体に力を加えて、該液体を少なくとも部分的に前記チャンバを画定する凝縮面から液体輸送装置へ向かって突出する突起に沿って、該突起と液体輸送装置の間の、液滴が重力を受けて凝縮面から落下する液滴サイズよりも小さいサイズを持つギャップを介して、液体輸送装置に移動させ、前記液体リザーバへ向けて輸送する液体輸送装置と、
    を備える、リソグラフィ装置。
  2. 前記加熱要素が、前記液体輸送装置内に配置されるか、又は前記加熱要素が前記リザーバ外に配置される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記液体輸送装置が受動液体輸送装置であり、及び/又は
    前記液体輸送装置が毛管作用によって前記液体に力を加えるように構成され、及び/又は
    前記液体輸送装置が多孔質材料を備え、及び/又は
    前記液体輸送装置が前記液体リザーバから前記凝縮面へ向けて延在する複数の突起の形態である、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記液体輸送装置が前記液体リザーバから前記凝縮面へ向けて延在する複数の突起の形態である場合に、該突起が、支柱の形態である及び/又は複数の同心円状のリングの形態である、及び/又は該突起が、蒸気を通過させる第2のギャップを含む、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記凝縮面と前記凝縮面の反対側の前記チャンバの底壁との間に延在する構造部材をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記構造部材が複数の支柱の形態であり及び/又は複数の同心円状のリングの形態である、請求項5に記載のリソグラフィ装置。
  7. 記構造部材が蒸気を通過させる第3のギャップを含む、請求項5又は6に記載のリソグラフィ装置。
  8. 前記加熱要素が、少なくとも部分的に前記液体リザーバ内に配置される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  9. 前記加熱要素が、第1の方向に細長く、前記第1の方向が前記液体リザーバ内の液体の上面に対して実質的に垂直になるように配置される、請求項8に記載のリソグラフィ装置。
  10. 前記チャンバの底壁を実質的に覆う多孔質部材をさらに備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  11. 前記加熱要素が、少なくとも部分的に前記多孔質部材内にある、請求項10に記載のリソグラフィ装置。
  12. 前記ヒートパイプが、前記蒸気空間又は前記リザーバ内に温度センサをさらに備える、及び/又は前記蒸気空間内の蒸気の圧力を測定する圧力センサをさらに備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  13. 前記加熱要素を制御するコントローラをさらに備え、該コントローラが、前記加熱要素を制御して前記チャンバ内の温度及び/又は圧力を実質的に一定に維持する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  14. オブジェクトを実質的に均一の温度に維持するヒートパイプであって、
    液体リザーバと蒸気空間とを含み、その一部が凝縮面によって画定されたチャンバと、
    液体に力を加えて、該液体を前記凝縮面から液体輸送装置へ向かって突出する突起に沿って、該突起と液体輸送装置の間の、液滴が重力を受けて凝縮面から落下する液滴サイズよりも小さいサイズを持つギャップを介して、液体輸送装置に移動させ、前記液体リザーバへ向けて輸送する液体輸送装置と、
    液体を加熱するように構成され、前記液体輸送装置内に配置された加熱要素と、
    を備える、ヒートパイプ。
  15. オブジェクトを実質的に均一の温度に維持するヒートパイプであって、
    液体リザーバと蒸気空間とを含むチャンバと、
    前記液体リザーバ内の液体を加熱するように構成され、一部が前記液体リザーバ内に配置され、一部が蒸気空間内に配置された加熱要素と、
    液体に力を加えて、該液体を少なくとも部分的に前記チャンバを画定する凝縮面から液体輸送装置へ向かって突出する突起に沿って、該突起と液体輸送装置の間の、液滴が重力を受けて凝縮面から落下する液滴サイズよりも小さいサイズを持つギャップを介して、液体輸送装置に移動させ、前記液体リザーバへ向けて輸送する液体輸送装置と、
    を備える、ヒートパイプ。
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