以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを支持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを有し、基板ホルダPHに基板Pを保持して移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLと、基板ホルダPHの温度調整を行う温調システム60と、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板P上に液体LQを供給する液体供給機構10と、基板P上の液体LQを回収する液体回収機構20とを備えている。本実施形態において、液体LQには純水が用いられる。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体LQにより投影光学系PLの投影領域AR1を含む基板P上の少なくとも一部に、投影領域AR1よりも大きく且つ基板Pよりも小さい液浸領域AR2を局所的に形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの像面側先端部の光学素子2と基板Pの表面(露光面)との間に液体LQを満たし、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMのパターン像を基板P上に投影することによって、基板Pを露光する。
ここで、本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向(所定方向)における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向、所定方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上にレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態では、ArFエキシマレーザ光が用いられる。上述したように、本実施形態における液体LQは純水であって、露光光ELがArFエキシマレーザ光であっても透過可能である。また、純水は輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能であって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動装置MSTDにより駆動される。マスクステージ駆動装置MSTDは制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上には移動鏡40が設けられている。また、移動鏡40に対向する位置にはレーザ干渉計41が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計41によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計41の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、基板P側の先端部に設けられた光学素子(レンズ)2を含む複数の光学素子で構成されており、これら光学素子は鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射素子のみを含む反射型の投影投影光学系であってもよく、屈折素子のみからなる屈折型の投影光学系であってもよいし、屈折素子と反射素子とからなる反射屈折型の投影光学系であってもよい。また、本実施形態の投影光学系PLの先端部の光学素子2は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に設けられている。また、先端部の光学素子2は鏡筒PKより露出しており、液浸領域AR2の液体LQは光学素子2に接触する。これにより、金属からなる鏡筒PKの腐蝕等が防止されている。
光学素子2は蛍石で形成されている。後述するように、光学素子2の液体接触面2Aに親水化(親液化)処理が施されて液体LQとの親和性が高められている。蛍石は純水との親和性が高いので、親水化(親液化)処理なしでも、光学素子2の液体接触面2Aのほぼ全面に液体LQを密着させることができる。よって、光学素子2の液体接触面2Aに施す親水化(親液化)処理を省略してもよい。また、光学素子2は水との親和性が高い石英であってもよい。
基板ステージPSTは、基板Pを基板ホルダPHを介して保持するZステージ52と、Zステージ52を支持するXYステージ53とを備えている。XYステージ53はベース54上に支持されている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動装置PSTDにより駆動される。基板ステージ駆動装置PSTDは制御装置CONTにより制御される。Zステージ52は基板ホルダPHに保持されている基板PをZ軸方向、及びθX、θY方向(傾斜方向)に移動可能である。XYステージ53は基板ホルダPHに保持されている基板PをZステージ52を介してXY方向(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向)に移動可能である。なお、ZステージとXYステージとを一体的に設けてよいことは言うまでもない。
基板ステージPST(Zステージ52)上には凹部55が設けられており、基板ホルダPHは凹部55に配置されている。そして、基板ステージPSTのうち凹部55以外の上面51は、基板ホルダPHに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面(平坦部)となっている。本実施形態では、上面51を有するプレート部材50が基板ステージPST上に対して交換可能に配置されている。基板Pの周囲に基板P表面とほぼ面一の上面51を設けたので、基板Pのエッジ領域Eを液浸露光するときにおいても、投影光学系PLの像面側に液体LQを保持して液浸領域AR2を良好に形成することができる。ただし、液浸領域AR2を良好に維持することができるれば、基板Pの表面とプレート部材50の上面51とに段差があってもよい。例えば、プレート部材50の上面51が基板ホルダPHに保持された基板Pの表面よりも低くてもよい。また、基板Pのエッジ部とその基板Pの周囲に設けられた平坦面(上面)51を有するプレート部材50との間には0.1〜2mm程度の隙間があるが、液体LQの表面張力によりその隙間に液体LQが流れ込むことはほとんどなく、基板Pの周縁近傍を露光する場合にも、プレート部材50により投影光学系PLの下に液体LQを保持することができる。なお、図1の露光装置においては、後述の移動鏡42の上部が基板ステージPSTの上面51よりも高くなっているが、移動鏡42の上部も基板ステージPSTの上面51とほぼ同じ高さ(面一)にするほうが望ましい。
基板ステージPST(Zステージ52)上には移動鏡42が設けられている。また、移動鏡42に対向する位置にはレーザ干渉計43が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計43によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計43の計測結果に基づいて、レーザ干渉計43で規定される2次元座標系内で基板ステージ駆動装置PSTDを介してXYステージ53を駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。
また、露光装置EXは、基板P表面の面位置情報を検出するフォーカス検出系30を有している。フォーカス検出系30は、投射部30Aと受光部30Bとを有し、投射部30Aから液体LQを介して基板P表面(露光面)に斜め方向から検出光を投射するとともに、その基板Pからの反射光を液体LQを介して受光部30Bで受光することによって、基板P表面の面位置情報を検出する。制御装置CONTは、フォーカス検出系30の動作を制御するとともに、受光部30Bの受光結果に基づいて、所定基準面(像面)に対する基板P表面のZ軸方向における位置(フォーカス位置)を検出する。また、基板P表面における複数の各点での各フォーカス位置を求めることにより、フォーカス検出系30は基板Pの傾斜方向の姿勢を求めることもできる。なお、フォーカス検出系30の構成としては、例えば特開平8−37149号公報に開示されているものを用いることができる。
またフォーカス検出系は、液体LQを介さずに基板P表面の面情報を検出するものであってもよい。その場合、投影光学系PLから離れた位置で基板P表面の面情報を検出するものであってもよい。投影光学系PLから離れた位置で基板P表面の面情報を検出する露光装置は、例えば米国特許第6,674,510号に開示されており、本国際出願で指定または選択された国の法令で許容される限りにおいて、この文献の記載内容を援用して本文の記載の一部とする。
制御装置CONTは基板ステージ駆動装置PSTDを介して基板ステージPSTのZステージ52を駆動することにより、Zステージ52に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置を制御する。すなわち、Zステージ52は、フォーカス検出系30の検出結果に基づく制御装置CONTからの指令に基づいて動作し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角を制御して基板Pの表面(露光面)を投影光学系PL及び液体LQを介して形成される像面に合わせ込む。
投影光学系PLの先端近傍には、基板P上のアライメントマーク1あるいはZステージ52上に設けられた基準部材300上の基板側基準マークPFMを検出する基板アライメント系350が設けられている。また、マスクステージMSTの近傍には、マスクMと投影光学系PLとを介してZステージ52上に設けられた基準部材300上のマスク側基準マークMFMを検出するマスクアライメント系360が設けられている。なお、基板アライメント系350の構成としては、例えば特開平4−65603号公報に開示されているものを用いることができ、マスクアライメント系360の構成としては、例えば特開平7−176468号公報に開示されているものを用いることができる。
液体供給機構10は、所定の液体LQを投影光学系PLの像面側に供給するためのものであって、液体LQを送出可能な液体供給部11と、液体供給部11より供給された液体LQの温度を調整する液体温調装置61と、液体温調装置61にその一端部を接続する供給管13(13A、13B)とを備えている。液体供給部11は、液体LQを収容するタンク、及び加圧ポンプ等を備えている。液体供給部11の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。また、液体温調装置61の動作も制御装置CONTに制御される。基板P上に液浸領域AR2を形成する際、液体供給機構10は所望温度に制御した液体LQを基板P上に供給する。なお、液体供給部11のタンク、加圧ポンプは、必ずしも露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場などの設備を代用することもできる。
供給管13A、13Bの途中には、供給管13A、13Bの流路を開閉するバルブ15がそれぞれ設けられている。バルブ15の開閉動作は制御装置CONTにより制御されるようになっている。なお、本実施形態におけるバルブ15は、例えば停電等により露光装置EX(制御装置CONT)の駆動源(電源)が停止した場合に供給管13A、13Bの流路を機械的に閉塞する所謂ノーマルクローズ方式となっている。
液体回収機構20は、投影光学系PLの像面側の液体LQを回収するためのものであって、液体LQを回収可能な液体回収部21と、液体回収部21にその一端部を接続する回収管23(23A、23B)とを備えている。液体回収部21は例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。なお真空系として、露光装置EXに真空ポンプを設けずに、露光装置EXが配置される工場の真空系を用いるようにしてもよい。液体回収部21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。基板P上に液浸領域AR2を形成するために、液体回収機構20は液体供給機構10より供給された基板P上の液体LQを所定量回収する。
投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、液体LQに接する光学素子2の近傍には流路形成部材70が配置されている。流路形成部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方において、光学素子2の側面を囲むように設けられた環状部材である。流路形成部材70と光学素子2との間には隙間が設けられており、流路形成部材70は光学素子2に対して振動的に分離されるように所定の支持機構で支持されている。
流路形成部材70は、例えばアルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ジュラルミン、及びこれらを含む合金によって形成可能である。あるいは、流路形成部材70は、ガラス(石英)等の光透過性を有する透明部材(光学部材)によって構成されてもよい。
流路形成部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられ、その基板P表面に対向するように配置された液体供給口12(12A、12B)を備えている。本実施形態において、流路形成部材70は2つの液体供給口12A、12Bを有している。液体供給口12A、12Bは流路形成部材70の下面70Aに設けられている。
また、流路形成部材70は、その内部に液体供給口12A、12Bに対応した供給流路を有している。また、液体供給口12A、12B及び供給流路に対応するように複数(2つ)の供給管13A、13Bが設けられている。そして、流路形成部材70の供給流路の一端部は供給管13A、13Bを介して液体供給部11にそれぞれ接続され、他端部は液体供給口12A、12Bにそれぞれ接続されている。
また、2つの供給管13A、13Bのそれぞれの途中には、液体供給部11から送出され、液体供給口12A、12Bのそれぞれに対する単位時間あたりの液体供給量を制御するマスフローコントローラと呼ばれる流量制御器16(16A、16B)が設けられている。流量制御器16A、16Bによる液体供給量の制御は制御装置CONTの指令信号の下で行われる。
更に、流路形成部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられ、その基板P表面に対向するように配置された液体回収口22(22A、22B)を備えている。本実施形態において、流路形成部材70は2つの液体回収口22A、22Bを有している。液体回収口22A、22Bは流路形成部材70の下面70Aに設けられている。
また、流路形成部材70は、その内部に液体回収口22A、22Bに対応した回収流路を有している。また、液体回収口22A、22B及び回収流路に対応するように複数(2つ)の回収管23A、23Bが設けられている。そして、流路形成部材70の回収流路の一端部は回収管23A、23Bを介して液体回収部21にそれぞれ接続され、他端部は液体回収口22A、22Bにそれぞれ接続されている。
本実施形態において、流路形成部材70は、液体供給機構10及び液体回収機構20それぞれの一部を構成している。そして、液体供給機構10を構成する液体供給口12A、12Bは、投影光学系PLの投影領域AR1を挟んだX軸方向両側のそれぞれの位置に設けられており、液体回収機構20を構成する液体回収口22A、22Bは、投影光学系PLの投影領域AR1に対して液体供給機構10の液体供給口12A、12Bの外側に設けられている。なお、本実施形態における投影光学系PLの投影領域AR1は、Y軸方向を長手方向とし、X軸方向を短手方向とした平面視矩形状に設定されている。
液体供給部11及び流量制御器16の動作は制御装置CONTにより制御される。基板P上に液体LQを供給する際、制御装置CONTは、液体供給部11より液体LQを送出し、供給管13A、13B、及び供給流路を介して、基板Pの上方に設けられている液体供給口12A、12Bより基板P上に液体LQを供給する。このとき、液体供給口12A、12Bは投影光学系PLの投影領域AR1を挟んだ両側のそれぞれに配置されており、その液体供給口12A、12Bを介して、投影領域AR1の両側から液体LQを供給可能である。また、液体供給口12A、12Bのそれぞれから基板P上に供給される液体LQの単位時間あたりの量は、供給管13A、13Bのそれぞれに設けられた流量制御器16A、16Bにより個別に制御可能である。
液体回収部21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは液体回収部21による単位時間あたりの液体回収量を制御可能である。基板Pの上方に設けられた液体回収口22A、22Bから回収された基板P上の液体LQは、流路形成部材70の回収流路、及び回収管23A、23Bを介して液体回収部21に回収される。
なお、本実施形態において、供給管13A、13Bは1つの液体供給部11に接続されているが、供給管の数に対応した液体供給部11を複数(例えば2つ)設け、供給管13A、13Bのそれぞれを前記複数の液体供給部11のそれぞれに接続するようにしてもよい。また、回収管23A、23Bは、1つの液体回収部21に接続されているが、回収管の数に対応した液体回収部21を複数(例えば2つ)設け、回収管23A、23Bのそれぞれを前記複数の液体回収部21のそれぞれに接続するようにしてもよい。
投影光学系PLの光学素子2の液体接触面2A、及び流路形成部材70の下面(液体接触面)70Aは親液性(親水性)を有している。本実施形態においては、光学素子2及び流路形成部材70の液体接触面に対して親液処理が施されており、その親液処理によって光学素子2及び流路形成部材70の液体接触面が親液性となっている。換言すれば、基板ステージPSTに保持された基板Pの被露光面(表面)と対向する部材の表面のうち少なくとも液体接触面は親液性となっている。本実施形態における液体LQは極性の大きい水であるため、親液処理(親水処理)としては、例えばアルコールなど極性の大きい分子構造の物質で薄膜を形成することで、この光学素子2や流路形成部材70の液体接触面に親水性を付与する。すなわち、液体LQとして水を用いる場合にはOH基など極性の大きい分子構造を持ったものを前記液体接触面に設ける処理が望ましい。あるいは、MgF2、Al2O3、SiO2などの親液性材料を前記液体接触面に設けてもよい。
流路形成部材70の下面(基板P側を向く面)70Aはほぼ平坦面であり、光学素子2の下面(液体接触面)2Aも平坦面となっており、流路形成部材70の下面70Aと光学素子2の下面2Aとはほぼ面一となっている。これにより、広い範囲で液浸領域AR2を良好に形成することができる。なお、流路形成部材70の下面70Aと光学素子2の下面2Aとがほぼ面一でなくともよく、所望の範囲に液浸領域が良好に形成されればよい。また、投影光学系PLと対向する物体(例えば、基板P)上に液浸領域AR2を形成する機構は、上述のものに限られず、例えば米国特許公開第2004/0207824号公報に開示されている機構を用いることができる。
なお、投影光学系PLや流路形成部材70には振動センサ(例えば加速度センサ)が設けられており、液体LQとの接触などに起因して生じ得る投影光学系PLの振動や液体LQを回収するときに生じ得る流路形成部材70の振動をモニタできるようになっている。
図2は基板ホルダPHの温度調整を行う温調システム60を示す図である。図2において、温調システム60は、液体供給部11より供給された液体LQの温度を所定の温度に調整する液体温調装置61と、基板ホルダPH内部に形成され、液体温調装置61より供給された液体LQが流れる温調流路62とを備えている。そして、温調流路62の一端部と液体温調装置61とは、供給流路63及びZステージ52内部に形成された内部流路63’を介して接続されている。また、温調流路62の他端部は、回収流路64及びZステージ52内部に形成された内部流路64’を介して液体回収部21に接続されている。液体温調装置61によって温度調整された液体LQは、供給流路63及び内部流路63’を介して温調流路62に供給され、温調流路62の内部を流れる。液体温調装置61は内部に加熱ヒータと温度センサを備え、制御装置からの制御信号に基づいて制御される。液体LQの温度は、特に限定されないが、投影光学系PLや基板ステージPSTなどが収容されるチャンバ内の温度とほぼ同じ23℃±0.01程度に調整される。基板ホルダPHは、温調流路62を流れる液体LQにより、所望の温度、例えば、上記調整された液体LQと同温度に調整される。
温調流路62は平面視において螺旋状あるいは波形状に設けられており、基板ホルダPHをほぼ均一な温度に調整することができるようになっている。なおここでは、温調流路62は1本であるように説明したが、複数の温調流路62を基板ホルダPHに設けてもよい。また本実施形態では、温調流路62は基板ホルダPHの内部に形成されているように説明したが、温調流路62を基板ホルダPHの下(基板ホルダPHとZステージ52との接触面)や、Zステージ52内部に設けてもよい。あるいは、温調流路62を形成する管部材を基板ホルダPHの側面の周囲に設けてもよいし、基板Pの保持を妨げない位置であれば、基板ホルダPHの上面に設けてもよい。基板ホルダPHは、温調流路62を流れる液体の温度により温度制御されるように、熱伝導度の高い材料から形成されるのが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ジュラルミン、及びこれらを含む合金で形成され得る。基板ホルダPHは、その上面に基板Pを保持するために複数のピン状の突起部が形成されている。
なお、本実施形態においては、基板Pの熱伝導率が高い炭化シリコン(SiC)から形成されているため、基板ホルダPHに保持されている基板Pの温度と基板ホルダPHの温度はほぼ同一とみなすことができ、基板ホルダPHの温度調整を行うことによって基板Pの温度調整を行うことができる。
液体温調装置61と内部流路63’を接続する供給流路63は、例えば、基板ステージPSTの移動に伴って弾性変形可能なフレキシブルチューブを用いて構成することができる。液体回収部21と内部流路64’を接続する回収流路64もまたフレキシブルチューブを用いて構成することができる。
また本実施形態においては、温調システム60は、基板P上に供給される液体LQと同一の液体LQを使って、基板ホルダPHの温度調整を行っている。そして、温調システム60は、温度調整された液体LQを使って基板ホルダPHの温度調整を行うとともに、基板P上に供給される液浸露光用の液体LQの温度調整も行っている。これにより、装置構成が簡略化されるとともに、液体LQと接触する基板P、及び基板Pと接触する液体LQの温度変化をそれぞれ抑制することができる。また、基板ホルダPHと、その基板ホルダPHに保持された基板Pと、その基板Pに接触する液体LQとをほぼ同一温度にすることができる。
また、温調システム60は、基板Pの周囲に平坦面(上面)51を形成するプレート部材50の温度調整も行うことができる。図2に示すように、プレート部材50の下のZステージ52内部には温調流路65が設けられており、液体温調装置61から供給された温度調整されている液体LQはその温調流路65を流れる。これにより、プレート部材50の温度が調整される。なお、温調流路65はプレート部材50の内部や周囲に設けられていてもよい。更に、基準部材300の内部あるいはその周囲(あるいは下)にも温調流路66が設けられており、温調流路66を流れる液体温調装置61から供給された液体LQによって基準部材300が温度調整されるようになっている。なお、計測処理や露光処理を妨げない位置であれば、温調流路65、66は部材50、300の上に設けられてもよい。このように、プレート部材50及び基準部材300の温度を制御することによって、プレート部材50や基準部材300上に液浸領域AR2が形成される場合にも、プレート部材50、基準部材300、及び液体LQのそれぞれの温度変化が抑えられる。また、プレート部材50と液体LQの温度、あるいは基準部材300と液体LQの温度をほぼ同一にすることができる。
また、基板ホルダPHの上面の複数の所定位置には、この基板ホルダPHの温度を計測する温度センサ80がそれぞれ設けられている。上述したように、基板ホルダPHと基板Pとはほぼ同じ温度と見なすことができるので、基板ホルダPHの上面に設けられた温度センサ80は、基板ホルダPHに保持された基板Pの温度も計測可能である。温度センサ80の温度計測結果は制御装置CONTに出力される。温度センサ80の計測結果は、例えば液体温調装置61による液体LQの温度制御に用いられる。この際、制御装置CONTは、例えば、温度センサ80の測定結果と、基板P上に供給される液体の温度との差が小さくなるように液体温調装置61を制御することができる。
なお、基板ホルダPHの温度と基板Pとの温度が同一とみなすことが出来ない場合には、温度センサ80で基板ホルダPHの温度を計測し、その計測結果に基づいて液体LQと接触する基板Pの温度を予測するようにしてもよい。もちろん、温度センサ80を直接基板Pの温度が計測できる位置に配置してもよい。
また、温度センサ80を設けずに、実験やシミュレーションなどに基づいて基板ホルダPHの温度を予測するようにしてもよい。
また、流路形成部材70のうち、液体供給口12A、12Bそれぞれの近傍には、液体供給口12A、12Bより投影光学系PLの像面側に供給された液体LQの温度を計測する温度センサ81がそれぞれ設けられている。温度センサ81の温度計測結果は制御装置CONTに出力される。温度センサ81の計測結果は、例えば液体温調装置61による液体LQの温度制御に用いられる。この場合、制御装置CONTは、例えば、温度センサ81の測定結果と、予め設定している液体の温度とを比較し、その差が小さくなるように液体温調装置61を制御することができる。なお温度センサ81は、投影光学系PLの像面側に供給された液体LQの温度を計測可能な位置に配置されていればよく、例えば液体LQに接する位置であれば流路形成部材70や光学素子2の任意の位置に設けることが可能である。また、温度センサ81を流路形成部材70内の流路や供給管や回収管の途中に設けても良い。
更に、基準部材300の所定位置には、この基準部材300の温度を計測する温度センサ82が設けられている。本実施形態においては、温度センサ82は基準部材300の上面301Aのうち基準マークMFM、PFMなどの計測動作を妨げない位置に設けられている。なお、基準部材300の温度を計測可能であれば、温度センサ82を任意の位置に設けることができる。温度センサ82の温度計測結果も制御装置CONTに出力される。温度センサ82の計測結果は、例えば基準部材300上に液浸領域AR2が形成されるときの液体温調装置61による液体LQの温度制御に用いられる。この場合、制御装置CONTは、例えば温度センサ82の測定値と基準部材300上に供給される液体LQの温度との差が小さくなるように液体温調装置61を制御することができる。
なお、温度センサ82を設けずに、実験やシミュレーションなどに基づいて基準部材300の温度を予測するようにしてもよい。
図3は基板Pを保持して移動可能な基板ステージPSTを上方から見た平面図である。図3において、平面視矩形状の基板ステージPSTの互いに垂直な2つの縁部に移動鏡42が配置されている。
基板ステージPSTの上面51は撥液化処理されて撥液性を有している。上面51の撥液化処理としては、例えばフッ素系樹脂材料あるいはアクリル系樹脂材料等の撥液性材料を塗布、あるいは前記撥液性材料からなる薄膜を貼付する。撥液性にするための撥液性材料としては液体LQに対して非溶解性の材料が用いられる。なお、基板ステージPST全体又は一部を例えばポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素系樹脂をはじめとする撥液性を有する材料で形成してもよい。また、プレート部材50を上記ポリ四フッ化エチレンなどからなる撥液性を有する材料によって形成してもよい。
また、基板ステージPST上において、基板Pの外側の所定位置には、基準部材300が配置されている。基準部材300には、基板アライメント系350により検出される基準マークPFMと、マスクアライメント系360により検出される基準マークMFMとが所定の位置関係で設けられている。基準部材300の上面301Aはほぼ平坦面となっており、基板ステージPSTに保持された基板P表面、及びプレート部材50の上面51とほぼ同じ高さ(面一)に設けられている。基準部材300の上面301Aは、フォーカス検出系30の基準面としての役割も果たすことができる。なお、基準マークPFMと基準マークMFMとを別々の部材に設けて、基板ステージPSTに配置するようにしてもよい。
また、基板アライメント系350は、基板P上に形成されたアライメントマーク1も検出する。図3に示すように、基板P上には複数のショット領域S1〜S24が形成されており、アライメントマーク1は複数のショット領域S1〜S24に対応して基板P上に複数設けられている。なお図3では、各ショット領域は互いに隣接するように図示されているが、実際には互いに離間しており、アライメントマーク1はその離間領域であるスクライブライン上に設けられている。
また、基板ステージPST上には、基板Pの外側の所定位置に、計測用センサとして例えば特開昭57−117238号公報に開示されているような照度ムラセンサ400が配置されている。照度ムラセンサ400は平面視矩形状の上板401を備えている。上板401の上面401Aはほぼ平坦面となっており、基板ステージPSTに保持された基板P表面、及びプレート部材50の上面51とほぼ同じ高さ(面一)に設けられている。上板401の上面401Aには、光を通過可能なピンホール部470が設けられている。上面401Aのうち、ピンホール部470以外はクロムなどの遮光性材料で覆われている。
また、基板ステージPST上には、基板Pの外側の所定位置に、計測用センサとして例えば特開2002−14005号公報に開示されているような空間像計測センサ500が設けられている。空間像計測センサ500は平面視矩形状の上板501を備えている。上板501の上面501Aはほぼ平坦面となっており、基板ステージPSTに保持された基板P表面、及びプレート部材50の上面51とほぼ同じ高さ(面一)に設けられている。上板501の上面501Aには、光を通過可能なスリット部570が設けられている。上面501Aのうち、スリット部570以外はクロムなどの遮光性材料で覆われている。
また、不図示ではあるが、基板ステージPST上には、例えば特開平11−16816号公報に開示されているような照射量センサ(照度センサ)も設けられており、その照射量センサの上板の上面は基板ステージPSTに保持された基板P表面やプレート部材50の上面51とほぼ同じ高さ(面一)に設けられている。
以上のように、基準部材300の上面301A、照度ムラセンサ400の上面401A、空間像計測センサ500の上面501Aは、基板ステージPSTの上面の一部を成し、基板Pを保持した基板ステージPSTの上面はほぼ同じ高さ(面一)となっている。
そして、基準部材300、及び上板401、501などは基板ステージPSTに対して脱着可能(交換可能)となっているとともに、上板401、501の温度も温調システム60で調整されるようになっている。
なお、基板ステージPSTには上述の基準部材300やセンサ400,500などの計測部材をすべて搭載する必要はなく、それらの少なくとも一部を省いてもよい。また基板ステージPST上に搭載する計測部材は、上述したものに限られず、投影光学系PLの波面収差を計測するセンサなどを必要に応じて搭載することができる。もちろん、基板ステージPST上に計測部材を何も搭載しなくてもよい。
図4(a)は照度ムラセンサ400を示す断面図、図4(b)は照度ムラセンサ400を上方から見た平面図である。図4において、照度ムラセンサ400は、石英ガラスなどからなる上板401と、上板401の下に設けられた石英ガラスなどからなる光学素子402とを備えている。本実施形態において、上板401と光学素子402とは一体で設けられている。以下の説明においては、上板401及び光学素子402を合わせて適宜「光学部材404」と称する。また、上板401及び光学素子402は、支持部403を介してZステージ52上に支持されている。支持部403は、光学部材404を囲む連続した壁部を有している。照度ムラセンサ400は、プレート部材50に設けられた開口部50Lに配置され、上面401Aを露出している。そして、上板401及び光学素子402を含む光学部材404は、Zステージ52に対して脱着可能となっており、交換可能となっている。
上板401上には、光を通過可能なピンホール部470が設けられている。また、上板401上のうち、ピンホール部470以外の部分は、クロムなどの遮光性材料を含む薄膜460が設けられている。本実施形態において、ピンホール部470内部にも石英ガラスからなる光学部材が設けられており、これにより、薄膜460とピンホール部470とが面一となっており、上面401Aは平坦面となる。また、上面401A及び支持部403の一部には撥液性材料からなる膜401Bが設けられている。
なお、膜401Bの表面がほぼ面一になるならば、ピンホール部470内部に光学部材の一部が設けられていなくともよい。また上板401を省いて、光学素子402に薄膜460を直接形成してもよい。
光学部材404の下方には、ピンホール部470を通過した光を受光する光センサ450が配置されている。光センサ450はZステージ52上に取り付けられている。光センサ450は、受光信号を制御装置CONTに出力する。ここで、支持部403とZステージ52と光学部材404とで囲まれた空間405は略密閉空間であり、液体LQは空間405に浸入しない。なお、光学部材404と光センサ450との間に光学系(光学素子)を配置してもよい。
光学部材404及び支持部403を含む照度ムラセンサ400と開口部50Lとの間には所定のギャップが設けられている。照度ムラセンサ400の上面401Aはほぼ平坦面となっており、基板P表面及びプレート部材50の上面51とほぼ同じ高さ(面一)に設けられている。
プレート部材50のうち照度ムラセンサ400近傍は薄肉化されており、その薄肉化された薄肉部50Sのうち照度ムラセンサ400側の端部は下方に曲げられて曲げ部50Tを形成している。また、Zステージ52には、上方に突出する壁部310が形成されている。壁部310は、照度ムラセンサ400に対して曲げ部50Tより外側に設けられ、照度ムラセンサ400(曲げ部50T)を囲むように連続して形成されている。
そして、温調流路67を構成する管部材が光学部材404の側面に巻きつけられるように設けられている。液体温調装置61から供給された温度調整された液体LQが温調流路67を流れることにより、光学部材404の温度が調整される。このように、光学部材404の温度を制御することによって、光学部材404上に液浸領域AR2が形成されている場合にも、光学部材404と液体LQの温度をほぼ同一にすることができる。
また、光学部材404の所定位置には、この光学部材404の温度を計測する温度センサ83が設けられている。本実施形態においては、温度センサ83は光学部材404の側面に設けられているが、温度計測可能な位置であれば任意の位置でよい。温度センサ83の温度計測結果は制御装置CONTに出力される。温度センサ83の計測結果は、例えば光学部材404上に液浸領域AR2を形成するときの液体温調装置61による液体LQの温度制御に用いられる。この場合、制御装置CONTは、温度センサ83の計測結果と光学部材404上に供給される液体LQの温度との差が小さくなるように、液体温調装置61による液体LQの温度調整を制御することができる。なお、温度センサ83を設けずに、実験やシミュレーションの結果に基づいて光学部材404の温度を予測するようにしてもよい。
なお、空間像計測センサ500は照度ムラセンサ400とほぼ同等の基本構成を有するため、その詳細な説明は省略するが、空間像計測センサ500を構成する上板(光学部材)501の側面にも温調流路が設けられており、その温調流路の内部に温度調整された液体LQが流れることにより、空間像計測センサを構成する上板501の温度が調整される。同様に、上記照度センサを構成する上板の温度も、温調流路を流れる液体LQによって温度調整される。なお、照度ムラセンサ400同様、上記基準部材300の側面に温調流路を形成する管部材を巻きつけて、基準部材300の温度を調整するようにしてもよい。また同様にして、空間像計測センサ500及び不図示の照度センサにも、それぞれの光学部材の温度を計測する温度センサが配置されており、その計測結果は制御装置CONTに出力される。その温度センサの計測結果は、例えば液体温調装置61による液体の温度制御に用いられる。
なお、以上の説明においては、基板ステージPSTに搭載されている計測部材(基準部材300,照度ムラセンサ400,空間像計測センサ500)のすべてを温度調整する構成になっているが、少なくとも一部の計測部材の温度調整を省いても良い。
また、温調システム60は、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち液体LQが接触する光学素子2の温度調整を行うこともできる。図5に示すように、温調システム60は、光学素子2の側面に巻きつけられるように設けられた温調流路68を形成する管部材を備えている。液体温調装置61より供給された温度調整された液体LQは温調流路68を流れる。光学素子2は温調流路68を流れる液体LQにより温度調整される。このように、光学素子2の温度を制御することによって、投影光学系PLの像面側に液浸領域AR2が形成されている場合に、光学素子2と液体LQのそれぞれの温度変化を抑えることができる。また、光学素子2と液体LQとの温度をほぼ同一にすることができる。
また、光学素子2の所定位置には、この光学素子2の温度を計測する温度センサ84が設けられている。本実施形態においては温度センサ84は光学素子2の側面に設けられているが、光学素子2の温度を計測可能であれば任意の位置に設けることができる。温度センサ84の温度計測結果も制御装置CONTに出力され、液体温調装置61による液体LQの温度調整に用いられる。
以上のように、本実施形態においては、液体LQの温度、及び液体LQと接触する物体(基板P,基準部材300,光学素子2等)の温度調整を行うようにすることで、液体LQに接触する物体(基板P,基準部材300,光学素子2等)と液体LQとの温度をほぼ同一にすることができる。また液体LQの温度変化ばかりでなく、液体LQと接触する物体(基板P,基準部材300,光学素子2等)の温度変化や熱変形を抑制することもできる。
なお本実施形態においては、温調システム60は1つの液体温調装置61から供給した液体LQを使って基板ホルダPHや基準部材300あるいは光学素子2の温度調整を行っているが、投影光学系PLの像面側に供給される液体LQの温度調整を行う液体温調装置61とは別に液体温調装置を少なくとも一つ設け、例えば光学素子2を温度調整する液体LQと基板ホルダPHを温度調整する液体LQとのそれぞれが互いに別の液体温調装置から供給されるようにしてもよい。すなわち、基板P(基板ホルダPH)、液体LQ、基準部材300、光学素子2などの温度を、個別の液体温調装置を用いて独立に制御することが可能となる。この場合、投影光学系PLの像面側に供給される液体LQの温度に応じて、基板P(基板ホルダPH)、液体LQ、基準部材300、光学素子2などの温度をそれぞれ調整することができ、これにより、基板P、基準部材300、光学素子2などとの接触によって液体LQに温度変化や温度分布が起きるのが防止されるばかりでなく、液体LQとの接触による基板P、基準部材300、光学素子2などの温度変化や熱変形を防止できる。また、基板P(基板ホルダPH)、基準部材300、光学素子2などの温度調整は液体LQを使う方式に限られず、液体LQを使う構成以外の所定の温調手段(ヒーターやペルチェ素子など)を使って温度調整するようにしてもよい。
次に、上述した構成を有する露光装置EXを用いてマスクMのパターン像を基板Pに露光する方法について、図6に示すフローチャート図を参照しながら説明する。
まず、基板を保持して移動可能な基板ステージPSTに、基板Pをロードする前に、基板Pの温度調整が行われる(ステップSA1)。
具体的には、図7に示すように、露光処理対象である基板Pが、レジストを塗布するコータ装置等の前処理装置から搬送系Hによって、温調システム60の一部を構成する温調用ホルダ90上に搬送される。温調用ホルダ90は上記コーター装置等の前処理装置と基板ステージPSTとの間に設けられており、保持した基板Pの温度を調整する。本実施形態においては、温調用ホルダ90の内部には液体温調装置61より供給された液体LQが流れる温調流路69が形成されている。温調用ホルダ90に保持された基板Pは、液浸露光時に基板P上に供給される液体LQの温度に応じた温度、具体的には液体LQとほぼ同一温度に調整される。これにより、基板Pを基板ステージPST(基板ホルダPH)上に載せた後に、液体LQを供給しても液体LQと基板Pとの間の熱交換が抑制され、液体LQの温度変化、及び基板Pの温度変化や熱変形を防止することができる。また本実施形態においては、基板ホルダPHも液体温調装置61からの液体LQで温度制御されているので、基板Pを基板ホルダPH上に載せたときの基板Pの温度変化や熱変形も防止することができる。なお、温調用ホルダ90で使われる液体は液体温調装置61とは別の温調装置から供給してもよいし、液体を使わない別の方式によって基板Pの温度調整をするようにしてもよい。例えば、液体の代わりに、温度調整された気体を用いて温度調整しても良い。この場合、温度調整された気体を温調用ホルダ90の内部の温調流路69に供給してもよく、あるいは温調用ホルダ90または基板Pに温度調整された気体を直接吹き付けても良い。別の温度調整方式として、伝熱式の接触型のヒータまたは輻射熱を利用した非接触型のヒータを用いて温調用ホルダ90の温度調整をしてもよい。
温調ホルダ90で液体温調装置61とは別の温調装置や液体を使わない温調機構を使用する場合にも、基板P上に供給される液体LQの温度や基板ホルダPHの温度を考慮して、温調ホルダ90での基板Pの温度調整が行われる。例えば、液体LQの温度を計測する温度センサ81や基板ホルダPHの温度を計測する温度センサ80が搭載されている場合には、これらの計測結果に基づいて温調ホルダ90での基板Pの温度調整を制御することができる。これにより、基板Pと接触する液体LQの温度変化、及び基板Pの温度変化や熱変形を抑えることができる。
基板Pの露光を開始する前に、基板Pの温度を温調用ホルダ90で温度調整した後、制御装置CONTは所定の搬送系を使って、基板Pを温調用ホルダ90から搬出するとともに、その基板Pを基板ステージPSTに搬入(ロード)する(ステップSA2)。
基板Pが基板ステージPSTにロードされた後、計測処理及び基板Pに対するアライメント処理が行われる(ステップSA3)。
計測処理時及びアライメント処理時においても、温調システム60による液体LQの温度調整が行われる。
計測処理においては、制御装置CONTは、例えば投影光学系PLと照度ムラセンサ400の上板401とを対向させた状態で、液体供給機構10及び液体回収機構20を使って、液体LQの供給及び回収を行い、投影光学系PLの先端部の光学素子2と上板401の上面401A上との間に液体LQの液浸領域を形成する。
そして、投影光学系PLの光学素子2と上板401の上面401Aとに液体LQを接触させた状態で、制御装置CONTは、照明光学系ILより露光光ELを射出し、投影光学系PLと液体LQとを介して、照度ムラセンサ400により投影領域AR1内における露光光ELの照度分布を検出する。すなわち、照度ムラセンサ400の上面401A上に液体LQの液浸領域を形成した状態で、露光光ELが照射される照射領域(投影領域)内の複数の位置で順次照度ムラセンサ400のピンホール部470を移動させる。制御装置CONTは、照度ムラセンサ400の検出結果に基づいて、投影光学系PLの投影領域AR1内における露光光ELの照度分布が所望状態となるように、その露光光ELの照度分布を適宜補正する。
このとき、温調システム60は、液体LQが接触した状態で露光光ELが通過する光学素子2や上板401の温度調整を行う。具体的には、温調システム60は、光学素子2や平坦面401Aを形成する上板401の温度変化が起きないように、温度調整を行う。更に、温調システム60は、平坦面401A上の液体LQの温度変化を抑制するために、上板401の温度調整を行う。
液体LQを介した照度ムラセンサ400の計測中、光学素子2の温度は温度センサ84に計測され、その計測結果は制御装置CONTに出力される。同様に、上板401の温度は温度センサ83に計測され、上板401上の液体LQの温度は温度センサ81に計測される。温度センサ81、83、84の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、これら温度センサの計測結果に基づいて、上板401や光学素子2、あるいは液体LQの温度変化を抑制するために、これら液体LQと光学素子2と上板401とがほぼ同一温度となるように温度調整を行う。例えば制御装置CONTは、温度センサの計測結果に基づいて、液体温調装置61から上板401を温度調整するための温調流路67及び光学素子2を温度調整するための温調流路68のそれぞれに供給する液体LQの温度あるいは単位時間当たりの液体供給量をそれぞれ調整する。
液体LQと接触する上板401の温度と光学素子2の温度とに差が生じたり、上板401あるいは光学素子2の温度と液体LQの温度とに差が生じると、それらの間で熱交換(熱伝達)が行われ、上板401と光学素子2との間に満たされた液体LQに温度変化が生じたり、温度分布が生じる。また上板401や光学素子2が温度変化を起こす可能性もある。この場合、これら温度変化によって露光光ELの照度分布を計測するときの計測精度が劣化する可能性がある。そこで、温調システム60によって、これら光学素子2や上板401や液体LQの温度変化が生じないように温度調整することで、計測精度の劣化を防止することができる。
また、液体温調装置61から供給される液体LQの温度も、僅かながら経時的に変化する可能性があり、その場合においても上板401と光学素子2との間に満たされた液体LQに温度分布や温度変化が生じる。そこで、温調システム60は、上板401上に供給される液体LQの温度に応じて(温度センサの計測結果に基づいて)、光学素子2や上板401の温度調整を行うことにより、液体LQに温度分布が生じる不都合を防止することができる。
露光光ELの照度分布の検出が終了した後、制御装置CONTは、液体回収機構20を使って、照度ムラセンサ400の上板401の上面401A上に形成された液浸領域AR2の液体LQを回収する。
なおここでは、照度ムラセンサ400による液体LQを介した計測中に、温調システム60による温度調整を行うように説明したが、照度ムラセンサ400による液体LQを介した計測処理前に、光学素子2や上板401の温度を調整することはもちろん可能である。そして、光学素子2や上板401、あるいは液体LQが所望の温度になるのを待ってから、照度ムラセンサ400による液体LQを介した計測処理を行えばよい。
以上、照度ムラセンサ400による計測動作について説明したが、空間像計測センサ500や照度センサを使った液体LQを介した計測動作前や計測動作中においても、上述同様、温調システム60による温度調整が行われる。
次に計測処理の一つとして、ベースライン量の計測を行う。ベースライン量とは、レーザ干渉計で規定される座標系内でのパターン像の投影位置と基板アライメント系350の検出基準位置との位置関係を示すものである。まず制御装置CONTは、基板アライメント系350の検出領域が基準部材300上に位置決めされるように、XYステージ53を移動する。そして、基板アライメント系350が基準部材300上の基準マークPFMを検出する前に、温調システム60は温調流路66や温調流路65などに液体LQを流して基準部材300を含む基板ステージPST上面の温度調整を行う。
基板アライメント系350によって基準部材300上の基準マークPFMを検出するとき、図8に示すように、制御装置CONTは、基板アライメント系350によって温度調整が行われた基準部材300上の基準マークPFMを液体LQを介さずに(ドライ状態で)検出し、レーザ干渉計43によって規定される座標系内での基準マークPFMの位置情報を検出する。これにより、レーザ干渉計43によって規定される座標系内での基板アライメント系350の検出基準位置が基準マークPFMを使って検出されたことになる。
なお、基板アライメント系350による検出動作中においても、温調システム60は、基準部材300の温度変化が起きないように、温調流路65や温調流路66などに液体LQを流して基準部材300の温度調整を行うようにしてもよい。
次に、制御装置CONTは、マスクアライメント系360により基準部材300上の基準マークMFMを検出する。基準マークMFMを検出するとき、制御装置CONTは、XYステージ53を移動して投影光学系PLの先端部と基準部材300とを対向させる。そして、制御装置CONTは、液体供給機構10及び液体回収機構20による液体LQの供給及び回収を行い、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基準部材300の上面301Aとの間を液体LQで満たして液浸領域を形成する。
温調システム60は、マスクアライメント系360が基準部材300上の基準マークMFMを検出する前に、温調流路66や温調流路65などに液体LQを流して基準部材300を含む基板ステージPST上面の温度調整を行う。同様に、温調システム60は、温調流路68に液体LQを流して投影光学系PLの光学素子2の温度調整を行う。
そしてマスクアライメント系360を使って基準部材300上の基準マークMFMを検出するとき、図9に示すように、制御装置CONTは、マスクアライメント系360によりマスクM、投影光学系PL、及び液体LQを介して(ウエット状態で)基準部材300上の基準マークMFMの検出、すなわちマスクMのマークと基準部材300上の基準マークMFMとの位置関係の検出を行う。これによりレーザ干渉計43で規定される座標系内でのマスクMのパターン像の投影位置情報が基準マークMFMを使って検出される。
ここで、マスクアライメント系360による検出動作中においても、温調システム60は、光学素子2や基準部材300、あるいは液体LQの温度変化が起きないように温度調整を行う。マスクアライメント系360の計測動作前や計測動作中において温度調整を行う場合においても、温調システム60は温度センサ81、82、84などの計測結果に基づいて、液体LQと基準部材300と光学素子2とがほぼ同じ温度になるように温度調整を行う。このように、光学素子2、基準部材300、及び液体LQの温度制御を行うことによって、光学素子2の温度変化による光学特性の変化や熱変形、基準部材300の熱変形、及び液体LQの温度変化が防止され、基準マークPFM,MFMの検出を精度よく行うことができる。
基準マークMFMの検出が終了した後、制御装置CONTは、液体回収機構20あるいは液体回収機構20とは別に設けられた所定の液体回収機構を使って、基準部材300の上面301A上に形成された液浸領域AR2の液体LQを回収する。
次に制御装置CONTはアライメント処理を開始する。制御装置CONTは、基板アライメント系350の検出基準位置とパターンの像の投影位置との間隔(位置関係)であるベースライン量を求める。具体的には、基板アライメント系350の検出基準位置、パターン像の投影位置、及び予め定められている基準マークPFMと基準マークMFMとの位置関係から、レーザ干渉計43で規定される座標系内でのパターン像の投影位置と基板アライメント系350の検出基準位置との位置関係(ベースライン量)が決定される。
そして、制御装置CONTは、基板Pに対して重ね合わせ露光を行うために、基板P上の露光対象領域であるショット領域S1〜S24に形成されているアライメントマーク1を基板アライメント系350で液体LQを介さずに(ドライ状態で)検出する。基板アライメント系350がアライメントマーク1の検出を行っているときの基板ステージPSTの位置はレーザ干渉計43で計測されており、その計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、基板アライメント系350の検出基準位置に対するショット領域S1〜S24の位置情報(ずれ)を求め、そのときの基板ステージPSTの位置からレーザ干渉計43で規定される座標系内でのショット領域S1〜S24のアライメント情報(配列情報)を求める。なお、ショット領域S1〜S24に付随して形成されているすべてのアライメントマークを検出する必要はなく、一部のアライメントマークを検出して、例えば特開昭61-44429号公報(USP4,780,617)に開示されているようにショット領域S1〜S24のアライメント情報を求めるようにしてもよい。
また、基板アライメント系350による基板P上のアライメントマーク1の検出と並行して、フォーカス検出系30によって液体LQを介さずに(ドライ状態で)基板P表面の面位置情報を検出するようにしてもよい。この場合、フォーカス検出系30の検出結果は、基板P上の位置に対応させて制御装置CONTに記憶される。
そして、基板アライメント系350が基板P上のアライメントマーク1を液体LQを介さずに検出する前や検出中においても、温調システム60は温調流路62や温調流路65などに液体LQを流して基板ホルダPHを含む基板ステージPSTの温度調整を行う。温調システム60は、基板ホルダPHを温度調整することで、この基板ホルダPHに保持されている基板Pの温度変化を抑制する。そして、温度調整が行われた基板ホルダPHに保持されている基板P上のアライメントマーク1が基板アライメント系350により検出される。
このように、基板ステージPSTに基板Pをロードした後、上記アライメント処理や計測処理と並行して、温調システム60は基板Pや基準部材300、上板401、501等の計測部材や光学素子2の温度調整を行うことができる。また、例えば基板Pを温度調整するには、上述したように、基板ホルダPHを温度調整し、その温度調整された基板ホルダPHを介して基板Pを温度調整することもできるし、基板ホルダPHの温度調整なしに、あるいは基板ホルダの温度調整と並行して、基板P上に液体供給口12より温度調整された基板Pの露光に使用される液体LQを供給することによって基板Pを温度調整することも可能である。そして、基板アライメント系350が基板ステージPST上に保持された基板P上のアライメントマーク1などを検出する前に基板Pの温度調整を行うことにより、基板Pの熱変形、ひいてはアライメントマーク1の位置ずれを防止でき、マーク検出精度を向上することができる。なお、基板Pに液体LQを供給することによって温度調整したときは、液体回収機構20により基板P上の液体LQを回収した後、基板アライメント系350が液体LQを介さずにアライメントマーク1の検出を行う。なお、基板ステージPSTの上面が十分に広ければ、投影光学系PLの像面側に液体LQを保持したまま、基板アライメント系350で液体LQを介さずに基板P上のアライメントマークを検出するようにしてもよい。この場合も、基板P(基板ホルダPH)及び液体LQは、温調システム60により温度調整されているので、基板アライメント系350によるアライメントマークの検出中に、基板P上に液浸領域の一部または全部が形成されていたとしても、基板Pが熱変形(熱伸縮)を起こすことがなく、基板P上のアライメントマークの位置情報を精度よく検出することができる。
基板P上のアライメントマーク1を基板アライメントマーク350で検出した後、制御装置CONTは、基板Pの液浸露光を行うために、液体供給機構10を駆動して基板P上に液体LQを供給するとともに液体回収機構20を駆動して基板P上の液体LQを所定量回収する。これにより、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基板Pとの間に液体LQの液浸領域AR2が形成される。
ここで上述したように、本実施形態においては、基板アライメント系350によるアライメントマーク1の検出時においては基板P上には液体LQが無く、基板アライメント系350によるアライメントマーク1の検出後に、液体供給機構10より基板P上に液体LQが供給されることになる。そのため、温調システム60は、基板アライメント系350によるアライメントマーク1の検出後に、液体LQと基板Pとの接触に起因して基板Pの温度変化や熱変形が起きないように、基板Pを保持する基板ホルダPHの温度調整を継続的に行う。温調システム60は、例えば基板ホルダPHの上面に設けられた温度センサ80による基板Pの温度計測結果に基づいて、温調流路62に供給する液体LQの温度や単位時間当たりの液体供給量を調整することで、基板Pを基板ホルダPHを介して温度調整する。
また、制御装置CONTは、基板Pの露光を開始する前に、液体LQの温度を温度センサを使って計測し、液体LQの温度に応じて、基板P上に露光に使われる液体LQを流したり、基板ホルダPHや光学素子2の温度調整を行うことで、液体LQや基板Pの温度を所望状態にする。
そして、制御装置CONTは、液体供給機構10による基板P上に対する液体LQの供給と並行して、液体回収機構20による基板P上の液体LQの回収を行いつつ、基板Pを支持する基板ステージPSTをX軸方向(走査方向)に移動しながら、マスクMのパターン像を投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介して基板P上に投影露光する(ステップSA4)。
液浸領域AR2を形成するために液体供給機構10の液体供給部11から供給された液体LQは、供給管13A、13Bを流通した後、流路形成部材70内部に形成された供給流路を介して液体供給口12A、12Bより基板P上に供給される。液体供給口12A、12Bから基板P上に供給された液体LQは、投影光学系PLの先端部(光学素子2)の下端面と基板Pとの間に濡れ拡がるように供給され、投影領域AR1を含む基板P上の一部に、基板Pよりも小さく且つ投影領域AR1よりも大きい液浸領域AR2を局所的に形成する。このとき、制御装置CONTは、液体供給機構10のうち投影領域AR1のX軸方向(走査方向)両側に配置された液体供給口12A、12Bのそれぞれより、走査方向に関して投影領域AR1の両側から基板P上への液体LQの供給を同時に行う。これにより、液浸領域AR2は均一且つ良好に形成されている。
本実施形態における露光装置EXは、マスクMと基板PとをX軸方向(走査方向)に移動しながらマスクMのパターン像を基板Pに投影露光するものであって、走査露光時には、液浸領域AR2の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMの一部のパターン像が投影領域AR1内に投影され、マスクMが−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、基板Pが投影領域AR1に対して+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。基板P上には複数のショット領域S1〜S24が設定されており、1つのショット領域への露光終了後に、基板Pのステッピング移動によって次のショット領域が走査開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で基板Pを移動しながら各ショット領域S1〜S24に対する走査露光処理が順次行われる。
基板P上の複数のショット領域S1〜S24のそれぞれを順次露光する際、ステップSA3で求めた各ショット領域の位置情報(配列情報)、及びベースライン量に基づいて、XYステージ53を移動し、基板P上の各ショット領域S1〜S24とパターン像とを位置合わせしながら、各ショット領域S1〜S24の液浸露光処理を行う。
また、制御装置CONTは、ショット領域S1〜S24の露光中に、フォーカス検出系30を使って基板P表面の面位置情報を検出し、投影光学系PL及び液体LQを介した像面と基板P表面とを合致させるように、基板ステージPSTを介して基板PをZ軸方向あるいは傾斜方向に移動したり、あるいは投影光学系PLの像特性を変化させつつ、液浸露光処理を行う。フォーカス検出系30は、各ショット領域の露光中に、投射部30Aより液体LQを介して基板P上に検出光Laを投射するとともに基板Pからの反射光を液体LQを介して受光することによって基板P表面の面位置情報を検出する。
なお、各ショット領域S1〜S24に対する走査露光中は、液体LQの供給前に求めた基板Pの表面情報に基づいて、フォーカス検出系30を使うことなしに、基板P表面と液体LQを介して形成される像面との位置関係を調整するようにしてもよい。あるいは、液体LQの供給前に求めた基板Pの表面位置情報と、走査露光中に液体LQを介して検出した基板Pの表面位置情報との双方を考慮して、基板P表面の位置制御を行うようにしてもよい。
また、制御装置CONTは、基板Pに対する液浸露光処理と、温調システム60による温度調整とを並行して行う。温調システム60は、液浸領域AR2の液体LQの温度が変化したり、液体LQ中に温度分布が生じないように、更には光学素子2及び基板Pに温度変化や熱変形が生じないように、基板P上に供給される液体LQの温度調整及び基板ホルダPHや光学素子2の温度調整を行う。このとき温調システム60は、温度センサ80、81、84などを使って、基板P(基板ホルダPH)、供給される液体LQ、及び光学素子2の温度を計測し、その計測結果に基づいて、基板ホルダPHや光学素子2の温度調整や基板P上に供給される液体LQの温度調整を行う。
ここで、液体LQに温度変化や温度分布が生じる要因としては、例えば液体LQに接触する基板Pや光学素子2の温度変化が挙げられる。基板Pや光学素子2の温度変化の要因としては、照射される露光光ELの熱エネルギーを光学素子2や基板P(基板P上のレジストを含む)が吸収したり、あるいは発熱源であるモータやアクチュエータ(基板ステージ駆動装置PSTD)を有する基板ステージPSTから基板Pへの熱の伝達などが挙げられる。あるいは、露光光ELが照射されることにより液体LQ自体が温度変化することも考えられる。これらの要因により、液体LQの温度と液体LQと接触する基板Pの温度と光学素子2の温度とに差が生じると、それらの間で熱交換(熱伝達)が行われ、基板Pと光学素子2との間に満たされた液体LQに温度変化や温度分布が生じたり、基板Pや光学素子2の温度変化や熱変形を引き起こす可能性がある。この場合、これら温度変化によって露光光ELの光路が変動したり、基板Pが熱変形したり、光学素子2が熱変形して投影光学系PL及び液体LQを介した像特性が変動したり、パターン像の位置合わせや重ね合わせ精度が劣化する不都合が発生する可能性がある。あるいは、液体LQの温度変化(温度分布)に起因して、液体LQの屈折率変動や屈折率分布が生じ、フォーカス検出系30の検出光Laの光路が変動するなどして、フォーカス検出系30に計測誤差が生じる可能性もある。
また、液体温調装置61から供給される液体LQの温度も、僅かながら経時的に変化する可能性があり、その場合においても基板Pと光学素子2との間に満たされた液体LQに温度分布や温度変化が生じる。
そこで、温調システム60は、液体LQと基板Pとの接触、あるいは液体LQと光学素子2との接触によって、これら光学素子2や基板Pや液体LQの温度変化が生じないように、液体LQと光学素子2と基板Pとがほぼ同一温度となるように、液体LQと光学素子2や基板ホルダPH(ひいては基板P)の温度調整を行うことで、計測精度や露光精度の劣化する不都合を防止することができる。
特に温調システム60が、基板Pとその基板P上の液体LQとの間の熱伝達が低減されるように、基板ホルダPHの温度調整を行うので、発熱源であるモータやアクチュエータを有する基板ステージPSTから基板Pへ伝達される熱エネルギーによって、基板Pが熱変形したり、液体LQ中に温度変化や温度分布が生じる不都合を効果的に防止することができる。
また、温調システム60は、光学素子2とその光学素子2に接触する液体LQとの間での熱伝達が低減されるように、光学素子2を温度調整するので、露光光ELの熱エネルギーを吸収して発熱する光学素子2からその光学素子2に接触する液体LQへ伝達される熱エネルギーによって、光学素子2が温度変化や熱変形を起こしたり、液体LQ中に温度変化や温度分布が生じる不都合を効果的に防止することができる。
また液体LQ中に温度分布が生じて屈折率分布が生じると、検出光Laを基板Pに対して斜め方向から投射する構成であるフォーカス検出系30の計測精度が著しく劣化する可能性があるが、温調システム60が、液体LQ中に温度分布が生じないように、基板ホルダPHの温度調整を行ったり、光学素子2の温度調整を行うことで、フォーカス検出系30の計測精度の劣化を防止できる。
なお液浸領域AR2の液体LQの温度調整を行うとき、供給管13A、13Bの途中に、光学素子2や基板ホルダPHの温度調整に使用される液体温調装置61とは別の液体温調装置を設け、温度センサの計測結果に基づいて、液体供給口12A、12Bから供給する液体LQの温度を調整したり、あるいは単位時間当たりの液体供給量を調整するようにしてもよい。
基板Pの液浸露光が終了した後、制御装置CONTは、液体回収機構20、あるいは液体回収機構20とは別に設けられた所定の液体回収機構を使って、基板P上に形成された液浸領域AR2の液体LQを回収する(ステップSA5)。
基板P上及び基板ステージPST上の液体LQを回収した後、制御装置CONTは、露光済みの基板Pを基板ステージPSTより搬出(アンロード)する(ステップSA6)。
以上説明したように、基板Pを保持する基板ホルダPHを温調システム60を使って温度調整することで、液体LQに接触する基板Pを基板ホルダPHを介して所望の温度に調整できる。また、液体LQと接触した状態で露光光ELが通過する光学素子2や上板401なども温調システム60を使って温度調整することができる。したがって、基板Pや光学素子2に接触している液体LQも所望の温度に維持することができるばかりでなく、液体LQと接する基板Pや光学素子2の温度変化や熱変形も防止できる。したがって、液体LQに検出光Laを照射し、その液体LQを介した検出光Laに基づいて計測処理を行う構成であっても、良好な計測精度を維持することができる。また、所望の温度に維持された液体LQを介して基板P上に露光光ELを照射することができるので、良好な露光精度を維持することができる。また液体LQと接触する基板P(基板ホルダPH)、光学素子2、基準部材300などの温度調整を行うようにしているので、液体の気化に起因する基板P、光学素子2、基準部材300などの温度変化や熱変形を防止することもできる。
また、例えば図9に示すように、基準部材300上に形成した液体LQの液浸領域の一部が平坦面51上に配置されたり、あるいは基板P上のエッジ領域Eを露光するときに、液体LQの液浸領域AR2の一部が平坦面51上に配置される場合があるが、基板Pの周囲に平坦面51を形成するプレート部材50も温度調整することで、その平坦面51に液体LQが接触した場合でも、液体LQに温度変化(温度分布)が生じる不都合を防止することができる。
なお、例えば基板P上のアライメントマーク1の検出を行う前に基板Pの温度調整を行う場合や基板Pの露光を開始する前に基板Pの温度調整を行うとき、露光に使われる液体LQを基板P上に一定時間流すことで、その基板Pの温度調整を行うこともできる。そのとき、温度調整時における単位時間当たりの液体供給量を、液浸露光時における液体供給量より多くすることで、より効果的に短時間で基板Pを所望の温度に調整することができる。なお液体供給量を多くしたときは、液体LQの流出を防止するために、液体供給量に応じて液体回収量を多くすればよい。
また、基板P上でのパターンの重ね合わせ精度を向上するために、アライメント処理時(ステップSA3)と液浸露光時(ステップSA4)とでの基板P(あるいは液体LQや光学素子2)の温度差を可能な限り小さくするように温度調整することが好ましいが、光照射条件やアクチュエータの駆動条件などによって温度差が生じる可能性がある。その場合、例えばアライメント処理時と液浸露光時との温度差に起因する基板Pの熱変形量(線膨張の変動量)を予め求め、その変動量を補正するための補正量を求めておき、その補正量に基づいて、重ね合わせ露光するときの基板Pとパターン像との位置関係を補正するようにしてもよい。
なお、上述の実施形態においては、基板Pを基板ステージPST上にロードした後に、計測処理を行うようにしているが、この計測処理は複数枚の基板の処理毎に行い、その間はステップSA3でアライメント処理だけ行うようにしてもよい。
また計測処理を行う際に、露光対象として基板Pを基板ステージPST上にロードすることによって、各計測処理中に、Zステージ52の凹部55に液体LQが浸入することを防止しているが、液浸領域AR2の大きさに対して基板ステージPSTの上面に十分な面積があり、計測処理を行うときに、Zステージ52の凹部55に液体LQが浸入することがない場合には、計測処理が完了してから基板ステージ上に基板Pをロードするようにしてもよい。
また計測処理を行う際にZステージ52の凹部55へ液体LQが浸入することを防止するために、露光対象としての基板Pではなく、基板Pと同一形状のダミー基板を基板ステージPST上にロードし、計測処理が完了した後に、露光対象の基板Pと交換するよるようにしてもよい。
また上述の実施形態においては、基板ステージPST上に基板Pをロードする前に、温調用ホルダ90で基板Pの温度調整をしているが、基板ステージPST上に基板Pをロードした後に基板P上に温度調整された液体LQを流したり、基板ホルダPHの温度調整をすることで十分であれば、温調用ホルダ90を設けなくてもよい。
また上述の実施形態においては、光学素子2、基板ホルダPH、基準部材300などの温度調整を行っているが、それらをすべての温度調整は必ずしも必要なく、液体LQとの熱交換による影響が懸念される部材だけに温度調整を行うようにしてもよい。
また上述の実施形態においては、光学素子2、基板P(基板ホルダPH)、基準部材300などの液体LQに接触する物体の温度調整を行うようにしているが、投影光学系PLの像面側に供給された液体LQと接触する物体の温度調整を行わずに、その物体の温度に応じて、供給される液体LQの温度を調整するだけでもよい。その場合、各物体の温度を、例えば温度センサを使って測定し、その測定結果に基づいて液体LQの温度調整を行うのが望ましい。この場合も、液体LQとその液体LQに接触する物体との間の熱交換が抑制され、液体LQの温度変化(温度分布の発生)や液体LQと接触する物体の温度変化や熱変形を防止することができる。
さらに液体LQと流路形成部材70との間の熱交換(熱伝達)も懸念される場合には、流路形成部材70を温調システム60によって温度調整するようにしてもよい。この場合、流路形成部材70内にヒータを埋め込んだり、液体供給機構10及び液体回収機構20と連通する流路以外の温調用流路を流路形成部材70内に設けて温調用流路に温調用の流体を流通させても良い。また、流路形成部材70に温度センサを配置して、流路形成部材70の温度を計測し、その結果に基づいて流路形成部材70の温度を調整するようにしてもよい。
またさらに、上述の実施形態においては、基板Pの温度調整を行うために、基板ホルダPH内に温度流路62を形成して、その温調流路62に温度調整された液体LQを流すことによって、基板ホルダPHの温度調整を行うようにしているが、基板ステージPSTに搭載されているモータやアクチュエータの温度調整機構を基板ホルダPHの温度調整に兼用するようにしてもよい。
以下、本発明の別の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図10において、流路形成部材70の下面70Aにおいて、液体供給口12A、12Bが設けられている領域が液体回収口22A、22Bが設けられている領域に対して基板Pより遠くになるように、段部71が形成されている。そして、段部71のうち、投影光学系PLの光軸AXに向く面71Aには、液浸領域AR2の液体LQを攪拌する攪拌装置72が設けられている。攪拌装置72Aは液体供給口12A、12Bのそれぞれの近傍に設けられており、液体供給口12A、12Bを介して基板P上に供給された液体LQを攪拌する。攪拌装置72は、基板Pの液浸露光中又はその前後、あるいは基準部材300や上板401、501上に液体LQを配置した状態での計測中又はその前後において、液体LQを攪拌することができる。攪拌装置72で液体LQを攪拌することで、液体LQ中に温度分布が生じる不都合を防止することができる。
また、図11に示すように、例えば流路形成部材70の内側面70Aに、光学素子2に対して液体LQの噴流を吹き付ける第2液体供給口18A、18Bを設けるようにしてもよい。すなわち、第2液体供給口18A、18Bを光学素子2の液体接触面2Aの方を向くように形成することもできる。このように第2液体供給口18A、18Bより液体LQを光学素子2に当てるように供給することで、露光光ELの照射による光学素子2の温度変化(温度上昇)を抑制し、光学素子2を所望の温度に維持して液体LQに温度分布が生じる不都合を防止できる。
なお、液体LQを光学素子2に当てるようにして流す構成の代わりに、第2液体供給口18A、18Bより供給された液体LQが、光学素子2の液体接触面2Aに沿って層流となって流れるようにしてもよい。この場合、第2液体供給口18A、18Bを液体接触面2Aの近傍に且つ光学素子2の光軸と直交する方向を向くように形成すればよい。こうすることにより、光学素子2に与える影響(摩耗や溶解など)を抑制できる。
また、上述した実施形態においては、投影光学系PLの像面側に露光用の液体LQを供給して光学素子2の温度調整を行う場合、光学素子2と基板Pあるいは基板ステージPST上の所定の平坦面とを対向させた状態で液体LQの供給を行っているが、図12に示すように、投影光学系PLの下方領域に対して進退可能に設けられたプレート部材150を設けるようにしてもよい。プレート部材150は、投影光学系PLの下方領域に配置されたとき、投影光学系PLの光学素子2に対して所定の距離をあけて対向可能となっている。プレート部材150には、軸部151を回動中心として回動する回転機構152が設けられており、回転機構152の駆動によって、投影光学系PLの下方領域に対して進退可能となっている。なお、軸部151の上端部は、例えば投影光学系PLの鏡筒PKを保持する定盤やコラム(ボディ)など、所定の部材に取り付けることができる。また、回転機構152は、プレート部材150をZ軸方向に移動するZ駆動機構の機能も有しており、投影光学系PLの光学素子2とプレート部材150との距離を調整可能である。このようなプレート部材150を設けることにより、基板ステージPSTが例えば基板Pのロード・アンロードを行うために投影光学系PLの下方領域に配置されていない場合においても、光学素子2とプレート部材150とを対向させた状態で液体供給口12より液体LQを供給することにより、光学素子2の温度調整を液体LQを使って行うことができるばかりでなく、投影光学系PLの液体接触面2Aを常時濡らしておくことも可能となるので、投影光学系PLの液体接触面2Aが乾いて、その液体接触面2Aに異物などが付着するのを防止することもできる。また投影光学系PLの下方に基板ステージPSTが位置していない場合であっても、投影光学系PL(光学素子2)や流路形成部材70から液体が不都合な場所へ落下するのをプレート部材150で防止することができる。
ところで、液体温調装置61は液体LQの温度を精密に調整可能ではあるが、図13(a)に模式的に示したグラフ図のように、液体温調装置61から供給される液体LQの温度が僅かながら経時的に変化する可能性がある。なお図13(a)のグラフ図において、横軸は時間t、縦軸は温度(温度変動量)ΔTである。このような経時的に温度変化する液体LQが基板P上に連続的に供給された場合、基板P上に形成された液浸領域AR2の液体LQ中に温度分布が生じることとなる。
そこで、図14に示すように、供給流路13のうち液体温調装置61と液体供給口12との間に、通過する液体LQの温度変動を減衰する減衰部材100を設けることで、図13(b)に模式的に示したグラフ図のように、液体供給口12を介して供給される液体LQの経時的な温度変動を減衰することができる。減衰部材100は断熱材によって周囲と断熱されている。減衰部材100としては、例えば金属製焼結体や金属製メッシュをはじめとする多孔質体が挙げられる。あるいは中空糸膜などからなるインラインフィルタであってもよい。このような多孔質体などは、通過する液体LQに対する接触面積が大きく、また液体LQに対する熱容量も大きいため、通過する液体LQの温度変動を十分に減衰することができる。なお減衰部材100として金属を用いる場合には、ステンレス鋼であることが好ましい。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているツインステージ型の露光装置にも適用できる。
図15はツインステージ型露光装置の一例を示す概略構成図である。図15に示すツイン型露光装置EX2は、基板Pを保持する基板ホルダPH1を有し、基板ホルダPH1に基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージPST1と、基板Pを保持する基板ホルダPH2を有し、基板ホルダPH2に基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージPST2とを有している。第1、第2基板ステージPST1、PST2は、共通のベース54上をそれぞれ独立に移動可能である。第1、第2基板ステージPST1、PST2はそれぞれ上述した実施形態と同様、基準部材300やセンサ400、500を備えている。
また、ツインステージ型露光装置EX2は、一方の基板ステージPST1(PST2)に保持された基板Pの計測を行う計測ステーションST1と、投影光学系PLを備え、他方の基板ステージPST2(PST1)に保持された基板Pの露光を行う露光ステーションST2とを備えている。露光ステーションST2には基板アライメント系350を除いて、図1のシステム(フォーカス検出系30を含む)が全て搭載されている。また、計測ステーションST1には、基板アライメント系350、投射部30A及び受光部30Bを有するフォーカス検出系30が搭載されている。
そして、第1基板ステージPST1と第2基板ステージPST2とのそれぞれには、計測ステーションST1で基板ホルダPH1、PH2の温度調整を行う温調システム60が設けられている。
このようなツインステージ型露光装置の基本的な動作としては、例えば露光ステーションST2において第2基板ステージPST2上の基板Pの露光処理中に、計測ステーションST1において、第1基板ステージPST1上の基板Pの交換及び計測処理が行われる。そして、それぞれの作業が終了すると、第2基板ステージPST2が計測ステーションST1に移動し、それと並行して第1基板ステージPST1が露光ステーションST2に移動し、今度は第2基板ステージPST2において計測及び交換処理が行われ、第1基板ステージPST1上の基板Pに対して露光処理が行われる。
本実施形態において、計測ステーションST1における基板Pの計測は、フォーカス検出系30による基板P表面の面位置情報の計測、及び基板アライメント系350による基板P上のアライメントマーク1及び基準部材300上の基準マークPFMの検出を含む。例えば第2基板ステージPST2上の基板Pに対して露光ステーションST2において液浸露光処理が行われている最中、第1基板ステージPST1上の基板Pに対して計測ステーションST1において基板アライメント系350、フォーカス検出系30、及び基準部材300を用いて計測処理が行われる。そして、計測処理が完了すると、第1基板ステージPST1と第2基板ステージPST2との交換作業が行われ、図15に示すように、第1基板ステージPST1の基準部材300と投影光学系PLとが対向するように、第1基板ステージPST1の位置決めがされる。この状態で、制御装置CONTは液体LQの供給を開始し、投影光学系PLと基準部材300との間を液体LQで満たし、液体LQを介したマスクアライメント系360による基準部材300の基準マークMFMの計測処理及び露光処理を行う。なお、計測ステーションST1で一旦求められた各ショット領域S1〜S24のアライメント情報は基準部材300の基準マークPFMを基準として定められており(記憶されており)、露光ステーションST2において液浸露光が実行される際には、基準部材300の基準マークPFMに対して所定の位置関係で形成されている基準マークMFMとマスクMとの位置関係に基づいて各ショット領域S1〜S24の位置決めがされるように第1基板ステージPST1の移動が制御される。すなわち、計測ステーションST1で求められた各ショット領域S1〜S24のアライメント情報(配列情報)は、基準マークPFM、MFMを用いて露光ステーションST2に有効に受け渡される。
このように、ツインステージ型露光装置の場合には、一方のステージで液浸露光処理中に、他方のステージで液体を介さない計測処理を行うことができるので、露光処理のスループットを向上することができる。
そして、温調システム60は、計測ステーションST1において、基板Pの計測を行う前に、基板ホルダPHの温度調整を行って基板Pを所定温度に調整する。そして、基板ホルダPHを介して基板Pを所定温度に調整した後、基板Pに対する計測処理が行われる。温調システム60は、基板Pの計測処理中においても、基板ホルダPHを介して基板Pの温度調整を継続する。
また、計測ステーションST1において基板ホルダPH1の温度調整を行う際、温調システム60は、露光ステーションST2に設けられた液体供給機構10から供給される液体LQの温度に応じて、基板ホルダPH1の温度調整を行う。具体的には、液体供給機構10から供給される液体LQの温度と基板Pの温度とがほぼ同一になるように、温調システム60は計測ステーションST1において基板ホルダPH1の温度調整を行う。そして、計測ステーションST1における基板Pの計測処理が終了した後、制御装置CONTは、第1基板ステージPST1を計測ステーションST1から露光ステーションST2に移動する。
ここで、露光ステーションST2においては、第2基板ステージPST2上に支持されている基板Pに対する露光処理が行われている。制御装置CONTは、露光ステーションST2における第2基板ステージPST2上の基板Pの露光処理が終了した後、計測ステーションST1で計測処理を完了した基板Pを支持した第1基板ステージPST1を露光ステーションST2に移動する。このとき、第1基板ステージPST1上の基板Pに対する計測処理が完了した後、露光ステーションST2における第2基板ステージPST2上の基板Pに対する露光処理が継続中の場合には、制御装置CONTは、露光ステーションST2における基板Pの露光が終了するまで、計測ステーションST1において第1基板ステージPST1上の基板Pの温調システム60による温度調整を継続する。つまり、制御装置CONTは、計測ステーションST1において第1基板ステージPST1上の基板Pに対する温度調整を開始した後は、露光ステーションST2における第2基板ステージPST2上の基板Pの露光処理が終了するまで、計測ステーションST1での温度調整を継続する。
そして制御装置CONTは、計測処理を終え、露光ステーションST2に移動された第1基板ステージPST1上の基板Pを液浸露光するために、液体供給機構10より基板P上に液体LQを供給する。ここで、第1基板ステージPST1上に保持されている基板Pは、計測ステーションST2において温調システム60によって、液体LQとほぼ同じ温度に調整されているため、基板P上に液体LQが供給されても基板Pの温度変化や熱変形が生じることがない。なお、供給された液体LQとの接触に起因する基板Pの温度変化を抑制するために、露光ステーションST2においても温調システム60によって基板ホルダPH1を温度調整を継続した方がよいことは言うまでもない。そして、制御装置CONTは、露光ステーションST2において、基板Pに液体LQを介して露光光ELを照射して基板Pを露光する。基板Pの露光中においても、制御装置CONTは、温調システム60によって基板ホルダPHや光学素子2の温度調整を行いつつ、基板Pを露光する。計測ステーションST1での計測後に、基板ホルダPH1の温度調整の継続が難しい場合には、基板ホルダPH1の基板Pの露光を開始する前に、例えば基板P上に露光用の液体LQを液体供給口12より供給して基板Pの温度調整を行い、基板Pが液体LQとほぼ同一温度になってから露光を開始するようにしてもよい。
以上説明したように、第1基板ステージPST1及び第2基板ステージPST2を有するツインステージ型露光装置において、基板Pに関する計測処理を行う計測ステーションST1で基板Pを保持する基板ホルダPH1を温調システム60を使って温度調整することで、その基板ホルダPHに保持されている基板Pを所望の温度に調整することができる。したがって、計測ステーションST1での計測処理後に基板Pが温度変化や熱変形を起こすのが防止され、計測ステーションST1で計測された情報(基板Pの表面情報、基板P上のショット領域の位置情報など)に基づいて、露光ステーションST2において精度良く基板Pを露光することができる。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
なお、上述したように液浸法を用いた場合には、投影光学系の開口数NAが0.9〜1.3になることもある。このように投影光学系の開口数NAが大きくなる場合には、従来から露光光として用いられているランダム偏光光では偏光効果によって結像性能が悪化することもあるので、偏光照明を用いるのが望ましい。その場合、マスク(レチクル)のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行い、マスク(レチクル)のパターンからは、S偏光成分(TE偏光成分)、すなわちラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分の回折光が多く射出されるようにするとよい。投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が液体で満たされている場合、投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が空気(気体)で満たされている場合に比べて、コントラストの向上に寄与するS偏光成分(TE偏光成分)の回折光のレジスト表面での透過率が高くなるため、投影光学系の開口数NAが1.0を越えるような場合でも高い結像性能を得ることができる。また、位相シフトマスクや特開平6−188169号公報に開示されているようなラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明法(特にダイボール照明法)等を適宜組み合わせると更に効果的である。
また、例えばArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系PLを使って、微細なライン・アンド・スペースパターン(例えば25〜50nm程度のライン・アンド・スペース)を基板P上に露光するような場合、マスクMの構造(例えばパターンの微細度やクロムの厚み)によっては、Wave guide効果によりマスクMが偏光板として作用し、コントラストを低下させるP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりS偏光成分(TE偏光成分)の回折光が多くマスクMから射出されるようになるので、上述の直線偏光照明を用いることが望ましいが、ランダム偏光光でマスクMを照明しても、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。また、マスクM上の極微細なライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような場合、Wire Grid効果によりP偏光成分(TM偏光成分)がS偏光成分(TE偏光成分)よりも大きくなる可能性もあるが、例えばArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系PLを使って、25nmより大きいライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような場合には、S偏光成分(TE偏光成分)の回折光がP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりも多くマスクMから射出されるので、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。
更に、マスク(レチクル)のラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明(S偏光照明)だけでなく、特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線(周)方向に直線偏光する偏光照明法と斜入射照明法との組み合わせも効果的である。特に、マスク(レチクル)のパターンが所定の一方向に延びるラインパターンだけでなく、複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在する場合には、同じく特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法とを併用することによって、投影光学系の開口数NAが大きい場合でも高い結像性能を得ることができる。
上記実施形態では、基板ホルダPH、投影光学系PLの先端光学素子2、基準部材300などの液体LQに接触する物体の温度を、それらの物体の内部または周囲に設けられた流路に温調された液体を流すことによって調整しているが、それらの流路に液体の代わりに温度制御された気体を流通させても良い。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子2が取り付けられており、このレンズにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の液浸法を適用した露光装置は、投影光学系PLの終端光学素子2の射出側の光路空間を液体(純水)で満たして基板Pを露光する構成になっているが、国際公開第2004/019128号に開示されているように、投影光学系PLの終端光学素子2の入射側の光路空間も液体(純水)で満たすようにしてもよい。この場合、投影光学系PLの終端光学素子2の入射側の光路空間の液体の圧力を調整するようにしてもよい。また、投影光学系PLの終端光学素子2の入射側の光路空間の気体を排気しながら液体の供給を開始することによって、その光路空間を速やかに、且つ良好に液体で満たすことができる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体LQの極性に応じて行われる。また、液体LQの純水の代わりに、所望の屈折率を有する種々の流体、例えば、超臨界流体や高屈折率の気体を用いることも可能である。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。また第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光し、その後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。
また、基板Pを保持するステージとは別に測定用の部材やセンサを搭載した測定ステージを備えた露光装置にも本発明を適用することはできる。この場合、投影光学系と測定ステージとを対向させて、測定ステージ上に液浸領域AR2を形成するときに、上述の基板ステージPSTのプレート部材50や基準部材300,空間像センサ500などと同様に、測定ステージ上の部材を温度調整するようにしてもよい。なお測定ステージを備えた露光装置は、例えば欧州特許公開第1,041,357号公報に記載されている。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、露光対象の基板の表面全体が液体で覆われる液浸露光装置にも本発明を適用可能である。露光対象の基板の表面全体が液体で覆われる液浸露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに詳細に記載されている。
また露光装置に搭載した投影光学系として、前述のように種々のタイプの投影光学系を用いることもできるが、投影光学系を持たないタイプの露光装置、例えば、プロキシミティ型露光装置に本発明を適用することもできる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージPST、MSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
1…アライメントマーク、2…光学素子(光学部材)、10…液体供給機構、20…液体回収機構、30…フォーカス検出系(面位置検出装置)、50…プレート部材、51…上面(平坦部)、60…温調システム、80、81、82、83、84…温度センサ、90…温調用ホルダ、300…基準部材(計測部材)、301A…上面(平坦面)、350…基板アライメント系(マーク検出系)、360…マスクアライメント系(マーク検出系)、400…照度ムラセンサ、401…上板(計測部材)、401A…上面(平坦面)、500…空間像計測センサ、501…上板(計測部材)、501A…上面(平坦面)、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、P…基板、PL…投影光学系、PH…基板ホルダ(基板保持部材)、PST…基板ステージ、ST1…計測ステーション、ST2…露光ステーション