JP5420416B2 - シート状物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが表面に付着した繊維を含んで形成され、導電材料、電磁波シールド、電磁波吸収体、マイクロ波吸収発熱体、電極、超微細フィルタ、面状発熱体、触媒の担体などに使用することが可能なシート状物及びその製造方法に関する。
カーボンナノチューブやカーボンナノホーンは、その特異的な構造に由来した特性により、極めて低い電気伝導度特性を有し、導電材料、電磁波シールド、電磁波吸収体、マイクロ波吸収発熱体、電極、超微細フィルタ、面状発熱体などの材料として注目を浴びている。このため、カーボンナノチューブやカーボンナノホーンを含有するシートもいくつか検討されている。
例えば特許文献1には、直径が0.01μm〜4μm、アスペクト比が2〜100000である炭素繊維とパルプを用いたシートが提案されている。しかし、本シートはパルプと炭素繊維を一緒に混ぜる方法で製造しており、炭素繊維の分散を向上させる酸化処理、あるいはコーティング、グラフト等をおこなっても炭素繊維の凝集が発生し、そのため、セルロース繊維に炭素繊維のネットワークを形成することはできかった。また、炭素繊維の固まりがシートに存在してしまうため、炭素繊維同士のつながりが少なく、導電性、電磁波シールド特性、マイクロ波吸収特性等といった炭素繊維の性能を十分に発揮することが困難であった。
特許文献2には、セルロース繊維に炭素フィブリルが絡み合った、炭素フィブリルの凝集体を含有した紙が提案されている。しかし、本シートも特許文献1のシート状物と同様に炭素フィブリルが凝集体として存在してしまうため、シート内での炭素フィブリルのネットワークが充分形成することができず、結果として炭素フィブリルの性能を十分に発揮することが困難であった。
特許文献3には、界面活性剤と蒸留水に天然繊維を浸漬・含浸させることによって、天然繊維の表面にカーボンナノチューブを被覆する方法が提案されている。しかし、この方法ではセルロース繊維に充分カーボンナノチューブが被覆されなかった。また界面活性剤を含んだ天然繊維は、天然繊維自体が絡み合い難く、織物の糸として使用することは可能であるが、これを湿式抄紙法でシートにすることは困難であった。さらに、カーボンナノチューブの表面が界面活性剤に覆われており、カーボンナノチューブ同士の接触を阻害するために、電子の移動が阻害され充分な導電性を付与することはできなかった。
特許文献4には、化学めっき液にカーボンナノチューブを分散して、この液で天然繊維を処理することにより天然繊維にカーボンナノチューブを被覆する方法が提案されている。しかし、この方法ではニッケル等の金属を介してカーボンナノチューブが被覆されており、電磁波シールド特性、マイクロ波吸収特性、面状発熱性等、本来カーボンナノチューブがもっている性能を充分に発揮できない。また、前述と同様化学めっき液で処理された天然繊維は織物の糸として使用することは可能であるが、これを湿式抄紙法でシートにすることは不可能であった。
特許文献5、6にはカーボンナノチューブの分散方法及びそのシートが提案されている。ここでいうシートとはカーボンナノチューブ単独のシートであり、非常に高価であるとともに、シートの強度を保持することができない。更に、カーボンナノチューブの表面には界面活性剤が付着しており、これをシート化し、カーボンナノチューブのネットワークを形成しても、カーボンナノチューブの界面活性剤が阻害し、導電性等の効果が充分に発揮できない。
特許文献7には、カーボンナノチューブを添加した紙とその製造方法が提案されている。しかし、ここで提案されている定着法では、パルプスラリー調整の時点でカーボンナノチューブ自体の凝集体を生じるため、シート中にカーボンナノチューブのネットワークを良好に形成させることができない。従って、カーボンナノチューブの導電性を十分に生かすことが難しく、シートの導電性を下げるために多量のカーボンナノチューブを添加する必要があった。
このように、導電材料、電磁波シールド、マイクロ波吸収発熱体、あるいは電極といった、極めて有効な電気特性を有するカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを含有したシートを形成することは、従来技術によっては困難であった。
特開昭63−288298号公報 特開平7−97789号公報 特開2005−256221号公報 特開2005−256222号公報 特開2007−39623号公報 特開2007−63107号公報 国際公開第08/069287号パンフレット
本発明は、電気特性及び発熱特性に優れ、導電材料、電磁波シールド、電磁波吸収体、マイクロ波吸収発熱体、電極などとして好適なシート状物を提供することを課題とする。
本発明は、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが表面に付着した繊維を含んで形成されたシート状物であって、多数の前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが、凝集せずに均一に分散した状態で前記繊維の表面に付着していることによって、該繊維上でネットワーク構造をとっていることを特徴とするシート状物に関する。
また本発明は、前記シート状物が、前記繊維並びに前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を湿式抄紙して得られたものであることを特徴とするシート状物に関する。
また本発明は、前記シート状物が、前記カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンを含まずに形成された繊維集合体に、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を含浸させて得られたものであることを特徴とする前記シート状物に関する。
また本発明は、前記繊維集合体の形成繊維がカチオン系有機高分子で処理されていることを特徴とする前記シート状物に関する。
また本発明は、前記シート状物の主たる形成繊維がセルロース繊維であることを特徴とする前記シート状物に関する。
また本発明は、前記シート状物の製造方法であって、繊維とカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合してこれらの混合分散液を得る工程、及び該混合分散液を湿式抄紙してシート状物を得る工程を有することを特徴とするシート状物の製造方法に関する。
また本発明は、前記製造方法において、前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液中に界面活性剤が含有されていることを特徴とする。
また本発明は、前記製造方法において、前記繊維と前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合する前に、該繊維に、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの定着剤を吸着させることを特徴とする。
また本発明は、前記製造方法において、前記定着剤が前記界面活性剤と逆の極性を持つことを特徴とする。
また本発明は、前記製造方法において、前記界面活性剤がアニオン性であり、前記定着剤がカチオン性であることを特徴とする。
また本発明は、前記製造方法において、前記定着剤が有機高分子系定着剤であることを特徴とする。
図1は、本発明のシート状物の形成繊維の長さ方向に沿った断面を模式的に示した断面図である 図2は、実施例1のシート状物の電子顕微鏡写真(3000倍)である。 図3は、実施例1のシート状物の電子顕微鏡写真(10000倍)である。 図4は、比較例3のシート状物の電子顕微鏡写真(3000倍)である。 図5は、比較例3のシート状物の電子顕微鏡写真(10000倍)である。 図6は、本発明の範囲外のシート状物の図1相当図である。
本発明のシート状物の主たる特徴の一つはその主体となる繊維の表面に、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが、単に付着しているのではなく、特定のネットワーク構造をとって該繊維の表面を被覆していることである。ここで言う「主体となる繊維」(シート状物の主たる形成繊維)とは、前記シート状物の質量の51%以上を占める繊維のことを指す。カーボンナノチューブやカーボンナノホーン自体の電気導電度は銅と同程度であり、物理的強度においても非常に丈夫である。表面をこのカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの特定のネットワーク構造で被覆された繊維によって形成されたシート状物は、優れた電気特性を有し、かつ主体となる繊維に裏打ちされた強度や柔軟性によって強度も強く、取扱がし易くなることで、従来カーボンブラック含有シートで問題となっていたような、紙紛やカーボンブラックの脱落といった問題を解決することができる。さらに、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンがネットワーク構造で繊維表面に存在することにより、電子の運動エネルギー、電磁波、マイクロ波を効率的に熱エネルギーに変換することが可能であり、優れた電磁波シールドシート、マイクロ波発熱体、面状発熱体を提供することができる。
前記のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの特定のネットワーク構造は、シート状物における主体となる繊維を優先的に被覆していることが好ましい。主体となる繊維表面に被覆されるカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの表面積は、主体となる繊維の表面積に対し5%以上であることが好ましい。さらに好ましいのは20%以上である。カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンで被覆された繊維の表面積が、主体となる繊維の表面積全体の5%未満であると、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが繊維表面でネットワーク構造をとりにくくなり、良好な電気特性を得にくくなるので好ましくない。つまり、本発明においては、主体となる繊維の総表面積の5%以上、特に20%以上が、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンによって被覆されていることが、良好な電気特性が得られる点で好ましい。
本発明におけるカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの、繊維上での特定のネットワーク構造とは、図1に模式的に示すように、多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが、凝集せずに均一に分散した状態で繊維A(主体となる繊維)の表面に付着している状態であり、このとき繊維Aの表面には、多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンからなる、均一な厚みのカーボン層B(ミクロのネットワーク構造)が、該繊維Aの略全長に亘って連続的に形成される。そして、本発明のシート状物は、このようなカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのミクロのネットワーク構造(カーボン層B)が表面に形成された多数の繊維Aが、3次元的に絡み合って形成されていることによって、該シート状物全体としてカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのマクロのネットワーク構造を有しており、これによって優れた電気特性及び発熱特性を発現する。
即ち、本発明におけるカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造とは、主体となる繊維の表面においてカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが互いに接触して主体となる繊維表面で全体として連続してミクロのネットワークを形成しつつ、且つカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンによって被覆された繊維がシート状物中で3次元的に絡み合った構造のマクロのネットワークを形成している状態を指す。このことにより、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンがシート状物全体に亘って連続して接触し、電子の通り道を提供するため前記したような極めて有効な電気特性を示すと考えられる。但し、本発明において、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンは、必ずしも、図1に示すように繊維Aの表面に厚みの均一なカーボン層Bを形成している必要は無く、カーボン層Bの厚みはある程度の幅があっても良く、カーボン層Bの表面が凹凸を有していても良い。
このように、本発明のシート状物における主体となる繊維の表面では、図1に模式的に示すように、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが凝集せずに均一に分散した状態で該表面に付着していることが必要である。そのことによって、シート状物の中で均一な導電性が達成される。これに対し、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが表面に付着した繊維を含んで形成されたシート状物であっても、例えば図6に模式的に示すように、多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが凝集して多数の凝集体Cを形成し、多数の凝集体Cが、主体となる繊維Aの表面上で連続的に連なっている場合(多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが均一に分散していない場合)は、凝集体Cの中では電子は通るが、シート状物全体として考えた場合、電気を確実に通すことが難しくなるので好ましくない。またこの場合は、導電性の向上効果が望めず、導電性を向上させるために多量のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを添加する必要があり、大きなコストアップ要因となる。またこの場合は、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの添加量が著しく増えると主体となる繊維表面を被覆するのみでなく主体となる繊維の間に詰まる形でも存在するようになるため、抄紙時の水抜けが悪化してシートの製造が困難となる。さらにこの場合は、図6に模式的に示したように、シート状物の中でのカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分布が均一でないために、シート状物内部の導電性にばらつきが生じ、その結果、電気を流したときに抵抗値の高い部分から発火するなどの問題が発生するため好ましくない。
また、例えば繊維表面においてカーボンナノチューブやカーボンナノホーンが連続せずに部分的に(不連続に)存在している場合(多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが繊維上でネットワーク構造をとっていない場合)は、特にシート状物を電磁波シールドやマイクロ波発熱体として使用するような場合に、該カーボンナノチューブやカーボンナノホーンが電磁波やマイクロ波を効率的に熱エネルギーに変換することができず、充分な効果を発揮することができないので好ましくない。
本発明におけるカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造は、シート状物の面積方向(2次元)だけでなくシート状物の厚さ方向(3次元)にも形成されるため、厚さ方向にも導電性を得られる。このことにより、本発明のシート状物は、例えば電池用集電体等にも好適に使用することができる。また、厚み方向にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造が形成されることにより、電磁波シールド特性等も飛躍的に向上する。主体となる繊維が部分的にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンにより被覆されているような場合には、主体となる繊維の全表面積に対してカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンで被覆された繊維の表面積の割合が重要となる。このような場合、1本の繊維に対して繊維全体ではなく、繊維に部分的に分割してカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが被覆された部分があってもよい。主体となる繊維の表面積に対して、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが被覆された繊維の表面積との比率(表面被覆率)は5%以上であれば電磁波シールド特性やマイクロ波発熱体としての特性を発揮できる。また、20%以上であると面状発熱体としての性能が飛躍的に向上するので好ましい。さらに、50%以上になると導電性が飛躍的に向上するので、電気伝導度が問題となっている新たな分野にも進出できる。このように主体となる繊維表面に、どれだけカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが被覆されたかの表面被覆率の問題は、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンによるネットワーク構造の形成度に繋がるので重要である。カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンによるネットワーク構造の形成度合いは、電子顕微鏡で直接観察することで容易に確認することができる。
上述したカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を有するシート状物は、好ましくは、1)繊維並びにカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を湿式抄紙して得られるか、あるいは2)カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンを含まずに形成された繊維集合体に、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を含浸させて得られる。前記1)及び2)の何れの製造方法においても、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を用いており、該分散液を用いてシート状物を製造することが、上述したカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を形成する上で重要である。
前記1)は、湿式抄紙法によってシート状物を製造する方法である。湿式抄紙法とは、紙や不織布を製造する際に一般的に使用される方法で、繊維を水に分散し、これに適宜必要な薬品を添加し、すき網を使用してシート化する方法である。通常カーボンナノチューブやカーボンナノホーンは構成原子が全て表面原子であるため、カーボンナノチューブあるいはカーボンナノホーン同士がファンデワールス力によって凝集し、結果として複数の集合体として存在する。このため、カーボンナノチューブやカーボンナノホーンを水などの液媒体に分散させずに粉体のままで使用してシート化すると、カーボンナノチューブやカーボンナノホーンは図6に模式的に示すように凝集体の状態でシート状物内に存在することになり、前述したようなカーボンナノチューブやカーボンナノホーンがもつ本来の性能を発揮できない。このため、本発明ではカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を使用してシート状物を形成するのが好ましい。該分散液中には、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの液中での分散を助ける界面活性剤が含有されていることが好ましい。
カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散方法(前記分散液の調製方法)は特に限定されない。例えば、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを界面活性剤を使用して、超音波処理、ビーズミルなどで分散した分散液、有機溶剤を使用して超音波やビーズミルなどの物理的処理によって分散された分散液、同じ極性を有する分子同士の斥力を利用して分散された分散液、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンに磁性体を付着させて分散された分散液、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの表面を修飾することでこれらを分散した分散液、または、これらの技術を組み合わせて分散された分散液等を使用できるが、これらに限定されるものではない。特にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを水に分散した分散液は、セルロース繊維等、親水基を有する繊維の表面に上述したカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を形成するのに有利である。
本発明のシート状物を湿式抄紙法〔前記1)の製造方法〕によって製造する場合について、該シート状物の主体となる繊維としてセルロース繊維を使用した場合を例にとり説明する。本製造方法は、繊維とカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合してこれらの混合分散液を得る工程、及び該混合分散液を湿式抄紙してシート状物を得る工程を有する。上述した特定のネットワーク構造の形成には、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散方法と定着剤の組み合わせが重要である。該定着剤は前記界面活性剤と逆の極性を持つものが好ましい。セルロース繊維は水中に懸濁した際に負に荷電することが知られており、例えばカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンをアニオン性の界面活性剤で分散させて分散液を調製した場合、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの定着剤としてはカチオン性定着剤を使用することで、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンをネットワーク構造を形成させながら良好にセルロース繊維の表面に付着させることが可能となる。この理由としては、セルロース繊維にカチオン性定着剤を添加した際に、カチオン性定着剤がセルロース繊維の表面に付着して該セルロース繊維の表面の電荷を正に変えるため、アニオン性の界面活性剤で分散したカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが電気的親和力によって良好にセルロース繊維の表面へと吸着されるためと思われる。
カーボンナノチューブやカーボンナノホーンは、ファンデルワールス力による凝集力が非常に強いことが知られている。従って、セルロース繊維の表面に選択的にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを定着させて良好なネットワーク構造を形成する際には、セルロース繊維の表面にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが定着する前にそれら自体が凝集することを防ぐ必要がある。その方法として、まず予めカチオン性定着剤をセルロース繊維の水性分散液(パルプスラリー)に投入し該カチオン性定着剤を該セルロース繊維の表面に定着したのち、該水性分散液に、分散剤にアニオン性の界面活性剤を使用するなどして表面をアニオン性に荷電させたカーボンナノチューブの分散液を添加することが挙げられる。カチオン性定着剤をパルプスラリーに添加した後には、十分に混合しておくことが好ましい。即ち、繊維とカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合する前に、該繊維に、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの定着剤を吸着させることが好ましい。こうすることにより、まずセルロース繊維の表面に均一にカチオン性定着剤が吸着し、その後アニオンに荷電したカーボンナノチューブがこの吸着したカチオン性定着剤に吸着するため凝集を防ぎつつセルロース繊維の表面にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を良好に形成することができる。パルプスラリーに分散液を投入した後にカチオン性定着剤を添加した場合、セルロース繊維の表面への吸着と共にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン自体の凝集も多く発生するため好ましくない。
定着剤(カチオン性定着剤)としては、製紙用として一般的に使用されている硫酸アルミニウムのような無機系定着剤よりも有機高分子系定着剤の方が好ましい。その理由は以下のように考えられる。有機高分子系定着剤の繊維表面への吸着方式には、トレイン、ループ、テイルの3通りの形態があることが知られている。トレイン部は、アンカーとしてセルロース繊維の表面に吸着している部分であり、ループ部、テイル部は溶媒中に広がったような状態になっている部分である。このような状態下でカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのアニオン分散体が添加された場合、カチオン性の有機高分子系定着剤のループ部、テイル部が、負に荷電しているカーボンナノチューブ表面に吸着し、架橋を形成する。このことにより、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのセルロース繊維の表面への吸着が促進されるものと考えられる。従って、この定着効果を最大限に発揮させるためには、先ず、セルロース繊維の水分散液に定着剤を添加するなどして、該定着剤をセルロース繊維に吸着させ、次いで、このセルロース繊維の水分散液にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液を添加するなどして、該セルロース繊維に該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを吸着させる方式が好ましい。
製紙用として一般的に使用されている硫酸アルミニウムのような無機系定着剤の定着機構としては、無機系定着剤が粒子表面に吸着することによって荷電を中和し、ファンデルワールス力によって定着しているものと考えられる。この場合、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのセルロース繊維の表面への定着とネットワーク構造の形成は観察されるものの、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン同士のファンデルワールス力が非常に強く、それら自体の凝集がより強く発生する。従って、得られたシート状物の性能は、有機高分子系定着剤を使用したシート状物と比較して劣る。
また、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンをカチオン性の界面活性剤で分散した場合も、セルロース繊維の表面にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワークを良好に形成することができる。この際、パルプスラリーに対して、予めアニオン性高分子やマイクロフィブリル化セルロース、カルボキシメチルセルロースを更に添加することでパルプスラリーの系を予めアニオンリッチにすることで、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのセルロース繊維への定着を促進することが可能である。
本発明のシート状物の形成を湿式抄紙法で形成することは、シートの形成と同時にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散に使用した界面活性剤を除去できるので好ましい。湿式抄紙法を用いない場合(例えば乾式法によってシート状物を形成する場合)は、界面活性剤が繊維表面に作用して、セルロース繊維間の水素結合の形成を阻害する。また、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン同士がネットワーク構造を形成しても、その表面に存在する界面活性剤が直接カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン同士を接触することを阻害するため好ましくない。湿式抄紙法を用いることで、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を形成し、さらには、これを脱水することにより、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン表面に存在している界面活性剤を除去することが可能となり、上記したような問題点が解決される。
本発明のシート状物は、前記2)の製造方法によって製造することもできる。前記2)の製造方法はいわゆる含浸法であり、具体的には、主体となる繊維でカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを含まないシート状物(繊維集合体)を形成してから、該繊維集合体をカーボンナノチュ−ブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液に浸し、該繊維集合体内部まで分散液を浸透させ、これによりカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのミクロのネットワーク構造で繊維表面を被覆し、これらが3次元的にマクロのネットワーク構造を形成したシート状物を得る方法である。本製造方法では、主体となる繊維表面にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造で被覆させるための方法は特に限定されない。例えば、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが定着しやすいように主体となる繊維をカチオン系有機高分子で処理したものでシート状物(繊維集合体)を形成し、それにカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン分散液を含浸する方法がある。また、カチオンパルプを使用して主体となる繊維表面をカチオン性にしておき、この主体となる繊維をシート化した後、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン自体をアニオン性に処理した分散液で含浸し、主体となる繊維表面にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を形成する方法等がある。カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液としては、例えば有機溶剤を使用して超音波やビーズミルなどの物理的処理によって分散された分散液や、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの表面を修飾することによって分散した分散液が好ましく使用できる。
界面活性剤を使用したカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーン分散液を使用した場合は、前述した界面活性剤の阻害を除去し、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの効果を十分に発揮するために、後加工を施すことが可能である。例えばこの界面活性剤が溶解可能な溶剤で含浸・洗浄処理する等の加工をすることにより、界面活性剤を除去し導電性を向上させることができる。
本発明で使用するカーボンナノチューブ/カーボンナノホーンについては特に限定されない。カーボンナノチューブの製造法にはCVD法、アーク放電法、レーザーアブレーション法など各種あるが、いずれの方法で作成したカーボンナノチューブでも効果の発現には支障がない。また、1枚のグラフェンシートを円筒状に巻いた構造のシングルウオールカーボンナノチューブと、これが同心円状に入れ子になった状態のマルチウオールカーボンナノチューブがあるが、本発明ではどちらを使用しても効果に支障は無い。カーボンナノチューブの直径は1nm〜75nmの範囲内であるのが好ましく、1nm〜50nmの範囲内であると更に好ましい。また、カーボンナノチューブ繊維長は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上で有ることが更に好ましい。また、カーボンナノホーンの直径は、150nm以下であることが好ましい。
本発明で使用される主体となる繊維(シート状物の主たる形成繊維)は特に限定されない。例えば、セルロース繊維として針葉樹晒クラフトパルプ、(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ繊維、楮、三椏、雁皮等の靱皮繊維、藁、竹、ケナフ、バガス等の非木材パルプ繊維、セルロース繊維を処理することにより得られるマイクロフィブリル化セルロース繊維、バイオセルロース繊維、レーヨン繊維、その他表面処理したセルロース繊維、カルボキシルメチルセルロース繊維、合成パルプ、合成繊維、半合成繊維、無機繊維、金属繊維等を単独であるいは必要に応じて適宜組み合わせて使用する。また、カーボン繊維、活性炭繊維、導電繊維、金属繊維等も必要に応じて使用することができる。
主体となる繊維としてセルロース繊維を使用すると、効率的にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンがネットワーク構造を形成した状態で繊維表面に定着するので好ましい。その理由は定かではないが、セルロース繊維はカルボキシル基を有しているので負に荷電しているため、前述した機構によりカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが効率的に、ネットワーク構造を形成して主体となる繊維表面に定着すると考えられる。また、セルロース繊維は親水性の水酸基をもっていることから、湿式抄紙法でシートを形成する際に水分散性に優れるので好ましい。
セルロース繊維を高圧下剪断力で解繊したマイクロフィブリル化セルロースを使用すると、3次元的なネットワーク構造がさらに密になるので好ましい。マイクロフィブリル化セルロースは、セルロース繊維を処理することにより、数平均繊維長が0.05〜3mm、保水度が200ml以上にした微細繊維である。該繊維にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが被覆されると、より緻密に、均一なネットワーク構造の構築が可能となる。さらに、マイクロフィブリル化セルロースは、パルプ繊維等のセルロース繊維に非常によく定着する。このため、マイクロフィブリル化セルロース、あるいはセルロース繊維とマイクロフィブリル化セルロースの混合物にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンを定着させると、極めて効果的にカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンのネットワーク構造を形成することができるため、有効である。
本発明において、湿式抄紙法でシート状物を形成する場合、性能を損なわない範囲で、一般的な抄紙薬品を使用することができる。例えば、デンプンやグアーガム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子紙力増強剤、ポリアクリルアマイド、ビニルアミン系高分子等の高分子紙力増強剤、メラミン、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の湿潤紙力増強剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等の填料、ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸ナトリウム、スチレンアクリル等のサイズ剤、硫酸バンド、カチオン化ポリアクリルマイド、アニオン化ポリアクリルアマイド等の定着剤等が使用できる。さらに、必要に応じカーボンブラックを添加することもできる。
本発明のシート状物、特に、カーボンナノチューブを含有するシート状物は、超微細フィルタとして使用することが可能である。これは、カーボンナノチューブによって形成される微細な空隙によって、微細な粒子が捕集されることによると考えられる。
また、本発明のシート状物、特に、カーボンナノホーンを含有するシート状物は、カーボンナノホーンの物質を内包する特性を利用することで、触媒の担体として利用することも可能である。
下記の方法により、カーボンナノチューブを分散した。
[分散法1]
分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用し、これをカーボンナノチューブと乳鉢で20分間練り混合した後、超音波洗浄機を使用し、発信周波数38KHz、電力120Wで2時間処理することによってアニオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液を得た。
[分散法2]
分散剤としてドデシルジメチルアンモニウムブロマイドを使用したこと以外は分散法1と同様にして、カチオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液を作成した。
[分散法3]
カーボンナノチューブを予め乳鉢で20分間練り、その後、アセトンにカーボンナノチューブの固形分濃度が2質量%になるように分散させ、更に、超音波で100W、20分間処理することで、物理的処理分散タイプのカーボンナノチューブ分散液を得た。
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ50質量%、針葉樹晒クラフトパルプ50質量%を水に分散させ、これをダブルディスクリファイナーにて叩解し、カナディアンスタンダードフリーネスによる叩解度が350mlの原料パルプスラリーを調製した。さらに、定着剤としてカチオン化デンプン(商品名「ネオタックL−1」、日本食品加工(株)製)をパルプ質量に対して2質量%添加し混合後、[分散法1]により得たアニオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液をパルプ質量に対して固形分濃度で5質量%混合し、原料スラリーを調製した。この原料スラリーを、すき網を利用して湿式抄紙法にて坪量100g/m2になるようにしてシート状物を作成した。
[実施例2]
[分散法1]により得たアニオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液に代えて、[分散法2]により得たカチオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液を使用し、カチオン化デンプンの代わりにカルボキシメチルセルロースを3質量%使用したこと以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m2のシート状物を作成した。
[実施例3]
[分散法1]により得たアニオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液に代えて、[分散法3]により得た物理的分散処理タイプのカーボンナノチューブ分散液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m2のシート状物を作成した。
[実施例4]
定着剤として硫酸バンドをパルプ質量に対して2質量%使用したこと以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m2のシート状物を作成した。
[実施例5]
広葉樹晒クラフトパルプ50質量%、針葉樹晒クラフトパルプ50質量%を水に分散させ、これをダブルディスクリファイナーにてカナディアンスタンダードフリーネスによる叩解度が350mlとなるように叩解した。このパルプスラリーに湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商品名「紙力剤WS4002」、星光PMC(株)製)をパルプ質量に対して0.5質量%添加し原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーを湿式抄紙法にて坪量100g/m2になるようにして含浸原紙を作成した。前記含浸原紙を、[分散法3]により得たカーボンナノチューブ分散液に含浸し乾燥することで、カーボンナノチューブ含浸シート状物を得た。分散液の含浸率から計算したカーボンナノチューブの含浸率は、1.5%であった。
[実施例6]
実施例5と同様の方法で作成した含浸原紙に、定着剤としてカチオン化デンプン1%液を含浸し、乾燥させた後に再度[分散法3]により得たアニオン性界面活性剤タイプのカーボンナノチューブ分散液に含浸することで、カーボンナノチューブ含浸シート状物を得た。
[比較例1]
広葉樹晒クラフトパルプ50質量%、針葉樹晒クラフトパルプ50質量%を水に分散させ、これをダブルディスクリファイナーにて叩解し、カナディアンスタンダードフリーネスによる叩解度が350mlの原料パルプスラリーを調製した。その後、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商品名「紙力剤WS4002」、星光PMC(株)製)を2質量%添加して原料スラリーを調製した。この原料スラリーを、すき網を利用して湿式抄紙法にて坪量100g/m2になるようにしてシート状物を作成した。
[比較例2]
セルロース繊維と、バインダー繊維としてポリエチレン繊維を使用して乾式法によってシート状物の作成を試みたが、明らかにカーボンナノチューブが凝集していた。
[比較例3]
広葉樹晒クラフトパルプ50質量%、針葉樹晒クラフトパルプ50質量%を水に分散させ、これをダブルディスクリファイナーにて叩解し、カナディアンスタンダードフリーネスによる叩解度が350mlの原料パルプスラリーを調製した。その後、この原料パルプスラリーに、分散処理をしていないカーボンナノチューブ(分散液として調製されていない、粉体のままのカーボンナノチューブ)を対パルプ質量に対し固形分で5質量%添加し、更に硫酸アルミニウムを2質量%添加して原料スラリーを調製した。この原料スラリーを、すき網を利用して湿式抄紙法にて坪量100g/m2になるようにしてシート状物を作成した。
上記の実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたシート状物の性能評価結果を表1に示した。性能評価は、カーボンナノチューブの被覆率、電磁波シールド性、マイクロ波発熱性、面状発熱性、導電性について、それぞれ下記の方法によって行った。尚、比較例2で得られたシート状物については、カーボンナノチューブの凝集が顕著で、性能的に劣ることが明らかであったため、性能評価を行わなかった。
<カーボンナノチューブの被覆率>
電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−6360LA)を使用してサンプル(シート状物)の表面写真を撮影(3000倍)し、画像中に占めるカーボンナノチューブの被覆面積を積算した。評価は以下の通りとし、△以上を合格とした。評価はシート状物上の任意の10点で行った。
◎:20%以上
○:10%以上〜20%未満
△:5%以上〜10%未満
×:5%未満
<電磁波シールド性>
100M Hz、3G Hzの電磁波シールド性を測定した。電磁波シールド性の評価として、電磁波発信用マイクロループアンテナ(キーコム(株)製、直径5mmのマイクロループアンテナ)および電磁波受信用マイクロループアンテナ(日本電気真空硝子(株)社製、磁界プローブCP−2S)を、スペクトラムアナライザ((株)アドバンテスト製、商品名:R3132)に接続し、電磁波発信用マイクロループアンテナおよび電磁波受信用マイクロループアンテナをサンプル(シート状物)を挟むようにして配置し、電磁波シールド性を測定した。電磁波シールド性については、100MHzと3GHzにおける能力をdBで示し、以下のとおり評価した。〇以上を合格とした。
[100MHz]
◎:15dB以上
○:10〜15dB未満
△:5〜10dB未満
×:5dB未満
[3GHz]
◎:20dB以上
○:10〜20dB未満
△:5〜10dB未満
×:5dB未満
<マイクロ波発熱性>
家庭用電子レンジで、600kWの出力で30秒間マイクロ波をサンプル(シート状物)に与え、表面の発熱温度を非接触型温度計によって測定し、マイクロ波付与前と比べて10℃以上表面温度が上がったものは△、20℃以上上がったものは○とした。また、10℃以上表面温度が上がらなかったものは×とした。○、△を合格レベルとした。
<面状発熱性>
ガラス板上にサンプル(シート状物)を置き、電極間距離10cmになるようにして12Vの電圧をかけて5分後の表面温度を非接触型温度計によって測定した。測定は、23℃に設定した恒温室で行った。10℃以上表面温度が上がったものは△、20℃以上上がったものは○とした。また、10℃以上表面温度が上がらなかったものは×とした。○、△を合格レベルとした。
<導電性>
サンプル(シート状物)をJIS P8111で示された条件下で1昼夜調湿後、シート状物の体積抵抗値をJIS K7194に従って四端子法にて測定し、導電性とした。体積抵抗値は、ロレスタMCP−HT450(三菱化学(株)製)を用いて、23℃、50%RH条件下で測定した。評価基準は以下の通りとし、△以上を合格とした。
◎:1×101Ω・cm未満
○:1×101〜1×102Ω・cm未満
△:1×102〜1×103Ω・cm未満
×:1×103Ω・cm以上
図2及び図3に、実施例1で得られたシート状物の表面の電子顕微鏡写真を示す。図3中、矢印で示した部位は、カーボンナノチューブの被覆部(図1のカーボン層Bに相当する部分)である。図2及び図3によれば、シート状物の主たる形成繊維であるセルロース繊維の表面に、カーボンナノチューブが凝集せずに均一分散した状態で付着し、ネットワーク構造を形成しながらセルロース繊維を被覆している様子が観察できる。また、図2によると、セルロース繊維の表面のネットワーク構造の被覆率が50%以上であることが目視で観察できる。
実施例1のアニオン性界面活性剤分散‐カチオン性定着剤使用タイプのシート状物は、実施例2のカチオン性界面活性剤分散‐アニオン性定着剤使用タイプのシート状物や実施例3の物理的処理分散タイプのカーボンナノチューブ分散液を使用したタイプのシート状物よりも性能が上回っていた。この理由は、前記したカチオン性高分子による定着機構により、カーボンナノチューブのセルロース繊維表面への被覆が促進されたためであると考えられる。
実施例4の無機系定着剤を使用したタイプのシート状物の表面を電子顕微鏡で観察したところ、カーボンナノチューブが凝集せずに均一分散した状態でセルロース繊維の表面に付着し、ネットワーク構造を形成しながらセルロース繊維の表面を被覆しているのに加えて、カーボンナノチューブの凝集体がセルロース繊維間に詰まっている様子が観察された。湿式法によるシート状物の形成時、実施例4の処方は、実施例1〜3の処方と比較して搾水にかかる時間が若干長かったが、これは凝集したカーボンナノチューブがセルロース繊維間の隙間を詰めることで、水抜けを阻害したためであると思われる。
実施例5及び6は何れもいわゆる含浸法によってシート状物を形成したものであり、実施例5よりも実施例6の方が全般的に性能が優れていることが示された。これはセルロース繊維を予めカチオン性高分子で処理したことにより、カーボンナノチューブのセルロース繊維への定着が促進されて、良好に定着したからだと思われる。
比較例1で得られたシート状物はカーボンナノチューブを含有していないため、各性能評価結果は悪いものとなった。また、比較例2で得られたシート状物は、性能評価を行わなかったが、カーボンナノチューブの凝集が顕著であり、またカーボンナノチューブの繊維表面からの脱落が多く、性能的に劣ることが明らかであった。
図4及び図5に、比較例3で得られたシート状物の表面の電子顕微鏡写真を示す。図4及び図5中、矢印で示した部位は、カーボンナノチューブの凝集部分(図6の凝集体Cに相当する部分)である。図4及び図5によれば、カーボンナノチューブが凝集した状態で存在しており、セルロース繊維の表面を十分に被覆していない様子が観察できる。比較例3では、繊維と混合させるカーボンナノチューブの形態を、実施例のように分散液とせず、カーボンナノチューブを粉体のままで繊維の分散液に添加したため、繊維上でカーボンナノチューブの凝集が目立つようになったものと考えられる。
本発明のシート状物は、多数のカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが、凝集せずに均一に分散した状態で該シート状物の形成繊維の表面に付着していることによって、該繊維上でネットワーク構造をとっているため、優れた導電性、電磁波シールド性、マイクロ波発熱性、面状発熱性を持ち、導電シート、電磁波シールドシート、調理用マイクロ波発熱シート、ミラーの曇り防止シート、電極、超微細フィルタ等に、好ましく使用することができる。

Claims (4)

  1. カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが表面に付着した繊維を含んで形成されたシート状物であって、多数の前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンが、凝集せずに均一に分散した状態で前記繊維の表面に付着していることによって、該繊維上でネットワーク構造をとっていることを特徴とするシート状物の製造方法であって、
    繊維とカーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合してこれらの混合分散液を得る工程、及び該混合分散液を湿式抄紙してシート状物を得る工程を有し、
    前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液中に界面活性剤が含有されており、
    前記繊維と前記カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの分散液とを混合する前に、該繊維に、該カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノホーンの定着剤を吸着させることを特徴とするシート状物の製造方法。
  2. 前記定着剤が前記界面活性剤と逆の極性を持つことを特徴とする請求項1に記載のシート状物の製造方法。
  3. 前記界面活性剤がアニオン性であり、前記定着剤がカチオン性であることを特徴とする請求項2に記載のシート状物の製造方法。
  4. 前記定着剤が有機高分子系定着剤であることを特徴とする請求項3に記載のシート状物の製造方法。
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