JP5390001B2 - カーボンナノチューブ水分散液及びそれを用いて得られる複合シート - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ水分散液及びそれを用いて得られる複合シートに関するものであり、ノイズを抑制するためのシート、電磁波をシールドするためのシート及び発熱シート等の分野に用いられる。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略す)は、炭素原子が六角形に配置されたグラフェンシートを筒状に巻いた形状のものである。その構造により単層のものは「シングルウォールカーボンナノチューブ」、多層のものは「マルチウォールカーボンナノチューブ(以下、「多層CNT」と略す)」と呼ばれることもある。CNTは優れた力学特性、電気特性、熱特性等の物理特性を有していることから、将来的な産業利用が期待されている。しかしながら、CNTはファンデルワールス力による凝集が強く、そのままでの使用ではCNTの性能を十分に発揮できない。平均繊維径の小さな(20nm以下の)CNTでは特に凝集力が強く、分散が困難である。
CNTを均一に分散させるためには、溶媒に均一に分散していることが好ましい。溶媒は、有機溶剤や水が使用されるが、環境の面から水を使用することが好ましい。CNTを溶媒に分散させる方法として、ジアリルアミン系カチオン性ポリマーとアニオン性界面活性剤とノニオン系界面活性剤と共に超音波ホモジナイザーで分散させることにより行う方法(特許文献1)やポリオール系分散剤と共にビーズミルで分散させることにより行う方法(特許文献2)等が開示されている。
しかしながら、特許文献1の実施例では、CNTの分散濃度がMAXでも5%である。特許文献2の実施例においてはMAXで6%のものが得られているが、水分散液ではなく、ポリウレタン発泡体の原材料であるポリオールに分散させたものであり、粘度が10000mPa・sレベルと非常に高く、塗工用途に用いた場合、基材等にCNTを均一に塗工することは困難である。
一方、近年のパーソナルコンピューター(以下、PC)をはじめとする各種電子機器の高度化や携帯電話に代表される移動体通信機器の普及には著しいものがある。しかしながら、これらの電子機器や通信機器では、高性能化を実現させるため電子部品を高密度に実装させるが故に電子機器内部での電磁障害を発生させたり、これらの機器から放射された電磁ノイズにより他の機器に誤作動を生じさせたり、人体に影響を及ぼすといった危険性も指摘されてきている。例えばPCではGHz帯で動作するMPUが主流になってきているため、発生する電磁ノイズの周波数も高くなる傾向にあり、1GHzを越えるような電磁ノイズ(放射ノイズや伝導ノイズ)が問題になってきている。
又、無線LANの使用を想定した場合、隣戸間での干渉による通信スピードの低下や情報漏洩等の問題が発生するため、室内全体を電磁波シールドする必要も出てくる。
電磁ノイズは基本的には回路設計にて十分考慮されるが、どうしても発生を防げない場合は、一般に「ノイズ抑制シート」と呼ばれるシートを使用する。
ノイズ抑制シートには、樹脂に磁性金属片を混合させたものをシート化したものや、軟磁性粉末と合成ゴムを混合させたものをシート化したもの等が知られている。又、近年では、難燃化機能をつけたタイプや、ハロゲンフリータイプなどの要望が高まっており、各種提案されてきている。又、各種電子機器や通信機器においては、小型化,軽量化という顧客ニーズの流れがあるが、特に、上述したようなノイズ抑制シートでは、密度の大きな磁性金属片や軟磁性粉末を大量に入れて機能を発現させるため、厚さや重さの点で、顧客のニーズである、各種電子機器の小型化や軽量化といった点で問題があった。更には、高GHz帯域でのノイズ抑制能も十分とはいえなかった。
電磁波シールドルームに関しては、銅板で形成した電磁波シールドルームや金属箔、金属箔を貼り付けた石膏ボード等が使用されている。これらは性能は良いものの、何れも可撓性に乏しく、地震による下地の変形、圧縮に対応できず、破れたり、ひびが入ったり、電磁波シールド材の繋ぎ目がずれたりする問題があった。
これらの問題を解決するために、例えば特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6のように、カーボン繊維、繊維状カーボン等を含有させたセルロース繊維ベースの電磁波シールド材、ノイズ抑制シートが提案されている。
しかしながら、このようなセルロース繊維ベースの電磁波抑制材は、可燃性のセルロースが含まれているため、燃えやすいという問題があった。特許文献5には、難燃性の付与のため、難燃剤を内添、含浸、または塗工することが記載されている。特許文献6には難燃剤とサイズ剤を含浸する方法が記載されている。
また、セルロース繊維を主体とした電磁波抑制シートでは、難燃性付与の他に脱落異物を防止することが望まれている。
また、面状発熱シートにおいては、薄くて、温度分布に偏りがなく、発熱効率が良く、短時間で十分な温度上昇が得られるようなものが望まれている。特許文献7には、CNT水分散液を用いて作製した導電性CNT膜を絶縁基板等に塗布することにより製造された面状発熱体に関する記載がある。
特開2010−241668号公報 特開2010−247099号公報 特開昭63−288298号公報 特開2009−277736号公報 特開2010−040730号公報 特開2009−194341号公報 再表2009/081986号公報
本発明は平均繊維径の小さい(20nm以下の)CNTにおいても、高濃度で塗工用途での適性粘度の水分散液を得ることを目的とし、更にはこの水分散液を利用した用途展開を図ることを課題とするものである。
本発明の水分散液の課題は、特定のアニオン性界面活性剤と特定の多糖類とからなる分散剤を含む水溶液にCNTを添加して分散させることによって達成される。又、この水分散液を使用した塗工液をシート基材に塗工することにより、優れた電磁波抑制能、発熱能があるシートを得ることに至った。
すなわち、本発明によれば、以下のようなCNT水分散液及びそれを用いて得られる複合シートが提案される。
(1)カーボンナノチューブを下記の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)を満足する条件で分散させて得られるカーボンナノチューブ濃度が5.5質量%以上で且つブルックフィールド粘度計を用いて23℃、60rpmで測定した粘度が100〜5000mPa・sのカーボンナノチューブ水分散液。
(イ)メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、アルキレンマレイン酸共重合体塩からなるアニオン性界面活性剤のA群と、水溶性キシラン、キサンタンガム類、グアーガム類、ジェランガム類、カルボキシメチルセルロースからなる多糖類のB群とからそれぞれ一種以上を分散剤として用い
(ロ)A群とB群の固形分比率をA:B=1:0.25〜4の範囲とし、
(ハ)A群とB群の固形分総量をカーボンナノチューブ100質量部に対して20〜90質量部とし、
(ニ)分散剤を含む水溶液にカーボンナノチューブを分散させる。
(2)()のカーボンナノチューブ水分散液にバインダーとして水分散樹脂をカーボンナノチューブ100質量部に対して固形分で20〜70質量部混合して得られる塗工液をシート基材の少なくとも片面に塗工して、1回の塗工でカーボンナノチューブを5g/m 以上含有する塗膜が形成されてなることを特徴とする複合シート
請求項2の複合シートであって、KEC法で測定したときの0.5〜1000MHzでの電界シールド性が15dB以上であり、且つ、マイクロストリップライン法に基づいた2〜18GHzでの伝送減衰率(Rtp)が15dB以上であることを特徴とする電磁波抑制シート。
請求項2の複合シートであって、発熱性試験として電極間が100mmでDC12Vを印加した際の5分後の温度上昇が25℃以上であることを特徴とする面状発熱シート。
複合シートのシート基材が難燃フィルムまたは難燃紙である()〜()のいずれかに記載のシート。
)難燃紙が、無機填料が15〜60質量%内添されセルロース繊維を主体繊維とする湿潤引張強さが0.40kN/m以上の原紙に、水分散樹脂、難燃剤及びサイズ剤が配合され、難燃剤配合量が固形分で70〜90質量%、サイズ剤の配合量が固形分で0.05〜1質量%、残余が水分散樹脂の固形分配合量である含浸液を含浸率20〜50質量%含浸されてなる含浸紙であることを特徴とする()記載のシート。
本発明によれば、高濃度で且つ塗工用途での適性粘度が付与されたCNT水分散液が提供され、更に、このCNT分散液を使用した塗工液をシート基材に塗工することで、優れた電磁ノイズ抑制能、電磁波シールド能、発熱能を持った複合シートが提供される。
本発明のCNT水分散液は、分散剤を加えた水媒体にCNTを加え、超音波ホモジナイザー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の分散装置で分散して得られるものである。又、電磁ノイズ抑制能、電磁波シールド能、発熱能が付与された複合シートは、難燃フィルムや難燃処理した紙等をシート基材とし、上記CNT水分散液と水分散樹脂を含んで成る塗工液をシート基材に塗工して得られるものである。
用いられるCNTの製法にはCVD法、レーザー蒸発法、アーク放電法等があり、何れの製法で製造されたCNTも使用できるが、商業的には多層CNTを使用した方が好ましい。又、繊維径は小さく、アスペクト比の大きい方が好ましい。特に平均繊維径が20nm以下でアスペクト比が100以上のものが好ましい。CNTは非常に凝集し易い性質を持っており、市販品等をそのまま使用しても、十分な電磁波抑制能等の効果を得ることはでき難いため、CNT分散体を得る必要がある。本発明では、分散媒として水を用い、分散剤を加えて水溶液とし、更にこの水溶液にCNTを加えて、超音波ホモジナイザー等の分散装置にてCNTを分散させて、CNTの水分散液を調整する。繊維径が小さく、アスペクト比が大きい程、分散が難しい傾向にある。市販されている多層CNTとしては商品名VGCF−X(昭和電工社製、平均繊維径10〜15nm、平均長さ3μm)、商品名NC−7000(ナノシル社製、平均繊維径9.5nm、平均長さ1.5μm)、商品名ベイチューブC150P(バイエルマテリアルサイエンス社製、平均繊維径13〜16nm、長さ1〜10μm)等が挙げられる。尚、この3種類の多層CNTを実施例で用いている。
CNTの分散剤としては、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、アルキレンマレイン酸共重合体塩からなるアニオン性界面活性剤のA群と、水溶性キシラン、キサンタンガム類、グアーガム類、ジェランガム類、カルボキシメチルセルロースからなる多糖類のB群とからそれぞれ一種以上を用いる。キサンタンガム類とはキサンタンガムの他に変性したものも含むものである。同じく、グアーガム類とはグアーガムの他に変性したものも含むものである。ジェランガム類も同様にジェランガムの他に変性したものも含むものである。アニオン性界面活性剤のA群と多糖類のB群の固形分比率はA:B=1:0.25〜4の範囲が好ましい。
メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩としては例えばメチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩が挙げられる。メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩としては例えば花王の商品名デモールMSが挙げられる。
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩としては例えばβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩が挙げられる。β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩としては例えば花王の商品名デモールNが挙げられる。
アルキレンマレイン酸共重合体塩としては例えばジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩が挙げられる。ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩としては例えば花王の商品名デモールEPが挙げられる。
水溶性キシランとしては例えば江崎グリコのものが挙げられる。
キサンタンガム類としては例えばキサンタンガムは三菱商事フードテックの商品名XGTが挙げられる。
グアーガム類としては例えばカルボキシメチル化グアーガムは三晶の商品名メイプロイド870、840Dが挙げられる。
ジェランガム類としては例えば、ジェランガムは三菱商事フードテックの商品名LG−10が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースとしては例えばシーピー・ケルコ社(CP Kelco社)の商品名FINNFIX10000Pが挙げられる。
上記分散剤の単独使用ではCNT水分散液の濃度を十分に上げられないか、又は上げられたとしても粘度が極端に高くなってしまう。
分散剤は、CNTを100質量部とした場合、固形分としてトータルで20〜90質量部、特に、25〜60質量部が好ましい。分散剤の量が20質量部より少ないと、CNTの分散が不十分となり、90質量部よりも多いと、分散液の粘度が高くなりすぎる。
所定の分散剤を加えた水媒体にCNTを加えるが、加えるCNTの量は、最終的なCNT水分散液のCNT濃度が5.5質量%よりも高くなるように添加する。本発明におけるCNTの分散は、超音波ホモジナイザー等の分散装置で行う。一般的に、分散装置でCNTを分散させる場合、あまり分散を促進させると、CNTがちぎれたり、構造的なダメージを受け、好ましくない。又、粘度が上がりすぎて、塗工等での取り扱いが困難となる。よって、適度な分散状態を維持する必要がある。例えばレーザー回折/散乱式粒子径測定装置(MT−3300EX;日機装製、LA−920;堀場製作所製、等)を使用した場合は、メジアン径で0.1〜80μmが好ましく、0.2〜1.0μmが更に好ましい。又、粘度に関しては、ブルックフィールド粘度計を用い、23℃、60rpmで測定した場合の粘度で5000mPa・s以下が塗工用途に適した粘度として好ましい。粘度が5000mPa・sを超えてしまうと、バインダーとして水分散樹脂を加えて塗工液としても粘度を下げることは困難となる。
後工程でシート基材に塗工する際、CNTの脱落防止のためバインダーとして水分散樹脂を使用する。具体的にはアクリル系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリウレタン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン・酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン等の水系エマルジョンが挙げられる。尚、本発明においては架橋剤を使用する場合も、架橋剤込みの固形分で水分散樹脂に含まれる。添加量としては、CNT100質量部に対して固形分で20〜70質量部が好ましい。20質量部より少ないとバインダー効果が不十分となり、70質量部より多いとシート基材に塗工した後のシートの難燃性を保ちにくくなる。CNT水分散液に上記水分散樹脂を加え、撹拌機等で撹拌することにより、塗工液ができる。用途によっては、他の助剤を加えても構わない。
このようにして得られた塗工液を塗工するシート基材については、「より軽く、薄い」ものが望まれている用途では、フィルムベース、紙ベースのシート基材が好ましい。電磁波抑制シートや発熱シート等への用途展開の場合は、難燃性のシート基材が好ましい。難燃性のシート基材としては難燃フィルム、難燃紙等が挙げられる。難燃性の規格としてはUL94燃焼試験が挙げられる。
難燃フィルムには可燃フィルム中に難燃剤等を内添したものや、可燃フィルム両面に難燃性物質をコートしたもの、及びポリイミドフィルムのようにそれ自体が難燃性を付与しているもの等が挙げられる。場合によりコロナ処理をして使用する。難燃フィルムとしてはUL94規格の垂直燃焼試験法で評価した場合、VTM−0基準を満足するものが好ましい。難燃フィルムの厚さとしては薄いものが要求される用途では塗工液を塗工した複合シートで300μm以下となるものが好ましい。また、塗工液を塗工した複合シートでVTM−0基準を満足するものが好ましい。難燃フィルムを薄くしすぎると複合シートの難燃性には不利となる。
難燃紙としてはUL94規格の垂直燃焼試験法での評価でV−0基準を満足するものが好ましい。更には、無機填料等の脱落防止の点では樹脂を含浸した含浸紙が好ましい。
例えば無機繊維紙であるKJ特殊紙の商品名コーセランに樹脂含浸加工を施して含浸紙としてもよい。
以下に難燃紙の作製方法について例示として説明していく。本発明で検討した難燃紙はV−0基準を満足する難燃紙である。本発明で検討したV−0基準を満足する難燃紙は無機填料を含有する原紙に樹脂等の含浸加工を施した含浸紙である。詳しくは、無機填料が15〜60質量%内添されたセルロース繊維を主体繊維とする湿潤引張強さ(以下、湿潤強度と記載する)が0.40kN/m以上の原紙に、水分散樹脂、難燃剤及びサイズ剤が配合され、難燃剤配合量が固形分で70〜90質量%、サイズ剤の配合量が固形分で0.05〜1質量%、残余が水分散樹脂の固形分配合量である含浸液を含浸率20〜50質量%含浸されてなる含浸紙である。
原紙は、セルロース繊維をベースにしたものである。原紙に使用する原材料について順次説明していく。用いられるセルロース繊維は、各種木材パルプ(機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパルプ)や非木材繊維が使用できる。NBKP、LBKPはシート強度が高く出るため好ましい。更には、ECFパルプやTCFパルプの使用は特に好ましい。又、無機繊維、合成繊維や半合成繊維を併用しても良いが、湿潤強度の点ではセルロース繊維のみの方が好ましい。上記のセルロース繊維は、湿潤強度等の物性を考慮して、任意の配合で用いることができる。これらのセルロース繊維は、固形分濃度3〜5質量%になるようにパルパーで離解する。このパルプスラリーをリファイナーやビーターを用いてカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)で650〜300mlに叩解する。
本発明の原紙には湿潤強度を向上させるために湿潤紙力剤を配合している。
湿潤紙力剤としては、メラミンホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド系、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤(以下、PAEと記載する)を内添すればよい。しかし、近年、メラミンホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド系湿潤紙力剤については、遊離ホルムアルデヒドが発生し、作業環境の悪化を招くことから、PAEへの切り替えが進んでいる。又、PAEは、広範囲なpH領域で効果を発現できる等、機能的な面でも優れており、中性紙の生産が主である現状では、PAEが好ましい。中でも、低有機ハロゲンタイプが更に好ましい。ハロゲン量規制が厳しい場合は、ポリビニルアミン系の薬品を使用しても良い。添加量としては、必要な湿潤強度が発現する量をスラリーに添加すれば良いが、あまり添加量を多くすると無機填料が分散して無機填料歩留が低下する等、安定抄造に支障をきたす場合がある。又、地合を崩さない程度にアニオン性、ノニオン性の紙力剤を併用しても良い。本願の十分な湿潤強度とは、後処理工程において、樹脂含浸等に支障のない湿潤強度をいう。実施例に記載した方法により測定した場合、0.40kN/m以上である。湿潤強度が0.40kN/mより小さいと、水系の樹脂や難燃剤等を含浸する工程にて、断紙する確率が高くなってしまう。
無機填料としては、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、酸化鉄、カオリンクレー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。無機填料を内添することによって、後加工である樹脂含浸性を阻害せず難燃性を向上させることができる。無機填料の添加量は、湿式抄紙後の原紙中の無機填料の割合が、15〜60質量%となるように添加されることが好ましい。原紙中の無機填料が15質量%より少なくなると、難燃剤の添加のみでは、UL94V−0の難燃レベルが満たされない。60質量%より多くなると、填料が多すぎて湿潤強度の維持が困難となったり、安定抄造に支障をきたしたりする。
凝結剤としては、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミ等の無機凝結剤や有機凝結剤を用いる。これらの薬品は、セルロース繊維(含微細繊維)、無機填料、その他の薬品を電荷中和し、それらを凝結させて、シート中に留め、ワイヤーやロール等の汚れを防止する効果がある。
pH調整剤については、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等が用いられる。
上記、セルロース繊維の叩解液、無機填料、湿潤紙力剤、凝結剤、pH調整剤を混合したスラリーは、固形分0.02〜2.0質量%程度に希釈された後、湿式抄紙法により製造される。このとき、更に凝集剤を用いることもできる。凝集剤は、スラリーを0.02〜2.0質量%程度に希釈された後に添加することが好ましい。凝集剤としては、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン類等が挙げられる。
原紙の米坪としては、30g/m以上が好ましい。30g/mより低くなると無機填料を担持し難くなり、湿潤強度も得にくくなる。また、米坪が200g/mを超えると紙の地合は取りにくくなる。地合の点では原紙としては200g/m以下が好ましい。無機填料の含有率が15〜60質量%の原紙は、樹脂含浸するための空隙も十分保持されている。また、湿潤強度が0.40kN/m以上保持されているため実機で含浸する際の紙切れのトラブルを回避し易い。
次に、このようにして得られた原紙に難燃性、脱落異物対策を施すための含浸工程に入る。バインダーとして水分散樹脂を使用する。具体的にはアクリル系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリウレタン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン・酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン等の水系エマルジョンが挙げられる。
難燃剤としては、水溶性難燃剤を主に使用する。具体的には、スルファミン酸グアジニン及び誘導体、スルファミン酸金属塩、リン酸グアジニン及び縮合体、リン酸グアニル尿素、ホウ素化合物等が挙げられる。又、含浸後の湿潤強度を妨げない程度にポリリン酸アンモニウムやポリリン酸メラミン等の不溶性難燃剤を、水溶性難燃剤と併用しても良い。
サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン系、合成高分子系等が挙げられる。サイズ剤の使用目的は耐水性付与にあり、次の塗工工程での塗工適性を考慮してのことである。
上記、水分散樹脂、難燃剤、サイズ剤を混合し、含浸液を調合する。この際、含浸液中の難燃剤の割合を固形分で70〜90質量%にすることが好ましい。70質量%より低くなると難燃性が不足してくる。又、90質量%より多くなると、含浸後の含浸紙の吸湿性が高くなる。また、サイズ剤の割合は固形分で0.05〜1質量%が好ましく、残余が水分散樹脂の固形分配合量になる。サイズ剤の割合を1質量部より多くしてもサイズ効果は頭打ちになる。この含浸液を含浸機にて原紙に好ましくは含浸率20〜50質量%になるように含浸させる。含浸率とは含浸紙中の含浸量である。含浸率が少ないと含浸紙の難燃性及び脱落異物対策が不十分となり、多くなると含浸紙の吸湿性が高くなったり、乾燥時に割れやすくなる。得られた含浸紙は、更にカレンダー処理しても良い。このようにして得られた含浸紙はUL94規格の垂直燃焼試験法で評価した場合、V−0基準を満たす難燃紙である。難燃紙の米坪は薄いものが要求される用途では200g/m以下が好ましい。
次に、難燃紙等のシート基材にCNT水分散液に水分散樹脂を混合して調整した塗工液を塗工する工程について説明する。塗工量としては、CNTが5.0g/m以上塗工されることが好ましい。それ未満では、電磁波抑制能や発熱能が十分発現しない。CNTをシート基材に5.0g/m以上塗工させるためには、CNT分散液濃度を5.5質量%以上とすることが好ましい。CNT分散液の濃度を十分に上げられない場合、必要量のCNTをシート基材に塗工することが難しくなる。対応策としては(1)複数回塗工する(2)塗工スピードを下げる(3)塗工液の塗工量を増やす等が考えられるが、(1)、(2)においては生産性を著しく損ねてしまう。又、(3)については塗工層の水分量が多くなるため、乾燥に負荷がかかってしまう。これらのことより、CNT分散液濃度は5.5質量%以上とすることが好ましい。
表面からの脱落異物防止のために、難燃性を妨げない範囲でCNT塗膜面に更にトップコート層を設けてもよい。トップコートに使用する樹脂としては、具体的にはアクリル系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリウレタン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン・酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン等の水系エマルジョンが挙げられる。トップコートの塗工量としては固形分で0.5g/m以上であり、難燃性との兼ね合いになるため7g/mまでが好ましい。
塗工にはワイヤーバーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、リバースロールコーター、ダイコーター等を用いることが出来る。
このようにしてシート基材にCNTを5.0g/m以上塗工されて得られた複合シートは薄くて、軽くて、難燃性のシート基材に塗工すれば難燃性も保持されており、十分な電磁波吸収能がある。ここで言う十分な電磁波吸収能とは、KEC法で測定したときの0.5MHz〜1000MHzでの電界シールド性が15dB以上であり、且つ、マイクロストリップライン法に基づいた2GHz〜18GHzでの伝送減衰率(Rtp)が15dB以上であることを同時に満たすことである。電界シールド性については、その性質上、広周波数帯域での適用が好ましい。10dBよりも小さいと電界シールド性があるとは言い難くなる。又、マイクロストリップライン法に基づいた伝送減衰率(Rtp)については、一般的には6dB以上あれば、ノイズ吸収能があると言われている。近年では特に高GHz帯域周波数での要望が強くなっている。よって、広範囲に高GHz帯域でノイズ抑制能があることが好ましい。
又、同シートに電極を設置して電圧を印加することにより、短時間で表面温度が十分に上昇可能な発熱シートとしても機能する。ここでいう、「短時間」とは5分間であり、「十分に上昇」というのは、電極間100mmで印加電圧DC12Vをかけた際に25℃以上上昇することを意味する。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、本発明の実施例における物性は以下の方法で評価した。
(1)湿潤強度(湿潤引張強さ)
JIS P8135の一般法に準じて、測定を行った。
含浸紙に用いる原紙の湿潤引張強さは0.40kN/m以上が好ましい。
(2)引張強度(引張強さ)
JIS P8113の一般法に準じて、測定を行った。
(3)米坪
JIS P8124の一般法に準じて、測定を行った。
塗工液塗工後のシートの米坪としては、200g/m以下が好ましい。
(4)厚さ
JIS P8118の一般法に準じて、測定を行った。
塗工液塗工後のシートの厚さとしては、0.300mm以下が好ましい。
(5)灰分
JIS P8128の一般法に準じて、測定を行った。含浸紙に用いる原紙の灰分率(無機填料配合率)は15〜60%が好ましい。
(6)難燃性試験
難燃性試験については、UL94規格の垂直燃焼試験法にて実施した。紙はUL94V燃焼試験を、フィルムはUL94VTM燃焼試験を実施した。
以下に示す基準で評価した。
○…V−0、VTM−0相当レベル ×…V−0、VTM−0相当よりも劣るレベル
(7)粘度
ブルックフィールド粘度計を用い、23℃、60rpmで測定した。測定は恒温恒湿室(23℃、50RH%)で行った。5000mPa・s以下が塗工用途に適した粘度として好ましい。
(8)メジアン径
レーザー回折/散乱式粒子径測定装置(MT−3300EX;日機装製またはLA−920;堀場製作所製)で測定した。測定は恒温恒湿室(23℃、50RH%)で行った。メジアン径で0.1〜80μmが好ましく、0.2〜1.0μmが更に好ましい。
(9)CNT塗工量の算出
CNT塗工量(g/m)は以下の式により算出する。
(数1)
CNT塗工量(g/m)=塗工液塗工量(g/m)÷(CNT質量部+分散剤質量部+バインダー質量部)×CNT質量部
電磁波抑制能の評価には、ノイズ抑制能と電磁波(電界)シールド能の二つについて実施した。
(10)伝送減衰率
ノイズ抑制能の評価には、マイクロストリップライン法に基づいた伝送減衰率(Rtp)の測定を実施した(IEC62333−2 4.3)。測定は恒温恒湿室(23℃、50%RH)で行った。ネットワークアナライザー:ベクトルネットワークアナライザー37169A(アンリツ製)、測定器:TF−3B(0.1〜3GHz;キーコム製)、TF−18C(3〜18GHz;キーコム製)。結果はdBで表示し、dBの高い方が性能が良い。本発明ではマイクロストリップライン法に基づいた2〜18GHzでの伝送減衰率(Rtp)が15dB以上のものを可とした。
(11)電磁波(電界)シールド性
電磁波(電界)シールド性の評価には、KEC法を用いた。KEC法とは、一般社団法人関西電子工業振興センターによる電磁波シールド性の測定方法であり、上下又は左右対称に分割したシールドボックスに試験片を挟み込んで、スペクトルラムアナライザーにて電磁波の減衰度として電磁波シールド性を測定するものである。ネットワークアナライザー;ベクトルネットワークアナライザー37269B(アンリツ製)、測定評価冶具;電界シールド測定用。測定は恒温恒湿室(23℃、50RH%)で行った。結果はdBで表示し、dBの高い方が性能が良い。本発明ではKEC法で測定したときの0.5〜1000MHzでの電界シールド性が15dB以上のものを可とした。
(12)発熱性試験
測定サンプルを長さ120mm、幅100mmの大きさにした。このサンプルに長さ方向の間隔が100mmとなるように、導電性ペースト(ペルトロンK-3110;ペルノックス製)を幅2mm、厚さ0.1mmでCNT塗膜面に塗布し、120℃で10分間硬化させて電極を設けた。この電極に直流安定化電源(521C;Metronix社製)を接続し、DC12Vの電圧を印加し、5分後の表面温度を放射温度計(IR−308:カスタム社製)で測定した。尚、測定サンプルは、発泡スチロール上に置き、恒温恒湿室(23℃,50%RH)で測定を行った。
結果は、電圧を印加する前の測定サンプルの表面温度から印加5分後での表面温度がどの程度上昇したかで評価した。評価基準を以下に示す。
30℃以上上昇…◎
25℃以上30℃未満上昇…○
25℃未満…×
先ず、本発明の実施例で使用した難燃紙を得るために検討した作製例について説明していく。
作製例では原紙を抄造後、含浸加工している。含浸加工で使用した含浸液は何れも次の含浸液配合を用いた。また、無機繊維紙の含浸加工にもこの含浸液配合を用いた。
(含浸液の調整)
固形分でリン酸グアジニン系難燃剤(商品名フランPTW;大和化学工業製)100質量部に対して、アクリル樹脂(商品名ボンコートSFC−571;DIC製)20質量部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名AS−263;星光PMC製)0.4質量部を加えて、固形分濃度が42%となるように水希釈して含浸液を調整した。
(作製例1)
LBKPを単独配合したパルプに、二酸化チタン、PAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪60.9g/m、無機填料率(以下、灰分)20%、湿潤強度0.46kN/mの原紙を得た。この原紙に、調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙は難燃性がV−0基準相当の難燃紙であった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例2)
LBKPを80質量%、NBKPを20質量%配合したパルプに二酸化チタン、PAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪79.8g/m、灰分35%、湿潤強度0.49kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙は難燃性がV−0基準相当の難燃紙であった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例3)
LBKPを単独配合したパルプに酸化鉄、ケイ酸マグネシウム、PAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪79.8g/m、灰分15%、湿潤強度0.53kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙は難燃性がV−0基準相当の難燃紙であった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例4)
LBKPを80質量%、NBKPを20質量%配合したパルプに二酸化チタン、PAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪120.8g/m、灰分57%、湿潤強度0.58kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙は難燃性がV−0基準相当の難燃紙であった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例5)
LBKPを単独配合したパルプにPAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪30.7g/m、湿潤強度0.40kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙の難燃性はV−0基準には至らなかった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例6)
LBKP10質量%、NBKP90質量%に配合したパルプにPAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪38.7g/m、湿潤強度0.49kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙の難燃性はV−0基準には至らなかった。
得られたシート物性を表1に示す。
(作製例7)
LBKPを80質量%、NBKPを20質量%配合したパルプに二酸化チタン、PAE系湿潤紙力剤、カチオン性凝結剤、アルミン酸ナトリウムを加えてスラリーを調整した。このスラリーを長網抄造して、米坪78.9g/m、灰分33%、湿潤強度0.46kN/mの原紙を得た。この原紙に調整した含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥し、含浸紙を得た。この含浸紙は難燃性がV−0基準相当の難燃紙であった。
得られたシート物性を表1に示す。
Figure 0005390001
表1に示したように作製例5、作製例6で使用した原紙は無機填料を含有していない。無機填料を含有していない繊維分がセルロース繊維からなる原紙に難燃剤、エマルジョン樹脂、サイズ剤を含む含浸液を含浸してもV−0基準には至らないことが明らかである。
次に、実施例、比較例では難燃紙等のシート基材に塗工液を塗工していくが、各実施例、比較例でのCNT分散液の調整、塗工液の調整は次のようにして行った。各実施例、比較例でのCNT分散液の内容については表2−1〜2−4に記載している。尚、水溶性キシランは江崎グリコのものを、キサンタンガムは三菱商事フードテックの商品名XGTを用いている。また、質量部は固形分での質量部である。
(CNT分散液及び塗工液の調整)
水にCNT100質量部に対して、固形分で20〜90質量部の分散剤を添加して、攪拌機で1〜2分撹拌した。この水溶液にCNTを添加し、超音波ホモジナイザー(US−600fcat;日本精機製、振幅40μm)で分散処理した。分散処理の目安は、CNTの粒径がレーザー回折/散乱式粒粒子径測定装置(MT―3300EX;日機装製またはLA−920;堀場製作所製)を使用して測定した際、メジアン径で0.10〜80μmとなり、且つ、ブルックフィールド粘度計を用いて、23℃,60rpmで測定した場合の粘度が塗工適性粘度の5000mPa・s以下までとした。このCNT水分散液に水分散樹脂としてアクリル樹脂(商品名ボンロンS416−BF;三井化学製)をCNT100質量部に対し固形分で30質量部加えて、マグネティックスターラーで攪拌したものを塗工液とした。
尚、実施例、比較例では同一番手のワイヤーバーにて塗工を行っている。塗工液の塗工は何れも1回である。
実施例1〜5は難燃紙の構成に関する。
(実施例1)
作製例1で得られる難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.2g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−1に、シート物性を表3−1に示した。
(実施例2)
作製例2で得られる難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.2g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−1に、シート物性を表3−1に示した。
(実施例3)
作製例3で得られる難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.4g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−1に、シート物性を表3−1に示した。
(実施例4)
作製例4で得られる難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.7g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−1に、シート物性を表3−1に示した。
(実施例5)
実施例2と同様に作製例2で得られる難燃紙を用いた。調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が5.5g/m2であるシートを得た。
CNT分散液組成を表2−1に、シート物性を表3−1に示した。
実施例6〜19、比較例1〜4は分散剤の種類に関する。
(実施例6)
作製例7で得られる難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が8.3g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例7)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が5.8g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例8)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.5g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例9)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.5g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例10)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.9g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例11)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.8g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例12)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.7g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例13)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.6g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例14)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.2g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例15)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.2g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−2、シート物性を表3−2に示した。
(実施例16)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.0g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。
(実施例17)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.1g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。
(実施例18)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.5g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。
(実施例19)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.8g/m2のシートを得た。
(比較例1)
分散剤としてFINNFIX-10000P(カルボキシメチルセルロース)を単独使用してCNT分散液の調整を行っていたが、CNT濃度が5%になった際のCNT分散液の粘度上昇が認められたため、ここまでで中止した。
CNT分散液組成を表2−3に示した。
(比較例2)
実施例1と同じく作製例1で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が3.2g/m2のシートを得た。
分散剤は水溶性キシラン(江崎グリコ製)単独であるが、CNT濃度を3.5%よりも高くすると、液粘度が適性粘度より上がってしまった。CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。2GHzでの伝送減衰率が不十分であった。
(比較例3)
CNTの分散剤として、カルボキシメチル化グアーガム(メイプロイド870;三晶製)を使用した以外は、比較例2と同様な方法でCNT塗工量が3.0g/m2のシートを得た。
CNT水分散液のCNT濃度を3.0%よりも高くすると、液粘度が適性粘度より上がってしまった。CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。2GHzでの伝送減衰率が不十分であった。
(比較例4)
CNTの分散剤として、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(デモールMS;花王製)を使用した以外は、比較例2と同様な方法でCNT塗工量が3.0g/m2のシートを得た。
CNT水分散液の調整を行ったが、CNT濃度を3.0%よりも高くすると、ブロッキング(未分散CNTによる機器の詰まり)が多発し、これ以上の分散が困難であった。CNT分散液組成を表2−3、シート物性を表3−3に示した。2GHzでの伝送減衰率が不十分であった。
実施例20〜24は、CNT種類、シート基材種類、後加工等に関する。
(実施例20)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が5.6g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−4シ−ト物性を表3−4に示した。
(実施例21)
実施例6と同じく作製例7で得られる難燃紙を用いた。この難燃紙に、調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が6.3g/m2のシートを得た。更にこのシートの上に、アクリル樹脂エマルジョン(商品名アルテマックスE−218;三井化学製)をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させて、トップコートした。トップコートの塗工量は1.5g/m2であった。
CNT分散液組成を表2−4、シ−ト物性を表3−4に示した。
(実施例22)
実施例21で得られたシートにカレンダー処理を行った。熱カレンダー処理は表面の平滑性を出すだけでなく、厚さを抑える効果や、脱落異物を更に軽減させる効果が期待できる。
CNT分散液組成を表2−4、シ−ト物性を表3−4に示した。
(実施例23)
シート基材として、難燃フィルム(商品名ルミラーZV10#40;東レ製)を使用した。ルミラーZV10#40は難燃性がUL規格においてUL94VTM−0の45μmの難燃フィルムである。この難燃フィルムに調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が5.7g/m2のシートを得た。
CNT分散液組成を表2−4、シ−ト物性を表3−4に示した。
(実施例24)
シート基材として、無機繊維紙(商品名コーセラン;KJ特殊紙製)に作製例の含浸液を含浸したものを使用した。米坪120g/mのコーセランに含浸液を含浸機で手含浸にて含浸し、140℃のシリンダードライヤーで5分間乾燥させた。更にこのシート基材に調整した塗工液をワイヤーバーにて塗工し、乾燥機(120℃,5分間)で乾燥させ、CNT塗工量が7.3g/mのシートを得た。ここで、コーセランに含浸液を含浸させたのは、塗工のためにサイズ性を持たせることと、コーセランに漉き込まれているセラミック粉の脱落を抑えることが主である。
CNT分散液組成を表2−4、シ−ト物性を表3−4に示した。
Figure 0005390001
Figure 0005390001
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Figure 0005390001
また、実施例1、比較例2、比較例3、比較例4で用いたCNT水分散液配合については水分散液の安定性評価を下記の方法で行っている。その結果は、実施例1は○、比較例2は○、比較例3は×、比較例4は△であった。
(CNT水分散液の安定性評価方法)
調整済のCNT水分散液300gを500mlポリ容器に入れて、蓋をし、恒温恒湿条件(23℃、50RH%)にて、72時間静置後、下に示す基準で評価した。
流動性を保っているもの…○
攪拌すると流動性を取り戻すもの…△
ゲル化してしまい流動性のないもの…×
比較例1〜4より単独の分散剤では塗工に適した粘度である5000mPa・s以下でCNT濃度5.5質量%以上のCNT水分散液を得ることができないことが明らかである。
本発明の分散剤の組み合わせでは、実施例19ではCNT水分散液濃度7.0質量%で粘度が120mPa・sのものも得られている。
本発明のCNT濃度5.5質量%以上のCNT水分散液にバインダーとして水分散樹脂を混合してなる塗工液をシート基材に塗工すると、1回の塗工でCNTとして5.0g/m以上塗工されていることも明らかである。
比較例2〜4では5000mPa・s以下の適性粘度ではCNT濃度が5.5質量%未満のCNT水分散液しか得られないため、水分散樹脂と混合して塗工液としても、1回の塗工でCNTとして5.0g/mまでは塗工できていない。
本発明によるCNT水分散液は、高濃度で且つ低粘度であるため、塗工に適しており、水分散樹脂と混合してなる塗工液として、様々なシート基材に導電性を付与することができる。例えば、電磁波抑制シートとして使用した場合は特に2GHz〜18GHzで電磁波吸収性能が十分あり、かつ軽量であるのでコンピューター、携帯電話、自動車、医療機器等の通信機器や電子機器に適用できる。更には、10MHz〜1000MHzでのシールド性も兼ね備えていることから、シールドルーム部材やRFID等にも適用できる。又、発熱性も付与していることから、床暖房等各種ヒーターへの利用可能性がある。

Claims (6)

  1. カーボンナノチューブを下記の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)を満足する条件で分散させて得られるカーボンナノチューブ濃度が5.5質量%以上で且つブルックフィールド粘度計を用いて23℃、60rpmで測定した粘度が100〜5000mPa・sのカーボンナノチューブ水分散液。
    (イ)メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、アルキレンマレイン酸共重合体塩からなるアニオン性界面活性剤のA群と、水溶性キシラン、キサンタンガム類、グアーガム類、ジェランガム類、カルボキシメチルセルロースからなる多糖類のB群とからそれぞれ一種以上を分散剤として用い
    (ロ)A群とB群の固形分比率をA:B=1:0.25〜4の範囲とし、
    (ハ)A群とB群の固形分総量をカーボンナノチューブ100質量部に対して20〜90質量部とし、
    (ニ)分散剤を含む水溶液にカーボンナノチューブを分散させる。
  2. 請求項のカーボンナノチューブ水分散液にバインダーとして水分散樹脂をカーボンナノチューブ100質量部に対して固形分で20〜70質量部混合して得られる塗工液をシート基材の少なくとも片面に塗工して、1回の塗工でカーボンナノチューブを5g/m 以上含有する塗膜が形成されてなることを特徴とする複合シート
  3. 請求項2の複合シートであって、KEC法で測定したときの0.5〜1000MHzでの電界シールド性が15dB以上であり、且つ、マイクロストリップライン法に基づいた2〜18GHzでの伝送減衰率(Rtp)が15dB以上であることを特徴とする電磁波抑制シート。
  4. 請求項2の複合シートであって、発熱性試験として電極間が100mmでDC12Vを印加した際の5分後の温度上昇が25℃以上であることを特徴とする面状発熱シート。
  5. 複合シートのシート基材が難燃フィルムまたは難燃紙である請求項のいずれかに記載のシート。
  6. 難燃紙が、無機填料が15〜60質量%内添されたセルロース繊維を主体繊維とする湿潤引張強さが0.40kN/m以上の原紙に、水分散樹脂、難燃剤及びサイズ剤が配合され、難燃剤配合量が固形分で70〜90質量%、サイズ剤の配合量が固形分で0.05〜1質量%、残余が水分散樹脂の固形分配合量である含浸液を含浸率20〜50質量%含浸されてなる含浸紙であることを特徴とする請求項記載のシート。
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