JP2005035810A - 0次元又は1次元炭素構造体の分散液 - Google Patents

0次元又は1次元炭素構造体の分散液 Download PDF

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英之 久
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Tetsuharu Kadowaki
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Abstract

【課題】高濃度で安定に微分散した0次元・1次元炭素構造体分散液を得る。
【解決手段】水性媒体又は非水性媒体中に0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体が分散されていることを特徴とする炭素構造体分散液。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラーレンなどの0次元炭素構造体あるいはカーボンナノチューブ・カーボンナノコイルなどの1次元炭素構造体が水その他の分散媒体中に分散された分散液及びその製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素はダイヤモンドやグラファイトなど様々な構造になる。近年、フラーレンやカーボンナノチューブをはじめとする数多くの新規なナノスケール炭素構造体が発見され、それぞれが特異な構造や優れた性質を示すことが明らかになりつつある(非特許文献1、非特許文献2等)。
【0003】
ナノスケール炭素構造体はさまざまな形態や構造を有するが、いずれもグラファイトの構造を基本としている。これら炭素構造体の分類には様々なものがあるが、一つの分類法としてこれらの形状を、0次元(点として表しうる、すなわち概略球状の粒子)、1次元(線として表しうる、針状、棒状等の粒子)、2次元(平面状として表しうる)、3次元(さらに奥行きを有する)に分類することができる。
【0004】
より具体的には、0次元の形態を有する炭素構造体としてほぼ球状粒子と見なすことのできるフラーレン(C60、C70、C82、C90、C100など)、1次元の形態を有する針状、棒状の粒子としてカーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー、カーボンナノホーン、カーボンナノシート、カーボンナノベルト等、2次元(平面状)の構造を有すると見なすことのできるものとしてグラファイト、3次元の構造を有すると見なすことのできるカーボンブラックなどが知られている。また、これらの局所的変形構造体や中空部にイオン種を導入したもの、炭素原子の一部を他の原子に置換したものや官能基を結合させたもの等の誘導体も提案されている(非特許文献1等)。
【0005】
これら炭素構造体のうち、2次元構造体であるグラファイトは6員環の蜂の巣構造の平面状原子配列をとっているが、この蜂の巣構造を形成する6員環からなるシート内部に5員環や7員環が入るとシートは平面から凸型や凹型のある立体構造になる。この立体の炭素分子群が0次元構造体であるフラーレンであり、サッカーボール表面の5角形と6角形の網目の交点位置に炭素原子を配列するとC60分子になる。5員環、6員環、7員環の配列順序を変えると、異なるナノ構造をもつ多数のフラーレン(C70、C82、C90、C100など)になる。
【0006】
フラーレンは次のような特徴を持っているとされている。(1)生体機能に大きな影響を与えず、生体とよく調和する、(2)ナノ領域の空間を多数持っており、水素等の吸着を取りこむ、(3)原子構造の違いにより半導体や金属になる(非特許文献2)。
【0007】
またグラファイトシートを丸めて、ナノメートルの直径をもつ筒をつくると蜂の巣構造だけでカーボンの立体構造をつくることができ、この筒が1次元構造体であるカーボンナノチューブである。カーボンナノチューブには単層構造のものと多層構造のものがある。ナノチューブは強い化学結合だけで立体構造をつくるため、機械的強度が強い。カーボンナノチューブはその筒の巻き方によって半導体から金属へと変化する。チューブの軸方向と最小波長の電子波の特定方向が重なると金属となり、ずれると半導体となる。この性質を利用してナノメートルの大きさのトランジスタも作られている。またナノ構造の物質系は、高電界が印加しやすく、トンネル効果が起きやすい性質があり、理想に近いビーム源の特徴(微小源、高輝度、高干渉性)を備えているため、高性能電子顕微鏡や電子ホログラフイに利用されている。最近、室温動作で消費電力であることや、超微細化が容易なことなどの利点に注目され、真空マイクロエレクトロニクス分野で急速に使用され始めている(非特許文献2)。
【0008】
これらフラーレンやカーボンナノチューブは、リチウムイオン電池、次世代ディスプレー、燃料電池触媒、ガス貯蔵、耐磨耗材料、がん治療用光増感剤、エレクトロニクス、エネルギー、医療、複合材料等々、その他触媒などの用途で注目されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようにフラーレンやカーボンナノチューブなどの0次元又は1次元炭素構造体には様々な用途が提案されているが、未だ実験室レベルでの研究が主であり、実用化を進めていく必要がある。その上で非常に重要な技術として、これら0次元又は1次元炭素構造体を、均一に微粒子化することがある。なぜなら、微粒子化することによって初めて、これらの材料が理論上発揮しうる特性を十分に引き出すことができる、つまり以上述べた物性は、あくまで一次粒子として発揮しうるものだからである。したがってフラーレンやカーボンナノチューブなどの0次元、1次元炭素構造体がその固有特性を発揮するにはできるだけ1次粒子あるいは1次構造体に近い状態にまで分散、分離する必要がある。またそうすることによってこれらの材料の表面積を大きくし活性・機能を引き出すことができると考えられる。例えば量産メーカーにとって最も魅力的なニーズとして樹脂や鉄、アルミなどに混ぜて使う複合材料の市場があるが、これら樹脂、金属等に対してもできる限り均一に分散させることが望ましいと考えられる。また粉状で扱うとすると人体への影響の観点から問題となる物質もある。飛散を防止し安全に取り扱うためにも液媒体への分散が重要になる。したがって工業的活用においては1次構造体までいかに分散させるか、更にその分散体をいかに安定的に保つかが重要な技術となってくる。
【0010】
しかし、フラーレンやカーボンナノチューブなどの0次元1次元炭素構造体を分散するのは難しい技術である。均一に混ぜることも、微粒子化することも難しい。
【0011】
例えば、フラーレンは小さいものでも2〜3μmの凝集体として存在しており、ナノチューブも1本1本がくっつきやすい性質があるため数十μmから数百μm以上の大きさで絡まった状態にある(分散前のフラーレンの15,000倍のSEM写真を図1に示す)。これをそのまま液や樹脂にまぜても、毛玉ができるだけである。均一に微粒子化分散する技術が必要なのだがそれがまだ見つかっていなかった。
【0012】
一般にフラーレンやカーボンナノチューブは、極性が低いため、分散を行っても凝集し、安定した分散状態を得ることが難しい。さらに水への分散系では、疎水性が強い為、安定した分散状態を得ることが溶剤系よりもさらに難しい。
【0013】
このようなフラーレンに対して色々な方法で水分散液を得る方法が考案されている。特許文献1などのようにフラーレンを溶解する事の出来る水に可溶な溶媒にフラーレンを溶解し、水と混合後溶媒を除去して水分散液を得る方法、フラーレンをベンゼンやトルエンなどの溶剤に溶解後水に加えて分散後溶剤を留去指せる方法などが、知られている。しかしながらこの方法では、溶媒へのフラーレン溶解濃度には、限界があり高濃度のフラーレン水分散液を得る事が出来ない。また溶媒を留去するなど安全性にも問題がある。
【0014】
また、特許文献2にフラーレンを水中にて激しく撹拌して分散する方法があるが、これは、フラーレンを含む超微粒炭素組成物の分散であってフラーレン濃度の高い物の結果ではない。
【0015】
カーボンナノチューブについても特許文献3でビヒクル中への分散について述べられているが、十分な分散は行われていない。
以上のようにフラーレンやカーボンナノチューブなどの0次元1次元炭素構造体を簡便に水及び溶剤中に高濃度に分散出来る方法は、今の所開発出来ていない。
本発明の目的は、フラーレンやカーボンナノチューブなどの0次元1次元炭素構造体の高濃度の水および溶剤分散品を提供する事である。
【0016】
【非特許文献1】川合知二「図解ナノテクノロジーのすべて」工業調査会
【非特許文献2】大泊巌「トコトンやさしいナノテクノロジーの本」日刊工業新聞社
【非特許文献3】武末高裕「日本発ナノカーボン革命」日本実業出版社
【特許文献1】特開2001−348214公報
【特許文献2】特開平10−45408号公報
【特許文献3】特開平2000−63726号公報
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、0次元炭素構造体および1次元炭素構造体を水またはその他の溶剤中に微粒子状で安定に分散させるべく検討を重ね、本発明を完成させた。すなわち本発明は、
(1)水性媒体又は非水性媒体中に0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体が分散されていることを特徴とする炭素構造体分散液、
(2)炭素構造体の平均粒子径が0.5μm以下である上記(1)記載の炭素構造体分散液、
(3)炭素構造体の平均粒子径が0.2μm以下である上記(1)記載の炭素構造体分散液、
(4)炭素構造体の含有量が0.1重量%〜50重量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
(5)炭素構造体の含有量が5重量%〜30重量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
【0018】
(6)親水基と疎水基とを持つポリマー系分散剤を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
(7)親水基と疎水基とを持つポリマー系分散剤が、更にカチオン性のアミン官能基を有することを特徴とする上記(6)記載の炭素構造体分散液、
(8)ポリマー系分散剤が、有機アミン塩及び/又は無機塩により中和されて水溶化・ディスパージョン化されたものである上記(6)又は(7)記載の炭素構造体分散液、
(9)分散時にメディアとして使用するビーズが2mm以下である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
(10)分散時にメディアとして使用するビーズが0.2mm以下である上記(9)記載の炭素構造体分散液、
(11)炭素構造体がフラーレンである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
(12)炭素構造体がカーボンナノチューブである上記(1)〜(10)記のいずれかに記載の炭素構造体分散液、
に存する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、0次元炭素構造体あるいは1次元炭素構造体を使用する。これら0次元炭素構造体及び1次元炭素構造体は、前述したように、0次元炭素構造体とは点として表しうる、すなわち概略球状の粒子であり、フラーレン(C60、C70、C82、C90、C100など)が挙げられる。1次元炭素構造体とは線として表しうる、針状、棒状等の粒子の形態を有するものであり、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー、カーボンナノホーン、カーボンナノシート、カーボンナノベルト等が挙げられる。これらの合成方法はレーザー照射法、ガス中蒸発法、スパッタリング法、アーク放電法などの物理的方法や、化学気相成長(CVD)法などの化学的方法などが知られており、いずれによるものにも限定されない。
【0020】
本発明に用いられる0次元炭素構造体および1次元炭素構造体としては、上記方法で自ら合成を行ったもの、MTR社のフラーレンC60、C70、C76、C78、C84、 C60/C70混合物、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、フロンティアカーボン社製の「フラーレンC60」、「フラーレンC70」(以上商品名)、「Mixフラーレン」(商品名。C60とC70とを合計で85wt%含む炭素材料の混合物)などがある。フラーレンケージ(かご)の内部に金属イオンが取り込まれたものであるメタロフラーレン、ケージの外側に金属種の層がある金属被覆フラーレンも存在する。本発明では、これら公知のフラーレンを特に限定せず用いることができる。フラーレンには、水添等の化学修飾をする試みも行われているが(非特許文献1等)、本発明では、このような修飾をしていない、非修飾のものであっても、安定に分散できるという点で、簡便且つ非常に応用範囲の広い技術である。カーボンナノチューブ等の1次元炭素構造体も、修飾、非修飾を問わず用いることができる。
【0021】
またこれら0次元炭素構造体、1次元炭素構造体は1種あるいは2種以上を混合して用いてもよい。フラーレンとして例えばC70とC60との混合物等、複数種類のフラーレンの混合物を用いることも勿論差し支えない。0次元炭素構造体と1次元炭素構造体から用途に応じて適宜選択すればよい。
なお合成時のフラーレンは、グラファイト等、フラーレン以外の炭素材料との混合物として得られる。カーボンナノチューブ等の1次元炭素構造体も、合成時には他の炭素質材料も混合した形で得られるのが一般である。本発明では、このように0次元炭素構造体や1次元炭素構造体以外の炭素材料やその他の粉体材料を含有しているものであっても差し支えない。しかし、0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体を50wt%以上、なかでも70wt%以上、さらには80wt%以上含有する高純度の0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体であっても、後述するように、経時安定性に優れた微分散状態の分散液を得ることができる。
【0022】
本発明ではこれら各種の0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体を水性媒体又は非水性媒体中に微粒子に分散させる。
【0023】
例えば後述する物理的分散手法を用いて分散する場合をはじめ本発明の炭素構造体分散液に最適な分散剤として、親水基と疎水基とを有するポリマー系分散剤が挙げられる。ここでポリマー系分散剤とは、いわゆる高分子分散剤として知られているもののみならず、より分子量の小さな、オリゴマーの範疇にあるものも含む。分子量は概ね1,500以上である。これらポリマーあるいはオリゴマーの範疇にあるものであって、液体中での粉体の分散・安定機能を有するものが該当する。
【0024】
〔水性分散液〕
これらポリマー系分散剤には、親水基を有機アミン塩、無機塩等の塩で中和して水溶化・エマルジョン化を行うことが、水あるいは水溶性溶媒といった水性媒体中に均一に存在させ分散剤として機能させるためには必要であるものと、元々、親水基が導入されており既に水溶性あるいはエマルジョンの状態であるものとがあるが、本発明において水その他の水性媒体を分散媒体とする炭素構造体水性分散液を得る場合でも、これらのうちどちらを使用しても構わない。
【0025】
分散液の際のpHは、中性ないしアルカリ性の方が分散安定性に好都合である。pHがあまり酸性領域だと析出などの問題、高アルカリ領域だと加水分解などの問題が生じることからpHは、6.5以上、好ましくは、7〜10、更に好ましくは、9.5〜7.5の間に調整するのが、望ましい。
【0026】
本発明に用いられる分散剤としては、0次元・1次元炭素構造体をきわめて安定な状態で微分散させる事が出来るという観点から、親水基と疎水基を持つポリマー系分散剤が好ましい。このようなポリマー系分散剤は、親水基を有するモノマーと疎水基を有するモノマーとを共重合させて得ることができる。
【0027】
親水基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基,リン酸基等を有するモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等がある。
【0028】
疎水基を有するモノマーとしては、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルなどがある。
【0029】
これら親水基を有するモノマーと疎水基を有するモノマーを共重合することによって得られる共重合体としては、ランダム,ブロック、グラフト共重合体等のいずれの構造でも良い。好ましい重合体としては、スチレン―スチレンスルホン酸共重合体、スチレン―マレイン酸共重合体、スチレン―メタクリル酸共重合体、スチレン―アクリル酸共重合体、スチレン、αメチルスチレン―アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン―アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル―アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル―メタクリル酸共重合体、スチレン―メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン―アクリル酸アルキルエステル―アクリル酸共重合体、スチレン―メタクリル酸フェニルエステル―メタクリル酸共重合体、スチレン―メタクリル酸シクロヘキシルエステル―メタクリル酸共重合体、(α−メチル)スチレン/マレイン酸共重合体、(α−メチル)スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、(α−メチル)スチレン/(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル/マレイン酸共重合体および/またはこれらの塩等がある。ここで、(α−メチル)スチレンとはα−メチルスチレン及び/又はスチレンのことを指し、(メタ)アクリル酸とはメタクリル酸および/またはアクリル酸のことを指す。
【0030】
さらに、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合させても良い。またフラーレンとの親和性を高め、分散性、安定性をアップさせる為に,カチオン性の官能基を有するモノマー、例えばN,N―ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N―ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N―ジメチルアミノメタクリルアミド、N,N―ジメチルアミノアクリルアミド、N―ビニルピロール,N―ビニルピリジン、N―ビニルピロリドン、N―ビニルイミダゾール等を適宜共重合させることもできる。
【0031】
これらポリマー系分散剤は,親水基のモノマーの酸基を中和して水溶化・エマルジョン化する場合は,有機アミン塩、無機塩等の塩基性物質により中和し、これらの物質との塩の状態として使用する事が好ましい。
【0032】
有機アミンとしては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、モノメタノールアミン,モノエタノールアミン、ジエタノールアミン,トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、トリスアミノ等のアルカノ−ルアミン類、アンモニア等が挙げられ、これらの塩を用いることができる。
【0033】
無機塩としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の塩が挙げられる。これら有機アミン塩及び無機塩は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また好適にはこれら有機アミン塩や無機塩が用いられるが、他の塩基性物質を用いて中和することももちろん構わない。
【0034】
これら樹脂の水溶化・エマルジョン化を行う場合、共重合体の酸価に対して50%以上中和する事が好ましく、特に80%以上中和する事が好ましい。
ポリマー系分散剤の重量平均分子量は、1500〜30000の物が好ましく,更に2000〜20000の物が好ましい。
【0035】
ポリマー系分散剤は、単独もしくは、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。特に、上述したカチオン性アミン官能基を有するポリマー系分散剤と、酸価を有するアクリル系あるいはスチレンアクリル系ポリマー分散剤とを組み合わせることが好ましい。なおアクリル系ポリマー分散剤とはアクリル系樹脂すなわちモノマーとして(メタ)アクリル酸(塩)を主成分とした(共)重合体であって上述したような分散剤としての機能を有するものである。スチレンアクリル系ポリマー分散剤とはスチレンアクリル系樹脂すなわち親水基を有するモノマーとして(メタ)アクリル酸(塩)、疎水基を有するモノマーとしてスチレンを主成分とした共重合体であって、上述したような分散剤としての機能を有するものである。
【0036】
ポリマー系分散剤の0次元・1次元炭素構造体(0次元炭素構造体及び1次元炭素構造体のうち1種以上を含む炭素材料を指す)に対する添加量は、フラーレン100重量部に対して0.1〜200重量部が好ましく、5〜150重量部がより好ましく、10〜130重量部がさらに好ましい。
【0037】
特に0次元・1次元炭素構造体の水性媒体中への分散に関して最適なポリマー系分散剤は、アクリル骨格に親水基、疎水基の他に官能基を有さない非修飾フラーレン等非修飾の0次元・1次元炭素構造体との親和性を高め、分散性、安定性をアップさせる為に、カチオン性の官能基を導入した物が最適であり、より微粒子化が可能である。これはカチオン性の官能基を有するモノマーを共重合させることで得ることができる。ここでカチオン性の官能基とは水性分散液中でイオンに解離しカチオンとなる原子団を有する官能基である。アルキルアミン等のアミンなど、未中和のものであっても、水中で電離するとカチオン性を示すものであれば該当する。例えば、アミン官能基(アルキルアミン塩、アミド結合アミン塩、エステル結合アミン塩など)、第四級アンモニウム塩(アルキルアンモニウム塩、アミド結合アンモニウム塩、エステル結合アンモニウム塩、エーテル結合アンモニウム塩など)、ピリジニウム塩(アルキルピリジニウム塩、アミド結合ピリジニウム塩、エーテル結合ピリジニウム塩、エステル結合ピリジニウム塩など)が挙げられる。カチオン性の官能基中でも特に、アミン官能基を有するものが最適である。すなわち、0次元・1次元炭素構造体を分散するのに特に好適な分散剤として、親水性基と疎水性基とを持ち、更にカチオン性のアミン官能基を有する物が挙げられる。親水基を有機アミン塩、無機塩等の塩基性物質で中和して水溶化・エマルジョン化したポリマー系分散剤でもよい。カチオン性アミン官能基の存在により、0次元・1次元炭素構造体との親和性が高められ、分散性が向上すると考えられる。つまり疎水性である0次元・1次元炭素構造体に対して疎水基、及びカチオン性官能基が吸着して湿潤効果と0次元・1次元炭素構造体の凝集体に対してマイナスの電荷を与え、凝集体を反発させる事が可能になると推測される。
【0038】
上記の条件を満たす分散剤の中で酸基を中和して水溶性化するタイプとしては,ウイルバー・エリス(株)製「EFKA4510」、「EFKA4520」、「EFKA4530」、MUNZING CHEMIE CMBH社製「EDAPLAN470」、「EDAPLAN472」などがある。
【0039】
また中和を必要としないタイプとしては,ウイルバー・エリス(株)製「EFKA4540」、「EFKA4550」、「EFKA4560」、MUNZING CHEMIE CMBH製「EDAPLAN480」、「EDAPLAN482」、BYK―Chemie Gmbh製「BYK−190」、「BYK−191」などがある。
【0040】
これらポリマー系分散剤の他、界面活性剤タイプの分散剤を使用してもよい。この場合、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好適である。しかし、前述したポリマー系分散剤の方が、フラーレンに対しては、より分散効果が優れている。
【0041】
その他のポリマー系分散剤の市販品としては、ジョンソンポリマー社製の「ジョンクリル67」、「678」、「680」、「682」、「690」及び/又はその塩、「ジョンクリル52」、「57」、「60」、「62」、「63」、「70」、「354」、「501」、「6610」等もあり使用を妨げるものではないが、0次元及び/又は1次元炭素構造体の分散においては前述のものがより分散効果が優れている。
また、各種の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子系分散剤などが挙げられる。
【0042】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類、アルカンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類、N−メチル−N−オレオイルタウリン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩類などが挙げられる。
【0043】
非イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミノポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ナフトールエチレンオキシド付加物、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0044】
一方、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルベタイン類、アミノキサイド類が挙げられる。
【0045】
なおここで水性分散液とは、水あるいは水溶性溶媒を主成分とする水性媒体を分散媒とするものである。水としては,純水、超純水、蒸留水、イオン交換水等、いずれも用いることができる。その他、必要に応じて水溶性の有機溶媒を1種類、もしくは2種類以上存在させてもよい。
【0046】
水溶性の有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類などがあるが、これらに限定されない。
【0047】
これら有機溶媒の含有量は、分散液全体の1〜50重量%とする事が好ましく、1〜20重量%とする事が、さらに好ましい。つまりこれら有機溶媒の量はこの範囲でも十分であり比較的少量の有機溶媒でも安定な水性分散液を得ることができ好都合である。
【0048】
〔溶剤系分散液〕
なお分散媒として非水系の溶剤系を用いた0次元及び/又は1次元炭素構造体分散液の場合には、好適に用いられる分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、ポリビニリデン樹脂などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0049】
これらのなかでは、電子供与性基がアミノ基である分散剤は、分散性にすぐれたものであるので、本発明において好適に使用しうるものである。かかる電子供与性基がアミノ基である分散剤としては、たとえばDisperbyk−130、−101、−161、−162、−163、−164、−165、−166、−170、−2000、−2001(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製);EFKA−4046 4047、−47EA、−48、−49、−100、−4400、−4500(以上、EFKA社製);ソルスパース 13240、13940、17000、24000GR、28000、20000、12000、27000(以上、アビシア(株)製);PB711 PB821 PB811など(味の素ファインテクノ(株)製)があげられる。
【0050】
また、分散剤としては、カップリング剤を使用することもできる。チタネート系、アルミネート系カップリング剤としてはプレンアクトKR55、KR44、AL−Mなど(味の素ファインテクノ(株))が挙げられる。
【0051】
ここでいう非水系とは前述した水性分散液の分散媒に該当しないもの、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤;メチルエチルケトンなどのエーテル結合およびエステル結合を有する炭化水素化合物などの有機溶剤が挙げられる。ポリマー系分散剤を使用する場合、これに対する溶解性の高い溶剤を用いることにより分散安定性を向上させることが望ましく、したがってメチルエチルケトン、NMP、γ−ブチルラクトン、アルコールなどの極性の高い溶剤が好適である。
【0052】
〔バインダー樹脂〕
これら0次元・1次元炭素構造体分散液(0次元炭素構造体あるいは1次元炭素構造体のうち1種以上を含有するものを指す)を塗料やインキ化して用いる場合には、必要に応じてバインダー機能を有する樹脂を添加しても構わない。樹脂は分散媒に溶解・分散するものであればいずれのものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えばビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート、メラミン系樹脂、オレフィン系樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン、アセタール系樹脂、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
なお本発明の0次元・1次元炭素構造体分散液を前述した各種の用途に使用すれば、大量生産も効率的に行うことができ、またこれら炭素構造体の固有特性に近い物性を安定して得ることができる。
【0053】
さらに、本発明の分散液には、表面張力調整剤、防腐剤、防黴剤、殺菌剤、増粘剤、pH調整剤、尿素などの他の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
【0054】
本発明において0次元・1次元炭素構造体を水性媒体中に分散させる物理的分散手法としては,特に限定は無いが、例えばメディアを使用する、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナーなど湿式メデイア分散機、二本ロール、三本ロールミル,バンバリー、2軸ルーダー、ニーダーなどの混練装置、ナノマイザー、アルチマイザー、超音波分散機などのメディアレス分散機などいずれも使用できる。また、メディアなしの衝突型分散も微粒子化には有効である。このような手法の分散機としてアルティマイザー・ナノマイザーなどが挙げられる。
【0055】
湿式メディア分散機のメディアとしては、アルカリビーズ、無アルカリビーズ,ジルコニアビーズ,アルミナビーズなどが使用出来、これらのメディアの粒子径は、2mm以下が望ましく、0.1mm〜1.5mm程度のものが好ましい。さらに望ましくは0.2mm以下である。0.2mmのビーズで分散できることを特徴とする分散機としてSCミルなどが挙げられる。
【0056】
これら分散機を使用し、メディア粒子径、時間、流量、回転数、圧力、温度などの項目を適宜選択して以下説明する粒子径をコントロールすることができる。また分散処理後の液を遠心処理して粗大粒子を除去することにより更に粒子径の小さな分散液とすることもできる。
【0057】
本発明の0次元・1次元炭素構造体分散液における0次元・1次元炭素構造体の平均粒子径は、0.5μm以下、好ましくは、0.3μm以下、更に好ましくは、0.2μm以下、一層好ましくは、0.15μm以下とすることができる。この範囲で特に安定で低粘度の微分散状態を得ることができ、塗工して得られる塗膜の平滑性にも優れている。本発明の分散液中の平均粒子径は、さらに0.1μm以下、さらに0.09μm以下にまで微粒子化することもでき、しかも十分な分散安定性と低粘度を保つことができる。
ただし、炭素構造体としてナノチューブ、ナノホーン、ナノワイヤ等、中でもナノチューブの場合は、一次粒子自体が細長い形状であるため、より大きな粒子径で分散されていても、その固有特性を発揮できる。もちろん、本発明の方法により上述した0.5μm以下、0.3μm以下といった微小分散が可能であるが、おおよそ、3μm以下、特に2μm以下でも用途によっては使用可能である。この場合、増粘剤等により適宜粘度を上げることにより安定性を向上させることができる。
【0058】
本発明の分散液のD90(体積90%径。90vol%の粒子がこの粒径以下であることを示す)は限定されないが、1μm以下、さらに0.8μm以下、さらには0.6μm以下に抑えられたものとすることができる。D90の値がこのように小さいものであることは、これより大きな粗大粒子の量が抑えられていることを意味し、このことが凝集の防止に寄与していることも推測できる。
【0059】
本発明の分散液の粘度も限定されないが、100mPa・s以下、さらに50mPa・s以下、さらには10mPa・s以下、さらには5mPa・s以下、さらには3mPa・s以下の低粘度かつ安定な分散液とすることができる。このため様々な用途で取扱いが容易であり好都合である。また、より高粘度の用途であれば適宜、贈粘剤等を添加して調整することもできる。
【0060】
なお、本発明における分散液中の0次元・1次元炭素構造体の平均粒子径及びD90は、光散乱法粒度分析計(日機装(株)製「マイクロトラックUPA150」)による測定とし、粒子径分布におけるD50(50体積%の粒子がこの粒子径以下の大きさである事を示す)を分散液中のフラーレン平均粒子径の値とする。
【0061】
本発明の水性分散液中に含まれる0次元・1次元炭素構造体の含有量は限定されないが、通常、分散液中、0.1重量%〜50重量%、好ましくは、0.1重量%〜30重量%、更に好ましくは、0.1重量%〜20重量%である。この範囲で経時安定性に最も優れている。本発明の水性分散液ではこのように広範囲の濃度を選択でき比較的高濃度とすることができる利点がある。
【0062】
尚、分散液中の0次元・1次元炭素構造体の平均粒子径は、光散乱法粒度分析計(日機装(株)製「マイクロトラックUPA150」)による測定とし、粒子径分布におけるD50(50%の粒子がこの粒子径以下の大きさである事を示す)を分散液中の粒子の平均粒子径の値とする。
【0063】
実施例
次に本発明の0次元及び/又は1次元炭素構造体分散液の製造方法を実施例に基づいて更に具体的に説明する。なお「部」及び「%」は特にことわりのない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
実施例及び比較例において、フラーレンとしてはフロンティアカーボン社製「Mixフラーレン」(商品名。C70及びC60を合計で85wt%含む炭素材料)を用いた。
【0064】
【表1】
Figure 2005035810
【0065】
【表2】
Figure 2005035810
【0066】
【表3】
Figure 2005035810
【0067】
〔ポリマー系分散剤の中和〕
上記のポリマー系分散剤のうちEDAPLAN VP470、JONCRYL678、SMA1440Hは、水不溶性の酸として調製されているので、下記の計算式で中和アミン量を算出し、中和率100%で各有効成分濃度で中和溶解して使用した。
【0068】
【式1】
Figure 2005035810
【0069】
EDAPLAN VP480、BYK−191は水溶液として調製されているので、そのまま用いた。
【0070】
実施例1
表−1、実施例1の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで18.0時間分散を実施した。
【0071】
実施例2
表−1、実施例2の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで18.0時間分散を実施した。
【0072】
実施例3
表−1、実施例3の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで14.0時間分散を実施した。
【0073】
実施例4
表−1、実施例4の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで6.0時間分散を実施した。
【0074】
実施例6
実施例3で得られた水性分散液を遠心分離して粗大粒子を除去した。除去後の分散液のフラーレン濃度は2.35wt%となった。平均粒子径は0.087μm、D90は0.160μmであった。
【0075】
比較例1
表−2、比較例1の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで6.0時間分散を実施した。
【0076】
比較例2
表−2、比較例2の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで6.0時間分散を実施した。
【0077】
実施例5
表−2、実施例5の欄に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで6.0時間分散を実施した。
【0078】
比較例3
表−2、比較例3に示す各成分を配合してディスパーサーで1時間予備撹拌(1000rpm)を実施したのち、0.5mmのジルコニアビーズを100mlとともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで6.0時間分散を実施した。
【0079】
〔評 価〕
(1)平均粒子径及びD90
分散液中のフラーレンの平均粒子径及びD90は、光散乱法粒度分析計(日機装(株)製「マイクロトラックUPA150」)により測定を行い、粒子径分布におけるD50(50vol%の粒子がこの粒子径以下の大きさである事を示す)を分散液中のフラーレン平均粒子径の値とする。
【0080】
(2)経時安定性
分散液の安定性は、100mlのイージーボトル((株)ニッコー製)に分散液を採り、常温で1ヶ月放置した後のフラーレンの沈降の有無を確認した。
【0081】
(評価基準)
○:フラーレンの沈降が全くない安定した状態である。
△:フラーレンが僅かに沈降しているが、軽い撹拌で戻る。
×:フラーレンが沈降し、バードケーキになっている。
【0082】
【表4】
Figure 2005035810
【0083】
(3)塗工試験
塗工試験は、サイビノールEK20(サイデン化学社製)18部にフラーレン分散品を2部添加撹拌した物を塗工液とし、PETフィルム上にウエット塗布膜厚36.6μで塗布、80℃で乾燥して塗工物を製作した。
塗工物をキーエンス(株)製「超深度形状測定顕微鏡 VK−8500」を使用して観察倍率2000倍で塗工物を観察し、その表面粗さの状態として算術平均粗さと最大高さを測定した。
【0084】
ペイントコンディショナーでの分散時間と平均粒子径の変化を表−4に示す。実施例1では18時間後、実施例2では16時間後、実施例3では14時間後、実施例4では6時間後に粒子径が最小になっていることがわかる(下線を引いた値)。この時の粒子径を表−5の平均粒子径の欄に示した。実施例5では、粒子径は2時間後の測定値以上は小さくはならず増加していることがわかる。比較例1〜3では分散を継続しても粒径は小さくならないこと、むしろ増大していることから凝集を起こしていることが推測される。
【0085】
表−5に、経時安定性の評価結果を示す。カチオン性アミン官能基を有するポリマー系分散剤と、酸価を有するアクリル系分散剤とを併用している実施例1〜3は、最も経時安定性に優れた分散品であることがわかる。これら実施例1〜3の分散品は、さらに常温で半年放置した後に同様の方法の評価によっても、フラーレンの沈降が全くない安定な状態を保っていた。
【0086】
【表5】
Figure 2005035810
【0087】
【表6】
Figure 2005035810
【0088】
【表7】
Figure 2005035810
【0089】
【表8】
Figure 2005035810
【0090】
また実施例4、5も平均粒子径は少し大きいが、用途によっては、使用可能なレベルである。
これに対して比較例1〜3は、平均粒子径が大きく分散を続けても微粒子化が望めず、結果として、分散液の安定性も低いことがわかる。
【0091】
実施例3〜5、比較例2の塗工試験結果を表−7に示す。平均粒子径が0.5μm以下である実施例3〜5は塗工試験での算術平均粗さが0.1μm以下、最大高さが0.5μmであり、平滑性に優れていることがわかる。
【0092】
表−8に、各分散液をアート紙上にウエット塗布膜厚36.6μmで塗布し120℃で乾燥して塗工物を作成し、その塗工物をDATA COLOR社製「SF600Plus」で測定したL値、a値、b値を示す。なお実施例5の分散液としては6時間分散後の液を用いた。これらの値からわかるように、粒径とL値、a値、b値は相関関係があり、粒径が0.5μm以下のものはL値が72以下、a値が9以上、b値が20以上である。一旦0.5μm以下に分散した実施例5は、再び大きくなってもL値、a値、b値は0.5μm以下に相当するものに留まっている。したがって、0.5μmが臨界的な意義を有し、0.5μm以下に分散することにより、何らかの不可逆的な物性変化を生じ表面状態が異なったものとなっていることが推測される。
【0093】
経時安定性試験の結果から、平気粒子径が0.5μm以下のものは、粒径も小さい上に、経時安定性が優れていることがわかる。
【0094】
実施例6、7
2mmのジルコニアビーズを表−9に示す処方を配合して得た液とともに20ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで分散を実施した。分散時間ごとの平均粒子径の変化及び、7時間分散後の液を3日間放置した後の液の平均粒子径を表−10に示す。なお「Mixフラーレン」はフロンティアカーボン社製品の商品名である。「アジスパーPB−822」は味の素(株)製のポリマー系分散剤である。
【0095】
実施例8
0.2mmのジルコニアビーズで表−9に示す処方を配合して得た液とともにSCミルで分散を実施した。分散時間ごとの平均粒子径の変化を表−10に示す。
【0096】
【表9】
Figure 2005035810
【0097】
【表10】
Figure 2005035810
【0098】
実施例9
2mmのジルコニアビーズを表−11に示す処方を配合した液とともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで分散を実施した。4時間分散後の平均粒子径を表−11に示す。なお、カーボンナノチューブは比表面積116m/gのものを利用した。分散前のカーボンナノチューブの300倍の電子顕微鏡写真を図2に、分散後の液中のカーボンナノチューブの30,000倍の電子顕微鏡写真を図3に示す。なお「デモールN」は花王(株)製分散剤である。
【0099】
【表11】
Figure 2005035810
【0100】
実施例10
2mmのジルコニアビーズを表−12に示す処方を配合した液とともに250ccの密栓の出来るポリ容器に仕込みペイントコンディショナーで分散を実施した。4時間分散後の平均粒子径を表−12に示す。尚カーボンナノチューブは比表面積116m/gのものを利用した。「PVPK15」は五協産業(株)製の分散剤である。
【0101】
【表12】
Figure 2005035810
【0102】
【発明の効果】
本発明の0次元・1次元炭素構造体分散液は、極めて微細な分散状態で非常に安定かつ低粘度で分散されており、以下の効果を有している。
【0103】
(1)微粒子化による均一な性能の発現
(2)有効活性面の増大
(3)液中での安定化
(4)量産化が容易
(5)安全性が高い
【0104】
しかも水性分散液として調整できる点で、以下の効果を有している。
(6)水での希釈、洗浄が可能
(7)安全性が高い
分散液、塗工液としての物性
(8)水性液中での低粘度での安定化
【0105】
分散液、塗工液としての塗工物性
(9)塗工表面の平滑化
(10)塗工表面の均質化
(11)塗工適性のアップ(低粘度化による高速塗工、薄膜化)
(12)微細な繊維、パルプなどへの含浸、吸着
【0106】
0次元・1次元炭素構造体としての物性
(13)単位面積当たりの有効活性面の増大
(14)微粒子化による均一な性能の発現
【0107】
色材としての物性
(15)微粒子化による色素としての着色力のアップ
(16)微粒子化による発色性のアップ
(17)微粒子化による透明性のアップ
(18)微粒子化によるコントラストのアップ
(19)微粒子化による光沢のアップ
(20)微粒子化によるへイズの改善
等々が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分散前のフラーレンの15,000倍のSEM写真を示す図
【図2】実施例9で用いた、分散前のカーボンナノチューブの300倍の電子顕微鏡写真を示す図
【図3】実施例9における、分散後の液中のカーボンナノチューブの30,000倍の電子顕微鏡写真を示す図

Claims (12)

  1. 水性媒体又は非水性媒体中に0次元炭素構造体及び/又は1次元炭素構造体が分散されていることを特徴とする炭素構造体分散液。
  2. 炭素構造体の平均粒子径が0.5μm以下である請求項1記載の炭素構造体分散液。
  3. 炭素構造体の平均粒子径が0.2μm以下である請求項1記載の炭素構造体分散液。
  4. 炭素構造体の含有量が0.1重量%〜50重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
  5. 炭素構造体の含有量が5重量%〜30重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
  6. 親水基と疎水基とを持つポリマー系分散剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
  7. 親水基と疎水基とを持つポリマー系分散剤が、更にカチオン性のアミン官能基を有することを特徴とする請求項6記載の炭素構造体分散液。
  8. ポリマー系分散剤が、有機アミン塩及び/又は無機塩により中和されて水溶化・ディスパージョン化されたものである請求項6又は7記載の炭素構造体分散液。
  9. 分散時にメディアとして使用するビーズが2mm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
  10. 分散時にメディアとして使用するビーズが0.2mm以下である請求項9記載の炭素構造体分散液。
  11. 炭素構造体がフラーレンである請求項1〜10のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
  12. 炭素構造体がカーボンナノチューブである請求項1〜10記のいずれかに記載の炭素構造体分散液。
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