JP2005260214A - 電磁波シールド材、立体構造体、電磁波シールド性内装材、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
優れた電磁波シールド性を持ち、シールド性に方向性のない、様々な形態への加工が可能な電磁波シールド材を提供する。
【解決手段】
導電性短繊維と非導電性短繊維とを含む繊維シートであって、導電性短繊維の比重(A)が0.9〜3の範囲内、非導電性短繊維の比重(B)が0.9〜3の範囲内で、かつ前記(A)と(B)との比(B/A)が0.5〜2の範囲内にあり、さらに前記導電性短繊維の含有量が0.1〜60重量%の範囲内にあることを特徴とする電磁波シールド材。
【選択図】なし
Description
導電性短繊維としては、金属短繊維、繊維または中空繊維に金属メッキした短繊維、繊維または中空の繊維にカーボン粉や金属粉を付着させた短繊維などを用いることができるが、錆びず、軽く、金属メッキ等も必要でないことから炭素短繊維またはカーボンマイクロコイルがとくに好ましい。
VTM−0:各試料の残炎時間t1またはt2が10秒以下
発煙物質または滴下物により標識用面が着火しない。
VTM−1:各試料の残炎時間t1またはt2が30秒以下
発煙物質または滴下物により標識用面が着火しない。
VTM−2:各試料の残炎時間t1またはt2が30秒以下
発煙物質または滴下物により標識用面が着火する。
その他 :上記以外のもの。
30mm×15mmの方形導波管を用い試料を挿入したときの透過波電力と挿入していないときの透過波電力の差をとり、電磁波遮蔽率とした。測定器はアジレントテクノロジー社製(HP8719ES)のネットワークアナライザーを用いて測定した。
JIS P8113に則して測定した。
可視光透過率とは、試料に入射する昼光の光束について、透過光束の入射光束に対する比であり、測定は分光光度計(島津UV-3150)で行い、計算はJIS R3106に則して算出した。
導電性短繊維として比重1.7で、平均繊維長が12mm、アスペクト比が1714である炭素短繊維20重量%と、非導電性短繊維として比重2.4で、平均繊維長が12mm、アスペクト比が1650のガラスチョップドファイバーと、比重1.5で、平均繊維長が2mmのマニラ麻短繊維からなる非導電性短繊維混合体80重量%とを用意した。炭素短繊維の比重とガラスチョップドファイバーの比重、マニラ麻の比重の比はそれぞれ、1.4、0.8であった。次に、上記炭素短繊維と非導電性短繊維混合体とを水に入れミキサー攪拌混合し、スラリーを調整した。その際、炭素繊維と非導電性短繊維は良好に混合できていた。このスラリー液を用いて湿式抄紙し、厚み0.12mm、目付100g/m2のシートを得た。得られたシートの引っ張り強度は100N/cmであった。また、得られたシートにおける最大の電磁波遮蔽率は40dBで、該最大の電磁波遮蔽率を示す測定方向に直行する方向に測定した電磁波遮蔽率は35dBと良好なシールド性が得られた。それらの電磁波遮蔽率の比は0.87であり、縦横の方向性の少ない電磁波シールド材を得ることができた。
比重1.7で、繊維長が6mmで、アスペクト比が857である炭素短繊維1重量%と、比重が2.4で、平均繊維長が12mm、アスペクト比が1650のガラスチョップドファイバーを30重量%と、水酸化アルミニウム69%を用意した。炭素短繊維の比重とガラスチョップドファイバーの比重の比は1.4であった。次に、上記炭素短繊維とガラスチョップドファイバーと水酸化アルミニウムを水に入れミキサー攪拌混合し、スラリーを調整した。その際、炭素繊維とガラスチョップドファイバーは良好に混合できていた。このスラリー液を用いて湿式抄紙し、厚み0.12mm、目付100g/m2のシートを得た。得られたシートの引っ張り強度は5N/cmであり、難燃規格V−0を満足していた。また、得られたシートにおける最大の電磁波遮蔽率は13dBで、該最大の電磁波遮蔽率を示す測定方向に直行する方向に測定した電磁波遮蔽率は12dBと良好なシールド性が得られた。それらの電磁波遮蔽率の比は0.92であり、縦横の方向性の少ない電磁波シールド材を得ることができた。
導電性短繊維として比重7で、平均繊維長が12mm、アスペクト比が1200である金属短繊維を20重量%と、比重2.4で、平均繊維長が12mm、アスペクト比が1650のガラスチョップドファイバーと、比重1.5で、平均繊維長が2mmのマニラ麻短繊維マニラ麻短繊維からなる非導電性短繊維混合体80重量%とを用意した。金属短繊維の比重とガラスチョップドファイバーの比重、マニラ麻の比重の比はそれぞれ、0.34、0.21であった。次に、上記金属短繊維と非導電性短繊維混合体とを水に入れミキサー攪拌混合し、スラリーを調整した。その際、金属短繊維と非導電性短繊維は金属短繊維が底に沈んでしまいうまく混合できなかった。このスラリー液を用いて湿式抄紙し、厚み0.12mm、目付100g/m2のシートを得た。得られたシートの引っ張り強度は100N/cmであった。得られたシートにおける最大の電磁波遮蔽率6dBで、該最大の電磁波遮蔽率を示す測定方向に直行する方向に測定した電磁波遮蔽率は30dBのシールド性が得られた。それらの電磁波遮蔽率の比は0.2であり、縦横の方向性のある電磁波シールド材となっていた。得られたシートは片面に金属繊維が偏り、金属繊維が表面に露出し表面の平滑性も損なわれ、加工性は満足できるものではなかった。また、金属繊維が脱落すると、シールド材を設置した周辺の機器に悪影響を及ぼすおそれもあり、好ましいものではなかった。
比重1.7で、繊維長が10mmで、アスペクト比が5000である炭素短繊維10重量%と、比重が1.5で、繊維長が10mmで、アスペクト比が2000、繊維に含まれる酸化チタンの量が0%のポリエステル短繊維70重量%と、比重1.5で、繊維長10mmで、溶融温度が100℃の熱融着性ポリエステル短繊維20重量%とを用意した。炭素短繊維の比重とポリエステル短繊維、熱融着性ポリエステル短繊維の比重の比は共に、0.8であった。次に上記炭素短繊維、ポリエステル短繊維、熱融着性ポリエステル短繊維を水に入れミキサー攪拌混合し、スラリーを調整した。その際、炭素繊維と上記炭素短繊維、ポリエステル短繊維、熱融着性ポリエステル短繊維は良好に混合できていた。このスラリー液を用いて湿式抄紙し、厚み0.2mm、目付50g/m2のシートを得た。次に、得られたシートを220℃、圧力150kNで10分間熱プレスし、フィルム状のシートを得た。得られたシートの可視光透過率は70%であった。また、得られたシートにおける最大の電磁波遮蔽率は25dBで、該最大の電磁波遮蔽率を示す測定方向に直行する方向に測定した電磁波遮蔽率は23dBと良好なシールド性が得られた。それらの電磁波遮蔽率の比は0.92であり、縦横の方向性の少ない透明度の高い電磁波シールド材を得ることができた。
Claims (22)
- 導電性短繊維と非導電性短繊維とを含む繊維シートであって、導電性短繊維の比重(A)が0.9〜3の範囲内、非導電性短繊維の比重(B)が0.9〜3の範囲内で、かつ前記(A)と(B)との比(B/A)が0.5〜2の範囲内にあり、さらに前記導電性短繊維の含有量が0.1〜60重量%の範囲内にあることを特徴とする電磁波シールド材。
- 前記導電性短繊維が炭素短繊維またはカーボンマイクロコイルから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性短繊維が、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、または表面を金属酸化物薄膜で被覆した繊維から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の電磁波シールド材。
- 前記金属酸化物が、錫を添加した酸化インジウム、アンチモンを添加した酸化錫、アルミニウムを添加した酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含んでなる、請求項3に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性繊維が扁平繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性繊維が中空繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記非導電性短繊維の含有量が30〜99重量%の範囲内にある請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記非導電性短繊維が、ポリエステル短繊維、ナイロン短繊維、ガラス短繊維、アラミド短繊維、ポリフェニレンサルファイド短繊維、ポリエーテルエーテルケトン短繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキザゾール短繊維、ポリ乳酸短繊維、ポリプロピレン短繊維、ポリエチレン短繊維、木質パルプ短繊維、マニラ麻短繊維から選ばれる少なくとも1種を含んでなる、請求項1〜7のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記非導電性短繊維が、ナイロン短繊維、ポリエステル短繊維、ポリプロピレン短繊維、ポリエチレン短繊維から選ばれる少なくとも1種である、請求項8記載の電磁波シールド材。
- 該短繊維に含まれる酸化チタンの量が0.3重量%以下である、請求項9に記載の電磁波シールド材。
- 前記導電性短繊維および前記非導電性短繊維の平均繊維長が0.1〜60mmの範囲であり、かつ、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が5以上である請求項1〜10のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記非導電性短繊維が、難燃性短繊維または難燃加工された短繊維である請求項1〜11のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記繊維シートに熱融着成分を含んでなり、該熱融着成分の溶融温度が180℃以下である請求項1〜12のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 無機粉体を含んでいる、請求項1〜13のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 無機粉体が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムから選ばれた少なくとも1種である、請求項14に記載の電磁波シールド材。
- 前記シートにおいて最大の引っ張り強度が2N/cm以上である請求項1〜15のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 最大の電磁波遮蔽率(P)を示す方向に対し、直行する方向で測定した電磁波遮蔽率(Y)の比(Y/P)が0.35〜1の範囲である請求項1〜16のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 前記シートの可視光透過率が60%以上である、請求項1〜17のいずれかに記載の電磁波シールド材。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の電磁波シールド材を含んで構成され、その構造がコルゲート構造、ハニカム構造から選ばれる少なくとも1種である立体構造体。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の電磁波シールド材を含んでなる電磁波シールド性内装材。
- 前記内装材が、床材、壁材、パーティション材から選ばれる少なくとも1種である請求項20記載の電磁波シールド性内装材。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の電磁波シールド材を含んで構成されることを特徴とする画像表示装置。
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