JP2002051492A - 小型モーター - Google Patents

小型モーター

Info

Publication number
JP2002051492A
JP2002051492A JP2000233425A JP2000233425A JP2002051492A JP 2002051492 A JP2002051492 A JP 2002051492A JP 2000233425 A JP2000233425 A JP 2000233425A JP 2000233425 A JP2000233425 A JP 2000233425A JP 2002051492 A JP2002051492 A JP 2002051492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
retardant
insulating paper
motor
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000233425A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Kawasaki
秀一 川崎
Yutaka Kojima
裕 小島
Shinichi Matsuda
新一 松田
Ikuo Matsushita
郁男 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Mabuchi Motor Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Mabuchi Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd, Mabuchi Motor Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2000233425A priority Critical patent/JP2002051492A/ja
Publication of JP2002051492A publication Critical patent/JP2002051492A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷が掛かった際に、モーター内部が高熱に
なっても正常に作動する、耐熱性、難燃性に優れた小型
モーターを提供する。 【解決手段】 200℃で30秒間保持した後、及び3
00℃で10秒間保持した後の何れにおいても正常に作
動する小型モーター。特に、回転子の鉄芯とコイルを難
燃絶縁紙で絶縁する点に特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、民生用電気器具、
車載用電気器具、玩具等に使用される小型モーターに関
する。
【0002】
【従来の技術】民生用電気器具、車載用電気器具、玩具
等に用いられる小型モーターは、鉄芯と銅線コイルから
成る回転子から構成されている。従来、このような小型
モーターの回転子の鉄芯とコイルを絶縁するために、鉄
芯に樹脂を塗布するか、あるいは鉄芯とコイルの間に絶
縁体を介在させることが行われてきた。しかしながら、
小型モーターは、負荷が掛かった際にコイルが発熱し、
モーター内部が高熱になるために、樹脂や絶縁体には、
絶縁性に加えて耐熱性や難燃性が要求される。例えば、
高負荷を掛けて回転子がロックした場合には、モーター
の内部温度は10秒から40秒程度の間で200℃に達
し、さらに負荷を掛けると300℃に達する。
【0003】また、鉄芯に樹脂を塗布する場合には、耐
熱性に優れるエポキシ樹脂を塗布することによって高い
絶縁性と耐熱性が得られるが、エポキシ樹脂塗布のため
の前処理としてトリクロロエチレンによる鉄芯の洗浄が
必要であるので、環境上好ましくないという欠点があっ
た。さらに、リサイクルのためのモーターの分解に際し
ては、塗布したエポキシ樹脂をはがすことが困難であ
る。
【0004】一方、絶縁体によって鉄芯とコイルを絶縁
する場合には、絶縁体としてポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム、その他のポリエステルフィル
ム、紙等が用いられてきた。PETフィルム及びその他
のポリエステルフィルムは、高い絶縁性と強度がある
が、融点が170℃程度であるために、コイルが加熱し
た時に溶解するという欠点があった。これに対し、プレ
スボードは紙基材であるため打ち抜き加工性に適してお
り、250℃以下であれば加熱変性を伴うことなく使用
することができるが、これ以上の高温条件下で使用する
場合には難燃剤を添加する必要があった。また、バルカ
ナイズドファイバ板はセルロース系プラスチックを用い
て製造され、強度と電気特性が良好である反面、打ち抜
き加工及び曲げ加工には適さず、プレスボードの場合と
同様に、高温条件下での使用に際しては難燃剤の添加が
必要であった。
【0005】そこで、上記絶縁体として難燃紙を使用す
ることが考えられるが、電気機器の絶縁用途に使用され
る難燃紙には高度な絶縁性が要求される。特公昭51−
17606号公報には、難燃剤としてハロゲン系難燃剤
と三酸化アンチモンの組合せが開示され、特開平1−3
7502号公報には、含水無機化合物と三酸化アンチモ
ンの組合せを使用した難燃紙が記載されている。しかし
ながら、近年における環境問題に対する関心の高まりに
伴い、難燃効果を発現する際に有毒な分解ガスを発生さ
せるハロゲン系難燃剤の使用は好ましくない。また、ア
ンチモンに対しては発ガン性が指摘され、環境庁の水質
基準の要監視項目に加えられただけでなく、製造時にお
ける工業廃水への流出が規制されつつある。また、「廃
棄物の移動に関するバーゼル条約」においては、アンチ
モンを含有する廃棄物を国外へ移動することは禁止され
ているが、我国も上記条約を批准している。
【0006】ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの併
用系に代わる紙機材用難燃剤としては、特開平9−15
8092号公報にアンチモン系以外の難燃性無機粉体と
グアニジン系難燃剤の組み合わせが開示され、これを用
いて三酸化アンチモンを使用しない電気絶縁用難燃紙が
壁紙の用途に好適であることが開示されている。しかし
ながら、上記の難燃紙は以下の理由でモーターの絶縁用
途には適さなかった。 (1)スルファミン酸グアニジン、メチロール化スルフ
ァミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン
系難燃剤は水溶性であるため耐水性に劣り、電気絶縁性
の低下を引き起こし易い。 (2)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムのよう
な無機系難燃剤は難燃効果を発現する際に水を放出する
ため、電気絶縁用途には不適当である。 このように、鉄芯をエポキシ樹脂で塗布した小型モータ
ーに代わり、鉄芯とコイルを難燃紙によって絶縁するこ
とが検討されているが、環境負荷が小さく、絶縁性が良
好な難燃絶縁紙は、未だ見出されていないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
鉄芯とコイルの間を、環境負荷が低く、十分な絶縁性と
難燃性を有する難燃絶縁紙によって絶縁したすることに
ついて鋭意検討した結果、一定の難燃絶縁紙を使用する
ことにより、汎用モーターの絶縁体として使用されるP
ETフィルムが完全に融解する200℃の雰囲気で30
秒保持した際でも正常に作動させることができるだけで
なく、モーターの他の部材が熱劣化を引き起こす300
℃の雰囲気で10秒間保持した際にも正常に作動させる
ことのできる小型モーターを得ることができることを見
出し本発明に到達した。従って本発明の目的は、製造時
及び使用時はもちろんのこと、廃棄後においても有害な
物質を排出しない上、鉄芯にエポキシ樹脂を塗布した小
型モーターと同等の性能を有する、エポキシ樹脂の代り
に難燃絶縁紙を用いた小型モーターを提供することにあ
る。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
200℃で30秒間保持した後、及び300℃で10秒
間保持した後の何れにおいても正常に作動するように、
回転子の鉄芯とコイルを難燃絶縁紙で絶縁したことを特
徴とする小型モーターによって達成された。上記の難燃
絶縁紙は、UL−94に示された難燃性試験でV−0以
上の難燃性を有すると共に、JIS C2111に示さ
れた絶縁破壊試験で5.0kV/mm以上の絶縁性を有
することが好ましい。難燃剤としては、塩素系難燃剤、
臭素系難燃剤や三酸化アンチモン系難燃助剤を使用しな
いことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の小型モーターは、モータ
ーの回転子の鉄芯とコイルの絶縁体に難燃性絶縁紙を用
いることにより、モーターに高負荷が掛かった際の異常
加熱に耐えうるものである。即ち、本発明が対象として
いる小型モーターは、高負荷を掛けた場合に、モーター
の内部温度が10秒から40秒程度の間で200℃に達
する。通常、このような高負荷の掛かる分野では、安全
装置が装備されており、モーターの加熱を検出して電流
が遮断されるが、使用環境により安全装置が作動するま
でに30秒程度要することがある。
【0010】従って、本発明の小型モーターには、回転
子の絶縁体として適切な難燃性絶縁紙を選択して、モー
ターが負荷により200℃に昇温し、30秒間経過した
後でも正常に作動する必要がある。更に、小型モーター
に高負荷を掛け続けると、モーターの内部温度は60秒
から120秒で300℃に達する。回転子が300℃ま
で加熱すると、約10秒程度でモーターの他の部材に熱
破壊が生じる。従って、本発明のモーターには、回転子
の絶縁体に適切な難燃性絶縁紙を選択して、モーター内
部が負荷により300℃に昇温し、10秒間経過した後
でも正常に作動する必要がある。
【0011】そこで、本発明で使用する難燃性絶縁紙と
しては、UL94規格の難燃性規格でV−0の難燃性を
有すると共に、JIS C2111に規定された絶縁破
壊試験において5.0kV/mm以上の絶縁性を有する
難燃性絶縁紙を使用することが好ましい。これによっ
て、モーターが異常に加熱された場合でも正常に作動さ
せることができる。200℃で30秒間保持した後でも
正常に作動することだけであれば非難燃紙を絶縁体に用
いても実現できる場合がある。しかしながら、非難燃紙
を絶縁体に用いると、可燃物である紙が200℃の高温
状態で保持された際に、モーターのブラシ電極等から発
せられる火花が点火源となり燃焼に至る可能性がある。
これに対し、上記難燃紙を用いれば、加熱時の発火を防
止することができる。即ち、V−0の難燃性は、試料を
30秒間点火した際に消火する最高水準の難燃性であ
る。従って、V−0の難燃性を有する難燃縁紙を用いる
ことにより、200℃はもちろんのこと300℃におい
ても焼失することなく絶縁体としての機能を維持するこ
とが可能となる。
【0012】難燃絶縁紙の絶縁性に関する要求特性は、
モーターの大きさ、電圧、絶縁体の厚さ等によって異な
るが、本発明の方法で対応可能な最小のモーターの絶縁
体として厚さ50μmの難燃絶縁紙を用いる場合、20
0Vの電圧に耐えうる絶縁性が必要であるので、5.0
kV/mm以上の絶縁破壊電圧を有するものとすること
が好ましい。
【0013】以下、本発明で使用される難燃絶縁紙につ
いて詳細に説明する。本発明の難燃絶縁紙は、木材パル
プを主体とした製紙原料に、粉末状の難燃剤を添加分散
した原料を湿式抄紙することにより製造される。木材パ
ルプとしては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフト
パルプ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーン
グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パル
プ、新聞、コート紙、上質紙等から得られる再生パルプ
等の一般的な製紙用パルプの中から適宜選択して配合す
ることが可能である。また、必要に応じて、ケナフ、
竹、麻等の非木材パルプ、ガラス繊維、ポリエステル繊
維等の非セルロース繊維を配合することも可能である。
【0014】難燃剤としては、ポリリン酸メラミン粒
子、リン酸メラミン粒子、硫酸メラミン粒子、メラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジンが好まし
い。これらの難燃剤は単独で用いてもよいし、2種以上
混合して用いてもよい。
【0015】本発明においてはこれらの難燃剤を、難燃
絶縁原紙中の含有量(乾燥時)が10.0重量%以上5
0.0重量%未満、好ましくは15重量%以上30重量
%未満となるように添加する。難燃剤の紙中含有率が1
0.0重量%未満の場合には十分な難燃性が得られず、
UL規格のV−0基準を満たすことができない。また、
難燃剤の紙中含有率を30.0重量%以上としても、難
燃効果は頭打ちであり、一般に製紙原料に比べて高価で
ある難燃剤を高配合することは不経済であるだけであ
る。
【0016】更に高度な難燃性が求められる場合には、
ガラス系難燃剤を、難燃絶縁原紙中の含有量(乾燥時)が
0.5重量%以上15重量%未満の範囲となるように含
有させることが好ましい。上記のガラス系難燃剤として
は、ホウ酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウムが好まし
い。ガラス系難燃剤の含有量が0.5重量%未満の場合
には難燃性能をさらに向上させる効果を期待することが
できない。また、ガラス系難燃剤の含有量を15重量%
以上としてもその難燃効果は頭打ちであるのみならず、
ガラス系難燃剤は水溶性であるために、高配合にした際
の絶縁性の低下が著しい。ガラス系難燃剤は、サイズプ
レス法のような含浸法または塗工法によって含有させる
ことが好ましい。
【0017】難燃絶縁紙の抄紙に際しては、サイズ剤、
歩留まり向上剤、紙力向上剤、定着剤、硫酸バンド、消
泡剤、染料等の内添薬品を添加することが可能である。
また、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二
酸化チタン等の内添填料を添加することも可能である。
これらの公知の方法で抄紙した難燃紙に、スチレンブタ
ジエン樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂から選択さ
れる絶縁性樹脂を、片面または両面に、樹脂乾燥重量と
して片面当たりの塗布量が3g/m以上15g/m
未満となるように塗布することにより、効果的に絶縁性
を高めることができる。
【0018】絶縁性樹脂の塗布方法としては、サイズプ
レスコーター、ゲートロールコーター、ブレードコータ
ー、エアーナイフコーター等を用いる塗布方法の中から
適宜選択することが可能である。また、この絶縁性樹脂
にクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク等の顔料
を配合することも可能である。絶縁性樹脂の塗布量が3
g/m未満である場合には、充分な絶縁向上効果が期
待できない。また、15g/m以上塗布しても絶縁性
の向上効果は頭打ちである一方、絶縁性樹脂が可燃物で
あるため、難燃性に悪影響を及ぼす。難燃絶縁紙の坪量
は用途に合わせて50.0g/mから500g/m
程度まで適宜変更可能である。また、密度についても用
途に合わせて0.7g/cm から1.2g/cm
度まで適宜変更可能である。
【0019】本発明の小型モーターの回転子は、従来の
エポキシ樹脂塗工により製造された回転子に比べて環境
負荷が小さいことが大きな利点である。従って、難燃性
絶縁紙に用いる難燃剤の選択に関しても、環境負荷に十
分な配慮を加えることが好ましい。即ち、三酸化アンチ
モンはもちろんのこと、塩素系及び臭素系のハロゲン系
難燃剤についても使用を避けることにより、モーターの
使用時のみならず廃棄後の環境負荷を低減することが可
能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるも
のではない。 <小型モータの製造>図1は、本発明の小型モーター断
面図である。本発明のモーターは、マグネット15と軸
受13を備えるケース11、ブラシ14と軸受13を備
えるケース蓋12、並びにコイル3と整流子5を備える
鉄芯2から構成されている。
【0021】図2〜5は、本発明の小型モーターにおけ
るコイルと鉄芯との絶縁構造をあらわした図である。こ
れらのうち、図4は鉄芯2の斜視図である。鉄芯には、
コア7を複数枚積層させ、この積層したコアの中心にシ
ャフト8をカシメることによって一体に構成されてい
る。積層させたコア7にはスロット6が存在し、このス
ロット6に絶縁紙4が挿入される。
【0022】図2、3、5は絶縁紙付き鉄芯の図であ
る。図2は側面図、図3は正面図、図5は斜視図であ
る。鉄芯2のスロット6に絶縁紙4をまるめて挿入し、
コイルと鉄芯とを絶縁する。この時、絶縁紙4の軸方向
の長さを、積層されたコア7の軸方向の長さより若干
(2〜4mm程度)長くして、積層されたコアに対し
て、軸方向にオーバーハングさせることが好ましい。こ
の絶縁紙4のオーバーハング部分10は、折り曲げられ
て、コアアーム9を覆うように形成される。
【0023】図6は、図2、3、5の絶縁紙付き鉄芯に
整流子5を取り付け、その後コイル3を巻いた回転子1
の斜視図である。スロット6は絶縁紙4によって当然絶
縁されるが、さらに、積層されたコア端面も絶縁紙4の
オーバーハング部分10によって絶縁されている。コイ
ル3が鉄芯2に巻きつけられると絶縁紙4のオーバーハ
ング部分10の折り曲げた箇所がコアアーム9に密着す
ることになる。
【0024】また、難燃絶縁紙の難燃性及び絶縁性、並
びにモーターの評価については、以下の方法で測定する
ことによって行った。 ・難燃性:UL(米国保険業者研究所)−94規格及び
JIS−K6911に準拠した。これらの規格に従い、
難燃性を非難燃、HB、V−1(バーナーで着火で、3
0秒以内に消炎する。)、V−0(バーナーで着火後、
10秒以内に消炎する。)の順に格付けした。 ・絶縁性:JIS−C2111に準拠して、絶縁破壊試
験を行った。試験結果が5.0kV/mm以上あれば絶
縁性が良好と判断した。 ・モーターの評価:モーターを故意に一定時間ロックさ
せ、ロックを解除した後にモーターが正常に動作するか
否かを確認した。また、ロック解除後のコイルとコアの
間の絶縁抵抗を印荷電圧100Vで測定した。
【0025】実施例1.難燃剤としてポリリン酸メラミ
ンを用いた、坪量180g/m、厚さ180μmの難
燃紙を作製した。この絶縁紙はV−0の難燃性の基準を
満たし、絶縁破壊試験で7.5kV/mmの絶縁性を有
していた。この絶縁紙を用いて図1に示したようなモー
ターを作製した。
【0026】実施例2.難燃剤としてメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムを用いた、坪量180g/m、厚
さ180μmの絶縁紙を作製した。この絶縁紙はV−0
の難燃性の基準を満たし、絶縁破壊試験では5.5kV
/mmの絶縁性を有していた。この絶縁紙を用いて図1
に示したようなモーターを作製した。
【0027】実施例3.難燃剤として硫酸メラミンを用
いた、坪量180g/m、厚さ180μmの絶縁紙を
作製した。この絶縁紙はV−0の難燃性の基準を満た
し、絶縁破壊試験では8.3kV/mmの絶縁性を有し
ていた。この絶縁紙を用いて図1に示したようなモータ
ーを作製した。
【0028】実施例4.難燃剤に塩素化ポリプロピレン
と三酸化アンチモンを用いた、坪量180g/m、厚
さ180μmの絶縁紙を作製した。この絶縁紙はV−0
の難燃性の基準を満たし、絶縁破壊試験では7.5kV
/mmの絶縁性を有していた。この絶縁紙を用いて図1
に示したようなモーターを作製した。
【0029】比較例1.特に難燃処理を施していない坪
量180g/m、厚さ180μmの上質紙を作製し
た。この上質紙は絶縁破壊試験を供した結果、10kV
/mmの絶縁性を有していた。この上質紙を絶縁紙とし
て用いて、図1に示したようなモーターを作製した。。
【0030】比較例2.絶縁紙として厚さ180μmの
PETフィルムを用いて、図1に示したモータを作製し
た。
【0031】比較例3.図4に示した鉄芯を溶剤洗浄し
た後、積層コア7の表面、スロット部6の表面及びコア
アーム部9にエポキシ樹脂を厚さが200μmとなるよ
うに塗布して、絶縁処理した。この鉄芯を用いて、図1
に示したモーターを作製した。以上の実施例及び比較例
で作製したモーターについて、ロック処理した後の性能
試験を行った結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示したように、モーターを90秒間
ロックすると、モーター内部の温度は320℃まで上昇
する(300℃には75秒程度で達する)。この条件に
おいて実施例に示した各モーターは、ロック解除後に何
れも正常に作動した。一方、比較例1の絶縁紙に上質紙
を用いたモーターの場合にはロック時間が60秒間まで
は正常に再作動したが、ロック時間を90秒間とした場
合には、絶縁紙を燃焼したためにコイルから鉄芯に漏電
してしまった。
【0034】比較例2の、絶縁体としてPETフィルム
を用いた場合には、30秒間ロックしただけでPETフ
ィルムが溶解していまい、再作動しなかった。比較例3
の、鉄芯にエポキシ樹脂を塗布した場合には、鉄芯をト
リクロロエチレン等の溶剤で洗浄する必要があり、環境
負荷が極めて大きかった。従って、実施例1〜4のモー
ターは、比較例3と同等の機能を有するにもかかわら
ず、環境に対する負荷が極めて小さい。特に、実施例1
〜3の場合には、難燃剤としてハロゲン系及び三酸化ア
ンチモンを使用していないので、環境面からも安全であ
る。
【0035】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の小型モータ
ーは、難燃絶縁紙を、従来のエポキシ樹脂の代りにモー
ターの回転子とコイルの間の絶縁体として用いているに
もかかわらず、エポキシ樹脂を用いた場合と同等の耐熱
性能を有する。また、この絶縁紙は難燃剤にハロゲン系
の物質や三酸化アンチモンを用いていていないため環境
負荷が小さく、使用後の廃棄方法も容易である。また、
エポキシ樹脂塗布品のように溶剤洗浄等の設備が不要で
ある上、回転子の製造においても、エポキシ樹脂を塗布
する機械と比べて絶縁紙を鉄芯に挿入する機械ははるか
に安価ですむため、モーターの製造時の環境負荷が小さ
いだけでなく、低価格でモーターを提供することも可能
となった。従って、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の小形モーターの断面図である。
【図2】 本発明の絶縁紙付き鉄芯の側面図である。
【図3】 本発明の絶縁紙付き鉄芯の正面図である。
【図4】 本発明の鉄芯の斜視図である。
【図5】 本発明の絶縁紙付き鉄芯の斜視図である。
【図6】 本発明の回転子の斜視図である。
【符号の説明】
1. 回転子 2. 鉄芯 3. コイル 4. 絶縁紙 5. 整流子 6. スロット 7. コア 8. シャフト 9. コアアーム 10.絶縁紙オーバーハング部 11.ケース 12.ケース蓋 13.軸受 14.ブラシ 15.マグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 裕 東京都千代田区有楽町1−12−1 日本製 紙株式会社内 (72)発明者 松田 新一 千葉県松戸市松飛台430番地 マブチモー ター株式会社内 (72)発明者 松下 郁男 千葉県松戸市松飛台430番地 マブチモー ター株式会社内 Fターム(参考) 5H604 AA02 BB01 CC02 CC05 CC14 CC16 DA01 DA14 PD02 QA01 QA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃で30秒間保持した後、及び3
    00℃で10秒間保持した後の何れにおいても正常に作
    動するように、回転子の鉄芯とコイルを難燃絶縁紙で絶
    縁したことを特徴とする小型モーター。
  2. 【請求項2】 前記難燃絶縁紙として、UL−94に示
    された難燃性試験においてV−0相当の難燃性を有し、
    かつJIS C2111に示された絶縁破壊試験におい
    て5.0kV/mm以上の絶縁性を有する難燃絶縁紙を
    使用する、請求項1に記載の小型モーター。
  3. 【請求項3】 前記難燃絶縁紙が、ポリリン酸メラミ
    ン、リン酸メラミン、硫酸メラミン、メラミン被覆ポリ
    リン酸アンモニウム、リン酸エステル系難燃剤、ホウ酸
    系難燃剤、リン酸アンモニウム系難燃剤から選択される
    少なくとも1種の難燃剤を使用し、かつ塩素系、臭素
    系、三酸化アンチモン系の難燃剤を使用しない難燃絶縁
    紙である、請求項1又は2に記載の小型モーター。
JP2000233425A 2000-08-01 2000-08-01 小型モーター Withdrawn JP2002051492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233425A JP2002051492A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 小型モーター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233425A JP2002051492A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 小型モーター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002051492A true JP2002051492A (ja) 2002-02-15

Family

ID=18725945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000233425A Withdrawn JP2002051492A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 小型モーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002051492A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105790A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Nippon Steel Corp 連続鋳造用鋳型
CN105585735A (zh) * 2016-03-08 2016-05-18 西北师范大学 一种坡缕石表面改性方法
US9437348B2 (en) 2010-12-17 2016-09-06 3M Innovative Properties Company Electrical insulation material
US9754701B2 (en) 2012-06-15 2017-09-05 3M Innovative Properties Company Electrical insulation material
KR102438996B1 (ko) * 2022-02-15 2022-09-01 (주)동일모터 제빙기용 모터펌프 장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105790A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Nippon Steel Corp 連続鋳造用鋳型
US9437348B2 (en) 2010-12-17 2016-09-06 3M Innovative Properties Company Electrical insulation material
US9754701B2 (en) 2012-06-15 2017-09-05 3M Innovative Properties Company Electrical insulation material
CN105585735A (zh) * 2016-03-08 2016-05-18 西北师范大学 一种坡缕石表面改性方法
KR102438996B1 (ko) * 2022-02-15 2022-09-01 (주)동일모터 제빙기용 모터펌프 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002051492A (ja) 小型モーター
KR102046681B1 (ko) 모터용 보빈
JP2000212403A (ja) 難燃性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板
JPH05152748A (ja) 有機基板におけるスルーホールの形成方法
JP2001288696A (ja) 難燃絶縁紙
CA1197766A (en) Flame-retarded copper clad laminates
CA1173341A (en) Flame-retarded curable resins
JPS636577B2 (ja)
GB2123748A (en) Flame-retardant laminates
JP3315082B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板
JP2014225389A (ja) 電気絶縁紙、それを加熱して得られた電気絶縁体及び電気絶縁空間を有する電気モーターまたは変圧器
JP2020023759A (ja) 難燃紙
JP5370735B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、積層板、配線板
JP2003293296A (ja) 難燃紙
JPH10226997A (ja) 電気絶縁積層板原紙
JP2001155547A (ja) 難燃絶縁紙
JP2004115745A (ja) 有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板
JP3982507B2 (ja) プリプレグおよび金属張り積層板
JPS6364306B2 (ja)
JPH09213132A (ja) 難燃性電気絶縁組成物及びそのフィルム
JPH05152744A (ja) 両面回路板の形成方法
JPS6128690B2 (ja)
JP2002241520A (ja) 積層板の製造方法
JP2001163956A (ja) 難燃性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ及び積層板
JPH0622966B2 (ja) 難燃性紙フェノール樹脂積層板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040408

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002