JPH10226997A - 電気絶縁積層板原紙 - Google Patents

電気絶縁積層板原紙

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JPH10226997A
JPH10226997A JP2487397A JP2487397A JPH10226997A JP H10226997 A JPH10226997 A JP H10226997A JP 2487397 A JP2487397 A JP 2487397A JP 2487397 A JP2487397 A JP 2487397A JP H10226997 A JPH10226997 A JP H10226997A
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hydrotalcite
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JP2487397A
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Kenichiro Uematsu
謙一郎 植松
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐銀イオンマイグレ−ション性が良好であ
り、なお且つ積層板の全体的積層板特性、特に耐熱性が
良好である電気絶縁積層板原紙を提供する。 【解決手段】 pH=3,1mol/LのHBr溶液中で20sec以上不
溶である耐酸性合成ハイドロタルサイトをパルプ原料に
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板等
の材料である電気絶縁積層板用原紙に関するものであ
り、詳しくはワニス含浸性等の加工適性および積層板特
性、特に耐熱性を損うことなく、耐銀イオンマイグレ−
ション性が良好な積層板を製造するのに用いられる積層
板原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の積層板、特に電気絶縁用積層板
は、積層板原紙にフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂を含浸し、これを加熱乾燥して半硬化樹脂の
プリプレグにし、このプリプレグを複数枚積層し、金属
箔と共に熱圧成型することにより製造される。このよう
な積層板は比較的安価で、通常の電気或いは電子機器に
使用するための性能をほぼ満足しているため家庭用電気
製品を中心に多く使用されている。
【0003】しかしながら、近年の電気製品の軽薄短小
化により、電気部品の実装密度が高くなり、プリント配
線板の導体パターンの細線化が進んでいる。更には、紙
を基材とするプリント配線板においても、導体パターン
の両面化が進み、表裏の電気的接続を目的とした銀スル
ーホールが使用されるようになっている。このため、積
層板の加工性、寸法安定性、打ち抜き性は勿論のこと、
銀のマイグレーション現象による電気絶縁性の劣化が問
題となり、銀マイグレーションの防止性能(以下耐銀イ
オンマイグレ−ション性と記す)の改良要求が益々厳し
くなって来ている。
【0004】従来、積層板原紙に使用されるパルプは、
広葉樹木材からの未叩解晒クラフトパルプ(LBKP)
が用いられるのが一般的であるが、用途によっては積層
板原紙の強度を高めるために針葉樹晒クラフトパルプを
配合したり、コスト低減を目的に未晒パルプを配合した
り、又、高白色度化のためにサルファイトパルプ(S
P)を用いたりする場合がある。このようなパルプは公
知の抄紙機で抄紙され、得られる積層板原紙の密度は
0.45〜0.55g/cm3という低い水準のもので
ある。
【0005】プリント配線板の銀のマイグレーションを
改良するために、原紙に要求される特性としては、銀の
イオン化及び金属銀としての析出に寄与する原紙中の残
留イオンが少ないこと、熱硬化性樹脂の含浸性が良好な
ことが挙げられる。特に原紙中には一般的に、残留不純
イオンとしてNa+、Cl-がそれぞれ100〜200p
pm含まれており、銀マイグレ−ション現象の発生頻度
増加の原因とされているため、原紙中の残留Na+、C
-イオンを減少させることは、原紙による積層板の耐
銀イオンマイグレ−ション性向上対策として非常に有効
であると考えられる。
【0006】上記の問題を解決するために、無機イオン
交換体を含有する樹脂ワニスを使用する方法(特開平2-
133442号公報、特開平5-162245号公報)が知られている
が、積層板原紙を使用した紙基材フェノール樹脂積層板
の場合は、積層板原紙がパルプ繊維から製造されるもの
であるため、上記の方法では無機イオン交換体はパルプ
中の不純物イオンを十分に除去するための時間をかけら
れないことから、根本的な解決にはならず、耐銀イオン
マイグレ−ション性は十分なものではなかった。また、
特開平5−162245号公報のものでは、積層板表面
上に無機イオン交換体層を設け、原紙中の残留イオンの
影響が金属箔に及ばないようにしているが、この方法で
はスル−ホ−ル間のマイグレ−ション抑制には何ら効果
を得ることができない。
【0007】また、特開昭63−1452号公報のもの
では、各種溶液中からのイオン除去用フィルタ−とし
て、パルプ繊維間に無機イオン交換体を担持するように
しているが、この方法では粒径の大なる無機イオン交換
体粒子、あるいは湿式抄紙原料中にて2次凝集を起こし
た無機イオン交換体粒子が紙基材中に存在するため、フ
ェノ−ルワニス含浸不良、成型後の耐熱性の不良を生ず
ることから安易に採用することはできない。また、特開
平07−164609号公報のものでは、基材原紙を五
酸化アンチモンゾルで処理する方法が提案されている
が、アンチモンは環境基準中の要監視項目に指定されて
いるため、その処理法、取り扱いに注意を要するという
難点がある。
【0008】一方、特願平07−252572号公報の
ものでは基材原紙に対して無機イオン交換体として合成
ハイドロタルサイトを所定量含有せしめる方法が提案さ
れているが、通常一般的に使用されるハイドロタルサイ
トでは、積層板中に難燃剤が配合されている場合、耐熱
性の劣化を招くため採用が難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑みプリント配線板の銀マイグレーションを抑制
するために、積層板中のハイドロタルサイトと耐熱性、
耐銀イオンマイグレ−ション性のについて種々検討した
結果、耐酸性の高い合成ハイドロタルサイトを前記電気
絶縁積層板原紙に添加することにより、耐熱性の劣化を
伴わずに耐銀イオンマイグレ−ション性を大幅に向上さ
せ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。本
発明の目的は、ワニス含浸性等の加工適性および積層板
特性、特に耐熱性を損うことなく、耐銀イオンマイグレ
−ション性が良好な積層板を製造するのに用いられる積
層板原紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐酸性の高い
合成ハイドロタルサイトを添加することを特徴とする電
気絶縁積層板原紙である。本発明では、積層板原紙中に
紙中の残留Cl-イオンを減少させる合成ハイドロタル
サイトを添加することにより、耐銀イオンマイグレ−シ
ョン性を向上させることが可能である。
【0011】本発明において用いられる合成ハイドロタ
ルサイトは、次の一般式で表される粘土鉱物である。 M1-x 2+・Mx 3+(OH)2・Ax/n n-・mH2O ※M2+・M3+…2価、3価の金属イオン Ax/n n- …n価のアニオン x/n:0<x<0.4 代表的なものはMg4Al2(OH)12CO3・3H2O(協
和化学工業 製キョ−ワ−ド500)や、Al(OH)3
NaHCO3(別名ド−ソナイト:協和化学工業製キョ
−ワ−ド400)などがあり、本発明において用いられ
る合成ハイドロタルサイトは特に上記の特定のタイプで
ある必要はない。ハイドロタルサイトは結晶構造に特徴
があり、酸およびハロゲンをCO3とのイオン交換によ
り、構造中に取り込み、約400℃まで安定化/不活性
化できる。
【0012】本発明に使用される合成ハイドロタルサイ
トはpH=3、1mol/Lの臭化水素酸HBr溶液中で20s
ec以上不溶である耐酸性をもつことが必要である。通
常、電気絶縁用の積層板中には難燃剤が樹脂中に配合さ
れており、一般にはテトラブロムビスフェノ−ルAなど
のハロゲン含有物質が用いられている。これらの物質は
積層板の燃焼時に分解、ハロゲンガスを遊離して酸素を
燃焼物より遮断することによって難燃効果を発現してい
るが、その熱による分解挙動の故に積層板の耐熱性を低
下せしめる要因ともなっている。特に通常のハイドロタ
ルサイトは過剰の酸によって溶解する性質を具有するた
め、耐熱性が要求される温度範囲においてハロゲン酸を
遊離する難燃剤を基板中に含む場合、ハイドロタルサイ
トの添加によって耐熱性を大幅に劣化させる可能性があ
る。本発明の趣旨であるこの耐熱性劣化を防止するため
にはpH=3、1mol/Lの臭化水素酸溶液中で20秒以上
不溶であるハイドロタルサイトを基板中に用いることが
重要である。20秒よりも早く溶解してしまうハイドロタ
ルサイトを用いた場合、未添加基板に比較して耐銀イオ
ンマイグレ−ション性は向上するものの、耐熱性が大幅
に劣化してしまい、工業製品としては実用に耐えない。
【0013】本発明に使用される合成ハイドロタルサイ
トの平均粒径は、10μm以下であることが好ましい。
粒径が大きくなると、原紙に対してフェノ−ルワニスを
含浸し積層板を成型する際に、合成ハイドロタルサイト
粒子の周辺に微少な含浸不良部分が発生し、成型後の積
層板物性に悪影響を与える。合成ハイドロタルサイトの
の平均粒径は以下のようにして決定する。測定する合成
ハイドロタルサイトサンプルを純水中に分散したスラリ
−を作製し、島津レ−ザ回折式粒度分布測定装置SAL
D−1100(島津製作所製)を用いて粒度分布を測定
した。得られた分布の積分体積%が50%になる粒径を
平均粒径とする。しかしながら、粒径が小さくなるほど
原料中に分散し混抄する際の紙中への歩留まりが低下す
るため、混抄により合成ハイドロタルサイトを紙中に添
加する際には、使用する合成ハイドロタルサイトの平均
粒径は3μm以上のものが好ましい。
【0014】また、原料分散液中における2次凝集防止
対策として、適当な分散剤を適宜選択して用いてもよい
が、合成ハイドロタルサイトのNa+イオン捕捉点に対
して吸着/反応活性を持たないもの、あるいは系中にN
+イオンを新たに持ち込むことのないようなものを慎
重に選ぶ必要がある。具体的には炭酸ジフェニル、ジベ
ンジルテレフタレ−ト、シュウ酸ジ−P−メチルベンジ
ルエステル、ジイソブチレン無水マレイン酸共重合体ア
ンモニウム塩(例えば日立化成工業 製のテスピ−ルK
P−225W)等が例示できる。
【0015】本発明における、合成ハイドロタルサイト
の電気絶縁積層板原紙の絶乾重量に対する添加量は0.
5〜5重量%であることが好ましい。0.5重量%より
も添加量が低いとCl-イオンの捕捉効果が低く、5重
量%よりも添加量が多いと樹脂ワニス含浸工程中におい
て含浸速度の低下を招きやすく、ひいては含浸不良部分
の発生する要因となり、基板の耐熱性が劣化する。合成
ハイドロタルサイトを内添する場合、原料スラリ−中に
添加した後は、合成ハイドロタルサイトがパルプとの接
触時間および機会を多くとれるように、充分な撹拌時間
をとることが望ましい。これにより、合成ハイドロタル
サイトのCl-イオン吸着能力が充分に発揮され、耐銀
イオンマイグレ−ション性向上効果がより効果的に発現
される。この攪拌に際しては、低濃度ミキサー、中濃度
ミキサーあるいはスタティックミキサーなど、適当な攪
拌機を適宜選択して用いてよい。更に合成ハイドロタル
サイトのNa+イオン吸着能力を最大限に発現させるた
めには、原料中での合成ハイドロタルサイト滞留温度は
10〜70℃、また、処理時のpHは4.0〜6.0が
好ましい。
【0016】合成ハイドロタルサイトを原紙中に添加す
る方法としては、上記の如く原料スラリ−中に合成ハイ
ドロタルサイトを投入/分散させ、通常の湿式抄紙法に
よりシ−ト化する内填法、既にシ−ト化した原紙に対し
て、合成ハイドロタルサイト分散液を含浸/塗工して添
加する外添法等がある。用途/品質/製造条件などを考
慮して、適宜選択してどちらの方法を用いても良い。
【0017】本発明に使用される製紙用原料としては、
特に限定されるものではなく、木材チップより得られる
クラフトパルプ/亜硫酸パルプ/機械パルプ/溶解パル
プ、リンタ−/麻等の非木材パルプ、また、用途、品質
に応じて合成繊維、内填填料、ガラス繊維などを適宜選
択/配合して使用できる。
【0018】本発明の積層板原紙から積層板を製造する
方法は特に限定しないが、例えば、この積層板原紙に熱
硬化性樹脂を含浸して乾燥し、このようにして得られた
プリプレグの2枚以上を積層し、所定温度及び圧力によ
り成型一体化する。熱硬化性樹脂としては、一般に、レ
ゾール型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂が用いられ
るが、これに限定されることなく、その他の、例えば、
通常のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂を
挙げることができ、適宜選択して使用される。熱硬化さ
れる際の加熱と加圧操作の条件は、熱硬化性樹脂の種類
や量及び積層体の構成、寸法等により調整され、特に限
定しない。一般に150〜180℃の温度、80〜12
0kg/cm2の圧力で30〜60分間行われる。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって何等
制限されるものではない。尚、実施例及び比較例中の%
は特に断らない限り重量%を表す。
【0020】実施例に用いたパルプ、合成ハイドロタル
サイト及び処理方法は次の通り。 (1)パルプ材種 パルプ材種としては、国内産広葉樹の混合材を使用し
た。
【0021】(2)合成ハイドロタルサイト 耐酸性の高い合成ハイドロタルサイト(A)としては同
じく協和化学工業 製の「アルカマックVF」(平均粒
径=1.5μm、pH=3、1mol/Lの臭化水素酸溶液
中での不溶態保持時間=22秒)を、耐酸性の低い合成
ハイドロタルサイト(B)としては、協和化学工業 製
合成ハイドロタルサイト「キョ−ワ−ド500PL」
(平均粒径=13μm、pH=3、1mol/Lの臭化水素
酸溶液中での不溶態保持時間=1秒以下)を用いた。
【0022】(3)添加処理方法 所定量のパルプをポリバケツに取り、パルプ濃度を3%
になるようにイオン交換水にて調成した後、合成ハイド
ロタルサイト分散液を絶乾パルプ重量当たりの所定量を
添加し、室温にて45分間ミキサーで撹拌した。
【0023】<実施例1>合成ハイドロタルサイト
(A)を、絶乾パルプ重量に対して1.5%の添加率で
添加し、前記(3)の処理を施した。処理後のパルプを
抄紙原料として、メラミン樹脂(商品名スミレ−ズレジ
ンAC8:住友化学(株)製)を対パルプ1%内添し、坪
量125g/m2、密度0.50g/cm3の積層板原紙を抄造
した。この積層板原紙から積層板を作製し、耐銀イオン
マイグレ−ション性、耐熱性の評価を行った。
【0024】<実施例2>パルプに対して処理する合成
ハイドロタルサイト(A)の添加率を4.2%にした以
外は実施例2と同様の方法で坪量125g/m2、密度0.
50g/cm3の積層板原紙を抄造した。この積層板原紙か
ら積層板を作製し、耐銀イオンマイグレ−ション性、耐
熱性の評価を行った。
【0025】<実施例3>パルプに対して処理する合成
ハイドロタルサイト(A)の添加率を8.8%にした以
外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2、密度0.
50g/cm3の積層板原紙を抄造した。この積層板原紙か
ら積層板を作製し、耐銀イオンマイグレ−ション性、耐
熱性の評価を行った。
【0026】<実施例4>パルプに対して処理する合成
ハイドロタルサイト(A)の添加率を0.7%にした以
外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2、密度0.
50g/cm3の積層板原紙を抄造した。この積層板原紙か
ら積層板を作製し、耐銀イオンマイグレ−ション性、耐
熱性の評価を行った。
【0027】<比較例1>合成ハイドロタルサイト
(B)を、絶乾パルプ重量に対して1.6%の添加率で
添加し、前記(3)の処理を施した。処理後のパルプを
抄紙原料として、実施例1と同様の方法で坪量125g/
m2、密度0.50g/cm3の積層板原紙を抄造した。この
積層板原紙から積層板を作製し、耐銀イオンマイグレ−
ション性、耐熱性の評価を行った。
【0028】<比較例2>パルプに対して処理する合成
ハイドロタルサイト(B)の添加率を5.3%にした以
外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2 、密度
0.50g/cm3の積層板原紙を抄造した。この積層板原
紙から積層板を作製し、耐銀イオンマイグレ−ション
性、耐熱性の評価を行った。
【0029】<比較例3>パルプに対する合成ハイドロ
タルサイトの添加処理を行わずに、実施例1と同様の方
法で坪量125g/m2、密度0.50g/cm3の積層板原紙
を抄造した。この積層板原紙から積層板を作製し、耐銀
イオンマイグレ−ション性、耐熱性の評価を行った。
【0030】<積層板の作製法>積層板の製造法は、積
層板原紙に、市販水溶性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBRL−2854:昭和高分子(株)製)を含浸
し、乾燥機で乾燥することにより、樹脂と基材の比率が
15:85の一次プリプレグを作製し、次にこの一次プ
リプレグに市販の油変性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBLS−3122:昭和高分子(株)製)を含浸
し、乾燥して、水溶性フェノール樹脂と油変性フェノー
ル樹脂の両方を合せた樹脂と基材の比率が50:50の
プリプレグを製造した。次にプリプレグを8枚重ね、1
65℃、100kg/cm2、60分間加圧成型するこ
とによって、フェノール樹脂積層板を得た。
【0031】<積層板の耐銀イオンマイグレ−ション性
の評価法>積層板に銀ペーストで線幅1mm、線間1m
mの櫛形電極を作製し、イオンマイグレーション評価シ
ステム(AMI−025−P:タバイエスペック(株)
製)を使用して、40℃、93%RHの恒温恒湿中で、
50Vの直流電圧を印加した状態で電極間の絶縁抵抗を
測定した。評価にあたって、試験開始時の結露防止のた
め、60℃で1時間放置し、サンプルが十分その温度に
安定した後、湿度設定を行い、湿度設定1時間後より測
定を開始した。評価基準としては、電極間絶縁抵抗を連
続測定し、106Ω以下になった基板にはマイグレ−シ
ョンが発生していると判断した。この連続測定デ−タよ
り、初回マイグレ−ション発生までの時間(故障発生時
間)を評価の目安とした。通常の市販回路基板の評価を
行った場合、前記の条件下において1000時間以上の
耐久性が要求されるが、前記の積層板作製法のように基
板に全く耐湿処理をしていない場合には250時間以上
の耐久性を持つものは概ね良好と判断される。
【0032】<耐熱性の評価法>積層板の耐熱性の評価
は、次の方法によりはんだ耐熱性を測定することにより
行う。JIS規格C6481に基づき、25(±1)m
m×25(±1)mmの寸法の積層板試験片を作成し、
260(+2〜−0)℃の溶融はんだ浴上に浮かせ、積
層板に膨れが生じるまでの時間(秒)を測定する。
【0033】実施例で得られた結果を表1に示す。
【表1】
【0034】表1から明らかなように、紙原料中に0.
5〜5重量%(対絶乾パルプ重量)の合成ハイドロタル
サイトを添加することを特徴とする電気絶縁積層板原紙
から製造される積層板は、耐熱性の劣化を招くことなく
耐銀イオンマイグレ−ション性が大幅に改良されている
ことがわかる。
【0035】
【発明の効果】前記したごとく、本発明は、積層板加工
後の耐熱性の劣化を招くことなく、プリント配線板の耐
銀イオンマイグレ−ション性が良好な積層板を製造する
のに最も適した積層板原紙を提供するという効果を奏す
る。従って、その工業的意義は極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐酸性の高い合成ハイドロタルサイトを
    添加したことを特徴とする電気絶縁積層板原紙。
  2. 【請求項2】 耐酸性の高い合成ハイドロタルサイトと
    して1mol/LのHBr溶液中での不溶体保持時間が20s
    ec以上のハイドロタルサイトを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載の電気絶縁積層板原紙。
  3. 【請求項3】 耐酸性の高い合成ハイドロタルサイトの
    添加量が電気絶縁積層板原紙の絶乾重量に対し、0.5
    〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電
    気絶縁積層板原紙。
JP2487397A 1997-02-07 1997-02-07 電気絶縁積層板原紙 Pending JPH10226997A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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